JP2021191826A - 接着剤、及び接着体 - Google Patents

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Abstract

【課題】エポキシ樹脂を含み、−40℃において高い伸びを示す硬化物を形成できる接着剤を提供すること。【解決手段】2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーと、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基のいずれとも反応する求核性反応基を有する化合物を含む硬化剤と、ブロック共重合体エラストマーと、を含む接着剤が開示される。ブロック共重合体エラストマーが、単独で重合したときに80℃以上のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第一のモノマーに由来するモノマー単位を含む第一のブロックと、単独で重合したときに−30℃以下のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第二のモノマーに由来するモノマー単位を含む第二のブロックとを有する。【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤、及び接着体に関する。
車両を構成する各種の部材がエポキシ樹脂を含む接着剤によって接合されることがある(例えば、特許文献1)。
特表2016−505381号公報
エポキシ樹脂を含む従来の接着剤は、各種被着体に対して良好な接着性を示すものの、その硬化物が−40℃のような極低温において低い伸びを示す傾向がある。低温での伸びが不足すると、例えば車両が寒冷地で使用されたときに、部材の接合状態が影響を受ける可能性がある。
そこで本発明の一側面は、エポキシ樹脂を含み、−40℃において高い伸びを示す硬化物を形成できる接着剤を提供する。
本発明の一側面は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーと、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基のいずれとも反応する求核性反応基を有する化合物を含む硬化剤と、ブロック共重合体エラストマーと、を含む接着剤を提供する。前記ブロック共重合体エラストマーが、単独で重合したときに80℃以上のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第一のモノマーに由来するモノマー単位を含む第一のブロックと、単独で重合したときに−30℃以下のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第二のモノマーに由来するモノマー単位を含む第二のブロックと、を有する。
本発明の別の一側面は、2以上の被着体と、前記2以上の被着体を接着する接着層と、を有する被着体を提供する。前記接着層が、本発明の一側面に係る上記接着剤の硬化物である。
本発明の一側面によれば、エポキシ樹脂を含み、−40℃において高い伸びを示す硬化物を形成できる接着剤が提供される。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書中、(メタ)アクリロイルは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、これはその他の類似表現についても同様である。
一実施形態に係る接着剤は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーと、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基のいずれとも反応する求核性反応基を有する化合物を含む硬化剤と、ブロック共重合体エラストマーとを含む。接着剤が、アクリルモノマー、及びエポキシ樹脂を含有する第一液と、硬化剤を含有する第二液とから構成される接着剤セット、すなわち二液型の接着剤であってもよい。その場合、第一液又は第二液のうち少なくとも一方がブロック共重合体エラストマーを更に含有する。
アクリルモノマーは、アクリロイル基、メタクリロイル基又はこれらの両方を有する2官能以上の化合物である。アクリルモノマーが有する(メタ)アクリロイル基の数は2〜4であってもよい。
アクリルモノマーは、例えば、脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレートであってもよい。脂肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレートの例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリルモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリルモノマー、並びに、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。アクリルモノマーの他の例としては、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、2,2’−ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルホスフェート、及びエチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのアクリルモノマーは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリルモノマーが、2個以上の(メタ)アクリロイル基と、エポキシ基とを有していてもよい。本明細書において、2個以上の(メタ)アクリロイル基と、1個以上のエポキシ基とを有する化合物は、アクリルモノマーに分類される。アクリルモノマーが、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、エポキシ基を有しない化合物であってもよい。
エポキシ樹脂は、2個以上のエポキシ基を有する化合物、言い換えると二官能以上のエポキシ樹脂であればよい。エポキシ樹脂が有するエポキシ基の数が2〜4個であってもよい。
エポキシ樹脂の例としては、ダイマー酸ジグリシジルエステル、及びフタル酸ジグリシジルエステルのようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、及び水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、及びビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;アミン化合物(例えばp−アミノフェノール、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸)とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;並びに脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂がダイマー酸ジグリシジルエステルを含んでもよい。ダイマー酸ジグリシジルエステルは、広い温度範囲における接着性向上に寄与し得る。
エポキシ樹脂が、(メタ)アクリロイル基を更に有していてもよい。本明細書において、2個以上のエポキシ基と、1個の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物は、エポキシ樹脂に分類される。エポキシ樹脂が、2個以上のエポキシ基を有し、(メタ)アクリロイル基を有しない化合物であってもよい。
一実施形態に係る接着剤(又は第一液)が、1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能アクリルモノマー、1個のエポキシ基を有する単官能エポキシ樹脂、又はこれらの両方を更に含んでもよい。
一実施形態に係る接着剤における2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーの含有量は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマー及び2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の合計量に対して、10〜90質量%、20〜80質量%、30〜70質量%、又は40〜60質量%であってもよい。2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマー及び2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の合計量が、接着剤のうち後述のシランカップリング剤及び無機充填剤を除いた部分の質量を基準として40質量%以上、45質量%以上、又は50質量%以上であってもよく、75質量%以下、70質量%以下、又は65質量%以下であってもよい。二液型の接着剤の場合、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマー及び2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の合計量が、第一液のうち後述のシランカップリング剤及び無機充填剤を除いた部分の質量を基準として、50〜100質量%、60〜100質量%、70〜100質量%、80〜100質量%、85〜100質量%又は90〜100質量%であってもよい。
接着剤(又は第二液)に含まれる硬化剤は、エポキシ樹脂、アクリルモノマー、又はこれらの両方と反応することにより、接着剤(第一液と第二液との混合物)を硬化させる成分である。硬化剤は、少なくとも、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基のいずれもと反応する求核性反応基を有する化合物を含む。この化合物は、2〜4個、又は2〜3個の求核性反応基を有していてもよい。
求核性反応基は、例えば、脂肪族アミノ基、又はチオール基であってもよい。(メタ)アクリロイル基との反応性の観点から、求核性反応基が脂肪族アミノ基であってもよい。脂肪族アミノ基を有する化合物の例としては、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、及び1,6−ヘキサンジアミンのような、2個以上の第一級脂肪族アミノ基を有する脂肪族アミン化合物が挙げられる。脂肪族アミノ基を有する化合物の市販品の例としては、jERキュア3080(三菱ケミカル株式会社製、商品名)が挙げられる。
接着剤(又は第二液)に含まれる硬化剤が、実質的にエポキシ樹脂のみと反応する化合物を更に含んでいてもよい。そのような化合物の例としては、芳香族アミン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
求核性反応基を有する化合物の含有量は、接着剤のうち後述のシランカップリング剤及び無機充填剤を除いた部分の質量を基準として10質量%以上であってもよく、25質量%以下、又は20質量%以下であってもよい。二液型の接着剤の場合、第二液における求核性反応基を有する化合物の含有量は、第二液のうち後述のシランカップリング剤及び無機充填剤を除いた部分の質量を基準として、30〜100質量%、40〜100質量%、50〜100質量%、60〜100質量%、70〜100質量%、80〜100質量%、85〜100質量%、又は90〜100質量%であってもよい。
ブロック共重合体エラストマーは、第一のブロック及び第二のブロックを含むブロック共重合体である。
第一のブロックは、単独で重合したときに80℃以上のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第一のモノマーに由来するモノマー単位を含む。第二のブロックは、単独で重合したときに−30℃以下のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第二のモノマーに由来するモノマー単位を含む。第一のモノマーが、(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーを含んでもよい。
アクリルモノマーに由来するモノマー単位を含む第一のブロックを有するブロック共重合体エラストマーは、アクリルモノマー及びエポキシ樹脂の両方を含む未硬化の接着剤成分に対して良好な相溶性を有することができる。アクリルモノマーが含まれることも、未硬化の接着剤成分とブロック共重合体エラストマーとの相溶性向上に寄与する。そのため、ブロック共重合体エラストマーが導入された接着剤が良好な保存安定性を有することができる。−30℃以下のガラス転移温度を有するホモポリマーを与える第二のモノマーを含む第二のブロックは、主に硬化物の−40℃での伸びの向上に寄与する。硬化後に第二のブロックを含む相を含む相分離構造が形成されると、−40℃での伸びの向上に関する特に顕著な効果が得られる。その場合、例えば、接着剤の硬化物の粘弾性測定によって得られるtanδと温度との関係を示す粘弾性カーブにおいて、−30℃以下の温度域に、第二のブロックのガラス転移に由来するピークが観測されることがある。
80℃以上のガラス転移温度を有するホモポリマーを与える第一のモノマーは、ホモポリマーのガラス転移温度の文献値等を参考に選択することができる。第一のモノマーとして用いられ得るアクリルモノマーの例としては、メチルメタクリレート(100℃)、イソボルニルアクリレート(94℃)、及びジシクロペンタニルアクリレート(120℃)が挙げられる。ここで括弧内の温度はそれぞれのモノマーのホモポリマーのガラス転移温度である。第一のブロックは、80℃未満のガラス転移温度を有するホモポリマーを与えるモノマーに由来するモノマー単位を少量含んでもよい。ただし、第一のブロックにおける第一のモノマーとしてのアクリルモノマーの割合は、第一ブロックの質量を基準として、通常、80〜100質量%、90〜100質量%、又は95〜100質量%である。
−30℃以下のガラス転移温度を有するホモポリマーを与える第二のモノマーも、ホモポリマーのガラス転移温度の文献値等を参考に選択することができる。第二のモノマーが、(メタ)アクリロル基を有するアクリルモノマーを含んでもよい。第二のモノマーとして用いられ得るアクリルモノマーの例としては、n−ブチルアクリレート(−55℃)、及び2−エチルヘキシルアクリレート(−70℃)が挙げられる。ここで括弧内の温度はそれぞれのモノマーのホモポリマーのガラス転移温度である。第二のブロックは、−30℃を超えるガラス転移温度を有するホモポリマーを与えるモノマーに由来するモノマー単位を少量含んでもよい。ただし、第二のブロックにおける第二のモノマーの割合は、第二ブロックの質量を基準として、通常、80〜100質量%、90〜100質量%、又は95〜100質量%である。
ブロック共重合体エラストマーが、第一のブロック、第二のブロック及び第一のブロックがこの順に結合したトリブロック共重合体であってもよい。トリブロック共重合体は、硬化後のブリードアウトを生じにくい。ブロック共重合体エラストマーにおける第一のブロックの割合が、第一のブロック及び第二のブロックの合計質量を基準として5質量%以上、又は10質量%以上であってもよく、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、又は25質量%以下であってもよい。ブロック共重合体エラストマーが、第一のブロック及び第二のブロックのみを含んでいてもよいし、末端基、又は少量のその他のブロックのようなこれら以外の部分構造を含んでもよい。ブロック共重合体エラストマーにおける第一のブロック及び第二のブロックの合計の割合が、ブロック共重合体エラストマーの質量を基準として80〜100質量%、90〜100質量%、又は95〜100質量%であってもよい。
ブロック共重合体エラストマーが、ポリメチルメタクリレートブロック及びポリn−ブチルアクリレートブロックを有するブロック共重合体エラストマーであってもよく、特に、ポリメチルメタクリレート−block−ポリn−ブチルアクリレート−block−ポリメチルメタクリレートのようなトリブロック共重合体であってもよい。
−40℃における伸びの更なる向上の観点から、ブロック共重合体エラストマーのメルトフローレート(MFR)は、40g/10分以下、20g/10分以下、又は10g/分以下であってもよく、1.0g/10分以上、又は2.0g/10分以上であってもよい。ここでのMFRは、190℃、2.16kgの条件で測定される値である。
−40℃における伸びの更なる向上の観点から、ブロック共重合体エラストマーの室温(23℃)における引張伸びが、200%以上、又は400%以上であってもよい。ブロック共重合体エラストマーの引張伸びは、ブロック共重合体エラストマー単独で形成された成形体を試験片として用いた引張試験によって測定される値である。
接着剤におけるブロック共重合体エラストマーの含有量は、−40℃における伸びの観点から、接着剤のうち後述のシランカップリング剤及び無機充填剤を除いた部分の質量を基準として10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上であってもよく、50質量%以下、45質量%以下、又は40質量%以下であってもよい。
接着剤が、無機充填剤を更に含んでもよい。二液型の接着剤の場合、第一液、第二液又はこれらの両方が無機充填剤を含むことができる。無機充填剤の配合により、被着体に塗布されたときの液だれがより一層効果的に抑制され得る。無機充填剤の例としては、シリカ粒子、炭酸カルシウム粒子、マイカ、タルク、窒化ホウ素、及びガラスビーズが挙げられる。シリカ粒子は、例えば、未修飾シリカフィラであってもよいし、アルキル鎖若しくは(メタ)アクリロイル基等で鎖修されたシリカフィラであってもよい。
接着剤における無機充填剤の含有量は、接着剤の量に対して、0〜50体積%、0〜30体積%、又は0〜20体積%であってもよい。二液型の接着剤の場合、第一液における無機充填剤の含有量と、第二液における無機充填剤の含有量とは、同じでも異なっていてもよい。
接着剤が、シランカップリング剤を更に含有していてもよい。二液型の接着剤の場合、第一液、第二液又はこれらの両方がシランカップリング剤を含むことができる。シランカップリング剤は、例えば、加水分解性シリル基と、アクリルモノマー、エポキシ樹脂又は硬化剤のうち少なくとも一つと反応する官能基とを有する化合物であってもよい。加水分解性シリル基は、例えば、ケイ素原子と、該ケイ素原子に結合した1〜3個のアルコキシ基とを有する基である。ケイ素原子に結合したアルコキシ基の炭素数は、例えば1〜4であってよい。アクリルモノマー又はエポキシ樹脂のうち少なくとも一方と反応する官能基の例としては、第一級アミノ基及び第二級アミノ基等のアミノ基、エポキシ基、メルカプト基、並びに(メタ)アクリロイル基が挙げられる。本明細書において、加水分解性シリル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、シランカップリング剤に分類される。
シランカップリング剤の具体例としては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
シランカップリング剤の市販品として、例えば、KBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−4803、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−5803、KBM−602、KBM−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103P、KBM−573、KBM−575、KBM−802、及びKBM−803(以上、信越化学工業株式会社製、商品名)が入手可能である。
接着剤におけるシランカップリング剤の含有量は、接着剤の量に対して、0〜5質量%、又は0〜3質量%であってもよい。
接着剤が、必要によりその他の成分を更に含有してもよい。その他の成分の例としては、顔料(例えばカーボンブラック、酸化チタン粒子)、及びエラストマーが挙げられる。
二液型の接着剤の場合、第一液又は第二液のうち一方のみが顔料を含有していてもよい。又は、第一液及び第二液の両方が顔料を含有していてもよく、その場合、第一液が含有する顔料と第二液が含有する顔料とが異なっていてもよい。このように接着剤セットが顔料を含むと、第一液と第二液とを混合したときに、第一液と第二液との混合状態を可視化できる。第一液と第二液との混合液を、顔料が十分に均一に分散するような混合状態とすることにより、より優れた接着力が得られる傾向にある。
以上例示された接着剤は被着体同士を接着して、2以上の被着体と、これらを接着する接着層とを有する所望の接着体を得るために用いられる。被着体は、例えば、鋼、鉄、銅、ブリキ、アルミニウム、ステンレス等の金属、樹脂、又は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成形体であってもよい。2以上の被着体は、互いに同種又は異種の材料の成形体であることができる。
二液型の接着剤を用いて2つの被着体を有する接着体を得る方法は、例えば、2つの被着体を隙間を空けて配置することと、2つの被着体間の隙間に第一液及び第二液を注入することと、第一液及び第二液の混合物である接着剤を硬化させることとを含む。第一液及び第二液は、2つの被着体間の隙間に注入されるのと略同時に混合されてもよいし、混合されてから2つの被着体間に注入されてもよい。第一液及び第二液、又はこれらの混合物(接着剤)が、例えばミキシングノズルを用いて2つの被着体間に注入される。
接着体を得る方法が、一方の被着体上に第一液及び第二液の混合物である接着剤を塗布することと、塗布された接着剤を間に挟みながら一方の被着体と他方の被着体とを貼り合わせることと、その後、接着剤を硬化させることとを含んでいてもよい。接着剤が硬化することによって、2つの被着体の間に介在し、これらを接着する接着層が形成される。
第一液と第二液との混合比は、第一液に含まれるアクリルモノマー及びエポキシ樹脂と第二液に含まれる硬化剤との反応の化学量論比等を考慮して、接着剤が適切に硬化するように調整される。例えば、第二液に対する第一液の体積比が、0.5〜5.0であってもよい。
硬化条件は、接着剤が適切に硬化するように調整される。例えば、10〜40℃の環境下で接着剤を硬化してもよい。硬化時間は、例えば1時間〜1週間の間で調整される。接着剤を加熱してもよく、その場合の加熱温度は例えば40〜120℃であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.接着剤セットの調製
アクリルモノマー、エポキシ樹脂、エラストマー、シランカップリング剤及び場合により無機充填剤を含む第一液と、硬化剤、エラストマー、及び場合により無機充填剤を含む第二液とをそれぞれ調製した。表1及び表2は、第一液及び第二液を合わせた接着剤セット全体における各成分の含有量を、シランカップリング剤及び無機充填剤以外の成分の合計量を基準とする質量%で示す。
表に示す各原料の詳細は以下のとおりである。
(1)アクリルモノマー
・HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ダイセルオルネクス株式会社)
(2)エポキシ樹脂
・EP830:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(EPICLON830、DIC株式会社)
・EP850:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON850、DIC株式会社)
・jER871:ダイマー酸ジグリシジルエステル(三菱ケミカル株式会社)
(3)硬化剤
・1,3−BAC:1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学株式会社)
(4)硬化促進剤
・SIZ:1H−イミダゾール(四国化成工業株式会社)
(5)ブロック共重合体エラストマー
・LA3320:メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートのトリブロック共重合体(メチルメタクリレート単位:15質量%、MFR(190℃/2.16kg):6.2g/10分、クラリティLA3320、株式会社クラレ)
・LA2250:メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートのトリブロック共重合体(メチルメタクリレート単位:30質量%、MFR(190℃/2.16kg):25g/10分、クラリティLA2250、株式会社クラレ)
・LA2140:メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートのトリブロック共重合体(メチルメタクリレート単位:20質量%、MFR(190℃/2.16kg):31g/10分、クラリティLA2140、株式会社クラレ)
・LA2330:メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートのトリブロック共重合体(メチルメタクリレート単位:20質量%、MFR(190℃/2.16kg):3.7g/10分、クラリティLA2330、株式会社クラレ)
(6)その他のエラストマー
・RC110C:両末端にアクリレート基を有する液状アクリル樹脂(XMAP RC110C、株式会社カネカ)
(7)シランカップリング剤
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業株式会社)
(8)無機充填剤
・KS−1000:重質炭酸カルシウム、(株式会社カルファイン)
2.低温伸び
第一液と第二液とを体積比2:1で混合し、形成された接着剤を0.5mmのギャップを有する型内で、25℃で1日の養生により硬化させた。得られた板状の硬化体から幅3mm、長さ60mmの試験片を切り出した。得られた試験片の引張試験を、温度−40℃、つかみ具間距離40mm、引張速度1mm/分の条件で行った。試験片の破断時のひずみを低温伸びとして記録した。
比較例3の接着剤は、エラストマー成分が硬化前にその他の接着剤成分と相溶せずに分離したため、安定的に保存することができなかった。
3.せん断強度
大きさが2mm×100mm、厚みが0.5mmの冷延鋼板2枚の間に、接着剤の厚みが0.5mmとなるように0.5mmのスペーサーを配置した。この状態で、第一液及び第二液をミキシングノズル(トミタエンジニアリング株式会社製)を用いて混合しながら、冷延鋼板間に注入して、評価サンプルを作製した。作製した評価サンプルに対して、チャック間距離50mm,試験速度5mm/minにて引張り試験を行い、鋼板に対するせん断強度(MPa)を測定した。せん断強度の測定結果を以下の基準で分類して表1及び表2に示す。実施例の接着剤は、良好なせん断強度を示した。表3及び表4に実施例のせん断強度を示す。
A:せん断強度2MPa以上
B:せん断強度2MPa未満
Figure 2021191826
Figure 2021191826
Figure 2021191826
Figure 2021191826


Claims (7)

  1. 2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーと、
    2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、
    エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基のいずれとも反応する求核性反応基を有する化合物を含む硬化剤と、
    ブロック共重合体エラストマーと、
    を含み、
    前記ブロック共重合体エラストマーが、
    単独で重合したときに80℃以上のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第一のモノマーに由来するモノマー単位を含む第一のブロックと、
    単独で重合したときに−30℃以下のガラス転移温度を有するホモポリマーを形成する第二のモノマーに由来するモノマー単位を含む第二のブロックと、
    を有する、
    接着剤。
  2. 前記第一のモノマーが、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを含む、請求項1に記載の接着剤。
  3. 前記エポキシ樹脂がダイマー酸ジグリシジルエステルを含む、請求項1又は2に記載の接着剤。
  4. 前記求核性反応基が脂肪族アミノ基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤。
  5. 無機充填剤を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤。
  6. 当該接着剤が、
    前記アクリルモノマー、及び前記エポキシ樹脂を含有する第一液と、
    前記硬化剤を含有する第二液と、
    を備える接着剤セットであり
    前記第一液又は前記第二液のうち少なくとも一方が前記ブロック共重合体エラストマーを更に含有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤。
  7. 2以上の被着体と、前記2以上の被着体を接着する接着層と、を有し、
    前記接着層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤の硬化物である、接着体。
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