JP2021187856A - 圧縮固形組成物 - Google Patents

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一憲 巽
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みゆき 岡山
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Abstract

【課題】 口腔内での不快味が抑制され、喉で爽快感を呈する圧縮固形組成物を提供することを課題とする。【解決手段】 本発明では、(A)無機化合物系制酸剤、でんぷん消化酵素、タンパク質消化酵素、脂肪消化酵素、ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上;並びに(B−1)モノテルペン及び/又は(B−2)糖アルコール、を含有する圧縮固形組成物であって、(C)最大直径1〜4mm、(D)最大直径に対する、高さの比率が0.5〜2、である、圧縮固形組成物が調製される。【選択図】なし

Description

本発明は、服用感に優れた圧縮固形組成物に関するものである。
錠剤のような圧縮固形組成物では、服用時に薬効成分に起因する苦味等の不快な味や飲みにくさの問題がある。とりわけ、生薬が含まれる漢方製剤、胃腸薬、感冒薬等の一般用医薬品は、薬効成分を単独で含む医療用医薬品に比べると一日当たりの服用量を多くする必要があり、圧縮固形組成物が大型化し、不快な味や飲みにくさが顕著となる傾向にある。
服用の容易な錠剤として、有核錠剤の形態が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平8−143473号公報
本発明は、薬効を示す成分が一定量以上配合されているにもかかわらず、服用感に優れた圧縮固形組成物の提供を目的とする。
本発明は、舌等の口腔内と咽頭における生理的な感覚とは異なることに着目し、服用の際に咽頭での崩壊が起こるように制御をすることで、服用感に優れた圧縮固形組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げる圧縮固形組成物を提供する。
項1.
(A)無機化合物系制酸剤、でんぷん消化酵素、タンパク質消化酵素、脂肪消化酵素、ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上;並びに
(B−1)モノテルペン及び/又は(B−2)糖アルコールを含有する圧縮固形組成物であって、
(C)最大直径1〜4mm、
(D)最大直径に対する、高さの比率が0.5〜2である、圧縮固形組成物。
項2.
前記(A)成分が、少なくとも、無機化合物系制酸剤、ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上を含み、かつ(A)成分の総量が、圧縮固形組成物中の40質量%以上である、項1に記載の圧縮固形組成物。
項3.
結合剤及び/又は崩壊剤を含み、該結合剤及び崩壊剤の総量が、圧縮固形組成物中の30質量%以下である、項1又は2に記載の圧縮固形組成物。
項4.
(E)日本薬局方(第17改正)の崩壊試験法(補助盤なし、37℃の精製水使用)による崩壊時間が1〜20分である、項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
項5.
(F−1)1回服用数が5個〜30個、及び/又は、(F−2)1個当たりの質量が1mg〜100mgである、項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
項6.
口腔内での不快味が抑制され、喉で爽快感を呈する、項1〜5のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
項7.
前記(B−1)モノテルペンとしてメントールを含み、前記(B−2)糖アルコールとして、キシリトールを含む、項1〜6のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
本発明の圧縮固形組成物は、飲み込みやすく、不快味が抑制され、喉での爽快感を有し、服用感に優れている。
図1は、本発明の一態様の錠剤の側面図である。 図2は、本発明の一態様の錠剤の斜視図である。 図3は、図2の錠剤について、最大直径(W)を説明する為の図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
[圧縮固形組成物]
本発明は、(A)無機化合物系制酸剤、でんぷん消化酵素、タンパク質消化酵素、脂肪消化酵素、ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上;並びに
(B−1)モノテルペン及び/又は(B−2)糖アルコールを含有する圧縮固形組成物であって、
(C)最大直径1〜4mm、
(D)最大直径に対する、高さの比率が0.5〜2である、圧縮固形組成物である。
本発明の圧縮固形組成物は、経口用である。以下に詳細を説明する。
以下、本発明の圧縮固形組成物について、説明する。
((A−1)無機化合物系制酸剤、でんぷん消化酵素、タンパク質消化酵素、又は脂肪消化酵素)
本発明の圧縮固形組成物は、無機化合物系制酸剤として、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、及び/又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有することが好ましい。あるいは、アルジオキサ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、烏賊骨、石決明、ボレイ、合成ヒドロタルサイト、アミノ酪酸、ジヒドロアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物を含有することもできる。無機化合物系制酸剤として、これらの中から1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、炭酸水素ナトリウムの場合、好ましくは、10〜95質量%、より好ましくは、20〜90質量%、更に好ましくは、30〜80質量%含有し、特に好ましくは40〜70質量%を含有し、炭酸マグネシウムの場合、好ましくは、10〜95質量%、より好ましくは、20〜90質量%、更に好ましくは、30〜80質量%含有し、特に好ましくは40〜70質量%を含有し、水酸化マグネシウムの場合、好ましくは、10〜95質量%、より好ましくは、20〜90質量%、更に好ましくは、30〜80質量%含有し、特に好ましくは40〜70質量%を含有し、沈降炭酸カルシウムの場合、好ましくは、10〜95質量%、より好ましくは、20〜90質量%、更に好ましくは、30〜質80量%含有し、特に好ましくは40〜70質量%を含有し、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの場合、好ましくは、10〜95質量%、より好ましくは、20〜90質量%、更に好ましくは、30〜80質量%含有し、特に好ましくは40〜70質量%を含有する。炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの総量として、好ましくは、10〜80質量%、より好ましくは、15〜75質量%、更に好ましくは、20〜70質量%含有する。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、1日あたりの投与量として、炭酸水素ナトリウムを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができ、炭酸マグネシウムを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができ、水酸化マグネシウムを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができ、沈降炭酸カルシウムを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができる。炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの総量として、1日あたりの投与量として、好ましくは、10〜5000mg、より好ましくは、100〜3000mg、更に好ましくは、800〜2500mgとすることができる。
本発明の圧縮固形組成物は、でんぷん消化酵素を含有することもできる。でんぷん消化酵素は、限定はされないが、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ等が挙げられる。市販の製品を使用することもでき、そのような製品としては、ジアスターゼ(局方品)、ビオヂアスターゼ2000(複合酵素剤、天野エンザイム社製)、ジアスメン、クライスターゼ(大和化成社製)、ビオタミラーゼ(複合酵素剤、ナガセケムテックス社製)等があげられる。その配合割合は、特に限定はされないが、好ましくは、1日当たりの最低用量が100単位以上であればよい。
本発明の圧縮固形組成物は、タンパク質消化酵素を含有することもできる。タンパク質消化酵素は、限定はされないが、エンドペプチダーゼ及びエキソペプチダーゼ等が挙げられる。市販の製品を使用することもでき、そのような製品としては、ビオヂアスターゼ2000、プロザイム6、ニューラーゼ(天野エンザイム社製)、スミチームP(新日本化学社製)、ビオタミラーゼ(ナガセケムテックス社製)等があげられる。その配合割合は、特に限定はされないが、好ましくは、1日当たりの最低用量が750単位以上であればよい。
本発明の圧縮固形組成物は、脂肪消化酵素を含有することもできる。脂肪消化酵素としては、限定はされないが、動物起源、植物起源及び微生物起源等の何れの脂肪消化酵素剤も使用できる。市販の製品を使用することもでき、そのような製品としては、リパーゼAP12、等があげられる。その配合割合は、特に限定はされないが、好ましくは、1日当たりの最低用量が50単位以上であればよい。
これらの消化酵素剤は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、複合酵素製剤として2種以上の酵素を予め混合している製品を用いることもできる。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、でんぷん消化酵素の場合、好ましくは、0.01〜30質量%、より好ましくは、0.05〜25質量%、更に好ましくは、0.1〜20質量%含有し、タンパク質消化酵素の場合、好ましくは、0.01〜30質量%、より好ましくは、0.05〜25質量%、更に好ましくは、0.1〜20質量%含有し、脂肪消化酵素の場合、好ましくは、0.01〜30質量%、より好ましくは、0.05〜25質量%、更に好ましくは、0.1〜20質量%含有する。でんぷん消化酵素、タンパク質消化酵素、及び脂肪消化酵素の総量として、好ましくは、0.01〜30質量%、より好ましくは、0.05〜25質量%、更に好ましくは、0.1〜20質量%含有する。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、1日あたりの投与量として、でんぷん消化酵素を、好ましくは、10〜1000mg、より好ましくは、20〜800mg、更に好ましくは、30〜500mgとすることができ、タンパク質消化酵素を、好ましくは、10〜1000mg、より好ましくは、20〜800mg、更に好ましくは、30〜500mgとすることができ、脂肪消化酵素を、好ましくは、10〜1000mg、より好ましくは、20〜800mg、更に好ましくは、30〜500mgとすることができる。でんぷん消化酵素、タンパク質消化酵素、及び脂肪消化酵素の総量として、1日あたりの投与量として、好ましくは、10〜1000mg、より好ましくは、20〜800mg、更に好ましくは、30〜500mgとすることができる。
((A−2)ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上の生薬)
本発明の圧縮固形組成物は、ボレイ(典型的にはボレイ末)、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク及びロートエキスからなる群より選択される1種以上の生薬を含むこともできる。生薬とは、日本薬局方及び日本薬局方外生薬規格局外に「生薬」として掲載されているものを指す。
これらの生薬の形態としては、生薬そのもの(原生薬)の他、以下の形態のものを含む趣旨である。すなわち、本発明の生薬には、原生薬を粉末状にした「生薬末」、原生薬又は生薬末を水、エタノール、油等の有機溶媒又はその混合物を用いて抽出した「抽出液」、抽出液を乾燥させ粉末状にした「エキス粉末」、抽出液を濃縮した「濃縮エキス」等の、通常、漢方製剤に使用される形態全般が含まれる。
なお、本明細書において「原生薬換算」とは、生薬の抽出物の量を、当該抽出物を調製するのに必要な原生薬(生薬混合物)の量として表したものを意味する。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、原生薬換算で、ボレイの場合、好ましくは、0.001〜90質量%、より好ましくは、0.01〜70質量%、更に好ましくは、0.1〜50質量%含有し、ケイヒの場合、好ましくは、0.001〜90質量%、より好ましくは、0.01〜70質量%、更に好ましくは、0.1〜50質量%含有し、カンゾウの場合、好ましくは、0.001〜90質量%、より好ましくは、0.01〜70質量%、更に好ましくは、0.1〜50質量%含有し、チンピの場合、好ましくは、0.001〜90質量%、より好ましくは、0.01〜70質量%、更に好ましくは、0.1〜50質量%含有し、コウボクの場合、好ましくは、0.001〜90質量%、より好ましくは、0.01〜70質量%、更に好ましくは、0.1〜50質量%含有し、ロートエキスの場合、好ましくは、0.001〜90質量%、より好ましくは、0.01〜70質量%、更に好ましくは、0.1〜50質量%含有する。ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキス及びロートエキスの総量として、原生薬換算で、好ましくは、0.001〜90質量%、より好ましくは、0.01〜70質量%、更に好ましくは、0.1〜50質量%含有する。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、1日あたりの投与量として、原生薬換算で、ボレイを、好ましくは、1〜3000mg、より好ましくは、10〜2000mg、更に好ましくは、100〜1000mgとすることができ、ケイヒを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができ、カンゾウを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができ、チンピを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができ、コウボクを、好ましくは、1〜1500mg、より好ましくは、5〜750mg、更に好ましくは、10〜350mg、とすることができ、ロートエキスを、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができる。ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスの総量として、1日あたりの投与量として、原生薬換算で、好ましくは、1〜5000mg、より好ましくは、10〜4000mg、更に好ましくは、100〜3000mgとすることができる。
本発明の圧縮固形組成物は、好ましくは、上記(A)成分のうち、少なくとも、無機化合物系制酸剤、ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上を含み、かつ(A)成分の含有量が、40質量%以上である。
本発明の圧縮固形組成物は、上記(A)成分を、総量として、質好ましくは、8質量%以上含み、より好ましくは15〜98質量%、更に好ましくは20〜95質量%、更に好ましくは30〜95質量%、更に好ましくは40〜95質量%、更に好ましくは50〜92質量%、更に好ましくは、60〜92質量%、更に好ましくは70〜92質量%、最も好ましくは、80〜90質量%含有する。
((B−1)モノテルペン)
本発明の圧縮固形組成物における(B−1)モノテルペンは、2個のイソプレン単位からなる構造を有する公知の化合物である。本発明には、薬学的又は生理学的に許容され得る任意のモノテルペンを用いることができる。モノテルペンは、d体、l体又はdl体の何れであってもよい。
具体的には、モノテルペンとして、ゲラニオール、ネロール、ミルセノール、リナロール、酢酸リナロール、ラバンジュロールのような非環式モノテルペン;メントール、リモネン、アネトール、オイゲノール、ヒノキチオールのような単環式モノテルペン;カンフル、ボルネオール、イソボルネオール、シネオール、ピネンのような二環式モノテルペン;等が挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、より確実に高い効果を発揮できるという観点から、好ましくは、単環式モノテルペン又は二環式モノテルペンであり、より好ましくは、メントール、カンフル、オイゲノール、ゲラニオール、ボルネオール、又はヒノキチオールであり、更に好ましくはメントール又はカンフルであり、更により好ましくはメントールである。これらのモノテルペンは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
更に、モノテルペンとしては、それを含む精油を用いてもよい。このような精油としては、クールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、ユーカリ油、ベルガモット油、スペアミント油、ローズ油、樟脳油等が挙げられる。例えば、メントールやカンフルを含む精油としては、クールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油、ウイキョウ油、ケイヒ油、レモン油等を挙げることができる。これらの精油は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。これらの精油は、植物から、公知の方法で採取することができる。このような公知の精油採油方法として、水蒸気蒸留法、脱臭した動物油脂に植物を添加して精油を吸着させた後、エタノールで精油を抽出する油脂吸着法、植物をヘキサンやベンゼンのような有機溶媒又は超臨界流体で抽出し、抽出溶媒をエタノールに溶解させた後、エタノールを蒸発させて残渣を採取する溶剤抽出法、圧搾法等が挙げられる。モノテルペンは、精油から、各種クロマトグラフィーにより回収することもできる。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、1回あたりの投与量として、組成物中に含まれる(B−1)モノテルペンの総量を、モノテルペンとして、好ましくは、0.2〜60mg、より好ましくは、1〜36mg、更に好ましくは、2〜20mgとすることができる。なお、本発明におけるモノテルペンの量や比率については、組成物中に精油として含まれる場合も、モノテルペンに換算したときの量や比率のことを指す。
本発明の圧縮固形組成物は、1回あたりの投与量として、例えば、モノテルペンとしてメントールが含まれる場合、好ましくは、0.1〜60mg、より好ましくは、0.2〜60mg、更に好ましくは、1〜36mg、更により好ましくは、0.5〜30mg、更に好ましくは、1〜20mg、特に好ましくは、2〜20mgとすることができる。
本発明の圧縮固形組成物は、1回あたりの投与量として、(B−1)モノテルペンを含む精油が含まれる場合、1日あたりの投与量として、精油として、好ましくは、0.1〜50mg、より好ましくは、0.5〜40mg、更に好ましくは、1〜30mgとすることができる。
本発明の圧縮固形組成物におけるモノテルペンの総含有量は、好ましくは0.0001〜1質量%、より好ましくは0.0005〜0.25質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.1質量%である。
ここで、限定はされないが、本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をよりよく発揮する観点から、(A)成分の総量1質量部に対し、(B−1)成分の総量を、好ましくは、0.00001〜0.1質量部、より好ましくは、0.0001〜0.01質量部、更に好ましくは、0.001〜0.05質量部、特に好ましくは、0.001〜0.01質量部含有する。
((B−2)糖アルコール)
本発明の圧縮固形組成物における(B−2)糖アルコールは、薬学的又は生理学的に許容され得る任意の糖アルコールを用いることができる。糖アルコールの例としては、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルツロース還元物、マンニトール、又は還元水飴等が挙げられる。d体、l体又はdl体の何れであってもよいが、d−マンニトールやd−ソルビトール等であっても良い。これらの糖アルコールは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をより顕著に奏するという観点から、1回あたりの投与量として、組成物中に含まれる(B−2)糖アルコールの総量を、好ましくは、10〜1000mg、より好ましくは、50〜800mg、更に好ましくは、100〜600mgとすることができる。
本発明の圧縮固形組成物における糖アルコールの総含有量は、好ましくは0.01〜80質量%、より好ましくは0.1〜60質量%であり、更に好ましくは1〜50質量%である。
ここで、限定はされないが、本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果をよりよく発揮する観点から、(A)成分の総量1質量部に対し、(B−2)成分の総量を、好ましくは、0.00001〜10質量部、より好ましくは、0.0001〜5質量部、更に好ましくは、0.001〜3質量部、特に好ましくは、0.01〜2質量含有する。
本発明の態様1における圧縮固形組成物は、特に胃腸薬として有用である。具体的には、胃の粘膜保護、胃の粘液増強、胃粘膜血流増強等の作用を有し、胃酸への抵抗力を高め、また、胃酸の量の調整作用と相俟った優れた胃炎や胃潰瘍、胃の荒れ等の胃腸薬としての効果を発揮する。特には、本発明の医薬製剤は、胃潰瘍、胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の治療等に用いられる。その他、もたれ(胃もたれ)、食べ過ぎ(過食)、飲み過ぎ(過飲)、胸やけ、食欲不振(食欲減退)、胃部膨満感(消化不良によるものを含む)、腹部膨満感(消化不良によるものを含む)、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、嘔気、悪心)、嘔吐、胸つかえ、胃酸過多、胃重、胃弱、胃痛、胃部不快感、消化促進、消化不良、腹痛、さしこみ(疝痛(せんつう)、癲(しゃく))、げっぷ(おくび)、はき下し、くだり腹、下痢(消化不良による下痢及び腹痛を伴う下痢を含む)、食あたり、水あたり、整腸(便通を整える)、軟便、便秘等の用途に好適に用いることができる。高齢者や体力(生理機能)が低下した者、基礎疾患のある方への適用に好適となるように処方してもよい。
(活性成分)
本発明の圧縮固形組成物は、本発明の効果が十分に奏される限りにおいて、上記以外に、必要に応じて更なる種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分)を含み得るか、又はそれらと組み合わせて使用され得る。このような成分の種類は特に制限されず、例えば、態様1において、健胃剤、消化剤、整腸剤、止瀉剤、鎮痛鎮痙剤、粘膜修復剤、消泡剤等が例示できる。本発明において、次のような成分が挙げられるが、これらの成分に限定されるものではない。なお、これらの成分の配合量は製剤の種類、活性成分の種類等に応じて適宜選択される。
健胃剤:アニス実、アロエ、ウイキョウ、ウコン、ウヤク、延命草、オウゴン、オウバク、オウレン、加工大蒜、ガジュツ、カッコウ、カラムス根、乾薑、枳殻、キジツ、ゲンチアナ、コウジン、ゴシュユ、胡椒、コロンボ、コンズランゴ、サンショウ、山奈、シソシ、シュクャ、ショウキョウ、ショウズク、青皮、石菖根、センタウリウム草、センブリ、ソヨウ、大茴香、ダイオウ、チクセツニンジン、チョウジ、トウガラシ、トウヒ、ニガキ、ニクズク、ニンジン、ハッカ(セイヨウハッカを含む)、ヒ撥(ヒハツ)、ビャクジュツ、ホップ、ホミカエキス、睡菜葉(スイサイヨウ)、モッコウ、ヤクチ、リュウタン、リョウキョウ等の生薬又はその抽出物、ショウキョウ油、ショウズク油、チョウジ油、トウヒ油、動物胆(ユウタンを含む)、塩酸ベタイン、グルタミン酸塩酸塩、塩化カルニチン、塩化ベタネコール、乾燥酵母等。
消化剤:ウルソデスオキシコール酸、オキシコーラン酸塩類、コール酸、胆汁末、胆汁エキス(末)、デヒドロコール酸、動物胆(ユウタンを含む)等。
整腸剤:赤芽柏、アセンヤク、ウバイ、ケツメイシ、ゲンノショウコ等の生薬又はその抽出物、整腸生菌成分等。
止瀉剤:アセンヤク、ウバイ、オウバク、オウレン、クジン、ゲンノショウコ、五倍子、サンザシ、センブリ、ヨウバイヒ等の生薬又はその抽出物、アクリノール、塩化ベルベリン、グアヤコール、クレオソート、サリチル酸フェニル、炭酸グアヤコール、タンニン酸ベルベリン、次サリチル酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、タンニン酸、タンニン酸アルブミン、メチレンチモールタンニン、カオリン、天然ケイ酸アルミニウム、ヒドロキシナフトエ酸アルミニウム、ペクチン、薬用炭、乳酸カルシウム等。
鎮痛鎮痙剤:エンゴサク、シャクヤク、ベラドンナ等の生薬又はその抽出物、塩酸オキシフェンサイクリミン、塩酸ジサイクロミン、塩酸メチキセン、臭化水素酸スコポラミン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルスコポラミン、臭化メチル−l−ヒヨスチアミン、臭化メチルベナクチジウム、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、ロート根総アルカロイドクエン酸塩、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸エチル等。
粘膜修復剤:赤芽柏、エンゴサク等の生薬又はその抽出物、アズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、グリチルリチン酸及びその塩類、L−グルタミン、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウム、塩酸ヒスチジン、ブタ胃壁ペプシン分解物、ブタ胃壁酸加水分解物、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、ゲファルナート、セトラキサート塩酸塩、スクラルファート水和物(ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩)、ソファルコン等。
消泡剤:ジメチルポリシメキサン等。
(添加物)
本発明の圧縮固形組成物は、その剤形に応じて、適当な添加物を含有してもよい。本発明の圧縮固形組成物は、特に好ましくは、結合剤及び/又は崩壊剤を含有する。
結合剤は、原料の粉体粒子同士を効果的に結びつけることができる。結合剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸系高分子、乳糖、糖アルコール(マンニトール、キシリトール、スクラロース等)、寒天、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、でんぷん等を用いることができる。
崩壊剤は、本発明の圧縮固形組成物に適度な崩壊性促進の作用を有する。崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン等を用いることができる。
本発明の圧縮固形組成物においては、結合剤及び崩壊剤を併用することも好ましい。併用により、本発明の効果がより顕著に現れるため好適である。
本発明の圧縮固形組成物は、限定はされないが、結合剤及び/又は崩壊剤の総量として、30質量%以下含有することが好ましく、5〜28質量%含有することがより好ましく、10〜25質量%含有することが更に好ましい。
(剤形等)
本発明の圧縮固形組成物は、例えば、医薬品、医薬部外品、食品、又はこれらの原料〔例えば、医薬製剤、医薬部外品製剤、特定保健用食品、栄養機能食品、老人用食品、特別用途食品、機能性食品、健康補助食品(サプリメント)、食品用製剤(例、製菓錠剤)〕として用いることができる。
本発明において、圧縮固形組成物とは、医薬品を一定の形状に成型したものを意味し、特に限定されないが、圧縮した形態であれば、錠剤、顆粒剤、トローチ剤等の剤型が例示され、とりわけ、金型成型した錠剤、顆粒剤に適する。圧縮固形組成物の形状は、経口で嚥下することが可能な形状であればよく、例えば、俵状、三角柱状、四角柱状、多角柱状、円盤状、円柱状、フットボール状、小判状、花びら状、動物柄、等があげられる。なかでも、成型が容易である点から、俵状あるいは円盤状、円柱状、三角柱状の錠剤が好ましく用いられる。円形隅角錠、円形隅丸錠なども含まれる。円形隅角錠は、円柱の両端面の周縁が直線で面取り加工された形状の錠剤である。円形隅丸錠は、円柱の両端面の周辺がR面で面取り加工された形状の錠剤である。本発明の本質を損なわない限り、薬事法上又は日本薬局方で顆粒剤と分類されるものにも用いることができる。
((C)最大直径)
本発明の圧縮固形組成物の1単位(1個)の大きさは、最大直径が1〜4.5mmの範囲であればよく、1.5〜4.5mmであってよく、2〜4.5mmであってよく、2.4〜4.5mmであってよく、2.8〜4.5mmであってよく、3〜4.5mmであってよく、3.2〜4mmであってよく、3.4〜4mmであってよく、なかでも3.6〜4mm、とりわけ3.8〜4mmが好ましい。圧縮固形組成物の最大直径がこの範囲であれば、本願発明の効果を発揮することができる。
本発明における圧縮固形組成物の最大直径とは、図1及び図3のWで示す通り、曲面を有する形状においては、床面に対して最も安定に静置した場合の平面の形状をすべて包含できる最小径の直径、曲面がない形状においては、接地面から上方に断面を作った時に断面図の面積変化が最も少なくなる様に静置した場合の平面の形状をすべて包含できる最小径の直径をいう。
((D)高さ)
本発明の圧縮固形組成物の1個あたりの高さは、最大直径の大きさに応じて、0.5mm〜8mmの間で変動し、最大直径との比率(高さ/最大直径)が、0.5〜2の範囲内となるように設定される。
本発明における圧縮固形組成物の高さとは、図1及び図3のHで示す通り、曲面を有する形状においては、床面に最も安定に静置した場合の側面視における最底部と最上部の最短距離、曲面がない形状においては、接地面から上方に断面を作った時に断面図の面積変化が最も少なくなる様に静置した場合の側面視における最底部と最上部の最短距離をいう。
なお、最大径(製剤全体を包含できる最小径の直径)を8mm程度以下とすることもできる。
((E)崩壊性)
本発明における圧縮固形組成物は、限定はされないが、崩壊試験法による崩壊時間が、1分〜20分の範囲であることが好ましい。2.0〜10分の範囲であってよく、2.5〜9.5分の範囲であってよく、3.0〜9.0分の範囲であってよく、3.2〜8.5分の範囲であってよく、より好ましくは、3.5〜8.0分の範囲であり、更に好ましくは、3.8〜7.5分の範囲である。
本発明の圧縮固形組成物は、同一の最大直径になるように調製した圧縮固形組成物を、最大直径の1.2倍の大きさの篩を使用して篩い分けを行うと、90%以上が篩を通過することが好ましく、なかでも92%以上が篩を通過することが好ましく、特に94%以上が篩を通過することが好ましい。更に最大直径の0.8倍の大きさの篩を使用して篩い分けを行うと90%以上が篩上に残留することが好ましく、なかでも92%以上が篩上に残留することが好ましく、特に94%以上が篩上に残留することが好ましい。このような圧縮固形組成物は、形状やサイズのバラツキが小さいため、所定の成分を正確に服用することができる。例えば、最大直径4.0mmの金型を使用して調製した円柱状の圧縮固形組成物では、1回に服用する複数の圧縮固形組成物の最大直径をそれぞれ計測し、その平均値が4.0mmであった場合は、圧縮固形組成物1gを4.8mmの篩を使用して篩い分けを行うと0.9g以上が篩を通過し、更に圧縮固形組成物1gを3.2mmの篩を使用して篩い分けを行うと0.9g以上が篩上に残留し、調製した圧縮固形組成物の最大直径は4.0±0.80mmとなる。
(硬度)
本発明の圧縮固形組成物の硬度は、限定はされないが、好ましくは、0.5〜10.0kpの範囲であり、1.0〜10.0kpであることがより好ましく、1.6〜9.5kpであることがさらに好ましく、1.3〜8.5kpであることが特に好ましい。本発明における硬度とは、無作為に選出した10個について硬度計を用いて破壊強度を測定し、得た値の平均をいう。
(質量)
本発明の圧縮固形組成物の1個あたりの質量は、限定はされないが、好ましくは、1〜100mgの範囲であり、2〜80mgであることがより好ましく、5〜60mgであることがさらに好ましい。
(服用感)
本発明の圧縮固形組成物は、口腔内での崩壊が抑制され咽頭で溶解することにより、不快味が抑制され、喉で爽快感(スッキリ感)を呈し得る。この為、服用感に優れている。
[圧縮固形組成物の製造方法]
本発明の圧縮固形組成物は、例えば、つぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、圧縮固形組成物の材料となる(A)及び(B)成分と任意の添加剤とを慣用の方法で混合し、薬剤又は生薬含有混合物を作製する。そして、この混合物を、所定形状に成型することにより、本発明の圧縮固形組成物とすることができる。生薬含有混合物は、通常、粒子径850μm以下の粉末として成型に供される。なお、個々の成分をそれぞれ粒子径850μm以下の粉末に調製し、それらを混合して粒子径850μm以下の粉末の生薬含有混合物としてもよい。成型に際し、生薬含有混合物を成型機で圧縮成型する。そして、成型機に供する前に、生薬含有混合物を湿式造粒法又は乾式破砕造粒法等を用いて造粒してもよい。
上記湿式造粒法は、粉末の生薬含有混合物に対して、水やエタノール、油等の液体を、一括又はスプレーにより添加することにより、生薬含有混合物を粒状にする方法である。上記湿式造粒法としては、例えば、練合造粒法、押出造粒法、撹拌造粒法、流動層造粒法、噴霧乾燥法と称される方法が挙げられる。
上記乾式破砕造粒法は、粉末の生薬含有混合物を圧縮し、密度の高い塊状、板状の成形物を得て、その成形物を破砕及び解砕、整粒して所定の大きさの粒状物を得る方法である。上記乾式破砕造粒法は、ローラーコンパクター、スラッグ打錠機等の装置を用いることにより行うことができる。
成型機を用いる場合には、例えば、上記方法で得られた生薬含有混合物に、必要に応じて、結合剤や崩壊剤等を加えて混合した後、目的とする圧縮固形組成物の大きさに対応する杵と臼(金型)を備えて打錠することができる成型機を用い、圧縮成型することにより、本発明の圧縮固形組成物を得ることができる。すなわち、例えば、最大直径4.0mmの円柱状の圧縮固形組成物は、直径4.0mm用に設計された杵と臼を用い、杵で粉体を押圧することで得ることができる。ここで、杵の形状は、限定はされないが、例えば、R面、隅角R面、隅丸平面、隅角平面等いずれであってもよく、圧縮固形組成物は杵に対応するR面、隅角R面、隅丸平面、隅角平面等の外面形状を有する。圧縮固形組成物の周縁部は、ランド部(例えば、錠剤側面から、面取り部立ち上がり箇所までの部分)と呼ばれる帯状の形状を有することがある。
上記成型機での成型は、例えば、温度10〜50℃の条件下で行うことができるが、通常は、常温(加熱も冷却もしない温度)で行われる。また、上記成型機での成型は、通常、1〜30kNの成型圧で行われるが、3〜20kNの成型圧で行うことが好ましく、3〜12kNの成型圧で行うことが更に好ましく、3〜8kNの成型圧で行うことがより好ましく、4〜6kNの成型圧で行うことが更に好ましい。
[圧縮固形組成物の用量]
本発明の圧縮固形組成物は、有効成分を摂取するために、より多くの個数を服用することが好ましい。1回に服用する個数が、個別に包装されていることが好ましい。ここで、1回に服用する個数は、例えば、5〜30個、好ましくは6〜28個、より好ましくは8〜26個である。また、1回に服用する質量は、例えば、1〜3000mg、好ましくは10〜2000mg、より好ましくは10〜1500mgである。
本発明の圧縮固形組成物は、1日に服用する個数は、例えば、1〜200個、好ましくは5〜159個、より好ましくは10〜100個である。また、1日に服用する質量は、例えば、1〜8000mg、好ましくは10〜7000mg、より好ましくは100〜6000mgである。
上記個別包装は、密封可能な包装体であり、SP(Strip Package)包材やスティック状包材が例示される。このようなSP包材やスティック状包材としては、例えば、アルミシート材が筒状になるようその端部及び筒状の上下端部がシールされ、内部に密閉空間となる収容部が設けられているものがあげられる。とりわけ、1回に服用する個数の圧縮固形組成物が、SP包材やスティック状包材1包に包装されることが好ましい。上記SP包材やスティック状包材の包装材料としては、例えば特開2006−143276、特開2003−192023に記載されている包装材料等、透湿性や開封性(引き裂き性)等を考慮して適宜公知の素材を使用することができ、公知の方法で製造することができる。そして、SP包材やスティック状包材への圧縮固形組成物の収容は、通常、上端部のシールのみを残した状態の筒状包材の収容部に、所定個数の圧縮固形組成物を収容し、その後、上端部をシールして密閉することにより行われる。なお、SP包材やスティック状包材から内包された圧縮固形組成物を取り出すには、通常、その上端部のシール箇所から長さ方向に内側に入った箇所を切断することにより上端部を開口し、この開口部から行う。本発明の圧縮固形組成物は、服用のしやすさから、特にスティック状包材に包装されることが好ましい。SP包材やスティック状包材に内包された圧縮固形組成物は、包材の開口部から口内へ投入することにより、包材の収容部から取り出されることが好ましい。
上記SP包材やスティック状包材において、その幅(短辺)は、10〜40mmであることが好ましく、12〜35mmであることがより好ましく、14〜32mmであることが更に好ましく、16〜30mmであることが特に好ましく、18〜28mmであることが特により好ましい。SP包材やスティック状包材の幅がこの範囲にあると、服用時に、SP包材やスティック状包材から圧縮固形組成物を取り出す際に、開口部全体を無理なく口内に収めることが容易になり、本発明の効果をより顕著に奏することができる。また、その長さ(長辺)は、60〜150mmであることが好ましく、50〜130mmであることがより好ましく、45〜110mmであることが更に好ましく、40〜100mmであることが特に好ましく、35〜90mmであることが特に好ましい。上記幅(短辺)及び長さ(長辺)は、包材の外寸ではなく、シールされた上端部、下端部又は両側部の長さ等、すなわち圧縮固形組成物が収容される密閉空間部の寸法を意味する。短辺と長辺が曲線で交わる場合は、各辺の延長線を引き、交わる点を短辺と長辺の端点として上記寸法を測定する。
そして、上記SP包材やスティック状包材における幅(短辺)と長さ(長辺)の比は、1:1〜1:10が好ましく、1:1.2〜1:9が更に好ましく、1:1.5〜1:8がより好ましく、1:1.8〜1:7が特に好ましく、1:2.0〜1:6が特により好ましい。両者の比がこの範囲にあると、本発明の効果をより顕著に奏することができ、ユーザーの利便性が格段に向上する。
次に、実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下に示す成分組成は、特に記載がない限り、すべて質量基準(1日あたりの投与量)で示している。
〔実施例、比較例〕
以下の表1〜4に示す組成の通り調製した混合物を、目的の径を有する臼、杵(R面を有する)を備えた圧縮成型機を用いて打圧することで圧縮成型し、目的とする圧縮固形組成物を得た。生薬は、ボレイ、カンゾウ、ケイヒ、チンピ、コウボクを、生薬末としたものを用い、添加剤は日本薬局方の収載品を用いた。
Figure 2021187856
Figure 2021187856
Figure 2021187856
Figure 2021187856
得られた圧縮固形組成物は円柱状であった。最大直径(W)、高さ(H)、最大直径に対する高さの比率(高さ/最大直径;H/W)、1個あたりの質量を表1〜4に示した。
同様に、以下の表5に示す通り調製した混合物を、目的の径を有する臼、杵を備えた圧縮成型機を用いて打圧することで圧縮成型し、圧縮固形組成物を得た。添加剤は日本薬局方の収載品を用いた。
Figure 2021187856
各実施例及び各比較例の圧縮固形組成物について、(1)崩壊時間(分)、(2)口内の不快味、(3)喉の爽快感、及び(4)総合服用感)の4項目について評価を行い、その結果を表に示した。なお、実施例、比較例は、すべて、金型を用いて圧縮打錠して調製した。
各項目の評価方法は、以下に示すとおりである。
(1)崩壊時間(分)
崩壊試験法は日本薬局方(第17改正)の崩壊試験法(補助盤なし、37℃精製水使用)に準じる。より詳細には、補助盤なし、37℃精製水使用すなわち、圧縮固形組成物を、30号ふるい(500 μm)を用いて製剤の粒度の試験法〈6.03〉に準じてふるい、30号ふるいに残留した0.10gを補助筒にとり,補助筒を試験器のガラス管に入れて固定する。精製水1200mLをガラス管に入れ、37±2℃で試験器を作動させる。補助筒内の圧縮固形組成物の崩壊の様子を観察し、圧縮固形組成物の残留物を全く認めないか、又は認めても明らかに原形をとどめない軟質の物質であるときを崩壊したと判断し、試験器の作動開始から崩壊までの時間を計測する。これを3回行い、平均を崩壊時間として算出した。
(2)口内の不快味及び(3)喉の爽快感
圧縮固形組成物10個をスティック包装(縦7cm、横1.5cm、アルミ製)に充填包装した。縦の上端から1cm下を横方向に切り裂いて開封し、圧縮固形組成物10個を一度に口腔へ服用し、水100mLで嚥下した。
(口内の不快味の評価基準)
圧縮固形組成物を口腔へ服用してから嚥下するまでに、口内で不快味を強く感じた場合を1点、不快味を感じない場合を5点として1点から5点の間で点数を付けた。
5名の点数の平均値が1.0以上2.0未満の場合は×、2.0以上3.0未満の場合は△、3.0以上4.0未満の場合は〇、4.0以上5.0未満の場合は◎として、表に示した。
(喉の爽快感の評価基準)
圧縮固形組成物を嚥下直後の喉領域の爽快感について、爽快感全く感じない場合を1点、爽快感を強く感じた場合を5点として1点から5点の間で点数を付けた。5名の点数の平均値が1.0以上2.0未満の場合は×、2.0以上3.0未満の場合は△、3.0以上4.0未満の場合は〇、4.0以上5.0未満の場合は◎として、表に示した。
(4)総合服用感下記の評価手順で総合服用感を評価した。結果を表に示した。
(総合服用感の評価手順)
(1)口内の不快味及び/又は喉の爽快感の評価結果が×である場合は、×と評価する
(2)(1)に該当しない場合、口内の不快味及び/又は喉の爽快感の評価結果が△である場合は、△と評価する
(3)(2)に該当しない場合、口内の不快味及び/又は喉の爽快感の評価結果が〇である場合は、〇と評価する
(4)(3)に該当しない場合、◎と評価する
評価結果から明らかな通り、実施例は総合服用感が優れていた。実施例26、27は服用感に優れ、服用者は胃もたれしている時の喉のムカムカする不快感が解消してスッキリする、組成物が喉を通過すると二日酔いで喉元から胃まで重くつまった感じが取れて服用感が良い、という評価だった。
〔製剤例〕
下記の表に示す成分を用いて、圧縮固形組成物(製剤例1〜10)を調製した。製造例1〜8は素錠であり、製造例9及び10は服用の際に水を用いることなく服用することができるチュアブルであり、なお、製剤例1〜10の原料としては、日本薬局方の収載品を用いた。
Figure 2021187856
W 最大直径
H 高さ

Claims (7)

  1. (A)無機化合物系制酸剤、でんぷん消化酵素、タンパク質消化酵素、脂肪消化酵素、ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上;並びに
    (B−1)モノテルペン及び/又は(B−2)糖アルコールを含有する圧縮固形組成物であって、
    (C)最大直径1〜4mm、
    (D)最大直径に対する、高さの比率が0.5〜2、である、圧縮固形組成物。
  2. 前記(A)成分が、少なくとも、無機化合物系制酸剤、ボレイ、ケイヒ、カンゾウ、チンピ、コウボク、及びロートエキスからなる群より選択される1種以上を含み、かつ(A)成分の総量が、圧縮固形組成物中の40質量%以上である、請求項1に記載の圧縮固形組成物。
  3. 結合剤及び/又は崩壊剤を含み、その総量が、圧縮固形組成物中の30質量%以下である、請求項1又は2に記載の圧縮固形組成物。
  4. (E)日本薬局方(第17改正)の崩壊試験法(補助盤なし、37℃の精製水使用)による崩壊時間が1〜20分である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
  5. (F−1)1回服用数が5個〜30個、及び/又は、(F−2)1個当たりの質量が1mg〜100mgである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
  6. 口腔内での不快味が抑制され、喉で爽快感を呈する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
  7. 前記(B−1)モノテルペンとしてメントールを含み、前記(B−2)糖アルコールとして、キシリトールを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧縮固形組成物。
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