実施の形態における画像形成システムについて、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本開示の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
図面においては、実際の寸法の比率に従って図示しておらず、構造の理解を容易にするために、構造が明確となるように比率を変更して図示している箇所がある。なお、以下で説明される各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
[実施の形態1]
<A.外観>
図1は、本実施の形態にかかる画像形成システムの概略構成を説明するための図である。
図1を参照して、画像形成システム1は、画像形成装置10と、中継搬送装置20と、検品装置30と、出力装置40とを備える。なお、画像形成システム1は、他の装置(ユニット)をさらに備えていてもよい。
画像形成装置10は、原稿搬送部11と、原稿読取部12と、操作部13と、制御部14と、画像形成部15と、給紙部16と、給紙部17とを備える。
原稿搬送部11は、1または複数の原稿用紙を自動で原稿読取部12へ搬送する。原稿用紙の搬送は、操作部13に対するユーザー操作に基づき実行される。
原稿読取部12は、原稿搬送部11によって搬送された原稿用紙を読み取る。また、原稿読取部12は、プラテン上に載置された原稿用紙を読み取る。
操作部13は、画像形成装置10のユーザー操作を受け付ける。操作部13に対するユーザー操作により、画像形成装置10に関する各種の設定が行なわれる。操作部13は、典型的には、タッチスクリーン式の操作パネルである。
制御部14は、画像形成装置10の全体的な動作を制御する。制御部14は、画像形成部15で画像を形成するための画像データーを生成する。制御部14の処理の詳細については、後述する。
画像形成部15は、記録材(用紙等)に画像を形成することにより印刷物を生成する。詳しくは、画像形成部15は、制御部14が受け付けた印刷ジョブに基づき、記録材に画像を形成する。画像形成部15は、画像が形成された記録材を中継搬送装置20の方向(下流方向)に送る。なお、記録材は、「シート」とも称される。
給紙部16は、給紙トレイ161と給紙ローラー(図示せず)とを含む。給紙部17は、給紙トレイ171と給紙ローラー(図示せず)とを含む。給紙トレイ161,171には、記録材が収容されている。給紙部16および給紙部17は、記録材を格納している。給紙部16,17は、それぞれ、画像形成部15の方向(下流方向)に記録材を供給する。記録材は、搬送経路99を通り、画像形成部15に送られる。なお、給紙トレイは、「給紙カセット」または「用紙トレイ」とも称される。
中継搬送装置20は、画像形成装置10から送られてきた印刷物(画像が形成された記録材)を検品装置30に送る。
検品装置30は、画像形成装置10から送られてきた印刷物の検品を行なう。検品装置30は、検品結果を画像形成装置10に通知する。検品装置30は、印刷物を下流の出力装置40に送る。
詳しくは、検品装置30は、演算部31と、読取部32,33とを備える。読取部32は、搬送経路99の上方に設置されている。読取部33は、搬送経路の下方に設置されている。演算部31と、読取部32,33との処理の詳細については、後述する(図2)。
出力装置40は、排紙部41を備える。排紙部41は、複数の排紙トレイ411〜414を含む。出力装置40は、後処理機能を有する。出力装置40は、後処理機能の一つである裁断を実行する裁断部49を有する。出力装置40は、ステープル、折り、丁合、パンチ等の後処理も実行可能である。
出力装置40は、画像形成装置10の制御部14からの指令に基づき、複数の排紙トレイ411〜414のいずれかに各印刷物を排出する。詳しくは、出力装置40が内部で印刷物の搬送経路を切り換えることにより、印刷物が排出される排紙トレイが変更される。印刷物の排出方法については、具体例を挙げて後述する。
<B.機能的構成>
図2は、画像形成システム1の機能的構成を説明するための図である。
図2を参照して、画像形成システム1は、上述したように、画像形成装置10と、検品装置30と、出力装置40とを備えている。
画像形成装置10は、上述したように、制御部14と、原稿搬送部11と、原稿読取部12と、操作部13と、画像形成部15と、給紙部16,17とを備える。制御部14は、排出制御部141と、属性判定部142とを含む。排出制御部141は、記憶部145を有する。画像形成部15は、図示しない、感光体ドラムと、転写ローラーと、現像器と、定着器とを含む。画像形成部15の各構成は、既に知られているものであるため、ここではその説明を繰り返さない。
検品装置30は、上述したように、演算部31と、読取部32,33とを備える。演算部31は、品質判定部311と、記憶部312とを含む。
読取部32,33は、画像形成装置10から送られてきた印刷物を読み取る。さらに詳しくは、読取部32は、印刷物の一方の面を読み取る。読取部33は、印刷物の他方の面を読み取る。
出力装置40は、排紙部41と、搬送経路切換部45と、裁断部49とを備える。排紙部41は、排紙トレイ411〜414を含む。
本例においては、画像形成装置10の制御部14は正解画像データーを生成する。制御部14は、印刷ジョブに含まれる画像データー(図4参照)と、記録材の画像データーとに基づき、正解画像データーを生成する。詳しくは、制御部14は、印刷ジョブに含まれる画像データーと、記録材の画像データーとを合成することにより、正解画像データーを生成する。
より詳しくは、記録材の搬送経路99に設けられたセンサー(図示せず)が、搬送中の記録材を読み取る。制御部14は、当該センサーから読み取り結果である記録材の画像データーを受け取る。これにより、制御部14は、記録材の画像データーを得ることができる。
制御部14は、生成された正解画像データーを検品装置30に送信する。また、画像形成装置10は、印刷物(画像が形成された記録材)を、中継搬送装置20を介して検品装置30に送信する。
検品装置30は、画像形成装置10から正解画像データーを受信する。検品装置30の演算部31は、記憶部312に正解画像データーを記憶させる。
演算部31は、画像形成装置10から送られてきた印刷物を読み取ることにより得られた読取画像データーを、画像形成装置10から予め取得した正解画像データーと比較することにより、当該印刷物の良否を判定する。演算部31は、判定結果を画像形成装置10の制御部14に通知する。
検品とは、本例では、印刷物の良否の判定を意味する。演算部31は、白紙ページが含まれることによるページ順序の狂い、汚れ、しわ等が有る場合には、印刷物を不良(検品不合格)と判定する。なお、画像形成システム1が正解画像データーを用いて印刷物を検品する機能は、「自動検品機能」とも称される。
画像形成装置10の制御部14は、判定結果(検品結果)を検品装置30から受信する。制御部14の属性判定部142は、印刷物の属性を判定する。属性の判定の具体例については、上述する。
制御部14内の排出制御部141は、複数の排紙トレイ411〜414のいずれかに印刷物を排出させる。ある局面において、排出制御部141は、出力装置40の搬送経路切換部45に切換指令を送信することにより、切換指令に基づく排紙トレイに印刷物を排出させる。
詳しくは、排出制御部141は、検品装置30によって印刷物が不良と判定された場合(検品結果が不合格の場合)、印刷物の属性に基づき、複数の排紙トレイ411〜414のうちから印刷物を排出する排紙トレイを決定する。さらに、排出制御部141は、決定された排紙トレイに印刷物を排出させる制御を実行する。
出力装置40の搬送経路切換部45は、排出制御部141からの切換指令に基づきモーター(図示せず)を回転させる。これにより、出力装置40は、画像形成装置10から検品装置30を介して送られてきた印刷物を切換指令に基づいた排紙トレイに排出する。
裁断部49は、印刷物を裁断する。裁断部49は、印刷物の所定箇所を裁断する。裁断部49は、たとえば印刷物の端を裁断する。また、裁断部49は、1つの印刷物を裁断して、複数の印刷物とする。たとえば、裁断部49は、2in1の設定で画像が形成されたA3サイズの印刷物がA4サイズの2つの印刷物となるように、A3サイズの印刷物を裁断する。なお、画像形成システム1は、裁断部49の代わりに、裁断を実行する装置(ユニット)を出力装置40とは別に有していてもよい。
上記においては、画像形成装置10のみで正解画像データーが生成される構成を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。出力装置40から出力された印刷物をユーザー(オペレーター)が確認し、問題ないと判断した印刷物の画像データー(印刷に用いられた画像データー)を正解画像データーとして、ユーザーが画像形成装置10に登録する構成であってもよい。
なお、以下では、検品で合格した印刷物(検品結果が合格の印刷物)を、「良好な印刷物」、「印刷状態が良好な印刷物」とも称する。検品で不合格となった印刷物(検品結果が不合格の印刷物)を、「不良な印刷物」、「印刷状態が不良な印刷物」とも称する。
<C.制御部14のハードウェア構成>
図3は、制御部14のハードウェア構成を説明するための図である。
図3を参照して、制御部14は、CPU(Central Processing Unit)510と、記憶装置520と、通信IF(Inter Face)530とを備える。記憶装置520は、典型的には、制御プログラムの格納されたROM(Read Only Memory)521と、作業用のS−RAM(Static Random Access Memory)522と、画像形成に関わる各種の設定を記憶するバッテリバックアップされたNV−RAM(Non-Volatile RAM:不揮発性メモリ)523と、HDD524とを含む。通信IF530は、ネットワークIF531と、ワイアレスIF532と、短距離無線IF533とを含む。制御部14内の各構成要素は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。
ネットワークIF531は、ネットワークNWを介して接続されたPC(図示せず)および他の画像形成装置(図示せず)をはじめとする外部装置との間で各種の情報を送受信する。
制御部14は、CPU510がプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等の各種のプログラム)を実行することにより実現される。
<D.画像形成>
図4は、画像形成装置10における画像形成を説明するための図である。
図4を参照して、画像形成装置10の制御部14は、たとえば外部の装置から印刷ジョブを受け付ける。印刷ジョブは、ジョブ情報(図6参照)と、ページ情報(図7等参照)と、CMYKからなる画像データーとを含む。印刷ジョブは、制御部14の記憶部145に格納される。すなわち、ジョブ情報と、ページ情報と、CMYKからなる画像データーとは、記憶部145に格納される。
制御部14は、印刷ジョブを解析し、画像形成部15で画像を形成するための画像データー600を生成する。本例では、画像データー600は、4つの画像データー601〜604を含む。
画像形成部15は、給紙トレイ161から搬送される記録材860(本例では、通常はがき)および給紙トレイ171から搬送される記録材870(本例では、料金別納はがき)のうち指定された記録材に、画像データー601に基づく画像を形成する。同様に、画像形成部15は、記録材860および記録材870のうち指定された記録材に、画像データー602,603,604に基づく画像を形成する。
<E.設定情報およびジョブ情報>
図5は、検品結果が不合格であった場合に用いられる設定情報1451を表した図である。
図5を参照して、設定情報1451では、給紙トレイと排紙トレイとの関係が規定されている。設定情報1451では、給紙トレイ161と排紙トレイ412とが対応付けられている。また、設定情報1451では、給紙トレイ171と排紙トレイ413とが対応付けられている。なお、設定情報1451は、印刷ジョブと同様、制御部14の記憶部145に格納されている。
設定情報1451の内容は、たとえば操作部13を介したユーザー操作により設定(変更)可能である。すなわち、ユーザーは、給紙トレイと排紙トレイとの対応付けを適宜変更可能である。設定情報1451の利用方法については、後述する。
図6は、印刷ジョブに含まれるジョブ情報のデーター構造を説明するための図である。
図6を参照して、ジョブ情報1010は、複数のパラメーターを含む。ジョブ情報1010では、各パラメーターに対して値が設定されている。
ジョブ情報1010は、パラメーターとして、少なくとも、ジョブIDと、ジョブ種類と、ユーザー名と、ジョブ名と、ページ数と、部数と、自動検品と、丁合と、ステープルとを含む。本例では、自動検品のパラメーターの値がオンとなっているため、検品装置30において印刷物の検品処理がなされる。
<F.処理の具体例>
次に、印刷物の排出制御について、3つの具体例を挙げて説明する。
(f1.第1の例)
図7は、印刷ジョブに含まれるページ情報のデーター構造を説明するための図である。
図7を参照して、ページ情報1101は、複数のパラメーターを含む。ページ情報1101では、ジョブ情報1010と同様に、各パラメーターに対して値が設定されている。
ページ情報は、パラメーターとして、少なくとも、ジョブ番号と、ページ番号と、記録材のサイズと、記録材の種類と、坪量(斤量)と、給紙トレイと、排紙トレイと、両面印刷と、パンチと、折りと、裁断とを含む。
本例では、記録材のサイズは、4ページとも「はがき」に設定されている。記録材の種類は、4ページとも「普通紙」に設定されている。給紙トレイは、4ページとも「給紙トレイ161」に設定されている。排紙トレイは、4ページとも「排紙トレイ411」に設定されている。
このように、給紙トレイが4ページとも「給紙トレイ161」に設定されている。このため、ジョブ番号#1の画像形成の際には、給紙トレイ161に収容された記録材上に画像が形成される。詳しくは、図4に示すように、記録材860(本例では、通常はがき)上に画像が形成される。
また、排紙トレイが4ページとも「排紙トレイ411」に設定されている。このため、印刷ジョブ#1では、デフォルトでは、印刷物(画像が形成された記録材860)は、排紙トレイ411に排紙される。
図8は、印刷物の排出先の排紙トレイを決定する方法を説明するための図である。
図8を参照して、検品装置30は、印刷物710を読み取る。本例では、印刷物710は、4つの印刷物711〜714からなるため、これらの4つの印刷物711〜714を読取部32,33(図2等参照)で読み取る。なお、本例では片面印刷であるため、一方の読取部を用いて印刷物711〜714を読み取ってもよい。
検品装置30の品質判定部311(図2等参照)は、上記の読み取りによって得られた読み取り画像データー710Gを、記憶部312に記憶された正解画像データーと比較する。本例では、4つの読み取り画像データー711G〜714Gを、対応する正解画像データー611〜614と比較する。たとえば、品質判定部311は、画像データー711Gと正解画像データー611とを比較する。
品質判定部311は、2つのデーター同士を比較し、一致率が閾値以上である場合には、印刷物が良好(検品合格)と判定する。この場合、演算部31は、検品結果を「合格」として画像形成装置10の制御部14に通知する。具体的には、演算部31は、「合格」を示すデーターを制御部14に通知する。
品質判定部311は、2つのデーター同士を比較し、一致率が閾値未満である場合には、印刷物が不良(検品不合格)と判定する。この場合、演算部31は、検品結果を「不合格」として画像形成装置10の制御部14に通知する。具体的には、演算部31は、「不合格」を示すデーターを制御部14に通知する。
本例では、印刷物712の印刷面に汚れが発生している。それゆえ、読取画像データー712Gの正解画像データー612との一致率が閾値未満となる。その結果、検品装置30は、印刷物712が不良と判定する。なお、他の読み取り画像データー711G,713G,714Gの一致率は閾値以上であるため、検品装置30は、印刷物711,713,714は良好と判定する。
上記の判定の結果、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷物711,713,714が良好であり、印刷物712は不良であるとの通知をする。詳しくは、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷ジョブ#1のページ#1,#3,#4が良好であり、印刷ジョブ#1のページ#2が不良であるとの通知をする。
画像形成装置10の排出制御部141は、ページ情報1101(図7)と、設定情報1451(図5)を参照して、印刷物711〜714の排出先を決定する。
本例では、印刷物711,713,714が良好であるため、排出制御部141は、ページ情報1101を参照し、デフォルトの排紙トレイに印刷物711,713,714を排出する。すなわち、排出制御部141は、排紙トレイ411に印刷物711,713,714を排出する。
印刷物712が不良であるため、排出制御部141は、ページ情報1101および設定情報1451を参照し、印刷物712を排出する排紙トレイを排紙トレイ411〜414のうちから決定する。詳しくは、排出制御部141は、ページ情報1101を参照して、給紙トレイの情報を取得する。排出制御部141は、さらに設定情報1451を参照し、取得された給紙トレイの情報が示す給紙トレイに対応付けられた排紙トレイの情報を取得する。排出制御部141は、取得された排紙トレイが示す排紙トレイを、不良であった印刷物712の排出先として決定する。
具体的には、ページ情報1101において4ページとも給紙トレイが「給紙トレイ161」に設定されているため、排出制御部141は、設定情報1451を参照し、給紙トレイ161に対応付けられた排紙トレイ412を印刷物712の排出先と決定する。
排出制御部141は、排紙トレイ411に印刷物711,713,714が排出され、かつ排紙トレイ412に印刷物712が排出されるように、出力装置40に対して指令を送る。詳しくは、上述したように、排出制御部141は、出力装置40の搬送経路切換部45に対して、印刷物712の排出先をデフォルトの排紙トレイ411とは異なる排紙トレイ412となるように搬送経路の切換指令を送信する。
以上により、画像形成システム1は、印刷状態が良好な印刷物(検品に合格した印刷物)711,713,714を排紙トレイ411に排出し、印刷状態が不良な印刷物(検品に合格しなかった印刷物)712を排紙トレイ412に排出する。
このような処理により、印刷状態が不良な印刷物は、印刷状態が良好な印刷物と同じ排紙トレイに排出されない。それゆえ、画像形成システム1によれば、印刷状態が良好な印刷物と不良な印刷物とをユーザーが手作業にて分別する作業が不要となる。
(f2.第2の例)
図9は、印刷ジョブに含まれるページ情報のデーター構造を説明するための図である。
図9を参照して、ページ情報1102は、第1の例で説明したページ情報1101(図7参照)と同様のパラメーターを含む。ページ情報1102では、給紙トレイのパラメーターの値がページ情報1101とは異なる。
ページ情報1102では、ページ情報1101とは異なり、給紙トレイが4ページとも「給紙トレイ171」に設定されている。このため、ジョブ番号#1の画像形成の際には、給紙トレイ171に格納された記録材上に画像が形成される。詳しくは、図4に示すように、記録材870(本例では、料金別納はがき)上に画像が形成される。
なお、給紙トレイのパラメーターの以外のパラメーターの値は、ページ情報1102とページ情報1101とでは同じである。
図10は、印刷物の排出先の排紙トレイを決定する方法を説明するための図である。
図10を参照して、検品装置30は、印刷物720を読み取る。本例では、印刷物720は、4つの印刷物721〜724からなるため、これらの4つの印刷物721〜724を読取部32,33で読み取る。
検品装置30の品質判定部311は、上記の読み取りによって得られた読み取り画像データー720Gを、記憶部312に記憶された正解画像データーと比較する。本例では、4つの読み取り画像データー721G〜724Gを、対応する正解画像データー621〜624と比較する。
本例では、印刷物722の印刷面に汚れが発生している。それゆえ、読取画像データー722Gの正解画像データー622との一致率が閾値未満となる。その結果、検品装置30は、印刷物722が不良と判定する。なお、他の読み取り画像データー721G,723G,724Gの一致率は閾値以上であるため、検品装置30は、印刷物721,723,724は良好と判定する。
上記の判定の結果、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷物721,723,724が良好であり、印刷物722は不良であるとの通知をする。詳しくは、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷ジョブ#1のページ#1,#3,#4が良好であり、印刷ジョブ#1のページ#2が不良であるとの通知をする。
本例では、印刷物721,723,724が良好であるため、排出制御部141は、ページ情報1101を参照し、排紙トレイ411に印刷物721,723,724を排出する。
印刷物722が不良であるため、排出制御部141は、ページ情報1102(図9)および設定情報1451(図5)を参照し、印刷物722を排出する排紙トレイを排紙トレイ411〜414のうちから決定する。具体的には、ページ情報1102において4ページとも給紙トレイが「給紙トレイ171」に設定されているため、排出制御部141は、設定情報1451を参照し、給紙トレイ171に対応付けられた排紙トレイ413を印刷物722の排出先と決定する。
排出制御部141は、排紙トレイ411に印刷物721,723,724が排出され、かつ排紙トレイ413に印刷物722が排出されるように、出力装置40に対して指令を送る。
以上により、画像形成システム1は、印刷状態が良好な印刷物(検品に合格した印刷物)721,723,724を排紙トレイ411に排出し、印刷状態が不良な印刷物(検品に合格しなかった印刷物)722を排紙トレイ413に排出する。
このような処理により、印刷状態が不良な印刷物は、印刷状態が良好な印刷物と同じ排紙トレイに排出されない。それゆえ、画像形成システム1によれば、印刷状態が良好な印刷物と不良な印刷物とをユーザーが分別する作業が不要となる。
(f3.第3の例)
図11は、印刷ジョブに含まれるページ情報のデーター構造を説明するための図である。
図11を参照して、ページ情報1103は、第1の例で説明したページ情報1101(図7参照)と同様のパラメーターを含む。ページ情報1103では、給紙トレイのパラメーターの値がページ情報1101とは異なる。
ページ情報1103では、ページ情報1101とは異なり、給紙トレイが3ページと4ページとで「給紙トレイ171」に設定されている。このため、ジョブ番号#1の画像形成の際には、1ページ目の画像と2ページ目の画像とは給紙トレイ161に格納された記録材860上に形成され、3ページ目の画像と4ページ目の画像とは給紙トレイ171に格納された記録材870上に形成される。
なお、給紙トレイのパラメーターの以外のパラメーターの値は、ページ情報1103とページ情報1101とでは同じである。
図12は、印刷物の排出先の排紙トレイを決定する方法を説明するための図である。
図12を参照して、検品装置30は、印刷物730を読み取る。本例では、印刷物730は、4つの印刷物731〜734からなるため、これらの4つの印刷物731〜734を読取部32,33で読み取る。
検品装置30の品質判定部311は、上記の読み取りによって得られた読み取り画像データー730Gを、記憶部312に記憶された正解画像データーと比較する。本例では、4つの読み取り画像データー731G〜734Gを、対応する正解画像データー631〜634と比較する。
本例では、印刷物732の印刷面に汚れが発生している。それゆえ、読取画像データー732Gの正解画像データー622との一致率が閾値未満となり、検品装置30は、印刷物732が不良と判定する。また、同様に、読取画像データー734Gの正解画像データー624との一致率が閾値未満となるため、検品装置30は、印刷物734も不良と判定する。なお、他の読み取り画像データー731G,733Gの一致率は閾値以上であるため、検品装置30は、印刷物731,733は良好と判定する。
上記の判定の結果、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷物731,733が良好であり、印刷物732,734は不良であるとの通知をする。詳しくは、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷ジョブ#1のページ#1,#3が良好であり、印刷ジョブ#1のページ#2,#4が不良であるとの通知をする。
印刷物731,733が良好であるため、排出制御部141は、ページ情報1103を参照し、排紙トレイ411に印刷物731,733を排出する。
印刷物732,734が不良であるため、排出制御部141は、ページ情報1103(図11)および設定情報1451(図5)を参照し、印刷物732,734を排出する排紙トレイを排紙トレイ411〜414のうちから決定する。具体的には、ページ情報1103において2ページ目の給紙トレイが「給紙トレイ161」に設定されているため、排出制御部141は、設定情報1451を参照し、給紙トレイ161に対応付けられた排紙トレイ412を印刷物732の排出先と決定する。また、ページ情報1103において4ページ目の給紙トレイが「給紙トレイ171」に設定されているため、排出制御部141は、設定情報1451を参照し、給紙トレイ171に対応付けられた排紙トレイ413を印刷物734の排出先と決定する。
排出制御部141は、排紙トレイ411に印刷物731,733が排出され、排紙トレイ412に印刷物732が排出され、かつ排紙トレイ413に印刷物734が排出されるように、出力装置40に対して指令を送る。
以上により、画像形成システム1は、印刷状態が良好な印刷物(検品に合格した印刷物)731,733を、記録材の給紙元である給紙トレイの違いに関わらず、排紙トレイ411に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物(検品に合格しなかった印刷物)732,734を、排紙トレイ411とは異なる排紙トレイに排出する。
このような処理により、印刷状態が不良な印刷物は、印刷状態が良好な印刷物と同じ排紙トレイに排出されない。それゆえ、画像形成システム1によれば、印刷状態が良好な印刷物と不良な印刷物とをユーザーが分別する作業が不要となる。
詳しくは、画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物732,734のうち、給紙トレイ161から給紙された記録材860に画像が形成された印刷物732を、排紙トレイ412に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物732,734のうち、給紙トレイ171から給紙された記録材870に画像が形成された印刷物734を、排紙トレイ413に排出する。
このように、画像形成システム1によれば、不良と判定された印刷物が給紙トレイ161から給紙された記録材860上に画像が形成されたものであるか、あるいは、不良と判定された印刷物が給紙トレイ171から給紙された記録材870上に画像が形成されたものであるかに応じて、印刷物の排出先を異ならせることができる。
したがって、上記のように給紙トレイ161と給紙トレイ171とに異なる種類の記録材が収容されている場合に、種類毎に異なる排紙トレイに不良と判定された印刷物を排出できる。それゆえ、ユーザーは、不良と判定された印刷物を記録材の種類別に分別する必要がなくなる。
<G.制御構造>
図13は、画像形成装置10の制御部14において実行される処理の流れを説明するフロー図である。
図13を参照して、制御部14は、ステップS1において、検品装置30からの通知に基づき、印刷物の検品結果が不合格であったか否かを判断する。制御部14は、検品結果が不合格である場合(ステップS1においてYES)、ステップS2において、ページ情報(図7,9,11)内の給紙トレイの情報を参照する。
さらに、制御部14は、ステップS3において、設定情報1451(図5)を参照し、給紙トレイの情報から排紙トレイを決定する。制御部14は、ステップS4において、決定した排紙トレイに印刷物を排出させる制御を行なう。制御部14は、検品結果が合格である場合(ステップS1においてNO)、ステップS5において、排紙トレイ411に印刷物を排出させる。
<H.小括>
(1)画像形成システム1は、記録材に画像を形成することにより印刷物を生成する画像形成部15と、印刷物を検品する検品装置30と、複数の排紙トレイ411〜414と、複数の排紙トレイ411〜414のいずれかに印刷物を排出させる排出制御部141とを備える。排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性に基づき、複数の排紙トレイ411〜414のうちから印刷物を排出する排紙トレイを決定する。排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、決定された排紙トレイに印刷物を排出させる。
(2)検品装置30は、印刷物を読み取る読取部32,33と、印刷物を読み取ることにより得られた読取画像データーを、予め取得された正解画像データーと比較することにより、印刷物の良否を判定する品質判定部311とを含む。
(3)画像形成システム1は、各々が画像形成部15に記録材を給紙する複数の給紙トレイ161,171をさらに備える。印刷物の属性は、複数の給紙トレイ161,171のうち記録材を給紙した給紙トレイを表す情報である。
(4)排出制御部141は、印刷物が良好と判定された場合、印刷物を複数の排紙トレイ411〜414のうち第1の排紙トレイ(たとえば、排紙トレイ411)に排出させる。排出制御部141は、印刷物が不良と判定され、かつ印刷物の属性が第1の属性である場合には、印刷物を複数の排紙トレイ411〜414のうち第2の排紙トレイ(たとえば、排紙トレイ412)に排出させる。排出制御部141は、印刷物が不良と判定され、かつ印刷物の属性が第2の属性であると判定された場合には、印刷物を複数の排紙トレイ411〜414のうち第3の排紙トレイ(たとえば、排紙トレイ413)に排出させる。
本例では、第1の属性は、給紙トレイ161を表す情報である。第2の属性は、給紙トレイ171を表す情報である。
[実施の形態2]
以下、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態1と同じ点については、その説明を繰り返さない。
本実施の形態では、給紙トレイ161と給紙トレイ171とに異なる種類(具体的には、材質)の記録材が異なる場合について説明する。具体的には、以下では、給紙トレイ161および給紙トレイ171のいずれか一方に紙の記録材が収容され、他方にプラスチックの記録材が収容されている場合を例に挙げて説明する。なお、本実施の形態におけるジョブ情報は、実施の形態1で説明したジョブ情報1010(図6)と同一とする。
<A.設定情報>
図14は、検品結果が不合格であった場合に用いられる設定情報1452を表した図である。
図14を参照して、設定情報1452では、記録材の種類(具体的には材質)と排紙トレイとの関係が規定されている。設定情報1452では、普通紙と排紙トレイ412とが対応付けられている。また、設定情報1452では、プラスチックと排紙トレイ413とが対応付けられている。なお、設定情報1452は、制御部14の記憶部145に格納されている。設定情報1452の内容は、たとえば操作部13を介したユーザー操作により設定(変更)可能である。
<B.処理の具体例>
図15は、実施の形態1で述べた印刷ジョブに含まれるページ情報のデーター構造を説明するための図である。
図15を参照して、ページ情報1201は、実施の形態1で説明したページ情報1101(図7参照)と同様のパラメーターを含む。ページ情報1201では、記録材のサイズ、記録材の種類の一部、坪量の一部、および給紙トレイの各パラメーターの値がページ情報1101とは異なる。
ページ情報1201では、給紙トレイの値が「自動」となっている。このため、指定された記録材のサイズおよび記録材の種類に適した給紙トレイから記録材(紙またはプラスチック)が画像形成部15に供給される。
ページ情報1201では、記録材の種類が1ページ目と2ページ目とにおいて「普通紙」に設定されている。また、記録材の種類が3ページ目と4ページ目とにおいて「プラスチック」に設定されている。このため、ジョブ番号#1の画像形成の際には、1ページ目の画像と2ページ目の画像とは普通紙に形成され、3ページ目の画像と4ページ目の画像とはプラスチックに形成される。
記録材の種類のページ情報1201への書き込みは、操作部13に対するユーザー操作に基づき制御部14によって実行される。あるいは、制御部14が、用紙種別を判定するためのセンサーからの出力に基づき用紙種別を判定し、かつ判定結果をページ情報1201へ書き込んでもよい。
図16は、印刷物の排出先の排紙トレイを決定する方法を説明するための図である。
図16を参照して、検品装置30は、印刷物740を読み取る。本例では、印刷物740は、4つの印刷物741〜744からなるため、これらの4つの印刷物741〜744を読取部32,33で読み取る。
検品装置30の品質判定部311は、上記の読み取りによって得られた読み取り画像データー740Gを、記憶部312に記憶された正解画像データーと比較する。本例では、4つの読み取り画像データー741G〜744Gを、対応する正解画像データー641〜644と比較する。
本例では、印刷物742の印刷面に汚れが発生している。それゆえ、読取画像データー742Gの正解画像データー642との一致率が閾値未満となる。その結果、検品装置30は、印刷物742が不良と判定する。また、同様に、読取画像データー744Gの正解画像データー644との一致率が閾値未満となるため、検品装置30は、印刷物744も不良と判定する。なお、他の読み取り画像データー741G,743Gの一致率は閾値以上であるため、検品装置30は、印刷物741,743は良好と判定する。
上記の判定の結果、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷物741,743が良好であり、印刷物742,744は不良であるとの通知をする。詳しくは、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷ジョブ#1のページ#1,#3が良好であり、印刷ジョブ#1のページ#2,#4が不良であるとの通知をする。
印刷物741,743が良好であるため、排出制御部141は、ページ情報1201を参照し、排紙トレイ411に印刷物741,743を排出する。
印刷物742,744が不良であるため、排出制御部141は、ページ情報1201(図15)および設定情報1452(図14)を参照し、印刷物742,744を排出する排紙トレイを排紙トレイ411〜414のうちから決定する。具体的には、ページ情報1201において2ページ目の記録材の種類が「普通紙」に設定されているため、排出制御部141は、設定情報1452を参照し、普通紙に対応付けられた排紙トレイ412を印刷物742の排出先と決定する。また、ページ情報1201において4ページ目の記録材の種類が「プラスチック」に設定されているため、排出制御部141は、設定情報1452を参照し、プラスチックに対応付けられた排紙トレイ413を印刷物744の排出先と決定する。
排出制御部141は、排紙トレイ411に印刷物741,743が排出され、排紙トレイ412に印刷物742が排出され、かつ排紙トレイ413に印刷物744が排出されるように、出力装置40に対して指令を送る。
以上により、画像形成システム1は、印刷状態が良好な印刷物(検品に合格した印刷物)741,743を、記録材の材質の違いに関わらず、排紙トレイ411に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物(検品に合格しなかった印刷物)742,744を、排紙トレイ411とは異なる排紙トレイに排出する。
このような処理により、印刷状態が不良な印刷物は、印刷状態が良好な印刷物と同じ排紙トレイに排出されない。それゆえ、画像形成システム1によれば、印刷状態が良好な印刷物と不良な印刷物とをユーザーが分別する作業が不要となる。
詳しくは、画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物742,744のうち、普通紙に画像が形成された印刷物742を、排紙トレイ412に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物742,744のうち、プラスチックに画像が形成された印刷物744を、排紙トレイ413に排出する。
このように、画像形成システム1によれば、不良と判定された印刷物が普通紙に画像が形成されたものであるか、あるいは、不良と判定された印刷物がプラスチックに画像が形成されたものであるかに応じて、印刷物の排出先を異ならせることができる。
したがって、上記のように異なる材質の記録材に画像を形成する場合に、材質毎に異なる排紙トレイに不良と判定された印刷物を排出できる。それゆえ、ユーザーは、不良と判定された印刷物を記録材の材質に基づき分別する必要がなくなる。特に、紙とプラスチックとは廃棄の際に分別する必要があるため、上述した排出制御処理は、不良な印刷物の廃棄処理時に有効である。
<C.制御構造>
図17は、画像形成装置10の制御部14において実行される処理の流れを説明するフロー図である。
図17を参照して、制御部14は、ステップS1において、検品装置30からの通知に基づき、印刷物の検品結果が不合格であったか否かを判断する。制御部14は、検品結果が不合格である場合(ステップS1においてYES)、ステップS2Aにおいて、ページ情報1201内の記録材の種類の情報を参照する。
さらに、制御部14は、ステップS3Aにおいて、設定情報1452(図14)を参照し、記録材の種類の情報から排紙トレイを決定する。制御部14は、ステップS4において、決定した排紙トレイに印刷物を排出させる制御を行なう。制御部14は、検品結果が合格である場合(ステップS1においてNO)、ステップS5において、排紙トレイ411に印刷物を排出させる。
<D.小括>
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性に基づき、複数の排紙トレイ411〜414のうちから印刷物を排出する排紙トレイを決定する。排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、決定された排紙トレイに印刷物を排出させる。
本実施例では、印刷物の属性は、記録材の種類である。記録材の種類は、記録材の材質で規定される。
<E.変形例>
記録材の種類は、記録材の材質以外に、記録材のサイズ、記録材の色、記録材の坪量、はがきかはがき以外、タブの有無、または加飾加工の有無によって規定されてもよい。また、記録材の種類は、裁断部49により裁断の有無によって規定されてもよい。
[実施の形態3]
以下、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態1と同じ点については、その説明を繰り返さない。
本実施の形態においては、印刷物が有価であるか否かに応じて、印刷物を排出する排紙トレイを複数の排紙トレイのうちから決定する構成について説明する。詳しくは、記録材が有価であるか否かに応じて、排紙トレイを決定する構成について説明する。
なお、本実施の形態におけるジョブ情報は実施の形態1で説明したジョブ情報1010(図6)と同一とする。また、本実施の形態におけるページ情報は実施の形態1で説明したページ情報1103(図11)と同一とする。それゆえ、本実施の形態では、図12に示した正解画像データー630と同じ正解画像データーが得られる。また、図12に示した印刷物730と同じ印刷物が得られる。さらに、図12に示した読取画像データー730Gと読み取り画像データーが得られる。
<A.設定情報>
図18は、検品結果が不合格であった場合に用いられる設定情報1453を表した図である。
図18を参照して、設定情報1453では、読取結果(詳しくは、有価か否かの判定結果)と排紙トレイとの関係が規定されている。設定情報1453では、「有価」と排紙トレイ412とが対応付けられている。また、設定情報1452では、「有価でない」ことと排紙トレイ413とが対応付けられている。なお、設定情報1453は、制御部14の記憶部145に格納されている。
本例では、有価とは、記録材または印刷物に払い戻し等の換金性があることをいう。ただし、廃棄物としての価値(廃棄物を回収してもらうことにより得られる価値)は、本例における有価には含まれない。また、本例での有価とは、記録材に形成される画像に金銭的な価値があることを意味するのではなく、記録材に金銭的価値があることを意味する。
<B.処理の具体例>
図19は、印刷物の排出先の排紙トレイを決定する方法を説明するための図である。
図19を参照して、検品装置30は、4つの印刷物751〜754を読取部32,33で読み取る。検品装置30の品質判定部311は、上記の読み取りによって得られた読み取り画像データー751〜754を、対応する正解画像データー651〜654と比較する。
本例では、印刷物752の印刷面に汚れが発生している。それゆえ、読取画像データー752Gの正解画像データー652との一致率が閾値未満となる。その結果、検品装置30は、印刷物752が不良と判定する。また、同様に、読取画像データー754Gの正解画像データー654との一致率が閾値未満となるため、検品装置30は、印刷物754も不良と判定する。なお、他の読み取り画像データー751G,753Gの一致率は閾値以上であるため、検品装置30は、印刷物751,753は良好と判定する。
上記の判定の結果、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷物751,753が良好であり、印刷物752,754は不良であるとの通知をする。詳しくは、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷ジョブ#1のページ#1,#3が良好であり、印刷ジョブ#1のページ#2,#4が不良であるとの通知をする。
印刷物751,753が良好であるため、排出制御部141は、ページ情報1103(図11)を参照し、排紙トレイ411に印刷物751,753を排出する。
印刷物752,754が不良であるため、排出制御部141は、読取画像データー752Gおよび読取画像データー754Gと、設定情報1453(図18)とに基づき、印刷物752,754を排出する排紙トレイを排紙トレイ411〜414のうちから決定する。具体的には、属性判定部142(図2)は、読取画像データーに基づき印刷物752が有価か否かを判定する。
印刷物752は、通常はがきに画像が印刷(形成)されている。このため、属性判定部142は、印刷物752を有価と判定する。具体的には、属性判定部142は、切手の画像に基づき、印刷物752を有価と判定する。排出制御部141は、属性判定部142の判定結果と設定情報1453とを参照し、読取結果が「有価」に対応付けられた排紙トレイ412を、印刷物752を排出する排紙トレイに決定する。なお、切手が貼られた印刷物も、通常はがきと同様に、有価と判定される。
印刷物754は、「料金別納郵便」との表記がなされた料金別納はがきに画像が印刷されている。このため、属性判定部142は、印刷物754を有価でないと判定する。排出制御部141は、属性判定部142の判定結果と設定情報1453とを参照し、読取結果が「有価でない」に対応付けられた排紙トレイ413を、印刷物754を排出する排紙トレイに決定する。なお、「料金後納郵便」との表記がなされた料金後納はがきも、料金別納はがきと同様に有価でないと判定される。
排出制御部141は、排紙トレイ411に印刷物751,753が排出され、排紙トレイ412に印刷物752が排出され、かつ排紙トレイ413に印刷物754が排出されるように、出力装置40に対して指令を送る。
以上により、画像形成システム1は、印刷状態が良好な印刷物(検品に合格した印刷物)751,753を、記録材の種類の違いに関わらず、排紙トレイ411に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物(検品に合格しなかった印刷物)752,754を、排紙トレイ411とは異なる排紙トレイに排出する。
このような処理により、印刷状態が不良な印刷物は、印刷状態が良好な印刷物と同じ排紙トレイに排出されない。それゆえ、画像形成システム1によれば、印刷状態が良好な印刷物と不良な印刷物とをユーザーが分別する作業が不要となる。
詳しくは、画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物752,754のうち、有価な印刷物752を、排紙トレイ412に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物752,754のうち、有価でない印刷物754を、排紙トレイ413に排出する。
このように、画像形成システム1によれば、不良と判定された印刷物が有価であるか否かに応じて、印刷物の排出先を異ならせることができる。したがって、画像形成システム1によれば、ユーザーは、不良と判定された印刷物を有価な印刷物と有価でない印刷物とに分別する必要がなくなる。また、画像形成システム1によれば、ユーザーが、有価な印刷物を有価でない印刷物と間違えて廃棄してしまうことを防止できる。
<C.制御構造>
図20は、画像形成装置10の制御部14において実行される処理の流れを説明するフロー図である。
図20を参照して、制御部14は、ステップS1において、検品装置30からの通知に基づき、印刷物の検品結果が不合格であったか否かを判断する。制御部14は、検品結果が不合格である場合(ステップS1においてYES)、ステップS11において、読取画像データーを解析して、印刷物が有価であるか否かを判断する。
さらに、制御部14は、ステップS12において、設定情報1453(図18)を参照し、有価か否かの判断結果に基づき、印刷物の排紙トレイを決定する。制御部14は、ステップS4において、決定した排紙トレイに印刷物を排出させる制御を行なう。制御部14は、検品結果が合格である場合(ステップS1においてNO)、ステップS5において、排紙トレイ411に印刷物を排出させる。
<D.小括>
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性に基づき、複数の排紙トレイ411〜414のうちから印刷物を排出する排紙トレイを決定する。排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、決定された排紙トレイに印刷物を排出させる。
排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性が所定の属性であると判定されたときには、印刷物を複数の排紙トレイ411〜414のうち第1の排紙トレイ(たとえば、排紙トレイ412)に排出させる。排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性が上記所定の属性でないと判定されたときには、印刷物を複数の排紙トレイ411〜414のうち第2の排紙トレイ(たとえば、排紙トレイ413)に排出させる。
印刷物の属性の判定は、属性判定部142によって行なわれる。所定の属性は、印刷物が有価であることである。詳しくは、所定の属性とは、記録材そのものが有価な記録材であることである。
[実施の形態4]
以下、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態1と同じ点については、その説明を繰り返さない。
本実施の形態においては、印刷物が機密情報を含むか否かに応じて、印刷物を排出する排紙トレイを複数の排紙トレイのうちから決定する構成について説明する。
なお、本実施の形態におけるジョブ情報は図6に示したジョブ情報1010と同一とする。また、本実施の形態におけるページ情報は図15に示したページ情報1201と同一とする。
<A.設定情報>
図21は、検品結果が不合格であった場合に用いられる設定情報1454を表した図である。
図21を参照して、設定情報1454では、読取結果(詳しくは、機密情報が含まれているか否かの判定結果)と排紙トレイとの関係が規定されている。設定情報1454では、「機密情報を含む」と排紙トレイ412とが対応付けられている。また、設定情報1454では、「機密情報を含まない」ことと排紙トレイ413とが対応付けられている。本例では、機密情報の一例として、個人情報を挙げて説明する。なお、設定情報1453は、制御部14の記憶部145に格納されている。
<B.処理の具体例>
図22は、印刷物の排出先の排紙トレイを決定する方法を説明するための図である。
図22を参照して、検品装置30は、4つの印刷物761〜764を読取部32,33で読み取る。検品装置30の品質判定部311は、上記の読み取りによって得られた読み取り画像データー761〜764を、対応する正解画像データー661〜664と比較する。
本例では、印刷物762の印刷面に汚れが発生している。それゆえ、読取画像データー762Gの正解画像データー662との一致率が閾値未満となる。その結果、検品装置30は、印刷物762が不良と判定する。一方、印刷物764は、本来印刷されるべき住所と氏名とが印刷されていない。それゆえ、読取画像データー764Gの正解画像データー664との一致率が閾値未満となる。その結果、検品装置30は、印刷物764も不良と判定する。なお、他の読み取り画像データー761G,763Gの一致率は閾値以上であるため、検品装置30は、印刷物761,763は良好と判定する。
上記の判定の結果、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷物761,763が良好であり、印刷物762,764は不良であるとの通知をする。詳しくは、検品装置30は、画像形成装置10に対して、印刷ジョブ#1のページ#1,#3が良好であり、印刷ジョブ#1のページ#2,#4が不良であるとの通知をする。
印刷物761,763が良好であるため、排出制御部141は、ページ情報1201(図15)を参照し、排紙トレイ411に印刷物761,763を排出する。
印刷物752,754が不良であるため、排出制御部141は、読取画像データー762Gおよび読取画像データー764Gと、設定情報1454(図21)とに基づき、印刷物752,754を排出する排紙トレイを排紙トレイ411〜414のうちから決定する。具体的には、属性判定部142(図2)は、読取画像データーに基づき印刷物752が機密情報を含むか否かを判定する。
印刷物762は、氏名および住所が印刷(形成)されている。このため、属性判定部142は、印刷物762に機密情報が含まれていると判定する。排出制御部141は、属性判定部142の判定結果と設定情報1454とを参照し、読取結果が「機密情報を含む」に対応付けられた排紙トレイ412を、印刷物762を排出する排紙トレイに決定する。
印刷物764は、氏名および住所が印刷されていない。このため、属性判定部142は、印刷物764に機密情報が含まれていないと判定する。排出制御部141は、属性判定部142の判定結果と設定情報1454とを参照し、読取結果が「機密情報を含まない」に対応付けられた排紙トレイ413を、印刷物764を排出する排紙トレイに決定する。
排出制御部141は、排紙トレイ411に印刷物761,763が排出され、排紙トレイ412に印刷物762が排出され、かつ排紙トレイ413に印刷物764が排出されるように、出力装置40に対して指令を送る。
以上により、画像形成システム1は、印刷状態が良好な印刷物(検品に合格した印刷物)761,763をデフォルトの排紙トレイ411に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物(検品に合格しなかった印刷物)762,764を、排紙トレイ411とは異なる排紙トレイに排出する。
このような処理により、印刷状態が不良な印刷物は、印刷状態が良好な印刷物と同じ排紙トレイに排出されない。それゆえ、画像形成システム1によれば、印刷状態が良好な印刷物と不良な印刷物とをユーザーが分別する作業が不要となる。
詳しくは、画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物762,764のうち、機密情報を含む印刷物762を、排紙トレイ412に排出する。画像形成システム1は、印刷状態が不良な印刷物762,764のうち、機密情報を含まない印刷物764を、排紙トレイ413に排出する。
このように、画像形成システム1によれば、不良と判定された印刷物が機密情報を含むか否かに応じて、印刷物の排出先を異ならせることができる。したがって、画像形成システム1によれば、ユーザーは、不良と判定された印刷物を、機密情報を含む印刷物と機密情報を含まない印刷物とに分別する必要がなくなる。また、画像形成システム1によれば、ユーザーが、機密情報を含む印刷物を機密情報を含まない印刷物であると誤認して廃棄してしまうことを防止できる。
<C.制御構造>
図23は、画像形成装置10の制御部14において実行される処理の流れを説明するフロー図である。
図23を参照して、制御部14は、ステップS1において、検品装置30からの通知に基づき、印刷物の検品結果が不合格であったか否かを判断する。制御部14は、検品結果が不合格である場合(ステップS1においてYES)、ステップS11Aにおいて、読取画像データーを解析して、印刷物が機密情報を含んでいるか否かを判断する。
さらに、制御部14は、ステップS12Aにおいて、設定情報1454(図21)を参照し、機密情報を含むか否かの判断結果に基づき、印刷物の排紙トレイを決定する。制御部14は、ステップS4において、決定した排紙トレイに印刷物を排出させる制御を行なう。制御部14は、検品結果が合格である場合(ステップS1においてNO)、ステップS5において、排紙トレイ411に印刷物を排出させる。
<D.小括>
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性に基づき、複数の排紙トレイ411〜414のうちから印刷物を排出する排紙トレイを決定する。排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、決定された排紙トレイに印刷物を排出させる。
排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性が所定の属性であると判定されたときには、印刷物を複数の排紙トレイ411〜414のうち第1の排紙トレイ(たとえば、排紙トレイ412)に排出させる。排出制御部141は、印刷物が不良と判定された場合、印刷物の属性が上記所定の属性でないと判定されたときには、印刷物を複数の排紙トレイ411〜414のうち第2の排紙トレイ(たとえば、排紙トレイ413)に排出させる。
印刷物の属性の判定は、属性判定部142によって行なわれる。本例では、所定の属性は、印刷物が機密情報を含むことである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。