JP2021526172A - 少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化方法 - Google Patents

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Abstract

ポリマーの分野に関し、及びポリエステルの結晶化のための方法を提供する。本発明は、より具体的には、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルを準備する工程と、当該半結晶質ポリエステルを結晶化する工程と、を含み、当該結晶化する工程を、少なくとも600mbarの絶対圧で実施することを特徴とする、結晶化方法に関する。本発明による方法によって、結晶化中のポリエステルの膨張現象を強く制限すること、又は更にはなくすことが可能になる。有利には、本発明により組み入れた圧力条件によって膨張現象をなくすことで、撹拌したときに破断し、ひいては望ましくない微細粒子の形成をもたらす、非常に脆弱な中空の球体を生じさせずに済ませることが可能になる。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーの分野に関し、とりわけ具体的には、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化のための方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、多くの工業用途で広く使用されているプラスチック材料である。しかし、ある使用条件下、又はある特定の用途では、このポリエステルは必ずしも全ての必要な特性を有してはいない。したがって、グリコール変性PET(PETg)が開発されてきた。これらは概して、エチレングリコール単位及びテレフタル酸単位に加えて、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)単位を含むポリエステルである。このジオールをPETに導入することにより、その特性を目標とする用途に適合させること、例えば、その耐衝撃性又はその光学特性を改善することが、可能になる。
本質的には環境面の理由から、石油化学物質由来のプラスチック材料は次第に求められなくなっており、新規な解決策が現れ始めている。
かくして、再生可能資源が、熱可塑性ポリエステルにおいて現れ、他の変性PETは、ポリエステルに、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位、特にイソソルビドを導入することによって開発されている。これらの変性ポリエステルは、従来のPET(Tg=75〜80℃)又はCHDMを含むPETg(Tg=75〜85℃)よりも高いガラス転移温度を有し、したがって改善された熱機械特性を有する。比較すると、イソソルビドを含有するPETコポリエステルのガラス転移は、最高で210℃まで広がり得る。イソソルビド単位を含むポリエステルは、多くの専用製品の製造に適格なポリエステルである。
従来、ポリエステルは溶融経路により得られるが、この技術では、相当の機械的特性を必要とする用途に必要とされる高モル質量(>16,000g/モル)も、その変化に必要とされる高溶融粘度も達成できない。
したがって、より高いモル質量は、特定の方法、すなわちポリマー、特にポリエステルの固相後縮合(solid−state post−condensation)によって得ることができる。例えば、概してこの方法は、繊維グレード又はボトルグレードのポリエステル、すなわち、繊維又はボトルの製造のための工業規格によって課される定性的基準を満たすポリエステルを得るために実施される。
概して、固相後縮合を、2つの段階で実施する。第1の段階において、ポリエステル顆粒を、この対象とするポリエステル粒子の最適な結晶化温度に近い温度で、窒素流下又は真空下にて結晶化する。組み入れられる圧力は、10mbar未満の絶対圧であり、概して5mbarの絶対圧である。結晶化の効果は、高温での顆粒の凝集を回避すること、及び鎖の末端を非晶質領域内に集中させることである。
結晶化されたならば、その後、固相後縮合を適正に実施するために、第2の段階においてより高い温度で、概してポリマーの融点よりも5℃〜20℃低い温度で、顆粒を加熱する。この工程により、ポリマーのモル質量を増加させることが可能になる。工業的には、結晶化及び固相後縮合は真空下で実施され、これはより費用のかさむ窒素流よりも好ましい。上述のように、このように組み入れられる圧力は、10mbar未満の絶対圧であり、概して5mbaの絶対圧に近い。
ポリエステルの大部分については、これらの条件下で、結晶化工程によって、いかなる特定の問題も生じることはない。しかし、本出願人は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位、特にイソソルビドを含有するポリエステルは、結晶化工程中に膨張する傾向があることを観察した。ポリマーを専門とする当業者には、この膨張現象は、用語「ポップコーニング(pop−corning)」とも呼ばれている。
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルのこの膨張現象によって、いくつかの問題が生じる。第1に、膨張したポリエステル顆粒の形成により、非常に脆弱な中空の球体が得られることになり、このような球体は、撹拌したときに破損し、ひいては望ましくない微細粒子の形成をもたらす。第2に、膨張現象は、ポリエステル顆粒のマクロなレベルでの構造破壊をもたらし、不均一なポリエステル顆粒の生成につながる。このような顆粒は、不均一な形状を有しており、例えば固相後縮合工程中に異なる速度で変化しやすい。これは、ポリエステルのモル質量の不均一性につながる。第3に、本出願人により、これらの膨張顆粒では凝集が増加すること、この凝集が顆粒の計量をかなり複雑にし、また精度を低下させることも観察されている。
したがって、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化によってもたらされる膨張現象を制限すること、又は更にはなくすことが可能であることは、全体的に有利である。
調査から、結晶化中の膨張現象を扱う文書はほとんどないことが示された。しかし、この現象は、ポリエチレンナフタレート(PEN)の場合では、1990年代以降既知のものである。
膨張をなくすために、ポリエチレンナフタレートを結晶化するための方法に関する文書、米国特許第4,963,644号では、ガラス転移温度と軟化点との間で、すなわち、ポリマーがまだ軟化状態ではないときに脱揮を実施するための、窒素流の使用又は真空の確立が記載されている。しかし、この解決策では結晶化時間の増加につながり、方法があまり効果的ではなくなり、より費用がかさんでしまう。
文書、米国特許第5,663,290号では、含水量の限界を下回るようにポリエチレンナフタレートを造粒中に予め乾燥させることができ、これを超えると膨張現象が現れる(PENの場合では4200ppm)ことが記載されている。したがって、水中ペレタイザーで造粒を実施し、次いで、不活性ガス流によって、周囲温度で顆粒を乾燥可能にする。次いで、得られたこれらの顆粒を真空下で袋詰めすることにより、材料が更なる水を取り込むのを防ぐ。しかし、この解決策では、造粒方法を修正する必要があり、不活性ガスの量が大量で費用がかさみであり、顆粒の包装及び使用は複雑になる。
文書、米国特許第5,744,578号では、ポリマーを分解しない加圧用の液体又は液体の混合物の存在下でのPENプレポリマーの結晶化が記載されている。この液体が、顆粒の膨張を防止するのに十分な蒸気圧を有していない場合には、媒体が不活性ガスで加圧される。この方法は、ポリマーと液体とを分離する追加の工程を必要とするため、とりわけ有益というものではない。
現在までに既知のこれらの解決策は全て、ポリエチレンナフタレートホモポリマー又はコポリマーに関するものであり、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含有するポリエステルに対して十分に満足のいくものでも転用可能なものでもない。
後縮合しやすいポリエステルの膨張現象を制限するために、文書、米国特許第5,391,694号では、造粒用の特別なダイを使用することによって、当該顆粒の形状を調整することが記載されている。顆粒の形状を調整することによって、後縮合中の共生成物の拡散と同様に、結晶化中の水又は空気の拡散を促進して、SSPの速度を増加させることができる。この解決策では、方法の上流に特別なダイを設置する必要があり、また、それにより当該方法がより高価になるため、比較的制限がある。
したがって、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化中に観察された膨張現象をなくすことが可能であり、従来技術の方法の欠点を有していない、新規な方法を開発する必要性が依然としてある。
したがって、本出願人が、結晶化工程中の特定の条件によって、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位、特にイソソルビドを含むポリエステルの膨張現象を制限すること、又は更にはこのような現象なく済ませることが可能であり、ひいてはこの原因の問題をなくすことが可能である方法を開発するに至ったことは、非常に有意義である。
本発明は、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化方法であって、
少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質ポリエステルを準備する工程と、
当該ポリエステルを結晶化する工程と、を含み、
結晶化工程を、少なくとも600mbarの絶対圧で実施することを特徴とする、結晶化方法に関する。
本発明による方法は、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化中に観察された膨張現象を制限する、又は更には膨張なしで済ませるという利点を有する。したがって、この方法では、破砕して微細粒子が生じる、脆弱な球体の形態の顆粒が生成されることはなくなり、不均一な顆粒の原因である、ポリエステル顆粒のマクロなレベルでの構造破壊につながらず、最終的に、このような顆粒の形成を制限することによって、当該顆粒の凝集という望ましくない現象が起きないようにする。
本発明は、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化方法であって、
少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質ポリエステルを準備する工程と、
当該ポリエステルを結晶化する工程と、を含み、
結晶化工程を、少なくとも600mbarの絶対圧で実施することを特徴とする、結晶化方法に関する。
したがって、本発明による方法によって、結晶化ポリエステルを得ることが可能である。
驚くべきことに、本出願人は、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化中に観察される膨張現象は、結晶化中に特定の条件を組み入れた場合に、大幅に制限すること、又は更には完全になくすことが可能であったことを観察した。実際に、結晶化を少なくとも600mbarの絶対圧で実施すると、現象は大幅に制限され、少なくとも800mbarの絶対圧の場合、なくなる。
本出願人によって特定された条件では、先行技術によってポリエチレンナフタレートの場合に提案されている解決策と比較して、費用が抑えられ、かつ迅速なものである、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルを結晶化する方法を得ることが可能である。
したがって、本発明による結晶化方法の第1の工程は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質ポリエステルを準備することからなる。
本発明によれば、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位は、イソソルビド、イソマンニド、イソイジド、又はこれらの混合物であってもよい。好ましくは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位は、イソソルビドである。
イソソルビド、イソマンニド、及びイソイジドは、それぞれソルビトール、マンニトール、及びイジトールの脱水によって得ることができる。イソソルビドに関しては、出願人が、POLYSORB(登録商標)Isosorbideの商標名で販売している。
この第1の工程において準備したポリエステルは、当業者が従来使用している形態、すなわち、例えば顆粒の形態であってもよい。
特定の実施形態によれば、本発明による結晶化方法において組み入れられるポリエステルは、半結晶質の熱可塑性ポリエステルであり、
少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、
1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の少なくとも1つのジオール単位(B)、
少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸単位(C)、を含む。
この実施形態によれば、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)は、上記定義のとおりである。
熱可塑性ポリエステルのジオール単位(B)は、脂環式ジオール単位、非環式脂肪族ジオール単位、又は脂環式ジオール単位と非環式脂肪族ジオール単位との混合物であってもよい。
脂肪族ジオール及び環式ジオールとも呼ばれる脂環式ジオール単位の場合、これは、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位以外の単位である。したがって、これは、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(TCDDM)、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、テトラヒドロフランジメタノール(THFDM)、フランジメタノール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、ジオキサングリコール(DOG)、ノルボルナンジオール、アダマンタンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、又はこれらのジオールの混合物からなる群から選択されたジオールであってもよい。脂環式ジオール単位は、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。脂環式ジオール単位(B)は、シス配置であってもトランス配置であってもよく、又はシス及びトランス配置のジオールの混合物であってもよい。
非環式脂肪族ジオール単位の場合、これは直鎖状又は分枝状非環式脂肪族ジオールであってもよく、当該非環式脂肪族ジオールはまた、飽和であっても不飽和であってもよい。飽和直鎖状非環式脂肪族ジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、及び/又は1,10−デカンジオールである。飽和分枝状非環式脂肪族ジオールは、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、及び/又はネオペンチルグリコールである。不飽和脂肪族ジオール単位は、例えば、シス−2−ブテン−1,4−ジオールである。非環式脂肪族ジオール単位は、好ましくはエチレングリコールである。
芳香族ジカルボン酸単位(C)は、当業者に既知の芳香族ジカルボン酸から選択される。芳香族ジカルボン酸は、ナフタレート、テレフタレート、フラノエート、チオフェンジカルボキシレート、ピリジンジカルボキシレート、若しくはそうでなければイソフタレート、又はこれらの混合物の誘導体であってもよい。有利には、芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸の誘導体であり、好ましくは、芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸である。
当業者であれば、半結晶質の特性を得るために、様々な単位の量を容易に調整することが可能である。例えば、半結晶質の熱可塑性ポリエステルは、
1〜15モル%の範囲のモル量の、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、
30〜54モル%の範囲のモル量の、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B)、
45〜55モル%の範囲のモル量の、テレフタル酸単位(C)、を含んでもよい。
モル量は、当該ポリエステルの総モル量に対して表されている。
更に、この特定の実施形態によれば、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)の、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)と1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外のジオール単位(B)との合計に対するモル比、すなわち、(A)/[(A)+(B)]は、少なくとも0.01かつ最大0.90である。有利には、この比は、少なくとも0.05かつ最大0.65である。
この特定の実施形態の第1の変形形態によれば、熱可塑性ポリエステルのジオール単位(B)は、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、又はこれらのジオールの混合物を含む群から選択される脂環式ジオール単位である。脂環式ジオール単位は、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。したがって、この変形形態によれば、ポリエステルは、エチレングリコールを含まない。
この特定の実施形態の第2の変形形態によれば、熱可塑性ポリエステルのジオール単位(B)は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、及び/又は1,10−デカンジオールを含む群から選択される飽和直鎖状非環式脂肪族ジオールである。好ましくは、飽和直鎖状非環式脂肪族ジオールは、エチレングリコールである。
方法の第2の工程は、当該ポリエステルを結晶化することから構成される。結晶化は、本体、この場合、ポリエステルが、結晶状態に部分的に入る現象である。
ポリエステルの結晶化の工程は、結晶化温度まで加熱することによって得られる。より具体的には、ポリエステルを、最高で結晶化温度までの温度勾配によって徐々に加熱する。次いで、この温度を、その最大の結晶化を可能にするのに十分な時間にわたって維持する。
結晶化温度は、各ポリエステルによって異なる。しかし、これは、当業者に既知の、及び/又は当業者が測定可能な特性である。したがって、本発明による方法において、ポリエステルの結晶化のために組み入れる温度は、示差走査熱量測定(DSC)試験に基づいて当業者が決定する。
従来、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの場合、結晶化工程を、例えば、5mbarの絶対圧など、10mbar未満の絶対圧で、真空下にて実施する。上述のように、本出願人は、これらの通例の圧力条件下での1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化が、当該ポリエステルの膨張につながったことを観察した。しかし、多大な検討の後、本出願人は、この現象を大幅に制限すること、又は更には完全になくすことが可能である、具体的な条件を特定した。
したがって、本発明の方法によれば、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む、ポリエステルを結晶化する工程を、少なくとも600mbarの絶対圧下で実施する。とりわけ具体的には、結晶化を、少なくとも700mbarの絶対圧、少なくとも800mbarの絶対圧、少なくとも900mbarの絶対圧、及び更には少なくとも1000mbarの絶対圧の圧力で実施する。800mbarの絶対圧を上回ると、ポリエステルの膨張現象は完全になくなる。
特定の実施形態によれば、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化を、600mbarの絶対圧から最高で大気圧までの範囲内の圧力下で実施する。
別の特定の実施形態によれば、結晶化工程を、800mbarの絶対圧から1000mbarの絶対圧までで実施する。
有利には、本発明により組み入れた圧力条件によって膨張現象をなくすことで、膨張したポリエステル顆粒の形成を回避すること、ひいては、撹拌したときに破断し、ひいては望ましくない微細粒子の形成をもたらす、非常に脆弱な中空の球を生じさせずに済ませることが可能になる。
更に、本発明による方法では、顆粒の形状を均一に維持することが可能になり、したがって顆粒は、例えば固相後縮合工程中に一様の速度で変化する。最後に、膨張現象をなくすことは、顆粒が凝集の増加を示さないという点で有利である。
本発明による結晶化工程を、不活性ガス流、例えば、窒素流などの存在下又は非存在下で実施することができる。
特に有利な実施形態によれば、この工程を、不活性ガス流なしで実施し、したがって、ポリエチレンナフタレートについて膨張現象を制限することが知られている実施形態には従わない。更に、結晶化中にガス流が存在しないことは、後続の固相後縮合工程の状況において、当該工程がそれらのガス類を消費することから有利である。この方法では、ポリエステルのモル質量を増加させるための工程の実施中に消費されるガスが、より少ない。
特定の実施形態によれば、本発明による方法はまた、結晶化させたポリエステルを回収する工程、を含む。
特定の実施形態によれば、本発明による方法は、結晶化工程の上流で1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールを含むポリエステルを乾燥させる工程、を含む。
この工程は、ポリエステル中の含水量が0.1%未満、とりわけ具体的には0.05%未満となるよう実施する。ポリエステルの乾燥は、有利には、特に結晶化工程中、500〜800mbarの絶対圧下で、膨張現象の低減に貢献し得る。
特定の実施形態によれば、本発明による方法はまた、モル質量を増加させる工程、を含む。このモル質量を増加させる工程を、ポリエステルの後重合によって実施することができる。好ましくは、後重合を、固相後縮合(SSP)の工程によって実施する。
固相後縮合を、ガラス転移温度とポリマーの融点との間の温度で実施する。したがって、このSSP工程を実施するために、ポリエステルを半結晶質にして結晶化させる必要がある。後縮合は当業者に周知の工程であるため、当業者は、モル質量を増加させることを望むポリエステルに基づいて、操作条件を調整することができる。
したがって、本発明はまた、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質ポリエステルのモル質量を増加させるための方法であって、
上記定義のとおりの少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質ポリエステルを準備する工程と、
当該ポリエステルを結晶化する工程と、
当該結晶化させたポリエステルのモル質量を固相後縮合によって増加させる工程と、を含み、
結晶化工程を、少なくとも600mbarの絶対圧で実施することを特徴とする、方法に関する。
上述のように、結晶化工程を具体的には、少なくとも700mbarの絶対圧、少なくとも800mbarの絶対圧、少なくとも900mbarの絶対圧、及び更には少なくとも1000mbarの絶対圧で実施する。800mbarの絶対圧を上回ると、ポリエステルの膨張現象は完全になくなる。
同様に、第1の工程で準備するポリエステルは、上記定義のとおりであってもよい。
特定の実施形態によれば、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む、半結晶質ポリエステルを結晶化する工程を、600mbarの絶対圧から最高で大気圧までの範囲内の圧力下で実施する。
別の特定の実施形態によれば、結晶化工程を、800mbarの絶対圧から1000mbarの絶対圧までで実施する。
特定の実施形態によれば、モル質量を増加させるための方法は、モル質量を増加させた後、ポリエステルを回収する工程、を含む。
このモル質量を増加させる方法は、結晶化工程中の当該ポリエステルの膨張現象を制限すること、又は更にはなくすこととともに、増加したモル質量を有する半結晶質ポリエステルを得ることが可能であるという点で、特に有利である。したがって、方法の終了時に回収したポリエステルは、撹拌したときに破断し、ひいては望ましくない微細粒子の形成をもたらす、非常に脆弱な中空の球体を有していない。同様に、概して顆粒の形状であるポリエステルは、膨張の非存在下ではマクロなレベルで均一な構造を有していることから、後縮合工程中に均一な縮合速度を得ることができ、したがって、プロセスの終了時に、当該ポリエステルのモル質量の均一性を得ることが可能になる。
本発明はまた、以下の実施例にも記載されるが、これは全く例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
全ての実施例において、式「モル%/ジオール」は、イソソルビドの、ジオールに対するモル%を指す。
溶液中の粘度の低下(ηred)については、ポリマーを135℃で磁気撹拌により溶解した後、Ubbelohdeキャピラリ粘度計を使用して、35℃で、フェノールとオルトジクロロベンゼンとの等質量混合物において評価する。これらの測定について、導入するポリマーの濃度は、5g/Lである。
膨張度:膨張したポリエステル顆粒の量/ポリエステルの量の比×100
Tg:ガラス転移温度
Tm:融点
以下に示す例示的な実施例について、以下の試薬を使用した。
イソソルビド(純度>99.5%)Polysorb(登録商標)P、Roquette Freres
1,4−シクロヘキサンジメタノール(純度99%、シス異性体とトランス異性体との混合物)
テレフタル酸(純度99+%)、Accros
酢酸コバルト四水和物(99.999%)、Sigma−Aldrich
エチレングリコール(純度>99.8%)、Sigma−Aldrich
酸化防止剤:Irganox1010、BASF SE
酸化防止剤:Hostanox P−EPQ、Clariant
Irgamod195、BASF SE
エーテル化反応を制限する重合添加剤:20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、Sigma−Aldrich
二酸化ゲルマニウム(>99.99%)、Sigma−Aldrich
ジメチルスズオキシド−(99%)、Sigma−Aldrich
酢酸ナトリウム(>99%)、Sigma−Aldrich
実施例1.ポリエステルの合成
この実施例では、本発明による組み入れのための4つのポリエステル(1A、1B、1C、及び1D)、及び比較ポリエステル(1E)を合成した。
・ポリエステル1A
21.05kgのテレフタル酸、4.4kgのイソソルビド、及び15.7kgのシクロヘキサンジメタノールを、100Lの反応器に導入する。次に、12gのジメチルスズオキシド(触媒)及び17.4gのIrgamod195も、ペーストに添加する。
次いで、反応混合物を、5barの絶対圧下で、一定の撹拌をしながら250℃まで徐々に加熱する。エステル化によって形成された水を、反応中に連続的に除去する。エステル化度を、回収した留出物の質量に基づいて算出する。4時間30分のエステル化後、反応器の圧力を大気圧まで低下させ、温度を260℃にする。次いで、対数勾配でもって圧力を100分で0.7mbarの絶対圧まで低下させ、温度を280℃にする。100分後、ポリマーを水タンクに注ぎ、次いで円筒形顆粒の形状に切断する。
最終的なポリエステルの特性は以下のとおりである:ηred=54.3mL/g、Tg=112℃、Tm=259.6℃。
ポリエステルはまた、H NMRによって測定されるものとして17.2モル%/ジオールのイソソルビド含有量、顆粒100個の質量=1.98g、及び0.33%の含水量を有する。
・ポリエステル1B
21.05kgのテレフタル酸、6.4kgのイソソルビド、及び13.8kgのシクロヘキサンジメタノールを、100Lの反応器に導入する。次に、12gのジメチルスズオキシド(触媒)及び17.4gのIrgamod195も、ペーストに添加する。
次いで、反応混合物を、5barの絶対圧下で、一定の撹拌をしながら250℃まで徐々に加熱する。エステル化によって形成された水を、反応中に連続的に除去する。エステル化度を、回収した留出物の質量に基づいて算出する。約5時間のエステル化後、反応器の圧力を大気圧まで低下させ、温度を260℃にする。次いで、対数勾配でもって圧力を1時間30分で0.7mbarの絶対圧まで低下させ、温度を280℃にする。190分後、ポリマーを水タンクに注ぎ、次いで円筒形顆粒の形状に切断する。
最終的なポリエステルの特性は以下のとおりである:ηred=51.8mL/g、Tg=118℃。
ポリエステルはまた、H NMRによって測定されるものとして27.1モル%/ジオールのイソソルビド含有量、顆粒100個当たりの質量=0.91g、及び0.43%の含水量を有する。
・ポリエステル1C
29.0kgのテレフタル酸、2.2kgのイソソルビド、及び12.1kgのエチレングリコールを、100Lの反応器に導入する。次に、10.5gの二酸化ゲルマニウム、2.2gの酢酸コバルト、17.7gのHostanox P−EPQ、17.7gのIrganox1010、及び5.4gの、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液(20重量%)も、ペーストに添加する。
次いで、反応混合物を、3barの絶対圧下で、一定の撹拌をしながら250℃まで徐々に加熱する。エステル化によって形成された水を、反応中に連続的に除去する。エステル化度を、回収した留出物の質量に基づいて算出する。約3時間のエステル化後、反応器の圧力を15分で大気圧まで低下させる。次いで、対数勾配でもって圧力を30分で0.7mbarの絶対圧まで低下させ、温度を265℃にする。100分後、ポリマーを水タンクに注ぎ、次いで円筒形顆粒の形状に切断する。
最終的なポリエステルの特性は以下のとおりである:ηred=49.8mL/g、Tg=87℃。
ポリエステルはまた、H NMRによって測定されるものとして6.2モル%/ジオールのイソソルビド含有量、顆粒100個当たりの質量=1.31g、及び0.40%の含水量を有する。
・ポリエステル1D
29.0kgのテレフタル酸、3.7kgのイソソルビド、及び11.4kgのエチレングリコールを、100Lの反応器に導入する。次に、11.6gの二酸化ゲルマニウム、2.7gの酢酸コバルト、17.7gのHostanox P−EPQ、17.7gのIrganox1010、及び6.2gの、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液(20重量%)も、ペーストに添加する。
次いで、反応混合物を、3barの絶対圧下で、一定の撹拌をしながら250℃まで徐々に加熱する。エステル化によって形成された水を、反応中に連続的に除去する。エステル化度を、回収した留出物の質量に基づいて算出する。約3時間30分のエステル化後、反応器の圧力を15分で大気圧まで低下させる。次いで、対数勾配でもって圧力を30分で0.7mbarの絶対圧まで低下させ、温度を265℃にする。110分後、ポリマーを水タンクに注ぎ、次いで円筒形顆粒の形状に切断する。
最終的なポリエステルの特性は以下のとおりである:ηred=47.7mL/g、Tg=91℃。
ポリエステルはまた、H NMRによって測定されるものとして10.2モル%/ジオールのイソソルビド含有量、顆粒100個当たりの質量=1.17g、及び0.47%の含水量を有する。
・ポリエステル1E.イソソルビドなしの比較ポリエステル
695gのテレフタル酸及び337gのエチレングリコールを、3Lの反応器に導入する。0.2gの酸化ゲルマニウム及び50mgの酢酸ナトリウムも、ペーストに添加する。
次いで、反応混合物を、6.6barの絶対圧下で、一定の撹拌をしながら270℃まで徐々に加熱する。エステル化によって形成された水を、反応中に連続的に除去する。エステル化度を、回収した留出物の質量に基づいて算出する。約2時間20分のエステル化後、反応器の圧力を20分で大気圧まで低下させる。次いで、対数勾配でもって圧力を90分で0.7mbarの絶対圧まで低下させ、温度を280℃にする。50分後、ポリマーを水タンクに注ぎ、次いで円筒形顆粒の形状に切断する。
最終的なポリマーの特性は以下のとおりである:ηred=59.1mL/g、Tg=78℃、Tm=242℃。最終的なポリマーはまた、顆粒100個当たりの質量=1.1g、及び0.34%の含水量を有する。
実施例2.結晶化中の膨張現象の実証
この実施例の目的は、イソソルビドを含有するポリエステルを結晶化する工程中の膨張現象を、実証及び評価することである。
試験1.
75gのポリエステル1Aの顆粒を、500mLの溝付き丸底フラスコ内で回転させた。約0.5mbarの絶対圧の真空を適用し、次いで、丸底フラスコを油浴内に沈めて、最初に110℃で15分間加熱することにより、微量に存在している水を全て除去する。
次いで、5℃/分の勾配でもって、顆粒を結晶化温度の165℃まで加熱する。結晶化温度を100分間維持し、結晶化を確実に完了させる。最後に、結晶化した顆粒をゆっくりと冷却した後、膨張している顆粒を目視で識別するために分別する。
これらの実験条件により、16±2%の膨張度、及び膨張した顆粒周囲の顆粒の凝集がもたらされる。浴温度を165℃にすることで、丸底フラスコの内壁との接触は160℃の温度との接触に相当することになることに留意されたい。
試験2.
ポリエステル1Bの顆粒を出発材料として、試験1と同じ条件を再現する。ただし、結晶化温度を175℃に変更して、このポリエステルのイソソルビド含有量に最適な結晶化温度に対応させる。
これらの実験条件により、100%の膨張度がもたらされる。
試験3.
ポリエステル1Cの顆粒を出発材料として、試験1と同じ条件を再現する。ただし、結晶化温度を16℃に変更して、このポリエステルのイソソルビド含有量に最適な結晶化温度に対応させる。
これらの実験条件により、80%の膨張度がもたらされる。
試験4.
ポリエステル1Dの顆粒を出発材料として、試験1と同じ条件を再現する。ただし、結晶化温度を16℃に変更して、このポリエステルのイソソルビド含有量に最適な結晶化温度に対応させる。
これらの実験条件により、80%の膨張度がもたらされる。
比較試験5.
イソソルビドを含有していない、ポリエステル1Eの顆粒を出発材料として、試験1と同じ条件を再現する。
高真空下では、ポリエチレンテレフタレートの結晶化が顆粒の膨張につながることはない。
実施した様々な試験では、膨張現象がポリエステル中のイソソルビド単位の存在に関連していることが示されている。
実施例3.膨張現象の制限
試験1を、様々な圧力値で再現する。そのため、結晶化中に、ポリエステル1Aの顆粒に様々な真空条件を適用した。
結果を、以下の表1に示す。
Figure 2021526172
600mbarの絶対圧の圧力から、結晶化後に得られる膨張度は大幅に減少する。圧力が少なくとも800marの絶対圧であるとき、膨張度はゼロである。
したがって、この実施例では、本発明による条件により、結晶化工程中の、イソソルビドを含有するポリエステルの膨張現象を低減させること、又は更には完全になくすことが可能であることについて、示されている。
実施例4.他のポリエステルによる結果の検証
試験2、3、及び4を、様々な圧力値で再現することにより、上記実施例においてポリエステル1Aで得られた結果を確認した。
結果を、以下の表2に示す。
Figure 2021526172
結果は、結晶化中800mbarの絶対圧の圧力により、それぞれ27.1%、6.2%、及び10.2%の、イソソルビドのジオールに対するモル%を有する、ポリエステル1B、1C、及び1Dにおいて膨張現象をなくすことが可能であることを示している。
この実施例では、本発明による圧力条件により、イソソルビドを含有するポリエステルにおける膨張現象をなくすことが可能であることが確認されている。
実施例5.膨張現象に対する含水量の影響
ポリエステル1Aの含水量を変えて、試験1を再現する。材料を水に72時間若しくは160時間浸漬し、又は通気したオーブン内にて110℃で乾燥させる。結晶化後、膨張度を評価する。結果を、表3に示す。
Figure 2021526172
結果は、膨張現象がポリエステルの含水量にも応じて変化すること、また材料を乾燥させたときに大きく低減することを示している。
この性質は、ポリエステル1Bの含水量を変更する試験2からも確認された。結果は、0.43%の含水量を有するポリマー1Bの結晶化が、100%の膨張度につながり、他方、乾燥させて含水量を0.04%にすることにより、結晶化中の膨張度を8%まで低減させることが可能であることを示している。

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルの結晶化方法であって、
    少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質ポリエステルを準備する工程と、
    前記ポリエステルを結晶化する工程と、を含み、
    前記結晶化する工程を、少なくとも600mbarの絶対圧で実施することを特徴とする、結晶化方法。
  2. 前記結晶化する工程を、600mbarの絶対圧から最高で大気圧までの範囲内の圧力で実施することを特徴とする、請求項1に記載の結晶化方法。
  3. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位が、イソソルビドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記準備したポリエステルが、半結晶質の熱可塑性ポリエステルであり、
    少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、
    前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の少なくとも1つのジオール単位(B)、
    少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸単位(C)、を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の前記ポリエステルの前記ジオール単位(B)が、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(TCDDM)、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、テトラヒドロフランジメタノール(THFDM)、フランジメタノール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、ジオキサングリコール(DOG)、ノルボルナンジオール、アダマンタンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、又はこれらのジオールの混合物を含む群から選択される脂環式ジオール単位、好ましくは1,4−シクロヘキサンジメタノールであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の前記ポリエステルの前記ジオール単位(B)が、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、及び/又は1,10−デカンジオールを含む群から選択される飽和直鎖状非環式脂肪族ジオール、好ましくはエチレングリコールであることを特徴とする、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記ポリエステルの前記単位(C)が、ナフタレート、テレフタレート、フラノエート、チオフェンジカルボキシレート、ピリジンジカルボキシレート、イソフタレート、又はこれらの混合物の誘導体を含む群から選択されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記結晶化する工程を、800mbarの絶対圧から1000mbarの絶対圧までで実施することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記結晶化する工程の前に、前記ポリエステルを乾燥させる工程、を更に含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記結晶化する工程の後に、前記ポリエステルのモル質量を増加させる工程、を更に含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ポリエステルのモル質量を、固相後縮合(SSP)によって増加させることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含むポリエステルのモル質量を増加させる方法であって、
    少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質ポリエステルを準備する工程と、
    前記ポリエステルを結晶化する工程と、
    前記結晶化させたポリエステルのモル質量を固相後縮合によって増加させる工程と、を含み、
    前記結晶化する工程を、少なくとも600mbarの絶対圧で実施することを特徴とする、方法。
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