JP2021505692A - 柿葉抽出物及びその製剤の新規医薬用途 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は2017年12月12日に出願された中国特許出願201711218778.7号の「柿葉抽出物及びその製剤の新規医薬用途」と題される出願の利益が主張されており、その開示は、参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。
DMEM高糖培地、オーストラリア産ウシ胎児血清、ウマ血清:Gibco社。
PC12細胞:ラット由来、中国科学院細胞バンク。
LDH検出キット:南京建成生物科技有限公司。
炎症因子ELISA検出キット:生工生物工程(上海)股▲分▼有限公司。
細胞インキュベーター:Thermo社。
マイクロプレートリーダー:バイオラッド社。
オープンフィールド:上海欣軟信息科技有限公司。
円筒形水泳シリンダー:上海移数信息科技有限公司。
尾懸垂測定装置:上海欣軟信息科技有限公司。
1.1 試験薬物の調製
柿葉抽出物を100%のDMSOに溶解して、400mg/mLの貯蔵液を調製し、使用時にそれを400、200、100、50、25、12.5、6.25、3.125μg/mLに希釈し、DMSOの濃度が0.1%未満になることを保証すれば、細胞試験を行うのに適している。
全データは、平均値±標準偏差
8つの様々な濃度の柿葉・酢酸エチル抽出物(3.125〜400μg/mL)を、正常培養したPC12細胞と共に24時間インキュベートして、MTT法を用いてPC12細胞生存率を測定した。MTTの結果は、正常群と比較すると、各濃度の柿葉抽出物の処理群の細胞生存率に有意差がないことを示した(図1及び表1を参照のこと)。一元配置分散分析(One−way ANOVA)によると、差がなく統計学的に意義がない(P>0.05)。したがって、選択された柿葉抽出物の濃度の範囲は、後続の抗うつ細胞レベルのスクリーニングに適している。
細胞を対数増殖期まで培養し、細胞を5%のウシ胎児血清、10%のウマ血清を含むDMEM培地(200kU/Lのベンジルペニシリンナトリウム、100mg/Lのストレプトマイシンを含み、pH7.4である)で再度細胞を懸濁させ、細胞密度が1×105個/mLになるように調整して、細胞を96ウェルプレートに播種し、各ウェルに100μLの細胞液を加え、37℃でCO2インキュベーターに入れて24時間付着培養し、細胞がウェルの底に増殖したら試験を開始した。細胞血清が枯渇して1時間したら、様々な濃度のコルチコステロン(0、25、50、100、200、400μM)を加え、24時間作用させ、MTT法及びLDH検出法でコルチコステロンによる損傷濃度を観察し、コルチコステロンの最適な成形濃度を選択した。
細胞を96ウェルプレートに播種して12時間したら、様々な濃度の柿葉抽出物(3.125〜400μg/mL)で細胞を1時間予備処理した。対照ウェルを除いて、他のウェルに200μMのコルチコステロンを加えて24時間共にインキュベートした。細胞の上澄み液を収集して、乳酸脱水素酵素(LDH)の活性変化を検出するために用いて、96ウェルプレート内の細胞生存率をMTT法によって検出し、各ウェルの吸光度値を570nmのマイクロプレートリーダーによって測定した。生存率及びLDHの変化は、対照群の平均吸光度を100%として、各処理群の吸光度値と対照群の吸光度値との比率で算出した。
200μMのコルチコステロンで24時間処理することで、細胞生存率の低下が引き起こされたため、柿葉抽出物が抗うつ病の過程において抗炎効果を発揮しているか否かを評価するために、様々な濃度の柿葉抽出物を選択してコルチコステロンと共にPC12細胞を4時間培養処理して、上澄み液における炎症因子であるIL−1β、IL−6及びTNF−αの濃度をELISA法によって測定し、柿葉抽出物が炎症因子の分泌に及ぼす影響を観察した。
本実施例では、コルチコステロンが損傷したPC12細胞のうつ病モデルの作製に成功した。研究によって、柿葉抽出物の濃度が3.125〜400μMの範囲である場合、正常培養細胞に対して毒性作用を示さないことを発見したが、PC12細胞のうつ病モデルでは50μMの柿葉抽出物が良好な神経細胞の保護作用を示し、その作用メカニズムはコルチコステロンによる炎症反応の抑制に関与している可能性がある。本実施例の結果は、柿葉抽出物は細胞レベルで顕著な抗うつ活性を有することを示した。
2.1試験動物
C57マウス、雌、60匹、体重18〜22g、試験動物ライセンス番号:SCXK(京)2014−0004。
柿葉抽出物(NXQ)、フルオキセチン(FLX)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、オープンフィールド、円筒形水泳シリンダー、尾懸垂測定装置。
試験用マウスを1週間馴化して、50匹のマウスをランダムに5つのグループに分け、それぞれ溶媒対照群(Veh)、陽性薬物であるフルオキセチン(FLX、10mg/kg)投与群、柿葉抽出物(NXQ)低用量(20mg/kg)投与群、柿葉抽出物(NXQ)中用量(40mg/kg)投与群、柿葉抽出物(NXQ)高用量(80mg/kg)投与群とし、1日当たり1回、7日間連続して胃に投与し、溶媒対照群には、同容量の0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウム水溶液を同時に投与した。最後の投与の1時間後に、行動学テストを開始した。また、10匹のマウスを、正常対照群として生化学指標の検出に使用した。
2.4.1 オープンフィールド試験
オープンフィールド試験は、主に薬物の中枢興奮作用による試験結果への妨害を排除できるようにマウスの自発活動能力を測定するために主に使用されている。試験は、底部が25cm×25cmで、高さが20cmである黒い木箱で行われ、底面は25個の正方格とした。6日目に投与して1時間経ったら、マウスを中央の格子に入れ、5分間順応させて取り出した。マウスを1匹ずつ入れ換えるごとに、75%のアルコールで1回拭いて、1匹前のマウスの残留臭気による影響を除去した。試験の7日目に投与して1時間経ったら、マウスが格子を横切る回数(4本の肢がともに格子の内側に入った場合カウントでき、水平運動得点とする)、後肢で直立した回数(2本の前肢が跳びはねたり、箱の壁に登ったりした場合、垂直運動得点とする)を、5分間撮影記録した。
マウスの尾(尾先から1cm)にテープで懸垂用の支持具に固定し、マウスが逆さ吊りの状態になり、互いに干渉しないように、両側を仕切り板でマウスの視線を遮断する。5分間撮影してマウスの累積不動時間を記録した。マウスの「不動」の判定基準は、体が垂直に逆さ吊りの状態で動かないことである。
尾懸垂試験の翌日に、高さ20cm、直径12cm、水深10cmの円筒形水泳試験用シリンダーにマウスを1匹ずつ入れて強制的に6分間泳がせ、2分経過したら、マウスの累計不動時間を撮影記録した。マウスの「不動」の判定基準は、水中で懸命にもがくのを止め、浮かんでいる状態であり、頭部を水面に浮かせるために僅かに肢体が動くだけである。
マウスの行動学テストが終了したら、眼を摘出して採血し、抗凝血管に10分間静置したら、8500r/分で15分間遠心分離させ、血清を分離し、−80℃の冷凍庫に保存し、使用に備えた。マウスの血清中のコルチコステロンのレベルを、酵素結合免疫吸着法(ELISA)を用いて検出した。一方、ストレス誘発のないマウス(10匹)を正常対照群として、試験群と同様の方法で眼を摘出して採血し、血清を分離し、血清中のコルチコステロンのレベルを測定した。
2.4.5.1 クロマトグラフィー条件
クロマトグラフィーカラム:Dikma Diamonsil C18(5μm、4.6mm×250mm)。
移動相:A−B(90:10、体積比)、Aはリン酸二水素ナトリウム水溶液(25.0mmol/LのNaH2PO4、1.7mmol/LのOSA、0.7mmol/Lのトリエチルアミン、0.025mmol/LのEDTA−2Naを含み、pH=3.0である)であり、Bはアセトニトリルである。
流速:1.0mL/分。
カラム温度:32℃。
検出電位:E1=−150V、E2=220V。
注入量:10μL。
凍結状態の脳組織を取り、計量してガラスホモジナイザーに置き、0.01%のEDTA−2Naを含む予備冷却した0.1mol/Lの過塩素酸溶液を10mL/kgの比率で添加し、氷浴下で2分間急速にホモジナイズした。磨砕したホモジネート液を褐色の遠沈管に移し、4℃の条件下で14000gを20分間遠心分離させ、上澄み液を取り、0.22μmのフィルターで濾過してから、HPLCで脳組織におけるモノアミン系神経伝達物質である5―HT、NE、DAのレベルを検出した。
SPSSソフトウェアでデータを解析し、分散解析(One−Way ANOVA)を行った。等分散性検定をして、等分散であれば、2群間比較はボンフェローニ法を用いて分析し、等分散でなければ、ウェルチ法を用いて分析し、多重比較はダネット T3法を利用した。P<0.05の場合は、有意差があると判断して、統計学的に意義がある。
2.6.1 柿葉抽出物の連続投与によるマウスの自発活動への影響
オープンフィールド試験の結果は図5及び表5に示すとおりである。各群のマウス間の水平運動得点(P>0.05)及び垂直運動得点(P>0.05)の差には統計学的に意義がなく、柿葉抽出物の連続投与は、いずれもマウスの自発活動に影響を及ぼしていないことを示している。
マウスの強制水泳試験の結果は、図7及び表7に示すとおりである。柿葉抽出物の各用量は、対照群と比較すると、いずれもある程度マウスの強制水泳の不動時間を短縮させ、かつ用量と依存関係があり、そのうち、用量が40mg/kg、80mg/kgである場合、効果は顕著であり、差は統計学的に意義があった(P<0.05、P<0.01)。高い用量(80mg/kg)の柿葉抽出物はマウスの強制水泳の不動時間を短縮させる効果が、フルオキセチン(10mg/kg)より若干高く、本試験結果は、尾懸垂試験の結果と類似している。
この試験で、通常のノーストレスマウスの血清を加えて比較した結果は、図8及び表8に示すとおりである。対照群と比較すると、モデル群はストレスマウスの血清コルチコステロンのレベルが顕著に上昇した(P<0.001)。モデル群と比較すると、柿葉抽出物が40、80mg/kgである群は、血清コルチコステロンのレベルが明らかに低下し、差は統計学的に意義があった(P<0.01、P<0.001)。さらに、高い用量(80mg/kg)の柿葉抽出物は急性ストレスマウスの血清コルチコステロンのレベルを低下させる効果が、フルオキセチン(10mg/kg)より顕著に高かった。
本実施例では、実施例1の細胞レベルに基づいて、さらに動物全体の試験によって柿葉抽出物の抗うつの薬力学の評価を行った。マウスの強制水泳試験(FST)及びマウスの尾懸垂試験(TST)は、よく用いられる急性行動絶望モデルである。FST及びTSTで示されるマウスの不動状態は、回避できない行動絶望における継続的な挫折、又はストレスの刺激を扱う際に生じる受動的な状態を反映する。この行動絶望は、臨床のうつ病を構成する要素に似たものであり、このようなストレス状態における動物の不動状態の持続時間の短縮は、薬物の抗うつ特性を反映していると考えられる。抗うつ薬物の多くは、マウスのFST及びTSTにおいてその不動期間を短縮でき、その薬力学が臨床薬効と関連していることを示した。
実施例1及び2の試験において、本発明は柿葉抽出物が典型的うつ障害に顕著な効果を有することを確認したが、柿葉抽出物はフラボノイド系、有機酸、トリテルペン類及びクマリンなどの多くの成分を含有し、フラボノイド系成分の含有量は30%(主にケルセチン、ケンペロール配糖体元及びその単糖類、二糖類配糖体、例えばルチン、ヒペロシドなど)を占め、ケルセチン、ヒペロシドも一定の抗うつ活性を有することがすでに報告されている。しかしながら、本発明に係る柿葉抽出物をHPLCで検出したところ、ケルセチン、ヒペロシド、ケンペロール、ルチンの含有量はそれぞれ1.5%以下であった。また、柿葉抽出物における有機酸、トリテルペン類、クマリンなどの成分が相乗効果を有する可能性あるか否かまだ明らかでない。抗うつ効果の物質基礎としての柿葉抽出物を初歩的に探すために、本実施例は、柿葉抽出物を単独のフラボノイド系化合物(ケルセチン、ケンペロール、ルチン、ヒペロシド)及びそれらの組み合わせで、抗うつ効果を比較して、選択した典型的なうつ病モデルは、国際的に認められた予測できない慢性軽度ストレスモデルである。
C57マウス、雄、80匹、体重18〜22g、試験動物ライセンス番号:SCXK(粤)2011−0015、試験前のマウスを1週間馴化し、全てのマウスを21±2℃で通常レベル試験動物用ケージで飼育し、概日リズムに従うようにする。マウスは、自由に飲水と食べ物を摂取可能としている。
柿葉抽出物、ケルセチン、ケンペロール、ルチン、ヒペロシド、カルボキシメチルセルロースナトリウム、マウスのオープンフィールド、電子分析天秤(ドイツザルトリウス社)、大容量の卓上型高速冷却遠心分離機5810(ドイツエッペンドルフ社)、Victor3多機能マイクロプレートリーダー(米国パーキンエルマー社)、超音波組織破砕装置(米国ソニック社)、DYY−III型電気泳動槽(北京六一儀器廠)、垂直板電気泳動槽(米国バイオラッド社)、WD−9405型水平シェーカー(北京六一儀器廠)、蛍光/ケミルミイメージングシステム(米国ソニック社)、Mill−Q超純水システム(米国ミリポア社)、尾懸垂測定装置、マウス尾クリップ、カウンター、温度計、体重計など。ECl発光液(米国インビトロジェン社)、脱脂粉乳(広州斯佳生物科技有限公司)、PVDF膜(米国ミリポア社)、X線感光フィルム(日本コダック社)、コルチコステロン(CORT)ELISAキット(米国Enzo社)、ACTH ELISAキット(米国PhoenixPharmaceuticals社)。
試験前にはマウスを1週間馴化し、全てのマウスは自由に飲水と食べ物を摂取可能として、概日リズムに従い、一定温度のクリーンレベル環境で飼育し、毎日手で撫でられることで、人工的な操作に適応している。1週間馴化したら、マウスの体重及びショ糖嗜好性試験の結果によって、マウスを正常対照群10匹、予測できない慢性軽度ストレスモデル(CUMS)群70匹の2群に分け、群を分けたら、ストレス行動を開始した。ストレスモデルとしては、1分間尾を挟み、24時間昼夜逆転させ、マウスケージを24時間傾けて、4℃の氷水で5分間泳がせ、1時間拘束し、ケージを24時間濡らし、15分間強制的に泳がせ、24時間絶水させ、24時間絶食させ、フットショック、ストロボストレス、孤独ストレス、同居ストレスなどがある。モデルが作成できたか否かを判定するために、試験を始め、ストレス行動の3週目にショ糖嗜好性試験を行って、うつ病モデルを作成できていなかったら、CUMSストレスの時間を延長する。モデルが作成できていたら、モデル群を、それぞれマウス10匹ずつ、CUMSモデル群(溶媒Veh+CUMS)、柿葉抽出物群(NXQ40mg/kg+CUMS)、ケルセチン群(4.0mg/kg+CUMS)、ヒペロシド群(4.0mg/kg+CUMS)、ケンペロール群(3.0mg/kg+CUMS)、ルチン群(1.5mg/kg+CUMS)、柿葉のフラボノイド組成物群〔(ケルセチン4.0mg/kg+ヒペロシド4.0mg/kg+ケンペロール3.0mg/kg+ルチン1.5mg/kg)+CUMS〕に分けた。投与して4週間経ったら、行動学的試験を行った。ここで、ケルセチン、ヒペロシド、ケンペロール、ルチンの投与量はいずれも柿葉抽出物における含有量比率の10倍以上であった。
3.4.1 ショ糖嗜好性試験
試験前にマウスをトレーニングして、1%(w/v)のショ糖水に慣れさせて、1ケージ当たり2本の1%のショ糖水溶液を入れ、24時間したら、そのうち1本の1%のショ糖水を純水に変えて、24時間静置した。順応したら、マウスに24時間絶水絶食させ、ショ糖嗜好性試験を行った。試験では、それぞれのマウスに2本の水を自由に飲ませ、1本を25mlの1%のショ糖水とし、もう1本を25mlの純水として、試験開始前にそれぞれの水の重量を量った。2時間したら、残りの重量を測定し、ショ糖水及び純水の消費量(g)を得た。ショ糖嗜好程度は、全液体消費量(ショ糖水消費量+純水消費量)に対するショ糖水消費量の比率で表され、当該試験は試験の全過程を終了した。
試験方法は実施例2の「2.4.1 オープンフィールド試験」の項と同様である。
試験方法は実施例2の「2.4.2 尾懸垂試験」の項と同様である。
試験方法は、実施例2の「2.4.3 強制水泳試験」の項と同様である。
試験方法は、実施例2の「2.4.4」の項と同様であり、コルチコステロンを検出すると共に、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)のレベルを検出した。
SPSSソフトウェアでデータを解析し、分散分析(One−Way ANOVA)を行った。等分散性検定をして、等分散であれば、2群間比較はボンフェローニ法を用いて分析し、等分散でなければ、ウェルチ法を用いて分析し、多重比較はダネット T3法を利用した。P<0.05の場合は、有意差があると判断して、統計学的に意義がある。
3.6.1 CUMSマウスのショ糖嗜好性試験
結果は図10に示すとおりである。正常対照群と比較すると、モデル群(Veh+CUMS)のマウスのショ糖嗜好程度が顕著に低下し(P<0.001)、マウスのうつ病モデルが作成できたことを示した。モデル群と比較すると、柿葉抽出物(40mg/kg)、柿葉のフラボノイド組成物群及びヒペロシド群は、胃へ連続投与すると、マウスのショ糖嗜好程度が顕著に上昇した(P<0.001、P<0.01、P<0.05)が、ケルセチン群、ケンペロール群及びルチン群は、CUMSマウスのショ糖嗜好程度がある程度は上昇したが、差は統計学的に意義がなかった。柿葉のフラボノイド組成物群、ヒペロシド群と比較すると、柿葉抽出物群は、CUMSマウスのショ糖嗜好程度が上昇し、差は統計学的に意義があった(P<0.01、P<0.05)。
結果は図11に示すとおりである。正常対照群と比較すると、モデル群のマウスは、オープンフィールド試験において水平活動及び垂直活動の回数が顕著に減少(P<0.001)し、うつ病モデルが作成でき、自発活動が減少したことを示した。
結果は図12に示すとおりである。正常対照群と比較すると、モデル群のマウスは、懸垂試験において不動時間が顕著に増加し(P<0.001)、モデルを作成できたことを示し、CUMSマウスにうつ様症状が現れた。
結果は図13に示すとおりである。正常対照群と比較すると、モデル群は強制水泳試験においてマウスの不動時間が顕著に増加した(P<0.001)、モデルを作成できたことを示し、CUMSマウスはうつ様症状が現れた。
結果は図14に示すとおりである。正常対照群と比較すると、モデル群はマウスの血清コルチコステロン及び副腎皮質刺激ホルモンのレベルがいずれも顕著に上昇した(P<0.001)。
本実施例では、柿葉抽出物に天然に存在する部分フラボノイド組成物を模擬して案出し、それを柿葉抽出物及び各フラボノイド単量体(この部分研究に用いたフラボノイド単量体の用量は柿葉抽出物におけるその含有量の10倍以上である)と同等な薬効の比較を行った。予想外であったのは、柿葉抽出物の効果は各試験において対照としてのフラボノイド組成物及び各フラボノイド単量体より、顕著に優れていたことである。
Claims (13)
- 柿葉抽出物のうつ病を予防及び/又は治療するための薬物の製造における使用。
- 前記うつ病が典型的なうつ病、特に精神性、感情障害によるうつ障害である、請求項1に記載の使用。
- 前記柿葉抽出物が前記薬物の唯一の有効成分である、請求項1又は2に記載の使用。
- 前記うつ病を予防及び/又は治療するための薬物が薬学的に許容される添加剤を含んでも含まなくてもよい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
- 前記うつ病を予防及び/又は治療するための薬物が経口製剤又は非経口製剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
- 前記経口製剤が散剤、通常の経口錠剤、分散錠、カプセル剤、ソフトカプセル剤、丸剤、滴丸剤、ペレット、顆粒剤、口腔内崩壊錠、口腔内速溶フィルム剤から選ばれた1種又は複数である、請求項5に記載の使用。
- 前記非経口製剤が注射剤、凍結乾燥注射剤及び大容量注射剤から選ばれた1種又は複数である、請求項5に記載の使用。
- 前記うつ病を予防及び/又は治療するための薬物が経口製剤であり、より好ましくは脳心清錠又は脳心清カプセルである、請求項5に記載の使用。
- 柿葉抽出物に薬学的に許容される添加剤を添加するか又は添加せずに、当分野の従来の方法によって、臨床的に許容される経口製剤又は非経口製剤を製造する、前記うつ病を予防及び/又は治療するための薬物が得られる方法で製造する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
- 乾燥柿葉を採集し、水を加えて1〜2時間ずつ2回煎り煮をし、水煎液を合わせ、濾過し、相対密度が1.12〜1.15(60℃)になるまで濃縮し、アルコール含有量が80〜90%になるようにエタノールを加え、一晩静置し、上澄み液を濾取して、使用に備え、一方沈殿物を60〜70%のエタノールで洗浄し、洗浄液を合わせ、一晩静置し、上澄み液を濾取し、使用に備えた上澄み液と合わせて、エタノールを回収して、適量の水を加えて均一になるように混合し、濾過し、濾液を酢酸エチルで2回以上抽出して、酢酸エチル溶液を合わせて、酢酸エチルを回収し、かつ固練り状に濃縮し、低温乾燥させると、柿葉抽出物が得られる方法で製造し、
好ましくは、乾燥柿葉を採集し、水を加えて1回目で2時間、2回目で1時間煎り煮をし、濾液を合わせて、濾過し、相対密度が1.12〜1.15(60℃)になるまで濃縮し、アルコール含有量が85%になるようにエタノールを加え、一晩静置し、上澄み液を濾取して、使用に備え、一方沈殿物を65%のエタノールで2回洗浄し、洗浄液を合わせ、一晩静置し、上澄み液を濾取し、使用に備えた上澄み液と合わせて、エタノールを回収して、適量の水を加えて均一になるように混合し、濾過し、濾液を酢酸エチルで4回抽出し、酢酸エチル溶液を合わせて酢酸エチルを回収して固練り状に濃縮し、低温乾燥させると、柿葉抽出物が得られる方法で製造する、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。 - 好ましくは、乾燥柿葉を採集し、水を加えて1〜2時間ずつ2回煎り煮をし、水煎液を合わせ、濾過し、相対密度が1.12〜1.15(60℃)になるまで濃縮し、アルコール含有量が80〜90%になるようにエタノールを加え、一晩静置し、上澄み液を濾取して、使用に備え、一方沈殿物を60〜70%のエタノールで洗浄し、洗浄液を合わせ、一晩静置し、上澄み液を濾取し、使用に備えた上澄み液と合わせて、エタノールを回収して、適量の水を加えて均一になるように混合し、濾過し、濾液を酢酸エチルで2回以上抽出して、酢酸エチル溶液を合わせて、酢酸エチルを回収し、かつ固練り状に濃縮し、低温乾燥させると、柿葉抽出物が得られる方法で製造し、
好ましくは、乾燥柿葉を採集し、水を加えて1回目で2時間、2回目で1時間煎り煮をし、濾液を合わせて、濾過し、相対密度が1.12〜1.15(60℃)になるまで濃縮し、アルコール含有量が85%になるようにエタノールを加え、一晩静置し、上澄み液を濾取して、使用に備え、一方沈殿物を65%のエタノールで2回洗浄し、洗浄液を合わせ、一晩静置し、上澄み液を濾取し、使用に備えた上澄み液と合わせて、エタノールを回収して、適量の水を加えて均一になるように混合し、濾過し、濾液を酢酸エチルで4回抽出して、酢酸エチル溶液を合わせて、酢酸エチルを回収し、かつ固練り状に濃縮し、低温乾燥させると、柿葉抽出物が得られる方法で製造し、
必要とする患者に柿葉抽出物を投与するステップを含む、
うつ病を予防及び/又は治療する方法。 - 前記うつ病は典型的なうつ病、特に精神性、感情障害によるうつ障害であり、
好ましくは、前記必要とする患者は必要とする哺乳動物であり、より好ましくは必要とするヒトである、請求項11に記載の方法。 - 1日当たり2〜10mg/kg体重の柿葉抽出物を必要とするヒトに投与するステップを含む、請求項11又は12に記載の方法。
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