JP2005119932A - 低収縮コンクリートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【要 約】
【課 題】 薬品投入などの特別な操作を必要とせずに低収縮コンクリートを製造する。
【解決手段】 膨張性頁岩を焼成して発泡させ、篩分けして得られた人工軽量骨材を粒度5mm以下のものを300〜500 ℃に加熱し、収縮低減剤溶液内に投入して含浸させて得られた人工軽量骨材を細骨材の一部として使用する低収縮コンクリート。
【選択図】 図1
【課 題】 薬品投入などの特別な操作を必要とせずに低収縮コンクリートを製造する。
【解決手段】 膨張性頁岩を焼成して発泡させ、篩分けして得られた人工軽量骨材を粒度5mm以下のものを300〜500 ℃に加熱し、収縮低減剤溶液内に投入して含浸させて得られた人工軽量骨材を細骨材の一部として使用する低収縮コンクリート。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ひび割れの発生を抑止した低収縮コンクリートならびにその製造方法に関する。
コンクリートは土木、建築工事をはじめとして多くの分野において広く利用されているが、そもそもコンクリートの凝結、硬化はセメントと水との化学反応、すなわち水和反応に基づいており、セメント粒子を中心としてその周囲に水和物が成長し、これが絡み合って微細なゲルの骨格を構成している。セメントを完全に水和するのに必要な水量は計算上セメント重量のおよそ25%といわれ、水和物の周囲にはさらにゲル水として水が結合されるのでセメントに対して30〜40%の水が必要であり、これが一般に水セメント比と呼ばれる数字に相当する。
このことは、逆に言えば乾燥によって水分が失われるに従いコンクリートの表面に微細なひび割れが発生することを意味し、水和反応によっている以上必然的に有するコンクリートの弱点でもある。
そこでひび割れをできるだけ抑制する対策として、これまで、
a)水和反応の際の発熱を少なくするため、セメントとして、反応熱の大きい珪酸三カルシウムやアルミン酸三カルシウムを少なくし、珪酸二カルシウムを主体とした低熱ポルトランドセメントを使用する
b)混練時に収縮低減剤を添加する
c)同じく混練時に膨張剤を添加する
などのことが実施されている。
a)水和反応の際の発熱を少なくするため、セメントとして、反応熱の大きい珪酸三カルシウムやアルミン酸三カルシウムを少なくし、珪酸二カルシウムを主体とした低熱ポルトランドセメントを使用する
b)混練時に収縮低減剤を添加する
c)同じく混練時に膨張剤を添加する
などのことが実施されている。
低熱ポルトランドセメントを使用すると、乾燥収縮量は少なくなるが強度発現が遅くなるなどの施工上の問題点がある。
収縮低減剤はコンクリート中の液相部分の表面張力を緩和させることで乾燥に伴う収縮を低減させることを目的にし、一種の界面活性剤で、低級アルコール化合物、グリコールエーテル等がよく使用される。また膨張剤は JIS A 6202「コンクリート用膨張剤」で規定され、石灰系やアルミニウム系のものがあるが、必要量以上に添加すると膨張によってコンクリートの強度が低下するおそれがあり、また塩化物イオンなどの有害物について含有量が規制されている。
収縮低減剤や膨張剤を使用する場合は、混練時にセメント、水、骨材などの量を測った上でこれらに見合う量を計算して別個に投入する必要があり、また次のロットの混練に切り換える際にはミキサの内部を洗浄しなければならないなど、コンクリートプラントにおいて操業上の煩わしさがある。
一方、例えば特許文献1などに、膨張性頁岩および土木汚泥を含有する原料を造粒し焼成して得られた人工軽量骨材、あるいは膨張性頁岩を粉砕、篩分けして得られた所定粒径の頁岩と土木汚泥を含有する原料を造粒し、焼成した後、篩わけを行う人工軽量骨材の製造方法が記載されている。このような人工軽量骨材は、JIS A 5002 に規定される構造用軽量コンクリート骨材として、例えば高層ビルの躯体コンクリート部分に使用してビルの重量を軽減することができる。
特許文献1に記載の人工軽量骨材の製造工程の一例を図2に示す。
特開2000-53454号公報(第1−4頁、図1、2)
本発明は、コンクリートプラントにおいて特別な操作を必要とせず、従来通りの手順で原料を混合するのみで製造することができるひび割れを起こさない低収縮コンクリート、ならびにその製造方法を実現することを目的とする。
本発明の低収縮コンクリートは、膨張性頁岩を焼成して発泡させ、篩分けして得られた粒径5mm以下のものを300〜500 ℃に加熱し、収縮低減剤溶液内に投入し含浸させて得られた人工軽量骨材を細骨材の一部として使用することを特徴とし、望ましくは前記の人工軽量骨材が容積で細骨材全体の15〜50%である前記の低収縮コンクリートである。
また、本発明の低収縮コンクリートの製造方法は、低熱ポルトランドセメントと粗骨材および細骨材に水を加えて混錬する低収縮コンクリートの製造方法において、膨張性頁岩を焼成して発泡させ、篩分けして得られた粒径5mm以下のものを300〜500 ℃に加熱し、収縮低減剤溶液内に投入し含浸させて得られた人工軽量骨材を前記の細骨材の一部として使用することを特徴とし、望ましくは前記の人工軽量骨材が容積で細骨材全体の15〜50%である前記の低収縮コンクリートの製造方法である。
本発明によれば、低収縮コンクリートを製造するのに細骨材の一部に本発明の人工軽量骨材を使用するだけで、収縮低減剤を別途添加するなどの特別の操作を必要とせず、コンクリートプラントにおける作業性を阻害することなくコンクリートのひび割れ防止が推進されるという、すぐれた効果を奏する。
前記の人工軽量骨材は、焼成による発泡によって多孔質となっており、しかも各空隙は互いに連通している。このため、この人工軽量骨材を 300〜500 ℃に加熱し、薬液内に投入すると、空隙内の空気が急冷されて空隙内が負圧となり、周囲から薬液が侵入して含浸状態となる。本発明では、このことを収縮低減剤において利用し、収縮低減剤を含浸させた人工軽量骨材を細骨材である粗砂および細砂の一部と置き換えることにより、収縮低減剤を薬剤として別個に投入することなく、細骨材の一部として配合できるようにした。したがって収縮低減剤を含浸させた人工軽量骨材を他の粗骨材やセメントと同様に計量ホッパから装入することにより、通常の操作のままで低収縮コンクリートを製造することができ、ロットの切換の際にも特に内部の洗浄などを必要としない。
使用する人工軽量骨材は、膨張性頁岩を粉砕し、造粒焼成して得られた細骨材に相当する粒径5mm以下のもので、薬液内に投入して内部に含浸させる「熱間吸水法」によって多孔質の人工軽量骨材内部に収縮低減剤を含浸させている。含浸後の人工軽量骨材の絶乾密度は1.70、使用時の密度は1.87である。
本発明の実施例、ならびにこれらとの比較例として試験体を4体ならびに1体製作した。その配合は、水セメント比30、細骨材率44で、コンクリート1m3 当りの単位量が水165kg、低熱ポルトランドセメント550kg、粗骨剤(粒径 5〜15mm)としての砕石937kgの他、細骨材(粒径 5mm以下)として実施例では陸砂360kgおよび収縮低減剤を含浸させた人工軽量骨材231kg、比較例では陸砂のみ720kg、さらにすべての試験体に混和剤としてAE(空気連行型)減水剤2種を微量添加している。
これらの試験体のフレッシュコンクリート段階での性状は表1に示すとおりで、比較例である普通コンクリートに対して本発明品では重量(表1における「単位容積質量」)が若干軽くなっているほか、スランプ試験値、フロー時間等の示す流動性(ワーカビリティ)や変形難易度(コンシステンシー)には有意差がないことがわかる。
空気量は小さくなっているが、これは収縮低減剤を用いた場合に一般的に見られる現象である。
つぎにこれらのフレッシュコンクリートから、JIS A 1132(コンクリート強度試験用供試体の作り方)に従って1辺10cm、標点距離40cmの試験体を製作し、JIS A 1151(拘束されたコンクリートの乾燥収縮ひび割れ試験方法)に従って鋼枠に拘束し、乾燥収縮ひび割れ試験を行った。その結果を図1に示す。縦軸は長さ変化率、横軸は経過日数である。
ひび割れは長さ変化率の所定値、および時間変化による勾配のいずれかによって発生するものと思われる。図1に示される比較例の普通コンクリートでは長さ変化率が0.03%を超えたあたりでひび割れが発生したのに対して、実施例のものはいずれも最終長さ変化率が0.03%に到達せず、ひび割れも発生しなかった。
細骨材における人工軽量骨材の混合割合については、従来の収縮低減剤を別途添加する場合の添加量から換算して、上限はおよそ50%である。それ以上添加しても効果はほとんど変わらず、コスト的に考えて無駄である。また15%以下では収縮低減には多少の効果が認められるものの、ひび割れを防止するには不十分と認められた。
Claims (4)
- 膨張性頁岩を焼成して発泡させ、篩分けして得られた粒径5mm以下のものを300〜500 ℃に加熱し、収縮低減剤溶液内に投入し含浸させて得られた人工軽量骨材を細骨材の一部として使用することを特徴とする低収縮コンクリート。
- 前記の人工軽量骨材が容積で細骨材全体の15〜50%である請求項1に記載の低収縮コンクリート。
- セメントと粗骨材および細骨材に水を加えて混錬する低収縮コンクリートの製造方法において、膨張性頁岩を焼成して発泡させ、篩分けして得られた粒径5mm以下のものを300〜500 ℃に加熱し、収縮低減剤溶液内に投入し含浸させて得られた人工軽量骨材を前記の細骨材の一部として使用することを特徴とする低収縮コンクリートの製造方法。
- 前記の人工軽量骨材が容積で細骨材全体の15〜50%である請求項3に記載の低収縮コンクリートの製造方法。
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JP2003359690A JP2005119932A (ja) | 2003-10-20 | 2003-10-20 | 低収縮コンクリートおよびその製造方法 |
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JP2003359690A Pending JP2005119932A (ja) | 2003-10-20 | 2003-10-20 | 低収縮コンクリートおよびその製造方法 |
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JP2009057219A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 石灰石骨材およびその製造方法 |
JP2009057220A (ja) * | 2007-08-30 | 2009-03-19 | Denki Kagaku Kogyo Kk | プレミックスモルタルおよびその製造方法 |
JP2015074945A (ja) * | 2013-10-10 | 2015-04-20 | 中日本高速道路株式会社 | 舗装用補修材、及びそれを用いた舗装体の補修方法 |
WO2022014108A1 (ja) * | 2020-07-17 | 2022-01-20 | 三井住友建設株式会社 | 骨材と結合材と水を含む組成物 |
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2003
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