JP2002029794A - 廃棄ガラスを用いた微細骨材等の製造方法および焼結体 - Google Patents

廃棄ガラスを用いた微細骨材等の製造方法および焼結体

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JP2002029794A
JP2002029794A JP2000215225A JP2000215225A JP2002029794A JP 2002029794 A JP2002029794 A JP 2002029794A JP 2000215225 A JP2000215225 A JP 2000215225A JP 2000215225 A JP2000215225 A JP 2000215225A JP 2002029794 A JP2002029794 A JP 2002029794A
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glass
powder
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Akihiro Akahori
昭洋 赤堀
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Seishin Kogyo KK
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B18/00Use of agglomerated or waste materials or refuse as fillers for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of agglomerated or waste materials or refuse, specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
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    • C04B18/027Lightweight materials

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄ガラスから形成した微粉末に水和性や吸
着性等を付与してセメントに混練可能な微細骨材を生成
すると共に、該微細骨材を用いて成形した各種のガスや
水溶性の燐や重金属等を吸着可能な吸着材等を提供す
る。 【解決手段】 廃棄ガラスを粉砕して得た粒径が2mm以
下のガラス微粉末50〜20%に対して、アルミニウム
化合物の乾燥した微粉末50〜80%を混合、攪拌して
均一な混合粉末に調整して、該混合粉末を焼成炉内に供
給してガラスの溶融温度以下の800〜1250℃でガ
ラス粒子が発泡するように焼成して、ガラス粉末と酸化
アルミニウムとが一体に融着してなる焼結体に形成した
後、該焼結体を粒径が数μ〜数百μとなるように微粉砕
することを特徴とする廃棄ガラスを用いた微細骨材を生
成して、該微細骨材に粘結剤として15〜16%の水分
を加えて混練して加圧成形体となして乾燥した後、該成
形体を焼成炉内に於いてガラスの溶融温度以下の800
〜1250℃で焼成してガラス粒子を発泡せしめて多孔
性焼結体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、廃棄ガラスを用
いた発泡粉体とアルミナからなる微細骨材あるいはマイ
クロサンドに係わるもので、更に詳細には、廃棄ガラス
を粉砕した微粉体に水和性や吸着性を付与する改質剤と
して水酸化アルミニウム等の微粉体を混合して焼結した
焼成物を粉砕して生成した細骨材あるいはマイクロサン
ド、更には、該細骨材を成形してから焼成したタイルや
ブロック、その他の成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている種々のガラス壜
の中でビール壜と一升壜に関しては、使用済みとなった
空き壜は回収して再利用されているが、近年、生活様式
や家族構成の変化および物流面や販売形態の変化に伴っ
て、様々な形や色をした壜が多用されるようになった
が、そのほとんどが再利用されることなく生活一般のゴ
ミと一緒に廃棄されていて、これらのゴミはその処理方
法や環境の面から社会的に問題にされるようになってき
ている。また、これらのガラス壜類の廃棄物以外にも、
建設現場から排出される大量の窓ガラス等が産業廃棄物
として排出されるが、これらの廃棄ガラスを処分するに
は大半が埋め立て処分がされてきたが、最近になって処
分地に於ける大きな社会問題となっている。
【0003】そこで、これらの廃棄ガラスを再び何らか
の方法で再利用することが考えられるが、従来から行わ
れている再利用の一つとして、土木や建築等に用いるコ
ンクリート材の骨材として使用することが考えられてき
た。例えば、実開昭59−24823号公報その他に見
るように、廃棄ガラスをクラッシャ等により破砕したも
のをボールミルによりガラス片の角を丸くして、分級し
たガラス砂をコンクリートブロック等の骨材として用い
たものが提案されているが、このようなガラス砂は、表
面が滑らかで湿潤性に欠けていて、セメントとの粘結力
がないので、コンクリート材として使用するのにはあま
り適していない。
【0004】そして、上記のようなガラス砂の表面を粗
面化してセメントとの粘結力を高めるのに、特開昭2−
116651号公報に見るように、粉砕したガラス粉粒
体を、回転ドラム内で石英砂と水を加えて磨砕するか、
あるいは、弗酸により化学的にエッチング処理して粗面
化して細骨材としたものが提案されている。しかし、こ
のようにしてガラス粉粒の表面を粗面化したものも、セ
メントに混入した際の水和反応性がなくて、また、粗面
化するのには長い時間を要することから充分に満足でき
るようなものではないことから、ガラス廃棄物全体の中
に占める再利用の割合は未だ充分とはいえないものであ
る。
【0005】このようなことから、不要物となって廃棄
される各種ガラスの中で、カレットに粉砕してから再び
溶融して再生できるガラス以外は、その大半が埋め立て
により廃棄処分されているのが実状である。そこで、こ
のような廃棄状況を打開すべく、ガラス粉粒の表面にア
ルミナ等のセラミックスや珪砂等の粉体を溶着させて、
セメントとの水和性や粘結性を高めたガラス骨材を開発
して、出願人は先に特開昭10−53443号公報に於
いて提案している。
【0006】そして、本願の発明は、上記の発明を更に
改良して、廃棄ガラスを単に従来の天然砂に代わる人工
骨材として使用することに止まらずに、もっと広範囲の
用途にも使用することができるようにするために、上記
発明について一層研究開発を押し進めた結果、廃棄ガラ
スの粉体とアルミニウム化合物粉体との混合比率や焼成
温度等の条件を設定して焼成することにより、焼成され
た焼結体を粒子の径がミクロン単位になるまで小さく粉
砕することにより、従来から使用されているミクロサン
ドD(商標名)よりも優れた諸性質を有する微細な骨材
(マイクロサンド)を得ることができた。
【0007】例えば、特公昭59−48259号公報に
記載されているように、軟弱地盤を補強するのに用いら
れている充填モルタル材の骨材、あるいは、シールド工
法に於ける裏込め用コンクリート材(グラウト)の骨材
として、従来から使用されているミクロサンドDは、天
然の鉱物を粉砕して生成されたものである。これに対し
て、本願発明に於いて生成される細骨材は、廃棄された
ガラスを再生利用して生成したものであり、本願発明の
微細骨材は、上記した従来の発明のようにモルタル材や
グラウト材の骨材として用いる以外に、所定の形状に成
形したものを焼結することにより、透水性や吸水性を有
するタイルやブロック等を形成することができて、更に
は、各種の充填塔や吸収装置に充填可能な形状に成形し
て、それを吸着材として使用することにより、各種のガ
スを吸着、除去することができて、また、水溶性の燐や
重金属をも吸着させることも可能であることを知り得
た。
【0008】また、近年、河川や湖沼の汚染が社会的に
大きな問題となっているが、これらの汚染原因は、生活
排水や工業排水等に含まれる水溶性の燐化合物や重金属
等によるものであることが知られている。しかし、この
ような水に溶けた燐化合物や重金属を効率良く除去する
ことは、現在のところ非常に困難なことであるが、本願
の発明により生成された微細骨材を用いて成形した吸着
材を使用すれば、簡単に効率良く除去することが可能で
あることもわかった。
【0009】従来から行われてきた水溶性の燐化合物や
重金属等の除去方法には、特開平9−174091号や
特開平10−309584号公報等に記載されているよ
うに、塩化第2鉄等からなる凝集剤を添加、攪拌して不
溶性の燐酸鉄として沈澱せしめて回収したり、ゼオライ
ト微粉末にアルカリ土類金属の化合物塩を配合した処理
剤を添加して、凝集分離回収したり、特開平11−77
078号公報に記載するように、石灰質原料と珪酸質原
料に骨材を混合して、水を加えて混練したものを型枠に
流し込んで硬化せしめて、型枠から出した硬化体をオー
トクレーブ養生したものを、河川等に沈設して吸着除去
するものが知られている。しかし、これらの方法は、い
ずれも水素イオン濃度の調整その他の面倒な工程と高価
な凝集剤、また、特別な装置とを必要とするので、実際
に使用するには経済性や操作性の面でまだ解決すべき色
々な問題が残されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本願の発明は、上記し
たような従来技術の種々の問題点を解決すると共に、社
会問題となっている大量に排出されるガラス廃棄物を有
効に利用するために、廃棄ガラスから形成した粉体を水
和性や吸着性等を有する微細骨材に生成することによ
り、従来から使用されてきたミクロサンドDと同じよう
にセメントに混練可能な微細骨材を生成して、更に、廃
棄ガラス粉体に水和性や吸着性を付与した粉体骨材を用
いて透水性や吸水性等を有するタイルやブロック等を成
形したり、あるいは、該粉体骨材を用いて成形した各種
のガスを吸収可能な吸収材や水溶性の燐や重金属等を吸
着可能な吸着材等を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】廃棄されたガラス片を粉
砕して微細な粉末に成形して、該ガラス微粉末に水和性
や吸着性等を付与するために改質剤として水酸化アルミ
ニウムや酸化アルミニウム、その他のアルミニウム化合
物からなる微細粉体を添加して、均一になるように攪
拌、混合せしめた後、該混合粉体をガラスが発泡する温
度で焼結してガラス粉粒と水酸化アルミニウムを融着一
体化せしめると共に、該焼結体をμ単位の微細粒子に粉
砕して微細骨材を生成する。
【0012】
【発明の実施の形態】再利用されなくなったガラス廃棄
物を、各種クラッシャーにより細かい粒子に破砕してか
ら、該粒子をボールミル等の粉砕装置によりにより粒径
が2mm以下の微細な粉末に粉砕する。その一方で、アル
ミニウムの精錬工程やアルミニウム製品の加工工程で排
出される水酸化アルミニウムや酸化アルミニウム、その
他のアルミニウム化合物を乾燥、粉砕して、水和性や吸
収性を付与するための微細な粉末状をした改質剤を準備
する。続いて、上記したガラス粉末と水酸化アルミニウ
ム等の改質剤粉末とを、タンブラー等の混合装置に投入
してから、攪拌、混合を行って均質な状態の混合粉末に
形成する。この際のガラス粉末と水酸化アルミニウム粉
末との混合比率は、ガラス粉末:20〜60%、に対し
て、水酸化アルミニウム粉末:80〜40%、が適正な
割合である。
【0013】次に、前記混合粉末を混合装置から取り出
してからロータリーキルン等の加熱炉に供給して、ガラ
スの溶融点温度以下である800〜125℃程度の温度
で、1〜2時間焼結すると、ガラス粉末が発泡すると共
に該ガラス粉粒と酸化アルミニウム等が一体に融着した
水和性や吸着性を有する焼結体が得られる。このように
して得られた焼結体を、ボールミル等の粉砕機に投入し
て粒子の平均直径が数百μから数μの程度の大きさにな
るまで粉砕せしめることにより、粉末状をした微細骨材
(マイクロサンド)に生成する。
【0014】
【実施例】実施例1.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子径
が1mmとなったガラス微粉末:60重量部に対して、乾
燥、粉砕した水酸化アルミニウム微粉末:40重量部を
混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌して、
均一な混合粉末に調整した。前記のように調整した混合
粉末をロータリーキルンに供給して、約1000℃の温
度で1時間焼成して焼結した後、該焼結体を破砕してか
らボールミルにより粒径が100μ以下になるまで粉砕
して微細骨材を生成した。
【0015】そして、上記のようにして生成した本願発
明の微細骨材が、現在、FWL配合材として広く一般に
使用されているミクロサンドDに代えてエアモルタルに
使用することが可能であるか、ミクロサンドDと本願発
明の微細骨材(マイクロサンドX)との比較試験を、以
下に示すようにして行った。ミクロサンドDとマイクロ
サンドXとについて、それぞれフロー値が200mmと2
30mmとの2種類のモルタルを得るように調整して、そ
の時の水とセメントとの比(W/C)を求め、また、フ
ロー値が230mmのエアモルタルについては、ブリージ
ング袋に採取してから24時間後にブリージング率の確
認を行ない、更に、圧縮強度試験を法令で決められた通
り、材令7日と28日に行った。
【0016】ミクロサンドDを用いたモルタルフロー
値:200mm、230mmの配合割合 表1に示す通りである。 マイクロサンドXを用いたモルタルフロー値:200mm、2
30mmの配合割合 表2に示す通りである。
【0017】ミクロサンドD及びマイクロサンドXのエ
アモルタルについての測定結果 表3に示す通りである。
【0018】以上の実験結果から、ミクロサンドDより
マイクロサンドXの方が、水セメント比が多くすること
ができ、また、ブリージング率の試験結果は、いずれの
ものも同じ結果であることがわかり、フロー値が230mm
でもモルタルの品質については問題がないことがわかっ
た。圧縮強度については、ミクロサンドDよりマイクロ
サンドXの方が、やや低く出たが、FWL配合での材令
28日の強度は、1.0 (N/mm2 )以上であるからマイ
クロサンドXについても問題がないといえる。
【0019】実施例2.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子
径が1mmとなったガラス微粉末:60重量部に対して、
乾燥、粉砕した水酸化アルミニウム粉末:40重量部を
混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌して、
均一な混合粉末に調整する。前記混合粉末に結合剤とし
て15%の水分を加えて塊状に成形して乾燥させた後、
該成形塊をロータリーキルンに供給して約1200℃の
焼成温度で2時間かけて焼成した焼結体を、冷却してか
ら破砕機により粒径が2mm以下になるまで粉砕して骨材
を生成する。
【0020】上記のようにして生成した骨材を用いて、
水溶性燐酸の吸着試験を行った。内径30mm、570mm
のガラスカラム内に上記骨材を100グラムを充填し
て、1%の燐酸溶液を240ミリリットル/時間の流速
で上部から通液して、下部出口でメスシリンダーに溶液
を受けて、30分ごとに流出液50ミリリットルを1mo
l NaOH液を用いて滴定した結果、表4に示す通りで
ある。その結果から、本願発明により生成した骨材は、
高い燐酸の吸着率を有していると同時に、長時間にわた
って燐酸を吸着可能であることがわかる。
【0021】実施例3.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子
径が1mmとなったガラス微粉末:50重量部に対して、
乾燥、粉砕した水酸化アルミニウム粉末:50重量部を
混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌して、
均一な混合粉末に調整する。前記混合粉末に結合剤とし
て16%の水分と0.1%の減水剤を加えて混練したも
のを350kg/cm2で加圧成形してタイル状に成形した
後、該成形体を110℃で24時間かけて乾燥させたか
ら電気炉に供給して、約1200℃の焼成温度で3時間
かけて焼成して、多孔性構造をしたタイル材に形成し
た。
【0022】同様にして、 ガラス微粉末:30重量部、水酸化アルミニウム粉末:
70重量部 ガラス微粉末:20重量部、水酸化アルミニウム粉末:
80重量部 を混合したものについてもタイル状に成形して、上記例
と同じようにして多孔性のタイルに焼結した。これらの
タイルについて物性を調べた結果、表5に示す通りであ
った。そして、上記のタイルに対してシャワーによる散
水試験を行ったところ、良好な透水性や吸水性、湿潤性
等を有していることを確認することができた。
【0023】実施例4.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子
径が1mmとなったガラス微粉末:40重量部に対して、
乾燥、粉砕した水酸化アルミニウム粉末:60重量部を
混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌して、
均一な混合粉末に調整する。前記混合粉末に結合剤とし
て16%の水分と0.1%の減水剤を加えて混練したも
のを円板状に成形して24時間乾燥させた後、該成形体
を電気炉に供給して約1100℃の焼成温度で3時間か
けて焼成して、ガラス粒を発泡せしめた多孔性の円板を
形成する。
【0024】そして、上記の多孔性円板を濾過材として
用いて、前記実施例2と同様な水溶性の燐化合物や重金
属の吸着試験を行ったところ、良好な吸着性を有してい
ることが認められたので、水溶性の燐や重金属の吸着材
として利用可能であることがわかり、また、水溶液に変
えて各種のガスを透過させたところ、ガスの吸着材とし
ても有効であることがわかり、中でも、ダイオキシンそ
の他の有害なガスを吸着することもわかった。
【0025】以上、述べたように、本願発明は、廃棄ガ
ラスの微粉末に対して適量の乾燥した水酸化アルミニウ
ム粉末を均一になるように混合したもを、ガラス粒が発
泡するのに最適な温度で焼成することにより、エアモル
タルを生成するためのセメントの混和材に適した微細骨
材を得ることができて、また、透水性や吸水性を有した
タイル等の焼結体、更には、水溶性の燐や重金属の吸着
材として使用可能な各種の充填材や濾過材を成形するこ
とができる。
【0026】また、本願発明は、混合して使用する廃棄
ガラスの微粉末の粒径により焼結体内部の気孔の大きさ
を調整することができるので、使用する目的に合わせた
板状や円板状、ベルやサドル状、ラシヒリング状等の色
々な形状をしたフィルターや吸着体、充填材等として最
適な焼結体を生成することができる。ガラスの微粉末は
粒径が細かければ細かい方が焼結した際の吸着性や吸湿
性、気孔率等が良くて、気孔率が50〜60%で透水性
や吸水性に優れた効果を発揮することがわかった。
【0027】焼結体の製造には、所定の粒径に微粉砕し
たガラスとアルミナを混合、調整したものを成形して、
そのまま焼成して製品とすることも可能であり、また、
一度混合、調整して焼結したものを、再度粉砕してから
調整して成形した後で焼成しても良い。製品的には、後
者の焼成品の方が優れてはいるが、経済的にはコストが
掛かることから、前者の焼成品でも充分な効果を有する
製品が得られることがわかっている。
【0028】尚、上記実施例に於いては、廃棄ガラスの
微粉末に対して混合する改質材として水酸化アルミニウ
ム粉末を用いたが、本願発明はこのように限定されるも
のではなくて、水酸化アルミニウムの代わりに、酸化ア
ルミニウムやアルミニウム化合物を用いて生成すること
も可能である。更には、火力発電所から排出されるフラ
イアッシュや製紙工場から排出される製紙スラッジ、土
木工事に於けるシールド残土等のアルミニウム化合物を
含有する廃棄物を使用することも可能である。
【0029】
【発明の効果】上記したように、本願発明による微細骨
材や各種焼結体は、廃棄ガラスを利用した天然物に代わ
るものであるから、安価に製造することができて、廃棄
物を安全に処理すると同時に資源化することにより、社
会環境の保全と地球上の資源の有効利用に寄与するもの
であり、また、焼結体自体が水に溶けた燐や重金属を効
率良く吸着するものであるから、汚染した水質の改善等
の環境整備にも役立つ、極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミクロサンドDを用いたフロー値の配合割合を
示す表である。
【図2】マイクロサンドXを用いたフロー値の配合割合
を示す表である。
【図3】ミクロサンドDとマイクロサンドXとの比較の
結果を示す表である。
【図4】マイクロサンドXによる燐酸の吸着率を示す表
である。
【図5】本願発明により成形した焼成品の性状を示す表
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月1日(2000.12.
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 廃棄ガラスを用いた微細骨材等の製造
方法および焼結体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、廃棄ガラスを用
いた発泡粉体とアルミナからなる微細骨材あるいはマイ
クロサンドに係わるもので、更に詳細には、廃棄ガラス
を粉砕した微粉体に水和性や吸着性を付与する改質剤と
して水酸化アルミニウム等の微粉体を混合して焼結した
焼成物を粉砕して生成した細骨材あるいはマイクロサン
ド、更には、該細骨材を混練、成形してから焼成したタ
イルやブロック、濾過材、吸着材、耐火材、その他の焼
結成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている種々のガラス壜
の中でビール壜と一升壜に関しては、使用済みとなった
空き壜は回収して再利用されているが、近年、生活様式
や家族構成の変化および物流面や販売形態の変化に伴っ
て、様々な形や色をした壜が多用されるようになった
が、そのほとんどが再利用されることなく生活一般のゴ
ミと一緒に廃棄されていて、これらのゴミはその処理方
法や環境の面から社会的に問題にされるようになってき
ている。また、これらのガラス壜類の廃棄物以外にも、
建設現場から排出される大量の窓ガラス等が産業廃棄物
として排出されるが、これらの不燃性で非腐食性の廃棄
ガラスを処分するには大半が埋め立て処分がされてきた
が、最近になって各地で処分地に於ける大きな社会問題
となっている。
【0003】そこで、これらの廃棄ガラスを再び何らか
の方法で再利用することが考えられるが、従来から行わ
れている再利用の一つとして、土木や建築等に用いるコ
ンクリート材の骨材として使用することが考えられてき
た。例えば、実開昭59−24823号公報その他に見
るように、廃棄ガラスをクラッシャ等により破砕したも
のをボールミルによりガラス片の角を丸くして、分級し
たガラス砂をコンクリートブロック等の骨材として用い
たものが提案されているが、このようなガラス砂は、表
面が滑らかで湿潤性と親水性に欠けていて、セメントと
の間の粘結力がないので、コンクリート材として使用す
るのにはあまり適していない。
【0004】そこで、上記のようなガラス砂の表面を粗
面化することによりセメントとの間の粘結力を高めるよ
うにするには、特開昭2−116651号公報に見るよ
うに、粉砕したガラス粉粒体を、回転ドラム内で石英砂
と水を加えて磨砕するか、あるいは、弗酸により化学的
にエッチング処理して粗面化して細骨材としたものが提
案されている。しかし、このようにしてガラス粉粒の表
面を粗面化するのに、各種の工程で長い時間を要する割
には、表面を粗面化したものもセメントに混入した際の
水和反応性に乏しいことから、このようなガラス粉粒は
充分に満足できるようなものとは言えないことから、ガ
ラス廃棄物全体の中に占める再利用の割合は未だ充分と
はいえないものである。
【0005】上記のような事情から、現在のところ不要
物となって廃棄される各種ガラスの中で、カレットに粉
砕してから再び溶融して再生できるガラス以外は、その
大半のものが埋め立てによる廃棄処分がなされているの
が実状である。そこで、このような廃棄処理の状況を打
開すべく、ガラス粉粒の表面にアルミナ等のセラミック
スや珪砂等の粉体を溶着させて、セメントとの水和性や
粘結性を高めたガラス骨材を開発して、出願人は先に特
開昭10−53443号公報に於いて提案している。
【0006】上記発明は、従来の天然砂に代わる人口骨
材として用いた場合にはそれなりの効果が認められる
が、しかし、廃棄ガラスを単に天然砂に代わる人工骨材
として使用することに止まらずに、もっと広範囲の用途
にも使用することができるようにすることがガラス廃棄
物の処理には不可欠である。従って、本願の発明は、上
記した発明を更に改良すべく一層の研究開発を押し進め
た結果、廃棄ガラスの粉体とアルミニウム化合物粉体と
の混合比率や焼成温度等の条件を設定して焼成すること
により、焼成された焼結体を粒子の径がミクロン単位に
なるまで小さく粉砕することにより、従来から使用され
ているミクロサンドD(商標名)よりも優れた諸性質を
有する微細な骨材(マイクロサンド)を得ることができ
た。
【0007】従来のミクロサンドDは、特公昭59−4
8259号公報に記載されているように、軟弱地盤を補
強するのに用いられている充填モルタル材の骨材、ある
いは、シールド工法に於ける裏込め用コンクリート材
(グラウト)の骨材として使用されているが、このよう
な従来のミクロサンドDは、天然の鉱物を粉砕して生成
されたものである。これに対して、本願発明に於いて生
成される細骨材は、廃棄されたガラスを再生利用して生
成したものであり、本願発明の微細骨材は、上記した従
来の発明のようにモルタル材やグラウト材の骨材として
用いる以外に、所定の形状に成形したものを焼結するこ
とにより、透水性や吸水性あるいは耐火性を有するタイ
ルやブロック等を形成することができて、更には、各種
の充填塔や吸収装置に充填可能な形状に成形して、それ
を吸着材として使用することにより、各種のガスを吸
着、除去することができて、また、水溶性の燐や重金属
をも吸着させることも可能であることを知り得た。
【0008】ところで、近年、河川や湖沼の汚染が社会
的に大きな問題となっているが、これらの汚染原因は、
生活排水や工業排水等に含まれる水溶性の燐化合物や重
金属等に起因したものであることが知られている。しか
し、このような水に溶けた燐化合物や重金属を、簡単な
方法で、効率良く除去することは、現在までのところ非
常に困難なことであったが、本願の発明により生成され
た微細骨材を用いて成形した吸着材を使用するこによ
り、簡単に効率良く除去することが可能となることがわ
かった。
【0009】例えば、従来から行われてきた水溶性の燐
化合物や重金属等の除去方法には、特開平9−1740
91号や特開平10−309584号公報等に記載され
ているように、塩化第2鉄等からなる凝集剤を添加、攪
拌して不溶性の燐酸鉄として沈澱せしめて回収したり、
ゼオライト微粉末にアルカリ土類金属の化合物塩を配合
した処理剤を添加して、凝集分離回収したり、特開平1
1−77078号公報に記載するように、石灰質原料と
珪酸質原料に骨材を混合して、水を加えて混練したもの
を型枠に流し込んで硬化せしめて、型枠から出した硬化
体をオートクレーブ養生したものを、河川等に沈設して
吸着除去するものが知られている。しかし、これらの方
法は、いずれも水素イオン濃度の調整その他の面倒な工
程と高価な凝集剤、また、特別な装置とを必要とするの
で、実際に使用するには経済性や操作性の面でまだ解決
すべき色々な問題が残されていて、もっと簡単に効率良
く、低コストで処理できる方法が待たれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本願の発明は、上記し
たような従来技術の種々の問題点を解決すると共に、社
会問題となっている大量に排出されるガラス廃棄物を有
効に利用するために、廃棄ガラスから形成した粉体を水
和性や吸着性等を有する微細骨材に生成することによ
り、従来から使用されてきたミクロサンドDと同じよう
にセメントに混練可能な微細骨材を生成して、更に、廃
棄ガラス粉体に水和性や吸着性を付与した粉体骨材を用
いて耐火性または透水性や吸水性を有するタイルやブロ
ック、その他の形状に成形したり、あるいは、該粉体骨
材を用いて成形した各種のガスを吸収可能な吸収材や水
溶性の燐や重金属等を吸着可能な吸着材、その他等を提
供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】廃棄されたガラス片を粉
砕して微細な粉末に成形して、該ガラス微粉末に水和性
や吸着性等を付与するために改質剤として水酸化アルミ
ニウムや酸化アルミニウム、その他のアルミニウム化合
物からなる微細粉体を添加して、均一になるように攪
拌、混合せしめた後、該混合粉体をガラスが発泡する温
度で焼結してガラス粉粒と水酸化アルミニウムを融着一
体化せしめて、該焼結されたガラス焼結体をμ単位の微
細粒子に粉砕して微細骨材に生成する。
【0012】
【発明の実施の形態】再利用されずに廃棄されたガラス
廃棄物を、各種クラッシャー等により細かい粒子となる
ように破砕してから、該粒子をボールミル等の粉砕装置
によりにより粒径が2mm以下の微細な粉末に粉砕する。
その一方で、アルミニウムの精錬工程やアルミニウム製
品の加工工程で排出される水酸化アルミニウムや酸化ア
ルミニウム、その他のアルミニウム化合物を乾燥、粉砕
して、水和性や吸収性を付与するための微細な粉末状を
した改質剤を準備する。続いて、上記したガラス粉末と
水酸化アルミニウム等の改質剤粉末とを、タンブラー等
の混合装置に投入してから、攪拌、混合を行って均質な
状態の混合粉末に形成する。この際のガラス粉末と水酸
化アルミニウム粉末との混合比率は、ガラス粉末:20
〜60%、に対して、水酸化アルミニウム粉末:80〜
40%、が適正な割合である。
【0013】次に、前記混合粉末を混合装置から取り出
してからロータリーキルン等の加熱炉に供給して、ガラ
スの溶融点温度以下である800〜1250℃程度の温
度で、1〜2時間焼結すると、ガラス粉末が発泡すると
共に該ガラス粉粒と酸化アルミニウム等が一体に融着し
た水和性や吸着性を有する焼結体が得られる。このよう
にして得られた焼結体を、ボールミル等の粉砕機に投入
して粒子の平均直径が数百μから数μの程度の大きさに
なるまで粉砕せしめることにより、粉末状をした微細骨
材(マイクロサンド)が生成される。このようにして生
成された微細骨材を用いて混練してから、板状やタイル
状、その他の所定形状に成形して焼結したものは、透水
性や吸着性、耐火性等の性質を有していて、吸着材、濾
過材、充填材、耐火材等に使用することができる。
【0014】
【実施例】実施例1.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子径
が1mmとなったガラス微粉末:60重量部に対して、乾
燥せしめて粉砕した水酸化アルミニウム微粉末:40重
量部を混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌
して、均一な混合粉末となるように調整した。前記のよ
うに調整した混合粉末をロータリーキルンに供給して、
約1000℃の温度で1時間焼成して焼結した後、該焼
結体を破砕してからボールミルにより粒径が100μ以
下になるまで粉砕して微細骨材を生成した。
【0015】そして、上記のようにして生成した本願発
明の微細骨材が、現在、FWL配合材として広く一般に
使用されているミクロサンドDに代えてエアモルタルに
使用することが可能であるか、ミクロサンドDと本願発
明の微細骨材(マイクロサンドX)との比較試験を、以
下に示すようにして行った。ミクロサンドDとマイクロ
サンドXとについて、それぞれフロー値が200mmと2
30mmとの2種類のモルタルを得るように調整して、そ
の時の水とセメントとの比(W/C)を求め、また、フ
ロー値が230mmのエアモルタルについては、ブリージ
ング袋に採取してから24時間後にブリージング率の確
認を行ない、更に、圧縮強度試験を法令で決められた通
り、材令7日と28日に行った。
【0016】ミクロサンドDを用いたモルタルフロー
値:200 mm、230 mmの配合割合 表1に示す通りである。 マイクロサンドXを用いたモルタルフロー値:200 mm、
230 mmの配合割合 表2に示す通りである。
【0017】ミクロサンドD及びマイクロサンドXのエ
アモルタルについての測定結果 表3に示す通りである。
【0018】以上のような実験結果からして、ミクロサ
ンドDよりマイクロサンドXの方が、水セメント比が多
くすることができ、また、ブリージング率の試験結果
は、いずれのものも同じ結果であることがわかり、フロ
ー値が230 mmでもモルタルの品質については問題がない
ことがわかった。また、圧縮強度については、ミクロサ
ンドDよりマイクロサンドXの方が、やや低く出たが、
FWL配合での材令28日の強度は、1.0 (N/mm2
以上であるからマイクロサンドXについても問題がない
といえる。
【0019】実施例2.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子
径が1mmとなったガラス微粉末:60重量部に対して、
乾燥せしめて粉砕した水酸化アルミニウム粉末:40重
量部を混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌
して、均一な混合粉末になるように調整する。前記混合
粉末に結合剤として15%の水分を加えて塊状に成形し
て乾燥させた後、該成形塊をロータリーキルンに供給し
て約1200℃の焼成温度で2時間かけて焼成した焼結
体を、冷却してから破砕機により粒径が2mm以下になる
まで粉砕して細骨材を生成した。
【0020】上記のようにして生成した骨材を用いて、
水溶性燐酸の吸着試験を行った。内径30mm、570mm
のガラスカラム内に上記骨材を100グラムを充填し
て、1%の燐酸溶液を240ml/時間の流速で上部から
通液して、下部出口でメスシリンダーに溶液を受けて、
30分毎に流出液50mlを1mol NaOH液を用いて滴
定した結果、表4に示す通りである。このような結果か
ら、本願発明により生成した骨材は、高い燐酸の吸着率
を有していると同時に、長時間にわたって燐酸を吸着可
能であることがわかる。
【0021】実施例3.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子
径が1mmとなったガラス微粉末:50重量部に対して、
乾燥、粉砕した水酸化アルミニウム粉末:50重量部を
混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌して、
均一な混合粉末に調整する。前記混合粉末に結合剤とし
て16%の水分と0.1%の減水剤を加えて混練したも
のを350 kg/cm2で加圧成形してタイル状に成形した
後、該成形体を110℃で24時間かけて乾燥させたか
ら電気炉に供給して、約1200℃の焼成温度で3時間
かけて焼成して、多孔性構造をした耐熱性で、透水性や
吸水性を有するタイル材に形成した。
【0022】同様にして、 ガラス微粉末:30重量部、水酸化アルミニウム粉末:
70重量部 ガラス微粉末:20重量部、水酸化アルミニウム粉末:
80重量部 を混合したものについてもタイル状に成形して、上記例
と同じようにして多孔性のタイルに焼結した。これらの
タイルについて物性を調べた結果、表5に示す通りであ
った。そして、上記のタイルに対してシャワーによる散
水試験を行ったところ、良好な透水性や吸水性、湿潤性
等を有していることを確認することができた。
【0023】実施例4.廃棄ガラスを粉砕して平均粒子
径が1mmとなったガラス微粉末:40重量部に対して、
乾燥、粉砕した水酸化アルミニウム粉末:60重量部を
混合した原料を、タンブラー装置内で混合、攪拌して、
均一な混合粉末に調整する。前記混合粉末に結合剤とし
て16%の水分と0.1%の減水剤を加えて混練したも
のを円板状に成形して24時間乾燥させた後、該成形体
を電気炉に供給して約1100℃の焼成温度で3時間か
けて焼成して、ガラス粒を発泡せしめた多孔性の円板を
形成する。
【0024】そして、上記の多孔性円板を濾過材として
用いて、前記実施例2と同様な水溶性の燐化合物や重金
属の吸着、濾過試験を行ったところ、良好な吸着性と濾
過性を有していることが認められたので、水溶性の燐や
重金属等の吸着、除去材として利用可能であり、また、
ガスの吸着材としても有効であることがわかった。
【0025】以上、述べたように、本願発明は、廃棄ガ
ラスの微粉末に対して適量の乾燥した水酸化アルミニウ
ム粉末を均一になるように混合したもを、ガラス粒が発
泡するのに最適な温度で焼成することにより、エアモル
タルを生成するためのセメントの混和材に適した微細骨
材を得ることができる。また、上記の微細骨材を用いた
板状やタイル状をした焼結体は、耐火性で透水性や吸水
性を有していることから、各種の形状をした充填材や濾
過材、耐火材に適した形状に生成することにより、水溶
性の燐や重金属あるいは有害な排ガス等の吸着材や軽量
耐火材としても使用可能である。
【0026】また、本願発明は、混合して使用する廃棄
ガラスの微粉末の粒径により焼結体内部の気孔の大きさ
を調整することができるので、使用する目的に合わせて
板状や円板状、タイル状やブロック状、あるいは、ベル
状やサドル状、ラシヒリング状、その他の色々な形状に
成形して、フィルターや濾過材、吸着体や充填材、耐火
材等として最適な焼結体を生成することができる。ガラ
スの微粉末は粒径が細かければ細かい方が焼結した際の
吸着性や吸湿性、気孔率等が良くて、気孔率が50〜6
0%で透水性や吸水性に優れた効果を発揮することがわ
かった。
【0027】各種の焼結体を製造するには、所定の粒径
に微粉砕したガラスとアルミナとを混合、調整した粉体
を成形して、そのまま焼成して製品とすることも可能で
あり、また、一度混合、調整して焼結したものを、再度
粉砕してから調整して成形した後で焼成しても良い。製
品的には、後者の焼成品の方が優れてはいるが、経済的
にはコストが掛かることから、前者の焼成品でも充分な
効果を有する製品が得られることがわかっている。
【0028】尚、上記実施例に於いては、廃棄ガラスの
微粉末に対して混合する改質材として水酸化アルミニウ
ム粉末を用いたが、本願発明はこのように限定されるも
のではなくて、水酸化アルミニウムの代わりに、酸化ア
ルミニウムやアルミニウム化合物を用いて生成すること
も可能である。更には、火力発電所から排出されるフラ
イアッシュや製紙工場から排出される製紙スラッジ、土
木工事に於けるシールド残土等のアルミニウム化合物を
含有する廃棄物を使用することも可能である。
【0029】
【発明の効果】上記したように、本願発明による微細骨
材や各種焼結体は、廃棄ガラスを利用した天然物に代わ
るものであるから、安価に製造することができて、廃棄
物を安全に処理すると同時に資源化することにより、社
会環境の保全と地球上の資源の有効利用に寄与するもの
である。また、多孔性と透水性を有する焼結体自体が水
に溶けた燐や重金属を簡単に効率良く吸着したり、排気
ガス中の有毒ガスを吸着するものであるから、汚染した
水質の改善等の環境整備にも役立ち、更には、軽量で耐
火性を有することから極めて有益な用途を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【表1】ミクロサンドDを用いたフロー値の配合割合を
示す表である。
【表2】マイクロサンドXを用いたフロー値の配合割合
を示す表である。
【表3】ミクロサンドDとマイクロサンドXとの比較の
結果を示す表である。
【表4】マイクロサンドXによる燐酸の吸着率を示す表
である。
【表5】本願発明により成形した焼成品の性状を示す表
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄ガラスを微粉砕して得た粒径が2mm
    以下のガラス微粉末50〜20%に対して、アルミニウ
    ム化合物の乾燥した微粉末50〜80%を混合、攪拌し
    て均一な混合粉末に調整して、該混合粉末を焼成炉内に
    供給してガラスの溶融温度以下の800〜1250℃で
    ガラス粒子が発泡するように焼成して、ガラス粉末と酸
    化アルミニウムとが一体に融着してなる焼結体に形成し
    た後、該焼結体を粒径が数μ〜数百μとなるように微粉
    砕することを特徴とする廃棄ガラスを用いた微細骨材の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 廃棄ガラスを微粉砕して得た粒径が2mm
    以下のガラス微粉末50〜20%に対してアルミニウム
    化合物を乾燥した微粉末50〜80%を混合、攪拌して
    均一な混合粉末に調整して、該混合粉末に粘結剤として
    15〜16%の水分を加えて混練して塊状体に成形して
    乾燥させた後、該塊状の成形体を焼成炉に供給してガラ
    スの溶融温度以下の800〜1250℃でガラス粒子が
    発泡すると共に酸化アルミニウムと融着した焼結体とな
    し、該焼結体を冷却してから粒径が数mm以下となるよう
    に粉砕することを特徴とする廃棄ガラスを用いた骨材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 廃棄ガラスを微粉砕して得た粒径が2mm
    以下のガラス微粉末50〜20%に対して、アルミニウ
    ム化合物の乾燥粉末を50〜80%を混合、攪拌して均
    一な混合粉末となし、該混合粉末に粘結剤として15〜
    16%の水分を加えて混練して加圧成形体となして乾燥
    した後、該成形体を焼成炉内に於いてガラスの溶融温度
    以下の800〜1250℃で1〜3時間焼成してガラス
    粒子を発泡せしめて多孔性焼結体となしたことを特徴と
    する透水性および吸水性を有する廃棄ガラスを用いた焼
    結体。
  4. 【請求項4】前記請求項3の記載に於いて、加圧成形体
    をタイルまたはブロック等の建材に成形してなることを
    特徴とする透水性および吸水性を有する廃棄ガラスを用
    いた焼結体。
  5. 【請求項5】前記請求項3の記載に於いて、加圧成形体
    を吸着材または濾過材に適した形状に成形してなること
    を特徴とする吸着性を有する廃棄ガラスを用いた焼結
    体。
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