JP2021183356A - 切削ブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】金属バリの残存を抑制することが可能な切削ブレードを提供する。【解決手段】金属電極を含む被加工物を切削する切削ブレード2であって、第1の側面6a及び第2の側面6bを含む複数の突起部6が外周部に設けられた環状の切り刃4を有し、切り刃4の径方向に対する第1の側面6aの傾斜角は、切り刃の径方向に対する第2の側面6bの傾斜角よりも小さく、切り刃4は、第1の側面6aが第2の側面6bよりも回転方向の前方に位置付けられるように回転した状態で、金属電極を切削する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属電極を含む被加工物を切削する切削ブレードに関する。
デバイスチップの製造工程では、互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)によって区画された複数の領域にそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスが形成されたウェーハが用いられる。このウェーハを分割予定ラインに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。デバイスチップは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に搭載される。
ウェーハの分割には、切削装置が用いられる。切削装置は、ウェーハを保持するチャックテーブルと、ウェーハを切削する環状の切削ブレードが装着される切削ユニットとを備えている。切削ユニットに装着された切削ブレードを回転させてウェーハに切り込ませることにより、ウェーハが切削され、分割される。
なお、切削ブレードは汎用性が高く、様々な種類の被加工物を切削できる。例えば、所定の基板上に複数のデバイスチップを実装し、デバイスチップを樹脂でなる封止材(モールド樹脂)で被覆することにより、パッケージ基板が形成される。このパッケージ基板を切削ブレードで切削して分割することにより、複数のデバイスチップがパッケージ化されたパッケージデバイスが製造される(特許文献1参照)。また、内部に電極が形成された複数の貫通孔(スルーホール)を備える基板を切削ブレードによって分割することにより、誘電体フィルタ等の部品が搭載される複数の単位基板が得られる(特許文献2参照)。
特開2011−114145号公報 特開平10−126034号公報
切削ブレードによって加工される被加工物には、被加工物に形成されたデバイスを構成する金属電極(導電膜)や、被加工物の分割後に接続電極として機能する金属電極等が含まれることがある。そして、被加工物の分割予定ライン上に金属電極が形成されている場合には、被加工物とともに金属電極が切削ブレードによって切削される。
ここで、切削ブレードが金属電極に接触すると、金属電極が切削ブレードの回転によって引き延ばされ、金属でなる髭状のバリ(金属バリ)が発生する。この金属バリは、加工後の被加工物に残存して隣接する金属電極間の短絡(ショート)を生じさせることがあり、被加工物の分割によって得られる個片(デバイスチップ、パッケージデバイス、単位基板等)の品質低下の原因となる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、金属バリの残存を抑制することが可能な切削ブレードの提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、金属電極を含む被加工物を切削する切削ブレードであって、第1の側面及び第2の側面を含む複数の突起部が外周部に設けられた環状の切り刃を有し、該切り刃の径方向に対する該第1の側面の傾斜角は、該切り刃の径方向に対する該第2の側面の傾斜角よりも小さく、該切り刃は、該第1の側面が該第2の側面よりも回転方向の前方に位置付けられるように回転した状態で、該金属電極を切削する切削ブレードが提供される。
なお、好ましくは、隣接する該突起部の先端間の距離は、3mm以上であり、隣接する該突起部の先端を結ぶ直線と該第2の側面との間の角度は、5°以上34°以下である。また、好ましくは、該切り刃の外径は、50mm以上78mm以下であり、該切り刃の厚さは、0.03mm以上0.35mm以下である。
本発明の一態様に係る切削ブレードは、第1の側面及び第2の側面を含む複数の突起部が外周部に設けられた切り刃を備える。そして、切り刃は、第1の側面が第2の側面よりも回転方向の前方に位置付けられるように回転した状態で、被加工物に含まれる金属電極を切削する。これにより、金属電極で発生した金属バリが除去されやすくなり、被加工物の分割によって得られる個片に金属バリが残存することを抑制できる。
図1(A)は切削ブレードを示す正面図であり、図1(B)は切り刃の外周部の一部を拡大して示す正面図である。 切削装置を示す斜視図である。 切削ユニットを示す分解斜視図である。 図4(A)は被加工物を示す斜視図であり、図4(B)は被加工物の一部を拡大して示す斜視図である。 チャックテーブルによって保持された被加工物を示す正面図である。 複数の単位基板に分割された被加工物の一部を拡大して示す斜視図である。 金属バリのサイズを示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る切削ブレードの構成例について説明する。図1(A)は、環状の切削ブレード2を示す正面図である。
切削ブレード2は、環状の切り刃4によって構成されるワッシャータイプの切削ブレードである。切り刃4は、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN:cubic Boron Nitride)等でなる砥粒を、金属、セラミックス、樹脂等でなる結合材で固定することによって形成される。切り刃4の中央部には、切り刃4を厚さ方向に貫通する円形の開口4aが設けられている。
切り刃4の外周部には、切り刃4の径方向(切り刃4の中心Oと外周縁とを結ぶ直線と平行な方向)の外側に向かって突出する鋸刃状の複数の突起部(凸部)6が設けられている。複数の突起部6は、互いに概ね同一の形状に形成され、切り刃4の周方向に沿って概ね等間隔に配列されている。
突起部6の形成方法に制限はない。例えば、外周部が鋸刃状に形成された金型を用いて、砥粒と結合材とを含む混合物を焼成及び成形することにより、複数の突起部6を備える切り刃4が製造される。また、環状の切り刃4を製造した後、切り刃4に対して放電加工や研削加工を施すことにより、複数の突起部6を形成してもよい。
図1(B)は、切り刃4の外周部の一部を拡大して示す正面図である。突起部6は、切り刃4の厚さ方向と概ね平行な第1の側面6a及び第2の側面6bを含む。第1の側面6aの先端(切り刃4の径方向外側の端辺)と第2の側面6bの先端(切り刃4の径方向外側の端辺)とは互いに接続されており、突起部6の先端(突起部6の正面視における頂点)を構成している。すなわち、突起部6は正面視で三角形状に形成されている。
なお、切り刃4の径方向に対する第1の側面6aの傾斜角は、切り刃4の径方向に対する第2の側面6bの傾斜角よりも小さい。すなわち、突起部6は、第1の側面6aが第2の側面6bよりも切り立った状態となるように形成される。例えば、第1の側面6aは切り刃4の径方向と平行に形成され(傾斜角=0°)、第2の側面6bは切り刃4の径方向に対して傾斜するように形成される(傾斜角α>0°)。
切り刃4の寸法は、突起部6の数及び形状、切削ブレード2による切削加工の対象となる被加工物の材質、被加工物の切削ブレード2によって切削される領域(被加工領域)の形状及び寸法、切削加工の条件等に応じて適宜設定される。例えば、切り刃4の外径(複数の突起部6の頂点を結ぶ円の直径)は50mm以上78mm以下、切り刃4の厚さは0.03mm以上0.35mm以下に設定できる。
また、図1(B)では、隣接する突起部6の先端間の距離をa、第1の側面6aの長さ(高さ)をb、隣接する突起部6の先端を結ぶ直線と第2の側面6bとの間の角度をθで示している。例えば角度θは、0°よりも大きく且つ45°未満、好ましくは5°以上34°以下、より好ましくは14°以上27以下に設定できる。
切り刃4は、図1(A)に矢印Aで示す方向に回転しながら被加工物に切り込み、被加工物を切削する。すなわち、切り刃4は、各突起部6において第1の側面6aが第2の側面6bよりも回転方向の前方に位置付けられるように回転する。
切削ブレード2は、被加工物を切削する切削装置に装着される。図2は、切削装置10を示す斜視図である。なお、図2において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向、左右方向)とY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向、前後方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(鉛直方向、上下方向、高さ方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
切削装置10は、切削装置10を構成する各構成要素を支持する基台12を備える。基台12の上側には、基台12の上面側を覆うカバー14が設けられている。カバー14の内部には、被加工物の加工が行われる空間(加工領域)が形成されており、加工領域内には切削ブレード2が装着される切削ユニット16が配置されている。切削ユニット16はボールねじ式の移動機構(不図示)に接続されており、この移動機構は切削ユニット16をY軸方向及びZ軸方向に沿って移動させる。
図3は、切削ユニット16を示す分解斜視図である。切削ユニット16は、移動機構(不図示)に固定された筒状のハウジング30を備える。ハウジング30には、Y軸方向に沿って配置された円筒状のスピンドル32が収容されている。スピンドル32の先端部(一端側)はハウジング30から露出しており、スピンドル32の基端部(他端側)にはモータ等の回転駆動源(不図示)が接続されている。また、スピンドル32の先端部には開口32aが設けられ、開口32aの内壁にはねじ部32bが設けられている。
スピンドル32の先端部には、切削ブレード2が装着されるマウント34が固定される。マウント34は、円盤状のフランジ部36と、フランジ部36の表面36aから前方に突出する円筒状の支持軸(ボス部)38とを含む。また、マウント34には、フランジ部36及び支持軸38の中央部を貫通する開口34aが設けられている。固定ボルト40を、マウント34の開口34aを介してスピンドル32の開口32aに挿入し、ねじ部32bに締め付けることにより、マウント34がスピンドル32の先端部に固定される。
フランジ部36の外周部の表面36a側には、表面36aから突出する環状の凸部36bが、フランジ部36の外周縁に沿って設けられている。凸部36bの先端面は表面36aと概ね平行に形成されており、切削ブレード2を支持する支持面を構成する。また、支持軸38の外周面にはねじ部38aが形成されている。
マウント34には、金属等でなる環状のフランジ(押さえフランジ)42が装着される。フランジ42の中央部には、フランジ42を厚さ方向に貫通する開口42aが設けられている。
切削ブレード2を構成する切り刃4の開口4aと、フランジ42の開口42aとにマウント34の支持軸38を順に挿入すると、切削ブレード2及びフランジ42がマウント34に装着される。この状態で、環状の固定ナット44を支持軸38のねじ部38aに螺合させて締め付けると、切削ブレード2及びフランジ42がマウント34に固定される。これにより、切削ブレード2がフランジ部36とフランジ42とによって挟持され、スピンドル32の先端部に固定される。
スピンドル32の先端部に切削ブレード2が装着された状態で、スピンドル32に連結された回転駆動源によってスピンドル32を回転させると、切削ブレード2がY軸方向と概ね平行な回転軸の周りを所定の回転数で回転する。
ハウジング30の前面側には、マウント34に装着された切削ブレード2を覆うブレードカバー46が設けられている。ブレードカバー46は、ハウジング30の前面側に固定された本体部48と、本体部48に対してX軸方向にスライド可能なスライドカバー50とを備える。
スライドカバー50は、エアシリンダ52を介して本体部48に連結されている。本体部48に設けられた連結具54にエアーを供給すると、スライドカバー50がエアシリンダ52の長さ方向に沿ってスライドする。切削ブレード2をスピンドル32の先端部に装着した後、スライドカバー50を本体部48側にスライドさせてブレードカバー46を閉状態とすることにより、切削ブレード2がブレードカバー46に収容される。
また、スライドカバー50には、切削ブレード2の下部を挟むように配置された一対のノズル56が設けられている。このノズル56の先端部には、切削ブレード2に向かって開口する複数のスリット(不図示)が設けられている。スライドカバー50に設けられた連結具58に純水等の液体(切削液)を供給すると、切削液は一対のノズル56に流入し、ノズル56のスリットから切削ブレード2の表裏面側に向かって供給される。
さらに、本体部48には切削ブレード2に切削液を供給するための供給路(不図示)が設けられている。供給路の一端側は本体部48に設けられた連結具60と接続され、供給路の他端側は切削ブレード2の外周部に向かって開口している。連結具60に切削液を供給すると、切削液は供給路を介して切削ブレード2の外周部に供給される。
図2に示すように、切削ユニット16の下方には、被加工物を保持するチャックテーブル(保持テーブル)18が設けられている。チャックテーブル18の上面は、被加工物を保持する平坦な保持面18aを構成している。保持面18aは、チャックテーブル18の内部に形成された吸引路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。被加工物がチャックテーブル18上に配置された状態で、保持面18aに吸引源の負圧を作用させると、被加工物がチャックテーブル18によって吸引保持される。
なお、チャックテーブル18にはボールねじ式の移動機構(不図示)が接続されており、この移動機構はチャックテーブル18をX軸方向に沿って移動させる。また、チャックテーブル18にはモータ等の回転駆動源(不図示)が接続されており、この回転駆動源はチャックテーブル18をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させる。
基台12の前方側の角部には、カセット台20が設置されている。そして、カセット台20の上面上には、切削装置10による加工の対象となる被加工物を収容可能なカセット22が載置される。なお、カセット台20にはカセット台20を昇降させる昇降機構(不図示)が接続されており、この昇降機構は、カセット22からの被加工物の搬出及びカセット22への被加工物の搬入が適切に行われるように、カセット22の高さ(Z軸方向における位置)を調整する。
カセット台20の近傍には、被加工物を搬送する搬送機構(不図示)が設けられている。この搬送機構は、カセット22に収容された加工前の被加工物をチャックテーブル18上に搬送するとともに、切削ユニット16によって加工された被加工物をカセット22に収容する。
カバー14の前面14a側には、切削装置10に関する情報を表示する表示部(表示ユニット)24が設けられている。表示部24は、チャックテーブル18によって保持された被加工物の画像や、被加工物の加工に関する情報(加工条件等)を表示する。
例えば表示部24は、タッチパネル式のディスプレイによって構成される。この場合、表示部24がユーザーインタフェースとして機能し、オペレーターは表示部24のタッチ操作によって切削装置10に加工条件等の情報を入力できる。すなわち、表示部24は切削装置10に情報を入力するための入力部(入力ユニット)としても機能する。ただし、入力部は表示部24とは別途独立して設けられていてもよい。この場合、入力部は、キーボード、マウス等によって構成される。
切削装置10を構成する各構成要素(切削ユニット16、切削ユニット16に接続された移動機構、チャックテーブル18、チャックテーブル18に接続された移動機構及び回転駆動源、カセット台20、搬送機構、表示部24等)は、制御部(制御ユニット、不図示)に接続されている。この制御部よって、切削装置10の各構成要素の動作が制御される。
例えば制御部は、コンピュータによって構成され、切削装置10の稼働に必要な演算等の処理を行う処理部と、処理部による処理に用いられる各種のデータ、プログラム等が記憶される記憶部とを備える。処理部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、主記憶装置、補助記憶装置等を構成する各種のメモリを含んで構成される。
カセット22に収容された被加工物は、搬送機構によってチャックテーブル18上に搬送され、チャックテーブル18によって保持される。そして、切削ユニット16は、チャックテーブル18によって保持された被加工物を切削ブレード2で切削する。加工後の被加工物は、搬送機構によって搬送され、カセット22に収容される。
図4(A)は、切削ブレード2によって切削される被加工物11を示す斜視図である。例えば被加工物11は、平面視で矩形状に形成された板状のプリント基板であり、互いに概ね平行な表面11a及び裏面11bを備える。
被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)13によって複数のチップ搭載領域11cに区画されている。被加工物11を切削ブレード2によって分割予定ライン13に沿って切削することにより、被加工物11が複数の単位基板に分割され、チップ搭載領域11cが個片化される。
また、被加工物11には、被加工物11を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔(スルーホール)15が設けられている。例えば貫通孔15は、表面11aから裏面11bに至る円柱状に形成され、分割予定ライン13に沿って配列されている。
図4(B)は、被加工物11の一部を拡大して示す斜視図である。貫通孔15の内側には、銅等でなる金属電極17が設けられている。例えば金属電極17は、貫通孔15の内壁を覆うように中空の円柱状に形成される。この金属電極17は、後の工程でチップ搭載領域11cに搭載されるチップに接続される接続電極として機能する。
上記の被加工物11は、カセット22(図2参照)に収容され、切削ブレード2によって切削される。ただし、切削ブレード2による切削加工の対象となる被加工物11の種類、材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11は、半導体(Si、GaAs、InP、GaN、SiC等)、サファイア、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなるウェーハであってもよい。
例えばウェーハは、格子状に配列された複数の分割予定ラインによって複数の領域に区画されており、この領域にはそれぞれ、IC、LSI等のデバイスが形成されている。切削ブレード2でウェーハを分割予定ラインに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。
なお、ウェーハの分割予定ライン上には、デバイスを構成する金属電極(導電膜)の一部や、金属電極を含むTEG(Test Element Group)等が設けられていることがある。この場合には、切削ブレード2によって金属電極がウェーハとともに切削される。
また、被加工物11は、CSP(Chip Size Package)基板、QFN(Quad Flat Non-leaded package)基板等のパッケージ基板であってもよい。例えばパッケージ基板は、複数のデバイスチップを所定の基板上に実装した後、実装されたデバイスチップを樹脂層(モールド樹脂)で被覆することによって形成される。切削ブレード2でパッケージ基板を分割予定ラインに沿って分割することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップを備えるパッケージデバイスが製造される。
なお、パッケージ基板の分割予定ライン上には、デバイスチップと接続された金属電極(接続電極)が設けられていることがある。この場合には、切削ブレード2によって金属電極がパッケージ基板とともに切削される。
被加工物11は、切削装置10のチャックテーブル18によって保持され、切削ブレード2によって切削される。図5は、チャックテーブル18によって保持された被加工物11を示す正面図である。
切削ブレード2で被加工物11を切削する際には、まず、被加工物11が支持部材19によって支持される。支持部材19は、例えば被加工物11と同じ材質でなる板状の部材であり、被加工物11の裏面11b側の全体を覆うことが可能な大きさに形成される。そして、被加工物11は接着剤等によって支持部材19に固定される。
ただし、支持部材19は被加工物11を支持可能であれば制限はない。例えば支持部材19は、被加工物11の裏面11b側に貼付されるテープ(ダイシングテープ)であってもよい。このテープは、フィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを含む。例えば、基材はポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなり、粘着層はエポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層には紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂を用いてもよい。
そして、被加工物11は、表面11a側が上方に露出し、裏面11b側(支持部材19側)が保持面18aに対向するように、チャックテーブル18上に配置される。この状態で保持面18aに吸引源の負圧を作用させると、被加工物11が支持部材19を介してチャックテーブル18によって吸引保持される。
次に、切削ブレード2と被加工物11との位置合わせを行う。具体的には、まず、一の分割予定ライン13の長さ方向とX軸方向とが概ね平行になるように、チャックテーブル18を回転させる。また、切削ブレード2の下端が被加工物11の裏面11bよりも下方に配置されるように、切削ユニット16(図2参照)の高さを調整する。さらに、切削ブレード2が一の分割予定ライン13の延長線上に配置されるように、切削ユニット16のY軸方向における位置を調整する。
そして、切削ブレード2を回転させつつ、チャックテーブル18をX軸方向に沿って移動させる。これにより、切削ブレード2とチャックテーブル18とがX軸方向に沿って相対的に移動し(加工送り)、切削ブレード2が分割予定ライン13に沿って被加工物11に切り込む。その結果、被加工物11が一の分割予定ライン13に沿って切断される。
その後、同様の手順を繰り返し、全ての分割予定ライン13に沿って被加工物11を切削する。これにより、被加工物11が複数の単位基板に分割され、チップ搭載領域11cが個片化される。
図6は、複数の単位基板21に分割された被加工物11の一部を拡大して示す斜視図である。切削ブレード2で被加工物11を分割予定ライン13に沿って切削すると、被加工物11とともに、貫通孔15の内側に形成された金属電極17も切削される。その結果、単位基板21の側面(切削ブレード2による切削によって形成された切り口)で金属電極17の一部が露出する。
なお、切削ブレード2によって金属電極17が切削されると、金属電極17が切削ブレード2の回転によって引き延ばされ、金属電極17と同じ材質でなる髭状のバリ(金属バリ)が発生する。そして、金属バリの一部は、金属電極17から分割予定ライン13と平行な方向(図6に矢印Cで示す方向)に沿って進展するように形成される。
単位基板21に金属バリが残存すると、金属バリが隣接する金属電極17に接触して短絡(ショート)が生じるおそれがある。そのため、単位基板21には金属バリを極力残存させないことが好ましい。
ここで、本実施形態においては、切削ブレード2で金属電極17を切削する際、切り刃4は第1の側面6aが第2の側面6bよりも回転方向の前方に位置付けられるように回転する(図1(A)及び図5参照)。このとき、金属電極17の切削によって生じた金属バリが、突起部6の第1の側面6aによって引っ張られて断裂し、金属電極17から除去される。これにより、単位基板21に金属バリが残存しにくくなる。
例えば図5で示すように、切削ブレード2を矢印Aで示す方向に回転させつつ、チャックテーブルを矢印Bで示す方向に移動させる。この場合、切削ブレード2が被加工物11の表面11a側から裏面11b側に向かって切り込む、所謂ダウンカットが行われる。そして、金属電極17から進展するように形成された金属バリが、切削ブレード2の第1の側面6a(図1(A)及び図1(B)参照)によってすくい上げられ、金属電極17から除去される。
なお、切削ブレード2で金属電極17を切削する際は、隣接する突起部6の先端間の距離a(図1(B)参照)が大きいほど、切削ブレード2にかかる負荷(切削抵抗)が小さくなる。これにより、切削加工時における金属電極17の発熱が抑制され、金属バリの発生が抑制されることが確認されている。例えば、距離aを2mmよりも大きく、好ましくは3mm以上に設定することにより、金属バリの発生を効果的に抑制できる。
被加工物11の分割によって得られた単位基板21には、LED(Light Emitting Diode)等のチップが搭載される。このとき、チップに含まれる電極が、単位基板21から露出する金属電極17に接続される。すなわち、金属電極17は単位基板21にチップを実装する際の接続電極として機能する。
以上の通り、本実施形態に係る切削ブレード2は、第1の側面6a及び第2の側面6bを含む複数の突起部6が外周部に設けられた切り刃4を備える。そして、切り刃4は、第1の側面6aが第2の側面6bよりも回転方向の前方に位置付けられるように回転した状態で、被加工物11に含まれる金属電極17を切削する。これにより、金属電極17で発生した金属バリが除去されやすくなり、金属バリに起因する不良の発生が抑制される。その結果、被加工物11の分割によって得られる個片(デバイスチップ、パッケージデバイス、単位基板等)の品質低下が抑制される。
次に、本実施形態に係る切削ブレード2によって切削された被加工物11を評価した結果について説明する。本評価では、貫通孔15の内側に金属電極17が形成された被加工物11(図4(A)及び図4(B)参照)を切削ブレード2で切削し、切削後の被加工物11に残存した金属バリのサイズを測定した。
被加工物11としては、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含侵させることによって形成した矩形状のガラスエポキシ基板(長さ78mm、幅62mm、厚さ0.8mm)を用いた。この基板は、分割予定ライン13に沿って配列された複数の貫通孔15と、貫通孔15の内壁を覆う円柱状の金属電極17とを有するものである(図4(B)参照)。なお、貫通孔15の間隔は0.5mm、貫通孔15の直径は0.2mm、貫通孔15の内部における金属電極17の厚さは0.03mmとした。
被加工物11の切削には、第1の側面6a及び第2の側面6bを含む複数の突起部6が外周部に形成された切り刃4を備える切削ブレード2を用いた(図1(A)及び図1(B)参照)。なお、本評価では、角度θ(図1(B)参照)が5°、14°、27°、34°、45°である5種類の切削ブレード2を用いた。なお、θ=5°、14°の切削ブレード2の距離a(図1(B)参照)の値は6mmとし、θ=27°、34°、45°の切削ブレード2の距離aの値は3mmとした。さらに本評価では、突起部6を有しない切削ブレード2(θ=0°)を比較例として用いた。
切り刃4の厚さは0.05mm、外径は58mm、内径(開口4aの直径)は40mmとした。また、切り刃4に含まれる砥粒には、粒度#1200のダイヤモンドを用い、砥粒の集中度は60とした。
そして、スピンドル32(図3参照)の回転数(切削ブレード2の回転数)を30000rpm、加工送り速度を50mm/secに設定し、6種類の切削ブレード2(θ=0°、5°、14°、27°、34°、45°)でそれぞれ被加工物11を分割予定ライン13に沿って切削した。そして、切削後の被加工物11の分割予定ライン13から10本をランダムに選択し、選択された分割予定ライン13に沿って形成されている切り口で露出する金属電極17を観察し、金属電極17から進展する金属バリのサイズを測定した。なお、金属バリのサイズは、分割予定ライン13の長さ方向(図6に矢印Cで示す方向)における金属のバリの長さとした。
そして、6種類の切削ブレード2によって切削された6枚の被加工物11のそれぞれについて、最もサイズの大きい(長い)金属バリのサイズを記録した。図7は、金属バリのサイズ(最大値)を示すグラフである。
図7に示すように、θが5°以上の切削ブレード2によって被加工物11を切削した場合には、突起部6がない切削ブレード2(θ=0°)を用いた場合と比較して、被加工物11に残存する金属バリのサイズが低減された。ただし、θ=45°の切削ブレード2を用いた場合には、被加工物11に比較的サイズの大きい金属バリ(23μm)が残存した。この結果から、θは0°より大きく且つ45°未満、より具体的には5°以上34°以下に設定することが好ましいことが分かる。
また、θ=14°、27°の切削ブレード2を用いた場合には、加工後の被加工物11に金属バリが観察されず(金属バリのサイズが0μm)、金属バリの発生が極めて効果的に抑制されていることが確認された。これより、θは14°以上27°以下に設定することが特に好ましいことが分かる。
このように、金属電極17を含む被加工物11を切削する際は、複数の突起部6を含む切削ブレード2を用い、突起部6のθを適切に設定することにより、金属バリの残存が効果的抑制されることが確認された。
なお、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面
11b 裏面
11c チップ搭載領域
13 分割予定ライン(ストリート)
15 貫通孔(スルーホール)
17 金属電極
19 支持部材
21 単位基板
2 切削ブレード
4 切り刃
4a 開口
6 突起部
6a 第1の側面
6b 第2の側面
10 切削装置
12 基台
14 カバー
14a 前面
16 切削ユニット
18 チャックテーブル(保持テーブル)
18a 保持面
20 カセット台
22 カセット
24 表示部(表示ユニット)
30 ハウジング
32 スピンドル
32a 開口
32b ねじ部
34 マウント
34a 開口
36 フランジ部
36a 表面
36b 凸部
38 支持軸(ボス部)
38a ねじ部
40 固定ボルト
42 フランジ(押さえフランジ)
42a 開口
44 固定ナット
46 ブレードカバー
48 本体部
50 スライドカバー
52 エアシリンダ
54 連結具
56 ノズル
58 連結具
60 連結具

Claims (3)

  1. 金属電極を含む被加工物を切削する切削ブレードであって、
    第1の側面及び第2の側面を含む複数の突起部が外周部に設けられた環状の切り刃を有し、
    該切り刃の径方向に対する該第1の側面の傾斜角は、該切り刃の径方向に対する該第2の側面の傾斜角よりも小さく、
    該切り刃は、該第1の側面が該第2の側面よりも回転方向の前方に位置付けられるように回転した状態で、該金属電極を切削することを特徴とする切削ブレード。
  2. 隣接する該突起部の先端間の距離は、3mm以上であり、
    隣接する該突起部の先端を結ぶ直線と該第2の側面との間の角度は、5°以上34°以下であることを特徴とする請求項1記載の切削ブレード。
  3. 該切り刃の外径は、50mm以上78mm以下であり、
    該切り刃の厚さは、0.03mm以上0.35mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の切削ブレード。
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