JP2023164934A - 固形医薬品 - Google Patents

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Abstract

【課題】生薬が一定量以上配合されているにもかかわらず、成型障害が発生しにくく、品質のばらつきがなく、服用感に優れる固形医薬品を提供する。【解決手段】生薬を有する固形医薬品1であって、その最大径Wが2.5~9.0mmとなるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、生薬が一定量以上配合されているにもかかわらず、成型障害が発生しにくく、その品質も担保された固形医薬品に関するものである。
生薬を一定量以上含有する固形医薬品を製造する場合、生薬は一般的に吸湿性が高いことから、成型障害が発生しやすいという問題がある。とりわけ、有効成分が生薬の形で複数配合され得る漢方製剤、胃腸薬、感冒薬等の一般用医薬品は、薬効成分を単独で含む医療用医薬品に比べると一日当たりの服用量を多くする必要があるため、固形医薬品が大型化し、また吸湿しやすいことから、より成型障害が発生する傾向がみられる。
しかしながら、医薬品においては、決められた処方に基づき正確に製造することが最も重要であり、成型障害がたびたび発生するような条件下で製造するのは、品質のばらつきなどを引き起こす可能性があるため、好ましくない。
一方で、一般的に固形医薬品は小型に成型しづらいことが知られている(特許文献1)。したがって、当然、生薬を一定量含有する固形医薬品においても、同様の傾向を有するか、あるいはそれ以上に困難であろうと考えるのが当業者の技術常識であった。
特開2011-126857号公報
本発明は、このような従来の技術常識を打破してなされたもので、生薬が一定量以上配合されているにもかかわらず、成型障害が発生しにくく、品質のばらつきがない優れた固形医薬品の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、生薬を有する固形医薬品であって、最大径が2.5~9.0mmである固形医薬品をその第1の要旨とする。
そして、上記第1の要旨の固形医薬品のうち、生薬を固形医薬品全体に対して、総量として1質量%以上含有するものを第2の要旨とし、上記第1,2の要旨の固形医薬品のうち、さらに添加剤を有するものを第3の要旨とし、上記第1~3の要旨の固形医薬品のうち、生薬が、植物の根、樹皮、葉、根茎、地上茎、花、全草、果実、果皮、種子および樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一つを用いるものであり、生薬末およびエキス粉末の少なくとも一方の形態で配合されたものを第4の要旨とし、上記第1~4の要旨の固形医薬品のうち、固形医薬品の硬度が、1.0~10.0kpであるものを第5の要旨とする。
また、上記第1~5の要旨の固形医薬品のうち、生薬の総量1質量部に対して、添加剤を総量として0.001~20質量部含有するものを第6の要旨とし、上記第1~6の要旨の固形医薬品を2~80個を収容してなる包装体を第7の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、生薬が一定量以上配合されている固形医薬品について、その製造工程における成型障害の発生を抑制するため、種々の検討を重ねた。その結果、固形医薬品の最大径を特定の範囲内に設定すると、意外なことに、成型障害の発生が抑制され、固形医薬品の品質を担保できることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明の固形医薬品は、生薬が一定量以上配合されているにもかかわらず、その製造工程において、成型障害の発生が効果的に抑制されている。このため、所望の処方の固形医薬品を安定して製造することができ、固形医薬品の品質を高いレベルで担保することができる。また、固形医薬品の最大径が特定され、小型化されているため、容易に嚥下できる等、服用感が向上している。
(a)~(d)は、いずれも本発明の固形医薬品の形状の一例を示す説明図である。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明は、生薬を有する固形医薬品であって、その最大径が2.5~9.0mmの固形医薬品である。以下に詳細を説明する。
本発明における生薬とは、日本薬局方および日本薬局方外生薬規格局外に「生薬」として掲載されたものすべてを含むが、これに限定されない。薬用にする目的を持つ、植物、動物、鉱物などの天然物の乾燥、または簡単な加工を施したものすべてを含むものである。なかでも、本発明に用いる生薬としては、植物生薬が好ましい。植物生薬は、植物の根、樹皮、葉、根茎、地上茎、花、全草、果実、果皮、種子、樹脂に由来するものを用いることが好ましい。中でも、植物の根、樹皮、葉、根茎、地上茎、全草、果実、果皮に由来するものがより好ましく、植物の根、樹皮、葉、根茎、地上茎、全草、果皮に由来するものがさらにより好ましい。また、生薬は、生薬末あるいはエキス粉末の形態である場合に、吸湿性が高くなる傾向がみられるが、本発明は、とりわけ、このような吸湿性の高いものを生薬として配合したものに対し、優れた効果を発揮することができる。
植物の根に由来する生薬としては、例えば、カンゾウ、オンジ、オウギ、カッコン、カノコソウ、キキョウ、ゲンチアナ、コウジン、サイコ、サイシン、ジオウ、シャクヤク、セネガ、ソウハクヒ、トウキ、トコン、ニンジン、ビャクシ、ボウフウ、ベラドンナ、モッコウ、リュウタンが挙げられる。植物の樹皮に由来する生薬としては、例えば、ケイヒ、アカメガシワ、オウバク、コウボク、コンズランゴ、トチュウが挙げられる。植物の葉に由来する生薬としては、例えば、アロエ、センナ、ソヨウ、ビワヨウ、アマチャ、ウワウルシが挙げられる。植物の根茎に由来する生薬としては、例えば、ウコン、オウレン、ガジュツ、ショウキョウ、サンキライ、センキュウ、ソウジュツ、ダイオウ、ビャクジュツ、ボウイ、ロートコンが挙げられる。植物の地上茎に由来する生薬としては、例えば、マオウ、ゲンノショウコ、モクツウが挙げられる。植物の花に由来する生薬としては、例えば、カミツレ、コウカ、サフラン、シンイ、チョウジ、インチンコウ、カゴソウ、キクカ、ケイガイが挙げられる。植物の全草に由来する生薬としては、例えば、センブリ、シャゼンソウ、ジュウヤク、ハッカが挙げられる。植物の果実に由来する生薬としては、例えば、ウイキョウ、キササゲ、キジツ、タイソウ、トウガラシが挙げられる。植物の果皮に由来する生薬としては、例えば、サンショウ、チンピ、トウヒが挙げられる。植物の種子に由来する生薬としては、例えば、キョウニン、ケツメイシ、シュクシャ、トウニン、ヨクイニンが挙げられる。植物の樹脂に由来する生薬としては、例えば、アラビアゴム、トラガントが挙げられる。
本発明における生薬としては、具体的には、例えば、ケイヒ、カンゾウ、オンジ、アカメガシワ、アセンヤク、アマチャ、アラビアゴム、アロエ、アンソッコウ、イレイセン、インチンコウ、インヨウカク、ウイキョウ、ウコン、ウヤク、ウワウルシ、エイジツ、エンゴサク、オウギ、オウゴン、オウセイ、オウバク、オウレン、シャゼンソウ、カゴソウ、カシュウ、ガジュツ、カッコン、カノコソウ、カロコン、カンキョウ、キキョウ、キクカ、キササゲ、キジツ、キョウカツ、キョウニン、クコシ、クジン、ケイガイ、ケツメイシ、ケンゴシ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウカ、コウジン、コウブシ、コウボク、ゴオウ、ゴシツ、ゴシュユ、ゴボウシ、ゴミシ、コロンボ、コンズランゴ、サイコ、サイシン、サフラン、サンキライ、サンシシ、サンシュユ、サンショウ、サンソウニン、サンヤク、ジオウ、シゴカ、ジコッピ、シコン、シツリン、シャクヤク、ジャショウシ、シャゼンシ、ジュウヤク、シュクシャ、ショウキョウ、ショウズク、ショウマ、シンイ、セッコク、セネガ、センキュウ、センコツ、センソ、センナ、センブリ、ソウジュツ、ソウハクヒ、ソボク、ソヨウ、ダイオウ、タイソウ、タクシャ、チクセツニンジン、チモ、チョウジ、チョウトウコウ、チョレイ、チンピ、テンマ、テンモンドウ、トウガシ、トウガラシ、トウキ、トウニン、トウヒ、トコン、トチュウ、トラガント、ニガキ、ニンジン、ニンドウ、バイモ、バクモンドウ、ハッカ、ハマボウフウ、ハンゲ、ビャクシ、ビャクジュツ、ビワヨウ、ビンロウジ、ブクリョウ、ブシ、ベラドンナ、ヘンズ、ボウイ、ボウコン、ボウフウ、ボタンピ、ヒミカ、マオウ、マクリ、マシニン、モクツウ、モッコウ、ヤクチ、ユウタン、ヨクイニン、リュウコツ、リュウタン、リョウキョウ、レンギョウ、レンニク、ロジン、ロートコン等が挙げられる。とりわけ、一般用医薬品に汎用される点から、ケイヒ、カンゾウ、オンジ、アカメガシワ、アマチャ、アラビアゴム、アロエ、インチンコウ、ウイキョウ、ウコン、ウワウルシ、オウギ、オウゴン、オウバク、オウレン、シャゼンソウ、ガジュツ、カッコン、カゴソウ、カノコソウ、キクカ、キキョウ、キジツ、キョウニン、ケイガイ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウカ、コウジン、コウボク、サイコ、サフラン、サンショウ、ジュウヤク、ジオウ、シャクヤク、シュクシャ、ショウキョウ、シンイ、セネガ、センキュウ、センナ、センブリ、ソウジュツ、ソヨウ、ダイオウ、タイソウ、チョウジ、チンピ、トウガラシ、トウヒ、トチュウ、トウキ、トウニン、トコン、トラガント、ニンジン、ハッカ、ビャクジュツ、ビワヨウ、ベラドンナ、ボウイ、ボウフウ、マオウ、モッコウ、ロートコンが好適に用いられ、ウワウルシ、オウレン、オンジ、カノコソウ、カンゾウ、キキョウ、キジツ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、コウカ、サフラン、シャクヤク、ジュウヤク、シュクシャ、ショウキョウ、シンイ、センキュウ、センブリ、チンピ、トウキ、ニンジン、ベラドンナ、ボウイが一層好適に用いられ、特にケイヒ、カンゾウ、オンジを好適に用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの生薬を味で分類すると、「甘い」、「辛い」、「苦い」、「えぐい」、「渋い」、「特徴なし」の6つの区分に大別することができる。なお、生薬によっては、例えばケイヒように複雑な味を有し、複数の区分に属するものがある。「甘い」に分類される生薬としては、例えば、ケイヒ、トウキ、カンゾウ、ゲンチアナ、オウギ、カッコン、コウジン、ジオウ、ニンジン、ボウフウ、ロートコン、アマチャ、タイソウ、セネガ、シャクヤク、ヨクイニンが挙げられる。「辛い」に分類される生薬としては、例えば、ケイヒ、トウキ、サイシン、ショウキョウ、トコン、ガジュツ、トウガラシ、サンショウ、シュクシャ、シンイ、チョウジ、インチンコウが挙げられる。「苦い」に分類される生薬としては、例えば、トコン、ガジュツ、シンイ、ゲンチアナ、カッコン、コウジン、コンズランゴ
、ジオウ、ニンジン、ロートコン、アカメガシワ、オウバク、コウボク、ベラドンナ、カノコソウ、サイコ、モッコウ、ウコン、オウレン、センキュウ、ソウジュツ、ビャクジュツ、ボウイ、センブリ、ウワウルシ、センナ、ソヨウ、アロエ、キジツ、チンピ、トウヒ、キョウニン、トウニン、コウカ、サフラン、キクカ、キキョウ、シャクヤク、ダイオウ、マオウ、リュウタン、ビャクシ、カミツレが挙げられる。「えぐい」に分類される生薬としては、例えば、キキョウ、オンジ、セネガ、モクツウが挙げられる。「渋い」に分類される生薬としては、例えば、シャクヤク、ダイオウ、マオウ、ゲンノショウコ、キササゲが挙げられる。「特徴なし」に分類される生薬としては、例えば、シャゼンソウ、カゴソウ、ケツメイシ、サンキライ、ソウハクヒが挙げられる。
また、これらの生薬を日本薬局方および日本薬局方外生薬規格に記載の灰分量で分類すると、上限値が「5%未満」、「5%以上7%未満」、「7%以上10%未満」、「10%以上」、「記載なし」の5つの区分に大別することができる。「5%未満」に分類される生薬としては、例えば、アロエ、タイソウ、モッコウ、オウレン、キキョウ、ウワウルシ、チンピ、アラビアゴム、トラガント、ニンジン、コウジン、ヨクイニンが挙げられる。「5%以上7%未満」に分類される生薬としては、例えば、オウギ、セネガ、トコン、トウヒ、シンイ、ケイヒ、コウボク、オンジ、ベラドンナ、ゲンチアナ、カッコン、センキュウ、サイコ、ジオウ、シャクヤク、センブリ、キササゲ、ケツメイシが挙げられる。「7%以上10%未満」に分類される生薬としては、例えば、カンゾウ、トウキ、ボウフウ、ガジュツ、ソウジュツ、ビャクジュツ、ロートコン、ボウイ、キジツ、チョウジ、オウバク、ウコン、サフラン、トチュウ、ショウキョウ、トウガラシ、サンショウ、キクカ、シュクシャ、インチンコウ、リュウタン、ビャクシが挙げられる。「10%以上」に分類される生薬としては、例えば、カノコソウ、ゲンノショウコ、ビワヨウ、ウイキョウ、マオウ、ケイガイ、アカメガシワ、ハッカ、センナ、アマチャ、ダイオウ、カゴソウ、ジュウヤク、シャゼンソウ、ソヨウ、コウカ、コンズランゴ、ソウハクヒ、モクツウ、サイシン、カミツレが挙げられる。「記載なし」に分類される生薬としては、例えば、キョウニン、トウニンが挙げられる。
そして、生薬の形態としては、生薬そのもの(原生薬)はもちろん、以下の形態のものを含む趣旨である。すなわち、本発明の生薬には、原生薬を粉末状にした「生薬末」、原生薬または生薬末を水、エタノール、油等の有機溶媒またはその混合物を用いて抽出した「抽出液」、抽出液を乾燥させ粉末状にした「エキス粉末」、抽出液を濃縮した「濃縮エキス」等の、通常、漢方製剤に使用される形態全般が含まれる。
また、本発明の固形医薬品には、生薬以外の薬効成分を含んでもよい。生薬以外の薬効成分としては、特に限定されないが、例えば、鎮痛成分、抗ヒスタミン成分、鎮咳成分、気管支拡張成分、去痰成分、粘膜保護成分、制酸成分、健胃成分、整腸成分、止瀉成分、交感神経興奮成分、副交感神経遮断成分や、カフェイン類、ビタミン類、消炎酵素類等が挙げられる。
本発明の固形医薬品は、生薬を多量に含有することができるものであり、具体的には、固形医薬品全体に対して、生薬の総量として1質量%以上含有するものである。とりわけ固形医薬品全体に対して、生薬の総量として3~99質量%、さらには5~98質量%、さらには10~95質量%、さらには20~90質量%、さらには30~80質量%、さらには40~75質量%、特に50~70質量%含有することが好ましい。生薬含有量が少なすぎると、有効成分を必要量摂取するために多量の固形医薬品を服用しなければならず煩雑となり、多すぎると生薬特有の匂いや味が強くなり過ぎ、服用しづらくなるためである。なお、上記生薬の総量とは、複数種類の生薬が用いられる場合にはそれらの質量の合計したものを意味し、単生薬を用いる場合にはその生薬単独の質量を意味する。
本発明の固形医薬品には、多量の生薬を含有することができ、生薬の用量(投与量)は添加剤の種類や量、他の成分の種類や量、服用者の状態(体重、年齢、性別、症状、体調等)等に応じて適宜設定でき、限定はされないが、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、下記に示すものが例示される。すなわち、通常、1日あたりの経口投与量は、ケイヒ抽出物として、100~10000mgとすることができ、より好ましくは200~7500mg、さらに好ましくは400~5000mg、特に好ましくは600~4000mg、特により好ましくは800~3500mg、最も好ましくは3000mgとすることができる。ケイヒ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、100~10000mgとすることができ、より好ましくは200~7500mg、さらに好ましくは400~5000mg、特に好ましくは600~4000mg、特により好ましくは800~3500mg、最も好ましくは3000mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、カンゾウ抽出物として、200~10000mgとすることができ、より好ましくは400~8000mg、さらに好ましくは600~7000mg、特に好ましくは800~6000mg、特により好ましくは1000~5000mg、最も好ましくは5000mgとすることができる。カンゾウ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、200~10000mgとすることができ、より好ましくは400~8000mg、さらに好ましくは600~7000mg、特に好ましくは800~6000mg、特により好ましくは1000~5000mg、最も好ましくは5000mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、オンジ抽出物として、100~10000mgとすることができ、より好ましくは150~7500mg、さらに好ましくは200~5000mg、特に好ましくは250~3000mg、特により好ましくは300~1500mgとすることができる。オンジ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、800~5500mgとすることができ、より好ましくは1000~5000mg、さらに好ましくは1500~4500mg、特に好ましくは2000~4000mg、特により好ましくは2500~3500mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、ショウキョウ抽出物として、10~10000mgとすることができ、より好ましくは20~7500mg、さらに好ましくは50~6000mg、特に好ましくは75~4000mg、特により好ましくは100~2500mgとすることができる。ショウキョウ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、30~30000mgとすることができ、より好ましくは60~22500mg、さらに好ましくは100~18000mg、特に好ましくは200~12000mg、特により好ましくは300~7500mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、ゲンノショウコ抽出物として、50~10000mgとすることができ、より好ましくは500~7500mg、さらに好ましくは1000~5000mg、特に好ましくは2000~4000mg、特により好ましくは2500~3500mgとすることができる。ゲンノショウコ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、2000~25000mgとすることができ、より好ましくは4000~20000mg、さらに好ましくは6000~18000mg、特に好ましくは8000~15000mg、特により好ましくは8500~12500mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、センブリ抽出物として、10~3500mgとすることができ、より好ましくは25~2500mg、さらに好ましくは50~2000mg、特に好ましくは75~1000mg、特により好ましくは100~700mgとすることができる。センブリ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、250~5000mgとすることができ、より好ましくは500~3000mg、さらに好ましくは750~2500mg、特に好ましくは1000~2000mg、特により好ましくは1250~1750mg、最も好ましくは1500mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、ジュウヤク抽出物として、100~20000mgとすることができ、より好ましくは500~18000mg、さらに好ましくは1000~15000mg、特に好ましくは1250~10000mg、特により好ましくは1500~7000mgとすることができる。ジュウヤク抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、6000~20000mgとすることができ、より好ましくは7000~18000mg、さらに好ましくは8000~17000mg、特に好ましくは9000~16000mg、特により好ましくは10000~15000mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、ウワウルシ抽出物として、100~12000mgとすることができ、より好ましくは150~10000mg、さらに好ましくは300~8000mg、特に好ましくは500~5000mg、特により好ましくは750~2500mgとすることができる。ウワウルシ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、6000~25000mgとすることができ、より好ましくは7000~20000mg、さらに好ましくは8000~18000mg、特に好ましくは9000~16000mg、特により好ましくは9500~15500mg、最も好ましくは10000~15000mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、ベラドンナ抽出物として、0.05~100mgとすることができ、より好ましくは0.125~40mg、さらに好ましくは0.25~20mg、特に好ましくは0.5~10mg、特により好ましくは1~5mgとすることができる。ベラドンナ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、0.1~200mgとすることができ、より好ましくは1~140mg、さらに好ましくは10~120mg、特に好ましくは12~100mg、特により好ましくは15~80mg、最も好ましくは20~60mgとすることができる。
通常、1日あたりの経口投与量は、ゲンチアナ抽出物として、25~2000mgとすることができ、より好ましくは50~1500mg、さらに好ましくは100~1000mg、特に好ましくは200~750mg、特により好ましくは250~550mgとすることができる。ゲンチアナ抽出物の1日あたりの経口投与量は、原生薬換算で表すと、25~2000mgとすることができ、より好ましくは50~1500mg、さらに好ましくは100~1000mg、特に好ましくは200~750mg、特により好ましくは250~550mg、最も好ましくは300~500mgとすることができる。
なお、本明細書において「原生薬換算」とは、生薬の抽出物の量を、当該抽出物を調製するのに必要な原生薬(生薬混合物)の量として表したものを意味する。1日あたりの服用量は、1~3回に分けて服用してもよい。
つぎに、本発明における添加剤とは、一般に製剤学的に利用可能な添加剤のすべてを含んでいる。このような添加剤としては、例えば、安定化剤、安定剤、界面活性剤、滑沢化剤、滑沢剤、可溶(化)剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸着剤、矯味剤、結合剤、懸濁(化)剤、硬化剤、抗酸化剤、光沢化剤、香料、コーティング剤、剤皮、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼(化)剤、咀嚼剤、静電防止剤、着香剤・香料、着色剤、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘着剤、粘着増強剤、粘調(化)剤、発泡剤、pH調整剤、pH調節
剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、崩壊補助剤、芳香剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、流動化剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
添加剤の具体例としては、例えば、精製白糖、ブドウ糖、トレハロース、乳糖、マルトース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、グラニュトール、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、カンゾウ抽出物、ステビア抽出物、ラカンカ抽出物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、塩化ナトリウム、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒプロメロースフタル酸エステル、セルロースアセテートフタレート、デキストリン、アルファー化デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、カゼイン、カゼインナトリウム、カルボキシビニルポリマー、酒石酸、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油、寒天、セラック、グリセリン、芳香性精油類、水溶性食用色素、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、二酸化チタン、レーキ色素、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸、シクロデキストリン、ポリソルベート80、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サラシミツロウ、中鎖脂肪酸トリグリセリド、アスコルビン酸、トコフェロール、チオ硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、植物由来香料(オレンジやレモン等の果実系香料やコーヒー系香料、茶系香料)、チョコレート系香料、ヨーグルト系香料、ミルク系香料やメントール、ハッカ油、レモン油、ペパーミント油、スペアミント油、スパイス油等の植物精油等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明の固形医薬品を成型するにあたり、特に好ましい添加剤は、結合剤、流動化剤、滑沢剤である。なかでも成型(成形)を効率よく行う観点から、最も好ましいのは滑沢剤である。
上記添加剤のうち、結合剤は、原料の粉体粒子同士を効果的に結びつけることができる。このため、結合剤を用いると、固形医薬品の機械的強度、すなわち硬度を向上させることができる。上記結合剤としては、例えば、結晶セルロース、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース等)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン等)、乳糖、糖アルコール(マンニトール、キシリトール、スクラロース等)、寒天、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルが挙げられ、好ましくは結晶セルロース、セルロース誘導体、アルファー化デンプン、乳糖、糖アルコールであり、特に好ましいのは結晶セルロース、アルファー化デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン等)、乳糖である。
上記結合剤は、生薬の総量1質量部に対して、結合剤の総量として0.01~15質量部含有することが好ましく、0.05~10質量部含有することがさらに好ましく、0.1~5質量部含有することが一層好ましく、0.2~3質量部含有することが特に好ましい。
本発明の固形医薬品には、流動化剤を添加することで、材料を混合する際に、材料が凝集することを抑制することができる。また、材料の混合物である、混合末や顆粒の流動性を向上させることができる。上記流動化剤としては、例えば、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムが挙げられ、好ましくはケイ酸カルシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムであり、特に好ましくは、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムである。
上記流動化剤は、生薬の総量1質量部に対して、流動化剤の総量として0.005~5質量部含有することが好ましく、0.01~3質量部含有することが一層好ましく、0.1~1質量部含有することが特に好ましい。
本発明の固形医薬品には、滑沢剤を添加することで、粉体間の付着力を弱めて粉体の成型機、特に杵や臼への付着を防ぐことができる。このため、固形医薬品の製造をスムーズに行うことができる。杵や臼に粉体が付着したままの状態で成型すると、出来上がった錠剤の表面につやがなくなったり、成型自体が困難になるおそれがある。上記滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ラウリル硫酸ナトリウム、セタノール、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウが挙げられ、なかでもステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、ミツロウ、サラシミツロウが好ましく、最も好ましいのはステアリン酸マグネシウムである。
上記滑沢剤は、生薬の総量1質量部に対して、滑沢剤の総量として0.001~2質量部含有することが好ましく、0.005~1質量部含有することが一層好ましく、0.007~0.5質量部含有することがより好ましく、0.01~0.2質量部含有することが特に好ましい。
本発明の固形医薬品においては、生薬に対して適切な量の添加剤を配合することにより、効率よく成型することができる。なかでも、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸およびステアリン酸マグネシウムの3成分を併用すると、本発明の効果がより顕著に現れるため好適である。そして、添加剤の量は生薬等の種類によって調整されるものであるが、生薬の総量1質量部に対して、結合剤、流動化剤および滑沢剤からなる群から選ばれた少なくとも一つを、その総量として0.001~20質量部、さらには0.01~15質量部、とりわけ0.1~5質量部含有することが好ましい。
本発明において、固形医薬品とは、医薬品を一定の形状に成型したものを意味し、特に限定されないが、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、トローチ剤等の剤型が例示され、とりわけ、圧縮して成型した剤型、すなわち金型成型製剤に適する。本発明の固形医薬品が金型成型製剤である場合には、その硬度を所定の範囲に設計しやすくなり、嚥下容易性および服用感を向上させることができ、また、長期保存性にも優れるため好適である。そして、固形医薬品の形状は、人が嚥下することが可能な形状であればよく、例えば、俵状、三角柱状、四角柱状、円盤状、円柱状、フットボール状、球状があげられる。なかでも、成型が容易である点から、俵状あるいは円盤状、円柱状の錠剤が好ましく用いられるが、本発明の本質を損なわない限り、薬事法上または日本薬局方で顆粒剤と分類されるものにも用いることができる。
そして、本発明の固形医薬品の大きさは、最大径が2.5~9.0mmの範囲であればよく、なかでも2.5~8.5mm、とりわけ2.5~8.0mm、さらに2.5~7.5mm、さらにとりわけ2.5~7.0mm、より2.5~6.5mm、さらにより2.5~6.0mm、より好ましくは2.5~5.5mm、さらにより好ましくは2.5~5.0mm、特に2.5~4.5mm、さらに特に2.5~4.0mm、最も3.0~4.0mmのものが好ましい。固形医薬品の最大径が大きすぎると成型障害が生じやすくなり、小さすぎると成型そのものが困難になるためである。本発明における最大径とは、形状が円柱状の固形医薬品の場合、図1(a)~(c)のWで示す通り、床面に静置した場合の平面視における円の直径をいう。また、形状が円柱状ではない固形医薬品の場合は、図1(d)のWで示す通り、床面に静置した場合の平面視における長い径または辺の長さをいう。なお、図1(a)~(d)において、符号1は固形医薬品を示している。
本発明の固形医薬品は、嚥下し易い大きさに成型されているため、服用感が向上している。嚥下を容易にする観点から、本発明における固形医薬品の大きさは、最大径が2.5~8.5mmの範囲が好ましく、なかでも2.5~8.0mmの範囲が好ましく、とりわけ2.5~7.5mmの範囲が好ましく、さらに2.5~7.0mmの範囲が好ましく、より3.0~6.5mmの範囲が好ましく、特に3.5~6.0mmの範囲が好ましい。この範囲における嚥下容易性は、ヒトが本発明の固形医薬品を服用した際の喉筋電位を、筋電位計を用いて測定することで検証することができる。
また、本発明の固形医薬品の硬度は、通常1.0~10.0kpの範囲であり、1.6~10.0kpであることが好ましく、なかでも1.6~8.5kp、特に1.6~8.0kp、とりわけ2.0~7.8kp、さらに2.5~7.6kp、よりよくは3.0~7.5kpのものが好ましい。固形医薬品の硬度が高すぎると体内で崩壊しづらくなり、低すぎると成型後の製造工程及び流通経路などで障害を受けやすく、品質が保てなくなるためである。本発明における硬度とは、無作為に選出した10個について硬度計を用いて破壊強度を測定し、得た値の平均をいう。
本発明の固形医薬品は、同一の最大径になるように調製した固形医薬品を、最大径の1.2倍の大きさの篩を使用して篩い分けを行うと、90%以上が篩を通過することが好ましく、なかでも92%以上が篩を通過することが好ましく、特に94%以上が篩を通過することが好ましい。さらに最大径の0.8倍の大きさの篩を使用して篩い分けを行うと90%以上が篩上に残留することが好ましく、なかでも92%以上が篩上に残留することが好ましく、特に94%以上が篩上に残留することが好ましい。このような固形医薬品は、形状やサイズのバラツキが小さいため、所定の有効成分量を正確に服用することができる。例えば、最大径4.0mmの金型を使用して調製した円柱状の固形医薬品では、1回に服用する複数の固形医薬品の最大径をそれぞれ計測し、その平均値が4.0mmであった場合は、固形医薬品1gを4.8mmの篩を使用して篩い分けを行うと0.9g以上が篩を通過し、さらに固形医薬品1gを3.2mmの篩を使用して篩い分けを行うと0.9g以上が篩上に残留し、調製した固形医薬品の最大径は4.0±0.80mmとなる。
本発明の構成によれば、生薬の含有割合の高い固形医薬品とすることもできるため、添加剤の使用量を低減することができる。固形医薬品に対する添加剤の総量は、通常90質量%未満であるが、75質量%未満にすると好適であり、50質量%未満にすると一層好適である。また、成型障害が効果的に抑制されているため、固形医薬品を効率よく製造することができるとともに、固形医薬品の品質の安定化が図られている。また、生薬の含有割合を高めているにも関わらず、固
形医薬品として求められる硬度を有するものとなり、保存性にも優れるものとなる。さらに、固形医薬品が小型であるため、例えば、高齢者のように固形医薬品の嚥下が困難な人に対しても服用してもらうことが可能となる。また、服用に際して生薬特有の不快な臭いを感じる程度が顕著に抑制されている。したがって、幅広い層のユーザーに提供することが可能となる。
本発明の固形医薬品は、例えば、つぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、固形医薬品の材料となる生薬とその添加剤とを慣用の方法で混合し、生薬含有混合物を作製する。そして、この生薬含有混合物を、所定形状に成型することにより、本発明の固形医薬品とすることができる。上記生薬と添加剤とが混合された生薬含有混合物は、通常、粒子径850μm以下の粉末として成型に供される。なお、生薬および添加剤を予めそれぞれ粒子径850μm以下の粉末に調製し、それらを混合して粒子径850μm以下の粉末の生薬含有混合物としてもよい。また、成型に際し、生薬含有混合物を成型機で圧縮成型することが好ましい。そして、成型機に供する前に、生薬含有混合物を湿式造粒法または乾式破砕造粒法等を用いて造粒してもよい。粒状の生薬含有混合物を成型機に供するようにすると、より成型障害を抑制することができる。
上記湿式造粒法は、粉末の生薬含有混合物に対して、水やエタノール、油等の液体を、一括またはスプレーにより添加することにより、生薬含有混合物を粒状にする方法である。上記湿式造粒法としては、例えば、練合造粒法、押出造粒法、撹拌造粒法、流動層造粒法、噴霧乾燥法と称される方法が挙げられる。
上記生薬含有混合物に添加する液体として、上記結合剤や流動化剤を水やエタノール、油等に溶解させたものを用いてもよい。上記結合剤や流動化剤は、水やエタノール、油等の溶媒に溶解させて添加するのではなく、そのままの状態で生薬含有混合物に添加することもできる。なお、結合剤や流動化剤は、必ずしも生薬含有混合物に添加しなくてもよい。
上記乾式破砕造粒法は、粉末の生薬含有混合物を圧縮し、密度の高い塊状、板状の成形物を得て、その成形物を破砕および解砕、整粒して所定の大きさの粒状物を得る方法である。上記乾式破砕造粒法は、ローラーコンパクター、スラッグ打錠機等の装置を用いることにより行うことができる。
本発明の固形医薬品は、成型機を用いずに成型することもできる。例えば、上記湿式造粒法または乾式破砕造粒法により、生薬含有混合物を所定の大きさに成型することで本発明の固形医薬品を得ることができる。
成型機を用いる場合には、例えば、上記方法で得られた生薬含有混合物に、必要であればさらに滑沢剤を加えて混合した後、目的とする固形医薬品の大きさに対応する杵と臼(金型)を備えた成型機を用い、圧縮成型することにより、本発明の固形医薬品を得ることができる。すなわち、例えば、最大径4.0mmの円柱状の固形医薬品は、直径4.0mm用に設計された杵と臼を用いることで得ることができる。
上記成型機での成型は、例えば、温度10~50℃の条件下で行うことができるが、通常は、常温(加熱も冷却もしない温度)で行われる。また、上記成型機での成型は、通常、1~30kNの成型圧で行われるが、3~20kNの成型圧で行うことが好ましく、3~12kNの成型圧で行うことがさらに好ましく、3~8kNの成型圧で行うことがより好ましく、4~6kNの成型圧で行うことがさらに好ましい。成型圧が高すぎると、固形医薬品に割れ、欠け等の成型障害が生じやすい傾向がみられ、低すぎると成型自体が困難になる傾向がみられるためである。
成型された固形医薬品は、そのまま製品としてもよく、表面に糖衣やコーティング等の表面処理を施してもよい。表面処理を行った固形医薬品の最大径は、前記の通り、固形医薬品の形状によって平面視により計測できる。
本発明の固形医薬品は、特に制限されないが、医療用医薬品、一般用医薬品、食品であってもよい。ここで、医療用医薬品(医療薬)は医療機関により発行される処方箋により入手するものを意味し、一般用医薬品は小売店やインターネットにより市販され、使用者が自己判断で入手するものを意味する。本発明の固形医薬品は、服用しやすいため、使用者が医師の指導なく服用する一般用医薬品に好適に使用できる。一般用医薬品は、吸湿性の高い生薬を複合的に含有する場合が多く、さらに、流通・管理が過酷な条件下で行われることを考慮すると、一定の硬度・強度を有した状態で成型されていることが望ましく、本発明を用いることが好適である。
本発明の固形医薬品は、最大径が2.5~9.0mmであり、従来品に比べ体積が小さくなるため、従来品と同量の有効成分を配合することができない場合がある。このため、従来品と同量の有効成分を摂取するためには、より多くの個数を服用することが好ましい。よって、1回に服用する個数が、個別に包装されていることが好ましい。また、1回に服用する個数は、例えば、2~80個、なかでも3~75個、とりわけ4~70個、さらに5~65個、より6~60個、さらにより7~55個、8~50個が好ましく、10~40個がより好ましく、特に好ましいのは10~30個である。また、1日に服用する個数は、例えば、通常4~200個であり、なかでも6~180個であり、とりわけ8~160個であり、さらに10~150個であり、さらには10~120個であり、10~100個が好ましく、10~90個がより好ましく、特に好ましいのは20~75個である。
上記個別包装は、密封可能な包装体であり、SP(Strip Package)包材やスティック状包材が例示される。このようなSP包材やスティック状包材としては、例えば、アルミシート材が筒状になるようその端部および筒状の上下端部がシールされ、内部に密閉空間となる収容部が設けられているものがあげられる。とりわけ、1回に服用する個数の固形医薬品が、SP包材やスティック状包材1包に包装されることが好ましい。上記SP包材やスティック状包材の包装材料としては、例えば特開2006-143276、特開2003-192023に記載されている包装材料など、透湿性や開封性(引き裂き性)などを考慮して適宜公知の素材を使用することができ、公知の方法で製造することができる。そして、SP包材やスティック状包材への固形医薬品の収容は、通常、上端部のシールのみを残した状態の筒状包材の収容部に、所定個数の固形医薬品を収容し、その後、上端部をシールして密閉することにより行われる。なお、SP包材やスティック状包材から内包された固形医薬品を取り出すには、通常、その上端部のシール箇所から長さ方向に内側に入った箇所を切断することにより上端部を開口し、この開口部から行う。本発明の固形医薬品は、服用のしやすさから、特にスティック状包材に包装されることが好ましい。SP包材やスティック状包材に内包された固形医薬品は、包材の開口部から口内へ投入することにより、包材の収容部から取り出されることが好ましい。
上記SP包材やスティック状包材において、その幅(短辺)は、10~40mmであることが好ましく、12~35mmであることがより好ましく、14~32mmであることがさらに好ましく、16~30mmであることが特に好ましく、18~28mmであることが特により好ましい。SP包材やスティック状包材の幅がこの範囲にあると、服用時に、SP包材やスティック状包材から固形医薬品を取り出す際に、開口部全体を無理なく口内に収めることが容易になり、本発明の効果をより顕著に奏することができる。また、その長さ(長辺)は、60~150mmであることが好ましく、50~130mmであることがより好ましく、45~110mmであることがさらに好ましく、40~100mmであることが特に好ましく、35~90mmであることが特に好ましい。上記幅(短辺)及び長さ(長辺)は、包材の外寸ではなく、シールされた上端部、下端部または両側部の長さ等、すなわち固形医薬品が収容される密閉空間部の寸法を意味する。短辺と長辺が曲線で交わる場合は、各辺の延長線を引き、交わる点を短辺と長辺の端点として上記寸法を測定する。
そして、上記SP包材やスティック状包材における幅(短辺)と長さ(長辺)の比は、1:1~1:10が好ましく、1:1.2~1:9がさらに好ましく、1:1.5~1:8がより好ましく、1:1.8~1:7が特に好ましく、1:2.0~1:6が特により好ましい。両者の比がこの範囲にあると、本発明の効果をより顕著に奏することができ、ユーザーの利便性が格段に向上する。
つぎに、実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下に示す成分組成は、特に記載がない限り、すべて質量基準(質量部)で示している。
〔実施例1~14、比較例1~10〕 後記の表1~表6に示す組成の通り調製した生薬含有混合物を、目的の径を有する臼、杵を備えた圧縮成型機を用いて、3kN~20kNの成型圧で圧縮成型して、目的とする固形医薬品を得た。生薬は、ケイヒ、カンゾウ、オンジを、生薬末またはエキス粉末としたものを用い、添加剤は日本薬局方の収載品を用いた。なお、表1~表6において、各生薬として、生薬末を用いたものを「~末」、エキス粉末を用いたものを「~エキス末」と記載している(以下の表において同じ)。得られた固形医薬品は円柱状であった。
各実施例および各比較例の固形医薬品について、(1)成型障害、(2)硬度(kp)、(3)摩損度(%)の3項目について評価を行い、その結果を後記の表1~表6に併せて示した。なお、各項目の評価方法は、以下に示すとおりである。
(1)成型障害 各実施例および比較例の固形医薬品において、無作為に選出した50個の状態を目視にて観察し、1個でも割れ,欠けのあるものを成型障害「あり」、割れ,欠けの固形医薬品が全くないものを成型障害「なし」として評価した。
(2)硬度(kp) 硬度(kp)は、錠剤硬度計(PTB-311E、PHARMA TEST)を用いて、無作為に選出した10個についてそれぞれ破壊強度を測定し、得た値の平均を硬度とした。
(3)摩損度(%) 摩損度(%)の測定は、日本薬局方に記載の「錠剤の摩損度試験法」に準じ、次のように実施した。すなわち、錠剤摩損度試験器(TFT-1200、富山産業社製)を用い、質量が6.5gを超える最小数を試験機内に入れ、25rpmで100回転し、回転前の固形医薬品の総質量に対する回転後の固形医薬品の総質量の減少量を摩損度として算出した。 摩損度(%)=(回転前総質量-回転後総質量)/回転前総質量×100
Figure 2023164934000002
上記表1に示されるように、最大径が10.0mmであり、生薬としてケイヒ末を一定量以上含有する固形医薬品である比較例1は、3kN~20kNのいずれの成型圧で成型した場合にも成型障害が発生し、また、固形医薬品の硬度および摩損度も劣ることがわかった。これに対して、実施例1は、含有する成分が比較例1と同一であるにも関わらず、最大径が4.0mmであるため、3kN~20kNのいずれの成型圧で成型した場合でも、成型障害が発生しないだけでなく、好適な硬度および摩損度を有していた。
Figure 2023164934000003
上記表2に示されるように、最大径が3.0~8.5mmであり、ケイヒ末を一定量以上含有している固形医薬品である実施例2~5は、5kNの成型圧で成型した場合でも、成型障害が発生せず、好適な硬度および摩損度を有していた。なかでも、最大径が3.0mmの実施例2、および最大径が5.0mmの実施例3においては、特に好適な硬度および摩損度を有していた。
Figure 2023164934000004
上記表3に示されるように、最大径が10.0mmであり、生薬としてケイヒ末を含有する固形医薬品である比較例2、3は、5kNの成型圧で成型した場合に成型障害が発生した。これに対して、実施例6および7は、含有する成分が比較例2および3とそれぞれ同一であるにも関わらず、最大径が4.0mmであるため、成型障害が発生せず、好適な硬度および摩損度を有していた。
Figure 2023164934000005
上記表4に示されるように、最大径が10.0mmであり、生薬であるカンゾウ末またはオンジエキス末を一定量以上含有する固形医薬品である比較例4および5は、5kNの成型圧で成型した場合に成型障害が発生し、固形医薬品の硬度および摩損度も劣ることがわかった。これに対して、実施例8および9は、含有する成分が比較例4および5とそれぞれ同一であるにも関わらず、最大径が4.0mmであるため、5kNの成型圧で成型した場合でも、成型障害が発生せず、好適な硬度および摩損度を有していた。
Figure 2023164934000006
上記表5に示されるように、実施例10~12の固形医薬品は、生薬として、ベラドンナエキス末、ゲンチアナ末およびゲンノショウコ末のいずれかを一定量以上含有しているにも関わらず、最大径が4.0mmと粒径が小さいため、成型障害が発生せず、好適な硬度および摩損度を有していた。これに対し、10.0mmの最大径を有する比較例6および7は、実施例10または11と同一の成分を有しているにもかかわらず成型障害が生じた。また、比較例8は、成型障害は生じなかったものの、同一の成分を有する実施例12に対し、硬度および摩損度において劣っていた。なお、ベラドンナ、ゲンチアナおよびゲンノショウコは、生薬としてその根または地下茎を用いるものであることから、同じくその根、根茎を用いるカンゾウ、オンジだけでなく、広くその根、地下茎、根茎を用いる生薬について本発明の効果が得られることがわかる。
Figure 2023164934000007
上記表6に示されるように、実施例13、14の固形医薬品は、生薬として、センブリ末またはウワウルシエキス末を一定量以上含有しているにも関わらず、最大径が4.0mmと粒径が小さいため、成型障害が発生せず、好適な硬度および摩損度を有していた。これに対し、実施例13と同一の成分を有する比較例9は、最大径が10.0mmであるため、成型障害が生じた。また、比較例10は、成型障害が生じるだけでなく、同一の成分を有する実施例14に対し、硬度および摩損度に劣っていた。なお、センブリは地上部の全草を用いる生薬であり、ウワウルシは葉を用いる生薬であることから、全草および葉を用いる生薬についても本発明の効果が得られることがわかる。
〔実施例15~22、比較例11~18〕 後記の表7および表8に示す組成の固形医薬品を調製した。目的の径を有する臼、杵を備えた圧縮成型機を用いて、3kN~20kNの成型圧で圧縮成型して、目的とする固形医薬品を得た。得られた固形医薬品は円柱状である。つぎに、これらの固形医薬品を、収容部が幅20mmおよび長さ70mmのスティック状のアルミラミネート包材に、封入した。封入した固形医薬品の個数は表7および表8に示す通りである。
実施例15~22および比較例11~18において、生薬はケイヒ、オンジ、カンゾウ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、センブリ、ウワウルシ、ショウキョウを、生薬末またはエキス粉末としたものを用い、添加剤は日本薬局方の収載品を用いた。
各実施例および各比較例について、(4)包材からの出しやすさ、(5)口内への入れやすさ、(6)飲みこみやすさ、(7)服用感、の4項目について服用感の評価を行った。これらの評価は、被験者4名がスティック状のアルミラミネート包材を開封し、収容された固形医薬品の全数をアルミラミネート包材から直接口内へ投入して服用することで行った。また、アルミラミネート包材の開封部は、短辺から長さ方向に5mm内側に入った位置とし、全被験者は同じ位置で開封した。なお、各項目の評価方法は、以下に示すとおりである。
(4)包材からの出しやすさ 各実施例および比較例の固形医薬品について、アルミラミネート包材から口内への移動させやすさを、最も口内へ移動させやすい(包材から出しやすい)と感じる場合を8点、全く感じられない場合を0点とする8点満点で各被験者がそれぞれ採点し、その平均点が、0点から2.0点以下を×、2.0点より大きく4.0点以下を△、4.0点より大きく6.0点以下を○、6.0点より大きく8.0点以下を◎として評価した。
(5)口内への入れやすさ アルミラミネート包材から口内へ入った各実施例および比較例の固形医薬品について、口内の飲み込みやすい位置に到達させやすいか否かを、最も到達させやすい(口内へ入れやすい)と感じる場合を8点、全く感じられない場合を0点とする8点満点で各被験者がそれぞれ採点し、その平均点が、0点から2.0点以下を×、2.0点より大きく4.0点以下を△、4.0点より大きく6.0点以下を○、6.0点より大きく8.0点以下を◎として評価した。
(6)飲みこみやすさ 各実施例および比較例の固形医薬品が、食道を通過しやすいか否かを、最も通過しやすい(飲み込みやすい)と感じる場合を8点、全く感じられない場合を0点とする8点満点で各被験者がそれぞれ採点し、その平均点が、0点から2.0点以下を×、2.0点より大きく4.0点以下を△、4.0点より大きく6.0点以下を○、6.0点より大きく8.0点以下を◎として評価した。
(7)服用感 各実施例および比較例の固形医薬品について、アルミラミネート包材から口内へ投入し、飲みこむまでの一連の行為についての総合評価であり、上記3項目(包材からの出しやすさ、口内への入れやすさ、飲みこみやすさ)の平均点が、0点から2.0点以下を×、2.0点より大きく4.0点以下を△、4.0点より大きく6.0点以下を○、6.0点より大きく8.0点以下を◎として評価した。
Figure 2023164934000008
Figure 2023164934000009
上記表7、8に示されるように、最大径が4.0mmであり、ケイヒ、オンジ、カンゾウ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、センブリ、ウワウルシ、ショウキョウのいずれかの生薬を含有する実施例15~22の固形医薬品は、最大径が10.0mmの比較例11~18の固形医薬品よりも包材から出しやすく、口内へ入れやすく、さらに飲みこみやすく、服用感がよりよいことがわかる。ここで、ケイヒは樹皮を用いる生薬であることから、樹皮を用いる生薬についても本発明の効果が得られることがわかる。
〔実施例23~30〕 後記の表9に示す組成の固形医薬品を調製した。目的の径を有する臼、杵を備えた圧縮成型機を用いて、3kN~20kNの成型圧で圧縮成型して、最大径が4.0mmおよび10.0mmの固形医薬品を得た。得られた固形医薬品は、それぞれ円柱状である。上記固形医薬品のうち、最大径が4.0mmの固形医薬品を実施例とし、最大径が10.0mmの固形医薬品をそれに対応する比較例とした。つぎに、これらの固形医薬品を、収容部が幅20mmおよび長さ70mmのスティック状のアルミラミネート包材に封入した。封入した固形医薬品の個数は表9に示す通りであり、いずれも比較例は1個である。実施例の個数は、対応する比較例1個の質量と同程度の質量になるように設定した。また、生薬は、ケイヒ、オンジ、カンゾウ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、センブリ、ウワウルシ、ショウキョウを、生薬末またはエキス粉末としたものを用い、添加剤は日本薬局方の収載品を用いた。
各実施例および各対応する比較例の固形医薬品について、服用時の味について評価を行った。このとき、被験者4名がスティック状のアルミラミネート包材を開封して、収容された固形医薬品の全数をアルミラミネート包材から直接口内へ投入して服用した。アルミラミネート包材の開封部は、短辺から長さ方向に5mm内側に入った位置とし、全被験者は同じ位置で開封した。服用後に、味を最も感じる場合を8点、全く感じられない場合を0点とする8点満点で採点し、その平均点を算出した。そして、下記[式1]に基づいて、味の改善率(%)を求めた。得られた結果を表9に併せて示す。[式1]味の改善率(%)={1-(実施例の平均値/対応する比較例の平均値)}×100
Figure 2023164934000010
上記表9に示されるように、最大径が4.0mmであり、ケイヒ、オンジ、カンゾウ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、センブリ、ウワウルシ、ショウキョウのいずれかの生薬を含有する固形医薬品(実施例23~30)は、同一成分を有する最大径が10.0mmの固形医薬品(それぞれの実施例に対応する比較例)と比べて、味が顕著に改善していることがわかる。このことは、とりわけ辛い、苦い、えぐい、渋いとの味が認められる生薬を用いる固形医薬品において、優れた効果であると認められる。また、灰分の上限値が5%未満に分類されるウワウルシ、5%以上7%未満に分類されるケイヒ,ゲンチアナ,センブリ、7%以上10%未満に分類されるカンゾウ,ショウキョウ、10%以上に分類されるゲンノショウコのいずれにおいても、味が顕著に改善されることから、灰分の上限値がいずれの区分に分類される生薬であっても、本発明の効果を有することがわかる。
〔試験例1~3〕 後記の表10に示す組成の固形医薬品を調製した。目的の径を有する臼、杵を備えた圧縮成型機を用いて、3kN~20kNの成型圧で圧縮成型して、最大径が4.0mmまたは10.0mmの固形医薬品を得た。得られた固形医薬品は円柱状である。つぎに、これらの固形医薬品を、収容部が幅20mmおよび長さ70mmのスティック状のアルミラミネート包材に封入した。封入した固形医薬品の個数は、試験例1が1個、試験例2が1個、試験例3が2個とした。
試験例1~3において、生薬はオンジのエキス粉末としたものを用い、添加剤は日本薬局方の収載品を用いた。
各試験例について、(8)口腔内での移動しやすさ、の項目について服用感の評価を行った。これらの評価は、被験者3名がスティック状のアルミラミネート包材を開封し、収容された固形医薬品の全数(試験例1および2では1個、試験例3では2個)をアルミラミネート包材から直接口内へ投入して服用することで行った。また、アルミラミネート包材の開封部は、短辺から長さ方向に5mm内側に入った位置とし、全被験者は同じ位置で開封した。なお、各項目の評価方法は、以下に示すとおりである。
(8)口腔内での移動しやすさ 各試験例の固形医薬品について、アルミラミネート包材から口内へ投入した後、舌上で喉方向へ移動しやすいか否かを、最も移動しやすいと感じる場合を8点、全く感じられない場合を0点とする8点満点で各被験者がそれぞれ採点し、その平均点が、0点から2.0点以下を×、2.0点より大きく4.0点以下を△、4.0点より大きく6.0点以下を○、6.0点より大きく8.0点以下を◎として評価した。
Figure 2023164934000011
上記表10に示されるように、最大径が4.0mmでオンジを含有する固形医薬品を1個服用する場合は、同一成分を有する最大径が10.0mmの固形医薬品を1個服用する場合と比べて、口腔内での移動しやすさが改善していることから、服用感がより良いことがわかる。さらに、最大径が4.0mmでオンジを含有する固形医薬品を2個服用する場合は、同一最大径の固形医薬品を1個服用する場合と比べて口腔内の移動しやすさが改善し、最大径が10.0mmの固形医薬品を1個服用する場合と比べて口腔内での移動し
やすさが顕著に改善した。つまり最大径10.0mmより小さい最大径を有する固形医薬品を複数個服用すると服用感がより高まることがわかる。また、固形医薬品に含有される生薬として、オンジに代えてケイヒ、カンゾウ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、センブリ、ウワウルシ、ショウキョウのそれぞれを、生薬末またはエキス粉末としたものを用いた固形医薬品でも、同様の結果が得られた。
〔製剤例1~18〕 下記の表11~13に示す材料を用いて、本発明の固形医薬品(製剤例1~18)を調製した。なお、製剤例1~18の材料としては、日本薬局方の収載品を用いた。また、その硬度は、5kNの成型圧で成型したときの値である。
Figure 2023164934000012
Figure 2023164934000013
Figure 2023164934000014
上記表11~13に示す製剤例1~18について、実施例と同様の方法により、成型障害、硬度(kp)、摩損度(%)の3項目について評価を行った。その結果、製剤例1~18のすべてにおいて、成型障害が発生しなかった。また、製剤例1~18のすべてが、好適な硬度および摩損度を有し、服用感についても問題がないものであった。
本発明は、生薬が一定量以上配合された、品質のばらつきがない固形医薬品であり、嚥下し易い大きさに成型され、服用感に優れているため、幅広い年代のユーザーが服用することができる。
1 固形医薬品 W 最大径

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  1. 本願明細書に記載された発明。
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