JP3415109B2 - 都市ごみの焼却灰を焼結した焼結固形物とその製造方法 - Google Patents

都市ごみの焼却灰を焼結した焼結固形物とその製造方法

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JP3415109B2
JP3415109B2 JP2000290783A JP2000290783A JP3415109B2 JP 3415109 B2 JP3415109 B2 JP 3415109B2 JP 2000290783 A JP2000290783 A JP 2000290783A JP 2000290783 A JP2000290783 A JP 2000290783A JP 3415109 B2 JP3415109 B2 JP 3415109B2
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sintering
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/60Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみの焼却灰
を無害な状態として廃棄しながら有効に再利用する焼結
固形物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】全国で膨大量の都市ごみの焼却灰が発生
している。この焼却灰は、ダイオキシン等の有害物質を
含有するので簡単に廃棄できない。このため、廃棄コス
トが極めて高いばかりでなく、廃棄した状態で、長年に
わたって有害物質の流失を阻止する管理が必要とする。
焼却灰に含まれるするダイオキシン等の有害物質を分解
して無害な状態として有効利用するために、焼却灰を焼
結して使用する方法が下記の発明として開発されてい
る。 特開平2−218485号 特開平5−58707号 特開平6−182321号 特開平6−39363号 特開平6−56507号
【0003】の発明は、都市ごみの焼却灰を0.5〜
2kg/cm2で加圧成形し、その後950〜1350
℃で焼結して、インターロッキングブロック等のレンガ
やタイルを製造する。この方法は、焼却灰を成形して焼
結するので、焼結するための温度が高くなり、また焼却
灰を強固に結合することができないので、焼結固形物の
強度が弱くなる欠点がある。
【0004】〜の発明は、この欠点を解消するため
に、焼却灰に焼結できる原料を添加している。たとえ
ば、の発明は、焼却灰に、長石、ガラス粉、ベントナ
イト等を混合している。の発明は焼却灰に、ガラス屑
と上水汚泥を添加している。さらにの発明は、焼却灰
にカーボンとセメントを添加している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】〜の発明は、焼却
灰に種々の材料を添加しているので、焼却灰のみを焼結
するのに比較すると低い温度で強固に焼結できる特長が
ある。しかしながら、これ等の発明は、長石、カーボ
ン、ガラス粉、ベントナイト、セメント等を添加するの
で原料コストが高くなる欠点がある。焼却灰を原料とす
る焼結固形物の実用化において、経済性を無視すること
はできない。経済性を無視すれば、焼却灰を有効利用で
きるように廃棄する方法など簡単に開発できるからであ
る。実用化を阻害する最大の原因は経済的な理由であ
り、いかに優れた方法であっても採算を無視しての実用
化は極めて難しい。
【0006】さらに、都市ごみの焼却灰はその発生量が
膨大であるから、焼結固形物のコストを低減して、色々
の用途に利用できることも大切である。製品コストが高
くなると用途が制限されるので、用途を広くするために
は、製品コストを低減することが大切である。
【0007】本発明者は、いかに製造コストを低減でき
るかを鋭意研究して試行錯誤した結果、都市ごみの焼却
灰に、砕石現場で発生している砕石屑を添加して焼結す
ることにより、都市ごみの焼却灰を無害化しながら有効
に再利用できる方法と焼結固形物を開発した。砕石現場
において、破砕した岩石から骨材に使用する砕石と砂を
分離すると、粉末状の砕石屑が残渣として残る。この砕
石屑は、管理形の産業廃棄物に指定されているので、焼
却灰と同じように廃棄に著しく手間とコストがかかって
いる。天然の岩石を破砕して砕石と砂を分離する工程
で、全体の20〜30%が砕石屑となるのでその発生量
も極めて多く、砕石現場において廃棄に困っているのが
実状である。とくに、近年は海から砂を採取することが
次第に禁止されているので、岩石を破砕して製造される
岩砂の需要が急増している。このため、砂を分離した砕
石屑の発生量も増加する傾向にあるので、砕石屑を有効
に利用できる技術開発が切望されている。
【0008】本発明者は、都市ごみの焼却灰に砕石屑を
添加して焼結することにより、以上の欠点を解決するこ
とに成功した。しかしながら、この方法で製造した焼結
固形物は、表面色が赤色に特定されるので、用途によっ
ては必ずしも好ましくないことがある。それは、砕石に
使用される砂岩や安山岩には、赤色ゆう薬に使用される
ベンガラと同じ成分の酸化鉄が相当に含まれるために、
酸化雰囲気で焼結すると赤色に着色されるからである。
この弊害は、前記の発明のように、成形体の表面にゆ
う薬を塗布して着色することで解消できる。ただ、表面
にゆう薬を塗布する方法では、原料コストが高くなるば
かりでなく、ゆう薬を塗布するのに手間がかかって製造
コストが著しく高くなる欠点がある。
【0009】本発明者は、さらに実験を繰り返した結
果、流紋岩を採取する砕石工場で多量に発生している流
紋岩残渣を添加することにより、極めて低コストに焼結
固形物の赤色を調整することに成功した。流紋岩は火山
岩の一種で、シリカとアルミナとアルカリ成分が最も多
く、酸化鉄や酸化マグネシウムの少ない岩石である。火
山岩は、マグマが地表で固まってできる岩石で、玄武
岩、安山岩、デイサイト、流紋岩に分類される。これ等
の岩石で、流紋岩はシリカとアルミナとアルカリ成分が
最も多く、酸化鉄や酸化マグネシウムの少ない岩石であ
る。焼却灰に添加する砕石屑は、安山岩や砂岩である
が、これ等の岩石は酸化鉄の含有量が多い。酸化鉄の多
い砕石屑に酸化鉄の少ない流紋岩を添加すると、全重量
に対する酸化鉄の含有量が少なくなる。このため、酸化
鉄によって赤色に着色される焼結固形物の赤色が薄くな
る。流紋岩残渣の添加量を多くするにしたがって、酸化
鉄の含有量が少なくなって、焼結固形物の赤色は薄くな
る。また、流紋岩は、焼成時に融点を低くする融剤に使
用されるカリウムやナトリウム等のアルカリの含有量が
多く、焼結温度を高くすることなく強固に焼結できる特
長もある。
【0010】したがって、本発明の大切な目的は、都市
ごみの焼却灰を低コストに焼結して、種々の用途に使用
できる焼結固形物を製造すると共に、流紋岩残渣によっ
て種々の用途において理想的な色に着色できる方法で製
造された焼結固形物を提供することにある。また、本発
明の他の大切な目的は、焼却灰を強固に結合できる焼結
固形物とその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の都市ごみの焼却
灰を焼結した焼結固形物は、都市ごみの焼却灰に、岩石
を破砕して砕石と砂が除去された砕石屑と、流紋岩を破
砕してなる流紋岩残渣とを混合して固形状に焼結してい
る。
【0012】本発明の焼結固形物は、好ましくは、砕石
屑と流紋岩残渣の含有量を15〜90重量%とする。砕
屑は、砂岩または安山岩の粉末である。焼却灰の平均
粒径は、好ましくは、100μm〜5mmとする。さら
に、好ましくは、焼却灰の平均粒径を100μm〜5m
mとし、砕石屑と流紋岩残渣の平均粒径を1mm以下と
する。さらに、本発明の焼結固形物は、都市ごみの焼却
灰に、フライアッシュを含むものを使用することもでき
る。
【0013】本発明の焼結固形物の製造方法は、都市ご
みの焼却灰に、岩石を破砕して砕石と砂が除去された砕
石屑と、流紋岩を破砕した流紋岩残渣を混合して成形原
料とする原料調整工程と、成形原料を所定の大きさの固
形状に成形する成形工程と、成形された固形物を焼成炉
に搬入して焼結する焼結工程とからなる。
【0014】さらに、本発明の製造方法は、原料調整工
程と成形工程と焼結工程に加えて、焼結された焼結体を
破砕する破砕工程とから焼結固形物を製造することもで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための都市ごみの焼却灰を焼結
した焼結固形物とその製造方法を例示するものであっ
て、本発明は焼結固形物とその製造方法を下記に特定し
ない。
【0016】図1は都市ごみの焼却灰を焼結固形物とす
る工程を示している。この図において、焼却灰は都市ご
みの焼却炉から発生し、砕石屑は砕石工場で発生し、流
紋岩残渣は流紋岩を加工する工場で発生する。都市ごみ
の焼却灰は、焼結炉に燃えかすとして残る大粒のもの
と、平均粒径が数十μm以下であるフライアッシュとが
ある。焼却灰にフライアッシュを使用する場合、そのま
まの状態で使用できるが、大粒の焼却灰は小さく破砕し
て使用する。焼却灰の大きさは、焼結固形物の形状や大
きさ、あるいは用途によって最適な大きさとするが、一
般的には5mm以下、好ましくは3mm以下、さらに好
ましくは2mm以下、最適には1mm以下の平均粒径に
調整する。大き過ぎる焼却灰は強固に焼結することが難
しく、また緻密に焼結できないからである。
【0017】焼結固形物は、種々の用途に使用されるの
で、各々の用途に最適な粒状または所定のブロック状に
形成される。粒状の焼結固形物は、コンクリートに充填
される骨材や道路用の骨材として使用され、さらに、河
川や湖水の底に敷設される微生物担体として使用され
る。微生物担体はここに微生物を繁殖させて水を清澄に
する。骨材や微生物担体に使用される焼結固形物は、平
均粒径を2〜40mmとする。骨材用の焼結固形物は、
平均粒径を20〜40mmとするものでダム等の大規模
なコンクリート構造物の骨材として使用されるもの、平
均粒径を15〜20mmとするものであって粗粒度アス
ファルトの主焼結固形物やコンクリート用の骨材に使用
されるもの、平均粒径を5〜15mmとするものであっ
てアスファルト舗装用の骨材やコンクリート用の骨材に
使用されるもの、さらに、平均粒径を2〜5mmとする
密粒度アスファルト用として使用されるものに分類され
る。微生物担体用として使用される焼結固形物は、通水
性の網材に入れて河川や湖水の底に敷設される。
【0018】焼却灰の平均粒径は、焼結固形物の平均粒
径に比較して充分に小さくする。たとえば、焼却灰の平
均粒径は、焼結固形物の平均粒径の1/10以下、好ま
しくは1/20以下、さらに好ましくは1/30以下と
する。
【0019】焼結固形物は、骨材のみでなく所定のブロ
ック形状に成形して、タイルやインターロッキングブロ
ック等の用途にも使用される。ブロック状に成形される
焼結固形物は、平均粒径を100μm〜5mm以下とす
る大きな粒子の焼却灰を使用することができる。さら
に、ブロック形状に成形する焼結固形物は、大粒子の焼
却灰を焼結して、無数の大きな空隙を設けることができ
る。
【0020】砕石屑は、岩石を破砕して砕石と砂を除去
する工場で多量に発生する。破壊された岩石から分離さ
れる砕石は、主としてコンクリートや道路用の骨材とし
て、あるいは庭園の敷石等に使用される。砕石を製造す
るための岩石は、砂岩または安山岩である。砂岩は砂が
膠着してできたもの、安山岩はマグマが地表でかたまっ
てできたものである。これ等の岩石は二酸化珪素と酸化
アルミニウムを主成分とするもので、たとえば、安山岩
は二酸化珪素を55〜63重量%含有する。
【0021】砕石と砂を製造する工場は、原石山から岩
石を採取し、採取した原石を破砕して、大きさで分離し
て砕石と砂を分離する。砕石と砂が分離されると、砂よ
りも微細な岩石の粉末が砕石屑として残る。砕石屑は砂
に混合することもできるが、微細な粒子の砕石屑を砂に
混合すると、砂の品質が低下する。高品質な砂を製造す
るには、湿式であるいは乾式で砂から微細な粒子の粉末
を分離する必要がある。砂を分離された微細な岩石の残
渣が砕石屑である。高品質な砂を製造する砕石工場にお
いては、採取した岩石の数十%が砕石屑として排出され
る。
【0022】砂は、湿式で微細な粒子を分離してより高
品質なものとなる。微細な粒子を残らず分離できるから
である。湿式で砂を分離した砕石屑は水に分散されてい
るので、フィルタープレス等で水を分離する。水が分離
された砕石屑は、完全に乾燥された状態ではない。この
状態の砕石屑が流紋岩残渣と共に焼却灰に添加される
と、所定の形状に成形するのに好都合な状態となる。完
全に乾燥した砕石屑と流紋岩残渣と焼却灰を混合した成
形原料は成形することはできるが、この状態の粉末を成
形するためには、極めて高圧のプレスで加圧して成形す
る必要がある。焼却灰と砕石屑と流紋岩残渣を混合して
いる成形原料は、多少の水を添加して、焼きものの原料
を成形するように簡単に成形できる。したがって、砕石
屑には多量の水分を含有しているが、水分を除去するこ
となく焼却灰に添加混合して成形原料とすることができ
る。水分を含む成形原料は、成形された後に乾燥して焼
結炉に搬入される。
【0023】流紋岩残渣は、流紋岩を加工する工場で発
生する。山から採取された流紋岩は、色が大地に似てい
るので、石積みに使用して自然に近い景観の石材とな
る。この特長が生かされて、流紋岩は石積み用のブロッ
クや敷石として使用される。流紋岩の砕石工場では、採
取した流紋岩を所定の形状に加工する工程で多量の流紋
岩残渣が発生する。流紋岩は火山岩の一種であるが、火
山岩をシリカとアルカリの含有量で区分けすると図2に
示すようになる。この図に示すように、流紋岩は火山岩
の中ではシリカの含有量が最も多く、アルカリの含有量
も火山岩である玄武岩と安山岩とデイサイトに比較して
多く含まれている。シリカとアルカリ成分の多い流紋岩
は、酸化鉄と酸化マグネシウムの含有量が少ない。
【0024】流紋岩は、焼成して種々の形状に加工する
ことがある。焼成した流紋岩は、圧縮強度や曲げ強度が
著しく増加すると共に、耐候性が著しく改善されて硬く
なる。したがって、焼成した流紋岩は、高品質なブロッ
クや敷石に加工され、また、骨材用の砕石や砂にも加工
される。これ等の用途に加工するときにも、流紋岩残渣
が発生する。この流紋岩残渣は、焼成されて物性が変化
しているが、含有成分はそれほど変化しないので、焼却
灰と砕石屑に添加して使用できる。
【0025】流紋岩残渣は、種々の製品を製造する工程
でできる屑であるから、ほとんどの場合、砕石屑と同じ
ように粉末状である。したがって、そのままの状態で特
別に加工することなく、焼却灰と砕石屑に添加して焼結
できる。ただ、流紋岩残渣の粒径が大きすぎるときに
は、これを小さく破砕して、焼却灰と砕石屑に添加す
る。破砕される流紋岩残渣は、好ましくは平均粒径を焼
却灰と同じとし、あるいは焼却灰よりも小さくなるよう
に加工される。
【0026】原料調整工程において、焼却灰に所定量の
砕石屑と流紋岩残渣を添加、混合して成形原料とする。
成形原料は、好ましくは砕石屑と流紋岩残渣の含有量を
15〜90重量%とする。砕石屑の添加量を多くする
と、緻密で高強度の焼結固形物が製造できる。さらに、
平均粒径が小さい流紋岩残渣の添加量を多くしても、緻
密で高強度の焼結固形物が製造できる。焼却灰の添加量
を多くすると空隙が多くなって多孔質な焼結固形物とな
る。多孔質な焼結固形物は微生物担体としての用途に適
しており、緻密な焼結固形物は骨材に適している。
【0027】砕石屑と流紋岩残渣の添加量を50〜70
重量%として、焼却灰の添加量を50〜30重量%とす
る焼結固形物は、骨材としても、あるいは微生物担体と
しても使用でき、さらにブロック状に成形して種々の用
途にも使用できる。さらに、この混合率の焼結固形物
は、焼却灰に対して、砕石屑と流紋岩残渣の総量を等量
に、あるいは多量に発生している砕石屑と流紋岩残渣を
多少多く使用するので、都市ごみの焼却灰と砕石屑と流
紋岩残渣を有効に再利用しながらバランスよく廃棄でき
る特長がある。ただ、本発明は焼却灰と砕石屑と流紋岩
残渣の混合率を以上の割合には特定しない。
【0028】さらに、砕石屑と流紋岩残渣の混合率は、
用途を考慮して最適値とするが、砕石屑の添加量を多く
して流紋岩残渣の添加量を少なくすると、焼結された焼
結固形物が濃い赤色となり、反対に砕石屑の添加量を少
なくして流紋岩残渣の添加量を多くすると、焼結固形物
の赤色が薄くなる。流紋岩残渣と砕石屑の添加量は、用
途に最適な色となるように特定する。
【0029】成形原料は、成形工程で所定の形状に成形
される。成形原料は、固形状に成形できる程度に水を添
加する。水の添加量は、砕石屑や流紋岩残渣の水分率に
よって変化する。水の添加量は、成形原料を固形状に成
形して、成形した形状に保形できる程度に調整する。成
形原料は、成形型でプレス成形する方法においては、あ
らかじめ水を添加して成形する。ただ、成形原料を回転
しているトロンメルに供給して、転動させながら雪だる
まのように大きくして球形に成形する方法においては、
成形しながら成形原料に水を添加する。
【0030】成形原料は、用途によって、所定の粒状に
成形し、あるいは板状に成形し、あるいは又ブロック状
に成形する。粒状の固形物は、球形にあるいは形状が特
定されない種々の形状に成形する。粒状や板状に成形し
た固形物は、次の焼結工程で能率よく速やかに内部まで
焼結される。板状に焼結した固形物は、そのままの状態
でタイル等に使用して、あるいは焼結後に破砕して骨材
や微生物担体とする。
【0031】焼結工程において、成形して乾燥された固
形物が焼成炉に搬入される。焼成炉は、バッチ式に固形
物を酸化雰囲気で焼結し、あるいは連続炉として連続的
に固形物を酸化雰囲気で焼結する。焼結工程において固
形物は800〜1300℃、好ましくは850〜120
0℃、さらに好ましくは850〜1100℃で焼結され
る。固形物を焼結する温度が800℃よりも低いと強固
に焼結できない。砕石屑を充分に溶融して焼結できいな
からである。反対に固形物を焼結する温度が1300℃
よりも高くなると、ランニングコストが高くなる。ラン
ニングコストと焼結強度とを考慮すると、理想的な焼結
温度は約850〜1100℃である。固形物は数時間を
かけて焼結し、その後にゆっくりと冷却して焼成炉から
排出する。固形物が焼成炉に搬入されて排出されるまで
の時間は、10〜24時間、設定している焼成温度に加
熱して焼結させる時間は約1〜3時間である。
【0032】成形された原料を酸化雰囲気で焼結するの
は、焼結工程において、固形物の割れを少なくすると共
に、焼却灰と砕石屑と流紋岩残渣に含有される金属を安
定な酸化物の状態とし、さらに、焼却灰と砕石屑と流紋
岩残渣に含まれる鉄分でもって、表面を美しい赤色とす
るためである。
【0033】
【実施例】[実施例1] 以下の方法で、都市ごみの焼却灰から焼結固形物を製造
する。 原料調整工程 100重量部の都市ごみの焼却灰に、100重量部の砕
石屑と、100重量部の流紋岩残渣を添加して混合して
成形原料とする。焼却灰は破砕して平均粒径が1mmと
するものを使用する。砕石屑は砂岩を破砕して砕石と砂
を分離したものを使用し、流紋岩残渣は流紋岩を破砕し
て製品に加工したときに発生する残渣で平均粒径を1m
m以下とするものを使用する。砕石屑と流紋岩には、以
下の組成のものを使用する。成形原料は固形状に成形で
きるように水を添加する。
【0034】
【0035】 成形工程 成形原料を成形金型に入れて、直径が10mmである球
形にプレス成形する。その後、形成された成形原料を充
分に乾燥する。
【0036】 焼結工程 固形状に成形して乾燥した成形原料を焼成炉に搬入し、
炉内の温度をゆっくりと上昇させて900℃で4時間で
焼結し、その後ゆっくりと除冷して焼成炉から排出す
る。
【0037】以上の工程で製造された焼結固形物は、骨
材として充分な強度があり、しかも、下記の表1に示す
ように、有害物質の含有量が環境庁の基準値(環境庁告
示第46号)よりも低いもので、そのまま廃棄しても無
害なものであった。
【0038】
【表1】
【0039】[実施例2] 砕石屑として安山岩を破砕して砕石と砂を分離した砕石
屑を使用する以外、実施例1と同様にして焼結固形物を
製造する。製造された焼結固形物は、実施例1で製造さ
れた焼結固形物と同じように、骨材として充分な強度が
あり、有害物質の含有量も基準値以下のものであった。
【0040】[実施例3] 焼却灰としてフライアッシュを使用して、成形原料を厚
さが30mmである板状に成形して焼結し、焼結後に破
砕する以外、実施例1と同様にして焼結固形物を製造す
る。製造された焼結固形物は、骨材として充分な強度が
あり、しかも有害物質の含有量は基準値以下のものであ
った。
【0041】[実施例4] 成形原料をインターロッキングブロックの形状に成形
し、焼成温度を850℃して、焼成時間を6時間とする
以外は、実施例1と同様にして焼結固形物を製造する。
この方法で製造された焼結固形物は、インターロッキン
グブロックとして充分に使用できる強度を有し、しかも
有害物質の含有量も基準値以下のものであった。
【0042】[実施例5] 焼却灰としてフライアッシュを使用し、トロンメルを使
用して雪ダルマのように球形に成形する以外、実施例1
と同様にして焼結固形物を製造する。トロンメルで成形
する工程では、水溶性のバインダーを噴霧して球形に成
形した。この工程で製造された焼結固形物は、無数の空
隙のある多孔質なものとなり、微生物担体として有効に
使用できるものであった。
【0043】[実施例6] 100重量部の焼却灰に対して、50重量部の砕石屑と
50重量部の流紋岩残渣を混合して成形原料する以外、
実施例1と同様にして焼結固形物を製造する。この焼結
固形物も骨材として充分な強度があり、有害物質の含有
量も基準値以下のものであった。
【0044】[実施例7] 100重量部の焼却灰に対して、50重量部の砕石屑と
150重量部の流紋岩残渣を混合して成形原料する以
外、実施例1と同様にして焼結固形物を製造する。この
焼結固形物も骨材として充分な強度があり、有害物質の
含有量も基準値以下のものであった。さらに、この焼結
固形物は赤色が薄く、派手でない色に着色された焼結固
形物となった。
【0045】[実施例8] 成形原料として、100重量部の焼却灰であるフライア
ッシュと、10重量部の砕石屑と、200重量部の流紋
岩残渣とを使用し、この成形原料をトロンメルを使用し
て雪ダルマのように球形に成形する以外、実施例1と同
様にして焼結固形物を製造する。トロンメルで成形する
工程では、水を噴霧して球形に成形した。この工程で製
造された焼結固形物は、無数の空隙のある多孔質なもの
となり、微生物担体として有効に使用できるものであっ
た。さらに、この焼結固形物は流紋岩残渣の添加量が最
も多く、最も薄い赤色となった。
【0046】
【発明の効果】本発明は、都市ごみの焼却灰を低コスト
に焼結して、種々の用途に有効に再利用しながら廃棄で
きる特長がある。それは、本発明が都市ごみの焼却灰
に、岩石を破砕して砕石と砂を分離する工程で発生して
いる膨大な砕石屑を添加して焼結するからである。焼却
灰と砕石屑は、いずれも廃棄のために膨大な費用をかけ
ている。そして、廃棄する状態で決して有効に利用され
ないのが実状であった。本発明は、有効利用が極めて難
しく、しかもその発生量が極めて多い焼却灰と砕石屑の
両方を組み合わせることにより、焼却灰に含有されるダ
イオキシン等の有害物質を分解して無害な状態にしなが
ら、有効に再利用できる焼結固形物にできる特長があ
る。ダイオキシン等の有害物質が分解されるのは、高温
焼成させる工程で分解されるからである。とくに、本発
明はダイオキシン等の有害物質を分解するために焼成す
るのではなくて、焼却灰を焼結して有効に利用できる形
状に加工する焼結工程でダイオキシン等が分解されるの
で、有害物質を分解するための加熱工程を必要としな
い。
【0047】さらに、本発明は、焼却灰のみを加熱して
焼結するのではなくて、岩石の砕石工場で多量に発生し
ている砕石屑を添加して焼結するので、焼却灰のみを加
熱して焼結する温度に比較して低い温度で強固に焼結で
きる。このことは、焼結のエネルギーコストを低減する
ばかりでなく、製造された焼結固形物の用途を著しく拡
大する。焼結して無害な焼結固形物となっても、充分な
強度がないと用途が制限されるからである。
【0048】さらにまた、本発明は焼却灰と砕石屑に加
えて、流紋岩残渣も添加して焼結するので、製造された
焼結固形物の赤色を種々の用途に理想的な色に着色でき
る特長がある。それは、酸化鉄の含有量が多い砕石屑
と、酸化鉄の含有量が少ない流紋岩残渣の両方を都市ご
みの焼却灰に添加して焼結するので、砕石屑と流紋岩残
渣との比率を調整して、酸化鉄の含有量を最適値に調整
できるからである。焼結固形物は含有される酸化鉄によ
って赤色に着色されるが、酸化鉄の含有量が多いと赤色
が濃く、酸化鉄の含有量が少ないと赤色が薄くなる。焼
結固形物は、用途によっては濃い赤色に着色して極めて
美しい着色骨材等に使用され、他の用途においては、薄
くて自然に近いやさしい赤色として環境に適合した美し
い色に着色される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の都市ごみの焼却灰を焼結して
焼結固形物とする工程を示す図
【図2】火山岩をシリカとアルカリの含有量で区分けす
る図

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 都市ごみの焼却灰に、砕石と砂が除去さ
    れた砕石屑であって砂岩または安山岩の粉末である砕石
    屑に加えて、流紋岩を破砕してなる流紋岩残渣とを混合
    して固形状に焼結している都市ごみの焼却灰を焼結した
    焼結固形物。
  2. 【請求項2】 砕石屑と流紋岩残渣の含有量が15〜9
    0重量%である請求項1に記載される都市ごみの焼却灰
    を焼結した焼結固形物。
  3. 【請求項3】 焼却灰の平均粒径が100μm〜5mm
    である請求項1に記載される都市ごみの焼却灰を焼結し
    た焼結固形物。
  4. 【請求項4】 焼却灰の平均粒径が100μm〜5mm
    で、砕石屑と流紋岩残渣の平均粒径が1mm以下である
    請求項1に記載される都市ごみの焼却灰を焼結した焼結
    固形物。
  5. 【請求項5】 都市ごみの焼却灰がフライアッシュを含
    む請求項1に記載される都市ごみの焼却灰を焼結した焼
    結固形物。
  6. 【請求項6】 都市ごみの焼却灰に、岩石を破砕して砕
    石と砂が除去された砕石屑であって砂岩または安山岩の
    粉末である砕石屑に加えて、流紋岩を破砕した流紋岩残
    渣を混合して成形原料とする原料調整工程と、成形原料
    を所定の大きさの固形状に成形する成形工程と、成形さ
    れた固形物を焼成炉に搬入して焼結する焼結工程とから
    なる焼結固形物の製造方法。
  7. 【請求項7】 都市ごみの焼却灰に、岩石を破砕して砕
    石と砂が除去された砕石屑であって砂岩または安山岩の
    粉末である砕石屑に加えて、流紋岩を破砕した流紋岩残
    渣を混合して成形原料とする原料調整工程と、成形原料
    を所定の大きさの固形状に成形する成形工程と、成形さ
    れた固形物を焼成炉に搬入して焼結する焼結工程と、焼
    結された焼結体を破砕する破砕工程とからなる焼結固形
    物の製造方法。
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