JP2021190654A - キャパシタ用陽極の製造方法、及びキャパシタの製造方法 - Google Patents

キャパシタ用陽極の製造方法、及びキャパシタの製造方法 Download PDF

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健一 鈴木
Kenichi Suzuki
総 松林
Satoshi Matsubayashi
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【課題】従来よりも等価直列抵抗が低減されたキャパシタの製造方法と、そのキャパシタに使用するキャパシタ用陽極の製造方法を提供する。【解決手段】π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有する導電性高分子水系分散液と、有機溶剤とを混合した混合液を得て、前記混合液中に高導電性複合体を析出させ、析出した高導電性複合体を分取する分取工程と、水系分散媒と前記高導電性複合体を混合することにより高導電性複合体水系分散液を得る調製工程と、弁金属の多孔質体からなる陽極11の表面が酸化されてなる誘電体層12に、前記高導電性複合体水系分散液を塗布し、乾燥させることにより前記誘電体層の表面に固体電解質層14を形成する積層工程を含むキャパシタ用陽極の製造方法、及び、そのキャパシタ用陽極と陰極13とを備えたキャパシタ10を組み立てる工程を含むキャパシタの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含む固体電解質層を備えたキャパシタ用陽極の製造方法、及びキャパシタの製造方法に関する。
キャパシタの等価直列抵抗を低下させる目的で、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を含む導電性高分子分散液から形成された固体電解質層を、誘電体層と陰極との間に配置したキャパシタが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2014−67949号公報
導電性高分子分散液を用いて製造された従来のキャパシタには、等価直列抵抗の低下が求められている。
本発明は、従来よりも等価直列抵抗が低減されたキャパシタの製造方法と、そのキャパシタに使用するキャパシタ用陽極の製造方法を提供する。
[1] π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有する導電性高分子水系分散液と、有機溶剤とを混合した混合液を得て、前記混合液中に高導電性複合体を析出させ、析出した高導電性複合体を分取する分取工程と、水系分散媒と前記高導電性複合体を混合することにより高導電性複合体水系分散液を得る調製工程と、弁金属の多孔質体からなる陽極の表面が酸化されてなる誘電体層に、前記高導電性複合体水系分散液を塗布し、乾燥させることにより前記誘電体層の表面に固体電解質層を形成する積層工程と、を含む、キャパシタ用陽極の製造方法。
[2] 前記高導電性複合体水系分散液にアルカリ化合物を1種以上添加する、[1]に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[3] 前記高導電性複合体水系分散液にヒドロキシ基を2つ以上有する化合物を1種以上添加する、[1]又は[2]に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[4] 前記混合液に含まれる前記有機溶剤の含有量が、前記混合液の総質量に対して、50質量%以上である、[1]〜[3]の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[5] 前記有機溶剤が、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤のうち、少なくとも一方を含む、[1]〜[4]の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[6] 前記有機溶剤がケトン系溶剤を含み、前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトンを含む、[5]に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[7] 前記有機溶剤がアルコール系溶剤を含み、前記アルコール系溶剤がメタノールを含む、[5]に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[8] 前記有機溶剤がメチルエチルケトン及びメタノールを含む、[1]〜[4]の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[9] 前記導電性複合体が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸のうち、少なくとも一方を含む、[1]〜[8]の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
[10] [1]〜[9]の何れか一項に記載の製造方法によりキャパシタ用陽極を得て、前記キャパシタ用陽極と陰極とを備えたキャパシタを組み立てる工程を含む、キャパシタの製造方法。
本発明の製造方法により得たキャパシタは、従来よりも等価直列抵抗が低いので、電子機器の高性能化に資する。
本発明はSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
キャパシタの一実施形態を示す断面図である。
《キャパシタ用陽極の製造方法》
本発明の第一態様は、分取工程、調製工程、及び積層工程を含む。
分取工程は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有する導電性高分子水系分散液と、有機溶剤とを混合した混合液を得て、前記混合液中に高導電性複合体を析出させ、析出した高導電性複合体を分取する工程である。
調製工程は、水系分散媒と前記高導電性複合体を混合することにより高導電性複合体水系分散液を得る工程である。
積層工程は、弁金属の多孔質体からなる陽極の表面が酸化されてなる誘電体層に、前記高導電性複合体水系分散液を塗布し、乾燥させることにより前記誘電体層の表面に固体電解質層を形成する工程である。
以下、各工程を説明する。
<分取工程>
[導電性高分子水系分散液]
本態様で材料として用いる導電性高分子水系分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、水と、を含有する。この水系分散液は、液中の導電性複合体が分散状態にある範囲で、有機溶剤を含んでいても構わない。
前記ポリアニオンはπ共役系導電性高分子にドープし、導電性を有する導電性複合体を形成している。前記ポリアニオンにおいては、一部のアニオン基のみがπ共役系導電性高分子にドープしており、ドープに関与しない余剰のアニオン基を有する。余剰のアニオン基は親水基であるため、導電性複合体は水に対する分散性を有する。
本態様で用いる導電性高分子水系分散液において、導電性複合体は分散状態にある。分散状態と析出状態の区別は、簡便には目視で行うことができる。分散状態の分散液の透明性は高く、分散液中に固体の浮遊物は見当たらない。一方、析出状態の液の透明性は低く、液中に固体の浮遊物が観察される。通常、分散状態の導電性複合体は容易には沈殿せず、例えば12時間静置したとしても、沈殿は生じ難い。一方、析出状態の液中の浮遊物は、沈降し易く、例えば12時間程度静置することにより、沈殿を生じ易い。
本態様で用いる導電性高分子水系分散液を、保留粒子径7μmのフィルターに通すと、分散状態の導電性複合体は分散媒とともにフィルターを通過する。一方、析出状態の導電性複合体は上記フィルターに捕捉され得る。
ここで、ろ紙の保留粒子径は目の粗さの目安であり、JIS P 3801〔ろ紙(化学分析用)〕で規定された硫酸バリウムなどを自然ろ過したときの漏えい粒子径により求められる。
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であればよく、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
これらのπ共役系導電性高分子のなかでも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
導電性複合体に含まれるπ共役系導電性高分子は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
(ポリアニオン)
ポリアニオンは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、スルホ基を有するポリアクリル酸エステル、スルホ基を有するポリメタクリル酸エステル(例えば、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルオキシベンゼンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸等のスルホ基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸等のカルボキシ基を有する高分子が挙げられる。ポリアニオンは、単一のモノマーが重合した単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーが重合した共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホ基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。質量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィを用いて測定し、ポリスチレン換算で求めた質量基準の平均分子量である。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1質量部以上1000質量部以下の範囲であることが好ましく、10質量部以上700質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値以上であれば、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が強くなる傾向にあり、導電性がより高くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値以下であれば、π共役系導電性高分子を充分に含有させることができるので、充分な導電性を確保できる。
[導電性高分子水系分散液の製造方法]
π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体が水系分散媒に分散されてなる導電性高分子水系分散液は、例えば、ポリアニオンの水溶液中でπ共役系導電性高分子を形成するモノマーを化学酸化重合させて得ることができる。また、市販の導電性高分子水分散液を使用しても構わない。
前記化学酸化重合は、公知の触媒及び酸化剤を用いて行うことができる。触媒としては、例えば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝 酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩が挙げられる。酸化剤は、還元された触媒を元の酸化状態に戻すことができる。
本態様の導電性高分子水系分散液に含まれる導電性複合体の含有量としては、水系分散液の総質量に対して、例えば、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、有機溶剤の添加後の高導電性複合体の析出が容易になる。上記範囲の上限値以下であると、導電性高分子水系分散液における導電性複合体の分散性が高まるので、導電性高分子水系分散液の保存中に意図しない凝集を防ぎ、有機溶剤の添加後に析出する高導電性複合体の質を均一にすることができる。
本態様で用いる導電性高分子水系分散液には、導電性複合体が分散状態にある範囲において、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤の含有量は少ない程好ましく、実質的に含まれないことがより好ましく、例えば、水系分散液の総質量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
本態様で用いる導電性高分子水系分散液が含有してもよい有機溶剤としては、水に対する混和性が高いものが好ましく、例えば、後述のアルコール系溶剤が挙げられる。
なお、本明細書において、「導電性高分子水分散液」の用語は、分散媒として水を含み、有機溶剤を実質的に含んでいないことを明示する用語である。
[混合液の調製]
導電性高分子水系分散液と、有機溶剤とを混合し、混合液を得る方法としては、例えば、導電性高分子水系分散液に有機溶剤を添加する方法、有機溶剤に導電性高分子水系分散液を添加する方法等が挙げられる。好適な実施形態としては、導電性高分子水系分散液を攪拌しながら有機溶剤を徐々に添加する方法が挙げられる。この添加方法であると、導電性高分子水系分散液における有機溶剤濃度が局所的に急上昇することを防止して、高導電性複合体を穏やかに析出させることができる。有機溶剤濃度が急激に高まると、高導電性複合体の不均質な凝集体が生じることがある。
前記混合液に含まれる前記有機溶剤の含有量は、前記混合液の総質量に対して、50質量%以上100質量%未満が好ましく、55質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましく、65質量%以上80質量%以下が特に好ましい。ここで、前記有機溶剤の含有量は、混合する前の導電性高分子水系分散液に含まれていた有機溶剤を含む量である。
上記範囲の下限値以上であると、高導電性複合体の析出がより容易になり、導電性複合体の収率が向上する。
上記範囲の上限値以下であると、混合液に含まれる導電性高分子水系分散液を相対的に増やすことができるので、分取する高導電性複合体の量を増やすことができる。
導電性高分子水系分散液と、有機溶剤とを混合し、得られた混合液を静置した後の外観は、水と有機溶剤とが完全に相溶していてもよいし、互いに分離していても構わないが、高導電性複合体の析出を容易にする観点から、充分に相溶していることが好ましい。
(有機溶剤)
本態様の混合液を構成する有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましい。ここで、水溶性有機溶剤とは、温度20℃において水100gに対して溶解量が1g以上の有機溶剤である。
水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本態様の混合液を構成する有機溶剤は、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤のうち、少なくとも一方を含むことが好ましい。
ケトン系溶剤として、メチルエチルケトンを含むことが好ましい。
アルコール系溶剤として、メタノール又はイソプロパノールが好ましい。
上記の好適な有機溶剤が含まれると、前記混合液中に高導電性複合体をより容易に析出させ、収率をより向上させることができる。
本態様の混合液において、メチルエチルケトンは、メタノール又はイソプロパノールと組み合わせて含まれることが好ましい。この場合、メチルエチルケトン100質量部に対するメタノール又はイソプロパノールの含有量は、1質量部以上100質量部以下が好ましく、3質量部以上50質量部以下がより好ましく、6質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。
上記の好適な組み合わせの有機溶剤が含まれると、前記混合液中に高導電性複合体をより容易に析出させ、収率をより向上させることができる。
上記の好適な範囲で有機溶剤が含まれると、前記混合液中に高導電性複合体をより一層容易に析出させ、収率をより一層向上させることができる。
本態様の混合液において、イソプロパノールは、酢酸メチル又は酢酸エチルと組み合わせて含まれることが好ましい。この場合、イソプロパノール100質量部に対する酢酸メチル又は酢酸エチルの含有量は、10質量部以上300質量部以下が好ましく、30質量部以上200質量部以下がより好ましく、60質量部以上100質量部以下がさらに好ましい。
上記の好適な組み合わせの有機溶剤が含まれると、前記混合液中に高導電性複合体をより容易に析出させ、収率をより向上させることができる。
上記の好適な範囲で有機溶剤が含まれると、前記混合液中に高導電性複合体をより一層容易に析出させ、収率をより一層向上させることができる。
本態様の混合液において、メチルエチルケトンと、イソプロパノールと、酢酸メチル又は酢酸エチルとが組み合わせて含まれることが好ましい。この場合、イソプロパノール100質量部に対する酢酸メチル又は酢酸エチルの含有量は、10質量部以上300質量部以下が好ましく、30質量部以上200質量部以下がより好ましく、60質量部以上100質量部以下がさらに好ましい。且つ、イソプロパノール100質量部に対するメチルエチルケトンの含有量は、100質量部以上3000質量部以下が好ましく、200質量部以上2000質量部以下がより好ましく、500質量部以上1000質量部以下がさらに好ましい。
上記の好適な組み合わせの有機溶剤が含まれると、前記混合液中に高導電性複合体をより容易に析出させ、収率をより向上させることができる。
上記の好適な範囲で有機溶剤が含まれると、前記混合液中に高導電性複合体をより一層容易に析出させ、収率をより一層向上させることができる。
本態様の混合液には、前記ポリアニオン以外の酸、又は、塩基の含有量が、前記混合液の総質量に対して0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましく、実質的に含まれないことが最も好ましい。
前記酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
前記塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基、トリオクチルアミン、オクチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
上記の酸又は塩基は、本態様の混合液中に高導電性複合体が析出することを阻害する原因になり得る。
[高導電性複合体の析出]
調製した混合液中に高導電性複合体を析出させる方法は特に制限されず、前記混合液を静置するだけでも、析出させることができる。また、完全に静置させる必要はなく、穏やかに攪拌しながら析出させてもよい。
前記混合液に高導電性複合体を析出させる際には、前記混合液を加熱することが好ましい。加熱温度としては、40℃以上が好ましく、50℃以上100℃以下がより好ましく、60℃以上80℃以下がさらに好ましい。上記の好適な加熱温度における加熱時間としては、例えば、1時間以上10時間以下とすることができる。
前記混合液を加熱すると、混合液中に高導電性複合体を容易に析出させることができ、導電性複合体の収率を向上させることができる。
[高導電性複合体の分取]
混合液中に析出した高導電性複合体を分取する(回収する)方法は特に制限されず、例えば、濾過、デカンテーション、遠心分離、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。
なかでも、混合液に含まれる高導電性複合体以外の成分と高導電性複合体とを分離することが容易であることから、濾過又はデカンテーションが好ましい。ここで、濾過とは、混合液を通過させたフィルターに、高導電性複合体を捕捉する操作である。また、デカンテーションとは、析出した高導電性複合体を沈殿させ、上澄み液を除去する操作である。
濾過で分取する場合にはフィルターの目詰まりに対処する必要があるので、デカンテーションの方がより容易に分取できる。また、フィルター上で高導電性複合体の固形物が濾過圧により圧縮されるので、濾過で分取した高導電性複合体は、デカンテーションで分取した場合よりも固い状態となり易い。デカンテーションで得た高導電性複合体は比較的柔らかいパウダー状態で得られるので、後で分散媒に容易に分散させることができる。従って、デカンテーションにより高導電性複合体を分取することがより好ましい。
分取した高導電性複合体は、高導電性複合体を溶解し難い有機溶剤を用いて洗浄することが好ましい。具体的には、例えば、高導電性複合体を捕捉したフィルターに有機溶剤をかけ流してもよいし、デカンテーション後に容器の底に残った高導電性複合体に有機溶剤を添加し、攪拌した後、再度デカンテーション等により分取してもよい。
分取した高導電性複合体に付着した有機溶剤等を乾燥して除去することにより、高導電性複合体の乾燥体を得ることができる。
<調製工程>
本工程では、前段の工程で得た高導電性複合体と、水を含有する水系分散媒とを混合することにより、高導電性複合体水系分散液を得る。
高導電性複合体は水に対する分散性が高いので、水を含有する水系分散媒に容易に分散させることができる。
本態様で用いる高導電性複合体は、分取工程で得た後、乾燥して保存されていてもよいし、保存を経ずに直ちに使用されてもよい。
本態様の水系分散媒には有機溶剤が含まれてもよい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好ましい。ここで、水溶性有機溶剤とは、温度20℃において水100gに対して溶解量が1g以上の有機溶剤である。
水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が挙げられ、アルコール系溶剤が好ましい。具体的な水溶性有機溶剤の例示は、第一態様の説明と同様であるので省略する。
本態様の水系分散媒の総質量に対する水の含有割合は、例えば、5質量%以上100質量%以下とすることができ、50質量%以上100質量%以下が好ましく、70質量%以上100質量%以下がより好ましい。
本態様において、高導電性複合体と水系分散媒とを混合する方法は特に制限されず、例えば、(1)高導電性複合体に水系分散媒を添加して撹拌する方法、(2)高導電性複合体に水を添加し、高導電性複合体の水分散液を得た後、必要に応じて有機溶剤をさらに添加し、攪拌する方法が挙げられる。
高導電性複合体の水に対する分散性は非常に高いので、高導電性複合体の凝集による粒子の大径化を防止する観点から、(2)の方法が好ましい。
高導電性複合体と水系分散媒とを混合した後、混合液を攪拌して分散処理を施してもよい。攪拌の方法は特に制限されず、スターラー等の剪断力が弱い攪拌であってもよいし、高剪断力の分散機(ホモジナイザ等)を用いて攪拌してもよい。
本態様の高導電性複合体水系分散液において、分散された高導電性複合体の粒度分布は特に制限されないが、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。その下限値は、高導電性複合体がポリマーを含むことから、ポリマーの分子半径を考慮すると、1nm以上が目安として挙げられる。
上記粒度分布が小さくなるほど、本態様の高導電性複合体水系分散液を塗布して形成される固体電解質層を有するキャパシタのESRをより低減させることができる。
ここで粒度分布は、動的光散乱法によって、キュムラント平均粒径を測定した値である。
本態様の高導電性複合体水系分散液の総質量に対する、高導電性複合体の含有量としては、例えば、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上5.0質量%以下がさらに好ましい。
上記範囲であると、高導電性複合体をより安定に分散させることができる。
[ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物]
本態様の高導電性複合体水系分散液には、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物(以下、ポリオール化合物ということがある。)を1種類以上添加することが好ましい。ポリオール化合物を含有することにより、本態様の高導電性複合体水系分散液を用いて製造するキャパシタのESRをより低減させることができる。
ポリオール化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、グリセリン、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、ソルビトール、酒石酸、グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
上記の具体例のなかでも、本態様の高導電性複合体水系分散液を用いて製造するキャパシタのESRをより一層低減させる観点から、多価脂肪族アルコール類が好ましく、エチレングリコール等のグリコール類が特に好ましい。
本態様の高導電性複合体水系分散液に添加したポリオール化合物の含有量は、高導電性複合体100質量部に対して、10質量部以上10000質量部以下が好ましく、50質量部以上1000質量部以下がより好ましく、100質量部以上500質量部以下がさらに好ましい。また、本態様の高導電性複合体水系分散液に添加したポリオール化合物の含有量は、高導電性複合体水系分散液の総質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上7質量%以下がさらに好ましい。
上記好適な範囲であると、本態様の高導電性複合体水系分散液を用いて製造するキャパシタのESRをより低減させることができる。
[アルカリ化合物]
本態様の高導電性複合体水系分散液には、1種以上のアルカリ化合物を添加することが好ましい。アルカリ化合物を含有することにより、本態様の高導電性複合体水系分散液を用いて製造するキャパシタのESRをより低減させることができる。アルカリ化合物は、前記ポリオール化合物に該当しないものが好ましい。
アルカリ化合物の具体例としては、例えば、無機アルカリ化合物、アミン化合物、窒素含有芳香族性環式化合物などが挙げられる。
無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。
アミン化合物としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩のいずれであってもよい。
アミン化合物は、炭素数2以上12以下の直鎖、もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基、炭素数7以上12以下のアラルキル基、炭素数2以上12以下のアルキレン基、炭素数6以上12以下のアリーレン基、炭素数7以上12以下のアラルキレン基、及び炭素数2以上12以下のオキシアルキレン基から選択される置換基を有していてもよい。
具体的な1級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
具体的な2級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な3級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩、テトラナフチルアンモニウム塩等が挙げられる。アンモニウムの対となる陰イオンとしてはヒドロキシドイオンが挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物(少なくとも1つの窒素原子が環構造を形成する芳香族性化合物)としては、例えば、ピロール、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−プロピルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−アミノ−1−メチルベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)ベンズイミダゾール、ピリジン等が挙げられる。
上記の具体例のなかでも、本態様の高導電性複合体水系分散液を用いて製造するキャパシタのESRをより一層低減させる観点から、窒素含有芳香族性環式化合物が好ましく、イミダゾール類が特に好ましい。
本態様の高導電性複合体水系分散液に添加したアルカリ化合物の含有量は、高導電性複合体100質量部に対して、0.1質量部以上1000質量部以下が好ましく、1質量部以上100質量部以下がより好ましく、2質量部以上50質量部以下がさらに好ましく、5質量部以上10質量部以下が特に好ましい。また、本態様の高導電性複合体水系分散液に添加したアルカリ化合物の含有量は、高導電性複合体水系分散液の総質量に対して、0.01質量%以上2質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上0.3質量%以下がさらに好ましい。
上記好適な範囲であると、本態様の高導電性複合体水系分散液を用いて製造するキャパシタのESRをより低減させることができる。
(その他の添加剤)
本態様の高導電性複合体水系分散液には、その他の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果が得られる限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。ただし、添加剤は、前記π共役系導電性高分子、ポリアニオン、有機溶剤、ポリオール化合物、アルカリ化合物以外のものである。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基又はアミノ基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
上述の高導電性複合体水系分散液が上記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、例えば、高導電性複合体100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下の範囲とすることができる。
<積層工程>
本態様で材料として用いる陽極を構成する弁金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。これらのうち、アルミニウム、タンタル、ニオブが好適である。陽極の具体例としては、例えば、アルミニウム箔をエッチングして表面積を増加させた後、その表面を酸化処理したものや、タンタル粒子やニオブ粒子の焼結体表面を酸化処理してペレットにしたものなどが挙げられる。このように処理されたものは表面に凹凸が形成された多孔質体となる。
陽極の表面に形成された誘電体層は、陽極の表面が酸化されて形成された層である。誘電体層は陽極の表面に沿う表面プロファイルを有し、凹凸が形成された多孔質層であることが好ましい。
誘電体層は、弁金属からなる陽極の表面を酸化することにより形成することができる。例えば、アジピン酸アンモニウム水溶液、ホウ酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液などの化成処理用電解液中にて、陽極の表面を陽極酸化する方法が挙げられる。
誘電体層を有する陽極の表面に高導電性複合体水系分散液を塗布する方法としては、例えば、浸漬(ディップコーティング)、コンマコーティング、リバースコーティング、リップコーティング、マイクログラビアコーティング等を適用することができる。これらの中でも、陽極と陰極が対向配置された電極素子に対して、これらの電極の間に塗布することが容易である観点から、浸漬が好ましい。
本態様で使用する高導電性複合体水系分散液は、高導電性複合体の分散性に優れるので、陽極に対する塗工性が優れる。
陽極の表面に塗布した高導電性複合体水系分散液を乾燥する方法としては、例えば、室温における自然乾燥、熱風乾燥、遠赤外線乾燥等が挙げられる。
陽極の誘電体層の表面の少なくとも一部に、高導電性複合体水系分散液を塗布し、乾燥させることにより、高導電性複合体を含む固体電解質層を形成することができる。形成した固体電解質層は、誘電体層の表面の少なくとも一部を覆っており、誘電体層の表面の全部を覆っていてもよい。
固体電解質層の厚さは、一定でもよいし、一定でなくてもよく、例えば、1μm以上100μm以下の厚さとすることができる。
以上の工程により、弁金属の多孔質体(陽極本体)と、その表面が酸化されてなる誘電体層と、誘電体層の表面に積層された高導電性複合体を含む固体電解質層と、を備えたキャパシタ用陽極が得られる。
≪キャパシタの製造方法≫
本発明の第二態様は、第一態様の製造方法によりキャパシタ用陽極を得て、前記キャパシタ用陽極と陰極とを備えたキャパシタを組み立てる工程を含む、キャパシタの製造方法である。
本態様で用いる陰極としては、公知のキャパシタの陰極が適用され、例えば、アルミニウム箔などの金属箔、カーボンや銀などの導電性粒子を含む導電層などが挙げられる。
本態様で製造するキャパシタにおいて、陽極と陰極が向き合って対向配置され、陽極と陰極の間に前述の誘電体層及び固体電解質層が配置されていることが好ましい。
第一態様で固体電解質層を形成する前に、陽極の誘電体層側を陰極に向かい合わせて陰極と対向配置した電極素子を予め作製してもよい。この電極素子を高導電性複合体水系分散液に浸漬し、陽極の誘電体層と陰極の間に固体電解質層を形成することができる。固体電解質層は、陽極と陰極の間を充填していることが好ましい。
前記電極素子において、陽極の誘電体層と陰極との間に、セパレータを設置してもよい。セパレータの設置は、電極素子の作製時に固体電解質層の形成前に予め設置してもよいし、固体電解質層が形成された陽極と陰極とを対向配置する際に設置してもよい。また、セパレータを基材として導電性粒子を含むペーストを含浸させて、セパレータと陰極とが一体化したものを陽極に対して設置してもよい。セパレータは、巻回型キャパシタを製造する場合に特に有用である。
セパレータとしては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデンなどからなるシート(不織布を含む)、ガラス繊維の不織布などが挙げられる。
本態様で製造するキャパシタの構成の一例を図1に示す。キャパシタ10は、弁金属の多孔質体からなる陽極11と、弁金属の酸化物からなる誘電体層12と、誘電体層12の表面に形成された固体電解質層14と、最も表側に設けられた陰極13とを具備する。陰極13は誘電体層12及び固体電解質層14を間に挟んで、陽極11と反対側に設けられている。本実施形態における固体電解質層14は、誘電体層12の表面に形成されている。固体電解質層14は、誘電体層12の表面の少なくとも一部を覆っている。
本態様で製造するキャパシタの固体電解質層には、電解液用溶媒中に電解質を溶解させた電解液を含ませてもよい。電解液の電気伝導度は高いほど好ましい。
電解液用溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等が挙げられる。
電解質としては、例えば、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸;あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物;リン酸、炭酸、ケイ酸等の無機酸などをアニオン成分とし、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)、テトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)などをカチオン成分とした電解質;等が挙げられる。
<作用効果>
本発明によれば、混合液に含ませた導電性複合体100質量部に対して、90〜100質量部の高導電性複合体を析出物として回収することができる。分取工程において、有機溶剤を含む混合液中に高導電性複合体が析出する要因は、有機溶剤に高導電性複合体が溶解し難いことであると推測される。
驚くべきことに、高導電性複合体を含む固体電解質層を備えた陽極を用いると、従来の導電性複合体(原料の導電性高分子水系分散液に含まれる導電性複合体)を含む陽極を用いた場合よりも、等価直列抵抗(ESR)が低いキャパシタを形成することができる(後述の実施例、比較例参照)。
この効果が奏されるメカニズムの詳細は未解明であるが、高導電性複合体は、原料の分散液から析出して分取されるため、原料に含まれる過剰のポリアニオンなどと分離して得られる。このため、従来の導電性複合体と比べて、高導電性複合体に含まれる過剰のポリアニオンや不純物の量が少ないと考えられる。過剰のポリアニオンが少なくなると酸性度が弱まるため、キャパシタの陽極の酸化被膜の侵食が抑制され、結果としてESRが低減する(従来は酸化被膜の侵食によりESRが上昇していた)と考えられる。また、高導電性複合体は、化学的組成だけでなく、物理化学的な性状(例えば粒子径)も従来の導電性複合体と異なる可能性があり、この差異がESRに影響している可能性もある。
(製造例1)ポリスチレンスルホン酸の合成
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で撹拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間撹拌した。
得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000mlの溶媒を除去した。次いで、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去して、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この水洗操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)導電性高分子水分散液の合成
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間撹拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。この操作を5回繰り返し、1.2%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)水分散液を得た。PEDOT−PSS固形分に対するPSSの含有量は75質量%である。
上記のPEDOT−PSS水分散液のpHは25℃でpH1.98であった。
(製造例3)
エッチドアルミニウム箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で130Vの電圧を印加し、化成(酸化処理)して、アルミニウム箔の両面に誘電体層を形成して陽極箔を得た。
次に、陽極箔の両面に、陰極リード端子を溶接させた対向アルミニウム陰極箔を、セルロース製のセパレータを介して積層し、これを円筒状に巻き取ってキャパシタ用素子(電極素子)を得た。
(実施例1)
製造例2のPEDOT−PSS水分散液400gに、メタノール60.0gと、メチルエチルケトン800gとを加えた混合液を、60℃で4時間攪拌した。次に、混合液を静置し、混合液内に析出したPEDOT−PSSからなる高導電性複合体をろ取し、これに水200gを加え、混合した。エバポレーターにより、含有する有機溶媒を除去した後、さらに水を加えて高圧ホモジナイザーで分散し、高導電性複合体を含む水分散液240gを得た。得られた高導電性複合体水系分散液の固形分濃度とpHをそれぞれ測定したところ、1.4質量%、pH2.24(25℃)であった。
次に、製造例3で得たキャパシタ用素子を、上記で得た高導電性複合体水系分散液に減圧下で浸漬した後、125℃の熱風乾燥機により30分間乾燥する工程を1回行い、誘電体層表面上に高導電性複合体を含む固体電解質層を形成させた。
続いて、アルミニウム製のケースに、固体電解質層を形成させたキャパシタ用素子を装填し、封口ゴムで封止して、キャパシタを得た。
(実施例2)
実施例1で得た高導電性複合体水系分散液にジエチレングリコールを5質量%となるように添加した。これにより、高導電性複合体100質量部に対して357質量部のジエチレングリコールを含む高導電性複合体水系分散液を得た。これを用いた以外は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例3)
実施例1で得た高導電性複合体水系分散液にイミダゾールを0.1質量%となるように添加した。これにより、高導電性複合体100質量部に対して7.14質量部のイミダゾールを含む高導電性複合体水系分散液(pH2.53(25℃))を得た。これを用いた以外は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例4)
実施例1で得た高導電性複合体水系分散液に、イミダゾールを0.1質量%となるように、かつジエチレングリコールを5質量%となるように、それぞれ添加した。これにより、高導電性複合体100質量部に対して7.14質量部のイミダゾールと、357質量部のジエチレングリコールを含む高導電性複合体水系分散液を得た。これを用いた以外は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例5)
実施例1で得た高導電性複合体水系分散液にイミダゾールを0.2質量%となるように添加した。これにより、高導電性複合体100質量部に対して14.3質量部のイミダゾールを含む高導電性複合体水系分散液(pH3.78(25℃))を得た。これを用いた以外は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(実施例6)
実施例1で得た高導電性複合体水系分散液に、イミダゾールを0.2質量%となるように、かつジエチレングリコールを5質量%となるように、それぞれ添加した。これにより、高導電性複合体100質量部に対して14.3質量部のイミダゾールと、357質量部のジエチレングリコールを含む高導電性複合体水系分散液を得た。これを用いた以外は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例1)
高導電性複合体水系分散液の代わりに、製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例2)
高導電性複合体水系分散液の代わりに、製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液にジエチレングリコールを5質量%となるように添加した水分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例3)
高導電性複合体水系分散液の代わりに、製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液にイミダゾールを0.15質量%となるように添加した。これにより、PEDOT-PSS100質量部に対して12.5質量部のイミダゾールを含む水分散液(pH2.27(25℃))を得た。この水分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例4)
高導電性複合体水系分散液の代わりに、製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液にイミダゾールを0.15質量%となるように、かつジエチレングリコールを5質量%となるように、それぞれ添加した。これにより、PEDOT-PSS100質量部に対して12.5質量部のイミダゾールと、417質量部のジエチレングリコールを含む水分散液を得た。この水分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例5)
高導電性複合体水系分散液の代わりに、製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液にイミダゾールを0.25質量%となるように添加した。これにより、PEDOT-PSS100質量部に対して20.8質量部のイミダゾールを含む水分散液(pH3.99(25℃))を得た。この水分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
(比較例6)
高導電性複合体水系分散液の代わりに、製造例2で得たPEDOT-PSS水分散液にイミダゾールを0.25質量%となるように、かつジエチレングリコールを5質量%となるように、それぞれ添加した。これにより、PEDOT-PSS100質量部に対して20.8質量部のイミダゾールと、417質量部のジエチレングリコールを含む水分散液を得た。この水分散液を用いた他は、実施例1と同様にしてキャパシタを得た。
[評価:静電容量・等価直列抵抗]
各キャパシタについて、LCRメータZM2376((株)エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて、120Hzでの静電容量(Cap.)、及び100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 2021190654
表1の結果から、本発明に係る実施例のESRは、比較例のESRよりも低減されていることが明らかである。また、実施例の静電容量も概ね比較例の静電容量よりも大きく、大容量が求められる用途にも好適であることが分かる。
なお、比較例4,6のESRは比較的低いが、これはイミダゾールとジエチレングリコールの併用によるところが大きい。比較例4、6と同程度のイミダゾール及びジエチレングリコールを含み、高導電性複合体水系分散液を用いた実施例4,6のESRは、比較例4,6のESRよりも低い。
10 キャパシタ
11 陽極
12 誘電体層
13 陰極
14 固体電解質層

Claims (10)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含有する導電性高分子水系分散液と、有機溶剤とを混合した混合液を得て、前記混合液中に高導電性複合体を析出させ、析出した高導電性複合体を分取する分取工程と、
    水系分散媒と前記高導電性複合体を混合することにより高導電性複合体水系分散液を得る調製工程と、
    弁金属の多孔質体からなる陽極の表面が酸化されてなる誘電体層に、前記高導電性複合体水系分散液を塗布し、乾燥させることにより前記誘電体層の表面に固体電解質層を形成する積層工程と、
    を含む、キャパシタ用陽極の製造方法。
  2. 前記高導電性複合体水系分散液にアルカリ化合物を1種以上添加する、請求項1に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  3. 前記高導電性複合体水系分散液にヒドロキシ基を2つ以上有する化合物を1種以上添加する、請求項1又は2に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  4. 前記混合液に含まれる前記有機溶剤の含有量が、前記混合液の総質量に対して、50質量%以上である、請求項1〜3の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  5. 前記有機溶剤が、ケトン系溶剤及びアルコール系溶剤のうち、少なくとも一方を含む、請求項1〜4の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  6. 前記有機溶剤がケトン系溶剤を含み、前記ケトン系溶剤がメチルエチルケトンを含む、請求項5に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  7. 前記有機溶剤がアルコール系溶剤を含み、前記アルコール系溶剤がメタノールを含む、請求項5に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  8. 前記有機溶剤がメチルエチルケトン及びメタノールを含む、請求項1〜4の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  9. 前記導電性複合体が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリスチレンスルホン酸のうち、少なくとも一方を含む、請求項1〜8の何れか一項に記載のキャパシタ用陽極の製造方法。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の製造方法によりキャパシタ用陽極を得て、前記キャパシタ用陽極と陰極とを備えたキャパシタを組み立てる工程を含む、キャパシタの製造方法。
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