JP2021183554A - 気泡含有グラウト、及び、気泡含有グラウトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような利点から、気泡含有グラウトは、道路盛土材としてだけでなく、例えば、橋の背面部の裏込め材、トンネル背面空洞部の充填材等としても用いられている。
ガラス粒を更に含有する。
前記気泡含有グラウトは、ガラス粒を含有する。
本実施形態に係る気泡含有グラウトは、セメント、水、ガラス粒、及び、気泡を含有する。
粒径が大きいガラス粒は気泡含有グラウト内で沈降しやすい一方で、粒径が小さいガラス粒は気泡含有グラウト内で分散された状態を維持しやすい。よって、本実施形態に係る気泡含有グラウトは、ガラス粒の最大粒径が2.0mm以下であることにより、ガラス粒が気泡含有グラウト中に分散しやすくなり、その結果、強度がより一層高いものとなる。
なお、「粗粒率」は、JIS A1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」に記載の方法で求める。すなわち、「粗粒率」は、JIS A1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」に記載の80mm、40mm、20mm、10mm、5mm、2.5mm、1.2mm、0.6mm、0.3mm、0.15mmの各ふるいにとどまるガラス粒の質量分率(%)の和を100で除した値である。
なお、粒径加積曲線の作成には、JIS A1204:2009「土の粒度試験方法」に記載の全てのふるい(目開き75μm、106μm、250μm、425μm、850μm、2mm、4.75mm、9.5mm、19mm、26.5mm、37.5mm、53mm、及び、75mmのふるい)を用いてガラス粒をふるい分けしたデータを用いる。
なお、「すりへり減量」は、JIS A1121:2007「ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法」に記載の方法で求める。
ガラス粒の円形度は、「Hausnerの表面指数」の逆数であり、下記式で求めることができる。
ガラス粒の円形度 = 4π×(ガラス粒の投影像の面積)/(ガラス粒の投影像における輪郭の長さ)2
なお、「ガラス粒の投影像の面積」、及び、「ガラス粒の投影像における輪郭の長さ」は、電子顕微鏡などを用いて求めることができる。
ガラス粒の投影像が円のとき、円形度が1となり、ガラス粒の投影像が円から離れた形になるほど1より小さい値となる。
ガラス粒の円形度の算術平均値は、任意の100粒分以上のガラス粒の円形度を求め、それらの値から求めることができる。
前記ガラス粒の円形度の算術平均値が0.75以上であることにより、ガラス粒におけるエッジが少なくなり、その結果、気泡含有グラウト中の気泡をガラス粒のエッジで壊してしまうのを抑制しやすくなる。
前記セメントとしては、例えば、普通、早強、超早強、白色、耐硫酸塩、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメントが挙げられる。また、前記セメントとしては、例えば、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメントなども挙げられる。
前記混和剤としては、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、流動化剤、増粘剤、保水材、分離低減剤、乾燥収縮低減剤、防凍剤などが挙げられる。
なお、空気量は、気泡含有グラウトの容積に対する空気の容積の比(%)を意味する。また、空気量は、NEXCO試験方法128に記載の方法によって求めることができる。
また、本実施形態に係る気泡含有グラウトの製造方法は、セメント、水、及び、ガラス粒を含有するグラウトと、起泡剤及び水を含有する気泡体とを混合することにより、前記気泡含有グラウトを作製する。
また、本実施形態に係る気泡含有グラウトの製造方法では、起泡剤及び水を混合することにより気泡体を得る。
そして、本実施形態に係る気泡含有グラウトの製造方法では、前記グラウト及び前記気泡体を混合して気泡含有グラウトを作製する。
前記界面活性剤としては、合成界面活性剤、樹脂石けん系界面活性剤、たんぱく質系界面活性剤などが挙げられる。
前記合成界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン界面活性剤としては、硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤などが挙げられる。
前記硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤としては、「スミシールドA(S−1)」(住友大阪セメント社製)などが挙げられる。
本実施形態に係る気泡含有グラウトは、ガラス粒を含有することにより、強度が高いものとなる。
自然砂を含有する気泡含有グラウトは、自然砂に含まれる水によって、自然砂の土粒子表面のグラウトが希釈され、その結果、該土粒子表面での水セメント比が大きくなる。これにより、該土粒子表面での強度が低くなり、その結果、自然砂を含有する気泡含有グラウト全体としても強度が低くなっていると考えられる。一方で、ガラス粒は、自然砂に比べて吸水率が低いので、本実施形態に係る気泡含有グラウトは、ガラス粒を含有することにより、強度が高いものとなっていると考えられる。
本実施形態に係る気泡含有グラウトは、上述した好ましい粒度分布のガラス粒を有することで、気泡含有グラウトからガラス粒が分離することが抑制され、混練状況が良好となり、すなわち、ガラス粒が気泡含有グラウト内で分散された状態を維持しやすくなる。その結果、本実施形態に係る気泡含有グラウトは、強度がより一層高いものとなる。
藤野興業株式会社から、ふるい分けされた下記(a)〜(g)のガラス粒を購入した。
(a)粒径が0.075〜4.75mmのガラス粒
(b)粒径が4.75mm以下のガラス粒
(c)粒径が0.075〜2.5mmのガラス粒
(d)粒径が0.85mm以下のガラス粒
(e)粒径が2.5mm以下のガラス粒
(f)粒径が0.075〜2.0mmのガラス粒
(g)粒径が2.0mm以下のガラス粒
そして、該粒径加積曲線をもとに、D20、D50、D90、均等係数、及び、曲率係数を求めた。
なお、均等係数、及び、曲率係数は下記式によって求めた。
均等係数 = D60/D10
曲率係数 = (D30)2/(D60×D10)
D10は、粒径加積曲線から求めた10%粒径である。
D30は、粒径加積曲線から求めた30%粒径である。
D60は、粒径加積曲線から求めた60%粒径である。
下記表1に、均等係数、曲率係数、D50、D90、粗粒率、円形度の算術平均値、及び、鋭利度を示す。
下記表2に示す砂を用意した。
なお、均等係数、曲率係数、D20、D50、D90、及び、粗粒率は、上述の方法で求めた。
その他の材料として、以下の材料を用意した。
セメント:高炉セメントB種
起泡剤:硫酸エステル塩系アニオン界面活性剤(スミシールドA(S−1)、住友大阪セメント社製)
水:水道水
起泡剤と水とを混合することにより気泡体(起泡剤:水=1:24(質量比))を得た。
また、混練容器に930gの水、819gのセメント、2457gのガラス粒をこの順に入れて、これらをハンドミキサーで2分間混練することによりグラウトを得た。なお、ガラス粒としては、(a)のガラス粒を用いた。
そして、前記混練容器内のグラウトに前記気泡体2L入れ、これらをハンドミキサーで30秒程度混練することにより気泡含有グラウトを得た。気泡含有グラウトの空気量が46.5%程度になるようにした。
下記表3に示すように、ガラス粒として、(b)〜(g)のガラス粒それぞれを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7の気泡含有グラウトを得た。
下記表3に示すように、ガラス粒の代わりに、奥瀞熊野砂、丹波山砂、丹波川砂それぞれを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3の気泡含有グラウトを得た。
結果を下記表3に示す。
「一軸圧縮強さ」は、JIS A1216:2009「土の一軸圧縮試験方法」に記載の方法で測定した。供試体としては、3本分測定した。下記表3では、算術平均値を示す。
そして、該粒径加積曲線をもとに、D20、D50、D90、均等係数、及び、曲率係数を求めた。
なお、均等係数、及び、曲率係数は下記式によって求めた。
均等係数 = D60/D10
曲率係数 = (D30)2/(D60×D10)
D10は、粒径加積曲線から求めた10%粒径である。
D30は、粒径加積曲線から求めた30%粒径である。
D60は、粒径加積曲線から求めた60%粒径である。
下記表1に、均等係数、曲率係数、D 20 、D 50 、D 90 、粗粒率、及び、すりへり減量を示す。
Claims (9)
- セメント、水、及び、気泡を含有する、気泡含有グラウトであって、
ガラス粒を更に含有する、気泡含有グラウト。 - 前記ガラス粒の最大粒径が2.5mm以下である、請求項1に記載の気泡含有グラウト。
- 前記ガラス粒の粗粒率が2.70以下である、請求項1又は2に記載の気泡含有グラウト。
- 前記ガラス粒は、粒径加積曲線から求めた90%粒径(D90)が1.4mm以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の気泡含有グラウト。
- 前記ガラス粒のすりへり減量が50%以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の気泡含有グラウト。
- 前記ガラス粒の円形度の算術平均値が0.75以上である、請求項1〜5の何れか1項に記載の気泡含有グラウト。
- 空気量が35〜70%である、請求項1〜6の何れか1項に記載の気泡含有グラウト。
- セメント、水、及び、気泡を含有する気泡含有グラウトを作製する、気泡含有グラウトの製造方法であって、
前記気泡含有グラウトは、ガラス粒を含有する、気泡含有グラウトの製造方法。 - セメント、水、及び、ガラス粒を含有するグラウトと、起泡剤及び水を含有する気泡体とを混合することにより、前記気泡含有グラウトを作製する、請求項8に記載の気泡含有グラウトの製造方法。
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"第7編 各種コンクリート構造物の施工", コンクリート便覧(第二版), vol. 第2版, JPN6021040239, 2008, pages 620, ISSN: 0004616417 * |
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