JP2021180246A - インダクタ部品、インダクタ部品の製造方法及びインダクタ構造体 - Google Patents

インダクタ部品、インダクタ部品の製造方法及びインダクタ構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2021180246A
JP2021180246A JP2020084562A JP2020084562A JP2021180246A JP 2021180246 A JP2021180246 A JP 2021180246A JP 2020084562 A JP2020084562 A JP 2020084562A JP 2020084562 A JP2020084562 A JP 2020084562A JP 2021180246 A JP2021180246 A JP 2021180246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inductor
wiring
layer
inductor wiring
terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020084562A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7287343B2 (ja
Inventor
由雅 吉岡
Yoshimasa Yoshioka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2020084562A priority Critical patent/JP7287343B2/ja
Priority to US17/246,584 priority patent/US20210358679A1/en
Priority to CN202110511959.1A priority patent/CN113674948A/zh
Publication of JP2021180246A publication Critical patent/JP2021180246A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7287343B2 publication Critical patent/JP7287343B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2823Wires
    • H01F27/2828Construction of conductive connections, of leads
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F17/0013Printed inductances with stacked layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/24Magnetic cores
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/2823Wires
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/29Terminals; Tapping arrangements for signal inductances
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/04Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing coils
    • H01F41/041Printed circuit coils
    • H01F41/046Printed circuit coils structurally combined with ferromagnetic material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/04Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing coils
    • H01F41/06Coil winding
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/04Fixed inductances of the signal type  with magnetic core
    • H01F2017/048Fixed inductances of the signal type  with magnetic core with encapsulating core, e.g. made of resin and magnetic powder

Abstract

【課題】基板に対する実装面積が小さいインダクタ部品を提供する。【解決手段】インダクタ部品10において、第1磁性層21の下側の面が、第1実装面F1となっている。第1磁性層21の内部には、第1インダクタ配線31が設けられている。第1インダクタ配線31は、円柱状となっており、上下方向に延びている。境界部50は、第1インダクタ配線31の第1内部端子33に接続されている。第2磁性層61の上側の面が、第2実装面F2となっている。第2磁性層61の内部には、第2インダクタ配線71が設けられている。第2インダクタ配線71は、上下方向に延びる柱状となっている。第2インダクタ配線71の第2内部端子73は、境界部50と接続されている。境界部50は、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71との物理的な境界となっている。【選択図】図1

Description

本開示は、インダクタ部品、インダクタ部品の製造方法及びインダクタ構造体に関する。
特許文献1に記載のインダクタ部品においては、絶縁樹脂層内に、環状のコイルコアが配置されている。また、絶縁樹脂層内には、インダクタ配線が配置されている。インダクタ配線は、コイルコアにおける環状に延びる方向の周囲を螺旋状に巻回されている。インダクタ配線の第1端側に位置する第1外部端子は、絶縁樹脂層の外面のうち、基板に実装される側の実装面に露出している。インダクタ配線の第2端側に位置する第2外部端子は、第1外部端子と同じ実装面に露出している。
特開2016−009833号公報
ここで、インダクタ配線が直列に接続されるように、2つのインダクタ部品を基板に実装する場合がある。この場合に、特許文献1に記載のインダクタ部品では、インダクタ配線の両端が、同一の実装面に露出しているため、基板の同一面に、2つのインダクタ部品を並べて、基板内で配線を接続する必要がある。したがって、基板上にインダクタ部品を2つ並べるためには、基板上に少なくとも2つのインダクタ部品の面積を確保する必要がある。
上記課題を解決するため、本開示の一態様は、磁性材料からなる第1磁性層及び前記第1磁性層に積層された磁性材料からなる第2磁性層を含み、第1端子面と、前記第1磁性層に第2磁性層が積層されている方向である積層方向における前記第1端子面とは反対側の第2端子面と、を有する素体と、前記第1磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第1インダクタ配線と、前記第1インダクタ配線の第1端に設けられているとともに前記第1端子面からのみ露出している第1外部端子と、前記第1インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられている第1内部端子と、前記第2磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第2インダクタ配線と、前記第2インダクタ配線の第1端に設けられている第2内部端子と、前記第2インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられているとともに、前記第2端子面からのみ露出している第2外部端子と、前記第1内部端子及び前記第2内部端子を接続し、前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線の物理的な境界となる境界部と、を備えるインダクタ部品である。
上記課題を解決するため、本開示の一態様は、磁性材料からなる第1磁性層及び前記第1磁性層に積層された磁性材料からなる第2磁性層を含み、第1端子面と、前記第1磁性層に第2磁性層が積層されている方向である積層方向における前記第1端子面とは反対側の第2端子面と、を有する素体と、前記第1磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第1インダクタ配線と、前記第1インダクタ配線の第1端に設けられているとともに前記第1端子面からのみ露出している第1外部端子と、前記第1インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられている第1内部端子と、前記第2磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第2インダクタ配線と、前記第2インダクタ配線の第1端に設けられている第2内部端子と、前記第2インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられているとともに、前記第2端子面からのみ露出している第2外部端子と、前記第1内部端子及び前記第2内部端子を接続し、前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線の物理的な境界となる境界部と、を備える、インダクタ部品と、前記インダクタ部品の前記第1外部端子に入力電圧を印加する入力配線と、前記インダクタ部品の前記第2外部端子から出力電圧が印加される出力配線とを備え、前記積層方向から視たときに、前記入力配線の前記第1外部端子との接続端と、前記出力配線の前記第2外部端子との接続端と、の少なくとも一部は重複しているインダクタ部品実装構造体である。
上記各構成によれば、積層方向に線状に延びる第1インダクタ配線及び第2インダクタ配線が境界部により直列に接続され、第1外部端子は積層方向の第1端側に位置する第1端子面からのみ露出するとともに、第2外部端子は積層方向の第2端側に位置する第2端子面からのみ露出している。そのため、基板上の同一実装面に、別部品で構成される2つのインダクタ配線を並べて実装するよりも、基板に実装する面積を小さくできる。
上記課題を解決するため、本開示の一態様は、第1磁性層を線状に貫通する第1インダクタ配線を形成する第1インダクタ配線形成工程と、第2磁性層を線状に貫通する第2インダクタ配線を形成する第2インダクタ配線形成工程と、前記第1インダクタ配線の端部と、前記第2インダクタ配線の端部とを接続し、前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線の物理的な境界となる境界部を形成する境界部形成工程と、前記第1磁性層と前記第2磁性層の積層方向の第1端側に位置する第1端子面からのみ露出する第1外部端子を形成する第1外部端子形成工程と、前記積層方向の第2端側に位置する第2端子面からのみ露出する第2外部端子を形成する第2外部端子形成工程と、を備えるインダクタ部品の製造方法である。
上記構成によれば、境界部形成工程によって、積層方向に線状に延びる第1インダクタ配線及び第2インダクタ配線が直列に接続され、第1外部端子は積層方向の第1端側に位置する第1端子面にのみ露出し、第2外部端子は積層方向の第2端側に位置する第2端子面にのみ露出するインダクタ部品が製造される。そのため、基板上の同一実装面に別部品で構成される2つのインダクタ配線を並べて実装するよりも、基板に実装する面積の小さいインダクタ部品の製造を実現できる。
第1実施形態のインダクタ部品の断面図。 第1実施形態のインダクタ部品における境界部と第1インダクタ配線との近傍の拡大断面図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第1実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第2実施形態のインダクタ部品の断面図。 第2実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第2実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第2実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第2実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第2実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の断面図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第3実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第4実施形態のインダクタ部品の断面図。 第4実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第4実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第4実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 第4実施形態のインダクタ部品の製造方法の説明図。 インダクタ部品実装基板の実施形態の断面図。 変更例のインダクタ部品の断面図。 変更例のインダクタ構造体の断面図。
以下、インダクタ部品及びインダクタ部品の製造方法の各実施形態について説明する。なお、図面は理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図中のものと異なる場合がある。また、図の部材の一部にのみ符号を付している場合がある。
<第1実施形態>
以下、インダクタ部品及びインダクタ部品の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、インダクタ部品10は、厚み方向に3つの層が積層されたような構造になっている。以下の説明では、3つの各層の積層方向を上下方向として説明する。
第1層L1は、上下方向から視たときに、正方形状となっている。第1層L1は、第1磁性層21と、第1インダクタ配線31と、絶縁膜40と、で構成されている。
第1磁性層21の材質は、鉄などの金属磁性粉を含む樹脂であり、全体として磁性を有する磁性材料となっている。そして、インダクタ部品10において、第1層L1の上下方向の第1端側である下側の面が、第1端子面F1となっている。本実施形態においては、第1層L1が上下方向において最も下側の層となっており第1端子面F1が下側を向いている。
第1磁性層21の内部には、第1インダクタ配線31が設けられている。第1インダクタ配線31は、導電性材料からなっており、本実施形態においては、第1インダクタ配線31の組成は、銅の比率が99wt%以上となっている。なお、図示は省略するが、第1層L1には、第1インダクタ配線31は、4つ設けられている。第1層L1を上下方向から視たときに、正方形の向かい合う一対の辺の延びる方向に沿って、1列あたり2つの第1インダクタ配線31が2列配置されている。
第1インダクタ配線31は、円柱状となっており、上下方向すなわち積層方向に直線状に延びている。第1インダクタ配線31の上下方向の寸法は、第1磁性層21の上下方向の寸法と同一となっている。そのため、第1インダクタ配線31の上下方向の第1端側である下側の端面は、第1端子面F1と面一であり、第1端子面F1からのみ露出している。本実施形態においては、第1インダクタ配線31の下側の端面が、第1外部端子32として機能している。すなわち、第1インダクタ配線31の第1端には、第1外部端子32が設けられている。
また、第1インダクタ配線31の上下方向の第1端側とは反対側の第2端側である上側の端面は、第1層L1における第1端子面F1とは反対側の面と面一であり、当該反対側の面からのみ露出している。本実施形態においては、第1インダクタ配線31の上側の端面が、第1内部端子33として機能している。すなわち、第1インダクタ配線31の第2端には、第1内部端子33が設けられている。
第1インダクタ配線31の外面のうち、第1外部端子32が設けられている面及び第1内部端子33が設けられている面を除く側面34は、全て絶縁膜40に覆われている。本実施形態においては、側面34は、第1端子面F1に直交する面となっている。絶縁膜40は、絶縁材料からなっており、本実施形態では、エポキシ樹脂となっている。絶縁膜40の膜厚は、略均一となっている。
第1層L1の上面には、第2層L2が存在している。本実施形態において、第2層L2は、4つの境界部50とこれらの間の空間で構成されている。境界部50は、第1層L1の第1内部端子33に接続されている。境界部50は、略円柱状となっている。境界部50を上下方向から視たときの円の直径は、第1インダクタ配線31の直径よりも大きい。そのため、上下方向から視たとき、境界部50は、第1内部端子33を全て覆っている。
図2に示すように、境界部50は、はんだ51と、金属間化合物52と、によって構成されている。はんだ51は、導電性材料からなっており、錫を50wt%以上99wt%以下含んでいる。
金属間化合物52は、はんだ51に比べて薄い層状となっている。金属間化合物52は、銅及び錫の合金となっている。金属間化合物52は、第1内部端子33とはんだ51との間に形成されている。そのため、境界部50の材質は、第1インダクタ配線31の材質とは異なっている。
図1に示すように、第2層L2の上面には、第3層L3が積層されている。第3層L3は、上下方向から視たときに、正方形状となっている。上下方向から視たときの第3層L3の正方形の各辺の長さは、第1層L1の上下方向から視たときの正方形の各辺の長さと一致している。本実施形態において、第3層L3は、第2磁性層61と、第2インダクタ配線71と、で構成されている。
第2磁性層61の材質は、第1磁性層21と同じ材料となっている。そして、インダクタ部品10において、第3層L3の上下方向の第2端側である上側の面が、インダクタ部品10が回路基板に実装された状態で回路基板に実装される第2端子面F2となっている。なお、この実施形態では、第3層L3の第2磁性層61と、上述した第1層L1の第1磁性層21とで、インダクタ部品10の素体11が構成されている。
第2磁性層61の内部には、第2インダクタ配線71が設けられている。第2インダクタ配線71は、第1インダクタ配線31と同じ材料となっている。なお、図示は省略するが、第3層L3には、第2インダクタ配線71は、4つ設けられている。第2層L2における4つの境界部50の上側の面に、それぞれ第2インダクタ配線71が接続されている。
第2インダクタ配線71は、上下方向すなわち積層方向に直線状に延びている柱状となっている。第2インダクタ配線71の上下方向の寸法は、第1インダクタ配線31の上下方向の寸法と略同一である。第2インダクタ配線71は、上下方向に直交する方向の断面形状が円状となっている。そして、第2インダクタ配線71の上下方向に直交する方向の断面は、上下方向において上側ほど直径が小さくなっている。そのため、第2インダクタ配線71の上下方向に直交する方向の断面の面積は、上下方向において上側ほど小さくなっている。なお、本実施形態においては、最も断面の面積の小さい上端の面積は、第1インダクタ配線31の上下方向に直交する方向の断面の面積と一致している。このように、第2インダクタ配線71は、上側に向かうほど細くなるテーパ状となっている。
第2インダクタ配線71の上下方向の寸法は、第2磁性層61の上下方向の寸法と同一となっている。そのため、第2インダクタ配線71の上下方向の第2端側である上側の端面は、第3層L3の第2端子面F2と面一となっている。そして、第2インダクタ配線71の上下方向の上側の端面は、第2端子面F2からのみ露出している。本実施形態においては、第2インダクタ配線71の上下方向の上側の端面が、第2外部端子72として機能している。すなわち、第2インダクタ配線71の第2端には、第2外部端子72が設けられている。
第2インダクタ配線71の上下方向の第1端側である下側の端面は、第3層L3の第2端子面F2とは反対側の面と面一となっている。そして、第2インダクタ配線71の下側の端面は、第2磁性層61の第2端子面F2とは反対側の面からのみ露出している。本実施形態においては、第2インダクタ配線71の下側の端面が、第2内部端子73として機能している。すなわち、第2内部端子73は、第2インダクタ配線71の第2端とは反対側の第1端に設けられており、第2インダクタ配線71の境界部50側に位置している。
そして、第2内部端子73は、境界部50と接続されている。そして、境界部50は、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71との物理的な境界となっている。なお、図示は省略するが、境界部50の金属間化合物52は、第2内部端子73とはんだ51との間にも形成されている。また、本実施形態において、境界部50の上下の方向の寸法である厚みは、第1内部端子33と第2内部端子73との上下方向の距離と一致する。境界部50の厚みは、第1インダクタ配線31、境界部50及び第2インダクタ配線71を含む第1端子面F1に直交する断面において、第1内部端子33と第2内部端子73との距離を測定することで得られる。境界部50の厚みは、第2インダクタ配線71の第1端側の端面を包含する最小径の円の直径の10分の1以上となっている。なお、本実施形態においては、第1インダクタ配線31の第2端面側の端面は、第2インダクタ配線71の第1端側の端面よりも小さい円状となっている。そのため、境界部50の厚みは、第1インダクタ配線31の第2端側の端面を包含する最小径の円の直径の10分の1以上となっている。
さらに、境界部50の厚みは、第1インダクタ配線31の上下方向の寸法の3分の1以下となっている。また、境界部50の厚みは、第2インダクタ配線71の上下方向の寸法の3分の1以下となっている。
本実施形態において、第1インダクタ配線31及び第2インダクタ配線71の上下方向に直交する断面のうち、最大の断面積となる箇所は、第2インダクタ配線71の第2端側の端面である。そして、上下方向から視たときの境界部50の最大範囲は、第2インダクタ配線71の第2端側の端面よりも大きい。
そして、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71とは、上下方向すなわち積層方向に並んでおり、第1インダクタ配線31の上下方向に延びる中心軸線と、第2インダクタ配線71の上下方向に延びる中心軸線とは、一致している。したがって、インダクタ部品10を上下方向から視たときに、第1外部端子32と第2外部端子72とが重複しており、両者の位置が一致している。さらに、第1インダクタ配線31の上下方向の寸法と、第2インダクタ配線71の上下方向の寸法とは、一致している。
次に、第1実施形態におけるインダクタ部品10の製造方法について説明する。
インダクタ部品10を製造するにあたって、先ず、第3層L3が個片化されていない第3層群を形成する。本実施形態においては、第3層群は、セミアディティブ工法を用いて形成する。図3に示すように、先ず銅箔付きベース基板80を準備する。銅箔付きベース基板80の第3層ベース基板81は、板状となっている。第3層ベース基板81の積層方向上側の面には、銅箔82が積層されている。
次に、第1レジスト層90を形成する。図4に示すように、銅箔付きベース基板80の銅箔82の上側の面のうち、第2インダクタ配線71を形成しない部分を被覆する第1レジスト層90をパターニングする。具体的には、先ず、銅箔82の上側の面全体に感光性のドライフィルムレジストを塗布する。次に、銅箔82の上側の面のうち、第2インダクタ配線71を形成しない部分に対して露光する。その結果、塗布されたドライフィルムレジストのうち、露光された部分が硬化される。その後、塗布したドライフィルムレジストのうち、硬化していない部分を、薬液により剥離除去する。これにより、塗布したドライフィルムレジストのうち、硬化されている部分が、第1レジスト層90として形成される。一方で、塗布したドライフィルムレジストのうち、薬液に除去されて第1レジスト層90によって被覆されていない部分には、銅箔82が露出している。なお、本実施形態においては、露光する際の焦点や硬化するための条件等を調整して、第2インダクタ配線71を形成しない空隙部分が上側に向かうほど細くなるテーパ状になるように第1レジスト層90を形成する。すなわち、上下方向に沿う断面視で、第1レジスト層90を、上側ほど太くなる逆テーパ状に形成する。
次に、第2インダクタ配線形成工程として、第2インダクタ配線71を形成する。図5に示すように、銅箔付きベース基板80の銅箔82の上側の面のうち、第1レジスト層90が形成されていない部分に第2インダクタ配線71を形成する。そのため、第2インダクタ配線71は、積層方向に直線状に延びる形状となる。具体的には、銅箔82の上側の面を電解銅めっき液に浸すことで電解銅めっきを行い、銅箔82の上側の面に、銅の比率が99wt%以上の第2インダクタ配線71が形成される。
次に、第1レジスト層90を剥離する。図6に示すように、第1レジスト層90の一部を物理的に掴み、第1レジスト層90と銅箔付きベース基板80とを引き離すように剥離する。なお、本実施形態においては、第2インダクタ配線71は、上側ほど細くなるテーパ状となる。
次に、第2インダクタ配線71の周囲にはみ出している銅箔82を除去する。具体的には、銅箔82についてエッチングを行うことで、第2インダクタ配線71から露出している銅箔82を除去する。
次に、第2磁性層形成工程として、第2磁性層61の材料である磁性粉を含む樹脂を塗布する。図7に示すように、磁性粉を含む樹脂を、第2インダクタ配線71の上側の面も覆うように塗布する。次に、プレス加工で磁性粉を含む樹脂を固めて第2磁性層61を形成する。
次に、第2外部端子形成工程として、第2磁性層61の上側部分を切削する。図8に示すように、第2インダクタ配線71の上側の端面、すなわち第2外部端子72が露出するまで、第2磁性層61の上側部分を削る。これにより、第2外部端子形成工程では、第2端子面F2からのみ露出する第2外部端子72が形成される。また、第2インダクタ配線71の周囲に、第2磁性層61が形成されることで、直線状の第2インダクタ配線71が第2磁性層61を貫通する。
次に、第2内部端子形成工程として、銅箔付きベース基板80を除去する。図9に示すように、第2インダクタ配線71の下側の端面、すなわち第2内部端子73が露出するまで、銅箔付きベース基板80を削り取る。この際、本実施形態においては、銅箔82も全て切削することで、第2インダクタ配線71の下側の端面が第2磁性層61から露出する。これにより、第2内部端子形成工程では、第3層L3において第2端子面F2とは反対側の面からのみ露出する第2内部端子73が形成される。また、第2インダクタ配線71が、第2磁性層61を貫通する。
これらの第2インダクタ配線形成工程と、第2磁性層形成工程と、第2外部端子形成工程と、第2内部端子形成工程とにより、第3層L3が複数設けられた第3層群が形成される。
一方、上述した第3層群とは別に、第1層L1が個片化されていない第1層群を形成する。図10に示すように、先ず第1層ベース基板83を準備する。第1層ベース基板83は、板状となっている。
次に、第1層ベース基板83の上側の面に、接着層84を張り付ける。図11に示すように、接着層84は、本実施形態では、張り付けた後に、第1層ベース基板83から剥離が可能なシールとなっている。さらに、接着層84の第1層ベース基板83とは反対側の面も接着が可能となっている。すなわち、接着層84は両側の面が接着面となっている。
次に、第1インダクタ配線形成工程として、接着層84の上側の面に、金属柱状部材Pを接着する。図12に示すように、金属柱状部材Pは、直線状に延びる円柱状となっており、金属部P1と絶縁部P2とで構成されている。金属部P1は、円柱状となっている。金属部P1の材質は銅となっている。絶縁部P2は、金属部P1の接着する側の面に直交する面である側面を全て覆っている。絶縁部P2の厚みは略均一となっている。絶縁部P2の材質は、エポキシ樹脂となっている。後述するように、本実施形態においては、金属部P1が第1インダクタ配線31となり、絶縁部P2が絶縁膜40となる。
次に、第1磁性層形成工程として、第1磁性層21の材料である磁性粉を含む樹脂を塗布する。図13に示すように、金属柱状部材Pの上側の端面も覆うように塗布する。次に、プレス加工で磁性粉を含む樹脂を固めて第1磁性層21を形成する。
次に、第1内部端子形成工程として、第1磁性層21の上側の部分を切削する。図14に示すように、金属柱状部材Pの上側の端面が露出するまで第1磁性層21の上側部分を削る。これにより、金属柱状部材Pの上側の端面が露出することで、第1インダクタ配線31の第1内部端子33が形成される。すなわち、第1内部端子形成工程では、第1層L1において、第1端子面F1とは反対側の面からのみ露出する第1内部端子33が形成される。
次に、第1外部端子形成工程として、第1層ベース基板83と接着層84とを除去する。図15に示すように、接着層84と第1層ベース基板83を物理的に掴んで、接着層84の上側の面と第1磁性層21の下側の面とを剥離するように引き離す。これにより、第1磁性層21の下側の面には、金属柱状部材Pの下側の面が露出することで、第1インダクタ配線31の第1外部端子32が形成される。すなわち、第1外部端子形成工程では、第1端子面F1からのみ露出する第1外部端子32が形成される。また、直線状の第1インダクタ配線31が、第1磁性層21を貫通する。そのため、金属部P1は第1インダクタ配線31として構成されるとともに、金属部P1を覆っている絶縁部P2は絶縁膜40として構成される。これにより、第1層L1が個片化されていない第1層群が形成される。
次に、境界部形成工程として、上述した第1層群と第2層群とを接続させる。図16に示すように、先ず、第1層群における第1内部端子33の上側の面に、加熱したはんだ51を配置する。次に、図17に示すように、第3層群における第2内部端子73がはんだ51の上側の面に配置されるように、第3層群をはんだ51の上側に積層する。そして、はんだ51を冷やす。これにより、はんだ51と第1内部端子33との間に金属間化合物52を形成する。同様に、はんだ51と第2内部端子73との間に金属間化合物52を形成する。これにより、第1インダクタ配線31の第2端に設けられている第1内部端子33と、第2インダクタ配線71の第1端に設けられている第2内部端子73と、を接続し、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71との物理的な境界となる境界部50が形成される。
次に、図18に示すように、一体となった第1層群と第3層群とを、第1磁性層21及び第2磁性層61を通る破断線DLにてダイシングにより個片化する。これにより、インダクタ部品10を得ることができる。
次に、上記第1実施形態の作用及び効果を説明する。
(1−1)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71とが、境界部50により接続されている。そして、第1外部端子32が、素体11の積層方向の第1端側に位置する第1端子面F1からのみ露出するとともに、第2外部端子72は、素体11の積層方向の第2端側に位置する第2端子面F2からのみ露出している。そのため、仮に、基板上の同一面に、別部品で構成される2つのインダクタ配線を並べて実装するよりも、基板に実装するための面積を小さくできる。
(1−2)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71とが、上下方向すなわち積層方向に並んでいる。そのため、インダクタ部品10において、全体として、上下方向に電流が流れる配線が延びており、過度に湾曲して、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71とが並んでいない場合と比べて、素体11における磁性材料の体積を確保しやすい。
(1−3)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、上下方向から視たときに、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71とは重複している。そのため、仮に基板上の同一実装面に、別部品で構成される2つのインダクタ配線を並べて実装するよりも、基板に実装する面積を小さくできる。
(1−4)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、上下方向から視たときに、第1外部端子32と第2外部端子72とが重複している。そのため、第1端子面F1及び第2端子面F2において、インダクタ部品10を実装するために必要な面積は、最小で第1外部端子32の面積まで小さくすることができる。
(1−5)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、第1インダクタ配線31及び第2インダクタ配線71の材質は、銅を最も多く含んでいる。そのため、第1インダクタ配線31及び第2インダクタ配線71の材料費を比較的に低くしやすい。また、境界部50の材質は、第1インダクタ配線31及び第2インダクタ配線71の材質と異なっている。そのため、製造の過程で同じような条件がインダクタ部品10に作用することに伴うインダクタ部品10の破損等を防げる。
(1−6)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、境界部50は、第1インダクタ配線31側に、金属間化合物52を有している。そのため、境界部50が第1インダクタ配線31に確実に密着できる。この点、境界部50と第2インダクタ配線71についても同様である。
(1−7)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、境界部50の材質は、錫を50wt%以上99wt%以下含んでいる。そのため、境界部50のはんだ51を第1内部端子33に接続した際には、金属間化合物52として、錫と銅とを含む合金が形成される。すなわち、上記境界部50の材質であれば、金属間化合物52を形成しやすい。
(1−8)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、境界部50の厚みは、第1内部端子33と第2内部端子73との距離と一致している。そして、境界部50の厚みは、第1端子面F1に直交する方向から視た第1内部端子33の円の直径の10分の1倍以上となっている。そのため、境界部50の厚みは、第1内部端子33の露出する面積に対して相応な大きさとなるため、十分な接続強度を得ることができる。また、境界部50の厚みは、前記第2インダクタ配線71の上下方向の寸法の3分の1以下である。そのため、境界部50の厚みは、相応に小さい。よって、境界部50の上下方向から視たときの大きさも、相応に小さくなることで、隣り合う境界部50との干渉を回避できる。
(1−9)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、第1インダクタ配線31、第2インダクタ配線71及び境界部50のうち、第1端子面F1と平行な断面の断面積が最も大きい部分は、境界部50である。すなわち、上下方向から視たときに、境界部50の最大範囲は、第1インダクタ配線31及び第2インダクタ配線71の上下方向に直交する断面のうち最大の断面積よりも大きい。そのため、境界部50の存在によってインダクタ部品10の直流抵抗が大きくなることを抑制できる。
(1−10)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、第1インダクタ配線31は、第1端子面F1に直交する方向に延びる柱状である。また、第2インダクタ配線71は、第2端子面F2に直交する方向に延びる柱状である。そして、第1インダクタ配線31の中心軸線と第2インダクタ配線71の中心軸線とは一致している。そのため、第1端子面F1に直交する方向から視たときに、第1インダクタ配線31及び第2インダクタ配線71が略完全に重複している。
(1−11)上記第1実施形態のインダクタ部品10によれば、第2インダクタ配線71の延び方向に直交する断面の断面積は、第2端子面F2側ほど小さい。そのため、第2インダクタ配線71の第2内部端子73を大きくすることで、境界部50と接続するための面積を大きくできるため、第1インダクタ配線31及び境界部50に対して強固に接続しやすい。また、第2外部端子72を小さくすることで、基板に実装するための面積を小さくできる。さらに、製造時に、第1レジスト層90を剥離する際に、第1レジスト層90が第2インダクタ配線71に引っ掛かることを抑制できる。
(1−12)上記第1実施形態のインダクタ部品10の製造方法によれば、境界部形成工程によって、第1インダクタ配線31と第2インダクタ配線71とが、境界部50により接続される。そのため、第1外部端子32が素体11の積層方向の第1端側に位置する第1端子面F1からのみ露出するとともに、第2外部端子72が素体11の積層方向の第2端側に位置する第2端子面F2からのみ露出しているインダクタ部品10が製造される。よって、仮に基板上の同一実装面に別部品で構成される2つのインダクタ配線を並べて実装するよりも、基板に実装する面積の小さいインダクタ部品10の製造を実現できる。
<第2実施形態>
以下、インダクタ部品及びインダクタ部品の製造方法の第2実施形態について説明する。
第2実施形態におけるインダクタ部品110においては、第1実施形態と比べて、主に、境界部と、製造方法が異なる。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、符号を同一とし、説明を省略又は簡略化する。
図19に示すように、インダクタ部品110は、厚み方向に3つの層が積層されたような構造になっている。以下の説明では、3つの各層の積層方向を上下方向として説明する。
第1層L11は、第1磁性層121と、第1インダクタ配線131と、で構成されている。なお、第2実施形態における第1層L11は、第1実施形態における第1層L1とは異なり、絶縁膜40を備えていない。
第1層L11において、第1インダクタ配線131の上下方向の第1端側である下側の端面は、第1外部端子132として機能している。また、第1インダクタ配線131の上下方向の第2端側である上側の端面は、第1内部端子133として機能している。
第1層L11の上面には、第2層L12が積層されている。第2実施形態において、第2層L12は、シード層151と、第2インダクタ配線171の一部と、絶縁層155と、で構成されている。なお、第2層L12の厚みは、第1層L11の厚みよりも小さくなっている。
第1層L11の上面には、樹脂からなる絶縁層155が積層されている。絶縁層155においては、当該絶縁層155の上下方向に複数の穴156が貫通している。穴156は、第1インダクタ配線131の第1内部端子133の上側に配置されている。したがって、穴156の下側に、第1内部端子133が露出している。
第1インダクタ配線131の第1内部端子133と、絶縁層155の穴156の内周面と、絶縁層155の上面のうち穴156の開口縁近傍は、境界部としてのシード層151に覆われている。シード層151の材質は、銅となっている。シード層151の厚みは、1nm以上10μm以下、この実施形態では1μm程度となっている。なお、図19においては、シード層151の厚みを誇張して図示している。
シード層151の上面には、第2インダクタ配線171が接続されている。第2インダクタ配線171は、全体として、上下方向に延びる柱状となっている。第2インダクタ配線171のうち、穴156の内部に存在する下側部分171Bは、穴156よりも上側の上側部分171Aよりも、直径が小さくなっている。また、第2実施形態においては、上下方向から視たときの上側部分171Aの直径は、上下方向から視たときの第1インダクタ配線131の直径よりも大きくなっている。
この実施形態では、第2インダクタ配線171のうちの下側部分171Bが第2層L12の一部を構成している。また、この第2実施形態においては、第2インダクタ配線171のシード層151と接している面が、第2内部端子173となっている。
第2層L12の上面には、第3層L13が積層されている。第2実施形態において、第3層L13は、第2インダクタ配線171の上側部分171Aと、第2磁性層161と、で構成されている。第3層L13の厚みは、第1層L11の厚みと同一である。第2インダクタ配線171の上側部分171Aの上下方向の第1端側である上側の端面が、第2外部端子172として機能している。なお、この実施形態では、第3層L3の第2磁性層61と、上述した第1層L1の第1磁性層21とで、インダクタ部品110の素体111が構成されている。
そして、第1インダクタ配線131との上下方向に延びる中心軸線と、第2インダクタ配線171の上下方向に延びる中心軸線とは、一致している。したがって、インダクタ部品110を上下方向から視たときに、第1外部端子132の範囲内に、第2外部端子172が収まっている。
次に、第2実施形態におけるインダクタ部品110の製造方法について説明する。
インダクタ部品110を製造するにあたっては、先ず、第1層L11が個片化されていない第1層群を形成する。第1層群については、第1実施形態における第3層群と同様の工程、すなわちセミアディティブ工法で形成する。詳しい説明は省略するが、第1層群を形成するにあたっては、先ず、銅箔付きベース基板80の上側の面に第1レジスト層90を形成し、第1インダクタ配線形成工程において、第1インダクタ配線131を形成する。なお、第2実施形態の第1層群では、第1実施形態の第3層群と異なり、第1レジスト層90を形成する際に、露光する際の焦点や硬化するための条件等を調整して、第1インダクタ配線131が円柱状となるように形成する。
次に、境界部形成工程において、第1層群の上側の面に、第2層を構成する絶縁層155及びシード層151を形成する。図20に示すように、第1層の上側の面の全体に、絶縁樹脂を塗布する。次に、絶縁樹脂を硬化させることで、絶縁層155を形成する。次に、絶縁層155のうち、第1インダクタ配線131の第1内部端子133の上側に、レーザ加工によって、穴156を開口する。これにより、第1内部端子133が露出する。
次に、図21に示すように、第1層群の上側の面全体に、スパッタリングによってシード層151を形成する。すなわち、絶縁層155の上面、穴156の内周面及び第1内部端子133には、シード層151が積層される。
次に、シード層151の上面に、第2層L12及び第3層L13を構成する第2インダクタ配線171を形成する。先ず、第2レジスト層191を形成する。図22に示すように、シード層151の上面のうち、第2インダクタ配線171を形成しない部分を被覆する第2レジスト層191をパターニングする。
次に、第2インダクタ配線171を形成する。シード層151の上面のうち、第2レジスト層191が形成されていない部分に、第2インダクタ配線171を形成する。具体的には、シード層151の上面を電解銅めっき液に浸すことで電解銅めっきを行い、シード層151の上側の面に、銅の比率が99wt%以上の第2インダクタ配線171が形成される。この結果、シード層151は、第2インダクタ配線171と第1インダクタ配線131との境界部になる。
次に、第2レジスト層191を剥離する。図示は省略するが、第2レジスト層191の一部を物理的に掴み、第2レジスト層191と第1層群とを引き離すように剥離する。なお、本実施形態においては、第2インダクタ配線171の上側部分171Aは、円柱状となる。
次に、第2インダクタ配線171の周囲にはみ出しているシード層151を除去する。具体的には、シード層151についてエッチングを行うことで、第2インダクタ配線171から露出しているシード層151を除去する。
次に、第2磁性層161の材料である磁性粉を含む樹脂を塗布する。磁性粉を含む樹脂を、第2インダクタ配線171の上側の端面も覆うように塗布する。次に、プレス加工で磁性粉を含む樹脂を固めて第2磁性層161を形成する。
次に、第2磁性層161の上側部分を切削する。図23に示すように、第2インダクタ配線171の上側の端面、すなわち第2外部端子172が露出するまで、第2磁性層161の上側部分を削る。これにより、第3層L13を構成する第2インダクタ配線171の上側部分171A及び第2磁性層161を形成する。
次に、銅箔付きベース基板を除去する。図24に示すように、第1インダクタ配線131の下側の端面、すなわち、第1外部端子132が露出するまで、銅箔付きベース基板80を削り取る。次に、図示は省略するが、ダイシングにより個片化することで、インダクタ部品110を得ることができる。
次に、上記第2実施形態の作用及び効果を説明する。上記第2実施形態によれば、上述した(1−1)〜(1−5)、(1−9)〜(1−10)、(1−12)の効果に加え、さらに以下の効果を奏する。
(2−1)上記第2実施形態によれば、境界部として機能するシード層151の材質と、第1内部端子133の材質は、銅で同じ材質となっている。そのため、シード層151と第1内部端子133との接続強度を大きくすることができる。
(2−2)上記第2実施形態によれば、境界部として機能しているシード層151の厚みは、1nm以上である。そのため、シード層151が第1内部端子133の表面を確実に被覆できる。また、境界部と指摘のしているシード層151の厚みは、10μm以下である。そのため、製造時に、スパッタリングによる絶縁層155への影響を小さくできる。
(2−3)上記第2実施形態によれば、上下方向から視たときの第1インダクタ配線131の直径は、上下方向から視たときの第2インダクタ配線171の上側部分171Aの直径よりも小さい。例えば、インダクタ部品110全体のインダクタンスを調整するうえで、上下方向から視たときの第1インダクタ配線131の直径か、又は上下方向から視たときの第2インダクタ配線171の上側部分171Aの直径のいずれかを変更することで対応できる。
<第3実施形態>
以下、インダクタ部品及びインダクタ部品の製造方法の第3実施形態について説明する。
第3実施形態におけるインダクタ部品210においては、第1実施形態及び第2実施形態と比べて、第1インダクタ配線231の内部端子の構成と、境界部の位置が異なる。なお、以下の説明において、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成については、符号を同一とし、説明を省略又は簡略化する。
図25に示すように、インダクタ部品210では、第1インダクタ配線231が、配線本体231Aと、第1外部端子232と、第1内部端子233とで構成されている。配線本体231Aは、上下方向に延びる円柱状となっている。配線本体231Aの延び方向の第1端側である下側の端面は、第1磁性層221の下面、すなわち第1端子面F1から露出している。第3実施形態では、配線本体231Aの下側の端面が、第1外部端子232となっている。
一方で、配線本体231Aの延び方向の第1端側である上側の端面は、第1磁性層221の上面と面一となっている。そして、配線本体231Aの上側の端面には、第1内部端子233が接続されている。第1内部端子233は、配線本体231A側から順に、ニッケルからなる防腐層233A及び金からなるはんだ用層233Bの2層構造となっている。そのため、第3実施形態においては、第1内部端子233は、第1磁性層221の上面から突出している。
第1磁性層221の上面全体には、絶縁層255が積層されている。絶縁層255の厚みは、第1内部端子233よりもわずかに小さくなっている。第3実施形態では、第1層L21には、第1インダクタ配線231と、第1磁性層221と、絶縁層255と、が含まれている。
第1内部端子233の上側には、境界部250が接続されている。境界部250は、第1実施形態と同様に、はんだ251と2つの金属間化合物とで構成されている。第3実施形態においては、第1内部端子233のはんだ用層233Bの上側には、第1金属化合物が形成されている。第1金属間化合物は、錫及び金の合金となっている。なお、図25では、境界部250と第1内部端子233とは、区別して図示しているが、一体化していて界面や境界が判別できなくてもよい。また、境界部250には、はんだ用層233Bの金めっきが拡散するが、境界部250内の金の拡散量は、1.5wt%以下が好ましく、この場合、はんだの機械的強度を十分に確保できる。
境界部250の上側には、第2インダクタ配線271の第2内部端子273が接続されている。そして、第2内部端子273とはんだ251との間には、第2金属間化合物が形成されている。第2金属間化合物は、錫及び銅の合金となっている。これらの金属間化合物の厚みは、はんだ251の厚みに対して極めて小さいため、図示は省略する。
第2インダクタ配線271は、上下方向に柱状に延びている。第2インダクタ配線271の上下方向の寸法は、第1インダクタ配線231の上下方向の寸法よりも小さい。第2インダクタ配線271の延び方向の第2端側である上側の端面は、第2外部端子272となっている。そして、絶縁層255の上面全体には、第2磁性層261が積層されている。第2磁性層261は、絶縁層255の上面から突出する第1内部端子233の部分の第1端子面F1に直交する側面を覆っている。また、第2磁性層261は、境界部250の外面のうち、第1内部端子233と接している部分及び第2内部端子273と接している部分を除いた部分も覆っている。さらに、第2磁性層261は、第2インダクタ配線271の側面も覆っている。第3実施形態では、第3層L23には、第2インダクタ配線271と、第2磁性層261と、境界部250が含まれている。そのため、インダクタ部品210は、第1層L21と第3層L23とが積層されている。また、インダクタ部品210においては、境界部250が第3層L23の内部に配置されている。境界部250の厚みは、第2インダクタ配線271の延び方向の寸法の3分の1以下となっている。なお、この実施形態では、第3層L3の第2磁性層261と、上述した第1層L1の第1磁性層221とで、インダクタ部品210の素体211が構成されている。
次に、第3実施形態におけるインダクタ部品210の製造方法について説明する。
インダクタ部品210を製造するにあたっては、先ず、第1層L21が個片化されていない第1層群を形成する。図示は省略するが、第1層群については、第1実施形態における第3層群と同様の工程で、セミアディティブ工法によって、銅箔付きベース基板80の上側の面に、第1レジスト層90を形成し、第1インダクタ配線231の配線本体231Aを形成する。そして、図26に示すように、第1磁性層221を塗布して、配線本体231Aの上側の端面が露出するまで第1磁性層221の上側部分を削る。
次に、絶縁層255を塗布する。図27に示すように、第1磁性層221の上側の面と配線本体231Aの上側の端面のうち、第1内部端子233を形成しない部分を被覆する絶縁層255をフォトリソグラフィによって形成する。具体的には、配線本体231Aの上側の端面以外の箇所について、絶縁層255が覆うようにパターニングする。第3実施形態において、絶縁層255は、ソルダーレジストである。
次に、第1内部端子233を形成する。図28に示すように、ニッケルめっきによって、配線本体231Aの上側の端面に、ニッケルからなる防腐層233Aを形成する。次に、金めっきによって、防腐層233Aの上側の面に、金からなるはんだ用層233Bを形成する。これにより、第1層群が形成される。
一方で、上述した第1層群とは別に、第3層L23が個片化されておらず、第2磁性層261を備えない第3層群を形成する。図29に示すように、第2層ベース基板285を準備する。第2層ベース基板285は、板状となっている。
次に、第2層ベース基板285の上側の面に、接着層286を張り付ける。接着層286は、張り付けた後に、第2層ベース基板285から剥離が可能なシールとなっている。さらに、接着層286の第2層ベース基板285とは反対側の面も接着が可能となっている。すなわち、接着層286の両側の面が接着面となっている。次に、接着層286の上面に、銅箔287を接着させる。
次に、銅箔287の上側の面に、第2インダクタ配線271を形成する。先ず、図30に示すように、フォトリソグラフィによって、銅箔287の上側の面のうち、第2インダクタ配線271を形成しない部分を被覆する第2レジスト層291を形成する。次に、銅箔287の上側の面のうち、第2レジスト層291が形成されていない部分に、第2インダクタ配線271を形成する。具体的には、銅箔287の上側の面を電解めっき液に浸すことで電解銅めっきを行い、銅箔287の上側の面に、銅の比率が99wt%以上の第2インダクタ配線271が形成される。なお、第3実施形態においては、形成された第2インダクタ配線271の上側の端面が、第2内部端子273となる。
次に、第2レジスト層291を剥離する。そして、図31に示すように、第2インダクタ配線271の周囲にはみ出している銅箔287をエッチングにより銅箔287を除去する。次に、第2内部端子273に、はんだ251を接続させる。これにより、第2磁性層261を備えない第3層群が形成される。
次に、上述した第1層群と第2磁性層261を備えない第3層群とを接続させる。図32に示すように、先ず、第3層群におけるはんだ251が第1層群における第1内部端子233の上側の面に配置されるように、第3層群を第1層群の上側に積層する。そして、はんだ251を冷やす。これにより、はんだ251と第1内部端子233との間に第1金属間化合物を形成する。また、同様に、はんだ251と第2内部端子273との間に第2金属間化合物を形成する。その結果、境界部250が形成される。
次に、第2層ベース基板285及び接着層286を、銅箔287から剥がす。図33に示すように、第2層ベース基板285及び接着層286の一部を物理的に掴み、接着層286を銅箔287から引き離すように剥離する。
次に、絶縁層255の上側から、第2磁性層261の材料である磁性粉を含む樹脂を塗布する。この際、当該樹脂を、銅箔287が全て覆われるように塗布する。次に、プレス加工で磁性粉を含む樹脂を固めて第2磁性層261を形成する。
次に、図34に示すように、第2外部端子形成工程として、第2磁性層261の上側部分を削る。これにより、第2インダクタ配線271の上側の端面が露出することで、第2インダクタ配線271の第2外部端子272が形成される。
次に、第1外部端形成工程として、銅箔付きベース基板80を除去する。図35に示すように、第1インダクタ配線231の下側の端面、すなわち第1外部端子232が露出するまで、銅箔付きベース基板80を削り取る。この際、第3実施形態においては、銅箔82もすべて切削することで、第1インダクタ配線231の下側の端面が第1磁性層221から露出する。そして、一体となった第1層群と第3層群とを、第1磁性層221及び第2磁性層261を通る破断線にてダイシングにより個片化する。これにより、インダクタ部品210を得ることができる。
次に、上記第3実施形態の作用及び効果を説明する。上記第3実施形態によれば、上述した(1−1)〜(1−10)の効果に加えて、さらに以下の効果を奏する。
(3−1)上記第3実施形態によれば、第2インダクタ配線271は、上下方向に柱状に延びている。第2インダクタ配線271の上下方向の寸法は、第1インダクタ配線231の上下方向の寸法よりも小さい。すなわち、第1インダクタ配線231の上下方向の寸法は、第2インダクタ配線271の上下方向の寸法とは異なっている。そのため、一方の配線の長さを調整することで、全体の配線の長さを調整可能である。
<第4実施形態>
以下、インダクタ部品及びインダクタ部品の製造方法の第4実施形態について説明する。
第4実施形態におけるインダクタ部品310においては、第1実施形態と比べて、主に、境界部と、製造方法が異なる。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については、符号を同一とし、説明を省略又は簡略化する。
図36に示すように、インダクタ部品310は、厚み方向に3つの層が積層されたような構造になっている。以下の説明では、3つの各層の積層方向を上下方向として説明する。
第4実施形態においては、第1実施形態〜第3実施形態と異なり、第2層L32が緩衝層355を備える点と、第3層L33の第2内部端子373が3層構造となっている。
第3層L33は、第2インダクタ配線371と、第2絶縁膜340と、第2磁性層361と、で構成されている。第2インダクタ配線371が、配線本体371Aと、第2外部端子372と、第2内部端子373と、で構成されている。配線本体371Aは、円柱状となっている。配線本体371Aの第1端子面F1に直交する側面は、第2絶縁膜340に覆われている。第2絶縁膜340は、絶縁膜40と同一の材料となっている。配線本体371Aの延び方向の第2端側である上側の端面は、第2磁性層361の上面、すなわち第2端子面F2から露出している。第4実施形態では、配線本体371Aの上側の端面が、第2外部端子372となっている。なお、この実施形態では、第3層L3の第2磁性層361と、上述した第1層L1の第1磁性層21とで、インダクタ部品310の素体311が構成されている。
一方で、配線本体371Aの延び方向の第1端側の下側の端面は、第2磁性層361の下側の面と面一となっている。そして、配線本体371Aの下側の端面には、第2内部端子373が接続されている。第2内部端子373は、配線本体371A側から順に、銅からなるベース層373A、ニッケルからなる防腐層373B及び金からなるはんだ用層373Cの3層構造となっている。そのため、第4実施形態においては、第2内部端子373は、第2磁性層361の下面から突出している。なお、図36では、第2内部端子373は、3つの層を区別して図示しているが、これらが一体化していて界面や境界が判別できなくてもよい。また、境界部350には、はんだ用層373Cの金めっきが拡散するが、境界部350内の金の拡散量は、1.5wt%以下が好ましく、この場合、はんだの機械的強度を十分に確保できる。
また、上下方向から視たときに、第2内部端子373は円状となっている。そして、上下方向から視たときの第2内部端子373の円の直径は、配線本体371Aの円の直径よりも大きい。
そして、第1層L1と第3層L33との間には、第2層L32が介在している。第2層L32は、境界部350と、緩衝層355と、で構成されている。境界部350は、第1内部端子33と、第2内部端子373との間に配置されており、両者と接続されている。上下方向から視たときに、境界部350は円状となっている。上下方向から視たときに、境界部350の円は、第2内部端子373の円よりも小さくなっている。
第1層L1の上面には、境界部350が配置されている部分を除いて、緩衝層355が積層されている。緩衝層355は、第1磁性層21の上面に接しており、第2磁性層361の下面にも接している。境界部350及び第2内部端子373の表面は、緩衝層355に覆われている。緩衝層355は、図示は省略するが、無機材料からなる絶縁フィラーや磁性材料からなる磁性フィラーを含む樹脂からなっている。本実施形態においては、絶縁フィラーは、針状の非磁性材料からなっている。具体的には絶縁フィラーの材質は、シリカとなっている。また、磁性フィラーは、球状の磁性体からなっている。具体的には、磁性フィラーの材質は、金属磁性粉となっている。
次に、第4実施形態におけるインダクタ部品310の製造方法について説明する。
インダクタ部品310を製造するにあたっては、先ず、第1層L1が個片化されていない第1層群を形成する。上述した第1実施形態の第1層群を形成する際と同様に、第1層群を形成する。
一方、第1層群とは別に、第3層L33を形成する。まず、上述した第1実施形態の第1層群を形成する際と同様に、金属柱状部材Pを用いて第2インダクタ配線371の配線本体371A及び第2絶縁膜340を形成する。そして、配線本体371Aの延び方向の第2端側である上側の端面が第2磁性層361の上面から露出するようにして、第2外部端子372を形成する。また、配線本体371Aの延び方向の第1端側である下側の端面が第2磁性層361の下面と面一となるように、第2磁性層361の下側部分を研削する。
そして、図37に示すように、配線本体371Aの下側の端面に、第2内部端子373を形成する。具体的には、先ず、配線本体371Aの端面を覆うように、銅めっきによって、銅からなるベース層373Aを形成する。次に、ベース層373Aの表面に、ニッケルめっきによって、ニッケルからなる防腐層373Bを形成する。次に、防腐層373Bの表面に、金めっきによって、金からなるはんだ用層373Cを形成する。これにより、3層構造の第2内部端子373が形成される。そのため、第4実施形態においては、第2内部端子373は、第2磁性層361の下面から突出する。そして、ダイシングにより第3層群を個片化することで、第2内部端子373を備えていない第3層L33が形成される。
次に、第1層群における第1内部端子33の上側の面に、錫を含むはんだ351を配置する。そして、第3層L33を、第2内部端子373がはんだ351の上側に位置するように、第1層群に積層する。これにより、はんだ351が第2内部端子373と接続される。そして、はんだ351を硬化させると、境界部350が形成される。この際、はんだ351と第1内部端子33との間には、錫と銅とを含む合金の第1金属間化合物が形成される。また、はんだ351と第2内部端子373との間には、錫と金とを含む合金の第2金属間化合物が形成される。これらにより、金属間化合物を含む境界部350が形成される。
そして、第4実施形態では、図38に示すように、第1層L1の上側から、緩衝層355の材料である絶縁フィラーを含む樹脂を塗布する。絶縁フィラーを含む樹脂を、第3層L3の上面も覆うように塗布する。次に、プレス加工で絶縁フィラーを含む樹脂を固めて緩衝層355を形成する。
次に、緩衝層355の上側部分を切削する。図39に示すように、第2インダクタ配線371の第2外部端子372が露出するまで、緩衝層355を削る。
そして、図40に示すように、一体となった第1層群と第3層L33とを、緩衝層355と第2磁性層361との境界を通る破断線DLにてダイシングにより個片化する。これにより、インダクタ部品310を得ることができる。
次に、上記第4実施形態の作用及び効果を説明する。上記第4実施形態によれば、上述した(1−1)〜(1−8)、(1−10)の効果に加えて、さらに以下の効果を奏する。
(4−1)上記第4実施形態によれば、第1端子面F1に直交する方向から視たときの境界部350は、第2内部端子373に収まっている。すなわち、境界部350は、上下方向から視たときに第2インダクタ配線371の大きさよりも小さい。そのため、境界部350は、同じ層内に配置されている他の境界部250と干渉することを抑制できる。
(4−2)上記第4実施形態によれば、境界部350の第1端子面F1に直交する側面は、樹脂を含む緩衝層355に接している。そのため、境界部350に対して熱応力が集中することを緩和できる。
(4−3)上記第4実施形態によれば、緩衝層355には、絶縁フィラーが含まれている。そして、緩衝層355中の絶縁フィラーは、境界部350との接触面にも含まれている。そのため、絶縁フィラーの一部が境界部350に刺さることで、緩衝層355が境界部350に対して、強固に接続できる。
(4−4)上記第4実施形態によれば、緩衝層355には、磁性材料からなる磁性フィラーが含まれている。磁性フィラーは、第1磁性層21や第2磁性層361にも含まれている。そのため、緩衝層355と、第1磁性層21や第2磁性層361との間で、線膨張係数を近づけることができる。そのため、熱によって膨張する量の違いが小さくなることで、残留応力を低減できる。
(4−5)上記第4実施形態によれば、緩衝層355は、第1磁性層21及び第2磁性層361に接している。そのため、緩衝層355は、第1磁性層21及び第2磁性層361に挟まれていることで、緩衝層355が境界部350から剥がれにくい。
<第5実施形態>
以下、第1実施形態〜第4実施形態で例示したインダクタ部品を、一部品として含むインダクタ構造体の実施形態を説明する。なお、以下では、インダクタ構造体の一例として、第1実施形態で説明したインダクタ部品10を含むインダクタ部品実装基板を説明する。なお、この実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図41に示すように、インダクタ部品実装基板400は、インダクタ部品10と、インダクタ部品10が電気的に接続される基板410と、によって構成されている。本実施形態においては、インダクタ部品10は、基板410の内部に内蔵されている。
第5実施形態において、基板410は、第1基板層411と、第2基板層412と、第3基板層413と、に大別される。
第1基板層411は、板状であり、第1基板層411の内部には、複数の入力配線420が配置されている。各入力配線420の第1端は、図示は省略するが、直流電源の高電位側端子に接続される。各入力配線420の第2端は、第1基板層411の上側の面に露出している。
第1基板層411の上側の面には、第2基板層412が積層されている。第2基板層412は、全体として板状となっており、コア材430などが配置されている。そして、第2基板層412内には、インダクタ部品10が配置されている。本実施形態においては、3つのインダクタ部品10が配置されている。そして、各入力配線420の第1端と、インダクタ部品10の各第1外部端子32が接するように、インダクタ部品10は並んでいる。したがって、入力配線420の数は、第1外部端子32の数と等しい。また、入力配線420は、インダクタ部品10の第1外部端子32に入力電圧を印加する。
第2基板層412の上側の面には、第3基板層413が積層されている。第3基板層413は、全体として板状となっている。第3基板層413の内部には、複数の出力配線440が配置されている。各出力配線440の第1端は、インダクタ部品10の各第2外部端子72に接している。したがって、出力配線440の数は、第2外部端子72の数と等しい。また、図示は省略するが、各出力配線440の第2端は、直流電源の低電位側端子に接続されている。そして、出力配線440は、インダクタ部品10の第2外部端子72から出力電圧が印加される。
ここで、入力配線420の第1外部端子32との接続端である端面と、出力配線440の第2外部端子72との接続端である端面とは、高さ方向Tdから視たときの位置及び大きさが一致している。そのため、これらの端面は、高さ方向Tdから視たときに、全てが重複している。
次に、上記第5実施形態の作用及び効果について説明する。上記第5実施形態によれば、上述した(1−1)〜(1−12)の効果に加え、さらに以下の効果を奏する。
(5−1)上記第5実施形態におけるインダクタ部品実装基板400によれば、インダクタ部品10の第1端子面F1は、基板410の第1基板層411に積層されているとともに、インダクタ部品10の第2端子面F2は、基板410の第3基板層413に積層されている。また、インダクタ部品10の第1外部端子32は、入力配線420と接続しており、インダクタ部品10の第2外部端子72は、出力配線440と接続している。そして、高さ方向Tdから視たときに、入力配線420の第1外部端子32側との接続端である端面と、出力配線440の第2外部端子72との接続端である端面とは重複している。そのため、インダクタ部品10を基板410に実装するうえで、上下方向から視たときに、基板410に必要な面積は、最小で第1外部端子32の面積分だけで足りる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態において、インダクタ部品における素体の構成は、上記各実施形態の例に限られない。第1実施形態において、素体11は、少なくとも、第1磁性層21及び第2磁性層61と、第1端子面F1及び第2端子面F2を備えていればよく、例えば、第1磁性層21と第2磁性層61とに加えて、ソルダーレジストを備えていてもよい。この場合、ソルダーレジストが第1磁性層21の高さ方向Tdの下側の面や第2磁性層61の高さ方向Tdの上側の面を覆っており、ソルダーレジストの外面が、第1端子面F1や第2端子面F2となっていてもよい。また、第1実施形態のように、素体11において、第1磁性層21と第2磁性層61との間が離れていても、第1磁性層21と第2磁性層61とが積層されていればよい。
・上記各実施形態において、インダクタ配線とは、電流が流れた場合に磁性層に磁束を発生させることによって、インダクタ部品にインダクタンスを付与できるものであればよい。
・上記各実施形態において、第1インダクタ配線と第2インダクタ配線との組の数は、上記各実施形態の例に限られない。1つのインダクタ部品に対して、3つ未満のインダクタ配線の組が含まれていてもよいし、5つ以上のインダクタ配線の組が含まれていてもよい。なお、個片化する際のダイシングの位置を調整することでも、1つのインダクタ部品あたりのインダクタ配線の組の数を変更できる。
・上記各実施形態において、1つのインダクタ部品に対して、複数の第1インダクタ配線と第2インダクタ配線との組が含まれている場合に、全ての組が同一寸法でなくてもよい。例えば、上下方向における境界部の位置がずれていたり、上下方向から視たときの境界部の大きさが異なっていたりしてもよい。このような場合、互い違いにずれていると、隣り合うインダクタ配線の組との干渉を避けやすい。例えば、第3実施形態のように、第1インダクタ配線231の延び方向の寸法と、第2インダクタ配線271の延び方向の寸法とが異なれば、境界部250の上下方向の位置は調整できる。
・上記各実施形態において、インダクタ配線の延び方向に広がる面は、全て磁性層に覆われていなくてもよい。例えば、インダクタ配線の延び方向に広がる面の一部が磁性層の外面に露出していてもよい。
・上記各実施形態において、インダクタ配線の形状は、円柱状でなくてもよい。例えば、四角柱状や、他の多角柱状、楕円柱状、錐台形状であってもよい。
・上記各実施形態において、インダクタ配線の形状は、柱状でなくてもよい。例えば、インダクタ配線の形状が、正四角柱状である場合に、インダクタ配線において上下方向から視たときのインダクタ配線が収容される最小径の円は、正方形の外接円になる。このような場合に、インダクタ配線の上下方向の寸法は、このような外接円の直径より大きいと、インダクタ部品全体として小型化するうえで望ましい。同様に、インダクタ配線が、第1端子面F1から第2端子面F2に向かって線状に延びるうえでは、柱状であることが好ましいが、部分的に曲線や螺旋があっても、全体として線状に延びていればよい。例えば、インダクタ配線は、全体として線状に延びていれば、部分的に螺旋状に巻回されていてもよいし、部分的にミアンダ形状であってもよい。例えば、インダクタ配線の形状が、上下方向を巻中心として巻回される場合に、インダクタ配線において上下方向から視たときのインダクタ配線が収容される最小径の円は、インダクタ配線の回転によって描かれる円よりも大きくなる。このような場合に、インダクタ配線の上下方向の寸法は、インダクタ配線において上下方向から視たときのインダクタ配線が収容される最小径の円の直径より大きいと、インダクタ部品全体として小型化するうえで望ましい。
・上記各実施形態において、上下方向から視たときの第1外部端子と第2外部端子との位置は、完全に一致していなくてもよい。上下方向から視たときに、第1外部端子と第2外部端子との一部が重複していてもよいし、第1外部端子と第2外部端子とが、全く重複していなくてもよい。上下方向から視たときに、第1外部端子と第2外部端子とが、全く重複していなくてもよい。上下方向から視たときに、第1外部端子と第2外部端子との少なくとも一部が重複していると、基板の端子側に占める面積を低減できる。
・上記各実施形態において、第1外部端子及び第2外部端子の構成は、上記各実施形態の例に限られない。例えば、第4実施形態における第2内部端子273のように、3層構造の外部端子としてもよい。この場合、銅からなるベース層があることで、外部端子の厚みを調整しやすくなる。また、ニッケルからなる防腐層があることで、エレクトロマイグレーションを抑制できる。また、外部端子に金からなるはんだ用層があることで、はんだで基板側と接続する際には、はんだ濡れ性を確保しやすい。さらに、はんだ用層は、錫からなっていてもよい。
また、第1外部端子及び第2外部端子のいずれか一方が、上述したようにめっき層となっており、第1外部端子及び第2外部端子のいずれか他方は、第1インダクタ配線又は第2インダクタ配線の延び方向の端の端面が端子面から露出して構成されていてもよい。
なお、外部端子を積層構造とする場合、上述した防腐層及びはんだ用層のうち少なくとも1つの層を含むと、上述した各層によって、エレクトロマイグレーションの抑制や、はんだ濡れ性を確保しやすい点で好ましい。
第1外部端子が第1インダクタ配線と別部材である場合や、第2外部端子が第2インダクタ配線と別部材である場合には、第1外部端子32や第2外部端子72は、各インダクタ配線と直接接触していることが好ましい。第1外部端子32や第2外部端子72が、各インダクタ配線と直接接触していると、インダクタ配線からさらに追加で引出配線が必要ないため、インダクタ部品全体として、低電気抵抗化や低背化が可能である。
・上記各実施形態において、第1外部端子は、第1端子面F1と面一でなくてもよい。例えば、第1外部端子が、第1端子面F1よりも内側に凹んだ位置に配置されていてもよい。これにより、インダクタ部品を基板に実装する際に、凹んでいる空間を基板の突出している部分に当てることで、位置決めをしやすくなる。この点、第2外部端子と第2端子面F2との位置についても同様である。
また、第1外部端子が、第1端子面F1よりも外側に突出した位置に配置されていてもよい。これにより、インダクタ部品を基板に実装する際に、突出している位置を基板の凹んだ部分に嵌め込むことで、位置決めをしやすくなる。この点、第2外部端子と第2端子面F2との位置についても同様である。
・上記各実施形態において、インダクタ部品の外観形状は、上記各実施形態の例に限られない。例えば、円柱状であってもよいし、多角形柱状であってもよい。
・上記各実施形態において、磁性層の材質は、上記各実施形態の例に限られない。例えば、金属磁性粉としては、ニッケル、クロム、銅及びアルミニウム、並びにこれらの合金であってもよい。また、金属磁性粉を含む樹脂としては、絶縁性や成形性を考慮すると、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂が好ましいが、これらに限られず、エポキシ樹脂などでもよい。なお、金属磁性粉を含む樹脂で磁性層を構成する場合に、磁性層にあっては、その全重量に対して金属磁性粉が60wt%以上含まれることが好ましい。また、金属磁性粉を含む樹脂の充填性を高くするために、重度分布の異なる2種類又は3種類の金属磁性粉を樹脂に含ませることがさらに好ましい。さらに、磁性層の材質は、金属磁性粉の代わりにフェライト粉を含む樹脂で構成されるものであってもよいし、金属磁性粉及びフェライト粉の双方を含む樹脂で構成されるものであってもよい。
・上記各実施形態において、第1インダクタ配線の中心軸線を、第2インダクタ配線の中心軸線に対してずらしてもよい。図42に示す例では、インダクタ部品510において、第1インダクタ配線31の延び方向の中心軸線CA1と、第2インダクタ配線371の延び方向の中心軸線CA2とは、ずれている。この場合、インダクタ部品310の周囲の配線との距離を担保しつつ、インダクタ配線全体の長さを伸ばすことができる。また、入力配線の接続端と出力配線の接続端の位置が少しずれている場合に、無駄な配線を引き回す必要がなくなるため、柔軟な設計をすることができる。
・インダクタ部品が基板に実装される態様としては、上記第5実施形態の例に限られない。例えば、インダクタ部品は、基板の上側の面にインダクタ部品の第1端子面F1が接続され、インダクタ部品の第2端子面F2は、サブモジュールなどの別部品に接続されていてもよい。
・上記各実施形態において、境界部は、金属間化合物を含んでいなくてもよい。例えば、境界部は、はんだのみから構成されていてもよい。また、境界部が金属間化合物を含んでいても、厚みの略均一な層状となっていなくてもよい。境界部は、第1インダクタ配線と、第1インダクタ配線とは別部材の第2インダクタ配線との、物理的な境界となっていればよい。
・上記各実施形態において、境界部の厚みは、上記各実施形態の例に限られない。例えば、上述した変更例のように、第1インダクタ配線が螺旋状である場合には、第1端子面に直交する方向から視た第1内部端子の境界部側の端面を包含する最小径の円の直径の10分の1倍以上となっていてもよい。この場合であっても、境界部の厚みは、第1内部端子の露出する面積に対して相応な大きさとなるため、十分な接続強度を得ることができる。
・境界部形成工程は、第2内部端子形成工程より先に行われてもよいし、後に行われてもよい。いずれの場合であっても、境界部が、第1インダクタ配線の第1内部端子と第2インダクタ配線の第2内部端子を接続すればよい。
・上記第1実施形態における絶縁膜40の材質は、上記各実施形態の例に限られない。例えば、絶縁膜40は、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、や、これらの樹脂及びエポキシ樹脂の組み合わせであってもよい。また、これらの樹脂にシリカや硫酸バリウムなどの無機フィラーを混合してもよい。この点、第4実施形態における第2絶縁膜340においても同様である。
・上記第4実施形態における緩衝層355は、針状の磁性材料からなる磁性フィラーと、球状の非磁性材料からなる絶縁フィラーを含むことが好ましいが、いずれか一方を含んでいなくてもよいし、いずれも含まなくてもよい。また、球状の磁性体からなる磁性フィラーが含まれていてもよい。
・インダクタ構造体の形態としては、上記インダクタ部品実装基板の実施形態の例に限られない。例えば、図43に示すインダクタ構造体の例では、インダクタ部品10は、基板610の上側の面にインダクタ部品10の第1端子面F1が接続されている。基板610には、図示を省略する入力電圧を印加する入力配線が設けられており、入力配線は、インダクタ部品10の第1外部端子32に接続されている。また、インダクタ部品10の第2端子面F2は、サブモジュールなどの別の電子部品620に接続されている。電子部品620には、図示を省略する出力電圧が印加される出力配線が設けられており、出力配線は、インダクタ部品10の第2外部端子72に接続されている。このように、入力配線と出力配線とが、基板610と電子部品620とのように、異なる部品に備わっていてもよい。
また図43に示す例において、インダクタ部品10が実装される面は、基板610上だけでなく、電子部品620の実装面側やサブストレート上であってもよい。さらに、基板610とインダクタ部品10との間に、さらに別の電子部品が介在していてもよい。
10…インダクタ部品
21…第1磁性層
31…第1インダクタ配線
32…第1外部端子
33…第1内部端子
50…境界部
51…はんだ
52…金属間化合物
61…第2磁性層
71…第2インダクタ配線
72…第2外部端子
73…第2内部端子
400…インダクタ部品実装基板
410…基板
420…入力配線
440…出力配線
F1…第1端子面
F2…第2端子面

Claims (22)

  1. 磁性材料からなる第1磁性層及び前記第1磁性層に積層された磁性材料からなる第2磁性層を含み、第1端子面と、前記第1磁性層及び前記第2磁性層の積層方向における前記第1端子面とは反対側の第2端子面と、を有する素体と、
    前記第1磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第1インダクタ配線と、
    前記第1インダクタ配線の第1端に設けられているとともに前記第1端子面からのみ露出している第1外部端子と、
    前記第1インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられている第1内部端子と、
    前記第2磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第2インダクタ配線と、
    前記第2インダクタ配線の第1端に設けられている第2内部端子と、
    前記第2インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられているとともに、前記第2端子面からのみ露出している第2外部端子と、
    前記第1内部端子及び前記第2内部端子を接続し、前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線の物理的な境界となる境界部と、を備える
    インダクタ部品。
  2. 前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線は、前記積層方向に並んでいる
    請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記積層方向から視たときに、前記第1インダクタ配線と前記第2インダクタ配線との少なくとも一部は重複している
    請求項1又は請求項2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記積層方向から視たときに、前記第1外部端子と前記第2外部端子との少なくとも一部は重複している
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  5. 前記第1インダクタ配線の材質は、銅を最も多く含んでおり、
    前記境界部の材質は、前記第1インダクタ配線の材質と異なっている
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  6. 前記境界部は、前記第1インダクタ配線側に金属間化合物を有する
    請求項5に記載のインダクタ部品。
  7. 前記境界部の材質は、錫を50wt%以上99wt%以下含んでいる
    請求項5又は請求項6に記載のインダクタ部品。
  8. 前記第1インダクタ配線は、前記積層方向に延びる柱状であり、
    前記積層方向に沿った前記第1内部端子と前記第2内部端子との距離は、前記第1インダクタ配線の前記第2端側の端面を包含する最小径の円の直径の10分の1倍以上、且つ前記第1インダクタ配線の前記積層方向の最大の寸法の3分の1以下である
    請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  9. 前記第1インダクタ配線の材質は、銅を最も多く含んでおり、
    前記境界部の材質は、銅を最も多く含んでいる
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  10. 前記境界部の積層方向の寸法である厚みは、1nm以上10μm以下である
    請求項9に記載のインダクタ部品。
  11. 前記積層方向から視たときの前記境界部の最大範囲は、前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線の前記積層方向に直交する断面のうち最大の断面積よりも大きい
    請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  12. 前記積層方向から視たときの前記境界部の最大範囲は、前記積層方向から視たときの前記第1内部端子の前記境界部側の端面及び前記積層方向から視たときの前記第2内部端子の前記境界部側の端面よりも小さい
    請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  13. 前記第1インダクタ配線は、前記積層方向に延びる柱状であり、
    前記第2インダクタ配線は、前記積層方向に延びる柱状である
    請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  14. 前記第1インダクタ配線の延び方向の中心軸線は、前記積層方向から視たときに、前記第2インダクタ配線の延び方向の中心軸線とずれている
    請求項13に記載のインダクタ部品。
  15. 前記第1インダクタ配線の延び方向の寸法は、前記第2インダクタ配線の延び方向の寸法と異なる
    請求項13又は請求項14に記載のインダクタ部品。
  16. 前記積層方向から視たときに前記第1インダクタ配線を包含する最小径の円の直径は、前記積層方向から視たときに前記第2インダクタ配線を包含する最小径の円の直径は、異なる
    請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  17. 前記第1インダクタ配線は、前記積層方向に延びており、
    前記第1インダクタ配線の前記積層方向に直交する断面の断面積は、前記第1インダクタ配線の前記積層方向における位置によって異なる
    請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  18. 前記境界部の外面のうち、前記第1内部端子と接している面及び前記第2内部端子と接している面を除く側面は、樹脂を含む緩衝層に接している
    請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載のインダクタ部品。
  19. 前記緩衝層は、磁性材料及び非磁性材料からなるフィラーの少なくともいずれかのフィラーを含む
    請求項18に記載のインダクタ部品。
  20. 前記緩衝層の第1端子面側の面は、第1磁性層と接しており、
    前記緩衝層の第2端子面側の面は、第2磁性層と接している
    請求項18又は請求項19に記載のインダクタ部品。
  21. 第1磁性層を線状に貫通する第1インダクタ配線を形成する第1インダクタ配線形成工程と、
    第2磁性層を線状に貫通する第2インダクタ配線を形成する第2インダクタ配線形成工程と、
    前記第1インダクタ配線の端部と、前記第2インダクタ配線の端部とを接続し、前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線の物理的な境界となる境界部を形成する境界部形成工程と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層の積層方向の第1端側に位置する第1端子面からのみ露出する第1外部端子を形成する第1外部端子形成工程と、
    前記積層方向の第2端側に位置する第2端子面からのみ露出する第2外部端子を形成する第2外部端子形成工程と、を備える
    インダクタ部品の製造方法。
  22. 磁性材料からなる第1磁性層及び前記第1磁性層に積層された磁性材料からなる第2磁性層を含み、第1端子面と、前記第1磁性層に第2磁性層が積層されている方向である積層方向における前記第1端子面とは反対側の第2端子面と、を有する素体と、
    前記第1磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第1インダクタ配線と、
    前記第1インダクタ配線の第1端に設けられているとともに前記第1端子面からのみ露出している第1外部端子と、
    前記第1インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられている第1内部端子と、
    前記第2磁性層の内部で前記積層方向に線状に延びている第2インダクタ配線と、
    前記第2インダクタ配線の第1端に設けられている第2内部端子と、
    前記第2インダクタ配線の第1端とは反対側の第2端に設けられているとともに、前記第2端子面からのみ露出している第2外部端子と、
    前記第1内部端子及び前記第2内部端子を接続し、前記第1インダクタ配線及び前記第2インダクタ配線の物理的な境界となる境界部と、を備える、
    インダクタ部品と、
    前記インダクタ部品の前記第1外部端子に入力電圧を印加する入力配線と、
    前記インダクタ部品の前記第2外部端子から出力電圧が印加される出力配線と
    を備え、
    前記積層方向から視たときに、前記入力配線の前記第1外部端子との接続端と、前記出力配線の前記第2外部端子との接続端と、の少なくとも一部は重複している
    インダクタ構造体。
JP2020084562A 2020-05-13 2020-05-13 インダクタ部品及びインダクタ構造体 Active JP7287343B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020084562A JP7287343B2 (ja) 2020-05-13 2020-05-13 インダクタ部品及びインダクタ構造体
US17/246,584 US20210358679A1 (en) 2020-05-13 2021-04-30 Inductor component, method for manufacturing inductor component, and inductor structure
CN202110511959.1A CN113674948A (zh) 2020-05-13 2021-05-11 电感器部件、电感器部件的制造方法以及电感器构造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020084562A JP7287343B2 (ja) 2020-05-13 2020-05-13 インダクタ部品及びインダクタ構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021180246A true JP2021180246A (ja) 2021-11-18
JP7287343B2 JP7287343B2 (ja) 2023-06-06

Family

ID=78510371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020084562A Active JP7287343B2 (ja) 2020-05-13 2020-05-13 インダクタ部品及びインダクタ構造体

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20210358679A1 (ja)
JP (1) JP7287343B2 (ja)
CN (1) CN113674948A (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110425A (ja) * 2000-09-27 2002-04-12 Tdk Corp 高周波コイル
JP2004327946A (ja) * 2003-04-30 2004-11-18 Samsung Electronics Co Ltd 低いインダクタンス、低いインダクタンス変化を有する高周波インダクタ及びその製造方法
JP2006073777A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Nec Toppan Circuit Solutions Inc 印刷配線板、その製造方法及び半導体装置
JP2012156921A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Hitachi Ltd 伝送回路、プリント回路基板
JP2012222252A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Renesas Electronics Corp 半導体装置
JP2014007227A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Murata Mfg Co Ltd 電子部品モジュールおよびその製造方法
JP2016009833A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 株式会社村田製作所 コイルモジュール
WO2016047316A1 (ja) * 2014-09-26 2016-03-31 株式会社村田製作所 高周波部品
JP2016139785A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル部品及びその製造方法
JPWO2016047653A1 (ja) * 2014-09-24 2017-06-29 株式会社村田製作所 インダクタ部品の製造方法およびインダクタ部品
WO2018139046A1 (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 株式会社村田製作所 インターポーザ基板、回路モジュール、インターポーザ基板の製造方法
WO2019082714A1 (ja) * 2017-10-26 2019-05-02 株式会社村田製作所 多層基板、インターポーザおよび電子機器

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6279536B2 (ja) 2015-12-04 2018-02-14 パイロットインキ株式会社 複合式筆記具
JP6912976B2 (ja) * 2017-09-04 2021-08-04 株式会社村田製作所 インダクタ部品
JP6922871B2 (ja) * 2018-09-28 2021-08-18 株式会社村田製作所 インダクタ部品およびインダクタ部品の製造方法
JP2021176166A (ja) * 2020-05-01 2021-11-04 株式会社村田製作所 インダクタ部品及びインダクタ構造体

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110425A (ja) * 2000-09-27 2002-04-12 Tdk Corp 高周波コイル
JP2004327946A (ja) * 2003-04-30 2004-11-18 Samsung Electronics Co Ltd 低いインダクタンス、低いインダクタンス変化を有する高周波インダクタ及びその製造方法
JP2006073777A (ja) * 2004-09-02 2006-03-16 Nec Toppan Circuit Solutions Inc 印刷配線板、その製造方法及び半導体装置
JP2012156921A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Hitachi Ltd 伝送回路、プリント回路基板
JP2012222252A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Renesas Electronics Corp 半導体装置
JP2014007227A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Murata Mfg Co Ltd 電子部品モジュールおよびその製造方法
JP2016009833A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 株式会社村田製作所 コイルモジュール
JPWO2016047653A1 (ja) * 2014-09-24 2017-06-29 株式会社村田製作所 インダクタ部品の製造方法およびインダクタ部品
WO2016047316A1 (ja) * 2014-09-26 2016-03-31 株式会社村田製作所 高周波部品
US20170231085A1 (en) * 2014-09-26 2017-08-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. High-frequency component
JP2016139785A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル部品及びその製造方法
WO2018139046A1 (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 株式会社村田製作所 インターポーザ基板、回路モジュール、インターポーザ基板の製造方法
WO2019082714A1 (ja) * 2017-10-26 2019-05-02 株式会社村田製作所 多層基板、インターポーザおよび電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
US20210358679A1 (en) 2021-11-18
CN113674948A (zh) 2021-11-19
JP7287343B2 (ja) 2023-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200373079A1 (en) Inductor component and inductor-component incorporating substrate
US20220277878A1 (en) Inductor component
KR101659216B1 (ko) 코일 전자부품 및 그 제조방법
US10614943B2 (en) Multilayer seed pattern inductor and manufacturing method thereof
JP6312997B2 (ja) コイル基板及びその製造方法、インダクタ
KR101709841B1 (ko) 칩 전자부품 및 그 제조방법
KR101719908B1 (ko) 코일 전자부품 및 그 제조방법
KR101832608B1 (ko) 코일 전자 부품 및 그 제조방법
JP7156209B2 (ja) インダクタ部品およびインダクタ部品内蔵基板
JP6799429B2 (ja) 回路基板に表面実装される電子部品
JP6766740B2 (ja) プリント配線基板およびスイッチングレギュレータ
KR101832547B1 (ko) 칩 전자부품 및 그 제조방법
JP2021176166A (ja) インダクタ部品及びインダクタ構造体
US11476041B2 (en) Coil component and manufacturing method therefor
CN112103028B (zh) 电感器部件
JP6365692B2 (ja) コイル部品
KR20230091080A (ko) 칩 전자부품
JP7287185B2 (ja) 電子部品、電子部品実装基板及び電子部品の製造方法
JP2016195246A (ja) コイル電子部品及びその製造方法
CN112712961A (zh) 电感器阵列部件以及电感器阵列部件内置基板
JP2021180246A (ja) インダクタ部品、インダクタ部品の製造方法及びインダクタ構造体
CN112652445B (zh) 电感器部件
JP2019186518A (ja) コイル部品及びその製造方法
KR101792468B1 (ko) 칩 전자부품 및 그 제조방법
CN117894575A (zh) 电感器部件

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7287343

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150