JP6913837B1 - 木質構面ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】配管用スペースを容易に確保でき、かつ長スパン化が可能な、木質構面ユニットを提供する。【解決手段】木質構面ユニット1Aは、構造物の屋根または床7を形成する木質構面ユニット1Aであって、木質板で形成される木質フランジ部11と、木質材によりトラス構造として構成され、木質フランジ部11の上面または下面に接合される横架材13と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、木質構面ユニットに関する。
例えば特許文献1には、木質の梁に、乾式床パネルとしての床版を備えた構成が開示されている。この構成において、床版は、軽量気泡コンクリートによって形成された板状の部材の上下面に、鋼板をそれぞれ一体に設けたものとなっている。
また、特許文献2には、一対の梁材の間に、平板状の木質パネルと、平板状の床版とを防振材を介して上下方向に間隔をあけて設ける構成が開示されている。
また、特許文献3には、梁の上に架け渡された剛床パネルと、その上に敷設された石膏ボードと、石膏モード上に複数の支持脚を介して設けた矩形木質パネルと、を備える構成が開示されている。
特許文献1〜3に開示されたような構成では、いずれも、床面を形成する床版やパネルを木質系の材料で形成した場合、その曲げ剛性に限りがあるため、梁の間隔(スパン)を長くするのが難しい。
これに対し、水平面に沿って設置されるパネルからなるフランジ材と、フランジ材に直交して上下方向に延びるウェブ材と、を一体化した木質系のパネルユニット材を用いる構成が提案されている。このようなパネルユニット材は、ウェブ材の上下にそれぞれフランジ材を備える構成とすることもある。このようなパネルユニット材は、ストレストスキンパネル等と称されている。このパネルユニット材において、ウェブ材は、板材等により形成されており、パネルに沿って水平方向に連続するビーム状に設けられている。ウェブ材がフランジ材に接合されることで、フランジ材の曲げ剛性を高められる。このようなパネルユニットを、梁間に架け渡すことで、梁のスパンの長大化を可能としている。
しかしながら、上記したようなパネルユニット材では、ウェブ材が、上下方向(せい方向)に長く、延伸方向に延びたビーム状とされている。このようなパネルユニット材を用いて床や屋根を形成すると、パネルユニット材がボックス状に閉じているので、床下や屋根裏に配管や配線を通すときには、ウェブ材に、配管や配線を挿通するための貫通孔を形成しなければならず、配管用スペースを確保するのに手間が掛かる。
特開2015−218504号公報 特開2018−204236号公報 特開2011−256531号公報
本発明の目的は、配管用スペースを容易に確保でき、かつ長スパン化が可能な、木質構面ユニットを提供することである。
本発明者らは、構造物の木質構面構造として、屋根または床面を形成する木質フランジ部と、当該木質フランジ部の下面側または上面側に立設される横架材とを接合させて、縦断面がコ型状、T型状あるいは木質フランジ部が上下に配置された木質構面ユニットを開発した。横架材には、木質フランジ部の長手方向に沿って、I型状の一様断面を有する木質材を配置するのではなく、木質材でトラス構造を形成させることで、軽量でありながら優れた曲げ剛性を確保して、木質構面ユニットの長スパン化を実現した。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の木質構面ユニットは、構造物の屋根または床を形成する木質構面ユニットであって、木質板で形成される木質フランジ部と、木質材によりトラス構造として構成され、前記木質フランジ部の上面または下面に接合される横架材と、を備えることを特徴とする。
このような構成の木質構面ユニットによれば、木質フランジ部と、木質材によるトラス構造として構成される横架材とが接合されている。木質構面ユニットは、木質フランジ部が横架材によって補強されるため、力学的特性(断面二次モーメント)が大きくなり、曲げ剛性が向上する。これにより、木質構面ユニットの長スパン化を図ることができる。
また、横架材はトラス構造であるので、トラス構造を形成する木質材同士の間に、配管や配線を容易に通すことができる。したがって、配管や配線を挿通させるための貫通孔を形成する必要も無く、施工を容易に行うことができる。
したがって、配管用スペースを容易に確保でき、かつ長スパン化が可能となる。
本発明の一態様においては、本発明の木質構面ユニットは、前記横架材が、上弦材、下弦材、及び連結材を備え、前記上弦材と前記下弦材が前記連結材により連結されて前記トラス構造が形成され、前記木質フランジ部に前記上弦材または前記下弦材が接着剤、ボルト、ビス、ダボのうち少なくとも1つを設けることによって接合され、前記接着剤は、前記木質フランジ部と前記上弦材または前記下弦材との接合面の全面にわたって、または前記接合面に一定の間隔おきに設けられ、前記ボルト、前記ビス、または前記ダボは、前記接合面に一定の間隔おきに設けられている。
このような構成によれば、上弦材、下弦材、及び連結材によって、トラス構造の横架材が形成される。このような横架材の上弦材または下弦材が、木質フランジ部に接合されることで、曲げ剛性の高い木質構面ユニットが構成される。横架材の上弦材または下弦材が、接着剤、ボルト、ビス、ダボにうちの少なくとも1つを用いて接合面の全面または一定の間隔おきに木質フランジ部に接合することで、木質フランジ部と横架材とを容易に接合することができる。
本発明の一態様においては、本発明の木質構面ユニットは、前記木質フランジ部の端部には、連結金物が設けられている。
このような構成によれば、木質構面ユニットを構成する木質フランジ部の端部に連結金物が設けられることで、この連結金物を介し、木質構面ユニットを、梁等の他の部材に接合することができる。これにより、木質構面ユニットと他の部材との接合構造の自由度を高めることができる。
本発明の一態様においては、本発明の木質構面ユニットは、一の前記木質フランジ部と、他の前記木質フランジ部を備え、前記横架材は、前記一の木質フランジ部の下面と、前記他の木質フランジ部の上面との間に挟まれて、これら各々に接合されている。
このような構成によれば、木質構面ユニットは、一の木質フランジ部と他の木質フランジ部の、複数の木質フランジ部を備えているため、強度を高めることができる。
また、例えば火災等により、一の木質フランジ部と他の木質フランジ部の一方が燃焼、破損した場合においても、他方と横架材によりトラス構造が維持されるため、木質構面ユニットにより形成される架構体を維持し、構造物の倒壊を抑制することができる。
本発明によれば、配管用スペースを容易に確保でき、かつ長スパン化が可能となる。
本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットの構成を示す斜視図である。 図1の木質構面ユニットの側面図である。 本実施形態における木質構面ユニットの取付例を示す平面図である。 図3のI−I部分の断面図である。 本実施形態における木質構面ユニットの木質フランジ部に設けられた連結金物を示す部分拡大平面図である。 図5のII−II部分の断面図である。 本実施形態における木質構面ユニットにおいて、互いに隣り合う木質フランジ部同士の接合部を示す平面図である。 本実施形態における木質構面ユニットにおいて、互いに隣り合う木質フランジ部同士の接合部を長手方向、短手方向から視た側面図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットの第1変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットの第2変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットの第3変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットの他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットのさらに他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットにおいて木質フランジ部に設けられた連結金物の変形例の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットにおいて木質フランジ部に設けられた連結金物の他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットにおいて木質フランジ部に設けられた連結金物のさらに他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットの構成を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットの変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットの他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットのさらに他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットのさらに他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットのさらに他の変形例の構成を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットのさらに他の変形例の構成を示す図である。
本発明は、木質フランジ部と、トラス構造が形成された横架材とで構成される木質構面ユニットである。具体的には、木質構面ユニットは、木質材からなるトラスで構成される横架材の上端側または下端側の一方のみに木質フランジ部が接合された、コ型状またはT型状の縦断面を有する実施形態と、横架材の上端側及び下端側に、其々木質フランジ部が接合された、木質フランジ部が上下に設置された実施形態がある。
以下、添付図面を参照して、本発明による木質構面ユニットを実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る木質構面ユニットの構成を示す斜視図を図1に示す。図2は、図1の木質構面ユニットの側面図である。
図1、図2に示されるように、木質構面ユニット1Aは、木質フランジ部11と、横架材13と、を備えている。このような木質構面ユニット1Aは、構造物の床7を形成する。
木質フランジ部11は、上下方向Dvに直交する水平面に沿った木質板からなる。木質フランジ部11は、上下方向Dvからの平面視で、長方形状をなしている。木質フランジ部11は、その短手方向Dwに、所定の幅を有し、長手方向Daに連続して延びている。
本実施形態においては、木質フランジ部11は、CLT(Cross Laminated Timber:クロス・ラミネイティド・ティンバー)材である。CLT材は、ラミナと呼ばれるひき板を水平面内に並べた層(プライ)を、板の繊維方向が直交するように積層、接着した板材である。
後に検討結果として説明するように、木質フランジ部11としては、CLT材が望ましい。しかし、スパンの長さが短い等、CLT材程の強度が必要とされない場合においては、木質フランジ部11に、例えば、LVL(Laminated Veneer Lumber:ラミネイティド・ベニア・ランバー)材や、通常の合板を用いることも可能である。LVL材は、ひき板の単板を主としてその繊維方向を互いにほぼ平行にして積層接着した材料である。
横架材13は、上方の木質フランジ部11の下側に設けられている。横架材13は、木質材からなるトラス構造として構成されている。本実施形態において、横架材13は、木質フランジ部11の短手方向Dwの両端部にそれぞれ配置されている。つまり、木質構面ユニット1Aは、長手方向Daから見た断面形状が、逆U字状をなしている。
各横架材13は、上弦材14、下弦材15、及び連結材16を備えている。上弦材14と下弦材15とは、上下方向Dvに間隔をあけて互いに平行に配置されている。上弦材14、下弦材15は、それぞれ、長手方向Daに延びている。連結材16は、上弦材14と下弦材15との間に配置されている。連結材16は、その上下の端部が、上弦材14、下弦材15に接合されている。連結材16として、長手方向Daに一定の間隔を空けて配置された複数の束材16aと、長手方向Daで互いに隣り合う束材16a同士の間に設けられた斜材16bと、が設けられている。本実施形態において、横架材13は、いわゆるプラットトラス構造とされている。すなわち、斜材16bは、下方に向かって、横架材13の長手方向Daの中央部側に傾斜して設けられている。横架材13には、上弦材14、下弦材15、及び連結材16の間に、短手方向Dwに貫通する複数の開口17が形成されている。
このような横架材13は、上下方向Dvに所定の高さを有して形成されている。横架材13は、長手方向Daに沿って連続して延びている。
横架材13の上弦材14は、上側の木質フランジ部11の下面に接合材18によって接合されている。このような接合材18としては、例えば、接着剤、ボルト、ビス、ダボのうち少なくとも1つを用いることができる。接合材18としては、例えば、接着剤、ボルト、ビス、ダボのうちの2つ以上を組み合わせてもよい。接合材18が、長手方向Daに沿って予め定められた一定の間隔おきに配されることによって、上弦材14と木質フランジ部11とが接合されている。接合材18に、接着剤を用いる場合、接着剤は、長手方向Daに連続して、接合面の全面にわたって配するようにしてもよい。
図3は、本実施形態における木質構面ユニットの取付例を示す平面図である。図4は、図3のI−I部分の断面図である。
図3、図4に示されるように、このような木質構面ユニット1Aは、構造物の躯体において互いに隣り合う梁3間に架け渡されている。この構造物の躯体は、柱2と、梁3と、を有している。柱2は、水平方向に間隔をあけて複数配置されている。梁3は、水平方向で互いに隣り合う柱2間に架設されている。木質構面ユニット1Aは、水平方向で互いに隣り合う梁3間に、複数本が架設されている。複数本の木質構面ユニット1Aは、短手方向Dwに並べて配置されている。
各木質構面ユニット1Aは、長手方向Daの両端部で、横架材13が、図示しない接合金具等によって梁3に接合されている。また各木質構面ユニット1Aの上側の木質フランジ部11は、長手方向Daの両端部11a、11bが、梁3上に載置されている。
各柱2は、上下方向Dvに複数本の柱材4を接合することで構成されている。互いに上下に位置する柱材4同士は、例えば、上下方向に延びるダボピン又は鋼管5を介して接合されている。ダボピン又は鋼管5は、下方の柱材4Aの上端と、上方の柱材4Bの下端にそれぞれ挿入されることで、上下の柱材4A、4B同士を水平方向で拘束している。上下の柱材4A、4B同士の接合面は、木質構面ユニット1Aの木質フランジ部11の下面と上下方向Dvで同レベルに設定されている。上方の柱材4Bの下端部には、柱材4Bの表面から一定の深さだけ切削されたように形成された、柱材4Bの内側に窪んだ凹部4sが設けられている。凹部4sは、凹部4sの内側の、柱材4Bの中心部分が、上下方向Dvからの断面視で、矩形状をなすように形成されている。
各柱2に隣接する木質構面ユニット1Aにおいては、木質フランジ部11の角部に、凹部4sが嵌まり込む切欠き11sが形成されている。切欠き11sに凹部4sが嵌まり込むことで、柱2と木質構面ユニット1Aとが水平面内で相対回転するのを拘束している。
図5は、本実施形態における木質構面ユニットの木質フランジ部に設けられた連結金物を示す部分拡大平面図である。図6は、図5のII−II部分の断面図である。
図5に示されるように、各木質構面ユニット1Aの上側の木質フランジ部11は、長手方向Daの端部11aに、連結金物20が設けられている。木質フランジ部11の端部11aには、上下方向の中間部に、スリット11hが形成されている。連結金物20は、長手方向Daに延びる金属製の帯板状をなし、その一端部20aが、スリット11h内に挿入されている。連結金物20には、複数の孔20hが形成されている。連結金物20は、木質フランジ部11を通して各孔20hに、ボルト、ビス、ピン等を挿入することで、木質フランジ部11に固定される。図6においては、連結金物20がドリフトピン30によって固定された形態が示されている。連結金物20の他端部20bは、木質フランジ部11の端部11aから長手方向Daに突出している。木質フランジ部11の端部11aは、梁3を挟んで長手方向Daで対向する他の木質構面ユニット1Aの木質フランジ部11や、構造物の躯体を構成する壁や柱、梁等に形成されたスリット(図示無し)に挿入・固定される。
図7は、互いに隣り合う木質フランジ部同士の接合部を、上下方向から見た平面図である。図8(a)、(b)は、それぞれ、幅方向で互いに隣り合う木質フランジ部同士の接合部を、上下方向Dvにそれぞれ直交する長手方向Da、短手方向Dwから視た側面図である。
短手方向Dwで互いに隣り合う木質構面ユニット1Aの木質フランジ部11同士は、例えば、接合具22を用いて接合されている。接合具22は、ビス、釘、またはボルトである。特に本実施形態においては、接合具22は、軸部の表面に全体的にネジが形成された、全ネジ型のビスである。
接合具22は、第1接合具22A、第2接合具22B、第3接合具22C、及び第4接合具22Dを備えている。各接合具22A、22B、22C、22Dは、木質フランジ部11間の接合面JPを跨いで、互いに隣り合う木質フランジ部11に貫入されている。各接合具22A、22B、22C、22Dは、木質フランジ部11の表面11fと、木質フランジ部11同士の接合面JPと、表面11f及び接合面JPの双方に直交する仮想直交平面OPとに対し、それぞれ角度をつけて斜めに延びている。
第1接合具22A、及び第3接合具22Cは、接合面JPを挟んだ一方の側の木質フランジ部11Aから木質フランジ部11Aの内部を貫通し、他方の側の木質フランジ部11Bに向かって貫入されている。第1接合具22A、及び第3接合具22Cは、頭部22aが一方の側の木質フランジ部11Aの表面11f近傍に位置し、先端部22eが他方の側の木質フランジ部11B内に位置している。
第2接合具22B、及び第4接合具22Dは、接合面JPを挟んだ他方の側の木質フランジ部11Bから木質フランジ部11Bの内部を貫通し、一方の側の木質フランジ部11Bに向かって貫入されている。第2接合具22B、及び第4接合具22Dは、頭部22aが他方の側の木質フランジ部11Bの表面11f近傍に位置し、先端部22eが一方の側の木質フランジ部11A内に位置している。
第1接合具22Aと、第3接合具22Cとは、先端部22e同士が近傍に位置し、それぞれの頭部22aに向けてV字状に延びるように配置されている。また、第2接合具22Bと、第4接合具22Dとは、先端部22e同士が近傍に位置し、それぞれの頭部22aに向けてV字状に延びるように配置されている。
(作用効果)
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
上述したような木質構面ユニットによれば、構造物の床7を形成する木質構面ユニット1Aであって、木質板で形成される木質フランジ部11と、木質材によりトラス構造として構成され、木質フランジ部11の下面に接合される横架材13と、を備える。
このような構成の木質構面ユニット1Aによれば、木質フランジ部11と、木質材によるトラス構造として構成される横架材13とが接合されている。木質構面ユニット1Aは、木質フランジ部11が横架材13によって補強されるため、力学的特性(断面二次モーメント)が大きくなり、曲げ剛性が向上する。これにより、木質構面ユニット1Aの長スパン化を図ることができる。
また、横架材13はトラス構造であるので、トラス構造を形成する木質材同士の間の開口17に、配管や配線を容易に通すことができる。したがって、配管や配線を挿通させるための貫通孔を形成する必要も無く、施工を容易に行うことができる。
したがって、配管用スペースを容易に確保でき、かつ長スパン化が可能となる。
特に、横架材13がトラス構造ではなく、貫通孔を有さない板材であるような、通常の構造においては、配管のために横架材に貫通孔を設けると、横架材の断面形状、断面積が変化する。このため、貫通孔を設けるたびに、横架材の性能実験を行う必要に迫られる。
これに対し、上記のような木質構面ユニット1Aにおいては、横架材13がトラス構造であるために開口17が予め設けられており、新たに貫通孔を設ける必要がない。すなわち、横架材の性能実験を何度も行わずとも済むため、建築構造物の設計、施工が容易となる。
また、横架材13は、上弦材14、下弦材15、及び連結材16を備え、上弦材14と下弦材15が連結材16により連結されてトラス構造が形成されている。木質フランジ部11に上弦材14または下弦材15が接着剤、ボルト、ビス、ダボのうち少なくとも1つを設けることによって接合され、接着剤は、木質フランジ部11と上弦材14または下弦材15との接合面の全面にわたって、または接合面に一定の間隔おきに設けられ、ボルト、ビス、またはダボは、接合面に一定の間隔おきに設けられている。
このような構成によれば、上弦材14、下弦材15、及び連結材16によって、トラス構造の横架材13が形成される。このような横架材13の上弦材14または下弦材15が、木質フランジ部11に接合されることで、曲げ剛性の高い木質構面ユニット1Aが構成される。横架材13の上弦材14または下弦材15が、接着剤、ボルト、ビス、ダボにうちの少なくとも1つを用いて接合面の全面または一定の間隔おきに木質フランジ部11に接合することで、木質フランジ部11と横架材13とを容易に接合することができる。
また、木質フランジ部11の端部11aには、連結金物20が設けられている。
このような構成によれば、木質構面ユニット1Aを構成する木質フランジ部11の端部11aに連結金物20が設けられることで、この連結金物20を介して木質構面ユニット1Aを、梁等の他の部材に接合することができる。これにより、木質構面ユニット1Aと他の部材との接合構造の自由度を高めることができる。
(第一実施形態の第1変形例)
なお、本発明の木質構面ユニットは、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、木質構面ユニット1Aが、上側に設けられた木質フランジ部11と、木質フランジ部11の短手方向Dwの両側に設けられた横架材13とを有する逆U字状としたが、これに限らない。
例えば、図9に示すように木質構面ユニット1Bは、木質フランジ部(一の木質フランジ部)11と、木質フランジ部(他の木質フランジ部)12の、複数の木質フランジ部11、12と、横架材13と、を備えている。木質フランジ部11、12は、上下方向Dvに間隔をあけて配置されている。木質フランジ部11、12は、それぞれ上下方向Dvに直交する水平面に沿う木質板からなる。木質フランジ部11、12には、例えば、CLT材を用いるのが好ましい。木質フランジ部11、12には、LVL材や、通常の合板を用いることも可能である。
横架材13は、上方の木質フランジ部11と、下方の木質フランジ部12との間に設けられている。本変形例において、横架材13は、木質フランジ部11、12の短手方向Dwの両端部にそれぞれ配置されている。つまり、木質構面ユニット1Bは、長手方向Daに延びる角筒状をなしている。
上側に設けられて床面を形成する木質フランジ部11の下面には、横架材13の上弦材14が接合されている。下側に設けられた木質フランジ部12の上面には、横架材13の下弦材15が接合されている。
上記のような木質構面ユニット1Bは、一の木質フランジ部11と、他の木質フランジ部12を備え、横架材13は、一の木質フランジ部11の下面と、他の木質フランジ部12の上面との間に挟まれて、これら各々に接合されている。
このような構成によれば、木質構面ユニット1Bは、一の木質フランジ部11と他の木質フランジ部12の、複数の木質フランジ部11、12を備えているため、強度を高めることができる。
また、例えば火災等により、一の木質フランジ部11と他の木質フランジ部12の一方が燃焼、破損した場合においても、他方と横架材13によりトラス構造が維持されるため、木質構面ユニット1Bにより形成される架構体を維持し、構造物の倒壊を抑制することができる。
(第一実施形態の第2変形例)
例えば、図10に示すように木質構面ユニット1Cは、木質フランジ部11と、横架材13と、を備えている。横架材13は、上方の木質フランジ部11の下面に接合されている。本変形例において、横架材13は、木質フランジ部11の短手方向Dwの中間部に配置されている。つまり、木質構面ユニット1Cは、長手方向Daから見た断面形状が、T字状をなしている。
(第一実施形態の第3変形例)
例えば、図11に示すように木質構面ユニット1Dは、木質フランジ部(一の木質フランジ部)11と、木質フランジ部(他の木質フランジ部)12の、複数の木質フランジ部11、12と、横架材13と、を備えている。木質フランジ部11、12は、上下方向Dvに間隔をあけて配置されている。横架材13は、上方の木質フランジ部11と、下方の木質フランジ部12との間に設けられている。本変形例において、横架材13は、木質フランジ部11、12の短手方向Dwの中間部に配置されている。つまり、木質構面ユニット1Dは、長手方向Daから見た断面形状が、H字状をなしている。
上側に設けられて床面を形成する木質フランジ部11の下面には、横架材13の上弦材14が接合されている。下側に設けられた木質フランジ部12の上面には、横架材13の下弦材15が接合されている。
(その他の変形例)
また、上記第一実施形態において、横架材13をプラットトラス構造としたが、これに限らない。例えば、図12に示すように、横架材13の連結材16を、斜材16cが、下方に向かって、横架材13の長手方向Daの中央部側から両端部に傾斜して設けられた、ハウトラス構造としてもよい。また、図13に示すように、横架材13の連結材16を、下方に向かって横架材13の長手方向Daの中央部側に傾斜した斜材16dと、下方に向かって横架材13の長手方向Daの端部側に傾斜した斜材16eとを交互に設けた、ワーレントラス構造としてもよい。
また、上記第一実施形態では、木質構面ユニット1Aの上側の木質フランジ部11に埋設した連結金物20を用い、木質フランジ部11を他の木質構面ユニット1Aの木質フランジ部11や、構造物の躯体を構成する壁等に連結するようにしたが、これに限らない。
例えば、図14に示すように、木質構面ユニット1Aの上側の木質フランジ部11の長手方向Daの端部11aに、連結金物20Bとして引きボルト25を埋設し、その両端を、木質フランジ部11に形成した凹部11kと、木質フランジ部11の端部11aに長手方向Daから突き当てた部材26に、ナット27A、27Bで締結してもよい。
また、図15に示すように、木質構面ユニット1Aの上側の木質フランジ部11の長手方向Daの端部11aに、連結金物20Cとしてラグスクリューボルト28をねじ込んで埋設し、その端部を端部11aから突出させて、木質フランジ部11の端部11aに長手方向Daから突き当てた部材26に、ナット27Cで締結してもよい。
また、図16に示すように、木質構面ユニット1Aの上側の木質フランジ部11の長手方向Daの端部11aに、連結金物20Dとして、木質フランジ部11の表面11fにビス28bで固定した鋼板添え板28Pを取り付け、引きボルト29の両端を、鋼板添え板28Pに設けた固定部28kと、木質フランジ部11の端部11aに長手方向Daから突き当てた部材26に、ナット27D、27Eで締結してもよい。
[第二実施形態]
次に、本発明に第二実施形態に係る木質構面ユニットについて説明する。
以下に説明する第二実施形態において、上記第一実施形態との相違点は、上記第一実施形態では、木質構面ユニット1Aを構造物の床7に適用したのに対し、本第二実施形態では、木質構面ユニットを構造物の屋根8に適用する点にある。以下の説明において、上記第一実施形態と共通する構成については、図中に同符号を付し、詳細な説明を省略する。
本発明の第二実施形態に係る木質構面ユニットの構成を示す斜視図を図17に示す。
図17に示されるように、木質構面ユニット1Eは、木質フランジ部11と、横架材13と、を備えている。このような木質構面ユニット1Eは、構造物の屋根8を形成する。
木質フランジ部11は、上下方向Dvに直交する水平面に沿った木質板からなる。木質フランジ部11は、上下方向Dvからの平面視で、長方形状をなしている。木質フランジ部11は、その短手方向Dwに、所定の幅を有し、長手方向Daに連続して延びている。
本実施形態において、木質フランジ部11は、例えば集成材からなる。屋根8を構成する場合、木質フランジ部11を覆うように、屋根材(図示無し)を取り付ける。
横架材13は、上方の木質フランジ部11の下側に設けられている。横架材13は、木質材からなるトラス構造として構成されている。本実施形態において、横架材13は、木質フランジ部11の短手方向Dwの両端部にそれぞれ配置されている。つまり、木質構面ユニット1Eは、長手方向Daから見た断面形状が、逆U字状をなしている。
各横架材13は、上弦材14、下弦材15、及び連結材16を備えている。横架材13には、上弦材14、下弦材15、及び連結材16の間に、短手方向Dwに貫通する複数の開口17が形成されている。
このような木質構面ユニット1Eは、構造物の躯体を構成する柱の上端部間に架設された梁に支持される。木質構面ユニット1Eは、横架材13の長手方向Daの両端部が、図示しない接合金具等によって梁に接合される。複数本の木質構面ユニット1Eは、短手方向Dwに並べて配置されている。
屋根8を構成する木質構面ユニット1Eの長手方向Daの両端部には、木質フランジ部11と、短手方向Dw両側の横架材13とに囲まれた開口を閉塞する屋根端板8eが設けられる。
上述したような木質構面ユニット1Eによれば、構造物の屋根8を形成する木質構面ユニット1Eであって、木質板で形成される木質フランジ部11と、木質材によりトラス構造として構成され、木質フランジ部11の下面に接合される横架材13と、を備える。
このような構成の木質構面ユニット1Eによれば、上記第一実施形態と同様、木質フランジ部11が横架材13によって補強されるため、力学的特性(断面二次モーメント)が大きくなり、曲げ剛性が向上する。これにより、木質構面ユニット1Eの長スパン化を図ることができる。
また、横架材13はトラス構造であるので、開口17に、配管や配線を容易に通すことができる。
したがって、配管用スペースを容易に確保でき、かつ長スパン化が可能となる。
(第二実施形態の変形例)
なお、本発明の木質構面ユニットは、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、構造物の屋根8を形成する木質構面ユニット1Eが、上側に設けられた木質フランジ部11と、木質フランジ部11の短手方向Dwの両側に設けられた横架材13とを有する逆U字状としたが、これに限らない。
例えば、図18に示すように、木質構面ユニット1Fは、木質フランジ部(一の木質フランジ部)11と、木質フランジ部(他の木質フランジ部)12の、複数の木質フランジ部11、12と、横架材13と、を備えている。木質フランジ部11、12は、上下方向Dvに間隔をあけて配置されている。木質フランジ部11、12は、それぞれ上下方向Dvに直交する水平面に沿う木質板からなる。例えば、上側の木質フランジ部11には、集成材を用い、下側の木質フランジ部12には、CLT材を用いるようにしてもよい。さらに、下側の木質フランジ部12により構造物最上階の天井を形成するようにしてもよい。この場合、下側の木質フランジ部12を、表面が燃えても構造耐力上支障のない大断面とする燃えしろ設計(屋根:30分)による、CLTあらわし仕上としてもよい。これにより、45分準耐火の要件に対し、1時間準耐火構造を実現することができる。
上記のような木質構面ユニット1Fは、一の木質フランジ部11と、他の木質フランジ部12を備え、横架材13は、一の木質フランジ部11の下面と、他の木質フランジ部12の上面との間に挟まれて、これら各々に接合されている。
このような構成によれば、木質構面ユニット1Fは、一の木質フランジ部11と他の木質フランジ部12の、複数の木質フランジ部11、12を備えているため、強度を高めることができる。
また、例えば火災等により、一の木質フランジ部11と他の木質フランジ部12の一方が燃焼、破損した場合においても、他方と横架材13によりトラス構造が維持されるため、木質構面ユニット1Fにより形成される架構体を維持し、構造物の倒壊を抑制することができる。
(その他の変形例)
また、上記第二実施形態、及びその変形例では、上弦材14(上側の木質フランジ部11)と下弦材15(下側の木質フランジ部12)との長手方向Daにおける長さが同じであるようにしたが、これに限らない。
図19に示すように、構造物の屋根8を形成する木質構面ユニット1Gは、上弦材14及び上側の木質フランジ部11に対し、下弦材15(及び下側の木質フランジ部12)の方が、長手方向Daに長い構成としてもよい。この場合、横架材13の長手方向Da両端部の連結材16を、上弦材14の端部と下弦材15の端部とを接続する斜材16fによって構成する。
この場合も、木質構面ユニット1Gの長手方向Daの両端部に、屋根端板8eが設けられる。
また、上記第二実施形態において、横架材13をプラットトラス構造としたが、これに限らない。例えば、図20に示す木質構面ユニット1Hのように、横架材13の連結材16を、斜材16gが、下方に向かって、横架材13の長手方向Daの中央部側から両端部に傾斜して設けられた、ハウトラス構造としてもよい。
また、図21に示す木質構面ユニット1Jのように、横架材13の連結材16を、下方に向かって横架材13の長手方向Daの一方側に傾斜した斜材16hと、下方に向かって横架材13の長手方向Daの他方側に傾斜した斜材16iとを交互に設けた、ワーレントラス構造としてもよい。
また、図22に示す木質構面ユニット1Kのように、横架材13の連結材16を、下方に向かって横架材13の長手方向Daの一方側に傾斜した斜材16hと、下方に向かって横架材13の長手方向Daの他方側に傾斜した斜材16iとを交互に設けるとともに、斜材16hの端部と斜材16iの端部が接合される部分から上下方向に延びる鉛直材16jを備える、鉛直材を備えるワーレントラス構造としてもよい。
また、図23に示す木質構面ユニット1Lのように、横架材13の連結材16としての斜材16kを、下方に向かって、横架材13の長手方向Daの中央部側に傾斜して設けるとともに、長手方向Daの両端部から中央部側に向かって、束材16mの上下方向の長さが漸次長くなる曲弦プラットトラス構造としてもよい。この場合、上側の木質フランジ部11は、長手方向Daに並ぶ複数枚のフランジパネル11pから構成され、各フランジパネル11pが長手方向Daで隣り合う束材16mの上端部間に設置される。
また、木質構面ユニット1E、1F、1G、1H、1J、1K、1Lは、屋根8の傾斜に合わせて、斜めに傾けて設置するようにしてもよい。
また、第二実施形態における木質構面ユニットが、第一実施形態に関連して図5、図6、図14、図15、図16を用いて説明したような、様々な連結金物を用いて構造物の躯体を構成する壁等に連結するようにしてもよい。
また、上記第一及び第二実施形態では、上側の木質フランジ部11の下面に横架材13が接合されるようにしたが、これに限らない。例えば、木質構面ユニットを、下側の木質フランジ部12と、その上面に接合した横架材13のみを備え、上側の木質フランジ部11を備えない構成としてもよい。
すなわち、構造物の屋根8または床7を形成する木質構面ユニットを、木質板で形成される木質フランジ部12と、木質材によりトラス構造として構成され、木質フランジ部12の上面に接合される横架材13と、を備える構成としてもよい。
このような構成の木質構面ユニットにおいても、上記第一及び第二実施形態と同様に、配管用スペースを容易に確保でき、かつ長スパン化が可能となる。
この場合においては、木質構面ユニットを短手方向Dwに並べて設けた後に、並べられた複数の木質構面ユニットの各々の上弦材14の上に、上弦材14間をかけ渡して木質構面ユニットの上側を覆うように、床材や屋根材を敷設する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
(トラス構造の横架材についての検討結果)
上記したような構成について、検討を行ったので、その結果を以下に示す。
検討対象となる横架材13を構成する上弦材14、下弦材15、及び連結材16には、2×4(ツーバイフォー)用の製材(厚さ38mm)を縦使いした。また、上弦材14、下弦材15、連結材16同士の接合には、メタルプレートコネクターを用いた。横架材13の長手方向Daのスパンは12000mmとし、横架材13の高さは750mmとした。上弦材14、下弦材15、及び連結材16は、それぞれ、短手方向Dwにそれぞれ5本を重ねて接合し、190mmの厚さとした。また、短手方向Dwにおける横架材13の間隔は600mmとした。
このような横架材に、7.082(N/m)の荷重を作用させたとき、中央撓みは2.20cm(545rad)、みかけの曲げ剛性EIは、757809(kN・cm)であった。横架材13の下には、下方の木質フランジ部12として、LVL材(カラマツ、厚さ38mm)を設けた。
横架材の下側に木質フランジ部を設ける場合、木質フランジ部の座屈防止のため、横架材13の許容内方間隔bは、下式(1)によって求められる。
Figure 0006913837
ここで、t:下側の木質フランジ部の厚さ(mm)、t:長手方向Daと同じ繊維方向の端板の厚さの和(mm)である。
本検討において、t=38、t=32であるので、上式(1)によれば、b=149.1cmとなる。このため、
=60cm−19cm=41.0cm≦149.1cm
であるので、上記の、横架材13の間隔600mmと厚さ190mmは、条件を満足している。
次に、シアーラグを考慮したフランジ有効幅bについて、下式(2)により算定した。
Figure 0006913837
ここで、S:ウェブ間隔(mm)、K:基本有効幅比、K1:ウェブ成による調整係数、K:フランジ合板厚による調整係数、K:フランジ合板の縦弾性係数Eによる調整係数、K:フランジ合板のせん断弾性係数Gxyによる調整係数、K:荷重形式及び位置による調整係数である。本検討において、横架材13のスパンL=12000mm、横架材13の設置間隔S=600mmであるので、L/S=20≧10となる。
これにより、
=K=K=1
となり、
=0.0097×(L/S)+0.8554=1.05
であるので、
=1
となる。
横架材13の高さ(リブ成)は750mm、L/S=20≧4であることから、
r=11×(L/S)−23.5=196.5
=(14/d)1/r=0.991
=1−exp{−0.3838×(L/s−0.4687)}=0.9994
となる。
これにより、フランジ有効幅bは、上式(2)より、
=0.990
であり、これは約1.0Sであるから、フランジ有効幅bを1.0とする。
次に、上記横架材13の上側に厚さ150mmのCLT材からなる木質フランジ部11を設け、下側に厚さ38mmのLVL材からなる木質フランジ部12を設けた場合の曲げ剛性について算定した。
上側の木質フランジ部11のヤング係数ECLT=3kN/mmとし、下側の木質フランジ部12のヤング係数ELVL=9kN/mmとすると、これらが等価な断面であるとすれば、CLT材の断面積ACLTは、LVL材の断面積ALVLにより、
CLT=(ELVL/ECLT)×ALVL=3ALVL
と表現される。
また、上記構造におけるCLT材からの中立軸の位置xは、CLT材とLVL材との間の距離が884mmであるため、
400×150x=1200×38×(884−x)
が成立し、これを解くことにより、
x=381.7(mm)
となる。
これにより、上下フランジの曲げ剛性EIfは、
If=Σ(ELVL×Ai×Zi
=900×40×15×(38.2)+900×(40×3)×3.8×(88.4−38.2)
=1822.21×10(kN・cm
となる。
ここで、上下の木質フランジ部11、12を、厚さ38mmのLVL材とした場合、断面二次モーメントIは、
I=120×(82.6=75)/12
=1416.8×10(cm
であるので、上下の木質フランジ部11、12の曲げ剛性EIfは、
If=900×1416.8×10=1275.1×10(kN・cm
となる。
さらに、LVL材からなる上下の木質フランジ部11、12のローリングシアーfrは、曲げ応力に対して上下の木質フランジ部11、12と横架材13とを接着する接着剤を有効とみなす場合、木質フランジ部11、12の長期許容層内せん断応力度が構造用合板と同等であると仮定すると、
fr=1.1×0.4=0.4(N/mm)=0.044(kN/cm
であり、ローリングシアーに対するせん断耐力Qは、
Q=w・ρ/2=7.082×1.2×12/2=50.99(kN)
となり、フランジ断面に対する断面一次モーメントSは、
=120×3.8×(75+1.9)=33221(cm
となる。
上下の木質フランジ部11、12の全断面がLVL材であるとした場合の等価断面2次モーメントIは、
I=ΣEI/ELVL=(1275.1×10+151.5×10)/900
=1418350(cm
となる。上下の木質フランジ部11、12と、横架材13との境界面でのせん断応力度τは、
τ=(ΣQ×Sf)/(bw・I)
=(50.99×33221)/(19×1418350)
=0.0629(kN/cm
となる。
したがって、0.0629≧fr(=0.044)となり、この場合においては、木質フランジ部としてLVL材を使用するのは適切ではないことがわかる。
一方、上下の木質フランジ部11、12を、厚さ90mmのCLT材とした場合、上記と同様の検討を行うと、
fr=(1.1/3)×2.45=0.898(N/mm)=0.0898(kN/cm
であり、ローリングシアーに対するせん断耐力Qは、
Q=w・ρ/2=50.99(kN)
となり、フランジ断面に対する断面一次モーメントSは、
=120×9×(75+4.5)=85860(cm
となる。
上下の木質フランジ部11、12がCLT材であるとした場合、ヤング係数は5.8(kN/mm)であり、等価断面2次モーメントIは、
I=120×(93−75)/12
=3825×10(cm
であり、上下の木質フランジ部11、12の曲げ剛性EIfは、
If=5800×3825×10=2218.5×10(kN・cm
となる。
上下の木質フランジ部11、12の全断面がCLT材であるとした場合の等価断面2次モーメントIは、
I=ΣEI/ECLT=(2218.5×10+151.5×10)/580
=3827612(cm
であり、上下の木質フランジ部11、12と、横架材13との境界面でのせん断応力度τは、
τ=(ΣQ×Sf)/(bw・I)
=(50.99×85860)/(19×3827612)
=0.0602(kN/cm
となる。
したがって、0.0602≦fr(=0.0898)となり、この場合においては、木質フランジ部としてCLT材を使用するのは適切であることがわかる。
このようにして、上下の木質フランジ部11、12をCLT材とすることで、上下の木質フランジ部11、12をLVL材とする場合よりも、上下の木質フランジ部11、12と、横架材13との境界面でのせん断応力度τが低く、かつfrの値よりも低いことが確認された。
1A〜1H、1J〜1L 木質構面ユニット 13 横架材
7 床 14 上弦材
8 屋根 15 下弦材
11、11A、11B 木質フランジ部(一の木質フランジ部)
12 木質フランジ部(他の木質フランジ部) 16連結材
20、20B、20C、20D 連結金物

Claims (4)

  1. 構造物の屋根または床を形成する木質構面ユニットであって、
    木質板で形成される木質フランジ部と、
    木質材によりトラス構造として構成され、前記木質フランジ部の上面または下面に接合される横架材と、を備え
    前記木質フランジ部の端部には、連結金物が設けられていることを特徴とする木質構面ユニット。
  2. 前記横架材は、上弦材、下弦材、及び連結材を備え、前記上弦材と前記下弦材が前記連結材により連結されて前記トラス構造が形成され、
    前記木質フランジ部に前記上弦材または前記下弦材が接着剤、ボルト、ビス、ダボのうち少なくとも1つを設けることによって接合され、
    前記接着剤は、前記木質フランジ部と前記上弦材または前記下弦材との接合面の全面にわたって、または前記接合面に一定の間隔おきに設けられ、
    前記ボルト、前記ビス、または前記ダボは、前記接合面に一定の間隔おきに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の木質構面ユニット。
  3. 構造物の屋根または床を形成する木質構面ユニットであって、
    木質板で形成される木質フランジ部と、
    木質材によりトラス構造として構成され、前記木質フランジ部の上面または下面に接合される横架材と、を備え、
    互いに隣り合う前記木質フランジ部同士は、前記木質フランジ部の上面から打ち込まれた、ビス、釘、またはボルトによる接合具が、互いに隣り合う前記木質フランジ部の内部で交差するように斜めに貫入されて、接合されていることを特徴とする木質構面ユニット。
  4. 一の前記木質フランジ部と、他の前記木質フランジ部を備え、
    前記横架材は、前記一の木質フランジ部の下面と、前記他の木質フランジ部の上面との間に挟まれて、これら各々に接合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の木質構面ユニット。
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