JP2021507073A - オートクレーブ内での付着物を発生させずにコポリアミドを調製するためのプロセス - Google Patents

オートクレーブ内での付着物を発生させずにコポリアミドを調製するためのプロセス Download PDF

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Abstract

オートクレーブ内での異物付着を発生させないコポリアミドを調製するためのプロセス。本発明は、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸及びテレフタル酸の重合生成物を含むコポリアミドを製造するための新規なプロセスに関する。

Description

本発明は、モノマーであるアジピン酸、ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸を重合することによりコポリアミドを調製するためのプロセスに関する。
ポリアミドは、特殊ポリマーの1つのサブクラスである。ポリアミドは、自然に、及び人工的の両方で発生する。合成により得られたポリアミドは、一般にそれらが顕著な特性を有するために、化学工業において及び社会のために大きな成果を上げてきた。化学工業では、ポリアミドは、通常は逐次成長反応におけるそれらのモノマーの縮合反応によって得られる。結果として生じる生成物は、水分の損失下でモノマー単位から構成される。生成物中では、モノマー単位は、アミド結合によって接続されている。時には、モノマーは、カプロラクタム中におけるようにアミド自体であり得る。しかし通常、モノマーは、アミノ基及び/又はカルボキシル基を示す。
脂肪族、半芳香族又は芳香族であり得るそれらの主鎖の組成によると、合成ポリアミドは、脂肪族ポリアミド、ポリフタルアミド又はアラミドである3種の異なるポリアミドファミリーに分類される。モノマーの鎖長は、例えば、周知のポリアミドであるPA6、PA66及びPA6Tにおけるように、反応生成物の名称を規定するために使用されることが多い。2種以上のポリアミドが一体化した場合は、例えば、本発明の主題であるプロセスにおいて調製されるPA66/6Tと同様に、生じた生成物はコポリアミドと呼ばれる。PA66/6Tを製造するための幾つかの先行技術のプロセスは、独国特許出願公開第929151A号明細書、米国特許第4603166A号明細書、同第4762910A号明細書、特開昭第61159422A2号明細書、特開平第7082372A2号明細書、同第7138366A2号明細書、米国特許第5708125A号明細書、同第5663284A号明細書、特開平第8059824A2号明細書、米国特許出願公開第2002077419A1号明細書、同第2007043185A1号明細書、中国公開特許第103360598A号明細書、同第104163918A号明細書及び米国特許出願公開第2016145390A1号明細書に開示されている。その他の関連文献は、米国特許第3382216A号明細書及び同第5378800A号明細書である。
所望のポリアミド及びコポリアミドを調製するための合成プロセス中には、望ましくない副反応が発生することが一般的な問題である。生じた副生成物は、使用したオートクレーブ内での付着物をもたらすことが多い。これらの付着物は、大規模な洗浄によって定期的に除去されなければならない。概して、これらの副反応は、費用及び時間のどちらも消費するダウンタイムを引き起こす。
更に、様々な重合プロセスのために必要とされる温度では、得られたポリマーが射出成形用途に好適であるために十分な流体ではないことは、一般的な問題である。温度を上昇させることによって流動性を増加させる試みは、ポリマーの少なくとも一部の分解をもたらすことが多く、このため所望の生成物の収率を低下させる。
現在に至るまで、これらの問題は満足できるようには解決されていない。
本特許出願の発明者は、加圧下でのオートクレーブ内での重合によるPA66/6Tの調製中に、オートクレーブを洗浄するための頻回な中断を必要とするオートクレーブの実質的な付着物が発生することを観察した。
本発明者らは、驚くべきことに、プロセスの初期段階(加圧下の重合)中に、反応質量の温度が最終ポリマーの融点より高く上昇した場合は、オートクレーブ内の付着物現象が大幅に減少することを見いだした。その結果として、オートクレーブ洗浄のために必要となる保守のための中断が少なくなる。更に、より優れたポリマー品質(即ち、分解残留物によって汚染されていない)を達成できる。分解残留物による汚染は、造粒期中のポリマー流の品質及び規則性を損傷させ、切断欠損をもたらし、ペレット化期の中断に伴って鎖を目詰まりさせ、プレート穴を閉塞させる等する。
従って、先行技術と比較して、本特許出願は、PA66/6T等のコポリアミドを重合するためのプロセスを促進するが、このとき加圧下の重合中には、標的ポリマーの融点の直ぐ上の温度に到達する。更にオートクレーブ内でのプロセス時間は、一般に先行技術におけるより短い。これは、付着物が所定のパラメーターではオートクレーブ内で観察されないので、好都合且つ革新的である。
従って本発明は、下記の項目[1]〜[49]に定義した主題に関する:
[1]50モル%未満のヘキサメチレンテレフタルアミド単位を含むコポリアミドを製造するためのバッチプロセスであって、前記プロセスは、下記の:
(a)混合物を得るために、水性溶媒並びにモノマーであるアジピン酸、テレフタル酸及びヘキサメチレンジアミン又はそれらの塩を蒸発器に導入する工程;
(b)濃縮混合物を得るために、蒸発器内の工程(a)において得られた混合物を溶媒の少なくとも一部の蒸発によって濃縮する工程;
(c)工程(b)において得られた濃縮混合物をオートクレーブ内に移送する工程;
(d)オートクレーブ内のモノマーを少なくとも1.2MPaの圧力で、温度をコポリアミドの融点より高い温度まで上昇させることによって重合する工程;
(e)オートクレーブ内の圧力を減圧によって解放する工程;
(f)オートクレーブ内で重合を継続させる工程;及び
(g)工程(f)において得られたコポリアミドを造粒する工程を含み、
ここで工程(d)+(e)+(f)の、特に工程(c)+(d)+(e)+(f)+(g)の総持続時間は、9時間未満、好ましくは6時間未満である、バッチプロセス。
[2]項目1に記載のプロセスであって、水性溶媒は、水であるプロセス。
[3]項目1又は2に記載のプロセスであって、本プロセスが更に、項目1の工程(a)の前に、モノマーの総濃度が40〜68重量%の範囲内にある、ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸を含む第1水溶液並びにモノマーの総濃度が50重量%未満である、ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸を含む第2水溶液を提供する工程;及び項目1の工程(a)において、第1水溶液及び第2水溶液を蒸発器に導入する工程を含むプロセス。
[4]項目3に記載のプロセスであって、第1水溶液内のモノマーの総濃度は、43〜64重量%の範囲内にあり、及び/又は第2水溶液内のモノマーの総濃度は、32〜48重量%の範囲内にあるプロセス。
[5]項目3に記載のプロセスであって、第1水溶液内のモノマーの総濃度は、46〜60重量%の範囲内にあり、及び/又は第2水溶液内のモノマーの総濃度は、35〜45重量%の範囲内にあるプロセス。
[6]項目3に記載のプロセスであって、第1水溶液内のモノマーの総濃度は、49〜56重量%の範囲内にあり、及び/又は第2水溶液内のモノマーの総濃度は、38〜42重量%の範囲内にあるプロセス。
[7]項目3に記載のプロセスであって、第1水溶液内のモノマーの総濃度は約52重量%であり、及び/又は第2水溶液内のモノマーの総濃度は約40重量%であるプロセス。
[8]項目3〜7の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(a)の前に、第1水溶液は、50〜65℃の温度を有し、及び/又は第2水溶液は、75〜105℃の温度を有するプロセス。
[9]項目3〜7の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(a)の前に、第1水溶液は、55〜60℃の温度を有し、及び/又は第2水溶液は、80〜100℃の温度を有するプロセス。
[10]項目3〜7の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(a)の前に、第2水溶液は85〜95℃の温度を有するプロセス。
[11]項目3〜10の何れか一項に記載のプロセスであって、第1水溶液中のヘキサメチレンジアミン対アジピン酸のモル比は、0.9〜1.1であるプロセス。
[12]項目3〜11の何れか一項に記載のプロセスであって、第2水溶液中のヘキサメチレンジアミン対テレフタル酸のモル比は、0.9〜1.1であるプロセス。
[13]項目3〜10の何れか一項に記載のプロセスであって、第1水溶液中のヘキサメチレンジアミン対アジピン酸のモル比は、実質的に等モルであり、及び/又は第2水溶液中のヘキサメチレンジアミン対テレフタル酸のモル比は、実質的に等モルであるプロセス。
[14]項目1〜13の何れか一項に記載のプロセスであって、モノマーは、項目1の工程(a)において得られた混合物中のテレフタル酸対アジピン酸のモル比が1未満であるような方法で蒸発器に導入されるプロセス。
[15]項目1〜13の何れか一項に記載のプロセスであって、項目1の工程(a)において得られた混合物は、最終ポリマーの50〜80mmol/kgの濃度で連鎖制限剤を更に含むプロセス。
[16]項目1〜13の何れか一項に記載のプロセスであって、項目1の工程(a)において得られた混合物は、最終ポリマーの60〜75mmol/kgの濃度で連鎖制限剤を更に含むプロセス。
[17]項目1〜13の何れか一項に記載のプロセスであって、項目1の工程(a)において得られた混合物は、最終ポリマーの約71mmol/kgの濃度で連鎖制限剤を更に含むプロセス。
[18]項目15〜17の何れか一項に記載のプロセスであって、前記連鎖制限剤は酢酸であるプロセス。
[19]項目1〜18の何れか一項に記載のプロセスであって、項目1の工程(a)において得られた混合物は、5〜25ppmの濃度で消泡剤を更に含むプロセス。
[20]項目1〜19の何れか一項に記載のプロセスであって、項目1の工程(a)において得られた混合物は、10〜20ppmの濃度で消泡剤を更に含むプロセス。
[21]項目1〜20の何れか一項に記載のプロセスであって、項目1の工程(a)において得られた混合物は、12〜18ppmの濃度で消泡剤を更に含むプロセス。
[22]項目1〜21の何れか一項に記載のプロセスであって、項目1の工程(a)において得られた混合物は、14〜16ppmの濃度で消泡剤を更に含むプロセス。
[23]項目19〜22の何れか一項に記載のプロセスであって、前記消泡剤は、ポリジメチルシロキサンをベースとする化合物であるプロセス。
[24]項目1〜23の何れか一項に記載のプロセスであって、混合物の温度は、蒸発中に135〜160℃の範囲内の温度値に到達するプロセス。
[25]項目1〜24の何れか一項に記載のプロセスであって、混合物の温度は、蒸発中に140〜155℃の範囲内の温度に到達するプロセス。
[26]項目1〜25の何れか一項に記載のプロセスであって、混合物の温度は、蒸発中に145〜150℃の範囲内の温度に到達するプロセス。
[27]項目1〜26の何れか一項に記載のプロセスであって、蒸発中の蒸発器内の圧力は、0.25〜0.35MPaの範囲内にあるプロセス。
[28]項目1〜27の何れか一項に記載のプロセスであって、蒸発中の蒸発器内の圧力は、0.28〜0.32MPaの範囲内にあるプロセス。
[29]項目1〜28の何れか一項に記載のプロセスであって、蒸発中の蒸発器内の圧力は、約0.30MPaであるプロセス。
[30]項目1〜29の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(b)は、濃縮混合物中の溶媒の濃度が20〜30重量%となるまで溶媒を蒸発させる工程を含むプロセス。
[31]項目1〜30の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(b)は、濃縮混合物中の溶媒の濃度が約25重量%となるまで溶媒を蒸発させる工程を含むプロセス。
[32]項目1〜31の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(d)における最高温度は、少なくとも282℃、好ましくは少なくとも285℃であるプロセス。
[33]項目1〜32の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(d)における最高温度は、285〜290℃の範囲内にあるプロセス。
[34]項目1〜33の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(d)における最高温度は、約288℃であるプロセス。
[35]項目1〜34の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(d)における最高温度は、コポリアミドの融点を3〜12℃超えるプロセス。
[36]項目1〜35の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(d)における最高温度は、コポリアミドの融点を5〜10℃超えるプロセス。
[37]項目1〜36の何れか一項に記載のプロセスであって、減圧中の温度は、288〜293℃の範囲内にあるプロセス。
[38]項目1〜37の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(f)は、291〜295℃の範囲内の最終温度で10〜20分間に渡り実施されるプロセス。
[39]項目1〜38の何れか一項に記載のプロセスであって、行程(d)におけるオートクレーブ内の圧力は、少なくとも1.5MPaであるプロセス。
[40]項目1〜39の何れか一項に記載のプロセスであって、生成したコポリアミドの融点は、272〜290℃、又は274〜288℃、又は276〜285℃、又は278〜282℃の範囲内にある、好ましくは約280℃であるプロセス。
[41]項目1〜40の何れか一項に記載のプロセスであって、コポリアミドは、30〜40モル%のポリアミド6T及び60〜70モル%のポリアミド66を含むプロセス。
[42]項目1〜41の何れか一項に記載のプロセスであって、コポリアミドは、約35モル%のポリアミド6T及び約65モル%のポリアミド66を含むプロセス。
[43]項目1〜42の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(d)+(e)+(f)の総持続時間は、6時間未満であるプロセス。
[44]項目1〜43の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(e)中に、工程(d)から得られた反応混合物の温度は、コポリアミドの融点より高いプロセス。
[45]項目1〜44の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(e)中に、工程(d)から得られた反応混合物の温度は、コポリアミドの融点より高い温度で維持されるプロセス。
[46]項目44又は45に記載のプロセスであって、工程(e)は、工程(d)から得られた反応混合物を加熱する工程を含むプロセス。
[47]項目1〜46の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(f)中に、工程(e)から得られた反応混合物の温度は、コポリアミドの融点より高いプロセス。
[48]項目1〜47の何れか一項に記載のプロセスであって、工程(f)中に、工程(e)から得られた反応混合物の温度は、コポリアミドの融点より高い温度で維持されるプロセス。
[49]項目47又は48に記載のプロセスであって、工程(f)は、工程(e)から得られた反応混合物を加熱する工程を含むプロセス。
本発明は、50モル%未満のヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)単位及び50モル%超のヘキサメチレンアジパミド(66)単位を含むコポリアミドを製造するためのプロセスに関する。好ましくは、本コポリアミドは、30〜40モル%のポリアミド6T単位及び70〜60モル%のポリアミド66単位を含む。最も好ましくは、本コポリアミドは、素晴らしい特性を備えるコポリアミドをもたらす約35モル%のポリアミド6T単位及び約65モル%のポリアミド66単位を含む。このプロセスによって生成された本コポリアミドは、典型的には、272〜290℃、又は274〜288℃、又は276〜285℃、又は278〜282℃の範囲内にある、好ましくは約280℃である融点を有する。
本プロセスは、通常は、アジピン酸、テレフタル酸及びヘキサメチレンジアミン及び/又はそれらの各塩を提供する工程から始まる。アジピン酸、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン及び/又はそれらの各塩は、本明細書では「モノマー」と呼ぶ。これらのモノマーは、典型的には、水性溶媒中で提供される。水性溶媒は、水を含む。水性溶媒は、少なくとも10体積/体積%の水及び水以外の少なくとも1種の溶媒を含み得る。水以外の溶媒は、有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール等であってよい。好ましくは、水性溶媒は、少なくとも50体積/体積%の水、より好ましくは少なくとも90体積/体積%の水を含む。最も好ましい実施形態では、水性溶媒は、水である、即ち、水が唯一の溶媒である、及びモノマー組成物は、水以外の溶媒を含まない。従って、これらのモノマーを含む組成物は、唯一の溶媒として水を含むのが好ましい。
本発明の1つの実施形態では、モノマーは、2種の別個の溶液中で提供される。この実施形態では、第1水溶液は、ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸又はそれらの各塩を含む。第1水溶液中のモノマーの総濃度は、典型的には、40〜68重量%、好ましくは43〜64重量%、一層より好ましくは46〜60重量%、更に一層より好ましくは49〜56重量%、最も好ましくは50重量%〜55重量%の範囲内にある。第2水溶液は、ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸又はそれらの各塩を含む。第2水溶液中のモノマーの総濃度は、通常は、50重量%未満、好ましくは32〜48重量%、一層より好ましくは35〜45重量%、更に一層より好ましくは38〜42重量%、最も好ましくは約40重量%である。第1水溶液中のヘキサメチレンジアミン対アジピン酸のモル比は、好ましくは、0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05、最も好ましくは約1である、即ち、第1水溶液は、約等モル量のヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸を含む。第2水溶液中のヘキサメチレンジアミン対テレフタル酸のモル比は、好ましくは、0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05、最も好ましくは約1である、即ち、第2水溶液は、約等モル量のヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸を含む。
好ましくは、第1水溶液は、50〜65℃、より好ましくは55〜60℃の温度を有する。第2水溶液は更に、75〜105℃、より好ましくは80〜100℃、最も好ましくは85〜95℃の温度を有するのが好ましい。
本発明の方法は、混合物を得るために水性溶媒並びにモノマーであるアジピン酸、テレフタル酸及びヘキサメチレンジアミン又はそれらの塩を蒸発器に導入する工程であって、ここで水性溶媒が好ましくは水である工程を含む。だが、水性溶媒は水には限定されず、モノマー又はそれらの塩を溶解させるために好適な任意の水性溶媒が使用され得る。
蒸発器の型は、特別には限定されない。好適な蒸発器としては、容器蒸発器、静止型蒸発器、非静止型蒸発器、例えば外部熱交換器、自然循環蒸発器、強制循環蒸発器、液膜上昇式蒸発器、液膜降下式蒸発器、薄膜蒸発器及び短経路蒸発器が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明の1つの実施形態では、モノマーは蒸発器に、蒸発器への導入によって得られる混合物中のテレフタル酸対アジピン酸のモル比が1未満である量で導入される。好ましくは、混合物中のテレフタル酸対アジピン酸のモル比は、0.25〜0.75又は0.3〜0.7である。より好ましくは、混合物中のテレフタル酸対アジピン酸のモル比は、0.43〜0.67又は0.47〜0.61である。最も好ましくは、混合物中のテレフタル酸対アジピン酸のモル比は、0.52〜0.56、例えば約0.54である。
任意選択的に、連鎖制限剤が混合物に添加され得る。連鎖制限剤の濃度を適応させることによって、得られるコポリマーの特性は、典型的にはその剛性及び流動性に関して変動させることができる。本発明の1つの実施形態では、蒸発器内の混合物は、最終ポリマーの50〜100mmol/kg、好ましくは最終ポリマーの60〜80mmol/kg、より好ましくは最終ポリマーの約70mmol/kgの濃度で連鎖制限剤を含む。連鎖制限剤が酢酸である場合は、素晴らしい特性が得られる。
通常、混合物中に消泡剤を導入することもまた有益である。本発明の1つの実施形態では、蒸発器内の混合物は、5〜25ppm、より好ましくは10〜20ppm、一層より好ましくは12〜18ppm、最も好ましくは14〜16ppmの濃度で消泡剤を含む。最善の結果は、消泡剤がポリジメチルシロキサンをベースとする化合物である場合に達成される。だが、消泡剤は、ポリジメチルシロキサンをベースとする化合物には限定されず、任意の好適な消泡剤が使用され得る。
蒸発器の内容物は、本明細書では混合物と呼ぶ。次の工程では、蒸発器中の混合物は、20〜30重量%の溶媒及び70〜80重量%の他の成分、好ましくは約25重量%の溶媒及び約75%の他の成分を含む濃縮混合物を得るために濃縮される。他の成分は、混合物中の水性溶媒以外の任意の成分である。他の成分としては、特にモノマー及び任意選択的に連鎖制限剤及び消泡剤が挙げられる。
この濃度は、混合物を水性溶媒の沸点まで加熱する工程を含み得る、溶媒の少なくとも一部の蒸発によって達成される。蒸発中、蒸発器内の温度は上昇し、148〜162℃の範囲内に到達する。好ましくは、蒸発器内で到達した温度は、150〜160℃の範囲内にある。最も好ましくは、蒸発器内で到達した温度は、152〜162℃の範囲内にある。蒸発中、蒸発器内の圧力は、典型的には、0.22〜0.26MPaの範囲内にある。好ましくは、蒸発器内の圧力は、典型的には0.23〜0.25MPaの範囲内にある。最も好ましくは、蒸発器内の圧力は、蒸発器の正常な作動を保証し、優れた特性を備えるコポリアミドを提供する約0.24MPaである。
本発明のプロセスは、バッチ式重合プロセスとして実施される。バッチ式重合プロセスは、典型的には、適切なプロセス温度へ加熱される重合反応器又はオートクレーブを利用する。従って、濃縮混合物は、その後オートクレーブ内に移送される。オートクレーブのタイプは、特別には限定されず、200℃を超える温度及び少なくとも1.2MPaを超える圧力、好ましくは少なくとも1.5MPaの圧力に忍容できる任意の重合オートクレーブ又は反応器を含む。オートクレーブは、非撹拌式オートクレーブであってよい。しかしながら、撹拌式又は撹拌型オートクレーブを使用するのが好ましい。好適なオートクレーブは、当業者には公知である。そのようなオートクレーブを加熱する工程は、加熱流体からの熱を反応器内に伝達する閉ループ加熱システムの使用を包含し得る。加熱システムは、内部加熱コイル、外部ジャケット付システム又は他の類似の熱伝達システムを含み得る。反応器の呼び容積は、1,000〜10,000L(リットル)の範囲に及び得る。
モノマーは、オートクレーブ内において、少なくとも1.2MPa、好ましくは少なくとも1.5MPaの圧力で、温度をコポリアミドの融点より高い温度まで上昇させることによって重合する。本発明の又別の実施形態では、最高重合温度は、少なくとも285℃である。例えば、最高重合温度は、285〜290℃の範囲内にあってよい。素晴らしい特性は、最高重合温度が約288℃である場合に得られる。本発明の又別の実施形態では、最高重合温度は、コポリアミドの融点を3℃〜12℃超える。本発明の更に又別の実施形態では、最高重合温度は、コポリアミドの融点を5℃〜10℃超える。オートクレーブ内の高圧重合は、典型的には60〜120分間、好ましくは75〜100分間の持続時間を有する。
オートクレーブ内の圧力は、大気圧への減圧によって緩徐に解放され得る。減圧中、温度は、好ましくは288〜293℃の範囲内にあり、それにより重合は持続し得る。この減圧工程又は圧力解放期の持続時間は、好ましくは、15分間〜90分間、より好ましくは25分間〜45分間である。
圧力が解放された後、重合はオートクレーブ内で更に5〜30分間に渡り、好ましくは10〜20分間に渡り持続し得る。この仕上期の終了時に到達する最終温度は、通常は、290〜300℃、好ましくは291〜295℃の範囲内にある。
オートクレーブは、その後、例えば、0.2〜1.0MPa、好ましくは0.4〜0.8MPa又は0.5〜0.6MPaの範囲内にある窒素圧下に置くことができる。最終工程では、得られたコポリアミドは、造粒される。溶融ポリマーは、顆粒を得るために冷却して切断され得るストランドの形態でオートクレーブから抽出され得る。造粒後、オートクレーブは、新規の重合バッチのための準備が整う。
重合工程の総持続時間は9時間未満である。好ましくは、重合工程の総持続時間は、8時間未満又は7時間未満又は更には6時間未満である。重合工程の総持続時間は、2〜8時間、又は2.5〜7時間、又は3〜6時間の範囲に及び得る。
驚くべきことに、オートクレーブ内で付着物をもたらすであろう分解産物は全く観察されない。従って、コポリアミドを調製するためのその後のバッチプロセスのためにオートクレーブを直ぐに使用できるように、重合プロセス後のオートクレーブ内で付着物が観察されないことは、本発明の特別な長所である。1つの好ましい実施形態では、本発明のプロセスは、オートクレーブの保守又は洗浄のために中断することなく、少なくとも12回繰り返すことができる。より好ましくは、本発明のプロセスは、オートクレーブの保守又は洗浄のために中断することなく、少なくとも20回又は少なくとも30回繰り返すことができる。
得られたコポリアミドは、好ましくは不透明性を有していない。他のコポリアミドから知られているように、この生成物は高強度及び耐熱性を有しており、従って射出成形若しくは抽出プロセスにおける更なる使用のために専用のプラスチック化合物を調製するために素晴らしく好適である。
本発明のプロセスによって得られたコポリアミドは、典型的には8,000〜15,000、好ましくは8,000〜12,000、一層より好ましくは9,000〜11,000kg/kmolの数平均分子量を有する。数平均分子量は、末端基濃度(カルボキシル末端基、アミノ末端基及び更に連鎖制限剤によるキャップ端)から計算される。
本発明のプロセスによって得られたコポリアミドは、典型的には60〜120mL/g、好ましくは70〜100mL/g、一層より好ましくは75〜85mL/gの範囲内にある粘度指数を有する。粘度指数は、国際規格ISO307に従って90%のギ酸中で決定される、ポリアミドの粘度指数を指す。
実施例1(本発明)
コポリアミド66/6Tは、蒸発器及びオートクレーブのどちらも適切な手段を介して熱供給のため、及び圧力制御条件下で蒸発したプロセス蒸気を放出するために装備されている、外部再循環型蒸発器及び撹拌型オートクレーブを含む工業用サイズのバッチ式装置内で調製される。下記の製造プロセスを使用する:
−52重量%のN−塩の水溶液(ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の化学量論的水溶液)は、40重量%の6T塩の水溶液(ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸の化学量論的水溶液)と一緒に蒸発器中に装填されるが、両方の溶液の比率は、結果として生じる混合塩中で35%に等しい6T塩のモル分率を含有する組成物(混合塩)を得られるように選択される。塩混合物中には、一部の添加物:酢酸(混合塩100モル当たり1.65モル)、ヘキサメチレンジアミン(混合塩100モル当たり1.19モル)及びシリコンをベースとする消泡剤(混合塩溶液に比して20ppm)もまた添加される。
−この溶液は、蒸発器内で0.24MPaに等しい圧力(絶対圧)で沸点まで加熱され、及び78重量%の包括的濃度に到達するまで、0.24MPaの定圧下での蒸発によって塩溶液を濃縮するために追加の熱が供給される。
−加熱する工程は、その後蒸発器内で停止され、均質の濃縮塩溶液は、引き続いて約4分間の時間に渡りオートクレーブへ移送される。
−オートクレーブ内の溶液が加熱されると、自己圧力は1.85MPaまで上昇する。加熱する工程は、1.85MPaで維持された圧力で継続され、過剰なプロセス蒸気は制御弁を通して放出される。この加圧重合期中、質量温度は、220℃〜288℃へ継続的に上昇する。この圧力下の重合の包括期は、およそ85分間持続する。
−質量温度が288℃に到達すると、圧力は次に、追加の加熱する工程に伴って、大気圧(0.10MPa)へ徐々に低下する。この圧力解放期の持続時間は、35分間である;ポリマー質量温度は持続的に上昇し、圧力放出期の終了時には293℃に到達する。
−次に反応器を大気圧下で7分間維持すると、この仕上期の終了時にポリマーが到達した温度は、294℃である。
−次に攪拌器は停止させられ、オートクレーブは、約0.5〜0.6MPaまでの窒素圧下に置かれる。溶融ポリマーは、ストランドの形態でオートクレーブから抽出され、水を用いて冷却され、固体ポリマー顆粒を得られるように適切なペレット化装置内で切断される。このペレット化期の終了時には、オートクレーブの圧力は、大気圧を僅かに超える圧力にされる。この包括的ペレット化期は、約30分間持続する。ペレット化期の終了時には、オートクレーブは、新規の重合バッチのための準備が整う。
従って一連の12バッチの重合活動は、2連続バッチ間での中断を伴わずにオートクレーブ内で実施された。DSC(示差走査熱量測定法)は、数種のポリマー試料を対象に実施された。融点についての実測値(ピーク)は、280±2℃である。
製造活動の全持続時間中に、ポリマーの蓄積及び装置(即ち、鋳造弁及びダイヘッドを含むオートクレーブ)内の分解の結果として生じる任意の物質による溶融ポリマーの汚染は、全く観察されなかった。更に、同一オートクレーブ内で調製された他のポリアミドグレードのその後の重合活動中に、汚染レベルは依然として低いと見なされ、異常に頻回の保守作業(例えば、ダイプレートの交換、又はオートクレーブの化学洗浄)の必要は生じなかった。
実施例2(比較例)
オートクレーブ内の圧力解放期を質量温度が288℃の代わりに268℃に到達した場合に開始するという主要な相違を含めて、実施例1のプロセスを繰り返す。これに従って、一部の他のプロセスパラメーターを変更した:
−圧力下の重合の持続時間は、85分間の代わりに61分間である。
−35分間の圧力解放期の終了時の質量温度は、293℃の代わりに288℃である。
−大気圧下の仕上期は7分間の代わりに14分間持続し、この仕上期の終了時のポリマー質量温度は、291℃である。この長い仕上期は、加圧下での僅かに低い仕上温度及び短い重合時間を相殺するので、従って実施例1と同一分子質量を備える最終ポリマーを生じさせる。
実施例1と比較して、全ての他のプロセスの特徴は変更しないままであった。
従って一連の8バッチの重合活動は、2連続バッチ間での中断を伴わずにオートクレーブ内で実施された。DSC(示差走査熱量測定法)は、数種のポリマー試料を対象に実施された。融点についての実測値(ピーク)は、281±2℃である。
この活動の第2バッチから出発して、分解ポリマー粒子の放出は、本プロセスのペレット化期中に観察された。一部の場合には、結果として生じたペレット化ポリマー内の汚染レベルは、高過ぎると考察され、このバッチは廃棄しなければならなかった。更に、ペレット化期中の相当に大きな不具合をもたらす、装置内、特に抽出弁及びダイプレート内でのこの分解物質の一部の蓄積もまた見られた。結果は、ペレット化機械を洗浄するためのペレット化期の頻回な中断、及び顆粒の広範囲の不良な切断品質であった。分解物質の放出及び汚染現象は、更にポリアミド66/6T活動後の他のポリアミドグレードの活動中にも観察され、製造は、例えばダイプレートの交換などの保守作業のために異常に高い率で停止させられなければならない。最後に、オートクレーブの化学洗浄は、不可欠であると思われた。全てこれらの保守作業は、追加の製造コスト及び更に正常に機能しない工場の生産性をもたらした。
実施例3(比較例)
オートクレーブ内の圧力解放期を質量温度が288℃の代わりに277℃に到達した場合に開始するという主要な相違を含めて、実施例1のプロセスを繰り返す。従って、一部の他のプロセスパラメーターを変更した:
−圧力下の重合の持続時間は、85分間の代わりに70分間である。
−35分間の圧力解放期の終了時の質量温度は、293℃の代わりに290℃である。
−大気圧下の仕上期は7分間の代わりに12分間持続し、この仕上期の終了時のポリマー質量温度は、292℃である。この長い仕上期は、加圧下での僅かに低い仕上温度及び短い重合時間を相殺するので、従って実施例1と同一分子質量を備える最終ポリマーを生じさせる。
実施例1と比較して、全ての他のプロセスの特徴は変更しないままであった。
従って一連の10バッチの重合活動は、2連続バッチ間での中断を伴わずにオートクレーブ内で実施された。DSC(示差走査熱量測定法)は、数種のポリマー試料を対象に実施された。融点についての実測値(ピーク)は、281±2℃である。
オートクレーブ内に蓄積した分解ポリマーの残留物による最終ペレット化生成物の一部の汚染は、特に重合活動の最終バッチに対して観察され、従って包括的により低い品質のポリマー生成物をもたらした。更に、その後の活動中の他のポリマーグレードの類似の汚染を回避するために、製造が停止され、オートクレーブの化学洗浄作業が実施された。この洗浄作業は、追加の製造コスト及び更に正常に機能しない工場の生産性をもたらした。
実施例4(比較例)
ポリアミド66は、実施例1で使用した装置と同一の工業用サイズのバッチ式装置内で調製される。下記の製造プロセスを使用する:
−52重量%のN−塩の水溶液(ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の化学量論的水溶液)を蒸発器に装填する。装填されたN−塩の量は、濃縮N−塩(又は実施例1の場合には濃縮混合塩)がオートクレーブ内に移送された場合は、実施例1のオートクレーブと同様のオートクレーブ内の同一装填レベルに対応する。N−塩溶液中には、一部の添加物:酢酸(N−塩100モル当たり0.64モル)、ヘキサメチレンジアミン(N−塩100モル当たり0.43モル)及びシリコンをベースとする消泡剤(N−塩溶液に比して20ppm)もまた添加される。
−この溶液は、蒸発器内で0.24MPaに等しい圧力(絶対圧)で沸点まで加熱され、及び87重量%の包括的濃度に到達するまで、0.24MPaの定圧下での蒸発によって塩溶液を濃縮するために追加の熱が供給される。
−加熱する工程は、その後蒸発器内で停止され、均質の濃縮塩溶液は、引き続いて約4分間の時間に渡りオートクレーブへ移送される。
−オートクレーブ内の溶液が加熱され、自己圧力は1.85MPaまで上昇する。加熱する工程は、1.85MPaで維持された圧力で継続され、過剰なプロセス蒸気は制御弁を通して放出される。この加圧重合期中、質量温度は、222℃〜245℃へ継続的に上昇する。この圧力下の重合の包括期は、およそ40分間持続する。
−質量温度が245℃に到達すると、圧力は次に、追加の加熱する工程に伴って、大気圧(0.10MPa)へ徐々に低下する。この圧力解放期の持続時間は、35分間である;ポリマー質量温度は持続的に上昇し、圧力放出期の終了時には269℃に到達する。
次に反応器を大気圧で30分間維持するが、この仕上期の終了時にポリマーが到達した温度は278℃である。
−次に攪拌器は停止させられ、オートクレーブは約0.4MPaの窒素圧下に置かれる。溶融ポリマーは、ストランドの形態でオートクレーブから抽出され、水を用いて冷却され、次に固体ポリマー顆粒を得られるように適切なペレット化装置内で切断される。このペレット化期の終了時には、オートクレーブの圧力は、大気圧を僅かに超える圧力にされる。この包括的ペレット化期は、約25分間持続する。ペレット化期の終了時には、オートクレーブは、新規の重合バッチのための準備が整う。
一連の100バッチを超える重合活動は、2連続バッチ間での中断を伴わずにオートクレーブ内で実施された。DSC(示差走査熱量測定法)は、数種のポリマー試料を対象に実施された。融点についての実測値(ピーク)は、262±2℃である。
製造活動の全持続時間中に、ポリマー蓄積及び装置(即ち、鋳造弁及びダイヘッドを含むオートクレーブ)内の分解の結果として生じる任意の物質による溶融ポリマーの汚染は、全く観察されなかった。従って、実施例1において観察された効果は、コポリアミド66/6Tに特異的であると思われる。
得られた結果を下の表1にまとめた。
Figure 2021507073

Claims (15)

  1. 50モル%未満のヘキサメチレンテレフタルアミド単位を含むコポリアミドを製造するためのプロセスであって、下記の:
    (a)混合物を得るために、水性溶媒及びモノマーであるアジピン酸、テレフタル酸及びヘキサメチレンジアミン又はそれらの塩を蒸発器に導入する工程;
    (b)濃縮混合物を得るために、前記蒸発器内の工程(a)において得られた前記混合物を前記溶媒の少なくとも一部の蒸発によって濃縮する工程;
    (c)工程(b)において得られた前記濃縮混合物をオートクレーブ内に移送する工程;
    (d)前記オートクレーブ内の前記モノマーを少なくとも1.2MPaの圧力で、前記コポリアミドの融点より高い温度まで前記温度を上昇させることによって重合させる工程;
    (e)前記オートクレーブ内の前記圧力を減圧によって解放する工程;
    (f)前記オートクレーブ内で前記重合を継続させる工程;及び
    (g)工程(f)において得られた前記コポリアミドを造粒する工程を含み、
    ここで、
    前記工程(d)+(e)+(f)の、特に工程(c)+(d)+(e)+(f)+(g)の総持続時間は9時間未満であるプロセス。
  2. 前記溶媒は、水である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 工程(a)の前に、40〜68重量%の総濃度で等モル量のヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸を含む第1水溶液並びに50重量%未満の総濃度で等モル量のヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸を含む第2水溶液を提供する工程;並びに前記第1水溶液及び前記第2水溶液を工程(a)において前記蒸発器に導入する工程を更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記モノマーは、工程(a)において得られた前記混合物中のテレフタル酸対アジピン酸のモル比が1未満であるような方法で前記蒸発器に導入される、請求項1〜3の何れか一項に記載のプロセス。
  5. 工程(a)において得られた前記混合物は、最終ポリマーの50〜80mmol/kg、好ましくは前記最終ポリマーの約70mmol/kgの濃度で連鎖制限剤を更に含む、請求項1〜4の何れか一項に記載のプロセス。
  6. 前記連鎖制限剤は、酢酸である、請求項5に記載のプロセス。
  7. 工程(a)において得られた前記混合物は、好ましくは10〜20ppmの濃度で消泡剤を更に含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のプロセス。
  8. 前記消泡剤は、ポリジメチルシロキサンをベースとする化合物である、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記コポリアミドの前記融点より高い最終温度は、少なくとも288℃である、請求項1〜8の何れか一項に記載のプロセス。
  10. 前記減圧中の最高温度は、288〜295℃の範囲内にある、及び/又は工程(e)中に、工程(d)から得られた反応混合物の温度は、前記コポリアミドの前記融点より高い、請求項1〜9の何れか一項に記載のプロセス。
  11. 工程(f)は、291〜295℃の最終温度で10〜20分間に渡り実施される、請求項1〜10の何れか一項に記載のプロセス。
  12. 工程(d)中の前記オートクレーブ内の前記圧力は、少なくとも1.5MPaである、請求項1〜10の何れか一項に記載のプロセス。
  13. 前記生成したコポリアミドの前記融点は、272〜290℃、又は274〜288℃、又は276〜285℃、好ましくは約280℃である、請求項1〜12の何れか一項に記載のプロセス。
  14. 前記コポリアミドは、30〜40モル%のポリアミド6T単位及び60〜70モル%のポリアミド66単位を含む、請求項1〜13の何れか一項に記載のプロセス。
  15. 前記コポリアミドは、35モル%のポリアミド6T単位及び65モル%のポリアミド66単位を含む、請求項1〜14の何れか一項に記載のプロセス。
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