JP2021182583A - 吸着条件決定方法および吸着装置 - Google Patents

吸着条件決定方法および吸着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021182583A
JP2021182583A JP2020087430A JP2020087430A JP2021182583A JP 2021182583 A JP2021182583 A JP 2021182583A JP 2020087430 A JP2020087430 A JP 2020087430A JP 2020087430 A JP2020087430 A JP 2020087430A JP 2021182583 A JP2021182583 A JP 2021182583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
die
sheet
control
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020087430A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7417472B2 (ja
Inventor
聖一 寺岡
Seiichi Teraoka
邦明 柘植
Kuniaki Tsuge
良太 赤塚
Ryota Akatsuka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Corp
Original Assignee
Fuji Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Corp filed Critical Fuji Corp
Priority to JP2020087430A priority Critical patent/JP7417472B2/ja
Publication of JP2021182583A publication Critical patent/JP2021182583A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7417472B2 publication Critical patent/JP7417472B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

【課題】シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着装置において、より適正な吸着条件を決定する。【解決手段】吸着条件決定方法は、シート保持部材にシートを保持すると共にシートの裏側からピンを突き上げた状態において、シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定する。そして、吸着条件決定方法は、吸着条件の一つとして、測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧でノズルにダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する。【選択図】図9

Description

本明細書は、吸着条件決定方法および吸着装置について開示する。
従来、シートに貼り付けられたチップをピンでシートの裏側から押し上げて真空吸引孔を有するノズルでピックアップ(吸着)するピックアップ装置において、ピックアップ動作(吸着動作)の条件(ピックアップ動作条件)の良否を判定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ピックアップ装置は、ノズルから真空吸引され真空排気部によって排気される空気の流量を計測する流量計測部を備える。ピックアップ装置は、ノズルの時系列的な昇降動作を示す昇降パターンと、流量計測部によって計測された流量値の時系列的な変動を示す流量パターンと、ピンの突き上げ量の時系列的な変化を示す突き上げパターンとを取得する。そして、ピックアップ装置は、各パターンの時間軸を同期させて一覧性を有する動作条件解析画面として表示部に表示する。ピックアップ動作条件の良否は、条件出しテストにおいてノズル下降高さやピン突き上げ高さ、ノズルの昇降速度、ピンの突き上げ速度を変化させながら試行的に実行して決定された判定パラメータに基づいて判定される。
特開2012−028364号公報
引用文献1には、ノズルから真空排気部によって排気される空気の流量に基づいて、ノズル下降高さやピン突き上げ高さ、ノズルの昇降速度、ピンの突き上げ速度について最適なピックアップ動作条件(吸着条件)を設定しようとするものは記載されている。しかし、流量センサにより計測される流量は、使用するノズルのサイズによって変化することから、吸着条件を決定するにあたっては、このことを十分に考慮する必要がある。
本開示は、シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着装置において、より適正な吸着条件を決定することができる吸着条件決定方法および吸着装置を提供することを主目的とする。
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の吸着条件決定方法は、
複数のダイに分割されると共に裏面がシートに貼着されたウエハから前記ダイを吸着する吸着装置において、
昇降可能であると共に負圧により前記ダイを吸着可能なノズルを有するヘッドと、
負圧により前記シートを保持可能なシート保持部材と、前記シート保持部材に対して昇降可能なピンと、を有する剥離装置と、
前記ウエハから前記ダイを吸着して取り出すに際して、前記シートの裏面を前記シート保持部材に保持させるシート保持制御と、前記ダイの上方において前記ノズルを下降させて前記ダイを前記ノズルに吸着させるノズル下降制御と、前記ピンで前記ダイを前記シートの裏面側から押し上げるピン突き上げ制御と、前記ダイを吸着させた前記ノズルを上昇させるノズル上昇制御とを順次実行するよう前記ヘッドと前記剥離装置とを制御する吸着制御を行なう制御装置と、
を備える吸着装置に適用され、前記吸着制御のための吸着条件を決定する吸着条件決定方法であって、
前記シート保持部材に前記シートを保持すると共に前記シートの裏側から前記ピンを突き上げた状態において、前記シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定し、
前記吸着条件の一つとして、前記測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧で前記ノズルに前記ダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する、
ことを要旨とする。
この本開示の吸着条件決定方法は、シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着装置の吸着条件を決定するものである。吸着条件決定方法は、シート保持部材にシートを保持すると共にシートの裏側からピンを突き上げた状態において、シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定する。そして、吸着条件決定方法は、吸着条件の一つとして、測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧でノズルにダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する。これにより、シートに貼着されたダイを引き剥がすために適したサイズのノズルを選定することができる。この結果、シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着装置において、より適正な吸着条件を決定することができる吸着条件決定方法とすることができる。
本開示の吸着装置は、
複数のダイに分割されると共に裏面がシートに貼着されたウエハから前記ダイを吸着する吸着装置であって、
昇降可能であると共に負圧により前記ダイを吸着可能なノズルを有するヘッドと、
負圧により前記シートを保持可能なシート保持部材と、前記シート保持部材に対して昇降可能なピンと、を有する剥離装置と、
前記ウエハから前記ダイを吸着して取り出すに際して、前記シートの裏面を前記シート保持部材に保持させるシート保持制御と、前記ダイの上方において前記ノズルを下降させて前記ダイを前記ノズルに吸着させるノズル下降制御と、前記ピンで前記ダイを前記シートの裏面側から押し上げるピン突き上げ制御と、前記ダイを吸着させた前記ノズルを上昇させるノズル上昇制御とを順次実行するよう前記ヘッドと前記剥離装置とを制御する吸着制御を行なう制御手段と、
前記吸着制御のための吸着条件の一つとして、前記吸着制御の実行中に前記ノズルで前記シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定し、前記測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧で前記ノズルに前記ダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する吸着条件決定手段と、
を備えることを要旨とする。
この本開示の吸着装置は、シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着制御を行なう制御手段と、吸着制御のための吸着条件を決定する吸着条件決定手段とを備える。吸着条件決定手段は、吸着条件の一つとして、吸着制御の実行中にノズルでシートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定し、測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧でノズルにダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する。これにより、シートに貼着されたダイを引き剥がすために適したサイズのノズルを選定することができる。この結果、シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着装置において、より適正な吸着条件を決定することができる吸着装置とすることができる。
部品実装機を含む実装システムの概略構成図である。 ダイ剥離装置の概略構成図である。 負圧供給系の概略構成図である。 荷重測定用のチャックの概略構成図である。 実装システムの電気的な接続関係を示すブロック図である。 吸着条件決定処理の一例を示すフローチャートである。 吸着確認処理の一例を示すフローチャートである。 吸着動作を行なう際の吸着ノズルとポットと押上ピンの各高さの時間変化の様子を示す説明図である。 ノズル径決定処理の一例を示すフローチャートである。 チャックを用いてダイを取り出す様子を示す説明図である。 ピン突き上げ制御の条件リストの一例を示す説明図である。 ノズル上昇制御の条件リストの一例を示す説明図である。
次に、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態について説明する。
図1は、部品実装機を含む実装システムの概略構成図である。図2は、ダイ剥離装置の概略構成図である。図3は、負圧供給系の概略構成図である。図4は、荷重測定用のチャックの概略構成図である。図5は、実装システムの電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、図1中、左右方向はX軸方向であり、前後方向はY軸方向であり、上下方向はZ軸方向である。
実装システム10は、図1に示すように、部品を基板S上に実装するシステムであり、複数の部品実装機20と、管理装置80とを備える。複数の部品実装機20は、基板Sの搬送方向に沿って整列して設置されることで実装ラインを構成する。なお、実装システム10は、実際には、複数の部品実装機20と同じ実装ライン上に半田印刷機や検査機、リフロー炉なども備える。
部品実装機20は、基板搬送装置21と、ヘッド30と、ヘッド移動装置22と、パーツカメラ23と、マークカメラ24と、テープ供給装置25と、ウエハ供給装置40と、制御装置70とを備える。
ヘッド30は、ヘッド移動装置22により前後左右(XY軸方向)に移動させられ、テープ供給装置25やウエハ供給装置40から供給される部品をピックアップ(吸着)して基板搬送装置21により機内に搬入された基板Sへ実装する。ヘッド30は、ノズルホルダと、ノズルホルダを昇降させるノズル昇降装置と、を備える。例えば、ヘッド30は、回転体を有するロータリヘッドとして構成される。ロータリヘッドは、それぞれ周方向に複数配列されると共に上下(Z軸方向)に昇降可能に回転体に支持された複数のノズルホルダと、複数のノズルホルダのうち所定の旋回位置に位置するノズルホルダを昇降させるノズル昇降装置と、を備える。ノズルホルダの先端(下端)には、吸着ノズル31が着脱可能に取り付けられる。吸着ノズル31の先端(下端)には、負圧供給系60に連通する吸着口が形成されている。吸着ノズル31は、負圧供給系60から吸着口に負圧が供給された状態で吸着口が部品(ダイDを含む)の表面に接触することで当該部品を吸着することができる。ノズル昇降装置32は、ガイドレールに導かれて上下(Z軸方向)に移動するスライダと、スライダを駆動するモータと、スライダの上下(Z軸方向)の位置を検出する位置センサと、を有する。ノズル昇降装置32のスライダは、ノズルホルダの上方に設置されると共に、例えばボールねじ機構を介してモータと接続されている。ノズル昇降装置32は、モータによりスライダを昇降することで、ノズルホルダを吸着ノズル31と共に昇降させる。
基板搬送装置21は、基板Sの機内への搬入と、機内での位置決めと、機外への搬出とを行なう。基板搬送装置21は、図1の前後に間隔を開けて設けられ左右方向に架け渡された1対のコンベアベルトを有している。基板Sはこのコンベアベルトにより搬送される。
ヘッド移動装置22は、ガイドレールに導かれて前後左右(XY軸方向)へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータと、スライダの前後左右(XY軸方向)の位置を検出する位置センサとを備える。スライダには、ヘッド30が固定されると共に、例えばボールねじ機構を介してモータに接続されている。ヘッド移動装置22は、モータによりスライダを駆動することで、ヘッド30を前後左右(XY軸方向)に移動させる。
パーツカメラ23は、基板搬送装置21とテープ供給装置25との間に設置されている。パーツカメラ23は、部品を吸着した吸着ノズル31がパーツカメラ23の上方を通過する際、吸着ノズル31に吸着された部品を下方から撮像し、その画像を制御装置70へ出力する。
マークカメラ24は、XY軸方向に移動可能にヘッド移動装置22(スライダ)に設置されている。マークカメラ24は、機内に搬入された基板Sの位置を確認するために基板Sに設けられた位置決め基準マークを上方から撮像し、その画像を制御装置70へ出力する。
テープ供給装置25は、部品が収容されたテープが巻回されたリールを備え、リールからテープを引き出すことにより部品をヘッド30(吸着ノズル31)の吸着位置に供給する。
ウエハ供給装置40は、複数のダイDに分割されたウエハWをヘッド30(吸着ノズル31)の吸着位置に供給するものであり、ウエハパレット41と、マガジン42と、ダイ剥離装置50と、を備える。ウエハパレット41は、図2に示すように、開口41oを有し、開口41oの周縁においてウエハWが貼着されたウエハシート43を張った状態で固定する。このウエハパレット41は、マガジン42に複数収容されており、ヘッド30(吸着ノズル31)がダイDを吸着する際にパレット引出装置44(図5参照)によってマガジン42から引き出されるようになっている。
ダイ剥離装置50は、図2に示すように、ポット51と、ポット移動装置52と、押上ピン55と、ピン昇降装置56(図5参照)と、を備える。ポット51は、パレット引出装置44により引き出されたウエハパレット41の下方に設置されている。ポット51の上面には、負圧供給系60と連通する吸引面が形成されており、ポット51は、負圧供給系60から供給される負圧によりウエハシート43を吸引支持する。ポット移動装置52は、ガイドレールに導かれて前後左右(XY軸方向)へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータと、スライダの前後左右(XY軸方向)の位置を検出する位置センサと、を備える。ポット移動装置52のスライダには、ピン昇降装置56を介してポット51が固定されると共に、例えばボールねじ機構を介してモータと接続されている。ポット移動装置52は、モータによりスライダを駆動することで、ポット51を前後左右(XY軸方向)に移動させる。
押上ピン55は、ポット51の内部に設置され、ウエハシート43に貼着されたウエハWの分割されたダイDのうちピックアップ(吸着)しようとするダイDをウエハシート43の裏側から押し上げるものである。ピン昇降装置56は、ガイドレールに導かれてZ軸方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータと、スライダの上下(Z軸方向)の位置を検出する位置センサと、を備える。ピン昇降装置56のスライダには、押上ピン55の基端を支持するピン支持体の下方に設置されると共に、例えばボールねじ機構を介してモータと接続されている。ピン昇降装置56は、押上ピン55と共にポット51を昇降可能に構成されており、ポット51の上面(吸引面)がウエハシート43にほぼ接触する位置まで近接すると、ストッパ機構によってポット51の上昇が止まり、その後、押上ピン55がポット51の上面から突出して、ダイDをウエハシート43の裏側から押し上げるようになっている。ダイ剥離装置50は、ポット51の上面でウエハシート43を吸引支持させた状態で押上ピン55を突き上げることにより、ピックアップ(吸着)しようするダイDだけを押し上げてウエハシート43から剥離させることができる。
負圧供給系60は、図3に示すように、真空ポンプ61と、ポンプ流路62と、ノズル流路63と、ポット流路64と、開閉弁65,66と、流量センサ67,68とを備える。真空ポンプ61は、ポンプ流路62に組み込まれている。ノズル流路63は、ポンプ流路62から分岐して各ノズルホルダに装着された吸着ノズル31の吸着口と連通する。ポット流路64は、ポンプ流路62から分岐してポット51の吸引面と連通する。開閉弁65は、ノズル流路63に設置され、ポンプ流路62と吸着ノズル31の吸着口との連通と遮断とが切り替えられるよう開閉する。開閉弁66は、ポット流路64に設置され、ポンプ流路62とポット51の吸引面との連通と遮断とが切り替えられるよう開閉する。流量センサ67は、ノズル流路63に設置され、ノズル流路63を流れるエア(空気)の単位時間当りの流量(ノズル側流量Qn)を検出(測定)する。流量センサ68は、ポット流路64に設置され、ポット流路64を流れるエア(空気)の単位時間当りの流量(ポット側流量Qp)を検出(測定)する。
また、本実施形態の部品実装機20は、ヘッドの交換が可能に構成されている。部品実装機20には、図4に示すように、複数の爪で部品を把持するメカニカルチャック(チャック)100と、チャック100を昇降するチャック昇降装置と、を備えるヘッドを装着することができる。このヘッドは、本実施形態では、荷重センサ101を更に備え、ダイDをウエハシート43から引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定するための荷重測定用のヘッドとして用いられる。
制御装置70は、図5に示すように、CPU71やROM72、HDD73(記憶装置)またはSSDなどの記憶装置、RAM74、タイマ75、入出力ポートなどを備える。制御装置70は、ヘッド30の位置センサやヘッド移動装置22の位置センサ、パーツカメラ23、マークカメラ24、テープ供給装置25、パレット引出装置44、ダイ剥離装置50の位置センサ、負圧供給系60の流量センサ67,68などからの信号を入力ポートを介して入力する。また、制御装置70は、部品実装機20に荷重測定用のヘッドが装着されている場合には、荷重センサ101からの信号も入力する。さらに、制御装置70は、基板搬送装置21やヘッド30(ノズル昇降装置32)、パーツカメラ23、マークカメラ24、テープ供給装置25、ウエハ供給装置40(パレット引出装置44や、ダイ剥離装置50のポット移動装置52,ピン昇降装置56)、負圧供給系60の開閉弁65,66へ制御信号を出力ポートを介して出力する。
管理装置80は、図5に示すように、CPU81やROM82、HDD83(記憶装置)またはSSDなどの記憶装置、RAM84、入出力ポートなどを備える。管理装置80には、マウスやキーボードなどの入力装置85と、表示装置86とが接続されている。管理装置80は、部品実装機20の制御装置70と通信可能に接続され、生産指示に係るジョブ情報を制御装置70に送信すると共に制御装置70から各種情報を受信する。ジョブ情報には、例えば、部品の実装順、実装する部品の種類、使用する吸着ノズル31の種類(ノズル径)を含む吸着条件、生産する基板Sのサイズ、生産枚数などの情報が含まれている。
次に、部品実装機20(吸着装置)においてダイDを吸着ノズル31に吸着してウエハシート43から取り出すための適正な吸着条件を決定する処理について説明する。ここで、本実施形態では、ヘッド30とウエハ供給装置40と制御装置70とが吸着装置に相当する。
図6は、制御装置70のCPU71により実行される吸着条件決定処理の一例を示すフローチャートである。吸着条件決定処理が実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、吸着ノズル31の必要ノズル径を決定するノズル径決定処理を実行し(ステップS100)、決定した必要ノズル径の吸着ノズル31を用いてダイDの吸着状態を確認するために吸着確認処理を実行する(ステップS110)。ここで、説明の都合上、まず、吸着確認処理について説明し、その後、ノズル径決定処理について説明する。
図7は、吸着確認処理の一例を示すフローチャートである。以下、吸着確認処理について図8を参照しながら説明する。吸着確認処理では、CPU71は、まず、ポット51の上面(吸引面)にウエハシート43を吸着させるシート吸着制御を実行する(ステップS200)。シート吸着制御は、ポット移動装置52を制御してポット51を吸着しようとするダイD(対象ダイ)の真下に移動させ、開閉弁66を開弁してポット51の上面(吸引面)に負圧を供給すると共にピン昇降装置56を制御してポット51を上昇させることにより行なわれる(図8中、t1)。
続いて、CPU71は、吸着ノズル31を下降させて対象ダイを吸着ノズル31に吸着させるノズル下降制御を開始する(ステップS210)。ノズル下降制御は、ヘッド移動装置22を制御して吸着ノズル31を対象ダイの真上に移動させ、開閉弁65を開弁して吸着ノズル31の吸着口に負圧を供給すると共にノズル昇降装置32を制御して吸着ノズル31を下降させることにより行なわれる。次に、CPU71は、ノズル昇降装置32の位置センサからの検出信号に基づいて吸着ノズル31の上下(Z軸方向)の位置Znが目標下降位置(図8中、Zntag)に到達したか否かを判定する(ステップS220)。目標下降位置Zntagは、吸着ノズル31の吸着口(下端)がウエハシート43上のダイDに接触する位置である。
CPU71は、吸着ノズル31の位置Znが目標下降位置Zntagに到達したと判定すると(図8中、t2)、流量センサ67が測定したノズル側流量Qnを内部に入力し(ステップS230)、入力したノズル側流量Qnをノズル下降直後流量Q1に設定する(ステップS240)。次に、CPU71は、タイマt1の計測を開始し(ステップS250)、タイマt1の計測値が突き上げ前待ち時間(図8中、tref1)に達するまで待つ(ステップS260)。突き上げ前待ち時間tref1は、吸着ノズル31を下降させた後、吸着ノズル31の吸着の挙動が安定するまでの待ち時間である。
CPU71は、タイマt1の計測値が突き上げ前待ち時間tref1に到達したと判定すると(図8中、t3)、次に、押上ピン55で対象ダイを裏側から押し上げるピン突き上げ制御を開始する(ステップS270)。ピン突き上げ制御は、ピン昇降装置56により押上ピン55が所定の突き上げ速度(目標突き上げ速度)で所定の突き上げ量(目標突き上げ量)だけ突き上げられるよう制御することにより行なわれる。吸着ノズル31は、ノズル昇降装置32により押上ピン55の突き上げと同期して(所定の突き上げ速度と同じ上昇速度かつ所定の突き上げ量と同じ上昇量で)上昇するよう制御される。なお、吸着ノズル31は、ノズルホルダに対して上下にストローク可能で且つスプリングの付勢力により下方に付勢されることで、押上ピン55の突き上げと同期して上昇(ストローク)するように構成されてもよい。そして、CPU71は、ピン昇降装置56の位置センサからの検出信号に基づいて押上ピン55の突き上げ量が目標突き上げ量(図8中、α)に到達したか否かを判定する(ステップS280)。目標突き上げ量αは、ダイDをウエハシート43から剥離させるために必要なダイDの押し上げ量である。
CPU71は、押上ピン55の突き上げ量が目標突き上げ量αに到達したと判定すると(図8中、t4)、流量センサ67が測定したノズル側流量Qnと流量センサ68が測定したポット側流量Qpとを内部に入力し(ステップS290)、入力したノズル側流量Qnとポット側流量Qpとをそれぞれ突き上げ直後流量Q2,Q3に設定する(ステップS300)。次に、CPU71は、タイマt2の計測を開始し(ステップS310)、タイマt2の計測値がノズル上昇前待ち時間(図8中、tref2)に達するまで待つ(ステップS320)。ノズル上昇前待ち時間tref2は、押上ピン55を突き上げてから対象ダイがウエハシート43からある程度剥離するまでの待ち時間である。
CPU71は、タイマt2の計測値がノズル上昇前待ち時間tref2に達すると(図8中、t5)、吸着ノズル31を上昇させるノズル上昇制御を開始する(ステップS330)。ノズル上昇制御は、ノズル昇降装置32により吸着ノズル31を所定上昇速度(目標上昇速度)で上昇するよう制御することにより行なわれる。そして、CPU71は、ノズル昇降装置32の位置センサからの検出信号に基づいて吸着ノズル31が所定上昇量(図8中、β)だけ上昇したか否かを判定する(ステップS340)。所定上昇量βは、吸着ノズル31に対象ダイが正常に吸着されたならば、対象ダイがウエハシート43から引き剥がされて離間していると考えられる吸着ノズル31の上昇量である。
CPU71は、吸着ノズル31が所定上昇量βだけ上昇したと判定すると(図8中、t6)、流量センサ67が測定したノズル側流量Qnを内部に入力し(ステップS350)、入力したノズル側流量Qnをノズル上昇中流量Q4に設定する(ステップS360)。
CPU71は、こうしてノズル下降直後流量Q1,突き上げ直後流量Q2,Q3およびノズル上昇中流量Q4をそれぞれ設定すると、各流量Q1,Q2,Q3,Q4がそれぞれの適正流量範囲内にあるか否かを判定する(ステップS370)。CPU71は、各流量Q1,Q2,Q3,Q4のいずれもが適正流量範囲内にあると判定すると、吸着状態が良好である良好判定を行なって(ステップS380)、吸着確認処理を終了する。一方、CPU71は、各流量Q1,Q2,Q3,Q4のいずれかが対応する適正流量範囲内にないと判定すると、吸着状態が不良である不良判定を行なって(ステップS390)、吸着確認処理を終了する。
こうした吸着確認処理において、上述した突き上げ前待ち時間tref1、目標突き上げ量、目標突き上げ速度、上昇前待ち時間tref2および目標上昇速度は、吸着条件決定処理で決定される吸着条件に含まれる。これらの吸着条件は、吸着条件決定処理のステップS110においては、予め定められた値が用いられる。
次に、ノズル径決定処理を説明する。図9は、ノズル径決定処理の一例を示すフローチャートである。ノズル径決定処理は、部品実装機20にチャック100とチャック昇降装置とを有するヘッドを装着した状態で実行される。以下、ノズル径決定処理について図10を参照しながら説明する。
ノズル径決定処理では、CPU71は、まず、ステップS200と同様のシート吸着制御を実行する(ステップS400)。続いて、CPU71は、ヘッド移動装置22を制御してチャック100を対象ダイの真上に移動させると共に(図10(a)参照)、チャック昇降装置によりチャック100で下降させた後、チャック100の爪で対象ダイの側面を把持する(ステップS410、図10(b)参照)。
次に、CPU71は、押上ピン55の突き上げ量が予め定められた目標突き上げ量に到達するまでステップS270と同様のピン突き上げ制御を実行する(ステップS420、図10(c)参照)。なお、CPU71は、ピン突き上げ制御の実行中に流量センサ68からのポット側流量Qpを監視することで、ウエハシート43がポット51の上面に適正に保持されているか否かを確認するようにしてもよい。CPU71は、押上ピン55の突き上げ量が目標突き上げ量に到達すると(ステップS430)、予め定められた上昇前待ち時間が経過するのを待って(ステップS440)、チャック昇降装置を制御してチャック100を上昇させるチャック上昇制御を開始する(ステップS450、図10(d)参照)。
CPU71は、チャック上昇制御を開始すると、ピーク荷重Fpeakを値0に初期化し(ステップS460)、流量センサ68が測定したポット側流量Qpと荷重センサ101が測定した引っ張り荷重Fとを内部に入力する(ステップS470)。そして、CPU71は、入力したポット側流量Qpが閾値Qref未満であるか否かを判定する(ステップS480)。閾値Qrefは、ポット51から負圧のリークがないか否か、すなわち、ウエハシート43がポット51の上面(吸引面)に適正に保持されているか否かを判定するための閾値である。CPU71は、入力したポット側流量Qpが閾値Qref未満であると判定すると、入力した引っ張り荷重Fがピーク荷重Fpeakよりも大きいか否かを判定する(ステップS500)。CPU71は、入力した引っ張り荷重Fがピーク荷重Fpeakよりも大きいと判定すると、ピーク荷重Fpeakに入力した引っ張り荷重Fを設定し(ステップS510)、引っ張り荷重Fがピーク荷重Fpeak以下であると判定すると、ステップS510をスキップする。そして、CPU71は、チャック100が予め定められた所定量上昇したか否かを判定する(ステップS520)。CPU71は、チャック100が所定量上昇していないと判定すると、ステップS470に戻って処理を繰り返す。
CPU71は、ステップS480において、ポット側流量Qpが閾値Qref以上であると判定すると、ウエハシート43がポット51から離れており、対象ダイの引き剥がしに失敗したと判断し、ステップS430の判定に用いられる目標突き上げ量を増量した上で(ステップS490)、ステップS400に戻り、ノズル径決定処理を最初からやり直す。
CPU71は、ステップS520において、ポット側流量Qpが閾値Qref以上となることなく、チャック100が所定量上昇したと判定すると、対象ダイの引き剥がしに成功したと判断し、ピーク荷重Fpeakに基づいて必要ノズル径を決定して(ステップS530)、ノズル径決定処理を終了する。吸着ノズル31の吸着力は、吸着ノズル31の内圧と大気圧との圧力差と吸着口の断面積との積によって定められ、ピーク荷重Fpeakよりも大きくなるように設定される必要がある。吸着ノズル31の内圧は、負圧供給系60から供給される負圧であり、予め定めることができるため、ピーク荷重Fpeakに基づいて吸着ノズル31の必要ノズル径を決定することができる。
図6の吸着条件決定処理に戻って、CPU71は、ノズル径決定処理と吸着確認処理とを行なうと、次に、条件リストから今回実行する他の吸着条件を設定する(ステップS120)。図11は、ピン突き上げ制御の条件リストの一例を示す説明図である。ピン突き上げ制御の条件リストには、突き上げ前待ち時間tref1と目標突き上げ量と目標突き上げ速度とが含まれる。本実施形態では、目標突き上げ量には、上述したノズル径決定処理においてチャック100による対象ダイの引き剥がしに成功したときに用いられた目標突き上げ量が設定される。また、ピン突き上げ制御の条件リストには、各条件の組合せにおいてピン突き上げ制御を実行した際の実行時間も含まれる。図12は、ノズル上昇制御の条件リストの一例を示す説明図である。ノズル上昇制御の条件リストには、上昇前待ち時間tref2と目標上昇速度とが含まれる。また、ノズル上昇制御の条件リストには、各条件の組合せにおいてノズル上昇制御を実行した際の実行時間も含まれる。なお、ピン突き上げ制御の条件リストおよびノズル上昇制御の条件リストのうち一部(例えば、ノズル上昇速度)は、固定値とされてもよい。
CPU71は、今回実行する吸着条件を各条件リストの中から設定すると、上述したノズル径決定処理で決定したノズル径の吸着ノズル31を用いて、ステップS120で設定した吸着条件で吸着確認を行なう(ステップS130)。ステップS130の確認処理は、吸着条件が異なる点を除いてステップS110と同様の処理により実行される。
CPU71は、吸着確認を行なうと、吸着確認の良否判定の結果を今回実行した吸着条件と対応付けてHDD73(記憶装置)に記憶し(ステップS140)、条件リストに含まれる吸着条件の全ての組合せについて吸着確認を行なったか否かを判定する(ステップS150)。CPU71は、吸着確認を行なっていない吸着条件の組合せが残っていると判定すると、ステップS120に戻って吸着条件の他の組合せを設定して吸着確認を行なう。一方、CPU71は、吸着条件の全ての組合せについて吸着確認を行なったと判定すると、吸着確認において良好判定された吸着条件のうちサイクルタイムが最短となる吸着条件の組合せを最適条件に設定して(ステップS160)、吸着条件決定処理を終了する。この処理は、ピン突き上げ制御の実行時間とノズル上昇制御の実行時間との和が最短となる吸着条件の組合せを検索することにより行なわれる。なお、サイクルタイムが最短となる吸着条件とは、突き上げ前待ち時間tref1や上昇前待ち時間tref2であれば、最も短い時間であり、目標突き上げ速度や目標上昇速度であれば、最も速い速度であり、目標突き上げ量であれば、最も少ない量である。最適条件は、管理装置80に送信され、管理装置80にてジョブ情報に含まれる吸着条件に反映される。
ここで、本実施形態の主要な要素と発明の開示の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。即ち、本実施形態のダイDが「ダイ」に相当し、ウエハシート43が「シート」に相当し、吸着ノズル31が「ノズル」に相当し、ヘッド30が「ヘッド」に相当し、ダイ剥離装置50が「剥離装置」に相当し、押上ピン55が「ピン」に相当し、制御装置70が「制御装置」に相当する。また、吸着条件決定処理を実行する制御装置70が「吸着条件決定手段」に相当する。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、目標突き上げ量は、ノズル径決定処理においてチャック100による対象ダイの引き剥がしに成功したときに用いられた目標突き上げ量が設定されるものとした。しかし、目標突き上げ量は、複数の目標突き上げ量を変更しながら吸着確認処理を実行し、吸着確認処理において良好判定された目標突き上げ量のうち最も少ないものが設定されてもよい。
上述した実施形態では、チャック100と荷重センサ101とを有するヘッドを装着する部品実装機20において、チャック100で対象ダイを把持してウエハシート43から引き剥がす際に荷重センサ101により検出される荷重のピーク値(ピーク荷重Fpeak)に基づいて必要ノズル径を決定するものとした。しかし、吸着ノズル31と荷重センサとを有するヘッド30を装着する部品実装機20において、吸着ノズル31で対象ダイを吸着してウエハシート43から引き剥がす際に荷重センサにより検出される荷重のピーク値に基づいて必要ノズル径を決定してもよい。
上述した実施形態では、ノズル流路63には、流量センサ67が設置され、CPU71は、流量センサ67により検出されたノズル側流量Qn(ノズル下降直後流量Q1,突き上げ直後流量Q2およびノズル上昇中流量Q4)に基づいて吸着状態を判定するものとした。しかし、ノズル流路63には、流路内の負圧を検出する負圧センサ(ノズル側負圧センサ)が設置され、CPU71は、ノズル側負圧センサにより検出された負圧に基づいて吸着状態を判定してもよい。また、ポット流路64には、流量センサ68が設置され、CPU71は、流量センサ68により検出されたポット側流量(突き上げ直後流量Q3)に基づいて吸着状態を判定するものとした。しかし、ポット流路64には、流路内の負圧を検出する負圧センサ(ポット側負圧センサ)が設置され、CPU71は、ポット側負圧センサにより検出された負圧に基づいて吸着状態を判定してもよい。
上述した実施形態では、吸着条件決定処理は、部品実装機20の制御装置70により実行されるものとした。しかし、吸着条件決定処理のうちの一部は、管理装置80により実行されてもよいし、ウエハ供給装置40により実行されてもよい。
以上説明したように、本開示の吸着条件決定方法は、複数のダイに分割されると共に裏面がシートに貼着されたウエハから前記ダイを吸着する吸着装置において、昇降可能であると共に負圧により前記ダイを吸着可能なノズルを有するヘッドと、負圧により前記シートを保持可能なシート保持部材と、前記シート保持部材に対して昇降可能なピンと、を有する剥離装置と、前記ウエハから前記ダイを吸着して取り出すに際して、前記シートの裏面を前記シート保持部材に保持させるシート保持制御と、前記ダイの上方において前記ノズルを下降させて前記ダイを前記ノズルに吸着させるノズル下降制御と、前記ピンで前記ダイを前記シートの裏面側から突き上げるピン突き上げ制御と、前記ダイを吸着させた前記ノズルを上昇させるノズル上昇制御とを順次実行するよう前記ヘッドと前記剥離装置とを制御する吸着制御を行なう制御装置と、を備える吸着装置に適用され、前記吸着制御のための吸着条件を決定する吸着条件決定方法であって、前記シート保持部材に前記シートを保持すると共に前記シートの裏側から前記ピンを突き上げた状態において、前記シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定し、前記吸着条件の一つとして、前記測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧で前記ノズルに前記ダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定することを要旨とする。
この本開示の吸着条件決定方法は、シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着装置の吸着条件を決定するものである。吸着条件決定方法は、シート保持部材にシートを保持すると共にシートの裏側からピンを突き上げた状態において、シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定する。そして、吸着条件決定方法は、吸着条件の一つとして、測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧でノズルにダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する。これにより、シートに貼着されたダイを引き剥がすために適したサイズのノズルを選定することができる。この結果、シートに貼着されたダイをピンで裏側から押し上げてノズルで吸着する吸着装置において、より適正な吸着条件を決定することができる吸着条件決定方法とすることができる。
こうした本開示の吸着条件決定方法において、前記引っ張り荷重の測定中に前記シート保持部材への負圧供給状態を監視し、前記吸着条件の一つとして、前記負圧供給状態に基づいて前記ピンの突き上げ量を決定するものとしてもよい。この場合、前記引っ張り荷重の測定中に前記負圧供給状態が前記シート保持部材から負圧がリークするリーク状態に至ったときには前記ピンの突き上げ量を増やして前記引っ張り荷重を再測定し、前記負圧供給状態が前記リーク状態に至ることなく前記引っ張り荷重の測定が完了すると、そのときの突き上げ量を前記ピンの突き上げ量に決定するものとしてもよい。こうすれば、ピンの突き上げ量をより適正な量に決定することができる。
また、本開示の吸着条件決定方法において、前記吸着条件を決定した後、前記吸着制御を実行し、前記吸着制御の実行中に前記ノズルへの負圧供給状態と前記シート保持部材への負圧供給状態とを監視し、前記各負圧供給状態がそれぞれ予め定められた適正状態にあることを確認するものとしてもよい。こうすれば、決定した吸着条件が適正であるか否かを確認することができる。
さらに、本開示の吸着条件決定方法において、前記吸着制御は、前記シート保持制御と前記ノズル下降制御とを行ない、前記ノズル下降制御により前記ノズルを下降させてから第1所定時間が経過すると、前記ピンを第1所定速度で上昇させる前記ピン突き上げ制御を行ない、前記ピン突き上げ制御により前記ピンを突き上げた後、第2所定時間が経過すると、前記ノズルを第2所定速度で上昇させる前記ノズル上昇制御を行なうものであり、前記第1所定時間と前記第2所定時間と前記第1所定速度と前記第2所定速度とのうち少なくとも一つのパラメータを変更しながら、前記吸着制御を実行すると共に前記吸着制御の実行中に前記ノズルおよび前記シート保持部材のそれぞれにおける負圧供給状態を監視し、各負圧供給状態がそれぞれ予め定められた適正状態にある条件を前記吸着条件に決定するものとしてもよい。この場合、前記第1所定時間または前記第2所定時間として、前記各負圧供給状態がそれぞれの前記適正状態にある時間範囲内で最も短い時間を決定するものとしてもよい。また、前記第1所定速度または前記第2所定速度として、前記各負圧供給状態がそれぞれの前記適正状態にある速度範囲内で最も速い速度を決定するものとしてもよい。こうすれば、ダイの適正な吸着を確保しつつ、サイクルタイムをより短縮させることができる。
なお、本開示は、吸着条件決定方法の形態に限られず、吸着装置の形態であってもよい。
本発明は、吸着装置の製造産業などに利用可能である。
1 実装システム、20 部品実装機、21 基板搬送装置、22 ヘッド移動装置、23 パーツカメラ、24 マークカメラ、25 テープ供給装置、30 ヘッド、31 吸着ノズル、32 ノズル昇降装置、40 ウエハ供給装置、41 ウエハパレット、41o 開口、42 マガジン、43 ウエハシート、44 パレット引出装置、50 ダイ剥離装置、51 ポット、52 ポット移動装置、55 押上ピン、56 ピン昇降装置、60 負圧供給系、61 真空ポンプ、62 ポンプ流路、63 ノズル流路、64 ポット流路、65,66 開閉弁、67,68 流量センサ、70 制御装置、71 CPU、72 ROM、73 HDD、74 RAM、75 タイマ、80 管理装置、81 CPU、82 ROM、83 HDD、84 RAM、100 チャック、101 荷重センサ、D ダイ、S 基板、W ウエハ。

Claims (8)

  1. 複数のダイに分割されると共に裏面がシートに貼着されたウエハから前記ダイを吸着する吸着装置において、
    昇降可能であると共に負圧により前記ダイを吸着可能なノズルを有するヘッドと、
    負圧により前記シートを保持可能なシート保持部材と、前記シート保持部材に対して昇降可能なピンと、を有する剥離装置と、
    前記ウエハから前記ダイを吸着して取り出すに際して、前記シートの裏面を前記シート保持部材に保持させるシート保持制御と、前記ダイの上方において前記ノズルを下降させて前記ダイを前記ノズルに吸着させるノズル下降制御と、前記ピンで前記ダイを前記シートの裏面側から押し上げるピン突き上げ制御と、前記ダイを吸着させた前記ノズルを上昇させるノズル上昇制御とを順次実行するよう前記ヘッドと前記剥離装置とを制御する吸着制御を行なう制御装置と、
    を備える吸着装置に適用され、前記吸着制御のための吸着条件を決定する吸着条件決定方法であって、
    前記シート保持部材に前記シートを保持すると共に前記シートの裏側から前記ピンを突き上げた状態において、前記シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定し、
    前記吸着条件の一つとして、前記測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧で前記ノズルに前記ダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する、
    吸着条件決定方法。
  2. 請求項1に記載の吸着条件決定方法であって、
    前記引っ張り荷重の測定中に前記シート保持部材への負圧供給状態を監視し、
    前記吸着条件の一つとして、前記負圧供給状態に基づいて前記ピンの突き上げ量を決定する、
    吸着条件決定方法。
  3. 請求項2に記載の吸着条件決定方法であって、
    前記引っ張り荷重の測定中に前記負圧供給状態が前記シート保持部材から負圧がリークするリーク状態に至ったときには前記ピンの突き上げ量を増やして前記引っ張り荷重を再測定し、前記負圧供給状態が前記リーク状態に至ることなく前記引っ張り荷重の測定が完了すると、そのときの突き上げ量を前記ピンの突き上げ量に決定する、
    吸着条件決定方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の吸着条件決定方法であって、
    前記吸着条件を決定した後、前記吸着制御を実行し、前記吸着制御の実行中に前記ノズルへの負圧供給状態と前記シート保持部材への負圧供給状態とを監視し、前記各負圧供給状態がそれぞれ予め定められた適正状態にあることを確認する、
    吸着条件決定方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の吸着条件決定方法であって、
    前記吸着制御は、前記シート保持制御と前記ノズル下降制御とを行ない、前記ノズル下降制御により前記ノズルを下降させてから第1所定時間が経過すると、前記ピンを第1所定速度で上昇させる前記ピン突き上げ制御を行ない、前記ピン突き上げ制御により前記ピンを突き上げた後、第2所定時間が経過すると、前記ノズルを第2所定速度で上昇させる前記ノズル上昇制御を行なうものであり、
    前記第1所定時間と前記第2所定時間と前記第1所定速度と前記第2所定速度とのうち少なくとも一つのパラメータを変更しながら、前記吸着制御を実行すると共に前記吸着制御の実行中に前記ノズルおよび前記シート保持部材のそれぞれにおける負圧供給状態を監視し、各負圧供給状態がそれぞれ予め定められた適正状態にある条件を前記吸着条件に決定する、
    吸着条件決定方法。
  6. 請求項5に記載の吸着条件決定方法であって、
    前記第1所定時間または前記第2所定時間として、前記各負圧供給状態がそれぞれの前記適正状態にある時間範囲内で最も短い時間を決定する、
    吸着条件決定方法。
  7. 請求項5または6に記載の吸着条件決定方法であって、
    前記第1所定速度または前記第2所定速度として、前記各負圧供給状態がそれぞれの前記適正状態にある速度範囲内で最も速い速度を決定する、
    吸着条件決定方法。
  8. 複数のダイに分割されると共に裏面がシートに貼着されたウエハから前記ダイを吸着する吸着装置であって、
    昇降可能であると共に負圧により前記ダイを吸着可能なノズルを有するヘッドと、
    負圧により前記シートを保持可能なシート保持部材と、前記シート保持部材に対して昇降可能なピンと、を有する剥離装置と、
    前記ウエハから前記ダイを吸着して取り出すに際して、前記シートの裏面を前記シート保持部材に保持させるシート保持制御と、前記ダイの上方において前記ノズルを下降させて前記ダイを前記ノズルに吸着させるノズル下降制御と、前記ピンで前記ダイを前記シートの裏面側から突き上げるピン突き上げ制御と、前記ダイを吸着させた前記ノズルを上昇させるノズル上昇制御とを順次実行するよう前記ヘッドと前記剥離装置とを制御する吸着制御を行なう制御手段と、
    前記吸着制御のための吸着条件の一つとして、前記吸着制御の実行中に前記ノズルで前記シートに貼着されたダイを引き剥がすのに必要な引っ張り荷重を測定し、前記測定した引っ張り荷重に基づいて予め定められた負圧で前記ノズルに前記ダイを吸着するために必要なノズルサイズを決定する吸着条件決定手段と、
    を備える吸着装置。
JP2020087430A 2020-05-19 2020-05-19 吸着条件決定方法および吸着装置 Active JP7417472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020087430A JP7417472B2 (ja) 2020-05-19 2020-05-19 吸着条件決定方法および吸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020087430A JP7417472B2 (ja) 2020-05-19 2020-05-19 吸着条件決定方法および吸着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021182583A true JP2021182583A (ja) 2021-11-25
JP7417472B2 JP7417472B2 (ja) 2024-01-18

Family

ID=78606753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020087430A Active JP7417472B2 (ja) 2020-05-19 2020-05-19 吸着条件決定方法および吸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7417472B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008290170A (ja) 2007-05-23 2008-12-04 Renesas Technology Corp 半導体装置の製造方法
JP5702157B2 (ja) 2011-01-11 2015-04-15 Juki株式会社 電子部品実装装置
JP5946908B2 (ja) 2012-05-11 2016-07-06 富士機械製造株式会社 電子部品保持ヘッド、電子部品検出方法、および、ダイ供給機
WO2013171869A1 (ja) 2012-05-17 2013-11-21 富士機械製造株式会社 ダイ剥離装置
JP6312807B2 (ja) 2014-03-17 2018-04-18 株式会社Fuji 部品装着ヘッド
JP5888464B1 (ja) 2015-11-30 2016-03-22 富士ゼロックス株式会社 半導体製造装置および半導体片の製造方法
JP6634149B2 (ja) 2016-03-28 2020-01-22 株式会社Fuji 部品供給装置、実装装置及び部品供給方法
JP3205044U (ja) 2016-04-20 2016-06-30 リンテック株式会社 ピックアップ装置
CN108925126B (zh) 2018-07-25 2020-05-26 哈尔滨工业大学 一种单动臂并列式贴片头贴片机的吸杆任务分配方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7417472B2 (ja) 2024-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6807755B2 (ja) 実装装置及び実装装置の制御方法
JP5946908B2 (ja) 電子部品保持ヘッド、電子部品検出方法、および、ダイ供給機
JP2014067860A (ja) 電子部品実装装置
JP2008124198A (ja) ハンドラのティーチング方法及びハンドラ
WO2018179317A1 (ja) 部品実装機及び実装ヘッド
KR20190107571A (ko) 다이 본딩 장치 및 반도체 장치의 제조 방법
JP6840158B2 (ja) ダイ実装装置
JP4835607B2 (ja) 吸着ノズルユニットの点検方法及び点検装置
WO2018061103A1 (ja) ウエハ供給装置および部品実装装置
JP5410864B2 (ja) 電子部品実装装置
JP6556611B2 (ja) 部品実装機
JP2017204559A (ja) リペアユニットを有するシステム
JP4683129B2 (ja) ハンドラのティーチング方法及びハンドラ
JP7417472B2 (ja) 吸着条件決定方法および吸着装置
JP2021176169A (ja) 吸着装置の状態判定装置
JP6886981B2 (ja) 部品実装機
JP7421430B2 (ja) 部品吸着位置設定方法および部品吸着装置
WO2017013807A1 (ja) 部品実装機
JP6891281B2 (ja) 部品実装装置
JP6778270B2 (ja) 部品実装装置
WO2018163394A1 (ja) 部品実装機
JP7410826B2 (ja) ピンの位置ずれ測定装置およびダイ供給装置
KR20050039767A (ko) 볼 마운팅 시스템
JPWO2019202655A1 (ja) 装着作業機、および確認方法
JP2021174850A (ja) 部品供給装置および部品実装装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7417472

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150