JP2021194841A - 記録素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体記録装置の記録素子に用いる中間層の強度の低下を抑制しつつ、製造時の課題を回避する技術を提供する。【解決手段】基板、中間層および流路形成部材がこの順に積層された記録素子であって、基板は、共通液室を有し、流路形成部材において、中間層を介して基板に対向する面を第2の面とし、第2の面と反対の面を第1の面としたとき、第1の面には共通液室からの液体を吐出する複数の吐出口が形成され、第2の面には、複数の吐出口それぞれと共通液室とを連通する複数の流路と、略平行な複数の梁構造とが形成されており、複数の梁構造の間はスリット部をなしており、中間層には、共通液室と複数の流路それぞれを連通させる複数の第1の開口部と、スリット部と共通液室を連通させる複数の第2の開口部が設けられている記録素子を用いる。【選択図】図3

Description

本発明は、記録素子およびその製造方法に関する。
従来、インク等の液体を吐出させて被記録媒体に記録を行うための液体記録装置において、ノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドが用いられている。かかる液体吐出ヘッドを使用しているときに印字不良を引き起こす原因は種々存在する。例えば、発泡室や液室を構成する部材(以下「流路形成部材」と呼ぶ)と基板部材がはがれることによる印字不良(以下「はがれ不良」と呼ぶ)や、製造時のゴミ混入や、使用中に流路部のバリが滑落して発泡室に詰まることによる吐出不良などである。
このような、液体吐出ヘッドの吐出不良に対する対策も様々なものが知られている。
例えばはがれ不良について、特許文献1は、液室構成部材と基板部材の間に中間層を形成して密着性を向上させたり、流路形成部材に梁構造を持たせ、なおかつ応力分散のためのスリットを設けたりしている。特許文献1によれば、かかるスリットを簡便に設けることができる。
また、ゴミ詰まりによる印字不良について、特許文献2では、前述の中間層を利用して異物捕集のための構造物(以下「中間層フィルター」と呼ぶ)を設けている。中間層フィルターを用いてゴミ捕集をする場合、中間層の厚さを薄くする程、液体の流れに対する抵抗の増加を抑制できる。さらに中間層を設けているため、はがれ不良の対策にもなっている。特許文献2によれば、製造方法が簡便であり、かつ、製造工程において中間層のパターニング形状を変えることで構成を制御できるという利点がある。
特開2012−051235号公報 米国特許第6264309号明細書
しかしながら、中間層フィルターを用いる場合、上記のように厚さが薄いほど液体への抵抗を抑制できる一方で、薄くすることにより強度が低下する可能性がある。さらに、流路形成部材の梁にスリットを設ける構成において中間層フィルターを採用する場合、中間層フィルターの形状によっては製造時に影響が生じる可能性があることが分かった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、液体記録装置の記録素子に用いる中間層の強度の低下を抑制しつつ、製造時の課題を回避する技術を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
基板、中間層および流路形成部材がこの順に積層された記録素子であって、
前記基板は、共通液室を有し、
前記流路形成部材において、前記中間層を介して前記基板に対向する面を第2の面とし、前記第2の面と反対の面を第1の面としたとき、
前記第1の面には前記共通液室からの液体を吐出する複数の吐出口が形成され、
前記第2の面には、前記複数の吐出口それぞれと前記共通液室とを連通する複数の流路と、略平行な複数の梁構造とが形成されており、前記複数の梁構造の間はスリット部をなしており、
前記中間層には、前記共通液室と前記複数の流路それぞれを連通させる複数の第1の開口部と、前記スリット部と前記共通液室を連通させる複数の第2の開口部が設けられている
ことを特徴とする記録素子である。
本発明は、また、以下の構成を採用する。すなわち、
基板の上に中間層を形成する工程と、
前記中間層の上に流路型材を配置する工程と、
前記流路型材の上に流路形成部材を配置する工程と、
前記流路形成部材の表面から前記流路型材まで連通する複数の吐出口を形成する工程と、
前記中間層に開口部を設ける開口部形成工程と、
前記基板に前記中間層に到達する共通液室を形成する工程と、
前記流路型材を溶解させる工程と、
溶解した前記流路型材を、前記中間層の開口部を介して前記共通液室に流出させて、前記流路型材に対応する形状の構造を前記流路形成部材に形成する構造形成工程と、
を含む記録素子の製造方法であって、
前記構造形成工程では、前記流路形成部材に、前記複数の吐出口それぞれと前記共通液室とを連通する複数の流路と、略平行な複数の梁構造と、前記複数の梁構造の間のスリット部が形成され、
前記開口部形成工程では、前記中間層に、前記共通液室と前記複数の流路を連通させる複数の第1の開口部と、前記共通液室と前記スリット部を連通させる第2の開口部が形成される
ことを特徴とする記録素子の製造方法である。
本発明によれば、液体記録装置の記録素子に用いる中間層の強度の低下を抑制しつつ、製造時の課題を回避する技術を提供することができる。
液体記録装置に搭載される記録素子を示す斜視図 図1のA−A’断面図 図1の吐出口列のうち1列分を基板に垂直な向きから観察した透視図 一連の製造工程の流れを示す図 一連の製造工程の流れを示す続きの図 一連の製造工程の流れを示す続きの図 実施例2における流路形成部材の形状と開口の関係を示す図 実施例2における流路形成部材の形状と開口の関係を示す別の図 実施例2における流路形成部材の形状と開口の関係を示す別の図
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<構成>
図1は、液体記録装置に搭載される記録素子100の概観を示す部分破断斜視図である
。記録素子100は、例えば、液体記録装置のキャリッジに搭載されたヘッドに設けられて、インク等の液体を記録媒体に向けて吐出する部材である。
ここで記録素子とは、吐出口(ノズル)と、これに連通する液室および流路を含む構成を言う。記録素子にはまた、インク吐出に利用される吐出エネルギー発生素子を含んでもよい。以下では液室および流路の例として、複数の吐出口それぞれに対応する複数の発泡室および複数の個別流路と、各吐出口に連通してそれぞれに液体を供給する共通液室を示す。以下の例では、吐出エネルギー発生素子として電気熱変換素子とそれに通電するスイッチング素子等を用いたが、本発明はそれに限定されるものではなく、液体に吐出に必要な運動エネルギーを与えられるものであればよい。
記録素子100は、基板34、中間層4および流路形成部材8が積層した構成を持つ。基板34には、液体記録装置が備える不図示の制御部、または不図示の外部装置とのデータ送受信や、電源装置から電源供給を受けるための外部接続端子36が設けられる。
図2の断面図も参照しながら、記録素子100の構成部材を説明する。
図2に示すように、基板34と中間層4により共通液室3が形成されている。共通液室3から、中間層開口部4aを介して連通する個別流路7を経て、各発泡室5に液体が供給される。本例では、所定のピッチで配列された発熱素子1に対応するように各発泡室5が設けられ、各発泡室5に対応するように吐出口2が設けられている。そして、発泡室5内に液体が充填された状態で、制御部から電気信号を与えられた発熱素子1が発熱することにより、発泡室5内における発熱素子1周辺の液体が瞬時に加熱される。その結果、発熱素子1周辺の液体が沸点に達して沸騰し、気泡が生じる。この気泡の発泡圧によって発泡室5内部の液体に運動エネルギーが与えられ、液体が吐出口2から外部へ吐出する。
流路形成部材8のうち、吐出口2が形成された、液体記録装置の稼働時には記録媒体に対向する面を第1の面8fとし、第1の面8fとは反対側の、中間層4を介して基板34と対向する面を第2の面8gとする。このとき、発泡室5、個別流路7、梁構造8aおよびスリット部10は、第2の面8gの側に設けられている。
中間層4は、総じて薄く均一に製膜された、基板34と流路形成部材8の間にある膜である。中間層4の存在により、基板34と流路形成部材8の密着性が向上する。中間層4が形成されるのであれば材質や成膜技術は問わず、例えば樹脂を用いてもよい。
図3は、図1に示す吐出口2の列のうち1列分を、基板34に垂直な向きから見たときの透視図である。
図示例における液体流路および液室のうち、共通液室3は、基板34および中間層4により形状を規定された、長手方向を有する空間である(図1も参照)。一方、個別流路7および発泡室5は、流路形成部材8および中間層4により形状を規定され、複数の発熱素子1それぞれに対応するように複数設けられた空間である。
また共通液室3の長手方向には、記録素子の強度向上のために、二本の略平行な梁構造8aが設けられている。これにより、二本の梁構造8aの間にスリット部10が形成される。すなわちスリット部10は、梁構造8a、流路形成部材8および中間層4に周囲を囲まれた空間である。上述したように、スリット部10の存在により応力分散が可能になる。尚、「略平行」とは、製造誤差等を除き実質的に平行であることを意味する。具体的には、二本の梁構造があったとき、各梁構造において無作為の10点を選び、それらの近似直線をとる。この近似直線同士がなす角度が1度以下であれば、二本の梁構造は略平行である。
図3の例では、中間層4によりゴミ捕集フィルターを形成した様子を示している。すな
わち、中間層4に、液体の流れを許容しつつ、所定の大きさ以上の異物(ゴミ)を通さないサイズの開口を設けることにより、共通液室3から各発泡室5へのゴミの流入を防ぐ効果を発揮している。したがって中間層4が、液体から異物を捕集する中間層フィルターとして機能する。さらに、中間層4が基板34と流路形成部材8の密着性を向上させる効果は、そのまま享受できる。
この中間層フィルターを形成する際、液体の吐出に影響のない部分はできる限り開口をなくし、強度をアップさせることが好ましい。これにより、強度が不十分なことによる課題(例えば、製造工程における熱や湿度等での膨張収縮や、液体記録装置の使用中に流れる液体から受ける力に起因するちぎれ等)を回避できる。
<製造工程>
次に、図4A〜図4Cを用いて、一連の製造工程(工程1〜工程9)を説明する。ただしこの製造工程や積層の順は一例であり、最終的に所望の記録素子が形成されるのであれば、本発明はこれに限定されない。
まず図4A(工程1)のように基板34表面に中間層4を形成する。基板34として例えば、シリコン等の材質からなる基体に半導体素子の作り込み技術によって発熱素子1や不図示の配線が設けられたものを利用できる。中間層4の形成においては例えば、感光材料を基板上に塗布するとよい。
次に、図4A(工程2)のように中間層4の開口部(中間層開口部4a(第1の開口部)、中間層スリット開口部4b(第2の開口部))を形成する。中間層4として感光材料を用いた場合は、露光機とフォトマスクによって感光材料を任意の形状にパターニングできる。すなわち、露光機からの光が照射された部分のみ中間層4が硬化し、フォトマスクによって影になった部分が未硬化状態のまま残るため、光照射後に未硬化部分を洗い流すことで、所望の形状の開口を形成できる。なお、中間層4に用いる材料は上記に限られず、光が照射されなかった部分のみ硬化するようなポジ型を用いてもよい。
次に、図4A(工程3)のように中間層4の上に流路形成型材(以下「流路型材」と呼ぶ)を配置する。流路型材6a〜6cを区別する必要が無い場合は、まとめて流路型材6と称する。
次に、図4B(工程4)のように流路形成部材8を配置する。流路形成部材8として例えば、流路型材6の溶解に用いる薬剤への耐性を持つ樹脂などを利用できる。
次に、図4B(工程5)のように流路形成部材8に、流路形成部材8の上部表面から流路型材6まで連通するように吐出口2を形成する。
続いて、基板34に共通液室3を形成する。まず図4B(工程6)のように、吐出口2を含む面が影響を受けないように、流路形成部材8の上(表面)を保護部材9で覆う。
次に、図4C(工程7)のように、基板34に中間層4まで到達する共通液室3を形成する。共通液室3の形成には例えば、所定のエッチング条件および時間を設定されたエッチング工程を利用できるが、これに限定されない。共通液室3は、記録素子の製造後はスリット部および個別流路と連通するように配置される。
次に、図4C(工程8)にように保護部材9を除去する。
次に、図4C(工程9)のように流路型材6を除去することで、流路やスリット部、発泡室などの構造が形成され、記録素子100が完成する(構造形成工程)。流路型材6の除去には例えば、流路型材6の材質を選択的に溶解させる薬剤を利用し、記録素子全体を薬剤に浸漬してもよい。
なお、流路型材6のうちスリット部10に対応する部分は、中間層4と流路形成部材8
と梁構造8aに囲まれているため、あらかじめ中間層4に薬剤が流入・流出可能となるような開口を設けておく必要がある。すなわち、薬剤が流入できなければ流路型材6を除去することができない。
一方、流路型材6を除去しきれずスリット部10内部に残存した場合、その残存した流路型材6が後続工程で製造不良を引き起こすおそれがある。製造不良として例えば、流路型材6の熱膨張や、流路型材6に含まれる水分が蒸発することによる体積膨張が挙げられる。またそれらの不良によって中間層4が破損したり、流路形成部材8や梁構造8aがひび割れたり大きく欠損するといった課題が発生する。
そこで図示例では、流路型材6を確実に取り除くために、中間層4のうちスリット部10に対応する位置に、中間層スリット開口部4bを設ける(開口部形成工程)。開口形成方法は特に問わず、工作機械を用いてもよく、別の方法でもよい。中間層4のうち個別流路7に対応する位置には、同様に中間層開口部4aを設ける。中間層スリット開口部4bの存在により、薬剤がスリット部10に侵入して流路型材6を溶解させる。また、流路型材6が溶けたところで記録素子100を薬剤から引き上げると、中間層スリット開口部4bから流路型材の溶け込んだ薬剤が流出してスリット部10が形成される。
<実施例1>
続いて、上記の工程により形成される記録素子100の実施例について、図面を参照しながら説明する。図3は、上述したように、一列分の吐出口2を基板34に垂直な向きから見たときの断面を示す透視図である。
本実施例では図3に示すように、中間層4のスリット部10に沿う部分に開口を設けて中間層スリット開口部4bとする。
なお、中間層開口部4aが液体の吐出のために必要な構造であるのに対して、スリット部10に沿う部分に設けられた中間層スリット開口部4bは、液体の吐出に直接影響するわけではない。また、中間層フィルターの強度を向上させる観点からは、スリット部10に沿う部分に開口を設けないことが好ましい。しかしながら、前述のように製造工程での課題を起こさないという観点から見ると、中間層フィルターとスリット構造を両立させるためには中間層スリット開口部4bが必要となる。
ここで、スリット部分の中間層フィルター開口、すなわち中間層スリット開口部4bの寸法について考察する。
まず前提として、通常の中間層開口部4aについて検討する。一般的に中間層フィルターに設ける開口は、吐出時に生じる液体の流れに対しては抵抗となるため、吐出性能の観点からはできる限り大きな開口とする方がよい。しかしながら開口のサイズが大きすぎるとゴミがすり抜けてしまうため、ゴミ捕集の観点からは開口寸法が小さいほうが好ましい。
そこで、吐出性能と異物の捕集性能を両立する寸法の一例として、発泡室が上下あわせて1200dpiで並んでいるときに、開口寸法が対角線でおよそ20〜40マイクロメートル程度のものが挙げられる。ただし、この寸法は一例であり、発泡室5の配置間隔や吐出する液体の物性、そのほかにも単位時間当たりの吐出総量によっても変わり得るもので、仕様に応じて調整されるべきである。
また図3や、後述する図5では中間層開口部4aの形状を四角形にしているが、これは、円形に開口するよりも多角形のほうが中間層フィルター自身の面積を少なくし、吐出される液体の流れに対する抵抗を低下させられるからである。ただし、吐出に差し障りなければ円形の開口でも問題ない。
これに対してスリット部分の中間層スリット開口部4bは、前述の通り吐出性能には影
響しない。そのため開口はできる限り小さく、なおかつ開口数も減らすことが強度の観点からは好ましい。
また配置については、図3の例では、個別流路7と共通液室3の間に位置する開口ピッチ、すなわち中間層開口部4aのピッチと、スリット部の開口、すなわち中間層スリット開口部4bのピッチを異ならせている。これにより、中間層フィルターにかかる応力が分散され、ちぎれに対して有利となる。
中間層スリット開口部4b形成の一例として、スリットの幅を約15マイクロメートル、スリットの高さを約16マイクロメートルとし、200dpiで10マイクロメートル程度の円形開口が配置されるようにしたところ、流路形成が好適に行われた。一方この例において、上記を下回るピッチで開口を配置したところ、開口不良が発生した。ただし好ましい開口の面積や配置間隔はこれに限定されず、スリットの幅や流路形成部材の厚み等に応じて適宜調整することが好ましい。
本実施例においては、強度向上のための梁構造や応力分散のためのスリットを持つ流路形成部材を有し、かつ中間層の密着性により剥がれ不良を抑制可能な記録素子において、上述したような中間層の開口の配置やサイズとしている。これにより、中間層の強度を保ちつつ、製造時の課題の回避や、ゴミ捕集の効果の維持が可能になり、記録素子の設計自由度が向上する。
<実施例2>
続いて図5A〜図5Cを参照して、実施例1とは異なる構造を持つ記録素子について説明する。図5Aでは、流路形成部材8によるリブ構造(図中の8b)を設けている。リブ構造8bは、梁構造8aと交差するように(好ましくは略直交するように)複数形成されたリブ状の構造物であり、強度を向上させる効果がある。ここでは、中間層スリット開口部4bの開口ピッチを、リブ構造8bの延長線上に配置している。リブ構造8bの延長線上は、リブ構造があるために応力に対して強い構成であり、中間層スリット開口部4bを設けることによる中間層フィルターの強度低下の影響を少なくすることができる。尚、「略直交」とは、製造誤差等を除き実質的に直交であることを意味する。具体的には、リブ構造8bと梁構造8aにおいて無作為の10点を選び、それらの近似直線をとる。この近似直線同士がなす角度が89度以上91度以下であれば、リブ構造8bと梁構造8aは略直交である。
なお、中間層スリット開口部4bの位置は、必ずしもリブ構造8bの延長線上に完全に一致しなければならないわけではない。リブ構造8bの延長線上に近いほど応力に対して強い傾向があるものの、ある程度離れていても応力緩和効果は得られる。
一例として、リブ構造の延長線上を中心として、およそリブ構造の幅の太さ二つ分程度と同等の幅に収まっていれば、応力緩和効果は得られる傾向にある。ただし、応力緩和効果はリブ構造の太さやスリット部の幅、流路形成部材の厚さ等、諸々の寸法設計に応じて変化する。
このように本実施例によれば、流路形成部材がリブ構造を有することで強度が向上された記録素子部において、中間層フィルターの強度も向上する。その結果、記録素子全体の強度を向上させることが可能となる。
なお実施例2の本質は、リブ構造8bの延長線上に開口を設けることで中間層フィルターの強度が低下しにくくする点にある。開口を設ける位置は、製造時の流路型材6の除去性能と中間層フィルターの強度のバランスに基づいて設計されるべきものである。このような観点から、図5Aとは異なる中間層スリット開口部4bの配置例について説明する。
まず図5Bの例では、図5Aと同様にリブ構造8bの延長線上に設けた中間層スリット開口部4b(1)の他に、リブ構造8bの延長線上以外の場所にも、中間層スリット開口部4b(2)を配置している。すなわち、複数の中間層スリット開口部4bのうち、少なくとも一部は、複数のリブ構造8bそれぞれの延長線上に対応する位置に設けられている。この場合、少なくとも中間層スリット開口部4b(1)については、強度向上の効果が得られるため、記録素子部を全体としてみれば、従来よりも強度が向上していると言える。
次に図5Cの例では、1個離れたリブ構造8bごとに、その延長線上に開口を設けている。製造時の流路型材6の除去性能次第であるが、リブ構造を2個飛ばしや3個飛ばし、あるいはそれ以上にしても構わない。図5Cの場合、開口の数が減少する分だけフィルターの強度が向上する。
以上、本実施例においては、流路形成部材が梁構造に加えてリブ構造を有する場合に、リブ構造の延長線上または延長線上から所定の範囲内に開口を設けることにより、中間層フィルターの強度低下を抑えることができる。また、実施例1における製造時の課題の回避やゴミ捕集性能などの効果はそのまま享受できる。
2;吐出口、3:共通液室、4:中間層、4a:中間層開口部、4b:中間層スリット開口部、5:発泡室、7:個別流路、8:流路形成部材、8a:梁構造、10:スリット部、34:基板、100:記録素子

Claims (8)

  1. 基板、中間層および流路形成部材がこの順に積層された記録素子であって、
    前記基板は、共通液室を有し、
    前記流路形成部材において、前記中間層を介して前記基板に対向する面を第2の面とし、前記第2の面と反対の面を第1の面としたとき、
    前記第1の面には前記共通液室からの液体を吐出する複数の吐出口が形成され、
    前記第2の面には、前記複数の吐出口それぞれと前記共通液室とを連通する複数の流路と、略平行な複数の梁構造とが形成されており、前記複数の梁構造の間はスリット部をなしており、
    前記中間層には、前記共通液室と前記複数の流路それぞれを連通させる複数の第1の開口部と、前記スリット部と前記共通液室を連通させる複数の第2の開口部が設けられている
    ことを特徴とする記録素子。
  2. 前記中間層は、前記複数の第1の開口部により、前記共通液室から前記複数の流路へ流入する異物を捕集する
    請求項1に記載の記録素子。
  3. 前記複数の第1の開口部のピッチと、前記複数の第2の開口部のピッチは異なる
    請求項1または2に記載の記録素子。
  4. 前記流路形成部材の前記第2の面において、前記複数の梁構造と略直交する複数のリブ構造が形成されている
    請求項1に記載の記録素子。
  5. 前記中間層において、前記複数の第2の開口部のそれぞれは、前記複数のリブ構造の延長線上に対応する位置に設けられている
    請求項4に記載の記録素子。
  6. 前記中間層において、前記複数の第2の開口部のうち少なくとも一部は、前記複数のリブ構造の延長線上に対応する位置に設けられている
    請求項4に記載の記録素子。
  7. 前記中間層において、前記複数の第2の開口部のそれぞれは、前記複数のリブ構造のうち少なくとも一部のものの延長線上に対応する位置に設けられている
    請求項4に記載の記録素子。
  8. 基板の上に中間層を形成する工程と、
    前記中間層の上に流路型材を配置する工程と、
    前記流路型材の上に流路形成部材を配置する工程と、
    前記流路形成部材の表面から前記流路型材まで連通する複数の吐出口を形成する工程と、
    前記中間層に開口部を設ける開口部形成工程と、
    前記基板に前記中間層に到達する共通液室を形成する工程と、
    前記流路型材を溶解させる工程と、
    溶解した前記流路型材を、前記中間層の開口部を介して前記共通液室に流出させて、前記流路型材に対応する形状の構造を前記流路形成部材に形成する構造形成工程と、
    を含む記録素子の製造方法であって、
    前記構造形成工程では、前記流路形成部材に、前記複数の吐出口それぞれと前記共通液
    室とを連通する複数の流路と、略平行な複数の梁構造と、前記複数の梁構造の間のスリット部が形成され、
    前記開口部形成工程では、前記中間層に、前記共通液室と前記複数の流路を連通させる複数の第1の開口部と、前記共通液室と前記スリット部を連通させる第2の開口部が形成される
    ことを特徴とする記録素子の製造方法。
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