JP2021194585A - 積層ベンチュリノズル及びその製作方法並びにマイクロバブル液生成装置 - Google Patents

積層ベンチュリノズル及びその製作方法並びにマイクロバブル液生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】気泡径及び気泡径分布が小さなマイクロバブルを得る積層ベンチュリノズルを提供する。【解決手段】積層ベンチュリノズル10は、2本の平行な溝状のベンチュリ流路及びそれに連通するY溝状の2分岐流路が左右対称になるように形成された溝有りブロックと、溝有りブロックと同じ大きさに形成された溝無しブロックと、溝有りブロックと溝無しブロックとが所定合計枚数積層された積層ブロックを連結する連結手段と、積層ブロックに気体を加圧溶解により混合した気体混合液を供給するための1本の供給流路を有する供給ブロックと、を有し、積層ブロックは、溝状のベンチュリ流路及び溝状の2分岐流路が管状流路になるように溝有りブロックと溝無しブロックとが積層されることにより複数本の管状流路が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は積層ベンチュリノズル及びその製作方法並びにマイクロバブル液生成装置に係り、特にベンチュリ構造によってマイクロバブルを発生させるための技術に関する。
近年、容器等に貯留された水等の液体中にマイクロバブル(直径1〜100μmの気泡)を吹き込んでマイクロバブル液を得るマイクロバブル液生成装置は、工業、化学、医療、農業、水産等の色々な分野で用いられている。
例えば、マイクロバブルは油汚れ等を強力に落とし、浮上分離させることができる洗浄作用があることから、半導体分野でのフォトレジスト除去、半導体ウエハの洗浄や廃水処理分野での油水分離等に使用されている。また、マイクロバブルは細菌やウイルスを強力に分解する殺菌作用があることから、医療や福祉分野での除菌、殺菌、マイクロバブル浴槽等に利用されている。
更に、マイクロバブルの持つ生理活性作用により、魚介類が大きく美味しく育ったり、水耕栽培での植物の成長促進に役立つことから、農業や水産分野では水産養殖、水耕栽培、微生物の活性化等に利用されている。
しかし、既存のマイクロバブル液の発生装置は高額であり、農業や水産分野あるいは廃水処理分野への適用が難しい。
マイクロバブル液生成装置において、マイクロバブルを発生させる方法としては、加圧溶解方式、剪断流方式、多孔質板方式、微細ニードル方式、ベンチュリ管方式等がある。これらの方式は一長一短があるが、ベンチュリ管方式は比較的簡単な構造であり、ベンチュリ管内に駆動部を必要としないでマイクロバブルを生成可能であることから、装置コスト的に低価格が可能であるという利点を有している(例えば特許文献1)。
ベンチュリ管方式でマイクロバブルを発生する原理は、ベンチュリ管の最も細いスロート部(のど部とも言う)に気体(例えば空気、オゾン)を混入させた液体(例えば水)を音速に達する速度で通過させる。これにより、衝撃波が発生して気泡崩壊が起こりスロート部の下流側に微細気泡を得る方法である。
そして、マイクロバブル液生成装置で得られたマイクロバブル液の上記した洗浄作用、殺菌作用、生理活性作用はマイクロバブルの気泡径が小さいほど且つマイクロバブル液中のマイクロバブル濃度が大きいほど作用効果も大きくなる傾向にある。また、マイクロバブルの気泡径分布のバラツキが小さいほど作用効果が大きくなる傾向にある。
特開2016−73939号公報
ところで、ベンチュリ管方式でマイクロバブルを発生する場合、ベンチュリ管のスロート部の流路断面積が小さいほど気泡崩壊現象等を効果的に行い気泡径の小さなマイクロバブルを得ることができる。
しかしながら、ベンチュリ管における気泡微細化メカニズムは十分に解明されていない。即ち、気泡径が小さく且つ気泡径分布のバラツキの小さなマイクロバブルを多量に発生するには、ベンチュリ管をどのように設計するのが良いかに関して十分に解明されていないのが実情である。
例えば、単独のベンチュリ管でスロート部の流路断面積を小さくすると、小さい気泡径のマイクロバブルを得ることはできるが、気泡発生量が少なくなる。したがって、単独のベンチュリ管でマイクロバブル液生成装置を構成すると、マイクロバブル液中のマイクロバブル濃度を十分に得ることができない。
逆に、スロート部の流路断面積を大きくした単独のベンチュリ管でマイクロバブル液生成装置を構成すると気泡発生量は大きくなるが、小さい気泡径のマイクロバブルを得ることができない。
即ち、単独のベンチュリ管の場合には、気泡径の小さなマイクロバブルを得ることと、気泡発生量を大きくすることとの両方を満足できないという問題がある。
この問題の解決策として、ベンチュリ管の本数を増やすことで対応することが考えられるが、次の問題がある。
(1)ベンチュリ管の流路形状は流路断面積が次第に縮小する流路縮小部と流路断面積が次第に拡大する流路拡大部との間に流路断面積が最も小さいスロート部を有する形状である。したがって、複数本のベンチュリ管を全く同じ形状及び同じ流路断面積に高精度で製作することが難しい。複数本のベンチュリ管の形状や流路断面積にバラツキがあると、マイクロバブルの気泡径、気泡径分布、及び気泡発生量においてベンチュリ管ごとにバラツキが発生し易い。
(2)複数本のベンチュリ管の本数に見合った複数のポンプを設けるか、1つのポンプの場合にはベンチュリ管の本数に見合った分岐数の分岐管が必要になる。しかし、複数のポンプの性能のバラツキ、分岐管を流れる流量のバラツキ等によって、マイクロバブルの気泡径、気泡径分布、及び気泡発生量においてベンチュリ管ごとにバラツキが発生し易い。
したがって、ベンチュリ管の本数を増やす対応策は、上記の洗浄作用等の効果が十分に得られていないというのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、装置コスト的に低価格が可能なベンチュリ構造を用いて、気泡径及び気泡径分布が小さなマイクロバブルを大きな気泡発生量で得ることができる積層ベンチュリノズル及びその製作方法並びにマイクロバブル液発生装置を提供することを目的とする。
本発明の積層ベンチュリノズルは、マイクロバブルを発生するためのベンチュリ構造のノズルにおいて、両面が平坦で四角形な板状のブロックの表面に、流路断面積が次第に縮小する流路縮小部と流路断面積が次第に拡大する流路拡大部との間に流路断面積が最も小さいスロート部を有する2本の平行な溝状のベンチュリ流路及び2本のベンチュリ流路の流路縮小部の入口にそれぞれ連通するY溝状の2分岐流路が左右対称になるように形成された溝有りブロックと、溝有りブロックと同じ大きさに形成されると共に両面が平坦で四角形な板状の溝無しブロックと、溝有りブロックと溝無しブロックとが所定合計枚数積層された積層ブロックを連結する連結手段と、積層ブロックにマイクロバブルを発生するための液体と液体に混合する気体とを供給する気液供給手段と、を有し、積層ブロックは、溝状のベンチュリ流路及び溝状の2分岐流路が管状流路になるように溝有りブロックと溝無しブロックとが積層されることにより、複数本の管状流路が形成されると共に管状流路を構成するベンチュリ流路の流体噴出口と2分岐流路の流体供給口とが形成されることを特徴とする。
ここで、所定合計枚数とは、積層ブロックを構成する溝有りブロックの枚数と溝無しブロックの枚数の合計枚数を言い、積層ベンチュリノズルの気泡発生量に応じて溝有りブロックの必要枚数と溝無しブロックの必要枚数を適宜決定する。
また、溝有りブロックと溝無しブロックは、形状は四角形が好ましいが、四角形に限定されるものでない。溝有りブロックと溝無しブロックとを連結する連結手段は、着脱自在に連結されるものが好ましいが、着脱自在に限定されず、一度固定されたら着脱できない固定手段を採用することもできる。
本発明の積層ベンチュリノズルによれば、2本の平行な溝状のベンチュリ流路及び2本のベンチュリ流路の流路縮小部の入口にそれぞれ連通するY溝状の2分岐流路が左右対称になるように形成された溝有りブロックと、溝無しブロックとを所定合計枚数積層させて管状のベンチュリ流路及び2分岐流路とする構成を採用した。
これにより、流路形成に高精度加工を行い易い切削加工法を使用できる。したがって、ブロックの材質に依存しないので、製作コストが低価格になるだけでなく、ベンチュリ流路の本数をマルチ化しても形状やスロート部の流路断面積等にバラツキが生じ難くなる。
また、溝有りブロックに形成される2本のベンチュリと1つの2分岐流路は対称軸を挟んで左右対称になるように形成されている。
また、積層ブロックを構成する溝有りブロックと溝無しブロックとを連結手段で着脱自在に連結できるようにしたので、積層ブロックに形成するベンチュリ流路の本数、換言すると気泡発生量を簡単に変えることができる。
これらの構成により、装置コスト的に低価格が可能なベンチュリ構造を用いて、気泡径及び気泡径分布が小さなマイクロバブルを大きな気泡発生量で得ることができる積層ベンチュリノズルを提供できる。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、気液供給手段は、積層ブロックに気体を液体に加圧溶解により混合した気体混合液を供給するための1本の供給流路を有する供給ブロックであることが好ましい。
このように、積層ブロックに形成された複数本のベンチュリ流路に、気体を液体に加圧溶解した気体混合液を供給することで、ベンチュリ流路ごとの気液体積流量比(β)にバラツキが生じにくくなる。
また、積層ブロックには、1本の供給流路を有する供給ブロックから気体混合液が供給されるようにしたので、複数本のベンチュリ流路の入口流量(入口圧力)にバラツキが生じ難くなる。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、積層ブロックに形成された管状のベンチュリ流路及び2分岐流路の流路断面形状は正方形又は長方形の矩形であることが好ましい。これにより、切削加工によって溝有りブロックに溝を形成する際に、例えば半円等の他の溝形状に比べて高精度に切削加工し易い。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、積層ブロックに形成された複数本の管状流路は、供給ブロックの供給流路の軸芯を中心とした円周上に略位置するように形成されていることが好ましい。
これにより、積層ブロックに形成された複数本の管状流路は、供給ブロックの1本の供給流路の軸芯に対してシンメトリックな位置関係にあるので、供給流路から複数の2分岐流路を介して複数本のベンチュリ流路に気体混合液を供給する際に、気体混合液を一層均等に供給することができる。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、積層ブロックの所定合計枚数における溝有りブロックと溝無しブロックとのそれぞれの枚数はベンチュリ流路の形成本数によって設定されることが好ましい。これにより、積層ブロックを構成する溝有りブロックの枚数と溝無しブロックの枚数を変えるだけで簡単に気泡発生量を変えることができる。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、積層ブロックの流体供給口が形成された側のブロック辺には、積層ブロックに供給ブロックを嵌合して接続するための嵌合用切り欠きが形成されることが好ましい。
これにより、積層ブロックと供給ブロックとの正確な位置決め接続が可能となる。したがって、積層ブロックに形成された複数本の管状流路が、供給ブロックの1本の供給流路の軸芯を中心とした円周上に略位置するための位置決めを高精度に行うことができる。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、積層ブロックを構成する溝有りブロックと溝無しブロックとの積層において、溝有りブロック同士の表面と裏面又は溝有りブロックの表面と溝無しブロックとを重ね合わせる場合と、溝有りブロック同士の表面同士を重ね合わせる場合とにより管状流路の流路断面積を可変可能である。
これにより、同じ積層数の積層ブロックでありながら、ベンチュリ流路の本数や、ベンチュリ流路の流路断面積、特にスロート部の流路断面積を必要に応じて変えることができる。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、積層ブロックの所定合計枚数は4枚であって、ベンチュリ流路が6流路になるように3枚の溝有りブロックと1枚の溝無しブロックとが積層されている。これは、ベンチュリ流路のマルチ化の流路数として、マルチ化によるバラツキ等を考慮すると最大6流路が現実的だからである。
本発明の積層ベンチュリノズルの態様によれば、ベンチュリ流路において、スロート部の矩形な縦幅及び横幅は1.0mm以上5.0mm以下であると共に長さは1.0mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
スロート部の幅を1.0mm未満にすることは切削加工的に難しいだけでなくゴミ等の異物がスロート部に詰まり易くなる。また、スロート部の幅が5.0mmを超えると、気体混合液の流量との兼ね合いもあるが、流速が音速を超えるようなチョーク流れが起きにくくなる。
また、スロート部の長さは可能な限り短い方が良いが1.0mm未満にすることは切削加工的に難しい。また、5.0mmを超えると流路拡大部における圧力回復(圧力上昇)が起きにくくなり、気泡崩壊しづらくなる。
本発明の積層ベンチュリノズルの製作方法は、マイクロバブルを発生するためのベンチュリ構造のノズルの製作方法において、両面が平坦で四角形な板状のブロックの表面に、流路断面積が次第に縮小する流路縮小部に続いて流路断面積が次第に拡大する流路拡大部を有する2本の溝状のベンチュリ流路及び2本のベンチュリ流路の前記流路縮小部の入口にそれぞれ連通するY溝状の2分岐流路が左右対称になるように形成された溝有りブロックを形成する溝有りブロック形成工程と、溝有りブロックと同じ大きさに形成されると共に両面が平坦で四角形な板状の溝無しブロックを形成する溝無しブロック形成工程と、溝状のベンチュリ流路及び溝状の2分岐流路が管状流路になるように溝有りブロックと溝無しブロックとを積層させて、複数本の管状流路を形成すると共に管状流路を構成するベンチュリ流路の流体噴出口と2分岐流路の流体供給口とを形成する積層ブロック形成工程と、積層ブロックの溝有りブロックと溝無しブロックとを着脱自在に連結する連結工程と、積層ブロックに形成された複数の流体供給口に気体を加圧溶解した気体混合液を供給するための1本の供給流路を有する供給ブロックを接続する供給ブロック接続工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の積層ベンチュリノズルの製作方法を実施することによって、上記した積層ベンチュリノズルを製作することができる。
本発明の積層ベンチュリノズルの製作方法の態様によれば、溝有りブロック形成工程では、溝状のベンチュリ流路及び溝状の2分岐流路を切削加工によって形成することが好ましい。
切削加工によって形成することで、ブロックの材質に関係なく高精度にベンチュリ流路や2分岐流路の溝を形成できる。
本発明のマイクロバブル液生成装置は、液体にマイクロバブルを吹き込んだマイクロバブル液を生成するマイクロバブル液生成装置において、液体を貯留する容器と、容器の液体を抜き出して再び容器に戻す循環配管と、循環配管に設けられた循環ポンプと、循環配管の循環ポンプの上流側に設けられ、循環配管を流れる液体に気体を加圧溶解する加圧溶解装置と、加圧溶解装置に気体供給配管を介して気体を供給する空気供給装置と、循環配管の戻し位置に接続された上記積層ベンチュリノズルと、を備えたことを特徴とする。
本発明のマイクロバブル液生成装置によれば、本発明の積層ベンチュリノズルを用いるようにしたので、気泡径及び気泡径分布が小さなマイクロバブルを液体に多量に吹き込んだマイクロバブル液を生成できる。
本発明の積層ベンチュリノズル及びその製作方法によれば、装置コスト的に低価格が可能なベンチュリ構造で気泡径が小さく且つ気泡径分布のバラツキの小さなマイクロバブルを大きな気泡発生量で得ることができる。
また、本発明のマイクロバブル液生成装置によれば、気泡径及び気泡径分布が小さなマイクロバブルを液体に多量に吹き込んだマイクロバブル液を生成できる。
本発明の積層ベンチュリノズルの全体構成を説明する説明図 溝有りブロックの斜視図 溝無しブロックの斜視図 供給ブロックの斜視図 積層ブロックの組み立て図 積層ブロックに供給ブロックを接続する斜視図 本発明の積層ベンチュリノズルの別態様で4本のベンチュリ流路の説明図 本発明の積層ベンチュリノズルの別態様で2本のベンチュリ流路の説明図 本発明の積層ベンチュリノズルの別態様でスロート部の流路断面積を拡げた場合の説明図 ベンチュリ構造でマイクロバブルを発生させるメカニズムの説明図 スロート部の適切な流路断面積を試験した積層ベンチュリノズルの説明図 立証試験1のコントロール1に使用した積層ベンチュリノズルの説明図 立証試験1の気液体積流量比が0.02の場合の試験結果を示すグラフ 立証試験1の気液体積流量比が0.007の場合の試験結果を示すグラフ 立証試験1の気泡径の個数分布の表図 立証試験2の気液体積流量比が0.013の場合の試験結果を示すグラフ 立証試験2の気液体積流量比が0.004の場合の試験結果を示すグラフ 立証試験2の気泡径の個数分布の表図 スロート部の流路断面積と気体混合液の流量との関係が気泡径に及ぼす影響を調べたグラフ マイクロバブル液生成装置の全体構成を説明する説明図
以下添付図面に従って、本発明に係る積層ベンチュリノズル及びその製作方法並びにマイクロバブル液生成装置の好ましい実施の形態について詳述する。
[積層ベンチュリノズル]
図1の(A)は本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズルを上から見た平面図であり、(B)は積層ベンチュリノズルを前側(流体を噴出する側)から見た正面図である。
また、図2は溝有りブロックの斜視図であり、図3は溝無しブロックの斜視図である。図4は供給ブロックの斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10は、主として溝有りブロック12と、溝無しブロック14と、溝有りブロック12と溝無しブロック14とが所定合計枚数積層された積層ブロック16と、積層ブロック16を着脱自在に連結する連結手段17と、積層ブロック16にマイクロバブルを発生するための液体と該液体に混合する気体とを供給する気液供給手段とで、構成される。
そして、本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10では、気液供給手段として、積層ブロック16に気体を液体に加圧溶解により混合した気体混合液を供給するための1本の供給流路を有する供給ブロック18の場合で以下に説明する。
ここで、所定合計枚数とは、積層ブロック16を構成する溝有りブロック12の枚数と溝無しブロック14の枚数の合計枚数を言い、積層ベンチュリノズル10の気泡発生量(即ちベンチュリ流路の本数)に応じて溝有りブロック12の必要枚数と溝無しブロック14の必要枚数を適宜決定する。
そして、本実施の形態の積層ベンチュリノズル10では、図1の(B)に示すように、積層ブロック16の所定合計枚数としてブロック4枚の4層構造の場合で説明する。なお、積層ブロック16の所定合計枚数は4枚に限定するものではなく、積層ベンチュリノズル10によって発生させるマイクロバブルの発生量の大小に応じて変えることができる。
また、本実施の形態では、連結手段17としてはボルト17Aとナット17B(図5参照)の例で説明する。また、以下の説明でブロックや流路の前側及び後側とは、気体混合液の流れ方向から見た下流側を前側とし、上流側を後側と言うことにする。
図2に示すように、溝有りブロック12は、両面が平坦で四角形な板状のブロック表面に、流路断面積が次第に縮小する流路縮小部20Aと流路断面積が次第に拡大する流路拡大部20Bとの間に流路断面積が最も小さいスロート部20Cを有する2本の平行な溝状のベンチュリ流路20,20が形成される。また、2本のベンチュリ流路20の流路縮小部20Aの入口20E(ベンチュリ流路20の入口と同義)にそれぞれ連通するY溝状の2分岐流路22が形成される。
溝有りブロック12に形成する溝状のベンチュリ流路20の溝形状としては、正方形又は長方形の矩形であることが好ましい。切削加工によってベンチュリ流路20を形成する際に、流路断面積が次第に縮小する流路縮小部20Aと流路断面積が次第に拡大する流路拡大部20Bとの間に流路断面積が最も小さいスロート部20Cを有するベンチュリ流路20を、矩形以外の他の溝形状に形成するよりも矩形で溝形状に形成する方が高精度に切削加工できる。
また、ベンチュリ流路20の前側端は溝有りブロック12の前側辺12Aに開口して流体噴出口20Dを形成すると共に2分岐流路22の後側端は溝有りブロック12の後側辺12Bに開口して流体供給口22Aを形成している。
そして、図1に示すように、2本の平行なベンチュリ流路20及びこれらに連通する1つの2分岐流路22は対称軸Nに対して左右対称なシンメトリックになるように形成される。
また、図2に示すように、溝有りブロック12の3か所にボルト孔24,24…が形成されると共に溝有りブロック12の裏面側には供給ブロック18を積層ブロック16に固定するためのネジ孔26(雌ネジが刻設された貫通しない孔)が形成される。更に、溝有りブロック12の後側端のブロック幅方向の中央部には、供給ブロック18が嵌合する嵌合用切り欠き28が形成される。
図3に示すように、溝無しブロック14は、溝有りブロック12と同じ大きさに形成されると共に両面が平坦で四角形な板状に形成される。また、溝無しブロック14の3か所には、溝有りブロック12と同じ位置にボルト孔24が形成される。即ち、積層ブロック16を形成したときに溝有りブロック12と溝無しブロック14とのボルト孔24同士が連通する。また、溝無しブロック14の片面側には、溝有りブロック12と同様に供給ブロック18を積層ブロック16に固定するためのネジ孔26(雌ネジが刻設された貫通しない孔)が形成される。更に、溝無しブロック14の後側端のブロック幅方向の中央部には、溝有りブロック12と同様に供給ブロック18が嵌合する嵌合用切り欠き28が形成される。即ち、積層ブロック16を形成したときに、溝有りブロック12と溝無しブロック14との嵌合用切り欠き28は合致する。
図4に示すように、供給ブロック18は、内部に1本の円管状の供給流路18Aが貫通した略四角形状のブロックの上下位置に積層ブロック16の上面と下面とに嵌合する一対の張り出し部30が張り出したコ字形状に形成される。上側の張り出し部を上側張り出し部30Aと言い、下側の張り出し部を下側張り出し部30Bと言うことにする。また、上側張り出し部30Aと下側張り出し部30Bとには、上記したネジ孔26に螺合するネジ32,32…が貫通する貫通孔34,34…が形成される。更に、供給ブロック18の幅Pは上記した嵌合用切り欠き28に嵌合する幅に形成される。
次に、積層ベンチュリノズル10の製作方法について説明する。
[積層ベンチュリノズルの製作方法]
積層ベンチュリノズル10の製作方法は、主として溝有りブロック形成工程と、溝無しブロック形成工程と、積層ブロック形成工程と、連結工程と、供給ブロック接続工程とで構成される。
溝有りブロック形成工程では、図2に示した溝有りブロック12を切削加工により製作する。例えばマシニングセンタを用いて、両面が平坦で四角形な板状のブロックの表面に上記した溝状のベンチュリ流路20とY溝状の2分岐流路22とが左右対称になるように切削加工する。また、上記した嵌合用切り欠き28やボルト孔24等を形成する。
溝無しブロック形成工程では、図3に示した溝無しブロック14を切削加工により製作する。例えばマシニングセンタを用いて、溝有りブロック12と同じ大きさに形成する。
積層ブロック形成工程では、図5に示すように、溝有りブロック12と溝無しブロック14とを所定合計枚数積層させる。即ち、1番下に位置する溝有りブロック12の溝が形成された表面と、下から2番目に位置する溝有りブロック12の溝が形成されていない裏面とが重ね合わされる。次に、下から2番目に位置する溝有りブロック12の溝が形成された表面と、下から3番目に位置する溝有りブロック12の溝が形成されていない裏面とが重ね合わされる。最後に、下から3番目に位置する溝有りブロック12の溝が形成された表面と、溝無しブロック14とが重ね合わされる。
これにより、図1に示したように、管状流路の両端に2分岐流路22への流体供給口22A(3個)とベンチュリ流路20からの流体噴出口20D(6個)が開口された4層構造の積層ブロック16が形成される。したがって、溝有りブロック12と溝無しブロック14とを単に積層するという単純な構成でベンチュリ流路20のマルチ化を達成することができる。
連結工程では、形成された積層ブロック16をボルト17Aとナット17Bで着脱自在に連結する。即ち、図5に示すように、積層ブロック16を構成する3枚の溝有りブロック12と1枚の溝無しブロック14とのボルト孔24、24…にボルト17Aを挿入し、ボルト先端部に形成された雄ネジにナット17Bの雌ネジを螺合することで積層ブロック16を着脱自在に固定する。
供給ブロック接続工程では、図6に示すように、積層ブロック16の後側端に供給ブロック18を接続する。即ち、積層ブロック16に供給ブロック18を接続するには、供給ブロック18の上側張り出し部30Aと下側張り出し部30Bとが積層ブロック16の上面と下面とを挟み込むように、供給ブロック18を積層ブロック16の嵌合用切り欠き28に挿入する。これにより、供給ブロック18を積層ブロック16に嵌合させる。この状態で供給ブロック18の貫通孔34を介して4本のネジ32を積層ブロック16のネジ孔26に螺合する。これにより、積層ブロック16に対して供給ブロック18を正確な位置決めを行った状態で接続固定することができる。
したがって、積層ブロック16に供給ブロック18を接続したときに、積層ブロック16に形成された複数本の管状流路(6本のベンチュリ流路とそれに連通する3個の2分岐流路)が、供給ブロック18の供給流路18Aの軸芯Mを中心とした円周上に略位置するように予め設計しておけば、供給流路18Aの軸芯Mに対して複数本の管状流路がシンメトリックになるように配置することができる。
図1の(B)は、供給流路18Aの軸芯Mを中心とした円周上に6個のベンチュリ流路の流体噴出口20Dが配置されることにより、6個の流体噴出口20Dが軸芯Mを中心に略等距離Fに配置されていることを示したものである。
これにより、供給ブロック18の1本の供給流路18Aから積層ブロック16の6個のベンチュリ流路20に気体混合液を供給する際に、気体混合液を一層均等に供給することができる。したがって、ベンチュリ流路20をマルチ化したときに、それぞれのベンチュリ流路20に気体混合液を均等に安定供給することができる。
上記各工程により、本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10を製作することができる。製作された積層ベンチュリノズル10の供給ブロック18には、気体混合液を供給ブロック18に供給する配管36が接続される。配管36の先端部には雄ネジ36Aが刻設されると共に供給ブロック18の円管状の供給流路18Aの内面には配管36の雄ネジ36Aに螺合する雌ネジ18Bが刻設される。
図7〜図9は、4層構造の積層ブロック16に形成するベンチュリ流路20の本数やベンチュリ流路20の流路断面積を変えた積層ベンチュリノズル10の別態様を示したものである。
なお、図7〜図9の(B)は、(A)のベンチュリ流路20との対応関係を合わせるために横向きに図示しているが、(A)の上側が(B)の右側で下側が左側になる。したがって、溝有りブロック12及び溝無しブロック14を左側(下側)から右側(上側)に積層させた場合で説明している。図1、図11、図12についても同様である。
図7は、積層ブロック16に図1と同じ流路断面積のベンチュリ流路20を4本形成した場合である。図7の(A)は積層ベンチュリノズル10を上から見た平面図であり、(B)は積層ベンチュリノズル10を前側から見た正面図である。
図7の(B)に示すように、4本のベンチュリ流路20を有する積層ブロック16は、左側(下側)から溝無しブロック14、溝有りブロック12、溝無しブロック14、溝有りブロック12の順に積層されることにより形成される。即ち、4本のベンチュリ流路20を有する積層ブロック16は、所定合計枚数が図1と同じ4枚ではあるが、2個の溝有りブロック12と2個の溝無しブロック14とで構成される。
図8は、積層ブロック16に図1と同じ流路断面積のベンチュリ流路20を2本形成した場合である。図8の(A)は積層ベンチュリノズル10を上から見た平面図であり、(B)は積層ベンチュリノズル10を前側から見た正面図である。
図8の(B)に示すように、2本のベンチュリ流路20を有する積層ブロック16は、左側(下側)から溝無しブロック14、溝無しブロック14、溝有りブロック12、溝無しブロック14の順に積層されることにより形成される。即ち、2本のベンチュリ流路20を有する積層ブロック16は、所定合計枚数が図1と同じ4枚ではあるが、1個の溝有りブロック12と3個の溝無しブロック14とで構成される。
図9は2本のベンチュリ流路20を有する4層構造の積層ベンチュリノズル10ではあるが、図8よりもベンチュリ流路20の流路断面積を大きくしたい場合である。
図9の(B)に示すように、図8よりも流路断面積が大きな2本のベンチュリ流路20を有する積層ブロック16は、左側(下側)から溝無しブロック14、溝有りブロック12、溝有りブロック12、溝無しブロック14の順に積層されると共に2枚の溝有りブロック12の溝が形成された表面同士を重ね合わせることで形成できる。
図7〜図9で示したように、積層ブロック16を構成する溝有りブロック12と溝無しブロック14の積層において、溝有りブロック12同士の表面と裏面又は溝有りブロック12の表面と溝無しブロック14とを重ね合わせる場合と、溝有りブロック12同士の表面同士を重ね合わせる場合とにより積層ブロック16に形成するベンチュリ流路20の本数や流路断面積を可変可能である。
このように、積層ブロック16を構成する溝有りブロック12と溝無しブロック14との組み合わせ方法を変えてベンチュリ流路20の流路断面積を変えることによって、マイクロバブルの発生に大きな影響を有するスロート部20Cの流路断面積を簡単に変えることができる。
また、図7〜図9の積層ベンチュリノズル10の場合にも、積層ブロック16の層数を変えずに4層構造にすることで、供給ブロック18を積層ブロックに位置決めした状態で嵌合させることができる。これにより、供給ブロック18の1本の供給流路18Aから積層ブロック16の複数本のベンチュリ流路20に気体混合液を供給する際に、気体混合液を一層均等に供給することができる。
なお、本実施の形態は、積層ブロック16を4層構造にすることで説明したが、この場合には6本のベンチュリ流路20が最大本数になる。したがって、さらにベンチュリ流路20の本数を増加させたい場合には、積層数を増加させる必要がある。この場合にも、複数本の管状流路(ベンチュリ流路20とそれに連通する2分岐流路22)が、供給ブロック18の供給流路18Aの軸芯Mを中心とした円周上に略位置するようにすることが好ましい。したがって、供給ブロック18に形成する供給流路18Aの直径、上側張り出し部30Aと下側張り出し部30Bとの間隔、溝有りブロック12に形成する平行な2本のベンチュリ流路20の間隔等も適宜調整する必要がある。
上記の如く構成した本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10は、次の構成A〜構成Eを有している。
(構成A)ベンチュリ流路20は、両面が平坦で四角形な板状のブロックの表面に溝を形成し、別のブロックを積層させて溝の開口面を塞ぐことで管状流路(ベンチュリ流路20及び2分岐流路22)になるように構成した。即ち、高精度な加工が可能な平面加工によってベンチュリ流路20及び2分岐流路22となる溝を形成し、ブロックの積層という簡単な方法で複数本のベンチュリ流路20及び2分岐流路22を有する立体構造を形成するようにした。
このように、ベンチュリ流路20及び2分岐流路22の形成において、ブロック表面に溝を形成する方法を採用することで、切削加工でベンチュリ流路20及び2分岐流路22を形成できる。これにより、ブロックの材質に依存しないので樹脂系材料や金属系材料等の各種材質の材料を使用でき、製作コストを安価にできる。また、PTFE等のフッ素系樹脂を材料とすれば、強酸や強アルカリの気体混合液も取り扱うことができる。
更には、切削加工でベンチュリ流路20及び2分岐流路22を形成することで、例えば金属板を巻回して管状にしたベンチュリ管やブロックに流路孔を穿設して形成したベンチュリ流路に比べて流路の形状や流路断面積を高精度に形成できる。特に、ブロック表面の切削加工をマシニングセンタのようなNC(Numerical Control)切削加工機械で行えば、複数本の均等なベンチュリ流路を高精度に形成できる。これにより、気泡径の小さなマイクロバブルを生成するためにスロート部20Cの流路断面積が小さなベンチュリ流路20を複数本製作しても、ベンチュリ流路20ごとの形状や流路断面積のバラツキを防止できる。この結果、マイクロバブルの気泡径を小さくでき、しかもベンチュリ流路20ごとの気泡径分布や気泡発生量にバラツキが生じ難いと考察される。
(構成B)溝有りブロック12の表面に形成する溝状流路は2本とし、2本の平行な溝状のベンチュリ流路20及び2本のベンチュリ流路20の流路縮小部20Aの入口20Eにそれぞれ連通するY溝状の2分岐流路22が左右対称のシンメトリックになるように構成した。これにより、2本のベンチュリ流路20を流れる気体混合液の流量や流速等が均等化される。この結果、マイクロバブルの気泡径を小さくでき、しかもベンチュリ流路ごとの気泡径分布や気泡発生量にバラツキが生じ難いと考察される。この場合、ブロック表面に形成する流路本数が多いほどシンメトリックにすることが難しくなり、流路を流れる気体混合液の流量や流速等が均等化され難くなることから、溝有りブロック12には2本のベンチュリ流路20を形成することが適当であると考察される。
(構成C)溝有りブロック12と溝無しブロック14とを所定合計枚数積層させて積層ブロック16を形成することによってベンチュリ流路20の本数を可変できるようにした。換言すると、積層ブロック16の積層数を変えるだけで簡単に気泡発生量を可変できる。これにより、本発明の積層ベンチュリノズル10は、マイクロバブルの発生量を小流量から大流量まで対応できるので、マイクロバブルの発生を効率的に行うことができる。
(構成D)積層ブロック16に形成された複数の2分岐流路22の流体供給口22Aに気体混合液を1本の供給流路18Aで供給するように構成する。これにより、気体混合液は1本の供給流路18Aから積層ブロック16に導入された後、シンメトリックな2分岐流路22を有する積層ブロック16の内部において均等に分流される。したがって、複数本のベンチュリ流路20ごとの入口流量(入口圧力)にバラツキが生じ難くなる。この結果、マイクロバブルの気泡径を小さくでき、しかもベンチュリ流路20ごとの気泡径分布や気泡発生量にバラツキが生じ難いと考察される。
(構成E)ベンチュリ構造のマイクロバブル発生では、ベンチュリ流路20を流れる液体に対してスロート部(「のど部」とも言う)で気体を混合することもできる。しかし、本発明のように、加圧溶解で液体に気体を予め溶解混合した気体混合液を積層ブロック16に供給することで、複数本のベンチュリ流路20ごとの気液体積流量比(β)にバラツキが生じ難くなる。この結果、マイクロバブルの気泡径を小さくでき、しかもベンチュリ流路20ごとの気泡径分布や気泡発生量にバラツキが生じ難いと考察される。なお、気液体積流量比(β)については後述する。
[積層ベンチュリノズルの課題解決の立証実験]
次に、上記の如く構成した本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10について、上記した本発明の課題を解決できるか否かの立証実験を説明する。
図10の(A)及び(B)に示すように、ベンチュリ構造でマイクロバブルを発生させる原理は、ベンチュリ流路20の入口20Eから導入された気体混合液は、流路断面積が次第に縮小する流路縮小部20Aを進むにつれて徐々に圧力が低くなり流速が大きくなる。そして、ベンチュリ流路20の断面積が最も小さいスロート部20Cにおいて、音速を超える程度までに流速が大きくなる。その後、気体混合液は流路断面積が次第に大きくなる流路拡大部20Bを進むにつれて圧力が回復して徐々に大きくなる。
このように、スロート部20Cの断面積が小さいことで気体混合液にチョーク流れが発生して流量が制限され、音速を超える程度までに流速が大きくなると、図10の(A)に示すようにスロート部20Cを出た直後に気泡Kは一旦膨張するが、その後に急激な気泡Kの収縮・分裂・崩壊を引き起こし、マイクロバブルが発生する。
即ち、マイクロバブルの発生において、チョーク流れを発生させるために必要なスロート部20Cの流路断面積をどのように設計するかが気泡崩壊現象を含めて重要なポイントになる。このため、立証試験の前にスロート部20Cの流路断面における適切な寸法について調べた。
図11の(A)は試験用の積層ベンチュリノズル10の平面図、(B)は正面図、(C)は(A)の丸で囲んだ部分の拡大図である。
図11に示すように、スロート部20Cの流路断面の適切な寸法を調べるためのベンチュリ構造のノズルとして、流路断面形状が正方形な1本のベンチュリ流路20を有する4層構造の積層ブロック16を上記説明した如く組み立てた。そして、組み立てた積層ブロック16に供給ブロック18を接続することで試験用の積層ベンチュリノズル10とした。
なお、図11の試験用の溝有りブロック12は1本のベンチュリ流路20を有するものであり、2本のベンチュリ流路20を有するものではないが、符号は同じ12で示した。
試験用の積層ベンチュリノズル10で使用した溝有りブロック12及び溝無しブロック14は、幅Wが50mm、長さLが90mmの板状の両面が平坦なブロックとした。また、ベンチュリ流路20における流路縮小部20Aの入口20Eの横幅D1を10mmとし、流路拡大部20Bの出口である流体噴出口20Dの横幅D2を7mmとした。また、流路拡大部20Bの開き角度θは6°とした。
また、スロート部20Cは流路断面の横幅D3と縦幅D3とが同じ正方形な形状とし、幅D3とスロート部20Cの長さTを変えた複数の試験用の積層ベンチュリノズルを製作して、スロート部20Cの適切な寸法について調べた。この場合、流路縮小部20Aの入口20Eの縦幅と流路拡大部20Bの流体噴出口20Dの縦幅はスロート部の幅D3と同じになる。
その結果、スロート部20Cの幅(正方形)D3は1.0mm以上、5.0mm以下が好ましいことが分かった。スロート部20Cの幅(正方形)D3を1.0mm未満にすることは切削加工的に難しいだけでなくゴミ等の異物がスロート部20Cに詰まり易くなる。また、スロート部20Cの幅(正方形)D3が5.0mmを超えると、気体混合液の流量との兼ね合いもあるが、流速が音速を超えるようなチョーク流れが起きにくくなる。
また、スロート部20Cの長さTは1.0mm以上、5.0mm以下が好ましい。スロート部20Cの長さTは可能な限り短い方が良いが1.0mm未満にすることは切削加工的に難しい。また、5.0mmを超えると流路拡大部20Bにおける圧力回復(圧力上昇)が起きにくくなり、気泡崩壊し難くなる。
なお、スロート部20Cの適切な寸法を調べる上記試験では、スロート部20Cの流路断面形状を正方形にした。しかし、流路断面形状が長方形の場合であっても、縦幅と横幅が上記の好ましい寸法範囲内の1.0mm以上、5.0mm以下であれば長方形にすることも可能である。
(立証試験1)
次に、スロート部20Cの流路断面積(複数本のベンチュリ流路20の場合は合計流路断面積)を同じにして、ベンチュリ流路20の本数が2本の積層ベンチュリノズル(サンプル1)と、ベンチュリ流路の本数が1本の積層ベンチュリノズル(コントロール1)とで気泡径分布がどのようになるかを調べた。
サンプル1の積層ベンチュリノズルは、図8に示したものを使用し、スロート部20Cの幅D3を1.5mmの正方形とした。即ち、サンプル1の積層ベンチュリノズルのスロート部20Cにおける流路断面積は、1.5mm*1.5mm=2.25mmになり、2本のベンチュリ流路20におけるスロート部20Cの合計流路断面積は4.5mmになる。
また、コントロール1の積層ベンチュリノズル10は、図12に示すように、1本のベンチュリ流路20であってスロート部20Cの流路断面積がサンプル1と同じになるようにしたものを使用した。
即ち、図12の(B)に示すように、コントロール1の積層ベンチュリノズル10は、左側(下側)から溝無しブロック14、溝有りブロック12、溝有りブロック12、溝無しブロック14の順に積層して積層ブロック16を形成すると共に2枚の溝有りブロック12の溝が形成された表面同士を重ね合わせることにより形成した。コントロール1の積層ベンチュリノズル10は、スロート部20Cの横幅は1.5mmで縦幅は3.0mmの長方形になる。
上記したサンプル1及びコントロール1のそれぞれの積層ベンチュリノズル10に空気を水に混合した気体混合液を10L/minの流量で供給した。そして、積層ベンチュリノズル10から噴出した気体混合液を島津製作所製のレーザー回析式粒子径分布測定装置であるSALD−2300のフローセルに通すことによって、サンプル1とコントロール1における気泡径分布を測定した。
測定結果を図13及び図14のグラフに示す。
図13は、(A)に示すスロート部20Cの合計流路断面積が同じ4.5mmのコントロール1(1本のベンチュリ流路)と、(B)に示すサンプル1(2本のベンチュリ流路)とについて、気液体積流量比(β)が0.02の場合の気泡径分布を測定したものである。
また、図14は、(A)に示すスロート部20Cの合計流路断面積が同じコントロール1(1本のベンチュリ流路)と(B)に示すサンプル1(2本のベンチュリ流路)とについて、気液体積流量比(β)が0.007の場合の気泡径分布を測定したものである。即ち、図14は、図13に比べて気体混合液中の気体量が少ない場合である。
ここで、気液体積流量比(β)とは、気体(例えば空気)と液体(例えば水)の総体積流量に対する気体の体積流量の比(%)であり、液体に含有される気体の比率を示す。
図13及び図14において、横軸は気泡の粒子径(μm)を示す。また、左側の縦軸は相対粒子量(積算%)であり曲線Aで示し、右側の縦軸は相対粒子量(頻度%)であり棒グラフBで示す。
また、図15の表は、図13及び図14のグラフに示した測定結果に基づいて気泡径をメジアン径(頻度の累積が50%になる粒子径)、モード径(最頻度粒子径)、平均径(算術平均径)の3種類で示すと共に気泡径分布を標準偏差で示したものである。
(立証試験1の結果)
その結果、図15の表から分かるように、気体混合液10L/minをスロート部20Cの流路断面積4.5mmのベンチュリ流路20に通すことにより、30μm近辺の気泡径のマイクロバブルを生じさせることができる。
そして、スロート部20Cの合計流路断面積及び気体混合液の流量が同じ場合、気液体積流量比(β)が0.02と0.007の何れにおいても、2本のベンチュリ流路20を有するサンプル1の積層ベンチュリノズルは、1本のベンチュリ流路20を有するコントロール1の積層ベンチュリノズルよりも気泡径分布の山が小さい側にシフトしている。このことは、図13の(A)のコントロール1における棒グラフの最大ピークの中心線X1と、(B)のサンプル1における棒グラフの最大ピークの中心線X2とのシフト量S1を見ても分かる。同様に、図14の(A)のコントロール1における棒グラフの最大ピークの中心線X3と、(B)のサンプル1における棒グラフの最大ピークの中心線X4とのシフト量S2を見ても分かる。
(立証試験2)
次に、スロート部20Cの流路断面積を同じにして、ベンチュリ流路20の本数が6本の積層ベンチュリノズル(サンプル2)と、ベンチュリ流路20の本数が1本の積層ベンチュリノズル(コントロール2)とで気泡径分布がどのようになるかを調べた。
サンプル2の積層ベンチュリノズル10は、図1に示したものを使用し、各ベンチュリ流路20におけるスロート部20Cの幅D3を1.5mmの正方形とした。即ち、サンプル2の積層ベンチュリノズルのスロート部20Cにおける流路断面積は、1.5mm*1.5mm=2.25mmになり、6本のベンチュリ流路20におけるスロート部20Cの合計流路断面積は13.50mmになる。
また、コントロール2の積層ベンチュリノズル10は、図示しなかったが、1本のベンチュリ流路20でサンプル2と同じスロート部20Cの流路断面積となり、且つ他の条件はサンプル2と同じになるように製作した。その結果、サンプル2と全く同じ流路断面積にはならなかったが、略同等な12.57mmとなった。
そして、サンプル2及びコントロール2のそれぞれについて、立証試験1と同様に、それぞれの積層ベンチュリノズル10に空気を水に混合した気体混合液を10L/minの流量で供給した。そして、積層ベンチュリノズル10から噴出した気体混合液を島津製作所製のレーザー回析式粒子径分布測定装置であるSALD−2300のフローセルに通すことによって、サンプル2とコントロール2における気泡径分布を測定した。
測定結果を図16及び図17のグラフに示す。
図16は、(A)に示すスロート部20Cの合計流路断面積が略同じコントロール2(1本のベンチュリ流路)と、(B)に示すサンプル2(6本のベンチュリ流路)とについて、気液体積流量比(β)が0.013の場合の気泡径分布を測定したものである。
また、図17は、(A)に示すスロート部20Cの合計流路断面積が略同じコントロール2(1本のベンチュリ流路)と(B)に示すサンプル2(6本のベンチュリ流路)とについて、気液体積流量比(β)が0.004の場合の気泡径分布を測定したものである。即ち、図17は、図16に比べて気体混合液中の気体量が少ない場合である。
図16及び図17において、立証試験1と同様に、横軸は気泡の粒子径(μm)を示す。また、左側の縦軸は相対粒子量(積算%)であり曲線Aで示し、右側の縦軸は相対粒子量(頻度%)であり棒グラフBで示す。
また、図18の表は、図16及び図17のグラフに示した測定結果に基づいて気泡径をメジアン径(頻度の累積が50%になる粒子径)、モード径(最頻度粒子径)、平均径(算術平均径)の3種類で示すと共に気泡径分布を標準偏差で示したものである。
(立証試験2の結果)
その結果、図18の表から分かるように、気体混合液10L/minをスロート部20Cの流路断面積が約13mmのベンチュリ流路20に通した場合には、気泡径は500〜700μm近辺になり、マイクロバブルとして規定される1〜100μmよりも大きくなる。
しかし、立証試験2においても、スロート部20Cの合計流路断面積及び気体混合液の流量が同じ場合、6本のベンチュリ流路20を有するサンプル2の積層ベンチュリノズル10は、1本のベンチュリ流路を有するコントロール2の積層ベンチュリノズル10よりも気泡径分布が小さい側にシフトしている。このことは、図16の(A)におけるコントロール2の棒グラフの最大ピークの中心線Y1と、(B)におけるサンプル2の棒グラフの最大ピークの中心線Y2とのシフト量S3を見ても分かる。同様に、図17の(A)におけるコントロール2の棒グラフの最大ピークの中心線Y3と、(B)におけるサンプル2の棒グラフの最大ピークの中心線Y4とのシフト量S4を見ても分かる。
上記の立証試験1及び立証試験2から、スロート部20Cの合計流路断面積が同じであれば、1本のベンチュリ流路20よりもベンチュリ流路20をマルチ化(複数のベンチュリ流路20で構成)した方が気泡径を微細化できることが分かる。
また、図15の表におけるサンプル1とコントロール1の標準偏差を対比すると、ベンチュリ流路20が1本のコントロール1に比べてベンチュリ流路20をマルチ化したサンプル1(2本)の方が僅かに大きくなっているが略同等と言える。一方、図18の表におけるサンプル2とコントロール2の標準偏差を対比すると、気液体積流量比(β)が0.013の場合には、ベンチュリ流路20が1本のコントロール2に比べてベンチュリ流路20をマルチ化したサンプル2(6本)の方が僅かに小さくなっている。また、気液体積流量比(β)が0.004の場合には、ベンチュリ流路20が1本のコントロール2に比べてベンチュリ流路20をマルチ化したサンプル2(6本)の方が僅かに大きくなっているが略同等と言える。
特に、2本のベンチュリ流路20にマルチ化したサンプル1の積層ベンチュリノズル10よりも6本のベンチュリ流路20にマルチ化したサンプル2の積層ベンチュリノズル10の方が標準偏差は小さいことは注目に値する。
一方、立証試験1と立証試験2との気泡径の対比から、気体混合液の流量が同じ場合には、スロート部20Cの流路断面積が大きい立証試験2は流路断面積が小さい立証試験1に比べて気泡径が大きくなることが分かる。このことは、スロート部20Cの流路断面積が大きくなるとチョーク流れが発生し難くなり、気泡崩壊が生じ難くなるためと考察される。
即ち、気泡径はスロート部20Cの流路断面積と気体混合液の流量とに関係しており、気泡径を小さくするにはスロート部20Cの流路断面積に応じて気体混合液の流量を適宜調整する必要があることが分かる。
そこで、スロート部20Cの流路断面積と気体混合液の流量との関係が気泡径に及ぼす影響を均質流モデルによって調べた(以下、均質流モデル試験という)。均質流モデルは、二相流を気相と液相が同一速度であって且つ均一に混合した流れとみなすものであり、特に気泡流等では有効とされている。
(均質流モデル試験)
図19は、均質流モデルを用いて、スロート部20Cの流路断面積と気体混合液の流量との関係が気泡径に及ぼす影響を調べたグラフである。
図19において、横軸は気液体積流量比(β)であり対数(log)表示したものである。また、縦軸は気体混合液の流量(L/min)を示したものである。
スロート部20Cの異なる流路断面積は、1本のベンチュリ流路20において、スロート部20Cの流路断面積流路が2.25mmの場合(No1)、4.5mmの場合(No2)、及び9.0mmの場合(No3)の3水準について行った。
そして、No1〜No3のそれぞれについて、ベンチュリ流路20の入口20Eの入口圧力が0.1MPa、0.2MPa、0.3MPaになるように気体混合液の流量を変えた。この場合、スロート部20Cの流路断面積が異なってもベンチュリ流路20の入口圧力が同じであれば、スロート部20Cでの流速は同じと見なすことができ、気泡径が同じになると推察することができる。
そして、マイクロバブルを生じた立証試験1の気液体積混合比(β)の範囲である0.007〜0.02の範囲を境界線として、スロート部20Cの流路断面積と気体混合液の流量との関係が気泡径に及ぼす影響を評価した。
(評価結果)
図19には、気泡径は記載されていないが、上記したように、ベンチュリ流路20の入口圧力が同じであれば、スロート部20Cでの流速は同じと見なすことができ、気泡径が同じになると推察して評価した。
(a)No1〜No3の対比から、同じ気泡径を得るには、スロート部20Cの流路断面積が大きいほど大きな流量の気体混合液を必要とすることが分かる。
(b)ベンチュリ流路20の入口圧力0.1MPa、0.2MPa、0.3MPaのそれぞれについてNo1〜No3を対比すると、スロート部20Cの流路断面積が小さいほど小さい流量の気体混合液で小さな気泡径を得ることができることが分かる。例えば、No3:0.3MPaとNo2:0.3MPaとNo1:0.3MPaとを比較すると、同じ気泡径を得るには、No3:0.3MPaは約12L/minの流量を必要とし、No2:0.3MPaは約6L/minの流量を必要とし、No1:0.3MPaは約3L/minの流量を必要とする。
(c)ベンチュリ流路20の入口圧力が0.3MPaにおけるNo1〜No3の曲線の境界線範囲における傾き角度R1、R2,R3を対比すると、スロート部20Cの流路断面積が大きいほど傾き角度が大きくなることが分かる。このことは、スロート部20Cの流路断面積が大きいほど気体混合液の流量が気泡径に及ぼす影響が大きくなると共に気液体積流量比(β)が気泡径に及ぼす影響が大きくなることを意味する。即ち、スロート部20Cの流路断面積が大きいほどマイクロバブルを得るための適切な気体混合液の流量範囲や適切な気液体積流量比(β)の範囲が狭くなり、気泡径分布のバラツキの原因になる。
[立証試験及び均質流モデル試験のまとめ]
立証試験1と立証試験2との結果から、ベンチュリ流路をマルチ化することで気泡径を小さくできることが立証された。また、上記構成A〜構成Eを満足するようにベンチュリ流路20をマルチ化することで1本のベンチュリ流路20と同程度の標準偏差の気泡径分布にできることが立証された。
均質流モデル試験の結果から、ベンチュリ流路20のスロート部20Cの流路断面積が同じであれば、気体混合液の流量(ベンチュリ流路20の入口圧力)が変わると気泡径も変わり、気泡径は気体混合液の流量に依存することが分かる。また、気液体積流量比(β)を小さくすると、同じ気泡径を得るには気体混合液の流量を大きくする必要があることも分かる。特に、スロート部20Cの流路断面積が大きいと、気液体積流量比(β)の影響を受け易い。
したがって、ベンチュリ流路20をマルチ化することに加えて、マルチ化した複数のスロート部20Cの合計流路断面に応じて積層ベンチュリノズル10に供給する気体混合液の流量及び気液体積流量比(β)を適切に調整することによって、気泡径が小さく且つ気泡径分布のバラツキが小さなマイクロバブルを多量に発生できる。この場合、ベンチュリ流路20をマルチ化して1本のベンチュリ流路20への気体混合液の流量を小さくすることによって、気液体積流量比(β)による気体混合液の流量への影響を小さくでき、気泡径が小さく且つ気泡径分布のバラツキが小さなマイクロバブルを安定的に得ることができる。
したがって、本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10のように、上記構成A〜構成Eを満足するようにベンチュリ流路20をマルチ化することによって、小さな流路断面積のベンチュリ流路を複数本形成することによって、装置コスト的に低価格が可能なベンチュリ構造で気泡径が小さく且つ気泡径分布のバラツキが小さな(1本のベンチュリ流路20と同等)マイクロバブルを多量に発生できる。
次に、上記の如く構成された本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10を用いたマイクロバブル液生成装置について説明する。
[マイクロバブル液生成装置]
図20は、液体にマイクロバブルを吹き込んだマイクロバブル液を生成するマイクロバブル液生成装置を説明する全体構成図である。なお、本実施の形態のマイクロバブル液生成装置では、液体として水を使用し、気体として空気を使用した場合で説明するが、水や空気に限定するものではない。
図20に示すように、本発明の実施の形態のマイクロバブル液生成装置38は、主として水を貯留する容器40と、容器40の水を抜き出して再び容器40に戻す循環配管42(図6の配管36に相当)と、循環配管42に設けられた循環ポンプ44と、循環配管42の循環ポンプ44上流側に設けられ、水に空気を加圧溶解する加圧溶解装置46と、加圧溶解装置46に空気配管48を介して空気を供給する空気供給装置50と、循環配管42の戻し位置に接続された本発明の積層ベンチュリノズル10と、で構成される。
なお、図20では、循環配管42を実線で示すと共に空気配管48を破線で示している。
容器40は、例えばアクリル樹脂等の硬質な透明樹脂によって例えば円筒形状に形成され、容器40には蓋40Aが被せられている。容器40は、床51に置かれたラック52の上に載置されると共に、ラック52の上面には循環配管42や空気配管48が貫通する複数の開口54,54が形成される。容器40の底部には、容器40内の水を外部に排出する排出配管56が接続され、排出配管56には開閉バルブ58が設けられる。
循環配管42は、容器40の水を抜く抜き側が容器40底部の端部位置を貫通して容器40内に開口すると共に容器40に水を戻す戻し側が容器40底部の中央位置を貫通して容器40内に開口している。循環配管42の容器40貫通部分はシールド部材60、60…によってシールドされている。循環配管42の途中には、循環配管42を流れる水(又は気体混合液)を送液する循環ポンプ44、水に空気が加圧溶解された気体混合液の流量を調整する流量調整バルブ62、気体混合液の流量を計測する流量計64、及び積層ベンチュリノズル10に供給する気体混合液の入口圧力を計測する圧力計66が設けられる。
加圧溶解装置46としては、空気を水に効率的に溶解できる装置であればどのようなものでもよいが、例えば加圧溶解タンクを使用できる。加圧溶解タンクは、耐圧性のタンク内に空気を供給しながら水をシャワーリングすることで、水に空気を加圧溶解した気体混合液を生成する。
空気供給装置50としては、例えばコンプレッサを使用することができる。空気供給装置50から延設された空気配管48は気体の流量を調整する流量調整バルブ68及び開閉バルブ70を介して加圧溶解装置46に接続される。
積層ベンチュリノズル10は、上記説明した本発明の積層ベンチュリノズルが使用される。循環配管42は、配管36に相当する。したがって、循環配管42の戻し側には雄ネジが刻設されており、積層ベンチュリノズル10の供給ブロック18の供給流路18Aには雌ネジが形成されている。したがって、ベンチュリ流路20の本数やスロート部20Cの合計流路断面積が異なる積層ベンチュリノズル10を複数用意することによって、使用する積層ベンチュリノズル10に簡単に交換できる。
次に、上記の如く構成されたマイクロバブル液生成装置38を用いてマイクロバブル液を生成する方法を説明する。
容器40に水を貯留したら、使用する積層ベンチュリノズル10のベンチュリ流路20の本数やスロート部20Cの合計流路断面積は生成するマイクロバブル液の生成量やマイクロバブル濃度等に応じて決定する。
次に、循環ポンプ44を稼働すると共に空気供給装置50を稼働する。これにより、加圧溶解装置46では、水に空気を加圧溶解した気体混合液が調製され、調製された気体混合液は循環配管42を流れて積層ベンチュリノズル10に送られる。積層ベンチュリノズルに送られた気体混合液はマイクロバブル含有の気体混合液となって流体噴出口20Dから容器40内の水中へ吹き込まれる。この場合、積層ベンチュリノズル10のスロート部20Cの合計流路断面積に応じて積層ベンチュリノズル10で効率的にマイクロバブルが発生するように、流量調整バルブ68を調整して水に混合する空気量を調整する。また、
流量計64や圧力計66を見ながら流量調整バルブ62を調整して、積層ベンチュリノズル10に送る気体混合液の流量を調整する。具体的には、図19のグラフを参考にして、流量調整バルブ68や流量調整バルブ62を調整する。
これにより、容器40内の水は積層ベンチュリノズル10から吹き込まれるマイクロバブルによって白濁し、マイクロバブル液が生成される。
本発明の実施の形態のマイクロバブル液生成装置では、マイクロバブルを発生する装置として本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズルを使用したので、装置コスト的に低価格が可能なベンチュリ構造で気泡径が小さく且つ気泡径分布のバラツキの小さなマイクロバブルを多量に含んだマイクロバブル液を生成することができる。
なお、上記した本発明の実施の形態の積層ベンチュリノズル10及びマイクロバブル液生成装置38では、積層ブロック16にマイクロバブルを発生するための液体と気体とを供給する気液供給手段として、積層ブロック16に気体を液体に加圧溶解により混合した気体混合液を供給するための1本の供給流路を有する供給ブロック18の場合で説明した。
しかし、上記した供給ブロック18からはマイクロバブルを発生するための液体のみを積層ブロック16に供給し、気体は積層ブロック16に形成されたベンチュリ流路20のスロート部20Cに気体供給流路(図示せず)を介して別途供給するように気液供給手段を構成することもできる。
気体供給流路の一例を図1の溝有りブロック12と溝無しブロック14との4層からなる積層ブロック16の場合で説明すると、図1の(A)に示すベンチュリ流路20のスロート部20Cに直交するように、積層ブロック16の4層を図1の表面側から裏面側に貫通する貫通孔を穿設し、これにより気体供給流路を形成する。即ち、貫通孔は3枚の溝有りブロック12と1枚の溝無しブロック14とに形成される。貫通孔の径方向の断面形状は、断面正方形なスロート部20Cに合わせて縦横が1mm程度の正方形にすることが好ましい。
そして、この気体供給流路を介してマイクロバブルを発生するための気体をベンチュリ流路20に供給し、供給ブロック18を介してベンチュリ流路20に供給された液体と混合する。
上記の如く溝有りブロック12と溝無しブロック14とを貫通する貫通孔として気体供給流路を形成することによって、積層ブロック16に形成された複数本のベンチュリ流路20に気体を一括供給することができるので、気体を各ベンチュリ流路20に均等に供給することができる。
また、スロート部20Cの長さT(図11の(C)参照)において、スロート部20Cへの貫通孔の貫通位置(接続位置)は流体の圧力が一番低くなる流体出口近傍であることが好ましい。
このように、圧力が一番低くなるスロート部20C位置に気体供給流路を接続することで負圧が発生するので、エジェクター効果により気体をベンチュリ流路20内に自動的に吸引することができる。これにより、積層ブロック16に形成された複数本のベンチュリ流路20に気体を一層均等に供給することができる。
10…積層ベンチュリノズル、12…溝有りブロック、12A…前側辺、12B…後側辺、14…溝無しブロック、16…積層ブロック、17…連結手段、17A…ボルト、17B…ナット、18…供給ブロック、18A…供給流路、18B…雌ネジ、20…ベンチュリ流路、20A…流路縮小部、20B…流路拡大部、20C…スロート部、20D…流体噴出口、20E…入口、22…2分岐流路、22A…流体供給口、24…ボルト孔、26…ネジ孔、28…嵌合用切り欠き、30…張り出し部、30A…上側張り出し部、30B…下側張り出し部、32…ネジ、34…貫通孔、36…配管、36A…雄ネジ、38…マイクロバブル液生成装置、40…容器、42…循環配管、44…循環ポンプ、46…加圧溶解装置、48…空気配管、50…空気供給装置、51…床、52…ラック、54…開口、56…排出配管、58…開閉バルブ、60…シールド部材、62…流量調整バルブ、64…流量計、66…圧力計、68…流量調整バルブ、70…開閉バルブ、N…対称軸、M…軸芯、K…気泡、F…距離、D1…ベンチュリ流路の入口幅、D2…ベンチュリ流路の流体噴出口の幅、D3…スロート部の幅、T…スロート部の長さ、L…ブロックの長さ、W…ブロックの幅、S1〜S4…シフト量、P…供給ブロックの幅、A…曲線、B…グラフ

Claims (12)

  1. マイクロバブルを発生するためのベンチュリ構造のノズルにおいて、
    両面が平坦であるブロックの表面に、流路断面積が次第に縮小する流路縮小部と流路断面積が次第に拡大する流路拡大部との間に流路断面積が最も小さいスロート部を有する2本の平行な溝状のベンチュリ流路及び前記2本のベンチュリ流路の前記流路縮小部の入口にそれぞれ連通するY溝状の2分岐流路が左右対称になるように形成された溝有りブロックと、
    両面が平坦な板状の溝無しブロックと、
    前記溝有りブロックと前記溝無しブロックとが所定合計枚数積層された積層ブロックを連結する連結手段と、
    前記積層ブロックに前記マイクロバブルを発生するための液体と前記液体に混合する気体とを供給する気液供給手段と、を有し、
    前記積層ブロックは、前記溝状のベンチュリ流路及び前記Y溝状の2分岐流路が管状流路になるように前記溝有りブロックと前記溝無しブロックとが積層されることにより、複数本の管状流路が形成されると共に前記管状流路を構成する前記ベンチュリ流路の流体噴出口と前記2分岐流路の流体供給口とが形成されることを特徴とする積層ベンチュリノズル。
  2. 前記気液供給手段は、前記積層ブロックに前記気体を前記液体に加圧溶解により混合した気体混合液を供給するための1本の供給流路を有する供給ブロックである請求項1に記載の積層ベンチュリノズル。
  3. 前記積層ブロックに形成された前記ベンチュリ流路及び前記2分岐流路の流路断面形状は正方形又は長方形である請求項1又は2に記載の積層ベンチュリノズル。
  4. 前記積層ブロックに形成された前記複数本の管状流路は、前記供給ブロックの前記供給流路の軸芯を中心とした円周上に略位置するように形成されている請求項2又は3に記載の積層ベンチュリノズル。
  5. 前記積層ブロックの前記所定合計枚数における前記溝有りブロックと前記溝無しブロックとのそれぞれの枚数は前記ベンチュリ流路の形成本数によって設定される請求項1から4の何れか1項に記載の積層ベンチュリノズル。
  6. 前記積層ブロックの前記流体供給口が形成された側のブロック辺には、前記積層ブロックに前記供給ブロックを嵌合して接続するための嵌合用切り欠きが形成される請求項2から5の何れか1項に記載の積層ベンチュリノズル。
  7. 前記積層ブロックを構成する前記溝有りブロックと前記溝無しブロックとの積層において、
    前記溝有りブロック同士の表面と裏面又は前記溝有りブロックの表面と前記溝無しブロックとを重ね合わせる場合と、前記溝有りブロック同士の表面同士を重ね合わせる場合とにより前記管状流路の流路断面積を可変可能である請求項1から6の何れか1項に記載の積層ベンチュリノズル。
  8. 前記積層ブロックの前記所定合計枚数は4枚であって、前記ベンチュリ流路が6流路になるように3枚の前記溝有りブロックと1枚の前記溝無しブロックとが積層されている請求項1から7の何れか1項に記載の積層ベンチュリノズル。
  9. 前記ベンチュリ流路において、前記スロート部の矩形な縦幅及び横幅は1.0mm以上5.0mm以下であると共に長さは1.0mm以上5.0mm以下である請求項2から8の何れか1項に記載の積層ベンチュリノズル。
  10. マイクロバブルを発生するためのベンチュリ構造のノズルの製作方法において、
    両面が平坦であるブロックの表面に、流路断面積が次第に縮小する流路縮小部に続いて流路断面積が次第に拡大する流路拡大部を有する2本の溝状のベンチュリ流路及び前記2本のベンチュリ流路の前記流路縮小部の入口にそれぞれ連通するY溝状の2分岐流路が左右対称になるように形成された溝有りブロックを形成する溝有りブロック形成工程と、
    両面が平坦な板状の溝無しブロックを形成する溝無しブロック形成工程と、
    前記溝状のベンチュリ流路及び前記Y溝状の2分岐流路が管状流路になるように前記溝有りブロックと前記溝無しブロックとを積層させて、複数本の管状流路を形成すると共に前記管状流路を構成する前記ベンチュリ流路の流体噴出口と前記2分岐流路の流体供給口とを形成する積層ブロック形成工程と、
    前記積層ブロックの前記溝有りブロックと前記溝無しブロックとを連結する連結工程と、
    前記積層ブロックに形成された複数の前記流体供給口に気体を加圧溶解した気体混合液を供給するための1本の供給流路を有する供給ブロックを接続する供給ブロック接続工程と、を備えたことを特徴とする積層ベンチュリノズルの製作方法。
  11. 前記溝有りブロック形成工程では、前記溝状のベンチュリ流路及び前記Y溝状の2分岐流路を切削加工によって形成する請求項10に記載の積層ベンチュリノズルの製作方法。
  12. 液体にマイクロバブルを吹き込んだマイクロバブル液を生成するマイクロバブル液生成装置において、
    前記液体を貯留する容器と、
    前記容器の前記液体を抜き出して再び前記容器に戻す循環配管と、
    前記循環配管に設けられた循環ポンプと、
    前記循環配管の前記循環ポンプの上流側に設けられ、前記循環配管を流れる前記液体に気体を加圧溶解する加圧溶解装置と、
    前記加圧溶解装置に気体供給配管を介して前記気体を供給する空気供給装置と、
    前記循環配管の戻し位置に接続された請求項1から9の何れか1項に記載の積層ベンチュリノズルと、を備えたことを特徴とするマイクロバブル液生成装置。
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