JP2021195081A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、かかる従来技術に鑑みて、運転者保護用のフレームを備えた作業車両において、運転者に対して空調風を供給可能とすることによって運転者の快適性を向上させることを解決課題とする。
好ましくは、前記空調風送出部は、前記連結部に設けられて前記運転席の後上方から前下方に向けて前記空調風を送り出す第2送出部を含む。
好ましくは、前記エアコンユニットは、前記保護フレームに取り付けられている。
好ましくは、前記保護フレームは、前記エアコンユニットと共に前記車体に対して着脱可能である。
好ましくは、前記保護フレームの内部には、前記空調風通路を構成する第1空間と、前記タンクの貯水空間を構成する第2空間が形成されている。
好ましくは、前記噴射ノズルは、前記空調風送出部の近傍に配置されている。
好ましくは、作業車両は、前記エアコンユニットから発生したドレン水を前記タンクに導く第1導水部と、前記第1導水部を通って前記タンクへと導かれる水に含まれる夾雑物を除去するフィルタと、を備えている。
図1は、作業車両1の一実施形態を示す側面図である。本実施形態の場合、作業車両1はトラクタである。但し、本発明に係る作業車両1はトラクタには限定されず、他の作業車両であってもよい。他の作業車両としては、例えば、バックホーやホイルローダ等の建設機械、田植え機やコンバイン等の農業機械、乗用の芝刈り機や管理機等を例示することができるが、これらに限定はされない。本発明は、運転席の周囲がキャビンで囲まれていない形態の作業車両、言い換えれば、運転席が外気に開放されている(外気と遮断されていない)形態の作業車両に対して幅広く適用することができる。
図1に示すように、作業車両(トラクタ)1は、車体2と、車体2に搭載された運転席3と、車体2を走行可能に支持する走行装置4とを備えている。
車体2は、車体フレーム5、クラッチハウジング6、ミッションケース7を有している。車体フレーム5は、車体2の前後方向に延びている。車体フレーム5には、原動機8が搭載されている。原動機8は、本実施形態の場合はエンジンであるが、モータであってもよい。原動機8の上方及び側方は、ボンネット10により覆われている。クラッチハウジング6は、原動機8の後部に連設されており、クラッチを収容している。ミッションケース7は、クラッチハウジング6の後部に連結されており、変速装置や後輪差動装置等を収容している。ミッションケース7の後方にはPTO軸23が突出している。
図1,図2に示すように、装着部12は、後装着部12Aを含むことができる。後装着部12Aは、車体2の後部に設けられている。後装着部12Aは、車体2の後方で作業を行う作業装置W1(図20参照)を、作業車両1の後部に装着するための部分である。作業装置W1は、例えばPTO軸23から伝達される駆動力によって駆動する。作業装置W1は、例えば、耕耘機、散布機、播種機等であるが、これらに限定はされない。後装着部12Aは、油圧シリンダ等のアクチュエータにより駆動して作業装置W1を上昇又は下降させることができる。後装着部12Aは、例えば3点リンク機構であるが、これに限定はされない。
図3,図4,図5は、保護フレーム9の一実施形態(第一実施形態)を示している。
脚部21は、左脚部21Lと右脚部21Rとを含む。左脚部21Lと右脚部21Rとは、車体幅方向に間隔をあけて配置されている。左脚部21Lは、左起立部15Lの下部に接続されており、当該下部から前下方に延びている。右脚部21Rは、右起立部15Rの下部に接続されており、当該下部から前下方に延びている。脚部21は、車体2の後方に配置される(図1参照)。また、脚部21は、左側の後輪4Rと右側の後輪4Rの間に配置される(図2参照)。
一方、左脚部21Lの内部空間と左起立部15Lの内部空間との境界、及び、右脚部21Rの内部空間と右起立部15Rの内部空間との境界には、空調風の通過を阻止する壁28(図6参照)がある。そのため、上部構造体19の内部空間を通って流れる空調風は、下部構造体20の内部空間には流れない。
図面では主に「エアコンミスト併用形態」の保護フレーム9が示されている。「エアコン形態」の保護フレーム9は、「エアコンミスト併用形態」のミスト供給構造を省略することにより得られる。「ミスト形態」の保護フレーム9は、「エアコンミスト併用形態」の空調風供給構造を省略することにより得られる。
図3〜図5等に示すように、保護フレーム9には、エアコンユニット30が取り付けられている。エアコンユニット30は、運転席3に着座した運転者を冷却又は加温する空調風を発生させる。エアコンユニット30は、HVAC(Heating Ventilation and Air-Conditioning)ユニットから構成されている。
エアコンユニット30は、保護フレーム9の下連結部18に取り付けられている。図1、図2に示すように、エアコンユニット30は、運転席3の後方に配置される。具体的には、エアコンユニット30は、運転席3の背凭れ部3aの後方であって、後方から見て背凭れ部3aと重なる位置に配置される。
図7及び図8は、保護フレーム9の別の実施形態(第二実施形態)を示している。以下、第二実施形態の保護フレーム9が上述した第一実施形態の保護フレーム9と異なる点について説明する。
本実施形態(第二実施形態)の場合、左前傾部25Lを含む左起立部15L、右前傾部25Rを含む右起立部15R、上連結部17、下連結部18の内部空間が、空調風通路32を構成している。エアコンユニット30にて発生した空調風は、下連結部18の内部空間に供給され、左起立部15Lの下部及び右起立部15Rの下部に流れた後、左起立部15Lの上部に形成された左前傾部25L及び右起立部15Rの上部に形成された右前傾部25Rを通って、上連結部17へと流れる。
第三実施形態の保護フレーム9は、屋根部26を有している。屋根部26は、起立部15の上部に取り付けられて運転席3の上方を覆う。屋根部26は、上連結部17の上部に取り付けられている。上連結部17には、当該上連結部17から前方に延びる前延部27が接続されている。前延部27は、屋根部26の下面(裏面)に沿って前方に延びている。前延部27の前端は、運転席3の上方に位置しており(図20参照)、下方に向けて開口している。前延部27は、中空のパイプから構成されている。前延部27の内部空間は、上連結部17の内部空間と連通している。
本実施形態の場合、空調風送出部33は、上述した第1送出部35に加えて第3送出部37を有している。第3送出部37は、前延部27に設けられている。詳しくは、前延部27の前端の下向きの開口が第3送出部37を構成している。図13に示すように、第3送出部37は、運転席3の上方から下方に向けて空調風CWを送り出す。これにより、第3送出部37は、運転席3に着座した運転者OPの上方から運転者の頭部に向けて空調風CWを送り出すことができる。そのため、運転者OPの頭部を効率よく冷やす又は温めることができる。
第三実施形態の保護フレーム9によれば、図13に示すように、第1送出部35と第3送出部37の両方から運転者OPに向けて空調風を送り出すことによって、運転者OPの顔の周囲に冷気又は暖気が集中した集中領域CRを生成して、運転者OPに与える冷涼感又は温暖感を向上させることができる。また、運転者OPの顔の周囲に空調風によるエアカーテンを生成して防塵効果を得ることもできる。
以下、保護フレーム9が有するミスト供給構造について説明する。以下に説明するミスト供給構造は、上述した全ての実施形態(第一、第二、第三実施形態)の保護フレーム9に対して適用することができる。
本実施形態の場合、タンク40は、第1タンク41と第2タンク42とを含む。但し、タンク40は、第1タンク41と第2タンク42のいずれか一方のみでもよい。例えば、水を長時間にわたって噴射可能な仕様とする場合、タンク40は第1タンク41と第2タンク42とを含むことが好ましい。水を短時間のみ噴射可能な仕様とする場合、タンク40は第1タンク41と第2タンク42のいずれか一方のみ(好ましくは、第1タンク41のみ)とすることができる。
第1空間38は保護フレーム9の上部構造体19の内部に形成され、第2空間39は保護フレーム9の下部構造体20の内部に形成されている。つまり、1つの保護フレーム9の内部に、空調風通路32を構成する空間(第1空間38)とタンク(第1タンク41)の貯水空間を構成する空間(第2空間39)とが形成されている。これにより、保護フレーム9の内部空間を空調風及びミストの流通のための空間として有効利用することができる。また、保護フレーム9の外部に空調風通路を構成するダクトや水を貯留するタンクを設置するためのスペースを別途確保する必要がない。また、保護フレーム9の上部を第1空間38、下部を第2空間39としたことにより、保護フレーム9の下部に水が貯留されて保護フレーム9の重心位置を低くすることができ、水の重量によって作業車両1が不安定となることを防止できる。
第1タンク41と第2タンク42の両方を有する形態の場合、第1タンク41の内部空間(貯水空間)と第2タンク42の内部空間(貯水空間)とは、互いに独立していてもよいが、互いに連通していることが好ましい。例えば、第1タンク41の内部空間に貯留された水が減少した場合に、第2タンク42の内部空間に貯留された水が、第1タンク41の内部空間に流入するように構成することができる。
第1通水管63は、第1タンク41と第2タンク42の両方又はいずれか一方に接続される。図14は、第1通水管63を第1タンク41に接続した例を示している。第2通水管64は、上部構造体19に設けられた管接続部67(図3,図7,図10等参照)を介して第1噴射ノズル51と接続される。
ポンプ61を駆動することによって、タンク40に貯留された水を第1通水管63により吸い出して、第2通水管64を介して第1噴射ノズル51へと供給し、第1噴射ノズル51から霧状に噴射することができる。図14では、第1タンク41に貯留された水を第1噴射ノズル51へと供給する形態が示されているが、第2タンク42に貯留された水を第1噴射ノズル51へと供給してもよい。
第1噴射ノズル51は、水のみを吐出する一流体ノズルであることが好ましい。第1噴射ノズル51が一流体ノズルである場合、供給装置60は、上述した図14に示すようなポンプ61と通水管62とを有する装置を使用することができる。第1噴射ノズル51として一流体ノズルを使用した場合、後述する二流体ノズルを使用した場合に比べて静粛性が高くなるため、水の吐出音(ミストの噴霧音)によって運転者の快適性を損なうことがない。
第1噴射ノズル51が二流体ノズルである場合、供給装置60はポンプ61の代わりに圧縮空気を生成するエアーコンプレッサ(図示略)を含むことができる。尚、エアーコンプレッサに代えてエアーブロワを使用してもよい。エアーコンプレッサやエアーブロワ(以下、「空気供給源」という)は、例えば原動機8の駆動力によって駆動することができる。空気供給源は、保護フレーム9に取り付けられ、車体2の後方に配置される。但し、空気供給源を車体2に取り付けてもよい。
図6において、エアコンユニット30から供給される空調風の流れを白抜き矢印A1で示し、タンク40(第1タンク41)から供給される水の流れを破線の矢印B1で示し、空気供給源から供給される空気の流れを二点鎖線の矢印F1で示している。
上述した第1噴射ノズル51及び供給装置60に関する構成は、後述する第2噴射ノズル52に対しても適用することができる。例えば、第2噴射ノズル52は、一流体ノズルであってもよいし、二流体ノズルであってもよい。また、第2噴射ノズル52に水を供給する供給装置60は、ノズルの種類等に応じて選択することができ、ポンプ61、エアーコンプレッサ、エアーブロワのいずれを備えたものであってもよい。
保護フレーム9がエアコンミスト併用形態の保護フレームである場合、第1噴射ノズル51は、空調風送出部33(第1送出部35)の近傍に配置することが好ましい(図5,図6,図11等参照)。詳しくは、図6に示すように、第1噴射ノズル51から噴射されたミストMTが、空調風送出部33(第1送出部35)の吹き出し口34と、正面視においてオーバラップするように配置することが好ましい。このような配置によって、第1噴射ノズル51から噴射されるミストMTを、空調風送出部33(第1送出部35)から送り出される空調風によって拡散することができ、冷却効果を高めることができる。
導水部70は、エアコンユニット30から発生したドレン水をタンク40に導く第1導水部72と、保護フレーム9の表面に付着した結露水をタンク40に導く第2導水部73との少なくともいずれか一方を含む。第1導水部72は、エアコンユニット30から発生したドレン水を導くドレンホース72から構成されている。ドレンホース72は、一端側がエアコンユニット30に接続され、他端側が水受け部74に挿入されている。エアコンユニット30からドレンホース72に排出されたドレン水は、水受け部74に入ることができる。図6において、ドレン水の流れを破線矢印C1で示している。
作業車両1は、噴射ノズル50(第1噴射ノズル51、第2噴射ノズル52)の向きを変更可能とする変更機構80を備えている。図16は、変更機構80の一例を示す図である。図16に示す変更機構80は、第1接続部材81と第2接続部材82とを有している。第1接続部材81は、屈曲可能な蛇腹状の筒体であって、タンク40内の水を噴射ノズル50に導く通水管(通水管62等)に接続される。第2接続部材82は、第1接続部材81と接続される第1部位82aと、噴射ノズル50と接続される第2部位82bとを有している。第2接続部材82の内部には、第1部位82aと第2部位82bを貫通する通路83が形成されている。通水管62から第1接続部材81に侵入した水は、第2接続部材82の内部の通路83を通って噴射ノズル50から噴射される。
変更機構80は、第1噴射ノズル51の向きを、第1左ノズル51Lから噴射された水(ミスト)MTと第1右ノズル51Rから噴射された水(ミスト)MTとが運転席3の上方で合流する第1の向き(図17参照)と、運転席3の上方で合流しない第2の向き(図18参照)とに変更可能である。図17に示すように、第1噴射ノズル51の向きを第1の向きとした場合、運転者OPに対して左斜め後方と右斜め後方からミストMTを集中して当てることができる。この場合、運転者OPの周囲にミストの集中領域MRを生成することができるため、運転者OPを効果的に冷却することが可能となる。図18に示すように、第1噴射ノズル51の向きを第2の向きとした場合、運転者OPの側方及び前方にミストカーテン(ミストバリア)MCを生成することができるため、運転者OPを砂塵等から保護することが可能となる。
また、図示していないが、第1噴射ノズル51と第2噴射ノズル52とを併用して、両方のノズルを共に第2の向きとすることにより、運転者OPの側方、前方及び後方にミストカーテンを生成することができるため、運転者OPを砂塵等からより効果的に保護することが可能となる。
図13に示すように、空調風モードの場合、運転者OPに対して局所的に空調風CWを当てることができる。例えば、第1送出部35から運転者OPの首に空調風CWを当て、第3送出部37から運転者OPの頭部に空調風CWを当てることができる。このように、冷涼感や温暖感が得られやすい部位である首や頭に対して局所的に空調風(冷風又は温風)を当てることによって、運転者OPに効果的に冷涼感又は温暖感を与えることができる。また、運転者OPの頭部の周囲に冷気又は暖気の集中領域CRを生成することもできるため、運転者OPに効果的に冷涼感又は温暖感を与えることができる。
運転者OPは、空調風モードでの冷風使用とミストモードとを併用することもできる。この場合、冷風とミストの両者による高い冷却効果を得ることができるとともに、ミストカーテンによる防塵効果やエアカーテンによる防塵効果も得ることもできる。
図9に示すように、保護フレーム9には、ドリンクホルダ85を取り付けることができる。ドリンクホルダ85は、飲料水容器CN(例えば、PETボトルや水筒等)を保護フレーム9の外周面に当接又は近接させて保持可能なホルダである。ドリンクホルダ85は、例えば、下部が閉鎖されて上部が開放された箱体から構成され、上部から飲料水容器CNを出し入れすることができる。ドリンクホルダ85は、保護フレーム9のうち、内部に空調風通路32が形成された部分(例えば、起立部15)に取り付けられる。これによって、ドリンクホルダ85に保持された飲料を、空調風通路32を通る冷気又は暖気によって冷却又は加温することができる。
作業車両1は、空調風供給構造による空調風の供給とミスト供給構造によるミストの噴射とを切り換えることができる。また、空調風の供給とミストの噴射の併用といずれか一方の使用とを切り換えることができる。また、空調風を送り出す空調風送出部の選択(第1送出部35、第2送出部36、第3送出部37のいずれか1つ又は2つ以上の選択)を行うことができる。また、ミストを噴射する噴射ノズルの選択(第1噴射ノズル51と第2噴射ノズル52のいずれか一方又は両方の選択)を行うことができる。また、噴射ノズル50(第1噴射ノズル51、第2噴射ノズル52)の向きの変更を行うことができる。これらの切り換え、選択、変更は、運転席3の近傍の操作部(スイッチ、レバー、ダイヤル等)の操作によって実行可能であることが好ましい。
作業車両(バックホー)1は、車体2と、車体2に搭載された運転席3と、車体2を走行可能に支持する走行装置4とを備えている。
車体2は、上下方向の軸心回りに旋回可能な旋回台である。走行装置4は、クローラ式走行装置である。車体2の前部には、作業装置W2が装着された装着部12(前装着部12B)が設けられている。作業装置W2は、ブーム90、アーム91、作業具(バケット)92等を備えており、地面を掘削可能である。車体2の後上部には、原動機等を覆うボンネット10が配設されている。
また、図25に示した作業車両(バックホー)1は、噴射ノズル50として第1噴射ノズル51を備えているが、第1噴射ノズル51と第2噴射ノズル52の両方を備えていてもよい。
本発明の一実施形態に係る作業車両1は、車体2と、車体2に搭載された運転席3と、運転席3よりも上方に延びるように起立した運転者保護用の保護フレーム9と、空調風を発生させるエアコンユニット30と、保護フレーム9の内部に設けられてエアコンユニット30にて発生した空調風が通る空調風通路32と、空調風通路32を通った空調風を運転席3側に向けて送り出す空調風送出部33と、を備えている。
この構成によれば、運転席3に着座した運転者OPに対して後方から空調風を当てることができる。そのため、運転者OPを後方から冷却又は加温することができるとともに、作業や走行によって運転者の前方で発生した砂塵が運転者の顔に当たることを空調風によって阻止することができる。
この構成によれば、運転席3に着座した運転者OPに対して後上方から空調風を当てることができる。そのため、冷涼感や温暖感が得られやすい部位である首筋や後頭部などに対して空調風を当てることによって、運転者OPに効果的に冷涼感や温暖感を与えることができる。
この構成によれば、運転席3に着座した運転者OPに対して上方から空調風を当てることができる。そのため、冷涼感や温暖感が得られやすい部位である頭頂部などに対して空調風を当てることによって、運転者OPに効果的に冷涼感や温暖感を与えることができる。また、運転者OPの前方に空調風によるエアカーテンを生成して防塵効果を得ることもできる。
この構成によれば、エアコンユニット30を設置するためのスペースを車体2上に確保する必要が無い。また、エアコンユニット30と保護フレーム9とが一体化されることによって、保護フレーム9を車体2に対して取り付ける際に、エアコンユニット30も保護フレーム9と一体物として取り付けることができる。
この構成によれば、エアコンユニット30が運転席3の後方に配置されるため、エアコンユニット30が運転者の邪魔にならない。また、エアコンユニット30が保護フレーム9の下連結部18に取り付けられることにより、エアコンユニット30によって作業車両1の重心位置が高くなることを抑制できる。
この構成によれば、既存の作業車両1の保護フレームを取り外して、当該保護フレームの代わりに、保護フレーム9を車体2に取り付けることができる。そのため、キャビン及び空調設備を有さない作業車両1に対して空調設備(空調風供給構造)を後付けすることができる。
この構成によれば、空調風供給構造に加えてミスト供給構造を備えた作業車両1を得ることができる。そのため、冷風とミストの両方を使用して冷却効果と防塵効果を得ることができる。これにより、キャビンを有さずともキャビンを有する作業車両と類似する快適性(清涼感)が得られる作業車両1を提供することができる。
この構成によれば、タンク40を構成する脚部21が車体2の後方に配置されることにより、タンク40の設置スペースを容易に確保することができる。また、タンク40の設置によって作業車両1の重心が高くなることを防止することができる。
この構成によれば、第1タンク41と第2タンク42によって十分な貯水量を確保することができるため、長時間にわたってミストを噴射することが可能となる。また、第2タンク42が脚部21を補強する補強材として機能することによって、左脚部21Lと右脚部21Rとを連結する補強材を設けることなく保護フレーム9の剛性を向上させることができる。
この構成によれば、第1噴射ノズル51によって運転席3に着座した運転者OPに対して後方からミストを噴射することができる。そのため、運転者OPの首筋、後頭部、腕等を後方からミストにより冷却することができる。また、運転者OPの前方にミストカーテン(ミストバリア)を生成して防塵効果を得ることもできる。
この構成によれば、第2噴射ノズル52によって運転席3に着座した運転者OPに対して前方からミストを噴射することができる。そのため、運転者OPの顔や胸等を前方からミストにより冷却することができる。また、運転者OPの後方にミストカーテン(ミストバリア)を生成して防塵効果を得ることもできる。
この構成によれば、後装着部12Aに作業装置W1を装着して作業を行う際に、作業装置W1の作業によって発生する砂塵の発生源に向けてミストを吹き付けることが可能となり、砂塵が飛散して運転者の周囲に到達することを防止できる。
この構成によれば、前装着部12Bに作業装置W2を装着して作業を行う際に、作業装置W2による作業によって発生する砂塵の発生源に向けてミストを吹き付けることが可能となり、砂塵が飛散して運転者の周囲に到達することを防止できる。
この構成によれば、既存の作業車両1の保護フレームを取り外して、当該保護フレームの代わりに、保護フレーム9を車体2に取り付けることができる。そのため、キャビン及び冷房設備を有さない作業車両1に対して冷房設備(ミスト供給構造)を後付けすることができる。
この構成によれば、ミスト供給構造に加えて冷風供給構造を備えた作業車両1を得ることができる。そのため、冷風とミストの両方を使用して冷却効果と防塵効果を得ることができる。これにより、キャビンを有さずともキャビンを有する作業車両と類似する快適性(清涼感)が得られる作業車両1を提供することができる。
この構成によれば、保護フレーム9の内部空間を空調風(冷風)及びミストの流通のための空間として有効利用することができる。また、保護フレーム9の外部に空調風通路(冷風通路)を構成するダクトや水を貯留するタンクを設置するための広いスペースを確保する必要がない。また、保護フレーム9の上部を第1空間38、下部を第2空間39としたことにより、保護フレーム9の重心位置が低くなり、作業車両1を安定させることができる。
この構成によれば、保護フレーム9の内部に通水管62と空調風通路(冷風通路)32とを二重管路(通水管62が内管、空調風通路(冷風通路)32が外管)として構成することができる。そのため、保護フレーム9の内部を有効利用することができるとともに、空調風通路(冷風通路)32に冷風を流すことによって通水管62を流れる水を冷却することができる。
この構成によれば、噴射ノズル50から噴射されるミストを、空調風送出部(冷風送出部)33から送り出される空調風によって拡散することができ、冷却効果を高めることができる。
また、作業車両1は、エアコンユニット30から発生したドレン水をタンク40に導く第1導水部72と、第1導水部72を通ってタンク40へと導かれる水に含まれる夾雑物を除去するフィルタ71と、を備えている。
また、作業車両1は、保護フレーム9の表面に付着した結露水をタンク40に導く第2導水部73と、第2導水部73を通ってタンク40へと導かれる水に含まれる夾雑物を除去するフィルタ71と、を備えている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 車体
3 運転席
9 保護フレーム
15 起立部
15L 左起立部
15R 右起立部
16 連結部
17 上連結部
18 下連結部
27 前延部
30 エアコンユニット
32 空調風通路
33 空調風送出部
35 第1送出部
36 第2送出部
37 第3送出部
38 第1空間
39 第2空間
40 タンク
50 噴射ノズル
60 供給装置
62 通水管
71 フィルタ
72 第1導水部
73 第2導水部
OP 運転者
Claims (13)
- 車体と、
前記車体に搭載された運転席と、
前記運転席よりも上方に延びるように起立した運転者保護用の保護フレームと、
空調風を発生させるエアコンユニットと、
前記保護フレームの内部に設けられて前記エアコンユニットにて発生した空調風が通る空調風通路と、
前記空調風通路を通った空調風を前記運転席側に向けて送り出す空調風送出部と、
を備えている作業車両。 - 前記保護フレームは、車体幅方向に間隔をあけて起立した左起立部及び右起立部を含む起立部と、前記左起立部と前記右起立部とを連結する連結部と、を有し、
前記空調風送出部は、前記起立部に設けられて前記運転席の後方から前方に向けて空調風を送り出す第1送出部を含む請求項1に記載の作業車両。 - 前記空調風送出部は、前記連結部に設けられて前記運転席の後上方から前下方に向けて前記空調風を送り出す第2送出部を含む請求項2に記載の作業車両。
- 前記保護フレームは、前記起立部の上部に取り付けられて前記運転席の上方を覆う屋根部と、前記連結部から前記屋根部の下面に沿って前方に延びる前延部と、を有し、
前記空調風送出部は、前記前延部に設けられて前記運転席の上方から下方に向けて前記空調風を送り出す第3送出部を含む請求項2又は3に記載の作業車両。 - 前記エアコンユニットは、前記保護フレームに取り付けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業車両。
- 前記連結部は、前記左起立部の上端と前記右起立部の上端とを連結する上連結部と、前記上連結部よりも下方において前記左起立部と前記右起立部とを連結する下連結部と、を含み、
前記エアコンユニットは、前記運転席の後方において前記下連結部に取り付けられている請求項2〜4のいずれか1項に記載の作業車両。 - 前記保護フレームは、前記エアコンユニットと共に前記車体に対して着脱可能である請求項5に記載の作業車両。
- 水を貯留するタンクと、
水を霧状に噴射する噴射ノズルと、
前記タンク内の水を前記噴射ノズルに供給する供給装置と、
を備え、
前記噴射ノズルは、前記保護フレームに設けられて前記運転席側に向けて水を噴射可能である請求項1〜7のいずれか1項に記載の作業車両。 - 前記保護フレームの内部には、前記空調風通路を構成する第1空間と、前記タンクの貯水空間を構成する第2空間が形成されている請求項8に記載の作業車両。
- 前記供給装置は、前記タンク内の水を前記噴射ノズルへと導く通水管を有し、
前記通水管は、前記保護フレームの内部に挿通されており、
前記空調風通路は、前記保護フレームの内面と前記通水管の外面との間に形成されている請求項8又は9に記載の作業車両。 - 前記噴射ノズルは、前記空調風送出部の近傍に配置されている請求項8〜10のいずれか1項に記載の作業車両。
- 前記エアコンユニットから発生したドレン水を前記タンクに導く第1導水部と、
前記第1導水部を通って前記タンクへと導かれる水に含まれる夾雑物を除去するフィルタと、
を備えている請求項8〜11のいずれか1項に記載の作業車両。 - 前記保護フレームの表面に付着した結露水を前記タンクに導く第2導水部と、
前記第2導水部を通って前記タンクへと導かれる水に含まれる夾雑物を除去するフィルタと、
を備えている請求項8〜12のいずれか1項に記載の作業車両。
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