しかしながら、あるイベントに対応づけたフレーズは通常1つである。そのため、このような同じ内容の音声の出力を何度も繰り返し行うと、鬱陶しいという問題があった。また、同じ内容のフレーズを聞いてばかりいると慣れが生じ、音声の出力を聞き逃したりする事態が発生し、イベントの発生を的確にユーザに伝達することが困難であった。また、フレーズの内容は通常、イベントの内容を示す無味乾燥なものが多く、例えば使用期間が長くなると、音声出力の内容に関心をひきにくくなるという問題がある。
そこで、本発明は、従来に比べ音声によってイベント発生に関心をひきやすくなるシステム等を提供することを目的とする。
(1)所定のイベントが発生した際に車両の運転者に対して音声による出力を行うための制御を行うシステムであって、所定のイベントの発生の際に、当該イベントの内容を示すフレーズ(イベント内容フレーズという)ではないフレーズ(非イベント内容フレーズという)を音声として出力するための制御を行う。
このようにすれば、イベントの発生の際にイベントの内容を示すフレーズではないフレーズが音声として出力されるので、何のイベントが発生したのかわかりにくかったり、あるいはイベントの発生がユーザの指示によるものやユーザがイベントの内容を把握可能なものである場合には非イベント内容フレーズに、例えば面白みを感じたり、つっこみを入れたくなったりするなど、イベントの内容を示すフレーズでないフレーズが音声として出力されることで、逆にイベントへの関心をひきやすくなる。
フレーズを音声として出力させる構成としては、例えば、記憶手段にフレーズの音声データを記憶しておき音声データを再生させることにより音声を出力させるようにしてもよいし、記憶手段にフレーズを文字列として記憶しておき当該文字列に対応する音声を音声合成によって生成して音声を出力させるようにしてもよい。
このシステムは、特に車に取付け可能な電子機器、車両に設置可能な電子機器として構成するとよいが、例えばサーバ等で少なくとも一部の制御を行い、車両内の電子機器においてサーバから通信によって取得した情報に基いて音声の出力させる制御を行うようにしてもよい。
(2)イベントの種類ごとにフレーズを備え、1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの中かから1つのフレーズを選択して、前記所定のイベントの発生の際に音声として出力するための制御を行い、前記複数のフレーズのうち少なくとも1のフレーズとして前記非イベント内容フレーズを含むフレーズを備える構成とするとよい。
このようにすれば、非イベント内容フレーズを含むフレーズがそのイベントが発生した場合に音声で出力される。したがって、イベントの内容を示すフレーズでないフレーズが音声として出力されることで、逆にイベントへの関心をひきやすくなる。
特に、(3)イベントの種類ごとにフレーズを備え、1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの中かから1つのフレーズを選択して、前記所定のイベントの発生の際に音声として出力するための制御を行い、前記1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの少なくとも1つとして前記イベント内容フレーズを備え、当該1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの少なくとも1つとして前記非イベント内容フレーズを備える構成とするとよい。
このようにすれば、1つのイベントについて、あるときは非イベント内容フレーズの音声が出力されて興味を引くとともに、別のときにはイベント内容フレーズの音声が出力されてイベントの内容を確認できるという顕著な効果が得られる。例えばマンネリを防ぎつつ、イベントの内容も確認できる。
なお、非イベント内容フレーズを含むフレーズを備えるイベントは、ある一種類のイベントとしてもよいが、複数の種類のイベントとするとよく、特にすべての種類のイベントとするとよい。
(4)所定のイベントの発生の際に、前記イベント内容フレーズと前記非イベント内容フレーズに基づく音声の出力をつづけてさせる制御を行う構成を備えるとよい。
このようにすれば、イベント内容フレーズの音声を聞くことによって当該イベントの内容を知ることができるとともに、非イベント内容フレーズの音声を聞くことによって興味を持続できる。
(5)音声認識機能と、音声認識によって開始される機能と、前記音声認識によって開始される機能を音声認識以外の方法で開始させる機能(別の開始機能という)とを備え、前記非イベント内容フレーズとして、前記音声認識できなかった場合に、前記別の開始機能による機能の開始方法を示すフレーズを備え、前記所定のイベントとして音声認識の開始のイベントを有し、前記音声認識の開始のイベントが発生した際に、前記別の開始機能による機能の開始方法を示すフレーズに基づく音声の出力をさせる制御を行う構成を備えるとよい。
このようにすれば、音声認識に失敗した場合や失敗しそうな場合などに、別の開始機能による開始方法を採ることが容易に可能になる。音声認識は失敗する可能性があり、音声認識による指示入力は他の指示入力方法に比べ確実性が低いという問題がある。そこで、前記音声認識によって開始される機能を音声認識以外の方法で開始させる機能(別の開始機能という)とを備えるとよいが、この別の開始機能は例えば取扱説明書などを参照してその開始方法を予め理解しておく必要があるという問題があった。本発明によれば、音声認識の開始の際に、この別の開始機能による機能の開始方法を示すフレーズに基づく音声が出力されるので、その方法を予め理解しておかなくても、音声認識の開始時に理解することができる。また、音声認識の開始時にこの方法を理解することができるので、音声認識に失敗した場合に、音声認識によって開始される機能を、別の開始機能によってスムーズかつ容易に、より確実に開始させることができる。
例えば、音声認識とは別の手段で音声認識と同様の指示をあたえる手段を備え、音声認識の開始を知らせるフレーズとして、音声認識できなかった場合に、音声認識以外の方法で指示を与える方法を示す音声を出力する構成としてもよい。
例えば、別の開始機能として、システムに備えるボタンの押下あるいはタッチが検出された場合に音声認識によって開始される機能を開始させる機能を備える構成において、別の開始機能による機能の開始方法を示すフレーズとして、「了解。認識開始するね。認識できなかったらボタンね。」あるいは「ノイズが大きいと、私、認識できないかも。その時はボタン使って。」などのフレーズを備えるとよい。
(6)音声認識機能を備え、前記非イベント内容フレーズとして、音声認識に失敗する可能性を示すフレーズを備え、前記所定のイベントとして音声認識の開始のイベントを有し、前記音声認識の開始のイベントが発生した際に、前記音声認識に失敗する可能性を示すフレーズに基づく音声の出力をさせる制御を行う構成を備えるとよい。
このようにすれば、音声認識が確実でないことを予めユーザに知らせることができる。例えば、音声認識に失敗する可能性を示すフレーズとして「音声認識ってけっこう難しいんだって。認識失敗するかも。」あるいは「私、認識できる言葉少ないからね。ごめんね。」というフレーズを備えるとよい。特に、この例のように、さらに謝罪のフレーズを備えるとよい。
(7)音声認識機能を備え、前記非イベント内容フレーズとして、音声認識に失敗した可能性を示すフレーズを備え、前記所定のイベントとして音声認識の終了のイベントを有し、前記音声認識の終了のイベントが発生した際に、前記音声認識に失敗した可能性を示すフレーズに基づく音声の出力をさせる制御を行う構成を備えるとよい。
このようにすれば、音声認識に失敗した際のユーザのいらだちを抑えることに寄与する。例えば、音声認識に失敗した可能性を示すフレーズとして、「100%聞き取れなくてゴメンね。音声認識って意外と難しいんだよ。なんて言い訳したりして。」というフレーズを備えるとよい。特に、この例のように、さらに謝罪のフレーズを備えるとよい。
(8)音声認識機能を備え、前記非イベント内容フレーズとして、音声認識の制限事項に関するフレーズを備え、前記所定のイベントとして音声認識の開始のイベントを有し、前記音声認識の開始のイベントが発生した際に、前記音声認識の制限事項に関するフレーズに基づく音声の出力をさせる制御を行う構成を備えるとよい。
このようにすれば、音声認識の制限事項に沿ったユーザの発話を促すことができる。その結果、音声認識の確実性を向上させることができる。例えば、音声認識の制限事項として、ある認識ワードの音声認識の完了後30秒以内に次の認識ワードをユーザが発話する必要がある構成の場合、音声認識の制限事項に関するフレーズとして、「認識したよ。制限時間30秒だからね。」というフレーズを備えるとよい。
(9)当該システムを車外に持ち出し可能とする手段を備え、前記非イベント内容フレーズとして、当該システムが車外に持ち出し可能であることを示すフレーズを備え、前記所定のイベントとして当該システムを持込可能な車外の場所への案内指示があった場合には、前記当該システムが車外に持ち出し可能であることを示すフレーズに基づく音声の出力をさせる制御を行う構成とするとよい。
このようにすれば、当該システムを持込可能な車外の場所への案内指示があった場合に、当該システムが車外に持ち出し可能であることをユーザに意識させることができる。例えば当該場所に当該システムを持ち込めることをユーザに意識させることもできる。取扱説明書等に車外での利用が可能である旨の記載等があってもそもそも取扱説明書を読まないため車外での利用が可能であることを知らないユーザも多い。また、これを知っていたとしても、当該案内指示の際にそのことを改めて知らされることで案内指示した場所等の車外へ持ちだして使ってみようという気持ちを起こさせることができる。
当該システムを車外に持ち出し可能とする手段としては、例えば、バッテリー等の電源供給手段と車両との固定を解除する手段とするとよい。
例えば、バッテリを備え、当該システムを備えた当該機器を持込可能な施設に関する案内指示があった場合には、当該機器が電池駆動可能であることを示す音声を出力するとよい。例えば、当該システムが車外に持ち出し可能であることを示すフレーズとして「ファミレス、私も一緒に行ってあげる。電池でも動けるし。」といったフレーズを備え、当該システムを持込可能な車外の場所への案内指示として、目的地や周辺施設検索として「ファミレス」が指示が入力された場合に、このフレーズを音声として出力させる制御を行うとよい。
(10) 音声認識機能を備え、システムの報知に関する設定値を音声認識により変更する機能を備え、当該設定値を相対的に変更する相対変更認識ワードと当該設定値を絶対値に変更する絶対変更認識ワードとを備え、前記設定値の変更後に前記イベント内容フレーズまたは前記非イベント内容フレーズを音声で出力させる制御を行う構成を備えるとよい。
このようにすれば、音声認識によって、相対的に設定値を変更できるとともに、ダイレクトに絶対値に値を変更できる。
(11) 地図の縮尺を音声認識により変更する機能を備え、前記地図の縮尺の値を相対的に変更する相対変更認識ワードと前記地図の縮尺を絶対値に変更する絶対変更認識ワードとを備え、前記地図の縮尺を変更した後に前記イベント内容フレーズまたは前記非イベント内容フレーズを音声で出力させる制御を行う構成とするとよい。
このようにすれば、地図の縮尺を現在の縮尺から相対的に変更することができるとともに、ダイレクトに縮尺を絶対値へ変更することができる。例えばダイレクトに一言で縮尺を絶対値に変更するこができる。
例えば、表示手段に地図を表示し、その表示する地図の縮尺として、10m(メートル)、25m、50m、100m、200m、500m、1km、2.5km、5km、10kmの縮尺の地図を表示可能な構成であって、相対変更認識ワードとして例えば「詳細」と「広域」を備え、絶対変更認識ワードとして「10メートル」「25メートル」「50メートル」「100メートル」「200メートル」「500メートル」「1キロ」「2.5キロ」「5キロ」「10キロ」を備えるとよい。そして「詳細」を認識した場合には地図の縮尺を現在の縮尺より1段階詳細な地図の縮尺に変更し「広域」を認識した場合には地図の縮尺を現在の縮尺より1段階広域な地図の縮尺の地図に変更して表示する。また、絶対変更認識ワードのいずれかを認識した場合にはその認識したワードの縮尺の地図に変更して表示する。
(12)前記所定のイベントとして目標への接近を示すイベントを備え、当該イベントとして接近状態が相対的に遠いイベントと、当該イベントとして接近状態が相対的に近いイベントとを有し、接近状態が相対的に遠いイベントのフレーズとして、前記非イベント内容フレーズを含むフレーズ備え、接近状態が相対的に近いイベントのフレーズとして、前記非イベント内容フレーズを含まないフレーズ備える構成とするとよい。
このようにすれば、接近状態が相対的に近い場合に接近を示すイベントが発生していることができるとともに、接近状態が相対的に遠い場合には接近を示すイベントに対する興味を引くことができる。また、例えば、接近状態が相対的にもっとも近い場合に、非イベント内容フレーズに気を取られて、例えば目標を通過してしまうといった問題を軽減できる。
例えば、接近状態が相対的に遠いイベントとして、右折する交差点の1km手前で発生するイベントを備え、このイベントのフレーズとして「1キロ先で右折だから、車線がたくさんあったら、今のうちに右側に入っておいて。」という非イベント内容フレーズを含むフレーズを備えるとよい。一方、接近状態が相対的に近いイベントとして、右折する交差点の300m手前で発生するイベントを備え、このイベントのフレーズとして「300メートル先で右に曲がります。」という非イベント内容フレーズを含まないフレーズを備えるとよい。
(13)前記所定のイベントとして目標への接近を示すイベントを備え、当該イベントとして接近状態が相対的に遠いイベントと、当該イベントとして接近状態が相対的に近いイベントとを有し、接近状態が相対的に遠いイベントのフレーズの音声出力時間を接近状態が相対的に近いイベントの音声出力時間よりも長くした構成とするとよい。
このようすれば、接近状態が相対的に近いイベントによる音声出力中にその目標を通過してしまうという問題を解決できるとともに、接近状態が相対的に遠いイベントではユーザの興味を惹きつけることができる。
例えば、1km手前では、「1キロ先で右折だから、車線がたくさんあったら、今のうちに右側に入っておいて。」という7秒間のフレーズを音声出力し、700m手前では「700メートル先は右折ですけど、言うとおりに行ってくれる?」という5秒間のフレーズを音声出力し、300m手前では「300メートル先で右に曲がります。」という3秒のフレーズを出力し、直前(例えば50m手前)では「まもなく右折だからね。」という2秒のフレーズを出力する。このようにすることで、この右折箇所を通過してしまうことを防止できるとともに、1km手前から従来のイベント内容フレーズによる音声出力に比べて、より興味を惹きつけることができる。
例えば、目標までの距離が長くなればなるほどその距離を報知するフレーズの発話時間を長くするようにするとよい。
(14)前記所定のイベントとして目標への接近を示すイベントを備え、前記イベント内容フレーズとして、目標の種別を示すフレーズを備え、その目標の種別を含むフレーズの音声を出力してから、その種別の中のより具体的な種別についての語句を含む音声をつづけて出力する構成とするとよい。
このようにすれば、具体的な種別についての知識のないユーザも、その目標がどのようなものなのか概要を容易に把握できる。また、具体的な種別についての知識のあるユーザより早く目標の概要を把握できる。
例えば、レーダー式オービスの2kmにおいて、「2キロ圏内にオービスを確認しました。レーダー式です。」のフレーズを音声で出力させる構成とするとよい。このようにすれば、「レーダー式」という具体的な種別についての知識のないユーザもその目標が「オービス」であることを容易に把握できる。また、具体的な種別についての知識のあるユーザより早く目標の「オービス」の存在を把握できる。
例えば、目標であるターゲットまでの距離につづけてその位置にある目標の種類を音声で出力する機能を備え、その目標の種別を含む語句を音声出力してから、その種別の中のより具体的な種別についての語句を含む音声を出力する構成とするとよい。
(15) 前記イベント内容フレーズとして、略称を含むフレーズを備え、その略称を含むフレーズの音声を出力してから、略称の語句の意味を説明するフレーズを出力させる制御を行うとよい。
このようにすれば、略称についての知識のあるユーザにはより早くその内容を伝えることができるとともに、略称についての知識のあるユーザには、略称で示された内容がどのようなものなのかを容易に把握させることができる。
例えば、LHシステム式オービスの2km手前において、「2キロ先、LHシステムです。ここでオービスに関する豆知識。LHはループコイル式のHシステムってことなの。」というフレーズを音声で出力する制御を行うとよい。
(16) 前記所定のイベントとして目標への接近を示すイベントを備え、前記イベント内容フレーズとして、目標の種別を示すフレーズを備え、その目標の種別を含むフレーズの音声を出力してから、当該種別と混同する可能性のある当該目標とは異なる種別である旨を示すフレーズを含む音声をつづけて出力する構成とするとよい。
このようにすれば、目標の種別の誤認・混同を防止することができる。
例えば目標の種別を示すフレーズとして「Nシステムですよ。」を備え、当該種別と混同する可能性のある当該目標とは異なる種別である旨を示すフレーズとして「オービスじゃありませんからね。」を備え、これらをつづけて「Nシステムですよ。オービスじゃありませんからね。」と出力すると良い。
つづけて出力する構成としては、目標の種別を示すフレーズと、当該種別と混同する可能性のある当該目標とは異なる種別である旨を示すフレーズとを別々に記憶しておき、2つをくっつけて出力するようにしてもよいし、目標の種別を示すフレーズと、当該種別と混同する可能性のある当該目標とは異なる種別である旨を示すフレーズとを続けたフレーズを予め記憶しておきこのフレーズを再生するようにしてもよい。
(17) 前記所定のイベントとしてユーザからの指示入力に基づく設定値の変更のイベントを備え、前記非イベント内容フレーズとして、設定値の変更指示の入力前の設定値の状態が良くなかった可能性があったことを示すフレーズを備える構成とするとよい。
このようにすれば設定値が適切でなかったことから生じるユーザのいらだちを抑制させることができる。
例えば、音量ダウンの入力指示があった場合に、設定値の変更指示の入力前の設定値の状態が良くなかった可能性があったことを示すフレーズとして「ちょっとうるさかった?」というフレーズを備えるとよい。また例えば、輝度ダウンの入力指示があった場合に、設定値の変更指示の入力前の設定値の状態が良くなかった可能性があったことを示すフレーズとして「う〜ん、明るすぎたかなぁ。」というフレーズを備えるとよい。
(18)イベントの種類ごとにフレーズを備え、筐体を備え、筐体にはイベントの種類ごとのフレーズのセットを一括で切り替えるための操作入力部を備えるとよい。
(19) 表示画面と、表示画面へのタッチを検出する手段と、ナビゲーション機能とを備え、前記フレーズの音声を発話するキャラクタの画像を表示するか、ナビゲーション機能による拡大図を表示するかを選択させる機能を備え、当該選択の結果、キャラクタの画像を表示する状態に設定されている際に、当該キャラクタの画像へのタッチが検出された場合には、前記キャラクタの画像に代えて、ナビゲーション機能による拡大図を表示する機能を備えるとよい。
このようにすれば、キャラクタに音声を発話させている雰囲気を味わうことができるとともに、拡大図が必要なときには拡大図を容易に表示させることができる。特に比較的小さな画面を備えるシステムに特に有効である。
(20)(1)〜(19)のいずれかに記載のシステムにおける機能は、コンピュータに実現させるためのプログラムによって実現する構成とするとよい。
従来に比べ音声によってイベント発生に関心をひきやすくなるシステム等を提供することができる。
図1は、本発明に係るナビゲーション装置の好適な一実施形態の外観図を示しており、図2は、その機能ブロック図を示しており、図3はマイクの設置状態を示しており、図4以降は動作を示している。図1に示すように、ナビゲーション装置は、持ち運び可能な携帯型の装置本体2と、それを保持する取付部材たるクレードル3とを備える。装置本体2をクレードル3に装着することで、車載用のナビゲーション装置として機能し、クレードル3から取り外すことで携帯型のナビゲーション装置(PND)として機能する。本実施形態は、装置本体2をクレードル3に着脱可能とし、クレードル3と共に車両のダッシュボード上に設置して利用したり、クレードル3から装置本体2を取り外して携帯型(PND)として利用したりすることができるタイプである。装置本体2は、クレードル3に対して着脱自在に取り付けられる。
装置本体2は、扁平な矩形状のケース本体4を備えている。そのケース本体4の前面には、表示部5が配置され、その表示部5上には表示部5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル8を備え、前面の両サイドには警報ランプ9を備えている。クレードル3は、装置本体2を保持するクレードル本体6と、車室内の所定の位置(ダッシュボード等)において、クレードル本体6を任意の姿勢で指示する台座部7と、を備えている。台座部7は、底面に設けた吸盤にて、ダッシュボードなどの上に吸着して固定される。台座部7とクレードル本体6とは、ボールジョイント等の連結機構を介して所定の角度範囲内で回転可能に連結される。ボールジョイントであるため、台座部7とクレードル本体6は、相対的に三次元方向の任意の角度範囲内で回転移動し、ジョイント部分における摩擦抵抗により任意の角度位置でその位置をとどめる。よって、クレードル本体6に取り付けられた装置本体2も、ダッシュボード上において任意の姿勢で配置することができる。
さらにケース本体4の一方の側面には、SDメモリカード用スロット部21を備え、そのSDメモリカード用スロット部21に地図データなどが記録されたSDメモリカード22を挿入している。
また、ケース本体4のSDメモリカード用スロット部21を設けた側面には、外部マイク接続端子10を備え、図3に示すマイク25からのコードが接続される。制御部18はマイク25からの音声信号を音声認識して各種の機能を実現する音声認識機能を備える。
マイク25は、良好な音声認識を行うために、マイクはコラムカバーなどに取り付け、ドライバーからあまり離れた場所には取り付けないようにしている。また、マイク25の取り付け位置は、メーターなどの視界を妨げず、運転操作などの支障のない位置に取り付けている。車両のスピーカの近くや、騒音、風切り音などの発生する位置に取り付けると、音声を拾いにくくなるため、マイク25は、車両のスピーカの近くや、騒音、風切り音などの発生する位置ではない位置に取り付けている。貼り付け面の汚れや油分、水分などは十分に拭き取ってからマイク25の底面を両面テープで貼り付け固定している。マイク25からのコードは、コードクリップ等で固定しており、運転操作に支障のないように取り付けている。
また、図示省略の背面にはDCジャックを設けている。DCジャックは、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。そして、図示しないバッテリをケース本体4の内部に備え、DCジャックから供給された電力をバッテリに充電しておき、DCジャックからの電力が供給されなくなった場合には、バッテリに充電された電力により動作することができる。
SDメモリカード用スロット部21とは反対側の側面には、USB端子23を設けている。このUSB端子23を介してパソコンと接続し、ソフトウェアアプリケーションのバージョンアップなどを行なうことができる。
ケース本体4の上面には、スイッチ24を備える。スイッチ24として、左からボタン24a、24b、24cの3つのボタンを備える。ボタン24aはMODEボタンであり、ボタン24bはLeiボタンであり、ボタン24cは電源スイッチである。MODEボタン及びLeiボタンの機能は、後に詳細に説明する。
ケース本体4の内部には、以下の各機器・部品を配置している。すなわち、ケース本体4の背面側内部には、マイクロ波受信機11を配置する。マイクロ波受信機11は、所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので、その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。
また、ケース本体4の上面側内部には、GPS信号を受信し現在位置を求めるGPS受信機12を配置している。ケース本体4の前面側内部には、赤外線通信機14を配置する。赤外線通信機14は携帯電話機15等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。さらに、ケース本体4内には、スピーカ20も内蔵されている。
更に、本実施形態の装置は、無線受信機13とリモコン受信機16を備えている。無線受信機13は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信機16は、リモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、装置に対する各種の設定を行なう。無線受信機13は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。
本実施形態のナビゲーション装置は、ナビゲーション機能に加え、周囲に存在する車両速度測定装置その他の交通監視ポイント等の目標物を報知する目標物報知装置としての目標物報知機能も備えている。これらのナビゲーション機能並びに目標物報知機能は、制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。以下特段の記載がない場合には、記載した処理は制御部18に有するコンピュータが実行するプログラムを実行することで実行される。
すなわち、制御部18は、上記の各種の入力機器(GPS受信機12、マイクロ波受信機11、無線受信機13、タッチパネル8、スイッチ24、マイク25、赤外線通信機14、リモコン受信機16、SDメモリカード用スロット部21、USB端子23等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部5,警報ランプ9,スピーカ20、赤外線通信機14、SDメモリカード用スロット部21、USB端子23等)を利用して所定の情報・警報・メッセージを出力する。この所定の処理が、上記の各機能を実行するためのものであり、必要に応じてデータベース19や、SDメモリカード22にアクセスする。
ここでデータベース19は、制御部18のマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)である。なお、データベース19には、出荷時に一定の目標物や地図その他の各機能を実施するために必要な情報が登録されており、その後に追加された目標物についてのデータ等は、所定の処理を経て更新することができる。この更新のための処理は、例えば、追加データが格納されたSDメモリカードをSDメモリカード用スロット部21に装着すると共に、そのSDメモリカードからデータベース19に転送することで行うことがある。また、このデータ更新は、赤外線通信機7を用いたり、USB端子23を介して接続されるパソコンその他の外部機器を用いたりすることで行うことができる。
目標物報知機能を実現するための制御部18は、以下のような動作をする。すなわち、制御部18は、マイクロ波受信機11が所望のマイクロ波を受信した場合、予め定めた警報を出力する。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(車両速度測定装置の検出等)を知らせるための音声の出力や、表示部5を用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。
また、制御部18は、無線受信機13が所望の無線を受信した場合、予め定めた警報を出力する。この警報としては、スピーカ20を用いたブザーやマイクロ波の受信(緊急車両の接近等)を知らせるための音声の出力や、表示部5の用いた文字或いはイメージによるメッセージの出力などがある。この無線の受信に伴う警報と、上記のマイクロ波の受信に伴う警報の形態は、異なるようにすると良い。
さらに、制御部18は、GPS受信機12によって検出した現在位置と、データベース19に記憶している交通監視ポイント等の目標物の位置が、所定の位置関係にあるとき、所定の警報を出力するGPS警報機能を備える。そのため、データベース19には、検出対象の目標物に関する情報(経度・緯度を含む目標物の位置情報や目標物の種別情報等)や、事故多発地帯や交通取締り情報などのより注意を持って安全に運転するための交通安全情報や、ランドマークや運転に有益な各種の情報がある。各情報は、具体的な情報の種類(目標物の種類,交通取り締まりの種類,事故多発地帯,ランドマークの名称等)と位置情報とを関連づけて登録されている。
警報を発する際の目標物までの距離は、目標物の種類ごとに記憶しており、その記憶された距離に基づいて警報を行う。警報の態様としては、上記と同様に、スピーカ20を用いた音声等による警報と、表示部5を用いた警報等がある。図3は、表示部5による警報の一例を示している。本実施形態では、本装置がナビゲーション装置であるので、後述するように地図データを有していることから、基本画面として、制御部18は、現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。そして、表示部5に、現在表示中の画面(ここでは現在位置周辺の地図)に重ねて警告画面を表示する。例えば、地図を表示している際に、現在位置と交通監視ポイントの一つである速度測定装置の一種であるLHシステムとの距離が500mになった場合には、その旨を示す警告画面を表示し、データベース19に備える音声データを再生して「500m先LHシステムです」といった警報種類と距離を示す警告音声をスピーカ20から出力する処理を行う。
一方、ナビゲーション機能を実現するための制御部18は、以下のような動作をする。まず、データベース19は、ナビゲーション用の道路ネットワーク情報を記憶している。このデータベース19に格納するナビゲーションのための情報は、出荷時において全国についてのすべての情報を格納しておいても良いし、地図データ等は、地方毎にSDメモリカード22に格納したものを提供するようにし、ユーザは必要な地図データ等が格納されたSDメモリカードを用意し、それをSDメモリカード用スロット部21に装着して使用するようにしても良い。なお、SDメモリカード22に格納された地図データ等は、データベース19に転送して格納しても良いし、制御部18がSDメモリカード22にアクセスし、そこから読み出して使用するようにしても良い。
制御部18は、データベース19から現在位置周辺の道路ネットワーク情報を読み出し、現在位置周辺の地図を表示部5に表示する機能を有する。この制御部18は、この道路ネットワーク情報を利用してある位置から別の位置に至るルート(経路)を検索することができる。また、データベース19は、電話番号とその電話番号の住宅・会社・施設等の位置情報及び名称とを対応づけて記憶した電話番号データベースと、住所とその住所の位置情報とを対応づけて記憶した住所データベースを備える。またデータベース19には、速度測定装置等の交通監視ポイントの位置情報がその種類とともに記憶されている。
また、制御部18は、一般的なナビゲーション装置の処理を行う機能を有する。すなわち、表示部5に現在位置周辺の地図を随時表示し、目的地設定ボタンを表示する。制御部18は、タッチパネル8によって、目的地設定ボタンの表示位置に対応する位置の押下を検出した場合に、目的地設定処理を行う。目的地設定処理では、目的地設定メニューを表示部5に表示し、目的地の設定方法の選択をユーザに促す。目的地設定メニューは、目的地の設定方法の選択をユーザに促す電話番号検索ボタンと住所検索ボタンとを有する。電話番号検索ボタンが押下されたことを検出した場合には、電話番号の入力画面を表示し、入力された電話番号に対応する位置情報をデータベース19から取得する。住所検索ボタンが押下されたことを検出した場合には、住所の選択入力画面を表示し、入力された住所に対応する位置情報をデータベース19から取得する。そして、取得した位置情報を目的地の位置情報として設定し、現在位置から目的地までの推奨経路を、データベース19に記憶している道路ネットワーク情報に基づいて求める。この推奨経路の算出方法としては例えばダイクストラ法など公知の手法を用いることができる。
そして、制御部18は、算出した推奨経路を、周辺の地図とともに表示する。例えば、現在位置から目的地にいたるルートを推奨経路として、所定の色(例えば赤色)で表示する。これは、一般的なナビゲーションシステムと同様である。そして本実施形態では、制御部18は、ルート53上の位置情報とデータベース19に記憶された交通監視ポイント等の目標物の位置情報とを比較し、ルート53上に位置する交通監視ポイント等の位置を表示する。
本ナビゲーション装置は、図4に示すようにLeiモードとYERAモードとを備える。YERAモードは通常のナビゲーション装置と同様の案内等の報知を行うモードである。一方、Leiモードはキャラクタのアニメーションとキャラクタの音声で案内等の報知を行うモードである。図4に示す画面上に表示された女の子のキャラクタを以下Leiという。制御部18は、MODEボタンの押下を検出するごとに図4に示す確認画面を表示してOKがタッチされた場合には、図4に示すようにYERAモードとLeiモードを相互に切り替える。CANCELがタッチされた場合には現在のモードを維持する。
本ナビゲーション装置は、図5に示すように、制御部18は、Leiボタンの押下が検出された場合には、Lei Menuを表示する。Lei Menuは、Leiモードにおける各種の設定を画面に表示したボタンへのタッチを検出して行う画面である。
Lei Menuは、図5の丸1〜丸8の部分にそれぞれ示す設定項目を設定するための画面である。現在の設定をハイライト表示している(図中グレーで示される)。
図5の丸1に示す部分は、図6に示すように、ルート案内で補助イラストを表示するか否かを選択させ、設定する部分である。「優先表示する」に設定すると、ルート案内時、交差点拡大図などの補助イラストを表示する。「優先表示しない」に設定すると、ルート案内時でもLeiが表示されたままになる。そして、案内中にLeiへのタッチが検出されると補助イラストを表示し、画面切替へのタッチを検出すると画面を切り替える。
このように、表示部5と、タッチパネル8と、ナビゲーション機能とを備え、音声を発話するキャラクタの画像を表示するか、ナビゲーション機能による拡大図等の補助イラストを表示するかを選択させる機能を備えている。そして、この選択の結果、「優先表示しない」に設定されていてキャラクタの画像を表示する状態に設定されている際に、そのキャラクタの画像へのタッチが検出された場合には、キャラクタの画像に代えて、ナビゲーション機能による拡大図等の補助イラストを表示させる機能を備える。このようにすることで、キャラクタに音声を発話させている雰囲気を味わうことができるとともに、拡大図が必要なときには拡大図を容易に表示させることができる。特に本ナビゲーション装置のように比較的小さな画面を備えるシステムに特に有効である。
図5の丸2に示す部分は、図6に示すように、音声認識を開始する方法を選択させ、設定する部分である。「ボタン」に設定すると、ナビ画面上(例えば地図画面上)に設けた「音声認識」ボタンへのタッチが検出された時に、音声認識を開始する。「ボタン 音声」に設定すると、「音声認識」ボタンをタッチするか、起動フレーズを音声認識した場合に、音声認識を開始する。
図5の丸3に示す部分は、図7に示すように、音声認識判定のレベルの設定を行う部分である。「ゆるい」は静かな場所に適する設定で、「ふつう」よりも小さな音声レベルから音声認識を行う設定である。「ふつう」は標準設定であり、標準の音声レベルから音声認識を行う設定である。「きびしい」は騒がしい場所に適する設定で、「ふつう」よりも大きな音声レベルから音声認識を行う設定である。
図5の丸4に示す部分は、図7に示すように、Leiのコスチュームを設定する部分であり、図5の丸5に示す部分は、図7に示すように、ボタンへのタッチを検出した場合、収録(記憶)されているLeiの音声を再生する処理を行う。コスチューム毎のLeiが案内音声等で発声した音声にフラグを立てて記憶しておき、そのフラグの立っている音声のみ再生する処理を行う。したがって、新たな音声を発声するたびに、再生される音声が増えていく。
図5の丸6に示す部分は、図7に示すように、Lei Menuを終了し、図5上段に示すようなナビ画面に戻す。本機上部のLeiボタンの押下を検出した場合にも同様にナビ画面に戻す。
図5の丸7、丸8に示す部分は、図7に示すように、データベース19に記憶したムービーを再生するボタンである。
次に本ナビゲーション装置が備える音声認識機能についてより詳細に説明する。
図8に示すように、Lei Menuで音声認識開始条件が「ボタン
音声」に設定されている時は、マイクに向かって発声されたか、「音声認識」ボタンへのタッチを検出した場合に音声認識を開始する。「音声認識開始条件 ボタン」に設定されている時は、画面の「音声認識」ボタンへのタッチを検出した場合に音声認識を開始する。音声認識は一定時間経過したら、自動的にオフになり、通常のナビ操作に戻す。音声解除ボタンへのタッチが検出された場合には、音声認識を解除する。音声出力しているとき(以下Leiが話している時ともいう)は、操作を受け付けない。話し終わるまで待って操作を検出する。
音声認識開始フレーズは「レーたん、ボイスシステム起動」(れーたん、ボイスシステムきどう)である。
発声フレーズのリストの一部を図9に示す。図9の表は、左から、イベントである発声条件の列、フレーズの番号(NO(ナンバー))、フレーズの内容を示している。このような表(テーブル)をデータベース19に記憶している。一つの発声条件に対して複数のフレーズを記憶しており、その複数のフレーズの中から1のフレーズをランダムに選択する。フレーズの内容の欄に記載の文字列をファイル名としたファイルにmp3形式の音声データを記憶しており、当該ファイル名のファイルを選択してファイルをデコードして再生し、スピーカ20から音として出力する。
音声認識開始フレーズである(れーたん、ボイスシステムきどう)を認識した場合には、音声認識開始イベントが発生した判断して、図9の表の発声条件「音声認識開始」の行の複数のフレーズの中から一つのフレーズをランダムに選択して、音声出力を行う。そして次の音声指示を30秒間待つ、この30秒の間に次の音声認識がなされない場合には、音認識解除後イベントが発生したと判断して図9の表の発声条件「音認識解除後」の行の複数のフレーズの中から一つのフレーズをランダムに選択して、音声出力を行う。
一方、この30秒の間に次の音声認識がなされた場合にはその音声認識の内容に応じたイベントが発生したと判断して、そのイベントに対応する処理を行う。図9の発声条件「家電」より下の発声条件がこの30秒間に認識される発声条件を示している。例えば、この30秒間に図9の発声条件である「ファミレス」の音声が認識された場合には、「ファミレス」の行の複数のフレーズの中から一つのフレーズをランダムに選択して、音声出力を行い周辺の「ファミレス」を検索して地図上に表示する。「コンビニ」「ガソリンスタンド」の音声が認識された場合も「ファミレス」と同様の処理を行う。また、例えば、前述の30秒間に図9の発声条件である「音量ダウン」の音声が認識された場合には、「音量ダウン」の行の複数のフレーズの中から一つのフレーズをランダムに選択して、音声出力を行い、システムの設定値である基準音量をダウンさせる。「地図詳細表示」「地図広域表示」「音量アップ」「輝度アップ」「輝度ダウン」の音声が認識された場合も「音量ダウン」の場合と同様に該当行の複数のフレーズの中から一つのフレーズをランダムに選択して、音声出力を行い、システムの設定値を変更する。
図9に示すように、所定のイベントである発声条件を満たした際に、そのイベントの内容を示すフレーズ(イベント内容フレーズ)と、そのイベントの内容ではないフレーズ(非イベント内容フレーズ)とを備えている。
例えば、非イベント内容フレーズとして、音声認識できなかった場合に、別の開始機能による機能の開始方法を示すフレーズを備えている。別の開始機能として、図4下段、図5、図6下段のナビ機能の画面に「音声認識」のボタンを設けており、このボタンへのタッチが検出された場合にも、次の音声認識を開始する。この別の開始機能による機能の開始方法を示すフレーズとして、図9のNO.A2に示すように「了解。認識開始するね。認識できなかったらボタンね。」というボタンで音声認識が開始できることを示すフレーズを備えている。また、図9のNO.A5に示すように「ノイズが大きいと、私、認識できないかも。その時はボタン使って。」というボタンで音声認識が開始できることを示すフレーズを備えている。
このようにしたことで、音声認識に失敗した場合や失敗しそうな場合などに、ナビ機能の画面に「音声認識」のボタンへのタッチによる開始方法を採ることが容易に可能になる。音声認識は失敗する可能性があり、音声認識による指示入力は他の指示入力方法に比べ確実性が低いという問題がある。
そこで、音声認識開始フレーズである(れーたん、ボイスシステムきどう)の音声認識ができた際に、「音声認識」のボタンへのタッチでも開始できることを示すフレーズが音声出力されるので、この方法を予め取扱説明書等を読んで理解しておかなくても、音声認識の開始時に理解することができる。また、音声認識の開始時にこの方法を理解することができるので、次の音声認識に失敗した場合や前述の30秒内に認識に成功しなかった場合に、「音声認識」のボタンへのタッチによってスムーズかつ容易に、より確実に音声認識を開始させることができる。
また、非イベント内容フレーズとして、音声認識に失敗する可能性を示すフレーズを備える。例えば、図9のNO.A3に示すように「音声認識ってけっこう難しいんだって。認識失敗するかも。」というフレーズや、図9のNO.A4に示すように「私、認識できる言葉少ないからね。ごめんね。」というフレーズを備える。特に、この例のように、さらに謝罪のフレーズを備えている。このようにすることで、音声認識が確実でないことを予めユーザに知らせることができる。
また、非イベント内容フレーズとして、音声認識の制限事項に関するフレーズを備える。例えば、図9のNO.A6に示すように「認識したよ。制限時間30秒だからね。」というフレーズを備える。こうすることで、音声認識の制限事項に沿ったユーザの発話を促すことができる。その結果、音声認識の確実性を向上させることができる。
次に図9の発声条件「音声認識解除後」のフレーズについて説明する。発声条件「音声認識解除後」の非イベント内容フレーズとして、音声認識に失敗した可能性を示すフレーズを備える。例えば、図9のNO.B3に示すように「100%聞き取れなくてゴメンね。音声認識って意外と難しいんだよ。なんて言い訳したりして。」というフレーズを備える。特に、この例のように、さらに謝罪のフレーズとするとよい。こうすることで、音声認識に失敗した際のユーザのいらだちを抑えることに寄与する。
次に、図9の「コンビニ」「ガソリンスタンド」「ファミレス」のような周辺施設検索の発声フレーズを音声認識した場合に出力するフレーズについて説明する。例えば、発声条件「ファミレス」のフレーズとして、「ファミレス、私も一緒に行ってあげる。電池でも動けるし。」といったフレーズを備える。本ナビゲーション装置は、クレードル3から取り外して車外に持ち出してバッテリによって動作可能であり、非イベント内容フレーズとして、システムが車外に持ち出し可能であることを示すフレーズである「電池でも動けるし。」をこのフレーズに備えている。こうすることで、本ナビゲーション装置を持込可能な車外の場所であるファミレスへの音声での案内指示があった場合に、本ナビゲーション装置車外に持ち出し可能であることをユーザに意識させることができる。例えばファミレスに本ナビゲーション装置を持ち込めることをユーザに意識させることもできる。取扱説明書等に車外での利用が可能である旨の記載等があってもそもそも取扱説明書を読まないため車外での利用が可能であることを知らないユーザも多い。また、これを知っていたとしても、当該案内指示の際にそのことを改めて知らされることで案内指示した場所等の車外へ持ちだして使ってみようという気持ちを起こさせることができる。
次に、音声認識により、図9の「地図詳細表示」「地図広域表示」「音量アップ」「音量ダウン」「輝度アップ」「輝度ダウン」のようなシステムの設定値を変更する発声フレーズを音声認識した場合に、音声出力するフレーズについて説明する。
例えば、発声条件「音量ダウン」のフレーズとして、設定値の変更指示の入力前の設定値の状態が良くなかった可能性があったことを示すフレーズを備える。例えば、図9のNO.L1に示すように「ちょっとうるさかった?」というフレーズを備える。また例えば、発声条件「輝度ダウン」のフレーズとして、設定値の変更指示の入力前の設定値の状態が良くなかった可能性があったことを示すフレーズを備える。例えば、図9のNO.N3に示すように「う〜ん、明るすぎたかなぁ。」というフレーズを備える。こうすることで設定値が適切でなかったことから生じるユーザのいらだちを抑制させることができる。
さらに次の機能を備えるとよい。表示部5に表示する地図の縮尺として、10m(メートル)、25m、50m、100m、200m、500m、1km、2.5km、5km、10kmの縮尺の地図を表示可能としており、前述のように相対変更認識ワードとして例えば「地図詳細表示」と「地図広域表示」を備え、さらに絶対変更認識ワードとして「10メートル」「25メートル」「50メートル」「100メートル」「200メートル」「500メートル」「1キロ」「2.5キロ」「5キロ」「10キロ」を備える。そして「地図詳細表示」を音声認識した場合には地図の縮尺を現在の縮尺より1段階詳細な地図の縮尺に変更し「地図広域表示」を音声認識した場合には地図の縮尺を現在の縮尺より1段階広域な地図の縮尺の地図に変更して表示する。また、絶対変更認識ワードのいずれかを認識した場合にはその認識したワードの縮尺の地図に変更して表示する。例えば、現在表示している地図の縮尺が「1km」であるときに「地図詳細表示」を認識した場合には、縮尺を「500m」に変更し、「地図広域表示」を認識した場合には縮尺を「2.5km」に変更し、「25メートル」を認識した場合には縮尺を「25メートル」へ変更する。このようにすることで、音声認識によって、相対的に設定値を変更できるとともに、ダイレクトに絶対値に値を変更できる。音量や輝度についても同様に絶対値へ変更する発生フレーズを設けておきその発生フレーズを認識した場合にはその絶対値へ設定を変更するようにするとよい。
さらに、本ナビゲーション装置は、経路案内の音声出力について、接近状態が相対的に遠いイベントとして、経路の右折する交差点に対して現在位置が1km手前になったときに発生するイベントを備え、このイベントのフレーズとして「1キロ先で右折だから、車線がたくさんあったら、今のうちに右側に入っておいて。」という非イベント内容フレーズを含むフレーズを備える。一方、接近状態が相対的に近いイベントとして、現在位置が右折する交差点の300m手前で発生するイベントを備え、このイベントのフレーズとして「300メートル先で右に曲がります。」という非イベント内容フレーズを含まないフレーズを備える。このようにすることで、接近状態が相対的に近い右折箇所の300m手前では右折する交差点への接近を示すイベントが発生していることが端的に分かるとともに、接近状態が相対的に遠い右折箇所の1km手前では右折する交差点への接近を示すイベントに対する興味を引くことができる。しかも、例えば、接近状態が相対的に近い300mの場合に、非イベント内容フレーズに気を取られて、例えば目標を通過してしまうといった問題を軽減できる。
また、経路の右折する交差点に対して現在位置が1km手前では前述の「1キロ先で右折だから、車線がたくさんあったら、今のうちに右側に入っておいて。」という7秒間のフレーズを音声出力し、700m手前では「700メートル先は右折ですけど、言うとおりに行ってくれる?」という5秒間のフレーズを音声出力し、300m手前では前述の「300メートル先で右に曲がります。」という3秒のフレーズを出力し、直前(例えば50m手前)では「まもなく右折だからね。」という2秒のフレーズを出力する。このようにすれば、例えば接近状態が相対的に近いイベントである直前の地点において、音声出力中にその目標を通過してしまうという問題を解決できるとともに、接近状態が相対的に遠い1km手前のイベントでは、長いフレーズによってユーザの興味を惹きつけることができる。
このように、この右折箇所を通過してしまうことを防止できるとともに、従来のイベント内容フレーズによる音声出力に比べて、より興味を惹きつけることができる。
さらに、本ナビゲーション装置は、前述のGPS警報機能での音声出力するフレーズに工夫をしている。レーダー式オービスの2km手前で「2キロ圏内にオービスを確認しました。レーダー式です。」のフレーズを音声で出力させる。このように目標の種別を示すフレーズを備え、その目標の種別を含むフレーズの音声を出力してから、その種別の中のより具体的な種別についての語句を含む音声をつづけて出力する。こうすることで「レーダー式」という具体的な種別についての知識のないユーザもその目標が「オービス」であることを容易に把握できる。また、具体的な種別についての知識のあるユーザより早く目標の「オービス」の存在を把握できる。
また、例えば、LHシステム式オービスの2km手前において、「2キロ先、LHシステムです。ここでオービスに関する豆知識。LHはループコイル式のHシステムってことなの。」というフレーズを音声で出力する制御を行う。このように略称を含むフレーズを備え、その略称を含むフレーズの音声を出力してから、略称の語句の意味を説明するフレーズを出力させる制御を行う。こうすることで略称についての知識のあるユーザにはより早くその内容を伝えることができるとともに、略称についての知識のあるユーザには、略称で示された内容がどのようなものなのかを容易に把握させることができる。
また、例えば目標の種別を示すフレーズとして「Nシステムですよ。」を備え、当該種別と混同する可能性のある当該目標とは異なる種別である旨を示すフレーズとして「オービスじゃありませんからね。」を備え、Nシステムまで500mに達した場合に、これらをつづけて「Nシステムですよ。オービスじゃありませんからね。」と音声出力する。このように目標の種別を示すフレーズを備え、その目標の種別を含むフレーズの音声を出力してから、当該種別と混同する可能性のある当該目標とは異なる種別である旨を示すフレーズを含む音声をつづけて出力する構成とする。こうすることで目標の種別の誤認・混同を防止することができる。
以上のように、本ナビゲーション装置は、あるイベントが発生した際に車両の運転者に対して音声による出力を行うための制御を行うシステムである。そして、所定のイベントの発生の際に、当該イベントの内容を示すフレーズ(イベント内容フレーズという)ではないフレーズ(非イベント内容フレーズという)を音声として出力するための制御を行う。
このようにすれば、イベントの発生の際にイベントの内容を示すフレーズではないフレーズが音声として出力されるので、何のイベントが発生したのかわかりにくかったり、あるいはイベントの発生がユーザの指示によるものやユーザがイベントの内容を把握可能なものである場合には非イベント内容フレーズに、例えば面白みを感じたり、つっこみを入れたくなったりするなど、イベントの内容を示すフレーズでないフレーズが音声として出力されることで、逆にイベントへの関心をひきやすくなる。
本実施形態では、フレーズを音声として出力させる構成として、データベース19等の記憶部にフレーズの音声データを記憶しておき音声データを再生させることにより音声を出力させることとしたが、例えばデータベース19等の記憶部にはフレーズを文字列として記憶しておき当該文字列に対応する音声を制御部18が音声合成することによって音声を出力させるようにしてもよい。
また制御部18で実現する機能の一部は、例えばサーバ等で少なくとも一部を行い、車両内の制御部18においてサーバから通信によって取得した情報に基いて音声の出力させる制御を行うようにしてもよい。
本実施形態では、イベントの種類ごとにフレーズを備え、1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの中かから1つのフレーズを選択して、前記所定のイベントの発生の際に音声として出力するための制御を行い、複数のフレーズのうち少なくとも1のフレーズとして前記非イベント内容フレーズを含むフレーズを備える構成としている。そのため、
このようにすれば、非イベント内容フレーズを含むフレーズがそのイベントが発生した場合に音声で出力される。したがって、イベントの内容を示すフレーズでないフレーズが音声として出力されることで、逆にイベントへの関心をひきやすくなる。
特に、イベントの種類ごとにフレーズを備え、1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの中かから1つのフレーズを選択して、前記所定のイベントの発生の際に音声として出力するための制御を行い、前記1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの少なくとも1つとして前記イベント内容フレーズを備え、当該1つのイベントに対して設けた複数のフレーズの少なくとも1つとして非イベント内容フレーズを備える構成としている。
そのため、1つのイベントについて、あるときは非イベント内容フレーズの音声が出力されて興味を引くとともに、別のときにはイベント内容フレーズの音声が出力されてイベントの内容を確認できるという顕著な効果が得られる。例えばマンネリを防ぎつつ、イベントの内容も確認できる。なお、非イベント内容フレーズを含むフレーズを備えるイベントは、ある一種類のイベントとしてもよいが、本実施形態のように複数の種類のイベントとするとよく、より望ましくはすべての種類のイベントとするとよい。
本実施形態のフレーズの中には、例えば「認識したよ。制限時間は30秒だからね」といった所定のイベントの発生の際に、イベント内容フレーズと非イベント内容フレーズに基づく音声の出力をつづけてさせる制御を行う構成を備える。そのため、イベント内容フレーズの音声を聞くことによって当該イベントの内容を知ることができるとともに、非イベント内容フレーズの音声を聞くことによって興味を持続できる。
さらに、図9のフレーズはLeiモードにおける報知にのみ使用し、YERAモードでは、データベース19に記憶された図9のフレーズとは異なる一般的なナビゲーション装置におけるフレーズを使用するようにする。そして、YERAモードとLeiモードとを前述のようにスイッチ操作等の検知によって切り替えることで、イベントの種類ごとのフレーズのセットを一括で切り替えるように構成している。