JP2005022967A - 無機系発泡体の加工方法及びその方法で得られた無機系発泡体加工物 - Google Patents

無機系発泡体の加工方法及びその方法で得られた無機系発泡体加工物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、機械的強度に優れ、搬送時や加工時等に縁からの割れの発生および粉塵の発生を防ぐとともに、機械加工性に優れ高付加価値の二次製品を与えることができ、園芸資材や藻礁資材、盛り土等に用いる土木用資材として、コンクリートやアスファルト等の軽量骨材,断熱材,防音材等の建築用資材等として用いることができる無機系発泡体加工物を提供する無機系発泡体の加工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の無機系発泡体の加工方法は、ガラス質廃材を含有する無機系発泡体又は前記無機系発泡体の整形体を800〜1000℃、好ましくは850〜940℃で再溶融する加熱工程を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、再溶融する加熱工程を有する無機系発泡体の加工方法及びその加工方法によって得られた無機系発泡体加工物に関するものである。
従来、無機系廃材であるガラス質廃材や石炭灰等の再資源化のために、ガラス質廃材や石炭灰等を用いてガラス質等のマトリックス中に均一で独立又は連続した気泡を形成し、断熱性や防音性に優れたガラス質発泡体や軽量人工骨材等が開発されている。
例えば、(特許文献1)には「ビンガラス等を粉砕したものに石灰石粉末を混合した原料を造粒後、810〜960℃で加熱する泡ガラスの製造方法」が開示されている。
(特許文献2)には「石炭灰に廃ガラスと粘結剤と酸化鉄,炭化珪素,炭材等の発泡剤とを混合して粉砕した後成形し、これを焼成する人工軽量骨材の製造方法」が開示されている。
(特許文献3)には「廃ガラスを破砕して粉粒状に形成し、これに炭酸ナトリウム等の金属炭酸塩,炭化珪素等の金属炭化物、窒化珪素等の金属窒化物の少なくとも1種を添加し加熱するガラス発泡体の製造方法」が開示されている。
(特許文献4)には「粗粉砕ガラス粉と微粉砕ガラス粉とを混合し、これに炭化珪素を添加し加熱するガラス質発泡体の製造方法」が開示されている。
特開昭58−60634号公報 特開平11−335146号公報 特開平11−343128号公報 特開平11−236232号公報
(1)(特許文献3)に開示の技術は、粉粒状に形成された廃ガラスや発泡剤の粒径が特定されていないので、原料を加熱する条件が一定でも、廃ガラス等の粒径によって溶融状態や発泡状態等が異なり、比重や気泡の大きさ等が安定せず品質の安定性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献1)乃至(特許文献4)に開示の技術は、原料のガラスとしてガラス廃材等を用いているが、発泡剤として主に石灰石等の天然資源や炭化珪素等の化学薬品を用いているため、省資源性に欠けるという課題を有していた。
そこで、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、発明を完成させ特許出願を行った(特願2002―332849号)。特願2002―332849号は廃ガラスを粉砕化し、これに発泡剤として貝殻等の粉粒体を混合し、所定の温度で焼成することにより、微細気孔を形成し表面積が大きく、嵩比重が小さな水浄化性能に優れた無機系発泡体を与えるが、しかしながら、微細気孔が多数存在するため機械的強度が弱いという課題があることがわかった。また、機械的強度が弱いため水質浄化材や土木建築資材等の一次産品をそのまま用いた商品に用途が限られ、付加価値が出し難いという課題があった。さらに、機械的強度が弱いことから無機系発泡体の塊状物や板状物が縁から割れ易く取り扱い難い上、縁が欠け落ちて粉塵が発生し易いという課題があった。そこで、発泡剤の種類やカレットや発泡剤の粒径、加熱炉の温度等の要因を種々変えてこれらの問題点を改善してみたが好ましい結果が得られなかった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、機械的強度に優れ、機械加工が容易で高付加価値化を実現できる無機系発泡体の加工方法を提供することを目的とする。
また、本発明は機械的強度に優れ、搬送時や加工時等に縁からの割れの発生および粉塵の発生を防ぐとともに、機械加工性に優れ高付加価値の二次製品を与えることができる無機系発泡体加工物を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の無機系発泡体の加工方法及びその方法により得られた無機系発泡体加工物は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の無機系発泡体の加工方法は、ガラス質廃材を含有する無機系発泡体又は前記無機系発泡体の整形体を800〜1000℃、好ましくは850〜940℃で再溶融する加熱工程を有した構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)無機系発泡体を800〜1000℃、好ましくは850〜940℃と比較的低い温度で再溶融するので、無機系発泡体の残留歪みを除去し、多孔質性を損なうことなく、機械的強度の高い無機系発泡体加工物を得ることができる。
(2)無機系発泡体を再溶融するので、加工前に無機系発泡体の破砕物等を所望する形状に形を整えて形成した整形体を加熱することで、無機系発泡体の当接部分が溶融して一体化し種々の形状や大きさの無機系発泡体加工物を得ることができる。
(3)加熱により独立気泡間の隔壁の内、薄い弱い部分が溶融して破れ、内部の気泡が合流して連続気泡を生成することができる。
(4)肉厚の薄い隔壁が破れて独立気泡の数が減るので、その分嵩密度を高め比重を重くすることができる。
(5)表面の小さな気泡が破れたり溶融したりして、その表面に凹凸模様を形成し付加価値を高める。
(6)加熱温度が800〜1000℃、好ましくは850〜940℃と比較的低いので、加熱炉等の設備負荷が少なく、また省エネルギー性に優れる。
ここで、無機系発泡体としては、ガラス質廃材の粉砕物と発泡剤の粉状物を有する混合物を加熱溶融して得られたものが用いられる。
ガラス質廃材としては、各種ビン,板ガラス,窓ガラス等の廃棄物、ガラス製品工場から発生するスクラップ等が用いられる。
発泡剤としては、貝殻,石灰石,炭化珪素,窒化珪素等の加熱されることでガラス質廃材の溶融温度付近で分解して炭酸ガス等を発生するものが用いられる。なかでも、貝殻が好適に用いられる。貝殻は、廃棄物の再資源化を図ることができ省資源性に優れるからである。また、貝殻の主成分は炭酸カルシウムであるが、それ以外の組成物も含有しており全てが熱分解しないので、無機系発泡体内に貝殻残渣を分散させることができる。このため、浄水処理材等として水中に浸漬すると、貝殻残渣からカルシウム、マグネシウム等が水中に溶出する。これにより、水に溶解しているリン酸が、溶出したカルシウムとの反応や無機系発泡体内のカルシウム分に吸着されてリン酸カルシウム(不溶性)になり、水質の改善を行うことができるからであり、さらに水中に溶出したマグネシウムが、貝類や藻類等の成育を促進することができるからである。
ガラス質廃材の粉砕物は、粒径が0.01〜3000μm好ましくは0.1〜1000μmより好ましくは0.5〜500μmのものが好適に用いられる。これにより、粒径が所定の範囲に調整されているので、ガラス質廃材の溶融温度が安定し、気泡の大きさも安定し気泡の粒径分布が小さく、機械的強度を高めることができるとともに得られる無機系発泡体加工物の品質の安定性に優れる。
粒径が0.5μmより小さくなるにつれ、焼成時に溶融し易く溶融温度のコントロールが困難になる傾向がみられる。0.1μmより小さくなるにつれこの傾向が大きくなり、また、500μmより大きくなるにつれガラス質廃材間の隙間が大きいため焼成時に溶融して結合し難く機械的強度が低下し加熱溶融後の冷却時に無機系発泡体が割れ易くなる傾向がみられる。1000μmより大きくなるにつれこの傾向が大きくなるとともに、無機系発泡体加工物の比重が大きくなり製品の比重のコントロールが困難になり、さらにガラス質廃材は熱伝導率が小さいため、焼成時にガラス質廃材の内部にまで熱が伝わり難く焼成が不十分な箇所が形成され無機系発泡体の機械的強度が低下する傾向がみられる。特に、粒径が0.01μmより小さくなるか3000μmより大きくなるとこれらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
ガラス質廃材の粉砕物の粒度分布としては、粒径1000μmのガラス質廃材の粉砕物の積算ふるい下%を100重量%としたとき、その内訳が、粒径250μmの積算ふるい下%で50〜70重量%、粒径500μmの積算ふるい下%で70〜90重量%のものが好適である。この粒度分布を有するガラス質廃材の粉砕物は、加熱溶融時に焼結が十分に進行するため機械的強度に優れるとともに、気泡が均一に分散し均質性に優れた無機系発泡体加工物を形成することができる。
なお、粒径が1000〜3000μmのガラス質廃材の粉砕物は、0.1〜1000μmの粒径を有するガラス質廃材の粉砕物100重量部に対して0〜30重量部の割合で添加混合することができる。これにより、添加量に応じて、形成される無機系発泡体加工物の比重を大きくすることができ、無機系発泡体加工物の製品の比重のコントロールを容易に行うことができる。比重を1以上にすることによって自重で水に容易に沈降するので、水の濾過や活性化等を行う際に特に都合がよく、また、比重を1未満にすることによって軽量化を計ることができる。
なお、0.1〜1000μmの粒径を有するガラス質廃材の粉砕物に1000〜3000μmの粒径を有するガラス質廃材の粉砕物の添加量を少なくするにつれ、気泡の分散化が進み、添加しない場合(添加量0重量部の場合)は、気泡が均一に分散し均質性に優れた無機系発泡体加工物を形成することができる。粒径が1000〜3000μmのガラス質廃材の粉砕物の添加量が30重量部より多くなるにつれ、焼成時にガラス質廃材の粉砕物の内部にまで熱が伝わり難く焼成が不十分な箇所が多数形成され、無機系発泡体加工物の機械的強度が低下する傾向がみられるため好ましくない。
発泡剤は、粉末の粒径が0.1〜3000μm好ましくは0.1〜1000μmのものが好適に用いられる。これにより、発泡剤の粉末が凝集し難く、発泡剤の粉末をガラス質廃材の粉砕物の間に均一に分散させることができるので、得られた無機系発泡体内に気泡が点在するように均一に分布させることができ、再溶融時に割れを少なくすることができる。
発泡剤の粉末の粒径が0.1μmより小さくなるにつれ発泡剤の粉末が凝集し易くガラス質廃材の粉砕物の間に均一に分散し難くなる傾向がみられるため好ましくない。発泡剤の粉末の粒径が1000μmより大きくなるにつれ、加熱されて1個の発泡剤の粉体が分解したときに発生するガス量が多く粗大な気泡が多く、そこを起点として無機系発泡体加工物が割れ易くなる傾向がみられる。特に、1000μmより大きくなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
なお、粉末の粒径が1000〜3000μmの発泡剤を用いた場合は、無機系発泡体の溶融したガラス質廃材内に比較的径の大きな独立した気泡が点在して形成されるので、比重が1より大きな無機系発泡体を形成することができる。
また、粉末の粒径が0.1〜1000μmの発泡剤を用いた場合は、多数の独立した気泡と、それらが多数繋がった連続気泡を形成することができ、比重が1より小さな無機系発泡体を形成することができる。
無機系発泡体の整形体としては、無機系発泡体の破砕物等の塊状物等を所望する形状に形を整えて形成したものが用いられる。所定の型枠内に充填して整形体を形成して、型枠とともに無機系発泡体を再溶融させることができる。また、複数の無機系発泡体を積み重ねて所定の形状の整形体を形成して、再溶融させることもできる。整形体において、複数の無機系発泡体を直接当接させて再溶融させてもよいし、無機系発泡体の間に低融点ガラス等のガラス質材を介在させて再溶融させることもできる。
無機系発泡体や無機系発泡体の整形体を再溶融する加熱工程としては、無機系発泡体をステンレス製等の型枠内に充填して、若しくはステンレス製等のメッシュベルトやキャタピラー等の上に堆積して、ボックス炉,シャットキルン,ローラーハースキルン,トンネル式等の加熱炉内で間歇式若しくは連続式に加熱し無機系発泡体を再溶融させるものが用いられる。
再溶融する加熱工程における加熱温度及び加熱時間としては、無機系発泡体の種類にもよるが、加熱温度は800〜1000℃、好ましくは850〜940℃、加熱時間は8〜20分、好ましくは8〜15分が好適に用いられる。
加熱温度が850℃より低くなるにつれ再溶融に時間を要し生産性が低下するとともに、無機系発泡体が再溶融し難く無機系発泡体加工物の機械的強度が向上され難い傾向がみられ、940℃より高くなるにつれ溶融が進み、無機系発泡体加工物の気孔が潰れ嵩密度が高くなる傾向がみられ、吸水性を損なう傾向がみられる。特に、800℃より低くなるか1000℃より高くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
加熱工程では、800〜1000℃の加熱温度において、無機系発泡体や無機系発泡体の整形体の大きさに応じて8〜20分間保持される。8分より短くなるにつれ無機系発泡体加工物の内部まで伝熱せず熱歪が大きく機械的強度が小さくなる傾向がみられ、15分より長くなるにつれ無機系発泡体の発泡倍率にもよるが、溶融が進み過ぎ気孔が潰れる傾向が見られ、吸水性を損なうので好ましくない。
加熱工程で得られた再溶融物は、加熱炉内で除冷、若しくは空気中で自然冷却されて、所望する無機系発泡体加工物として得られる。
再溶融する加熱工程における昇温時間としては、バッチ式のボックス炉等の加熱炉においては、1〜1.5時間が好ましい。昇温時間が1時間より短くなると急激に加熱され無機系発泡体内の温度分布が不均一になり、無機系発泡体加工物が割れ易くなり、昇温時間が1.5時間より長くなると加熱工程が長くなり生産性が低下するので、いずれも好ましくない。
連続式のトンネル式等の加熱炉を用い、所定の温度雰囲気内を無機系発泡体を移動させて再溶融する加熱工程における昇温時間としては、0.2〜1.5時間が好ましい。昇温時間が0.2時間より短くなると急激に加熱され無機系発泡体内の温度分布が不均一になり、無機系発泡体加工物が割れ易くなり、昇温時間が1.5時間より長くなると加熱工程が長くなり生産性が低下するので、いずれも好ましくない。
また、冷却時間は1〜2時間が好ましい。冷却時間が1時間より短くなると急激に冷却され無機系発泡体内の温度分布が不均一になり、無機系発泡体加工物が割れ易くなり、冷却時間が2時間より長くなると加熱工程が長くなり生産性が低下する傾向がみられるので、いずれも好ましくない。
本発明の請求項2に記載の無機系発泡体加工物は、請求項1に記載の無機系発泡体の加工方法で得られた加工物であって、比重が0.8〜1.4、気孔率が55〜85%、含水率が45〜68%の多孔質である構成を有している。
この構成によって、以下のような作用を有する。
(1)気孔率が55〜85%、含水率が45〜68%の多孔質なので保湿性能及び導水性能に優れ、比重が0.8〜1.4なのでカレットに比べ著しく軽量化され、土木用資材、建築用資材、浄水処理材等の多種多様な用途に用いることができる。
(2)機械的強度が大きく脆さが改善されているので機械加工性に優れる。
ここで、比重は、JIS Z 8807(1976)に準じた方法で測定した値を用いる。
気孔率は、真密度(A)と嵩密度(B)との差(A−B)を真密度(A)で除して100を乗じた値(単位:%)を用いる。真密度(A)は、無機系発泡体加工物の試料を約1300℃で溶融して溶融物を生成した後、室温まで冷却し、溶融物の重量と体積を測定し、重量を体積で除した値を用いる。なお、体積は、一定量の水を入れたメスシリンダー等に試料の溶融物を入れたときの増加した水の体積(mL)を用いる。嵩密度(B)は、無機系発泡体加工物から削り出して立方体の試料を作製し、試料の寸法から体積を計算するとともに試料の重量を測定し、重量を体積で除した値を用いる。
含水率は、無機系発泡体加工物の試料を約105℃で24時間乾燥した後、試料の乾燥重量(C)を測定し、次いで重量測定した試料を水中に沈め脱気し、気泡が出なくなった後に水中から取り出し、試料の含水重量(D)を測定する。含水重量(D)と乾燥重量(C)との差(D−C)を乾燥重量(C)で除して100を乗じた値(単位:%)を用いる。
無機系発泡体加工物は、比重が0.8〜1.4好ましくは0.9〜1.3に調整される。また、気孔率は55〜85%好ましくは60〜80%に調整される。含水率は45〜68%好ましくは50%〜65%に調整される。
比重が0.9よりも小さくなるにつれ内包される気孔の気泡壁の厚さが薄く機械的強度が低下する傾向がみられ、比重が1.3よりも大きくなるにつれ内包される気泡の気泡壁が厚くなり機械加工が困難になる傾向がみられる。特に、比重が0.8よりも小さくなるか1.4よりも大きくなると、これらの傾向が著しくなるので、いずれも好ましくない。
気孔率が60%よりも小さくなるにつれ硬くなり機械加工が困難になる傾向がみられ、80%より大きくなるにつれ脆くなる傾向がみられる。特に、気孔率が55%より小さくなるか85%より高くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
含水率が50%よりも小さくなるにつれ保水性や保湿性に欠ける傾向がみられ、65%より大きくなるにつれ連続気孔の割合が多くなり脆くなる傾向がみられる。特に、含水率が45%よりも小さくなるか68%よりも大きくなると、これらの傾向が著しくなるのでいずれも好ましくない。
無機系発泡体加工物は、旋盤,ボール盤,フライス盤,鋸,切断機等を用いて、穿孔、切断等の機械加工を行うことができる。再溶融されて機械的強度が高いからである。
無機系発泡体加工物の用途としては、例えば、盛り土,埋め戻し,裏込め等に用いる土木用資材として、コンクリートやアスファルト等の軽量骨材,断熱材,防音材等の建築用資材として用いることができる。特に、家屋床下や屋根裏,壁等に用いる断熱材として使用すれば、家屋等の軽量化を図ることができるとともに、大きな表面積によって断熱性や微細気孔や微細連続気孔により除湿性等が付与されるので好適に用いられる。
また、発泡剤として貝殻を用いたものは、カルシウムやマグネシウム等を含有し、さらに多孔質で表面積が大きいので、浄水処理材として使用すれば優れた水質改善性能を示すとともに多孔質なので水中で藻類や草類が繁殖しやすく漁礁として好適に用いることができる。さらに、その保水性や軽量性等を利用するとともに、貝殻残渣等からカルシウムやマグネシウム等が溶出して植物の生長を助長するので、屋上庭園や鉢植え等の軽量土壌材、園芸資材として用いることもできる。
本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の無機系発泡体加工物であって、再溶融され互いに溶着された複数の無機系発泡体を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)再溶融され互いに溶着された複数の無機系発泡体を備えているので、所望する種々の形状や大きさが得られ自在性に優れる。
ここで、複数の無機系発泡体は、無機系発泡体同士を単に当接させて表面を再溶融させて互いに溶着させることができる。また、加熱工程の加熱温度で溶融するガラス粉末、ガラス接着剤等のガラス質材を介して、複数の無機系発泡体を互いに溶着させることができる。
ガラス質材としては、再溶融する加熱工程の加熱温度で溶融するものであれば、特に制限無く用いることができる。ガラス質廃材の粉砕物を用いることもできる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の無機系発泡体加工物であって、カレット及び/又はガラス粉末が、表面に溶着された構成を有している。
この構成によって、請求項2又は3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)カレットやガラス粉末が表面に溶着されているので、無機系発泡体加工物の表面をカレットで装飾したり、ガラス粉末を溶融させてガラス粉末を溶着させた箇所だけを選択的に変質させたり着色させたりして装飾することができ、付加価値を高めることができる。
ここで、ガラス粉末としては、再溶融する加熱工程の加熱温度で溶融するものであれば、特に制限無く用いることができる。ガラス質廃材の粉砕物を用いることもできる。
以上のように、本発明の無機系発泡体の加工方法及び無機系発泡体加工物によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1の記載の発明によれば、
(1)無機系発泡体の残留歪みを除去し、多孔質性を損なうことなく、機械的強度の高い無機系発泡体の加工物を得ることができる無機系発泡体の加工方法を提供することができる。
(2)加工前に無機系発泡体の破砕物等を所望する形状に形を整えて形成した整形体を加熱するだけで、種々の形状や大きさの無機系発泡体加工物を得ることができる無機系発泡体の加工方法を提供することができる。
(3)加熱により独立気泡間の隔壁の内、薄い弱い部分が溶融して破れ、内部の気泡が合流して連続気泡を生成することができる無機系発泡体の加工方法を提供することができる。
(4)肉厚の薄い隔壁が破れて独立気泡の数が減るので、その分嵩密度を高め比重を重くすることができる無機系発泡体の加工方法を提供することができる。
(5)表面の小さな気泡が破れたり溶融したりして、その表面に凹凸模様を形成し付加価値を高める無機系発泡体の加工方法を提供することができる。
(6)加熱温度が800〜1000℃、好ましくは850〜940℃と比較的低いので、加熱炉等の設備負荷が少なく、また省エネルギー性に優れる無機系発泡体の加工方法を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、
(1)保湿性能及び導水性能に優れ、カレットに比べ著しく軽量化された、土木用資材、建築用資材、浄水処理材等の多種多様な用途に用いることができ汎用性に優れた無機系発泡体加工物を提供することができる。
(2)機械的強度が大きく脆さが改善されているので機械加工性に優れた無機系発泡体加工物を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、
(1)再溶融され互いに溶着された複数の無機系発泡体を備えているので、所望する形状や大きさが得られ自在性に優れた無機系発泡体加工物を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3の効果に加え、
(1)無機系発泡体加工物の表面をカレットで装飾したり、ガラス粉末を溶融させてガラス粉末を溶着させた箇所だけを選択的に変質させたり着色させたりして装飾することができ、付加価値の高い無機系発泡体加工物を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における無機系発泡体加工物の斜視図である。
図中、1はガラス質廃材の粉砕物に発泡剤としての貝殻粉末を混合して加熱発泡させた無機系発泡体の破砕物を再溶融して得た無機系発泡体加工物、1aはガラス質廃材の粉砕物が溶融して形成された無機系発泡体加工物1の基体、1bは牡蠣殻等の貝殻が粉砕されて形成されガラス質廃材の粉体に添加された貝殻粉末が分解した残渣である貝殻残渣、1cは貝殻粉末中の炭酸カルシウムが発泡して基体1aに形成された連続気泡や独立気泡からなる気泡である。貝殻粉末の主成分は炭酸カルシウムであるが、それ以外の組成物も含有しており全てが熱分解しないので、特に貝殻粉末の粒径が大きな場合は基体1a内に貝殻残渣1bが分散して存在する。
以上のように構成された実施の形態1における無機系発泡体加工物について、その製造方法を説明する。
(無機系発泡体の製造)
ガラス質廃材を粉砕し粒径0.01〜3000μmに形成された粉砕物を形成する。これとは別に牡蠣殻等の貝殻を粉砕し、粒径0.1〜3000μmの貝殻粉末を形成する。ガラス質廃材の粉砕物100重量部に対し、貝殻粉末1〜25重量部を添加混合し混合物を作成する。
次いで、作成された混合物をステンレス製等の型枠内に充填して、若しくはステンレス製等のメッシュベルトやキャタピラー等の上に堆積して、又は型等で成型して形成された成形体を、トンネル式等の加熱炉内で750〜1100℃の温度で間歇式若しくは連続式に加熱する。より好ましくは、加熱炉内を(1)600〜750℃、(2)850〜950℃、(3)950〜1000℃、(4)900〜950℃の温度に予め保持された複数区域に分域して、各区域を順に5〜20分間で通過するように混合物を搬送して連続式に加熱溶融させる。加熱発泡工程では、貝殻粉末が分解して発生した炭酸ガスによって、溶融して軟化したガラス質廃材内に気泡が形成された無機系発泡体が形成される。
(無機系発泡体加工物の製造)
加熱溶融後、冷却された無機系発泡体を、トンネル式等の加熱炉のステンレス製等のメッシュベルトやキャタピラー等の上に並べる。
次いで、再溶融する加熱工程において、無機系発泡体をトンネル式等の加熱炉内で800〜1000℃の温度で間歇式若しくは連続式に加熱する。より好ましくは、無機系発泡体を、加熱速度0.2〜1.5時間で850℃〜940℃に昇温後、5〜15分その温度で保持するように加熱する。
加熱工程で得られた再溶融物は、加熱炉内で1〜2時間除冷、若しくは保温箱等の中で除冷、又は空気中で自然冷却し、無機系発泡体加工物が製造される。
以上のような無機系発泡体の加工方法によって得られた無機系発泡体加工物は、気孔率60〜80%、含水率50〜65%、比重0.9〜1.3のものが得られる。
また、無機系発泡体加工物は、圧縮強さが300〜800kPaのものが得られる。圧縮強さは、無機系発泡体加工物を切り出し、表面をサンドペーパー(80番)で削り、幅約25mm、長さ約35mm、高さ約25mmの略直方体の試験片を作成し、高さ方向に圧縮して割れを生じたときの荷重を最初の断面積(約25mm×約35mm)で除した値を用いる。
以上のような実施の形態1における無機系発泡体の加工方法によれば、以下のような作用が得られる。
(1)無機系発泡体を800〜1000℃、好ましくは850〜940℃と比較的低い温度で再溶融するので、無機系発泡体の残留歪みを除去し、多孔質性を損なうことなく、機械的強度の高い無機系発泡体の加工物を得ることができる。
(2)加熱により独立気泡間の隔壁の内、薄い弱い部分が溶融して破れ、内部の気泡が合流して連続気泡を生成することができる。
(3)肉厚の薄い隔壁が破れて独立気泡の数が減るので、その分嵩密度を高め比重を重くすることができる。
(4)表面の小さな気泡が破れたり溶融したりして、その表面に凹凸模様を形成し付加価値を高める。
(5)加熱温度が800〜1000℃、好ましくは850〜940℃と比較的低いので、加熱炉等の設備負荷が少なく、また省エネルギー性に優れる。また、トンネル式等の加熱炉内で間歇式若しくは連続式に加熱するので、生産性に優れる。
また、以上のように実施の形態1における無機系発泡体加工物は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)無機系発泡体加工物は、気孔率が60〜80%、含水率が50〜65%の多孔質なので保湿性能及び導水性能に優れる。
(2)無機系発泡体加工物の比重が0.9〜1.3なので、カレットに比べて著しく軽量化され、土木用資材、建築用資材、浄水処理材等の多種多様な用途に用いることができる。
(3)無機系発泡体加工物は、機械的強度が大きく脆さが改善されているので機械的加工性に優れる。
なお、本実施の形態においては、再溶融する加熱工程において、連続式のトンネル式等の加熱炉を用いて、所定の温度に予め保持された区域を通過させて加熱する場合について説明したが、バッチ式のボックス炉等の加熱炉内に静置して、所定の温度まで昇温し所定時間保持することで再溶融させることもできる。再溶融させた後、所定の温度で降温させて冷却し無機系発泡体加工物が得られる。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における無機系発泡体加工物の斜視図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1は無機系発泡体加工物、2は無機系発泡体加工物1の表面から内部に向かって穿設された有底の穴部、10は穴部2に植栽された折り鶴蘭等の草花、11は穴部2に植栽された草花10の根幹部である。
以上のように実施の形態2における無機系発泡体加工物は構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)無機系発泡体加工物は再溶融されているので、脆さが改善され機械的強度が高いため、穿孔、切断等の機械加工性に優れており穴部2を容易に形成でき、また、吸水性と保水性を兼ね備えているため、穴部2に根幹部11を挿入して適度の水分を与えることによって、枯れることなくまた根腐れも起こさず、園芸資材等として好適に用いることができる。
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における無機系発泡体加工物の正面図である。
図中、20は無機系発泡体の整形体を再溶融させた実施の形態3における無機系発泡体加工物である。
以下、無機系発泡体加工物20を説明する前に、無機系発泡体の整形体について説明し、その後、整形体を再溶融させた無機系発泡体加工物20について説明する。
21はガラス質廃材の粉砕物に貝殻粉末等の発泡剤を混合して略直方体等の形状に加熱発泡させた無機系発泡体、22,22は無機系発泡体21の上面の所定箇所に撒き敷かれたガラス質廃材の粉砕物等のガラス質材、23,23はガラス質材22,22の上に立設された柱状の無機系発泡体、24,24は無機系発泡体23,23の上面に撒き敷かれた低融点ガラス粉末等のガラス質材、25はガラス質材24,24を介して無機系発泡体23,23間に架設された無機系発泡体、26は無機系発泡体25の上面に配置された着色ガラス等のカレットである。
以上のように構成された無機系発泡体の整形体を、800〜1000℃好ましくは850〜940℃で再溶融することによって、無機系発泡体21,23,25、ガラス質材22,24、カレット26が溶着して一体化され、実施の形態3における無機系発泡体加工物を製造することができる。
以上のような無機系発泡体の加工方法によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)加工前に無機系発泡体21,23,25を所望する形状に形を整えて形成した整形体を作製し、これを800〜1000℃好ましくは850〜940℃で再溶融することで、各無機系発泡体を一体化させることができ、所望する形状の無機系発泡体加工物を得ることができる。
また、実施の形態3における無機系発泡体加工物によれば、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)再溶融され互いに溶着された複数の無機系発泡体21,23,25を備えているので、所望する形状や大きさが得られ加工や形態の自在性に優れる。
(2)無機系発泡体加工物20の表面を着色ガラス等のカレット26で装飾することができ、付加価値を高めることができる。
(3)ガラス質材22,24を介して無機系発泡体21,23,25が溶着されているので、ガラス質材が溶融することによって無機系発泡体21,23,25間の接合部の接合面積が広くなるので、接合部の機械的強度を高めることができ堅牢にできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<無機系発泡体の製造>
(無機系発泡体No.1)
ガラスびん,窓ガラス等のガラス質廃材を、エッジランナ等の粉砕機を使用して平均粒径2〜3mmに粗粉砕した。次いでエロフォールミル等の粉砕機を使用して微粉砕した。次に、20メッシュの標準ふるい(目開き850μm)を用いた分級装置によって分級し、粒径が850μm以下のガラス質廃材の粉砕物を得た。
次に、牡蠣,帆立貝,赤貝等の貝殻を水洗して乾燥した後、エッジランナ等の粉砕機を使用して平均粒径2〜3mmに粗粉砕した。次いでエロフォールミル等の粉砕機を使用して微粉砕した。次に、16メッシュの標準ふるい(目開き1000μm)を用いた分級装置によって分級し、粒径が1000μm以下の貝殻粉末を得た。
次に、ガラス質廃材の粉砕物100重量部と、貝殻粉末12重量部と、を攪拌型等の混合機で十分に混合して混合粉体を得た。
次いで、ステンレス製等で形成された幅1.5mのメッシュベルトが長さ25mに渡って張設されたトンネル式の加熱炉を用い、得られた混合粉体をメッシュベルト上に厚み約10mm、幅約1m、メッシュベルトの長手方向に沿って1.2mの長さに堆積した。メッシュベルトは、第1ゾーン600〜750℃、第2ゾーン850℃、第3ゾーン940℃、第4ゾーン960℃、第5・6ゾーン940℃に保たれた加熱炉内を各ゾーン約10分の通過時間で通過するように設定されており、加熱炉に入った混合粉体は、約60分かけて溶融発泡され、厚み約30mm、幅約1m、長さ約1.2mの板状の無機系発泡体が製造された。これを空気中で急冷したところ、厚みが約30mm、幅及び長さが数cm〜20cm前後の無機系発泡体の破砕物(無機系発泡体No.1)が得られた。
無機系発泡体No.1の比重を測定したところ、0.9であった。この無機系発泡体は水に浮くことが確認された。破断面を観察したところ、内径0.3〜2mmの気泡が均一に分布していることが確認された。含水率は70%、気孔率は80%、圧縮強さは215kPaであった。
(無機系発泡体No.2)
無機系発泡体No.1を製造するために牡蠣,帆立貝,赤貝等の貝殻をエロフォールミル等の粉砕機を使用して微粉砕したが、このときにバグフィルタやエアフィルタ等のろ過集塵装置等で集塵された0.01〜50μmの粒径を有する貝殻粉末を準備した。この貝殻粉末を、無機系発泡体No.1と同様にして得られたガラス質廃材の粉砕物100重量部に対して11重量部添加混合した以外は、無機系発泡体No.1と同様にして、厚み約26mm、幅約1m、長さ約1.2mの無機系発泡体(無機系発泡体No.2)を得た。
無機系発泡体No.2の比重を測定したところ、0.8であった。この無機系発泡体は水に浮くことが確認された。破断面を観察したところ、内径0.2〜1mmの気泡が均一に分布していることが確認された。含水率は68%、気孔率は82%、圧縮強さは264kPaであった。
<無機系発泡体加工物の製造>
(実施例1)
無機系発泡体No.1の製造に用いたトンネル加熱炉のメッシュベルト上に無機系発泡体No.1(無機系発泡体の破砕物)を並べた。メッシュベルトは、第1ゾーン300〜500℃、第2ゾーン940℃、第3ゾーン600℃、第4ゾーン300℃、第5・6ゾーン200℃に保たれた加熱炉内を各ゾーン約15分の通過時間で通過させ、約90分かけて再溶融処理を行った。これを除冷して、表面に深いシワが形成された実施例1の無機系発泡体加工物を得た。
(実施例2)
無機系発泡体No.2の破砕物をハンマーで数cmの塊に砕き、これをメッシュベルト上に並べた。次いで、実施例1と同一の条件で再加熱処理を行った。これを除冷して、表面に深いシワが形成された実施例2の無機系発泡加工物を得た。
(比較例1,2)
無機系発泡体No.1を比較例1、無機系発泡体No.2の破砕物を比較例2とした。
(比重、含水率、気孔率、圧縮強さの評価)
実施例1、2の無機系発泡体加工物、比較例1、2の無機系発泡体の比重、含水率、気孔率、圧縮強さを測定した。
その結果を(表1)に示した。
Figure 2005022967
(表1)から明らかなように、実施例1、2の比重及び圧縮強さは、比較例1,2に比べ上昇した。また、実施例1、2の含水率、気孔率は45%以上の高い値を示したが、比較例1,2に比べ低下した。
これらの結果から実施例1,2の無機系発泡体加工物は、多孔質で高い含水率、気孔率を保持し、圧縮強さが再加熱処理前の無機系発泡体に比べ大きくなるので、機械的強度が高く堅牢にできることが確認された。
(機械加工性の評価)
実施例1と実施例2の無機系発泡体加工物、比較例1と比較例2の無機系発泡体の中から、幅及び長さが約8〜10cmの塊状物を各10個選び、これらを試料として、ボール盤で径25mm、深さ25mmの孔を同一の条件で穿孔し機械加工性を評価した。その結果、比較例1では10個の内8個、比較例2では10個の内7個が穿孔の加工中に割れてしまったのに対し、実施例1では10個の内1個、実施例2も10個の内1個しか加工の最中に割れるものはなかった。
以上の結果から、実施例1,2の無機系発泡体加工物は、脆さが改善されているため機械加工性にも優れ、切断、穿孔等の機械加工を要する場合にも破損し難く製品得率を高められることが明らかになった。
(吸水性及び保水性の評価)
実施例1の無機系発泡体加工物の内、幅及び長さが約8〜10cmの塊状物を5個選び、実施の形態2で説明したように、無機系発泡体加工物の上面から約3〜5cmの深さの穴部を穿孔し、ここに折り鶴蘭の根幹部を挿入し植栽した。この無機系発泡体加工物の底面を、水を約3cmの深さではった水盤内に置いて折り鶴欄の状態を確認した。その結果、1カ月経ても折り鶴蘭は枯れずに成長した。
以上のように、本実施例によれば、本発明の無機系発泡体の加工方法によって得られた無機系発泡体加工物は、吸水性と保水性を有し、機械加工性にも優れるので、園芸資材等として最適であることが明らかとなった。
本発明は、再溶融する加熱工程を有する無機系発泡体の加工方法及びその加工方法によって得られた無機系発泡体加工物に関し、機械的強度に優れ、機械加工が容易で高付加価値化を実現できる無機系発泡体の加工方法を提供することができる。また、機械的強度に優れ、搬送時や加工時等に縁からの割れの発生及び粉塵の発生を防ぐとともに、機械加工性に優れ高付加価値の二次製品を与えることができる無機系発泡体加工物を提供するができる。このように吸水性と保水性を有し、加工性に優れるので、園芸資材、藻礁資材等として最適であるほか、盛り土,埋め戻し,裏込め等に用いる土木用資材として、コンクリートやアスファルト等の軽量骨材,断熱材,防音材等の建築用資材として用いることができる。特に、家屋床下や屋根裏,壁等に用いる断熱材として使用すれば、家屋等の軽量化を図ることができるとともに、大きな表面積によって断熱性や微細気孔や微細連続気孔により除湿性等が付与されるので最適である。
実施の形態1における無機系発泡体加工物の斜視図 実施の形態2における無機系発泡体加工物の斜視図 実施の形態3における無機系発泡体加工物の正面図
符号の説明
1 無機系発泡体加工物
1a 基体
1b 貝殻残渣
1c 気泡
2 穴部
10 折り鶴蘭
11 根幹部
20 無機系発泡体加工物
21,23,25 無機系発泡体
22,24 ガラス質材
26 カレット

Claims (4)

  1. ガラス質廃材を含有する無機系発泡体又は前記無機系発泡体の整形体を800〜1000℃、好ましくは850〜940℃で再溶融する加熱工程を備えていることを特徴とする無機系発泡体の加工方法。
  2. 請求項1に記載の無機系発泡体の加工方法で得られた加工物であって、比重が0.8〜1.4、気孔率が55〜85%、含水率が45〜68%であることを特徴とする多孔質の無機系発泡体加工物。
  3. 再溶融され互いに溶着された複数の無機系発泡体を備えていることを特徴とする請求項2に記載の無機系発泡体加工物。
  4. カレット及び/又はガラス粉末が、表面に溶着されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の無機系発泡体加工物。
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