JP2021188327A - 木製部材同士の接合構造 - Google Patents

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Junichi Tanaka
司津 江口
Shizu Eguchi
怜美 徳岡
Satomi Tokuoka
融 小泉
Toru Koizumi
和彦 藤田
Kazuhiko Fujita
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Abstract

【課題】板状の一方の木製部材と板状の他方の木製部材とを接合するための木製部材同士の接合構造を提供する。【解決手段】板状の一方の木製部材12と板状の他方の木製部材13とを接合するための木製部材同士の接合構造11であって、一方の木製部材と他方の木製部材との間には、少なくとも1枚の剛性を有する板状部材14が挟持又は内在されており、木製部材と板状部材との間には、接着剤15が介在して、木製部材同士が一体的に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、板状の一方の木製部材と板状の他方の木製部材とを接合するための木製部材同士の接合構造に関するものである。
従来、この種の木製部材同士の接合構造としては、特開平7−317158号公報に開示された木構造における部材接合装置の発明が知られている。
この木構造における部材接合装置は、図34(イ)(ロ)に示すように、複数のボルト孔が形成された通しプレート1と、この通しプレート1を挟むように一方の側に配置された2つの部材要素2a、2bからなる一方の木製梁部材2と、通しプレート1を挟むように他方の側に配置された2つの部材要素3a、3bからなる他方の木製梁部材3と、通しプレート1に形成されたボルト孔の数に対応した複数のボルト・ナット手段4とを備えている。
そして、各部材要素2a、2b、3a、3bには、ボルト孔を有する端部プレート5、5がそれぞれ取り付けられ、部材要素2a、2b、3a、3bには端部プレート5、5のボルト孔に対応して貫通孔6が形成され、部材要素2a、2b、3a、3bの端部プレート5、5と通しプレート1とを当接させ、貫通孔6を介してボルト・ナット手段4で端部プレート5、5と通しプレート1とをボルト締結することによって、一方の木製梁部材2と他方の木製梁部材3とを接合する装置である(特許文献1参照)。なお、図中の符号7は、貫通孔6に施蓋した木栓を示す。
このような構成の木構造における部材接合装置では、貫通孔6に近接した位置に棒状部材8、8が部材要素2a、2b、3a、3bと一体的に埋設されるので、棒状部材8、8の抵抗力の作用により亀裂の発生が防止され、接合部の高い終局耐力を確保することができる。
特開平7−317158号公報
この従来例の木構造における部材接合装置においては、部材要素2a、2b、3a、3bの端部プレート5、5と通しプレート1とが当接してボルト締結されているので、これら部材の一体性は低く、その結果、大きな水平力に対して、剛性及び耐力の性状が低いという問題点を有している。
従って、従来例における木構造における部材接合装置においては、一体性を向上させて、大きな水平力に対して、高剛性及び高耐力の性状を高めることに解決しなければならない課題を有している。
前記従来例の課題を解決するための本発明の要旨は、板状の一方の木製部材と板状の他方の木製部材とを接合するための木製部材同士の接合構造であって、前記一方の木製部材と前記他方の木製部材との間には、少なくとも1枚の剛性を有する板状部材が挟持又は内在されており、前記木製部材と前記板状部材との間には、接着剤が介在して、前記木製部材同士が一体的に形成されていることである。
また、前記木製部材には、溝部又は凹部が形成されており、前記板状部材には、前記溝部又は前記凹部と嵌合する凸条部又は突部が形成されていること、;
前記板状部材は、鋼板、鉄板又はH形鋼のウェブであること、;
を含むものである。
本発明に係る木製部材同士の接合構造によれば、一方の木製部材と他方の木製部材との間には、少なくとも1枚の剛性を有する板状部材が挟持又は内在されており、木製部材と板状部材との間には、接着剤が介在して、木製部材同士が一体的に形成されていることによって、木製部材同士の一体性が向上し、大きな水平力に対して、高剛性及び高耐力の性状を高めることができるという優れた効果を奏する。
木製部材には、溝部又は凹部が形成されており、板状部材には、溝部又は前記凹部と嵌合する凸条部又は突部が形成されていることによって、接着面積が増し、接着抵抗力を上げることができるという優れた効果を奏する。
板状部材は、鋼板、鉄板又はH形鋼のウェブであることによって、木製部材同士の接合構造は鋼板や鉄板のみならず、H形鋼のウェブに対しても適用することが可能であるという優れた効果を奏する。
本発明の実施例1に係る木製部材同士の接合構造の正面図である。 本発明の実施例1に係る木製部材同士の接合構造の内部構造を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る木製部材同士の接合構造の正面図である。 本発明の実施例3に係る木製部材同士の接合構造の正面図である。 本発明の実施例3に係る木製部材同士の接合構造の内部構造を示す斜視図である。 本発明の実施例4に係る木製部材同士の接合構造の正面図である。 本発明の実施例4に係る木製部材同士の接合構造の内部構造を示す斜視図である。 本発明の実施例5に係る木製部材同士の接合構造の内部構造を示す斜視図である。 本発明の実施例6に係る木製部材の接続部の構造の断面図である。 本発明の実施例6に係る木製部材の接続部の構造の正面図である。 実施例7に係る柱と梁との接合構造を示す正面図である。 図19のA−A線断面図である。 実施例7に係る柱と梁との接合構造を示す斜視図である。 実施例7に係る柱と梁との接合構造を示す斜視図である。 実施例8に係るポストテンション工法を示す正面図である。 実施例9に係る柱脚−基礎接合を示す斜視図である。 実施例10に係る柱脚先行降伏型架構を示す正面図である。 実施例11に係る直交方向接合具を示す斜視図である。 実施例11に係る直交方向接合具を示す斜視図である。 実施例12に係る柱と梁との接合構造を示す正面図である。 図20のB−B線断面図である。 実施例12に係る柱と梁との接合構造を示す斜視図である。 実施例12に係る柱と梁との接合構造を示す斜視図である。 梁かち柱脚先行降伏型架構を示す正面図である。 実施例13に係る柱と梁との接合構造を示す斜視図である。 実施例13に係る柱と梁との接合構造を示す斜視図である。 柱脚先行降伏架構を示す正面図である。 実施例14に係る木材と木材との接合構造を示す斜視図である。 実施例15に係る柱と梁との接合構造を示す平面図である。 実施例15に係る柱と梁との接合構造を示す平面図である。 実施例16に係る柱脚接合具の交換方法を説明する木材と棒状部材との斜視図である。 実施例16に係る柱脚接合具の交換方法を説明する木材と棒状部材との正面図である。 実施例17に係る柱、梁の交換方法を説明する柱と梁との正面図である。 (イ)は従来例に係る木構造における部材接合装置の正面図である。(ロ)は(イ)のA−A線に沿った断面図である。 (イ)実施例7に係るGIUA58を示す正面図である。(ロ)実施例7に係るGIUA58を示す正面図である。 実施例7に係るGIUA58を示す正面図である。 実施例18に係る柱−梁接合具を示す正面図である。 実施例18に係る柱−梁接合具を示す斜視図である。 実施例18に係る柱−梁接合具を示す斜視図である。 実施例19に係る直交方向の梁接合具を示す斜視図である。 実施例20に係る直交方向の梁接合具を示す斜視図である。 実施例21に係る直交方向の柱接合具を示す斜視図である。 実施例21に係る直交方向の柱接合具を示す斜視図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明は、図1及び図2に示すように、板状の一方の木製部材12と、板状の他方の木製部材13とを接合するための木製部材同士の接合構造11である。
この木製部材同士の接合構造11は、図1及び図2に示すように、一方の木製部材12と、他方の木製部材13との間に1枚の剛性を有する板状部材14が挟持されており、木製部材12、13と板状部材14との間には接着剤15が介在して、木製部材12、13同士が一体的に形成された構成である。
剛性を有する板状部材14は、具体的には、鋼板、鉄板又はH形鋼53のウェブである。つまり、木製部材同士の接合構造11は、鋼板や鉄板のみならず、H形鋼53のウェブに対しても適用することができる(図11乃至図13参照)。
木製部材同士の接合構造11は、木製部材12、13と板状部材14との間に接着剤15が介在して、木製部材同士が一体的に形成されていることによって、木製部材同士の一体性が向上し、大きな水平力に対して、高剛性及び高耐力の性状を高めることができる。
次に、木製部材同士の接合構造11の他の実施例について説明する。なお、理解を容易にするため、実施例1で説明した図面(図1及び図2)に対応する部分には、実施例1と同一の符号を付けて説明する。
図3は、実施例2に係る木製部材同士の接合構造11を示し、一方の木製部材12と、他方の木製部材13との間に1枚の剛性を有する板状部材14が内在されており、木製部材12、13と板状部材14との間には接着剤15が介在して、木製部材12、13同士が一体的に形成された構成である。
つまり、一方の木製部材12の内側には凹溝部12aが形成されると共に、他方の木製部材13の内側には凹溝部13aが形成されている。そして、この凹溝部12aと凹溝部13aとの間に板状部材14が内在(挟持)され、かつ板状部材14と凹溝部12a及び凹溝部13aとの間に接着剤15が介在した構成である。
図4及び図5は、実施例3に係る木製部材同士の接合構造11を示し、一方の木製部材12と、他方の木製部材13との間に2枚の剛性を有する板状部材14a、14bが挟持されており、木製部材12、13と板状部材14a、14bとの間には接着剤15が介在して、木製部材12、13同士が一体的に形成された構成である。
また、図4及び図5に示すように、板状部材14aと板状部材14bとの間に接着剤15を介在させても良いことは勿論であり、この場合は、木製部材12、13同士の一体性をいっそう向上させることができる。
図6及び図7は、実施例4に係る木製部材同士の接合構造11を示し、一方の木製部材12と他方の木製部材13とには、それぞれ溝部16が形成されており、板状部材14の上下両側には、溝部16と嵌合する凸条部17が形成されている。このように、溝部16及び凸条部17の存在によって、接着剤15による接着面積が増して、接着抵抗力を上げることができる。
図8は、実施例5に係る木製部材同士の接合構造11を示し、一方の木製部材12と他方の木製部材13とには、それぞれ凹部が形成されており、板状部材14には、凹部と嵌合するスタッドボルト等の棒状の突部18が形成されている。このように、凹部及び突部18の存在によって、接着剤15による接着面積が増して、接着抵抗力を上げることができる。
以上のように構成される木製部材同士の接合構造11は、一方の木製部材12と他方の木製部材13との間には、少なくとも1枚の剛性を有する板状部材14が挟持、又は内在されており、木製部材12、13と板状部材14との間には、接着剤15が介在して、木製部材12、13同士が一体的に形成されていることによって、木製部材12、13同士の一体性が向上し、大きな水平力に対して、高剛性及び高耐力の性状を高めることができる。
特に、木製部材同士の接合構造11を合成梁の構造に用いた場合は、曲げ・せん断に強くなるという特性を備える。また、合成柱の構造に用いた場合は、曲げ・せん断・圧縮に強くなるという特性を備える。
なお、出願人は、木製部材同士の接合構造11を「鋼板接着(GIP:glue in panel)」と称する。
次に、木製部材の接続部の構造31について説明する。この木製部材の接続部の構造31は、実施例7から実施例17で説明する木製柱と木製梁との接合構造において、前述した木製部材同士の接合構造11と共に用いられる。
この木製部材の接続部の構造31は、図9及び図10に示すように、木製部材32に孔部33が形成され、孔部33には接着剤34を介在した状態で棒状部材35が設けられ、棒状部材35の他端部35bは、木製部材32の外側に突出しており、棒状部材35は、一端部35a側に突部36が形成されていると共に、突部36よりも他端部35b側には接着剤34に直接接着させないための被覆部37が形成された構成である。
棒状部材35は、具体的には、鉄筋、PC鋼棒、アンカーボルト、アラミド又はカーボン等であり、所用の強度を備えるものであればよい。突部36は、具体的には、ボルト等の膨出部が一体的に形成されたものである。被覆部37は、具体的には、テープや剥離剤などであり、即ち、棒状部材35を接着剤34に直接接着させないために被覆できる被覆材料であればよい。
そして、棒状部材35の他端部35b側には、図示しない凸部やネジ溝等が形成され、この他端部35b側を図示しない他方の部材又は部分に接着やナット留め等の適宜の接合手段で接合する。
木製部材の接続部の構造31は、突部36の存在によって、接着剤34の中で抵抗要素になり、接着力が高まってアンカー効果を発揮することとなる。この抵抗要素は突部18と棒状部材に形成された膨出形状あるいは連続的な螺旋形状により構成する場合もある。
また、被覆部37の存在が、所謂アンボンド構造を成し、引っ張り力が生じたときに棒状部材35が引っ張られて塑性変形することで、高剛性、高耐力、靱性型の性状を持たせることとなる。従って、棒状部材35に引っ張り力が生じても木製部材の接続部が損傷することはない。
なお、出願人は、この木製部材の接続部の構造31を「接着アンボンドアンカー(GIUA:glue in unbonded anchor )」と称する。
また、棒状部材15に突部16又は複数の凸起部18が形成され、直接接着されないための被覆部17を設けず、突部16又は凸起部18が接着剤14の中で抵抗要素になり、接着力が高まってアンカー効果を発揮する接続部の構造を「接着ボンドアンカー(GIR:glue in Rod )」と称する。
GIRはGIUAと比較して、高剛性、高耐力ではあるが靱性型ではなく、脆性型である。
次に、図11から図14について説明する。
柱51は、2枚の木材で構成され、木材と木材との間にH形鋼53を挟持させ、一体性を高めるために、それらの隙間に接着剤を介在させる。梁52は、2枚の木材で構成され、各々の木材に鋼板54を一体化させるために、木材と鋼板54との隙間に接着剤を介在させる。H形鋼53の両サイドのフランジには、鋼板55を接合する。柱と梁は、鋼板55を鋼板54で両側から挟み込み、HTB(ハイテンションボルト)56で緊結する。HTB56の緊結を解くと、柱51と梁52との接合は解除される。H形鋼53のウエブには、柱脚鋼材57を接合し、GIUA58を挿入して柱脚鋼材57に接合する際に利用するスペース59を設ける。
GIUA58は、柱脚鋼材57を挟み込むように両側からナット状のものを固定し、引張及び圧縮の両方に対する抵抗要素とすることもできる。この場合、GIUA58の鋼板等57を挟むナット状のものとアンボンドの間にスペースAを設けておき、
引張及び圧縮の両方の抵抗要素とすることもできる。アンボンドとスペースAとの間には接着剤塞ぎを設ける(図35参照)。
あるいは、GIUA58と柱脚鋼材57の接合にバネ付きワッシャーや皿バネなどをもうけることで、GIUA58の引き抜き耐力を高める方法もある(図36参照)。
上記のスペース59を利用して柱脚接合を解除することができる。さらに、柱脚鋼材57の上部両端部には、上階の柱脚の建て方時の位置決めと、せん断補強を目的としたH形鋼53のフランジによる突出部60を設ける。上階に柱がない場合は、突出部60は設けない。
接着性能を向上させるためにH形鋼53のウエブ、鋼板54、55の表面に凹凸を設け、さらにH形鋼53、鋼板54には接着剤充填施工の際に利用する突起61を接合する。突起61は、突出部としても利用するために、木材に突起61の挿入孔を穿孔し、突起61と挿入孔との隙間に接着剤を充填する。この方法を柱・梁鋼板接着接合(柱・梁GIP)と称する。
高耐力・高剛性の柱−梁接合具(GIP)と変形性能の高い柱脚接合具(GIUA)とを組み合わせることで、大地震時に柱脚端部に塑性ヒンジを形成し、効率良くエネルギーを吸収する。
次に、図15について説明する。
低層階の柱51は、柱頭から基礎に緊張材62を通し、ポストテンションをかけることで、より大きな引き抜き耐力に抵抗させ、確実に柱・基礎のGIUA58とアンカーボルト63とを降伏させる。柱51及びH形鋼53に緊張材62を通す孔溝を穿孔する。スペース59に緊張機をセッティングし、緊張材62に緊張をかけ、柱脚鋼板57a、梁天端鋼板57bに接合する。この方法をポストテンション柱・梁GIPと称する。
次に、図16について説明する。
柱51には、GIUA58を接合する。柱51と基礎との間にH形鋼53を設置し、基礎にはアンカーボルト63を接合する。H形鋼53には、柱脚鋼板57a、基礎鋼板57b’、補強鋼板57cを接合する。柱脚鋼板57aにはGIUA58の挿入孔、基礎鋼板57b’にはアンカーボルト挿入孔を穿孔し、GIUA58とアンカーボルトとを柱脚鋼板57a及び基礎鋼板57b’に接合するために利用するスペース59を設ける。前記の実施例11と同様にポストテンションをかける際には、緊張材挿入孔を柱脚鋼板57aに穿孔し、緊張材62を柱脚鋼板57aにスペース59を利用して接合する。また、スペース59を利用して、柱51と基礎の接合、緊張材62の接合を解除することができる。さらに柱脚鋼板57aの上部両端部には、上階の柱脚の建て方時の位置決めとせん断補強を目的としたH形鋼53のフランジによる突出部60を設ける。この基礎と柱脚の間の鋼材を「接合架台」と称する。この方法を柱脚鋼板GIUAと称し、また、ポストテンションをかける場合はポストテンション柱脚鋼板GIUAと称する。
次に、図17について説明する。
柱脚先行降伏型架構の柱51−梁52の接合具は、高耐力・高剛性の接合具「柱・梁GIP81」(実施例10)とし、この「柱・梁GIP81」に固定される柱頭・柱脚接合具及び柱脚−基礎接合具(総称柱脚接合具)は高耐力で変形性能の高いGIUA58で構成する。柱脚−基礎接合具は「柱脚GIUA82」(実施例12)を用いる。また、低層階の柱は緊張材62(実施例11)と同様にポストテンションをかけることでより大きな引き抜き耐力に抵抗させ、確実に柱・基礎のGIUA58とアンカーボルト63とを降伏させる。
次に、図18及び図19について説明する。
柱51の長辺直交方向の柱や梁、耐震壁(総称して直交木製部材)の接合は、柱51のH形鋼53に鋼板64を接合し、直交木製部材と鋼板64とをHTB56により接合する。直交木製部材の鋼板の構成は必要耐力により計画する。例えば、持ち出し梁52’の場合、持ち出し梁52’は2つの木材で構成され、各々の木材に鋼板54を一体化させるために木材と鋼板の隙間(インターフェイス)に接着剤を充填する。柱51と持ち出し梁52’は、鋼板64を鋼板54で両側から挟み込みHTB56で緊結する。HTB56の緊結を解くと柱と梁の接合は解除される。この方法を直交GIPと称する。
次に、図20から図23について説明する。
梁かち柱脚先行降伏型の場合、梁52aは、2枚の木材で構成され、木材と木材の間に鋼板65を挿入し、一体性を高めるために隙間に接着剤を充填する。柱51aも2枚の木材で構成され、各々の木材に鋼板56を一体化させるために、木材と鋼板の隙間に接着剤を充填する。柱51bも同様に2枚の木材で構成され、各々の木材にGIUA58を接合する。
梁52aと柱51aとは、鋼板65を鋼板66で両側から挟み込み、HTB(ハイテンションボルト)56で緊結する。HTB56の緊結を解くと梁52aと柱51aとの接合は解除される。また、鋼板65にはH形鋼53を接合し、H形鋼53に柱脚鋼板57a、梁天端鋼板57b、補強鋼板57cを接合しておく。このH形鋼53にGIUA58を接合する際に利用するスペース59を設け、このスペースを利用して柱51bの柱脚接合を解くことができる。さらに柱脚鋼材57bの上部両端部には上階の柱脚の建て方時の位置決めと、せん断補強を目的としたH形鋼53フランジによる突出部60を設ける。上階に柱がない場合は、突出部60は設けない。
梁52bを継ぐ際には、梁52bに鋼板54を一体化させ、鋼板65を上記と同様に両側から挟み込みHTB56で緊結する。
接着性能を向上させるために鋼板65,66、54の表面に凹凸を設け、さらに木材と鋼板65、66、54には、接着剤充填施工の際に利用する突起61を接合する。突起61は、突出部としても利用するために、木材に突起61の挿入孔を穿孔し、突起61と挿入孔との隙間に接着材を充填する。なお、実施例11と同様にポストテンションをかけることもできる。この方法を梁かち鋼板接着接合(梁かちGIP)と称する。
次に、図24について説明する。
梁・柱頭の接合具は、高耐力・高剛性の接合具「梁かちGIP83」とし、梁・柱脚接合具、柱脚−基礎接合具は高耐力で変形性能の高い接合GIUA58で構成する梁かち柱脚先行降伏型架構も可能である。
また、低層階の柱は緊張材62(実施例11参照)にポストテンションをかけることでより大きな引き抜き耐力に抵抗させ、確実に柱・基礎のGIUA58とアンカーボルト63を降伏させる。
次に、図25及び図26について説明する。
通柱柱脚先行降伏型の場合は、柱51は、木材と木材の間にH形鋼53を挿入し、一体性を高めるために隙間(インターフェイス)に接着剤を充填する。梁52は、2枚の木材で構成され、各々の木材に鋼板54を一体化させるために、木材と鋼板の隙間に接着剤を充填する。H型鋼の両サイドのフランジには、鋼板55を接合する。柱51と梁52は、鋼板55を鋼板54で両側から挟み込み、HTB56で緊結する。接着性能を向上させるためにH形鋼53のウェブ、鋼板54、55の表面に凹凸を設け、さらに木材とH型鋼53鋼板54には、接着剤充填施工の際に利用する突起61を接合する。突起61は突出部としても利用するために、木材に突起61の挿入孔を穿孔し、突起61と挿入孔の隙間(インターフェイス)に接着材を充填する。この方法を通柱鋼板接着接合(柱・梁GIP)と称する。
この方法は、通柱鋼板接着接合(通柱GIP)と称する。なお、実施例11と同様に緊張材62によりポストテンションをかけることもできる。この方法は、ポストテンション通柱鋼板接着接合(ポストテンション通柱GIP)と称する。
次に、図27について説明する。
各階で柱脚を先行降伏させるのではなく、例えば2層分の通し柱を用い、2層おきに先行降伏する柱脚を設けるなど通し柱と組み合わせた柱脚先行降伏架構がある。この場合、柱−梁接合具は、高耐力・高剛性の接合具「柱・梁GIP81」(実施例10参照)、通し柱−梁接合具は、高耐力・高剛性の接合具「通柱GIP84」(実施例16参照)とする。柱頭−柱脚接合具及び柱脚−基礎接合具は、高耐力・高剛性で変形性能の高い接合具GIUA58で構成する。
同様に梁かち柱脚先行降伏架構の場合は、各階で柱脚を先行降伏させるのではなく、例えば2層分の通し柱を用い、2層おきに先行降伏する梁かちの柱脚を設けるなど通し柱と組み合わせる。通し柱−梁接合具は、高耐力・高剛性の接合具「通柱GIP84」とし、それ以外の接合具の構成は、実施例13の柱かち柱脚先行降伏架構と同じである。
次に、図28について説明する。
木材と木材との間に鋼板54aを挿入し、一体性を高めるために隙間(インターフェイス)に接着剤を充填する。もう一方は2枚の木材で構成され、各々の木材に鋼板54bを一体化させるために、木材と鋼板の隙間(インターフェイス)に接着剤を充填する。鋼板54aを鋼板54bで両側から挟み込み、HTB56で緊結する。HTB56の緊結を解くと、これら2つ木材の接合は解除される。さらに木材と鋼板54a、54bの接合と接着剤充填施工の際に利用する突起物61を接合する。この方法は、継手鋼板接着接合(継手GIP)と称する。
次に、図29について説明する。
高層化する場合には、より大きな耐力を要求される。柱や梁の断面積を大きくすることでより大きな地震力に抵抗することができる。
[1]柱3枚、梁3枚構成
実施例10で構成された柱・梁GIPの場合は、例えば、柱51が3枚・H型鋼53が2つ、梁52が3枚・鋼板54が2セットで構成する。H型鋼の両サイドのフランジには、鋼板55を接合する。柱と梁は、鋼板55を鋼板54で両側から挟み込み、HTB56で緊結する。HTB56の緊結を解くと柱と梁の接合は解除される。必要耐力に応じて、実施例10の柱・梁GIPの構成を重ねていくことで、高剛性・高耐力を実現する。同様に、梁かちGIP、通柱GIP、継手GIPでも木材・鋼板の構成を重ねることで、接合部の高剛性・高耐力を実現する。同様に、ポストテンション柱・梁GIP、ポストテンション梁かちGIP、ポストテンション通柱GIPも同様に構成できる。
次に、図30について説明する。
[2]柱4枚、梁4枚構成
実施例10で構成された柱・梁GIPの場合、例えば、柱51が4枚・H型鋼53が2つ、梁52が4枚・鋼板54が2セットで構成する。柱と梁は、鋼板55を鋼板54で両側から挟み込み、HTB56で緊結する。HTB56の緊結を解くと柱と梁の接合は解除される。必要耐力に応じて、実施例10の柱・梁GIPの構成を重ねていくことで高剛性・高耐力を実現する。同様に、梁かちGIP、通柱GIP、継手GIPでも木材・鋼板の構成を重ねることで接合部の高剛性・高耐力を実現する。同様に、ポストテンション柱・梁GIP、ポストテンション梁かちGIP、ポストテンション通柱GIPも同様に構成できる。
次に、図31及び図32について説明する。
損傷の生じた柱脚接合具の交換方法は、木製部材71に接着剤でアンカーされた端部に突起74を有する棒状部材75が水平力で降伏した場合には、孔72又は横溝73に沿って溝状に切削し、接着剤及び端部に突起74を有する棒状部材75を取り除いて、新しい端部に突起74を有する棒状部材75と交換する。孔又は横溝は木材などで蓋78をし、接着剤76を充填することで新しいGIUAを構成する。この方法をRGIUA(replacing glue in unbonded anchor )と称する。
次に、図33について説明する。
HTB56により緊結する柱51、梁52及び梁継手は、HTB56を外すことで分離可能となる。また、柱頭・柱脚接合具のGIUA58及び柱脚・基礎接合具のアンカーボルト63のナットを外すことで柱頭・柱脚及び柱脚・基礎は分離可能となる。想定外の水平力や、長期間の使用による劣化、火災等により、柱及び梁に損傷が生じた場合には、当該躯体を分離し容易に交換可能とする。
次に、図37から図39について説明する。
変形性能の高い接続具(GIUA)を柱−梁のジョイントに組み合わせることで、大地震時に梁及び柱頭・柱脚に塑性ヒンジを形成し、全体崩壊形の架構とすることで効率良くエネルギーを吸収するという課題を、次の手段で具体的に解決する。
柱91、92及び梁93の端部には、それぞれGIUA95を施行する(柱及び梁は二枚合わせではない)。柱91、92は、柱ジョイントボックス(登録商標)96とGIUA95の端部に取り付けたナット99により緊結する。同様に、梁93は、梁ジョイントボックス(登録商標)97とGIUA95の端部に取り付けたナット99により緊結する。また、柱ジョイントボックス(登録商標)96と梁ジョイントボックス(登録商標)97とはHTB98により緊結する。ジョイントボック96とジョイントボックス(登録商標)97とは分けて製作することにより、現場にて建て方をする際に、ジョイントボックス(登録商標)96を接続した下階の柱91を建てた後、ジョイントボックス(登録商標)97を接続した梁93を上から挿入することができる。梁93を挿入後、HTB98を緊結し、上階の柱92をその上に建てる。ジョイントボックス(登録商標)96、97には、柱・梁GIUAと同様に、せん断補強を目的とした突出部100を設ける。
また、GIUA95は、挿入孔の出口側にアンボンド加工を施したナット107を設けることで、柱−梁接合部の回転によりGIUA95に圧縮力が加わる場合にも抵抗することができる。
なお、柱91の端部にGIUA95の代わりに、GIUA95より高剛性・高耐力のGIRを設け、全体崩壊形の安全性を確保する方法もある。さらに、柱ジョイントボックス(登録商標)96の下端に板状部材を接合し、この板状部材を柱91に設けたスリットに挿入してGIP接合を用いる方法もある。
次に、図40について説明する。
柱91の直交方向の梁101の接合は、柱ジョイントボックス(登録商標)96に鋼板102を接合し、直交方向梁101に設けた溝に鋼板102を挿入し、ドリフトピン103により接合する。
次に、図41について説明する。
外柱91に直交方向の梁101を柱、梁外面合わせで接合する場合には、柱ジョイントボックス(登録商標)96の端部の鋼板102を直交方向に延長し、直交方向梁101に設けた溝に鋼板102を挿入し、ドリフトピン103により接合する。
また、ポストテンションGIP工法と同様に、外柱91に緊張材104によりポストテンションをかける場合には、柱ジョイントボックス(登録商標)96のスペース105を利用して、緊張機をセッティングする。
次に、図42及び図43について説明する。
柱91に直交方向の柱106を接合する場合には、前述の柱ジョイントボックス(登録商標)96に直交方向のボックスを組み合わせたジョイントボックス(登録商標)96’を柱91とGIUA95により接合し、直交方向柱106にはジョイントボックス(登録商標)96をGIUA95により接合する。ジョイントボックス(登録商標)96とジョイントボックス(登録商標)96’とはHTB98で緊結する。
1 通しプレート
2 一方の木製梁部材
2a、2b 部材要素
3 他方の木製梁部材
3a、3b 部材要素
4 ボルト・ナット手段
5 端部プレート
6 貫通孔
7 木栓
8 棒状部材
11 木製部材同士の接合構造
12 一方の木製部材
12a 凹溝部
13 他方の木製部材
13a 凹溝部
14、14a、14b 板状部材
15 接着剤
16 溝部
17 凸条部
18 突部
31 木製部材の接続部の構造
32 木製部材
33 孔部
34 接着剤
35 棒状部材
35a 一端部
35b 他端部
36 突部
37 被覆部
51、51a、51b 柱
52、52a、52b 梁
52’持ち出し梁
53 H形鋼
54、54a、54b 鋼板(梁接着)
55 鋼板(H形鋼フランジ溶接)
56 HTB(ハイテンションボルト)
57 柱脚鋼材
57a 柱脚鋼板
57b 梁天端鋼板
57b’基礎鋼板
57c 補強鋼板
58 GIUA:glue in unbonded anchor(接着アンボンドアンカー)
59 スペース
60 突出部
61 突起
62 緊張材
63 アンカーボルト
64 鋼板(H形鋼に直交方向溶接)
65 鋼板(梁かちの場合の梁接着鋼板)
66 鋼板(梁かちの場合の柱接着鋼板)
67 板状部材
71 木製部材
72 孔
73 横溝
74 突起
75 棒状部材
76 接着剤
77 アンボンド保護
78 蓋
79 アンボンド緊張材
80 接合架台(基礎)
81 柱・梁GIP
82 柱脚GIUA
83 梁かちGIP
84 通柱GIP

Claims (3)

  1. 板状の一方の木製部材と板状の他方の木製部材とを接合するための木製部材同士の接合構造であって、
    前記一方の木製部材と前記他方の木製部材との間には、少なくとも1枚の剛性を有する板状部材が挟持又は内在されており、
    前記木製部材と前記板状部材との間には、接着剤が介在して、前記木製部材同士が一体的に形成されていること
    を特徴とする木製部材同士の接合構造。
  2. 前記木製部材には、溝部又は凹部が形成されており、
    前記板状部材には、前記溝部又は前記凹部と嵌合する凸条部又は突部が形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の木製部材同士の接合構造。
  3. 前記板状部材は、鋼板、鉄板又はH形鋼のウェブであること
    を特徴とする請求項1に記載の木製部材同士の接合構造。
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