JP2021183570A - 微生物制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燻煙剤の使用量及び燻煙時間が改善された微生物制御方法の提供。【解決手段】有機発泡剤及び微生物制御剤を含有する加熱型燻煙剤を用いる微生物制御方法であって、処理対象面の単位面積当たりの水分量を0.01〜10.0mg/cm2とした後、前記加熱型燻煙剤を用いて燻煙処理する、微生物制御方法。【選択図】なし

Description

本発明は、微生物制御方法に関する。
従来、カビや菌等の微生物の制御方法として、有効成分である薬剤を含有する燻煙剤を空間内に揮散させて微生物を制御する方法が知られている。
微生物が繁殖しやすい場所として例えば湿度が高い場所が挙げられる。特に、湿気の多い浴室は、微生物が繁殖しやすい環境である。浴室の天井や壁の上部等の高い部分は手入れがしにくく、微生物が繁殖しやすい場所である。加えて、換気口等、奥深くまで手が届かないような複雑な構造物の内部等は、さらに手入れが困難である。
こうした問題に対し、銀を含む薬剤と、有機発泡剤と、界面活性剤とを特定の比率で含む燻煙剤が提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1の燻煙剤によれば、抗菌、除菌、殺菌、防カビ、抗カビ等の微生物制御効果の向上が図られている。
ところで、燻煙剤を用いた浴室の燻煙処理においては、浴室の壁、天井、床等の対象面が濡れていても乾いていても、微生物制御効果に影響はないとされている(非特許文献1)。
特開2013−249264号公報
ライオン株式会社 ホームページ"ルックプラス おふろの防カビくん煙剤 製品特長"、[online]、[令和02年04月03日検索]、インターネット<https://look.lion.co.jp/bath/boukabi/feature/>
燻煙処理については、燻煙剤の使用量や燻煙時間など、未だ改善の余地がある。
本発明は、燻煙剤の使用量及び燻煙時間が改善された微生物制御方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 有機発泡剤及び微生物制御剤を含有する加熱型燻煙剤を用いる微生物制御方法であって、
処理対象面の単位面積当たりの水分量を0.01〜10.0mg/cmとした後、前記加熱型燻煙剤を用いて燻煙処理する、微生物制御方法。
[2] 前記微生物制御剤が、銀を含有する化合物及び3−メチル−4−イソプロピルフェノールの少なくとも一方を含む、前記[1]の微生物制御方法。
[3] 前記加熱型燻煙剤が界面活性剤をさらに含有する、前記[1]又は[2]の微生物制御方法。
[4] 前記界面活性剤が非イオン界面活性剤を含む、前記[3]の微生物制御方法。
[5] 前記有機発泡剤がアゾジカルボンアミドを含む、前記[1]〜[4]のいずれかの微生物制御方法。
[6] 前記処理対象面に水滴が付着し、濡れた状態となるようにトリガースプレーを用いて5〜35℃の水を噴霧した後、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で5〜180分放置して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[7] 前記処理対象面が浴室の壁面であり、35〜45℃の湯を使用し、5〜60分入浴した後、浴室の扉を開けて、温度21〜35℃、相対湿度66〜95%の環境下で5〜240分換気して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[8] 前記処理対象面が浴室の床面であり、35〜45℃の湯を使用し、5〜60分入浴した後、浴室の扉を開けて、温度21〜35℃、相対湿度66〜95%の環境下で5〜480分換気して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[9] 前記処理対象面が浴室全体であり、35〜45℃の湯を使用し、5〜60分入浴した後、浴室の扉を開けて、温度21〜35℃、相対湿度66〜95%の環境下で30〜60分換気して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[10] 前記処理対象面が浴室の壁面であり、前記処理対象面に5〜35℃の水をシャワー又は風呂桶で散水した後、浴室の扉を開けて、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で5〜180分換気して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[11] 前記処理対象面が浴室の床面であり、前記処理対象面に5〜35℃の水をシャワー又は風呂桶で散水した後、浴室の扉を開けて、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で15〜480分換気して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[12] 前記処理対象面が浴室全体であり、前記処理対象面に5〜35℃の水をシャワー又は風呂桶で散水した後、浴室の扉を開けて、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で20〜30分換気して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[13] 含水率が180〜250%のタオルを用いて前記処理対象面を拭いた後、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で1〜20分放置して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
[14] 含水率が120%以上、180%未満のタオルを用いて前記処理対象面を拭いた後、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で1〜20分放置して、前記処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする、前記[1]〜[5]のいずれかの微生物制御方法。
本発明によれば、燻煙剤の使用量及び燻煙時間が改善された微生物制御方法を提供できる。
実施例において使用した評価室の斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「微生物制御」とは、微生物の増殖を防いだり、微生物の付着を防いだり、殺菌したりするなどして、微生物の働きを抑えることである。微生物制御により得られる効果は、除菌、殺菌、抗菌、防カビ、抗カビ等であり、本明細書においてはこれらの効果を総称して「微生物制御効果」ともいう。
また、本発明において「加熱型燻煙剤」とは、熱により揮散する燻煙剤のことを意味する。ここで、「揮散」とは、燻煙剤を微粒子状にして空中に分散させることをいう。揮散させたときの燻蒸剤の平均粒子径は10μm以下が好ましい。なお、平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。
また、本発明において「処理対象面」とは、燻煙処理の対象となる物体表面(例えば浴室の壁面、床面など)のことである。
「加熱型燻煙剤」
本発明の微生物制御方法に用いる加熱型燻煙剤(以下、単に「燻煙剤」ともいう。)は、有機発泡剤及び微生物制御剤を含有する組成物である。微生物制御効果がより高まる観点から、燻煙剤は界面活性剤をさらに含有することが好ましい。燻煙剤は、有機発泡剤、微生物制御剤及び界面活性剤以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
<有機発泡剤>
有機発泡剤は、加熱により熱分解して多量の熱を発生すると共に、炭酸ガスや窒素ガス等(以下、これらを総称して「発泡ガス」という。)を発生する成分である。
有機発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。これらの中でも、分解温度、発泡ガスの発生量等の観点から、アゾジカルボンアミドが好ましい。
有機発泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
有機発泡剤の含有量は、有機発泡剤の種類や他の成分を勘案して決定することができる。具体的に、有機発泡剤の含有量は、燻煙剤の総質量に対して50〜90質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましい。有機発泡剤の含有量が上記下限値以上であると、微生物制御剤を効率よく煙化させて揮散させやすくなる。有機発泡剤の含有量が上記上限値以下であると、有機発泡剤の分解物の飛散量が少なくなり、処理対象の空間(対象空間)を汚染しにくくなる。
<微生物制御剤>
微生物制御剤は、微生物制御効果や消臭効果を発揮する成分である。
微生物制御剤としては、従来の除菌剤、殺菌剤、抗菌剤、防カビ剤、抗カビ剤等に用いられる銀を含有する化合物や有機系薬剤を使用することができる。
銀を含有する化合物及び有機系薬剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
銀を含有する化合物としては、例えば有効成分として除菌、殺菌、抗菌、防カビ、抗カビ、消臭作用を有する銀単体;酸化銀;塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、炭酸銀、スルホン酸銀塩、無機銀塩等の銀を含有する無機系抗菌剤や、蟻酸銀、酢酸銀等の有機銀塩などの銀化合物を含むものが挙げられる。
また、銀を含有する化合物としては、前記の銀化合物をゼオライト、シリカゲル、低分子ガラス、リン酸カルシウム、ケイ酸塩、酸化チタン等の物質(以下、「担体」ともいう。)に担持させた担持体を用いてもよい。担持体としては、例えば銀単体、酸化銀、無機銀塩、有機銀塩等の銀化合物を担持したゼオライト系抗菌剤、シリカゲル系抗菌剤、酸化チタン系抗菌剤、ケイ酸塩系抗菌剤等が挙げられる。
これらの中でも、銀を含有する化合物としては、微生物制御剤由来の臭気をより低減する観点から、銀単体、酸化銀、硝酸銀等の無機銀塩、又はこれらを担体に担持させた担持体が好ましい。特に銀単体、酸化銀、硝酸銀等の無機銀塩等の銀化合物を担持したゼオライト系抗菌剤が好ましい。
銀を含有する化合物は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
銀を含有する化合物の含有量は、燻煙剤の総質量に対する銀濃度が0.001〜0.5質量%となる量が好ましく、0.05〜0.1質量%となる量がより好ましい。銀濃度が上記下限値以上であると、微生物制御効果や消臭効果が充分に得られる。銀濃度が上記上限値を超えても、微生物制御効果や消臭効果が飽和するため、コストを高めるだけである。加えて、銀濃度が上記上限値を超えると、相対的に燻煙剤中の他の成分の含有量が少なくなり、微生物制御剤の揮散率が低下するおそれがある。
有機系薬剤としては、例えば3−メチル−4−イソプロピルフェノール(IPMP)、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイト(IPBC)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、o−フェニルフェノール(OPP)、安息香酸ナトリウム、グルタルアルデヒド、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩等が挙げられる。これらの中でも微生物制御効果が高まる観点から、IPMP、IPBC、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドが好ましく、IPMPがより好ましい。
有機系薬剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
有機系薬剤の含有量は、燻煙剤の総質量に対して、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。有機系薬剤の含有量が上記下限値以上であると、微生物制御効果や消臭効果が充分に得られる。有機系薬剤の含有量が上記上限値を超えても、微生物制御効果や消臭効果が飽和するため、コストを高めるだけである。加えて、有機系薬剤の含有量が上記上限値を超えると、相対的に燻煙剤中の他の成分の含有量が少なくなり、微生物制御剤の揮散率が低下するおそれがある。
<界面活性剤>
界面活性剤は、微生物制御効果をより高める成分である。これは、処理対象面が特定量の水分を有する場合、界面活性剤によって微生物制御剤が微生物に浸透しやすくなるためと考えられる。
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤が好ましく、デイビス法で求められるHLBが7〜15である非イオン界面活性剤がより好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えば下記一般式(1)で表されるトリブロック型界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル型界面活性剤等が挙げられる。
−O−(PO)−(EO)−(PO)−R ・・・(1)
式(1)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基であり、POはオキシプロプレン基であり、EOはオキシエチレン基であり、fはPOの平均繰り返し数を表す5〜150の数であり、gはEOの平均繰り返し数を表す5〜250の数であり、hはPOの平均繰り返し数を表す5〜150の数である。
及びRは、それぞれ水素原子が好ましい。
fは10〜30の数が好ましい。
gは5〜30の数が好ましい。
hは10〜30の数が好ましい。
f+g+h=20〜500の数が好ましい。
界面活性剤の市販品としては例えばBASFジャパン株式会社製の「PluronicRPE1720」、「PluronicRPE1740」、「PluronicRPE2520」;花王株式会社製の「エマゾールL−10V」、「エマゾールO−10V」、「エマゾールS−10V」などが挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
界面活性剤の含有量は、燻煙剤の総質量に対して1〜15質量%が好ましく、5〜12質量%がより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であると、微生物制御効果がより高まる。
<任意成分>
任意成分としては、例えば結合剤、賦形剤、発熱助剤、安定剤、効力増強剤、酸化防止剤、賦香剤、溶剤などが挙げられる。
結合剤としては、例えばセルロース系化合物(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースとそのカルシウム塩及びナトリウム塩、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、デンプン系化合物(デンプン、α化デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム塩等)、天然物系化合物(アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント、ゼラチン等)、合成高分子系化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等)などが挙げられる。
賦形剤としては、例えば無機鉱物(クレー、カオリン、タルク、石英、水晶等)などが挙げられる。
発熱助剤としては、例えば酸化亜鉛、リン酸カルシウム、メラミンなどが挙げられる。
安定剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドキシアニソール、没食子酸プロピル(プロピル−3,4,5−トリヒドロキシベンゾエート)、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等)などが挙げられる。
効力増強剤としては、例えばピペロニルブトキシド(5−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシメチル]−6−プロピル−1,3−ベンゾジオキソール)、S−421(ジ(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エーテル)などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、トコフェロールなどが挙げられる。
賦香剤としては、各種香料が挙げられる。
溶剤としては、水、1価アルコール(エタノール、プロパノール、ブタノール等などが挙げられる。
これら任意成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
<燻煙剤の製造方法>
燻煙剤は、粉状、粒状、錠剤などの固形製剤、又は液体製剤として調製される。
固形の燻煙剤の製造方法としては、目的とする剤形に応じて、公知の製造方法が用いられる。例えば、粒状の製剤とする場合は、押出し造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、流動層造粒法等、公知の造粒物の製造方法が用いられる。また、液体の製剤とする場合は、各成分を混合して溶解又は分散する製造方法により製造できる。
燻煙剤は、有機発泡剤及び微生物制御剤と、必要に応じて界面活性剤及び任意成分の1つ以上を混合することにより得られる。
押出し造粒法による製造方法の具体例として、有機発泡剤及び微生物制御剤と、必要に応じて界面活性剤及び任意成分の1つ以上をニーダー等により混合し、必要に応じて適量の水を加えて混合し、得られた混合物を任意の開孔径を有するダイスを用い、前押出しあるいは横押出し造粒機で造粒する方法が挙げられる。該造粒物をさらにカッター等で任意の大きさに切断し、水分除去のための乾燥を行ってもよい。
乾燥方法は、例えば従来公知の乾燥機を用いた加熱乾燥法が挙げられる。
乾燥温度は特に限定されないが、香料等の揮発を抑制する観点から、50〜80℃が好ましい。
乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜決定される。
乾燥後の燻煙剤の水分量は特に限定されないが、燻煙剤の総質量に対して5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0質量%であってもよい。水分量が上記上限値以下であると、微生物制御剤の揮散率を良好にしやすい。
水分の含有量は、例えば、乾燥後の燻煙剤をすりつぶし、105℃、20分の条件にて、水分計で測定することができる。水分計としては、株式会社島津製作所製の水分計「MOC−120H」が挙げられる。
<燻煙剤の使用方法>
燻煙剤は、燻蒸装置で揮散させて使用することが好ましい。燻蒸装置としては、例えば燻煙剤を収容した全量噴射型の容器を備える加熱型燻煙装置が挙げられる。燻煙装置は、間接加熱式でもよいし直接加熱式でもよいが、間接加熱式の燻煙装置が好ましい。
燻煙剤の燻煙方法は、公知の方法を採用できる。例えば、金属製容器、セラミック製容器等の容器に燻煙剤を収容し、密閉した対象空間内で、直接的又は間接的に燻蒸剤を加熱することによって燻煙する方法が挙げられる。
燻煙剤を加熱する際は、間接的に加熱することが好ましい。燻煙剤を間接的に加熱することで、直接的に加熱するよりも、燻煙時の有機発泡剤や微生物制御剤に由来する臭気の低減や、燻蒸剤の燃えカス等による対象空間内の汚染を低減しやすい。
燻煙剤を間接的に加熱する方法としては、燻煙剤を燃焼させることなく、有機発泡剤が熱分解し得る温度まで燻煙剤に熱エネルギーを供給できるものであればよく、間接加熱方式の燻煙方法に通常用いられる公知の加熱方法を採用できる。
具体的には、発熱剤と水とを接触させ、その反応熱を利用して燻煙剤を加熱する方法(i)、鉄粉と酸化剤(塩素酸アンモニウム等)との混合による酸化反応、又は金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物もしくは酸化剤との混合による酸化反応により発生する熱を利用して燻煙剤を加熱する方法(ii)などが挙げられる。これらの中でも実用性の点から、方法(i)が好ましい。
発熱剤としては、水と反応して発熱する物質が挙げられ、例えば酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化鉄などが挙げられる。これらの中でも、実用性の点から、酸化カルシウムが好ましい。
一方、燻煙剤を直接的に加熱する方法としては、マッチ頭薬などを用い、発熱体(点火具)により燻煙剤中に点火し、有機発泡剤の熱分解を利用する方法(スリ板式)などが挙げられる。
「微生物制御方法」
本発明の微生物制御方法は、上述した燻煙剤を用いて微生物を制御するものである。以下、本発明の微生物制御方法の一例について説明する。
本実施形態の微生物制御方法は、処理対象面の水分量を調整する工程(水分調整工程)と、水分調整工程後に上述した燻煙剤を用いて燻煙処理する工程(燻煙処理工程)とを有する。
<水分調整工程>
水分調整工程は、燻煙処理に先立ち、処理対象面の単位面積当たりの水分量を0.01〜10.0mg/cmとする工程である。
処理対象面の水分量は、0.01〜10.0mg/cmであり、0.2〜8.0mg/cmが好ましく、0.7〜5.0mg/cmがより好ましい。処理対象面の水分量が上記範囲内であると、処理対象面に付着した菌に水が浸透し、燻煙処理工程において微生物制御剤が菌全体に行き届きやすくなるため、微生物制御効果が向上する。処理対象面に菌が堆積して層(以下、「菌層」ともいう。)を形成している場合でも、処理対象面の水分量が上記範囲内であれば菌層に水が浸透し、燻煙処理工程において微生物制御剤が菌層の中まで行き届きやすくなるため、微生物制御効果が向上する。よって、従来の燻煙処理方法に比べて燻煙剤の使用量を削減したり、燻煙処理時間を短縮したりしても、従来の燻煙処理方法と同程度の微生物制御効果を発揮できる。例えば、浴室を燻煙処理する場合、従来の燻煙処理方法では浴室当たり5gの燻煙剤を使用していたならば、本発明では燻煙剤の使用量を浴室当たり1.5gまで削減しても、従来の燻煙処理方法と同程度の微生物制御効果を発揮できる。
水分を含む処理対象面の状態は表面素材によって異なるが、処理対象面の水分が水滴状になっておらず、処理対象面がわずかに湿った状態であることが好ましい。
処理対象面の単位面積当たりの水分量を上記範囲内とする好ましい方法として、以下の方法a〜dが挙げられる。
なお、以下に記載の好ましい放置時間又は換気時間は、処理対象面の水分量を0.01〜10.0mg/cmとする場合の条件である。より好ましい放置時間又は換気時間は、処理対象面の水分量を0.2〜8.0mg/cmとする場合の条件であり、さらに好ましい放置時間又は換気時間は、処理対象面の水分量を0.7〜5.0mg/cmとする場合の条件である。
また、以下に記載の方法は、対象空間として浴室を想定しており、この場合、浴室内の少なくとも一部が処理対象面である。
(方法a:スプレーヤーによる水噴霧(霧吹きやトリガースプレー)後、水分量を調整する場合)
乾いた浴室内(処理対象面を手の平で触ったとき湿った感触が無い状態)の全体に水滴が付着し、濡れた状態となるように、トリガースプレー等を用いて5〜35℃の水を噴霧する場合、噴霧後、浴室の扉を開けて、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で5〜180分放置することが好ましい。放置時間は、15〜120分がより好ましく、30〜60分がさらに好ましい。
水の噴霧量は、1回の吐出量が0.2mLのトリガースプレーを用いる場合、10×10cmの面積当たり3プッシュ程度が好ましい。
(方法b:入浴後、水分量を調整する場合)
例えば35〜45℃の湯を使用し、5〜60分入浴(洗髪及び洗身を含む)した場合、入浴後、浴室の扉を開けて、温度21〜35℃、相対湿度66〜95%の環境下で換気し、処理対象面の水分量を調整することが好ましい。
入浴後の換気時間は、燻煙処理の目的箇所に応じて決定すればよい。例えば、浴室の壁面(垂直面)の燻煙処理を目的とする場合、入浴後に5〜240分換気することが好ましい。換気時間は、5〜210分がより好ましく、5〜180分がさらに好ましい。
浴室の床面(水平面)の燻煙処理を目的とする場合、入浴後に5〜480分換気することが好ましい。換気時間は、10〜360分がより好ましく、30〜300分がさらに好ましい。
浴室全体を燻煙処理する場合、入浴後に30〜60分換気すること好ましく、換気時間が上記範囲内であれば、浴室全体(壁面、床面等)の表面の水分量を、燻煙処理に適した値に調整することができる。
(方法c:シャワーや風呂桶による散水後、水分量を調整する場合)
乾いた浴室内の処理対象面に5〜35℃の水をシャワー又は風呂桶で散水する場合、散水後、浴室の扉を開けて、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で換気し、処理対象面の水分量を調整することが好ましい。
散水後の換気時間は、燻煙処理の目的箇所に応じて決定すればよい。例えば、浴室の壁面(垂直面)の燻煙処理を目的とする場合、散水後に5〜180分換気することが好ましい。換気時間は、5〜120分がより好ましく、5〜60分がさらに好ましい。
浴室の床面(水平面)の燻煙処理を目的とする場合、散水後に15〜480分換気することが好ましい。換気時間は、20〜300分がより好ましく、20〜240分がさらに好ましい。
浴室全体を燻煙処理する場合、散水後に20〜30分換気すること好ましく、換気時間が上記範囲内であれば、浴室全体(壁面、床面)の表面の水分量を、燻煙処理に適した値に調整することができる。
(方法d:濡れタオルによるタオル拭きの後、水分量を調整する場合)
緩く絞った濡れタオルを用い、乾いた浴室内の処理対象面を拭いた場合、タオル拭きの後に浴室の扉を開けて、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で1〜20分放置することが好ましい。放置時間は1〜15分がより好ましく、1〜5分がさらに好ましい。
固く絞った濡れタオルを用い、乾いた浴室内の処理対象面を拭いた場合、タオル拭きの後に浴室の扉を開けて、温度15〜35℃、相対湿度40〜80%の環境下で1〜20分放置することが好ましい。放置時間は5〜15分がより好ましい。
ここで、「緩く絞った」とは、タオルの含水率が180〜250%を意味する。含水率は200〜240%が好ましく、220〜230%がより好ましい。
一方、「固く絞った」とは、タオルの含水率が120%以上、180%未満を意味する。含水率は130〜170%が好ましく、140〜160%がより好ましい。
なお、タオルの含水率は、下記式(I)より求められる。
含水率(%)=(絞った後のタオルの重量−乾燥した状態のタオルの重量)/乾燥した状態のタオルの重量×100 ・・・(I)
処理対象面の単位面積当たりの水分量を調整する方法としては、上述した中でも方法a〜cが好ましい。方法dの場合、処理対象面に付着する水分量が少なく、処理対象面が短時間で乾いてしまう。加えて、浴室全体を燻煙処理することを考慮すると、作業が煩雑となる。
処理対象面の単位面積当たりの水分量を調整する方法としては、方法a〜dに限定されず、これら以外の方法を用いてもよい。
なお、前記の水分量を調整する水としては特に限定されないが、簡便性及び衛生性の観点から水道水を用いることが好ましい。また、水を含む浴室用の洗浄剤(原液、又は水道水で希釈したもの)や、水を含むカビ取り剤を用いて処理することで処理対象面の水分を調整することもできる。洗浄剤やカビ取り剤を用いた場合、洗浄剤やカビ取り剤を用いた後に、水道水を用いたシャワーや散水あるいは固く絞ったタオルにより処理対象面の水分を調整することもできる。洗浄剤やカビ取り剤を用いた場合、処理対象面がより清浄になり微生物制御効果も高まり好ましい。
<燻煙処理工程>
燻煙処理工程は、水分調整工程後に、燻煙剤を用いて燻煙処理する工程である。
燻煙処理の方法としては、上述した燻煙剤の使用方法が挙げられる。例えば、燻煙装置に燻煙剤を燻煙装置の伝熱部を挟んで発熱剤と共に収容し、発熱剤と水とを接触させる。発熱剤から発生した熱(反応熱)は伝熱部を介して燻煙剤に伝えられる。この反応熱を利用して燻煙剤を加熱し、燻煙剤中の有機発泡剤が分解され、分解により発生する発泡ガスの作用により、微生物制御剤を短時間に対象空間内に噴出、拡散させる。これにより、微生物を制御できる。
燻蒸剤の使用量は、燻煙処理を行う空間の容積に応じて適宜設定すればよく、0.1〜2.4g/mが好ましく、0.4〜2.0g/mがより好ましい。
燻蒸剤を加熱する温度は、200〜500℃が好ましく、200〜300℃がより好ましい。
燻蒸剤を加熱する時間は、10〜1000秒が好ましく、30〜1000秒がより好ましい。
燻煙処理時間(燻煙開始後、対象空間の密閉を解除するまでの時間)は、特に限定されないが、30〜120分が好ましく、30〜90分がより好ましい。
<他の工程>
微生物制御方法では、水分調整工程前に、処理対象面を浴室用洗剤等の洗浄剤で洗浄することが好ましい(洗浄工程)。水分調整工程前に洗浄工程を行うことで、処理対象面の汚れが洗浄され、燻煙処理工程において微生物制御効果が高まりやすくなる。
<作用効果>
以上説明した本発明の微生物制御方法においては、燻煙剤を用いた燻煙処理の前に、処理対象面の水分量を上述した範囲内に調整しておくので、燻煙剤の使用量及び燻煙時間を改善できる。具体的には、燻煙剤の使用量が少量でも、あるいは燻煙時間が短時間でも充分な微生物制御効果が得られる。
対象空間としては、浴室、居室、押入れ、トイレ、車庫、物置などが挙げられる。これらの中でも浴室が特に好適である。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
「使用原料」
有機発泡剤として、以下に示す化合物を用いた。
・A−1:アゾジカルボンアミド(永和化成工業株式会社製、商品名「ビニホールAC#3−K7」)。
微生物制御剤として、以下に示す化合物を用いた。
・B−1:銀担持ゼオライト系無機抗菌剤(株式会社シナネンゼオミック製、商品名「ゼオミックAJ10N」、銀含量2.5質量%、平均粒子径約2.5μm)。
・B−2:3―メチル4−イソプロピルフェノール(大阪化成株式会社製)。
界面活性剤として、以下に示す化合物を用いた。
・C−1:オキプロピレンとオキシエチレンの共重合型非イオン界面活性剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「PluronicRPE1740」)。
任意成分として、以下に示す化合物を用いた。
・ZnO:酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、日本薬局方 酸化亜鉛、平均粒子径0.6μm、真比重5.6g/cm(20℃))。
・HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズ60SH−50」)。
・香料:特開2013−249262号公報の表1に記載の香料組成物。
発熱剤として、以下に示す化合物を用いた。
・CaO:酸化カルシウム(吉澤石灰工業株式会社製、商品名「CAg」、ロータリーキルン炉焼成品(葛生産)、嵩比重0.80g/cm(20℃))。
「例1〜23」
<燻煙剤の製造>
例1〜20は実施例、例21、22は比較例、例23は参考例である。
室温(20℃)条件下において、表1〜3に示す組成に従い、各成分をニーダー株式会社モリヤマ製、製品名「S5−2G型」)で攪拌混合した後、組成全量を100質量部として10質量部の水を加えて混合し、混合物を得た。得られた混合物を直径2mmの開孔を有するダイスの前押し出し造粒機(株式会社不二パウダル製、製品名「EXK−1」)を用い造粒し、造粒物を得た。得られた造粒物をフラッシュミル(株式会社不二パウダル製、製品名「FL300」)により長さ2〜5mmに切断し、70℃に設定した乾燥機(アルプ株式会社製、製品名「RT−120HL」)により2時間乾燥させ、顆粒状の燻煙剤を得た。
なお、任意成分の組成(燻煙剤100質量%中の含有量)は、以下の通りである。
・ZnO:1質量%
・HPMC:4質量%
・香料:0.2質量%
・水:0.3質量%
(任意成分の合計量:5.5質量%)
<燻煙装置の作製>
ライオン株式会社製の商品名「ルックおふろの防カビくん煙剤」に使用されているブリキ缶(底面に不織布を用い、略円筒状の本体からなる燻煙剤容器)に、発熱剤として酸化カルシウム37gを充填し加熱部とした。表1〜3に示す使用量の燻煙剤を燻煙剤容器に充填し、燻煙装置を作製した。
得られた燻煙装置を用いて、微生物制御効果を評価した。結果を表1〜3に示す。
<微生物制御効果の評価>
(供試用プラスチック板の作製)
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の斜面培地にて、25℃、10日間培養したCladosporium cladosporioides HMC1064(浴室分離菌)を、滅菌した0.05%Tween80(関東化学株式会社製)水溶液に分散し、約10CFU/mLの胞子液を調製した。次いで、該胞子液をプラスチック板(FRP板、50mm×50mm)に0.4mL接種し、室温にて一晩乾燥固定し(薄膜状、板上の菌数は約10CFU)。
菌を乾燥固定させたプラスチック板について、菌を接種した面(処理対象面)の水分量が表1〜3に示す値となるように、以下に示すいずれかの方法により、水分量の調整を行った。
<<方法a>>
処理対象面に、1回の吐出量が0.2mLのトリガースプレーを用いて20℃の水を10×10cmの面積当たり、3プッシュ散布した後、温度20℃、相対湿度65%の環境下で所定の時間放置し、供試用プラスチック板を作製した。
<<方法b−1>>
乾いた浴室(処理対象面を手の平で触ったとき湿った感触が無い状態)の壁に、菌を乾燥固定させたプラスチック板を、処理対象面とは反対側の面と浴室の壁とが接するように取り付け、浴槽に40℃の湯を張った状態で30分間放置した。その後、浴室の扉を開けて、温度30℃、相対湿度80%の環境下で所定の時間換気し、供試用プラスチック板を作製した。
<<方法b−2>>
乾いた浴室(処理対象面を手の平で触ったとき湿った感触が無い状態)の床に、菌を乾燥固定させたプラスチック板を、処理対象面とは反対側の面と浴室の床とが接するように取り付け、浴槽に40℃の湯を張った状態で30分間放置した。その後、浴室の扉を開けて、温度30℃、相対湿度80%の環境下で所定の時間換気し、供試用プラスチック板を作製した。
<<方法c−1>>
乾いた浴室(処理対象面を手の平で触ったとき湿った感触が無い状態)の壁に、菌を乾燥固定させたプラスチック板を、処理対象面とは反対側の面と浴室の壁とが接するように取り付け、処理対象面に20℃の水をシャワーで1分、散水した。その後、浴室の扉を開けて、温度20℃、相対湿度65%の環境下で所定の時間換気し、供試用プラスチック板を作製した。
<<方法c−2>>
乾いた浴室(処理対象面を手の平で触ったとき湿った感触が無い状態)の床に、菌を乾燥固定させたプラスチック板を、処理対象面とは反対側の面と浴室の床とが接するように取り付け、処理対象面に20℃の水をシャワーで1分、散水した。その後、浴室の扉を開けて、温度20℃、相対湿度65%の環境下で所定の時間換気し、供試用プラスチック板を作製した。
<<方法d−1>>
緩く絞った濡れタオル(含水率225%)を用い、処理対象面を拭いた後、温度20℃、相対湿度65%の環境下で所定の時間放置し、供試用プラスチック板を作製した。
<<方法d−2>>
固く絞った濡れタオル(含水率150%)を用い、処理対象面を拭いた後、温度20℃、相対湿度65%の環境下で所定の時間放置し、供試用プラスチック板を作製した。
(除菌試験)
図1に示すように、1818タイプ(メーターモジュール用)の浴室とほぼ同体積の密閉可能な評価室100(床面から天井面までの高さ:約2m)の床中央部に、23mLの水を入れた給水用プラスチック容器(図示略)を設置した。
評価室100の床に、給水用プラスチック容器と隣接するように、上記の方法で作製した供試用プラスチック板1(菌を接種したプラスチック板の水分量を調整したもの)を、処理対象面を上側に向けて取り付けた。
上記の方法で作製した燻煙装置10を給水用プラスチック容器に入れて燻煙を開始し、評価室100を密閉し、燻煙処理を行った。
発煙が開始してから30分後に排気し、供試用プラスチック板1を回収した。
回収した供試用プラスチック板1にGPLP液体培地(日本製薬株式会社製)10mLを添加し、菌を洗い出して回収し、その液をポテトデキストロース寒天培地(関東化学株式会社製)に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後のコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を算出し、その値を「処理後の生菌数」とした。
燻煙処理しない供試用プラスチック板についても同様の方法で菌を回収し、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹接種して、25℃にて5日間培養した後のコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を算出し、その値を「処理前の生菌数」とし、下記式(II)より除菌率を求めた。
除菌率(%)=(処理前の生菌数−処理後の生菌数)/処理前の生菌数×100 ・・・(II)
下記評価基準に従い、微生物制御効果を評価した。
<<評価基準>>
A:除菌率が95%以上
B:除菌率が90%以上95%未満
C:除菌率が80%以上90%未満
D:除菌率が70%以上80%未満
E:除菌率が50%以上70%未満
F:除菌率が50未満
Figure 2021183570
Figure 2021183570
Figure 2021183570
表1〜3から明らかなように、例23では燻煙剤を5.0g使用したが、例1〜20では燻煙剤の使用量を1.5gまで減らしても、例24と同程度の微生物制御効果を発揮することができた。
一方、処理対象面の水分量を20.0mg/cm又は0mg/cmに調整した後に燻煙処理を行った例21、22は、微生物制御効果が不充分であった。
1 供試用プラスチック板
10 燻煙装置
100 評価室

Claims (3)

  1. 有機発泡剤及び微生物制御剤を含有する加熱型燻煙剤を用いる微生物制御方法であって、
    処理対象面の単位面積当たりの水分量を0.01〜10.0mg/cmとした後、前記加熱型燻煙剤を用いて燻煙処理する、微生物制御方法。
  2. 前記微生物制御剤が、銀を含有する化合物及び3−メチル−4−イソプロピルフェノールの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の微生物制御方法。
  3. 前記加熱型燻煙剤が界面活性剤をさらに含有する、請求項1又は2に記載の微生物制御方法。
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