JP2021182855A - 集中ジョイント部、ワイヤハーネス、集中ジョイント部の製造方法 - Google Patents

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裕文 河中
Hirofumi Kawanaka
宏和 高橋
Hirokazu Takahashi
拓郎 山田
Takuo Yamada
良樹 生沼
Yoshiki Ikunuma
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Abstract

【課題】 導線の防水性を確保しつつ、低コストで製造することが可能な集中ジョイント部等を提供する。【解決手段】 ワイヤハーネス1は、複数の被覆導線5が集合して接合された集中ジョイント部3を有する。集中ジョイント部3では、被覆部7から露出する導線9同士が接合される。被覆部7から露出する導線9は、導線一体化部17を含め、全て樹脂11で被覆される。集中ジョイント部3においては、樹脂11は、導線9の先端部において大径部13が形成される。大径部13は、少なくとも先端側が略半球状である。また、大径部13よりも被覆部7側に小径部15が形成される。小径部15は、大径部13よりも径が小さい部位である。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車等に用いられる多数本の電線の集中ジョイント部、これを含むワイヤハーネス及びその製造方法に関するものである。
自動車等に用いられるワイヤハーネスは、複数本の電線が接合されて用いられる。複数の電線を接続する方法の1つとして、集中ジョイントと呼ばれる方法が採用されている。この集中ジョイントは、簡単に複数の電線を接合できることから、自動車用のワイヤハーネス等で広く用いられている。
この集中ジョイントによって電線を接続した場合、その接合部では導体が剥き出しとなるので、絶縁及び保護のために、例えば樹脂製の集中ジョイントキャップ(以下単にキャップと称することがある)を接合部に被せることが行われている。例えば、複数本の電線がキャップに挿入され、テープによってキャップに固定される。このようにして複数の電線が集合された集中ジョイント部の止水性を確保するために、複数本の電線の先端がキャップに挿入された状態で、キャップ内にシリコーンゴムが充填されて止水構造が形成される方法が提案されている(特許文献1)。
特開2003−9334号公報
特許文献1の方法では、キャップは、集中ジョイント部を外部の衝撃等から効果的に保護するため、例えば硬質の樹脂で形成される。しかし、テープで電線に固定される部分が硬質であると、その部分の電線の柔軟性が低下することになり、電線の配索の自由度が低下する要因となる。また、従来のキャップでは、電線束の径の違いに応じて異なる種類のキャップを多数用意する必要があり、部品を共通化してコストを削減するという観点から改善が求められていた。
一方、キャップを用いずに、被覆除去部を液状の紫外線硬化樹脂で覆い、この状態で樹脂を硬化させることで、止水性を確保する方法が考えられる。しかし、被覆除去部の一部が溶接などにより一体化されていても、電線先端部まで溶接一体化されていない場合、電線の先端部に素線のばらけが生じる恐れがある。そのような状態で紫外線硬化樹脂を塗布して硬化させても、電線の先端のばらけた素線には十分な樹脂膜厚を形成することが困難である。このため、車載時に塩水などの電解液が樹脂の内部へ浸透し、導体部の腐食につながる懸念があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、導線の防水性を確保しつつ、低コストで製造することが可能な集中ジョイント部等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、導線と、前記導線を被覆する被覆部とからなる被覆導線が、複数接合された集中ジョイント部であって、複数の前記被覆導線の先端部において、前記被覆部が剥離されて前記導線が露出し、それぞれの前記導線同士が接合され、前記被覆部から露出する前記導線が樹脂で被覆されており、前記樹脂は、前記導線の先端部において、先端が略半球状の大径部と、前記大径部の前記被覆部側に形成され、前記大径部よりも径が小さい小径部とを有することを特徴とする集中ジョイント部である。
前記大径部の平均直径が、前記小径部の平均直径よりも100μm以上大きいことが望ましい。
前記大径部における前記樹脂の平均厚みが、200μm以上であることが望ましい。
前記樹脂の硬化後のショアD硬度が40〜80であることが望ましい。
前記樹脂がシリコーン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリイミド系、アクリルゴム系のうち少なくとも1種類から選ばれる樹脂であることが望ましい。
前記樹脂が、紫外線硬化樹脂、湿気硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂、熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1種類から選ばれる樹脂であることが望ましい。
前記導線は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金のうち、少なくとも1種類から選ばれることが望ましい。
前記導線の少なくとも一部が溶接で一体化されていることが望ましい。
第1の発明によれば、集中ジョイント部の端部近傍において、導線を被覆する樹脂が、先端が略半球状の大径部と、大径部の被覆部側に形成される小径部とからなるため、先端での導線のばらけが生じた場合でも、キャップを用いることなく確実に導線を樹脂で被覆することができる。
また、大径部の平均直径を小径部の平均直径よりも100μm以上大きくすることで、前述した導線の先端のばらけを確実に被覆するとともに、先端部以外の樹脂の過剰な被覆を減らして、コストを低減することができる。
また、大径部における樹脂の平均厚みが、200μm以上であれば、導線の先端部を確実に保護することができる。
また、樹脂の硬化後のショアD硬度が40〜80であれば、ゴム質で柔らかいため、集中ジョイント部を外部の衝撃等から効果的に保護することができる。
また、樹脂がシリコーン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリイミド系又はアクリルゴム系の樹脂であれば、製造性が良好であり、防水性を確保することができる。
また、樹脂が、紫外線硬化樹脂、湿気硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂又は熱硬化性樹脂であれば、製造性が良好である。
なお、導線としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金から選択することができ、これらを混合してもよい。この場合でも、確実に導線の先端まで樹脂で被覆することができるため、異なる金属の接触による異種金属間腐食を抑制することができる。
また、導線の少なくとも一部が溶接で一体化されていれば、確実に導線同士を一体化することができる。この際、リング等を用いずに一体化することで、リングに導線を挿通する際に、導線の先端部がばらけることを抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明にかかる集中ジョイント部を具備することを特徴とするワイヤハーネスである。
第2の発明によれば、多数の被覆導線が接合され、導線部が防食されたワイヤハーネスを得ることができる。
第3の発明は、導線と、前記導線を被覆する被覆部とからなる複数の被覆導線の前記導線同士を接合する工程と、前記導線の先端側を下方に向けて、樹脂に浸漬する工程と、前記導線を引き上げた状態で所定時間保持し、前記樹脂を流下させる工程と、前記導線の先端部において、前記導線を被覆する前記樹脂の先端が略半球状の大径部となり、前記大径部の前記被覆部側において、前記大径部よりも径が小さい小径部となった状態で、前記樹脂を硬化させる工程と、を具備することを特徴とする集中ジョイント部の製造方法である。
前記導線を引き上げた状態で、前記導線の先端部における前記樹脂の径をモニタリングして、前記大径部が所定のサイズになるまで保持し、前記大径部が所定のサイズになった後に前記樹脂を硬化させてもよい。
第3の発明によれば、導線を引き上げた状態で所定時間保持して、樹脂を流下させる工程を設けることで、導線の先端部において先端が略半球状の大径部を形成するとともに、大径部の被覆部側に小径部を形成することができる。この状態で、樹脂を硬化させることで、先端部の導線を確実に被覆することができる。
また、導線を引き上げた状態で、導線の先端部における樹脂の径をモニタリングして、所定の大径部が形成された状態で硬化させることで、確実に、樹脂先端部のサイズを一定にすることができる。
本発明によれば、導線の防水性を確保しつつ、低コストで製造することが可能な集中ジョイント部等を提供することができる。
ワイヤハーネス1を示す図。 ワイヤハーネス1の先端部を示す拡大図。 ワイヤハーネス1の製造工程を示す図。 保持工程における樹脂の流下状態を示す概念図。 集中ジョイント部3の試験方法を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、ワイヤハーネス1を示す斜視図であり、図2は、ワイヤハーネス1の集中ジョイント部3近傍の拡大図である。なお、図1は、樹脂11を透視した図である。
被覆導線5は、導線9と、導線9を被覆する被覆部7からなる。導線9は、例えば、複数の素線が撚り合わせられた撚り線である。導線9の材質は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金のうち、少なくとも1種類から選ばれる。複数の被覆導線5のそれぞれの先端部において、所定長さの被覆部7が剥離されて導線9が露出する。
ワイヤハーネス1は、複数の被覆導線5が集合して接合された集中ジョイント部3を有する。集中ジョイント部3では、前述したように被覆部7から露出する導線9同士が接合される。導線9同士の接合は、例えばリング部材などを用いてもよいが、導線9の少なくとも一部を溶接で一体化して、導線一体化部17を形成することが望ましい。なお、集中ジョイント部3を構成する被覆導線5の本数や形態は、図示した例には限られない。
被覆部7から露出する導線9は、導線一体化部17を含め、全て樹脂11で被覆される。すなわち、導線9は全体が樹脂11で被覆され、樹脂11から導線9は外部に露出することはない。
次に、樹脂11の形態について詳細に説明する。図2に示すように、集中ジョイント部3においては、樹脂11は、導線9の先端部において大径部13が形成される。大径部13は、少なくとも先端側が略半球状である。なお、先端が略半球状とは、先端側が滑らかな曲面で形成され、平坦部を有さないことを意味し、必ずしも曲率半径が一定であるものや、厳密に球体を二分割した形態を意味するものではない。例えば、全体が略球形状のものも、長手方向又は幅方向に偏平した形状も含む。
大径部13においては、樹脂11の平均厚みが200μm以上であることが望ましい。さらに、大径部13の範囲では、いずれの位置においても、導線11の表面から200μm以上の厚みで樹脂11が被覆されることが望ましい。この場合、導線9の最大幅(径)部分(図中B)に対しても、当該部位の樹脂11の幅(径)(図中A)は、少なくとも400μm以上大きくなる。なお、導線9の最大幅(径)部分は、導線一体化部17よりも先端側において最も幅(径)が大きくなる部位であり、例えば、導線9にばらけが生じていれば、導線9の先端部となる。
また、大径部13の被覆部7側に小径部15が形成される。小径部15は、大径部13よりも径が小さい部位である。大径部13の平均直径は、小径部15の平均直径よりも100μm以上大きいことが望ましい。
なお、大径部13と小径部15との境界は必ずしも明確ではないが、例えば、被覆部7の全体の外径(例えば、樹脂11が付着していない部位の樹脂直上の径であって、図中D)よりも、樹脂11の径の大きな部位を大径部13とする。すなわち、導線部分をまっすぐにした際に、側面視において、導線9の先端側であって(すなわち、被覆部7側を除き)、被覆部7の外周部の延長線が全て包含される部位を大径部13とする。また、小径部15は、大径部13と被覆部7との間であって、例えば被覆部7の外周部の延長線の一部が樹脂11の外側を通る部位とする。
尚、大径部13の平均直径及び小径部15の平均直径は、以下のようにして測定される。ワイヤハーネス1を任意の周方向から見た側面視において、大径部13における最も径の大きな部位(図中A)の直径と、被覆部7より露出する導線9の長さ方向の中央部(図中C)の直径(小径部15の直径)を測定する。それぞれの直径は、樹脂11を硬化後の集中ジョイント部3をデジタルマイクロスコープ等の形状測定機能を利用して測定するかもしくは、ノギスで測定することができる。また、樹脂11の厚みについては、導線9の最大幅(径)部分と、小径部15の直径を測定した部位における導線9の径をそれぞれ測定し、前記で測定したそれぞれの直径との差から、それぞれの部位の樹脂11の膜厚を求めることができる。但し、上記は紫外線硬化樹脂を主とした樹脂11であり光透過可能でマイクロスコープ等で、導線9が樹脂11を通じて目視可能な場合に限られ、例えば湿気硬化樹脂や嫌気硬化性樹脂または熱硬化性樹脂単独など紫外線を必ずしも透過させる必要のない樹脂においては着色されている場合もあり、その場合には、上記マイクロスコープを使用しての樹脂11の膜厚の算出が困難な場合がある。そのような場合には、樹脂塗布前に導線9の直径をあらかじめマイクロスコープやノギスで計測しておき、樹脂塗布後の同じく測定値との差から、膜厚を求めることができる。以上の方法で大径部13と小径部15の直径及び、各部の樹脂11の膜厚を、周方向の任意の5方向からそれぞれ測定して平均することで、大径部13の平均直径、小径部15の平均直径及び各部の樹脂11の平均膜厚を測定することができる。
次に、集中ジョイント部3(ワイヤハーネス1)の製造方法について説明する。まず、前述したように、複数の被覆導線5の先端の所定長さの被覆部7をそれぞれ剥離して、内部の導線9を露出させる。次に、複数の被覆導線5の露出した導線9同士を接合する。なお、接合は、例えばアーク溶接、レーザ溶接や超音波接合などであってもよく、圧着や他のカシメ部材を用いてもよい。
次に、図3(a)に示すように、一体化された被覆導線5を、導線9の先端側を下方に向けて、硬化前の樹脂11に浸漬する。なお、樹脂11としては、例えば、シリコーン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリイミド系、アクリルゴム系のうち少なくとも1種類から選ばれる樹脂を使用することができる。
次に、図3(b)に示すように、導線9を樹脂11が貯留した槽から、導線9を完全に樹脂11から引き上げる(図中矢印E)。その後、導線9の先端を下方に向けた状態で所定時間保持し、樹脂11を流下させる。なお、保持工程の際に、被覆導線5を、槽上から次工程へ移動させてもよい。
図4は、樹脂11から引き上げた状態で保持した際の、樹脂11の流下状態を示す概念図である。導線9を引き上げた直後(図4(a))では、導線9(及び被覆部7の一部、以下同様)の略全体に樹脂11が付着した状態となる。そのまま保持すると、樹脂11は、重力によって下方に流れ、導線9の先端側に樹脂11が集まる(図4(b))。この際、導線9の先端部分には、樹脂11の液滴が徐々に略球形状になる。すなわち、大径部が形成される。
さらに、そのまま保持すると、導線9の先端部分にさらに樹脂11が流下するとともに、導線9の先端部の樹脂11の形態が大きくなる(図4(c))。導線9の先端部の樹脂11がある程度の大きさになると、樹脂11が下方に垂れ落ちる(図4(d))。この状態になると、導線9の先端部の樹脂11の量が一気に少なくなり、サイズも小さくなる。なお、十分に樹脂11が付着していれば、その後、図4(b)→図4(c)へと形態がさらに変化する場合もある。
このように、保持時間によって樹脂11の形態が変化する。このため、導線9の先端部において、導線9を被覆する硬化前の樹脂11先端が略半球状の大径部13の形状となり、大径部13の前記被覆部側が小径部15の形状となるまで保持し、その状態で樹脂11を硬化させることで、大径部13及び小径部15を形成することができる。
なお、保持時間は、樹脂11の種類等によってあらかじめ定めてもよいが、図3(b)に示すように、例えばCCDカメラなどの撮像装置19によって樹脂11の形態をモニタリングしてもよい。この場合、大径部13が所定のサイズになるまで保持し、大径部13が所定のサイズとなった後に樹脂11の硬化を開始してもよい。なお、撮像装置19に代えて、レーザセンサ等によって樹脂11のサイズをモニタリングしてもよい。また、前述したように、モニタリングは、槽上ではなく硬化工程へ移動させて行ってもよい。
ここで、樹脂11は、紫外線硬化樹脂、湿気硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂、熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1種類から選ばれる樹脂であることが望ましい。例えば、樹脂11が紫外線硬化樹脂の場合には、前述した保持工程を終えた後、直ちに紫外線を樹脂11へ照射して、樹脂11を硬化させることができる。この際、例えば、導線9の下方から紫外線を照射してもよい。
また、紫外線硬化樹脂と、湿気硬化樹脂あるいは嫌気性硬化樹脂、または熱硬化性樹脂との併用型の樹脂を用いてもよい。導線9の先端に、例えば被覆部7よりも大径の、先端面に半球面状に曲面を有する大径部13を形成するには、所定のタイミングで迅速に硬化させることが可能な紫外線硬化樹脂が適している。一方、素線間に染み込んだ樹脂11には、外からの紫外線が到達しにくい。このため、内部は湿気硬化樹脂や嫌気性硬化樹脂、または熱硬化性樹脂によって硬化されることが好ましい。
紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、紫外線硬化型アクリル樹脂を使用することが好ましい。紫外線硬化型アクリル樹脂の具体例としては、アクリレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ウレタンメタクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、エポキシメタクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエステルメタクリレート系樹脂等を挙げることができる。また、紫外線硬化型樹脂は紫外線が照射された場合に、活性化して、樹脂の硬化を開始する作用のある光反応開始剤が含まれていることが好ましい。また、湿気硬化樹脂を用いる場合には、シアノアクリレート樹脂、シリコーン樹脂の他、紫外線硬化と湿気硬化を併用する際にはシリコーンアクリレート樹脂が好ましい。嫌気性硬化樹脂は空気(酸素)が遮断され、かつ金属などの活性材料との接触によりラジカル連鎖反応が生じ、室温でも硬化が進行する。主成分はアクリル系樹脂であり、これに金属の存在下で反応を開始する反応開始剤等で構成され、主成分としてはアクリレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ウレタンメタクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、エポキシメタクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエステルメタクリレート系樹脂等を挙げることができる。嫌気性接着剤は金属どうしの接着に最も適しているが、活性剤としてアクチベーターが添加される場合には一部プラスチックなどの不活性化材料にも使用できる。また、熱硬化性樹脂を用いる場合には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。また、熱硬化性樹脂としては、常温硬化型樹脂を用いることもできる。その他、上記接着剤は単独で用いても、2種類以上を併用して使用しても良い。
ここで、大径部13を確実に形成するには、樹脂11の硬化前の粘度が200mPa・s〜5000mPa・sであることが望ましい。粘度が200mPa・s未満であると、短時間で液滴が落ち、所定のサイズの大径の半球形状を形成することが難しい。一方、粘度が5000mPa・sを超えると、自重で樹脂が先端部に垂れずに、導線接合部の先端でない部分にも多くの付着した樹脂層が形成されてしまい、必要以上に多くの樹脂が必要となり不経済である。
なお、引き上げ後、大径部の形状となるまでの保持時間は、例えば10秒程度であり、より好ましくは、20秒〜90秒である。90秒を超えると、塗布・硬化工程で時間がかかりすぎるため、生産効率が悪く、10秒未満では、先端に十分な大きさの球体を形成することが困難となる。導線接合部分のサイズや形状及び樹脂の粘度に応じて、保持時間が適宜設定される。
また、本発明における樹脂11としては、硬化後のショアD硬度が40〜80であることが望ましい。従来のように、集中ジョイント部3を硬質の樹脂で被覆する場合と比べて、硬化後の樹脂11をゴム質で柔らかくすることで、その部分の導線の柔軟性が低下することはない。このため、ワイヤハーネス1の配索の自由度が低下することがない。また、樹脂11がゴム質で柔らかいため、外部からの衝撃にも耐えうることができる。なお、樹脂11のショアD硬度が40未満であると、樹脂11の強度が小さくなり、外力がかかった場合に樹脂11が裂ける懸念がある。また、樹脂11のショアD硬度が80を超えると、硬質になるため、柔軟性が低下してワイヤハーネスの配策の自由度が失われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、導線の先端部に、所定の大きさの大径部13を形成することで、導線9の先端部に多少のばらけが生じていても、確実に導線9を樹脂11で被覆することができる。この際、従来使用されていたキャップによって、さらに外周を被覆してもよいが、必ずしもキャップは必要ではない。また、導線9の先端部位以外は小径部15によって被覆されるため、樹脂11の使用量を削減することができる。
また、樹脂11が紫外線硬化樹脂であれば、硬化のタイミングで直ちに樹脂11を硬化させることができる。この際、湿気硬化樹脂や嫌気性硬化樹脂または熱硬化性樹脂を組み合わせることで、導線内部まで樹脂11を確実に硬化させることができる。
また、導線9同士を溶接によって一体化することで、従来使われていたリング部材等を使用する必要がない。このため、リング部材に導線9を挿通する際に、導線9の先端がばらけることを抑制することができる。
また、硬化後の樹脂11のショアD硬度が所定の範囲内であるため、適度な柔軟性によって、ワイヤハーネスの配索の自由度が低下することがなく、樹脂11の強度を確保することができる。
以上により、防水性に優れたワイヤハーネスを得ることができる。
次に、複数の集中ジョイント部を試作し、各試料について試験を行ったので以下に説明する。
2本のアルミニウム製の被覆導線(0.75sq)と、2本の銅製の被覆導線(0.75sq)を準備し、それぞれの端部の被覆部を剥離して導線を露出して導線を一体化した。なお、被覆部における集合部の外径は、3.3mmであった。その状態で、図3に示す方法で樹脂を塗布して、所望の形態で硬化させた。なお、樹脂の形態は、樹脂の粘度と保持時間を変えて変化させた。各条件を表1、表2に示す。
Figure 2021182855
Figure 2021182855
No.1〜No.3、No.8は、樹脂としてアクリレート樹脂(UV硬化型)(スリーボンド社製 製品名:3094)を用い、No.4は、樹脂としてアクリレート樹脂(UV硬化型)(スリーボンド社製 製品名:3013M)を用い、No.5は樹脂としてアクリレート樹脂(UV硬化型)(スリーボンド社製 製品名:3094B)を用い、No.6は、樹脂としてシリコーンアクリレート樹脂(UV+湿気硬化型)(スリーボンド社製 製品名:3056F)、No.7は、樹脂としてアクリレート樹脂(UV+嫌気硬化型)(スリーボンド社製 製品名:3062K)、No.9は、樹脂としてアクリレート樹脂(UV硬化型)(スリーボンド社製 製品名:3052)を用いた。
No.10は、樹脂として1液型エポキシ樹脂(熱硬化型)(セメダイン株式会社製 製品名:EP106NL)、No.11は、2液硬化型エポキシ樹脂(常温(熱)硬化型)(セメダイン株式会社製 製品名:EP007)、No.12は、1液付加型シリコーン樹脂(熱硬化型)(MOMENTIVE社製 製品名:TSE3281-G)、No.13は、2液硬化型シリコーン樹脂(熱硬化型)(MOMENTIVE社製 製品名:TSE3380)、No.14は、アクリレート樹脂(UV+熱硬化型)(スリーボンド社製 製品名:3042)を用いた。
また、塗布後の熱硬化条件としては、No.1〜9は、UV-LED(365nm)を用い、照度100mW/cm照射時間30sec(積算光量3,000mJ/cm)でUV硬化した。また、NO.6、7については、UV硬化後に、さらに室温で1週間放置し、湿気または嫌気硬化させた。また、No.10は120℃×1hとし、No.11は80℃×1hまたは室温23℃で7日間何れでもよく、熱硬化と室温硬化を組み合わせても良く、例えば、80℃×30分後、室温23℃で3.5日間硬化させても良い。No.12は150℃×1h、NO.13は、150℃×0.5hとした。NO.14のUV硬化条件は、UV-LED(365nm)を用い、照度100mW/cm照射時間30sec(積算光量3,000mJ/cm)でUV硬化後さらに、60℃×1h熱硬化させた。
また、表中、「大径部直径」は、大径部における5方向から見た際の平均直径であり、「小径部直径」は、小径部の略中央(導線露出部の略中央)における5方向から見た際の平均直径である。表中「小径部樹脂膜厚」及び「大径部樹脂膜厚」は、それぞれの上記外径測定部における樹脂の平均厚みである。
表中「ショアD硬度」は、JIS K7215の方法に従い、厚さ1mmのシートを作成して、2枚重ねてショアDで測定した。柔軟性のある樹脂は、同じくJIS K7215の方法に従い、ショアA硬度を測定してから、ショアD硬度への数値換算を行った。ショアAとショアDは、硬度比較表から換算することができ、例えばテクロック社のデュロメータ/IRHD硬さ計カタログに記載されているデュロメータによる測定値の比較表を参考にすることができる。
表中「電線の被覆」は、電線が完全に被覆されたものを「○」とした。また、表中「柔軟性」は、集中ジョイント部を万力で固定し、樹脂塗布部を曲げた際の抵抗で判断した。この際、曲げやすかったものを「〇」、やや曲げにくいものを「△」、曲がらなかったものを「×」とした。
また、表中「抵抗値変動」は、5本の被覆導線のうち、任意の2本を選択し、すべての組み合わせの2本の導線間の初期抵抗値を測定した。次に、耐久試験(塩水3%浸漬48時間後、湿熱60℃−95%で48時間)後のそれぞれの導線間の抵抗値を測定した。初期抵抗値と耐久試験後抵抗値とを比較し、その差がすべて0.5mΩ以下であったものを「〇」、0.5mΩを超え、1.0mΩ以下のものがあったものを「△」、1mΩを超えたものがあったものを「×」とした。
また、表中「線間止水性」は、図5に示すように、5本の被覆導線5のうち、1本を選択し、レギュレータ23によって30kPaの圧力で空気を送り込み(図中F)、水槽21内の水に浸漬させた他の4本の被覆導線5からの空気の漏れ(図中G)がないかを評価した。この評価を、それぞれの被覆導線5から加圧空気を送って、すべての被覆導線5からの加圧により漏れがなかったものを「〇」、いずれかの被覆導線5に軽微な漏れがあったものを「△」、いずれかの被覆導線5に漏れ量が大きいものがあったものを「×」とした。
表1より、No.1〜No.14のいずれも、樹脂から電線の一部が露出することなく、樹脂で電線を完全に被覆することができた。特に、No.1〜No.7及びNo.10〜No.14は、十分なサイズの大径部が形成され、膜厚も十分であるため、全ての評価において△以上であった。さらに、紫外線硬化に加えて湿気硬化と嫌気硬化を併用したものは、線間止水性が〇となった。
一方、No.8は、十分なサイズの大径部が形成されていないため、抵抗値変動が×となった。また、No.9は、抵抗値変動は○であったが、ショアD硬度が大きすぎるため、柔軟性が×となった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………ワイヤハーネス
3………集中ジョイント部
5………被覆導線
7………被覆部
9………導線
11………樹脂
13………大径部
15………小径部
17………導線一体化部
19………撮像装置
21………水槽
23………レギュレータ

Claims (11)

  1. 導線と、前記導線を被覆する被覆部とからなる被覆導線が、複数接合された集中ジョイント部であって、
    複数の前記被覆導線の先端部において、前記被覆部が剥離されて前記導線が露出し、それぞれの前記導線同士が接合され、前記被覆部から露出する前記導線が樹脂で被覆されており、
    前記樹脂は、前記導線の先端部において、先端が略半球状の大径部と、前記大径部の前記被覆部側に形成され、前記大径部よりも径が小さい小径部とを有することを特徴とする集中ジョイント部。
  2. 前記大径部の平均直径が、前記小径部の平均直径よりも100μm以上大きいことを特徴とする請求項1に記載の集中ジョイント部。
  3. 前記大径部における前記樹脂の平均厚みが、200μm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の集中ジョイント部。
  4. 前記樹脂の硬化後のショアD硬度が40〜80であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の集中ジョイント部。
  5. 前記樹脂がシリコーン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリイミド系、アクリルゴム系のうち少なくとも1種類から選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の集中ジョイント部。
  6. 前記樹脂が、紫外線硬化樹脂、湿気硬化樹脂、嫌気性硬化樹脂、熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1種類から選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の集中ジョイント部。
  7. 前記導線は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金のうち、少なくとも1種類から選ばれることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の集中ジョイント部。
  8. 前記導線の少なくとも一部が溶接で一体化されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の集中ジョイント部。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載された集中ジョイント部を具備することを特徴とするワイヤハーネス。
  10. 導線と、前記導線を被覆する被覆部とからなる複数の被覆導線の、前記導線同士を接合する工程と、
    前記導線の先端側を下方に向けて、樹脂に浸漬する工程と、
    前記導線を引き上げた状態で所定時間保持し、前記樹脂を流下させる工程と、
    前記導線の先端部において、前記導線を被覆する前記樹脂の先端が略半球状の大径部となり、前記大径部の前記被覆部側において、前記大径部よりも径が小さい小径部となった状態で、前記樹脂を硬化させる工程と、
    を具備することを特徴とする集中ジョイント部の製造方法。
  11. 前記導線を引き上げた状態で、前記導線の先端部における前記樹脂の径をモニタリングして、前記大径部が所定のサイズになるまで保持し、
    前記大径部が所定のサイズになった後に前記樹脂を硬化させることを特徴とする請求項10記載の集中ジョイント部の製造方法。
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