JP2021171303A - 加熱調理器 - Google Patents

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杏子 石原
Kyoko Ishihara
一貴 市村
Kazutaka Ichimura
毅 内田
Takeshi Uchida
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Abstract

【課題】冷凍された食材を調理する際に、食材の組織の硬化を抑制し、おいしく調理することができる加熱調理器を提供する。【解決手段】設定された調理モードで調理を行う加熱調理器であって、被加熱物を収容する調理槽と、調理槽を収納または備える本体と、調理槽を加熱する加熱手段と、被加熱物が冷凍食材であるときの調理モードの1つである冷凍モードが設定された場合に、被加熱物が非冷凍食材であるときの調理モードの1つである非冷凍モードが設定された場合よりも、被加熱物が軟化する軟化温度までの昇温を促進させる昇温促進手段と、加熱手段および昇温促進手段を制御する制御装置とを備える。【選択図】図6

Description

本開示は、食材を調理する加熱調理器に関するものである。
従来、冷凍された非加熱物などの食材を解凍する際に、加熱調理器が用いられている。例えば、特許文献1には、解凍モードを備え、選択された解凍レベルに応じた時間だけ加熱動作を行う加熱調理器が開示されている。
冷凍保存によって凍結した食材は、このような加熱調理器等で解凍された後、通常の冷凍されていない非凍結食材と同様に調理される。食材を解凍する際には、ムラなく解凍する必要があるため、解凍を行う加熱調理器では、例えば、食材の大きさおよび量などに応じて加熱量および目標温度が調整される。
特開2001−340215号公報
ところで、生の状態で冷凍された野菜を解凍した場合、解凍の過程で野菜内部に含まれる酵素が働いて組織が硬化する。そのため、冷凍された野菜は、生の状態から直接調理したものと比較して軟化せず、食感が悪くなることがあった。
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、冷凍された食材を調理する際に、食材の組織の硬化を抑制し、おいしく調理することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
本開示の加熱調理器は、設定された調理モードで調理を行う加熱調理器であって、被加熱物を収容する調理槽と、前記調理槽を収納または備える本体と、前記調理槽を加熱する加熱手段と、前記被加熱物が冷凍食材であるときの前記調理モードの1つである冷凍モードが設定された場合に、前記被加熱物が非冷凍食材であるときの前記調理モードの1つである非冷凍モードが設定された場合よりも、前記被加熱物が軟化する軟化温度までの昇温を促進させる昇温促進手段と、前記加熱手段および前記昇温促進手段を制御する制御装置とを備えるものである。
以上のように、本開示によれば、昇温促進手段を備えることにより、冷凍食材の温度が軟化温度まで素早く昇温されるため、冷凍された食材を調理する際に、食材の組織の硬化を抑制し、おいしく調理することができる。
実施の形態1に係る加熱調理器の構成の一例を示す模式断面図である。 図1の加熱調理器の構成の一例を示すブロック図である。 図1の制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。 図3の制御装置の構成の一例を示すハードウェア構成図である。 図3の制御装置の構成の他の例を示すハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る加熱調理器の調理制御について説明するための概略図である。 実施の形態2に係る加熱調理器の構成の一例を示す模式断面図である。 実施の形態3に係る加熱調理器と冷蔵庫との接続関係について説明するための概略図である。 実施の形態3に係る加熱調理器による調理設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、以下の説明に用いられる図面では、同一または相当する部分には、同一の符号を付し、その説明を適宜省略または簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、および配置等は、本開示の範囲内で適宜変更することができる。また、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
実施の形態1.
本実施の形態1に係る加熱調理器について説明する。本実施の形態1に係る加熱調理器は、容器内を減圧して容器内の内容物を低温状態で沸騰させる減圧低温沸騰を利用して調理を行うものである。
[加熱調理器100の構成]
図1は、本実施の形態1に係る加熱調理器の構成の一例を示す模式断面図である。加熱調理器100は、本体1と、本体1に開閉自在に係止された外蓋2とを備えている。
本体1の内側には、容器収納部3が内装固着されている。容器収納部3には、有底筒状で上面が開口した鍋状の調理槽である調理容器4が着脱自在に収納されている。調理容器4内には、被加熱物である食材等の内容物が収容される。容器収納部3の外壁には、加熱手段5が設けられている。加熱手段5は、例えば、容器収納部3にスパイラル状に旋回された電磁誘導加熱用の加熱コイル5aであり、高周波電流が供給されることにより発生する磁界で調理容器4を誘導加熱する。加熱手段5の加熱動作は、後述する制御装置50によって制御される。なお、加熱手段5として、この例に限られず、電流が供給されることによって熱を発生するヒータ等が用いられてもよい。
容器収納部3の底面の中央部には貫通孔が形成され、貫通孔内に鍋底温度センサ6が配置されている。鍋底温度センサ6は、圧縮バネ7によって下方から支持され、調理容器4の底部に接触するように配置される。鍋底温度センサ6は、調理容器4の温度を計測する。
調理容器4には取っ手部8が設けられている。取っ手部8は、容器収納部3に設けられた図示しない保持部上に係止される。これにより、調理容器4が本体1内に保持される。調理容器4の上面開口の周囲には、外方に延出するフランジ部4aが形成されている。
外蓋2には、調理容器4の上面開口を覆う蓋体である内蓋9が連結されている。内蓋9の周縁には、シール材である蓋パッキン10が設けられている。蓋パッキン10は、外蓋2を閉じた際に、調理容器4のフランジ部4aおよび内壁と内蓋9との密閉性が得られるようになっている。
内蓋9には蒸気孔11が形成されている。蒸気孔11には蒸気排出弁12が配置されている。蒸気排出弁12は、調理容器4内の圧力によって自動的に開閉し、調理容器4内を密閉または非密閉とする。通常時において、蒸気排出弁12は、自重により蒸気孔11を閉塞するように配設される。一方、調理容器4内が密閉された状態で、調理容器4内に蒸気が発生し、調理容器4内の圧力が大気圧を超えると、蒸気は蒸気排出弁12を押しのけて調理容器4外へ放出されるようになっている。なお、蒸気排出弁12は、調理容器4内が低圧となるときにも、図示しないパッキンを介して調理容器4内を密閉するように構成される。
蒸気排出弁12の下流には、カートリッジ13が配置されている。カートリッジ13は、蒸気排出口14を備え、蒸気排出弁12を介して調理容器4内の蒸気を蒸気排出口14から排出する。カートリッジ13には、蒸気の排出経路を密閉するためのカートリッジパッキン15が設けられている。
内蓋9には、貫通するセンサ孔16が設けられている。外蓋2には、温度センサである蓋センサ17が配置されている。蓋センサ17は、センサ孔16を介して調理容器4内の上部空間温度を計測する。上部空間温度は、調理容器4内の内容物以外の空間のうち、内蓋9近傍の空間の温度である。なお、外蓋2には、センサ孔16と外蓋2とを密閉するための図示しない蓋センサパッキンが設けられている。
内蓋9には、貫通する第1の内蓋通気孔18aおよび第2の内蓋通気孔18bが設けられている。また、内蓋9には、昇温促進手段の一例である減圧ポンプ20、減圧経路切替弁21および大気連通経路開閉弁22が配置されている。
第1の内蓋通気孔18aは、経路パッキン19aを介して減圧経路切替弁21に接続されている。経路パッキン19aは、第1の内蓋通気孔18aと減圧経路切替弁21との間を密閉接続する。第2の内蓋通気孔18bは、経路パッキン19bを介して大気連通経路開閉弁22に接続されている。経路パッキン19bは、第2の内蓋通気孔18bと大気連通経路開閉弁22との間を密閉接続する。
外蓋2には、外面に開口する第1の外蓋通気孔23aおよび第2の外蓋通気孔23bが設けられている。第1の外蓋通気孔23aには、中空状に形成された第1の大気連通管24aの一端が接続されている。第1の大気連通管24aの他端は、減圧経路切替弁21に接続されている。第2の外蓋通気孔23bには、中空状に形成された第2の大気連通管24bの一端が接続されている。第2の大気連通管24bの他端は、大気連通経路開閉弁22に接続されている。
また、外蓋2には、第1の減圧経路管25aおよび第2の減圧経路管25bが設けられている。第1の減圧経路管25aは、減圧経路切替弁21と減圧ポンプ20との間を接続する。第2の減圧経路管25bは、減圧ポンプ20と第2の外蓋通気孔23bとの間を接続する。
減圧経路切替弁21は、例えば三方弁であり、第1の内蓋通気孔18a、第1の大気連通管24aおよび第1の減圧経路管25aが接続されている。減圧経路切替弁21は、第1の減圧経路管25aと、第1の内蓋通気孔18aまたは第1の大気連通管24aとが接続されるように、制御装置50によって制御される。第1の大気連通管24aと第1の減圧経路管25aとが接続されることにより、減圧ポンプ20を介して調理容器4の外部同士が連通する。また、第1の内蓋通気孔18aと第1の減圧経路管25aとが接続されることにより、減圧ポンプ20を介して調理容器4の内外が連通する。なお、連通していない経路は、減圧経路切替弁21の内部で閉塞状態が維持される。
大気連通経路開閉弁22は、第2の内蓋通気孔18bと第2の外蓋通気孔23bとの間に設けられている。大気連通経路開閉弁22が開状態となることにより、第2の内蓋通気孔18bと第2の外蓋通気孔23bとが連通状態となる。また、大気連通経路開閉弁22が閉状態となることにより、第2の内蓋通気孔18bと第2の外蓋通気孔23bとが非連通状態となる。大気連通経路開閉弁22の開閉は、制御装置50によって制御される。
減圧ポンプ20は、吸気口および排気口を有し、吸気口から吸引した空気を排気口から排出する。減圧ポンプ20の吸気口には、第1の減圧経路管25aが接続されている。減圧ポンプ20の排気口には、第2の減圧経路管25bが接続されている。減圧ポンプ20の駆動は、制御装置50によって制御される。
減圧ポンプ20は、減圧経路切替弁21によって第1の内蓋通気孔18aと第1の減圧経路管25aとが接続された場合に、調理容器4内の空気を吸引し、吸引した空気を第2の減圧経路管25bおよび第2の外蓋通気孔23bを介して外部(カートリッジ13)に排出する。これにより、調理容器4内の空気が吸引されるため、調理容器4内が減圧する。以下では、このような調理容器4内の空気が減圧ポンプ20によって吸引され、外部に排出される連通経路を「経路A」と適宜称して説明する。
また、減圧ポンプ20は、減圧経路切替弁21によって第1の大気連通管24aと第1の減圧経路管25aとが接続された場合に、外部の空気を吸引し、吸引した空気を第2の減圧経路管25bおよび第2の外蓋通気孔23bを介して外部(カートリッジ13)に排出する。これにより、第1の外蓋通気孔23aから外部の空気が吸引されるため、減圧ポンプ20によって吸引された水分の排出および乾燥が行われる。以下では、このような外部の空気が減圧ポンプ20によって吸引され、外部に再度排出する連通経路を「経路B」と適宜称して説明する。
なお、第1の外蓋通気孔23aおよび第2の外蓋通気孔23bは、外蓋2の側面または底面に配置されると好ましい。これは、減圧ポンプ20への水分および異物の侵入を防ぎ、故障を抑制するためである。また、第1の外蓋通気孔23aおよび第2の外蓋通気孔23bは、外部の空気を調理容器4内に吸引、または調理容器4内の空気を外部に排気するための通気孔として配置されているが、このような通気孔は、これに限られず、例えば本体1の側面または底部等に配置してもよい。
本体1には、操作表示部30が設置されている。操作表示部30は、ユーザによる操作指示等の入力および動作状態等の表示を行う。なお、操作表示部30は、本体1に設置される場合に限られず、例えば外蓋2に設置されてもよい。また、操作表示部30に対する操作および表示等の各種機能は、以下で説明する制御装置50に含まれてもよいし、スマートフォン等の外部の機器によって実現されてもよい。
(制御装置50)
さらに、加熱調理器100は、制御装置50を備えている。制御装置50は、加熱調理器100全体を制御する。特に、本実施の形態1において、制御装置50は、鍋底温度センサ6および蓋センサ17の計測結果に基づき、加熱コイル5aの加熱動作、減圧ポンプ20の駆動、減圧経路切替弁21の動作および大気連通経路開閉弁22の開閉動作を制御する。なお、制御装置50は、本体1に設けられてもよいし、外蓋2に設けられてもよい。また、上述したように、制御装置50は、操作表示部30の各種機能を含んでもよい。
図2は、図1の加熱調理器の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置50には、減圧ポンプ20、減圧経路切替弁21、大気連通経路開閉弁22、鍋底温度センサ6、蓋センサ17および操作表示部30、ならびに、加熱コイル5aに高周波電流を供給するインバータ部29が電気的に接続されている。
図3は、図1の制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。図3に示すように、制御装置50は、情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53および記憶部54を備えている。制御装置50は、マイクロコンピュータなどの演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア等で構成されている。
情報取得部51は、鍋底温度センサ6で計測された調理容器4の温度と、蓋センサ17によって計測された調理容器4内の上部空間温度とを取得する。情報取得部51は、鍋底温度センサ6および蓋センサ17からの温度情報を定期的に取得する。
比較判断部52は、後述する調理制御の際に各種の比較および判断を行い、調理容器4の温度状態および調理容器4内の上部空間温度状態等を判断する。例えば、比較判断部52は、情報取得部51で取得された鍋底温度センサ6による容器温度と、記憶部54に記憶された第3設定温度Tg1とを比較し、調理容器4の温度が第3設定温度Tg1に到達したか否かを判断する。また、比較判断部52は、蓋センサ17による上部空間温度と、記憶部54に記憶された第2設定温度Tgとを比較し、上部空間温度が第2設定温度Tgに到達したか否かを判断する。
機器制御部53は、比較判断部52による判断結果に基づき、加熱調理器100の各部の動作を制御する。例えば、機器制御部53は、比較判断部52による調理容器4の容器温度および調理容器4内の上部空間温度についての判断結果に基づき、加熱手段5、減圧ポンプ20、減圧経路切替弁21、大気連通経路開閉弁22およびインバータ部29を制御する。
記憶部54は、制御装置50の各部で用いられる各種の値を記憶する。例えば、記憶部54は、第1設定温度T、第2設定温度Tgおよび第3設定温度Tg1等を記憶する。また、記憶部54は、例えば、圧力、圧力上昇速度、時間および温度等を組み合わせたものが、調理モードまたは保温モードとして予め記憶されている。本実施の形態1において、調理モードには、内容物としての冷凍食材を調理することを前提とした冷凍モードと、冷凍されていない非冷凍食材を調理することを前提とした非冷凍モードとが含まれる。
上述した第1設定温度T、第2設定温度Tgおよび第3設定温度Tg1は、これらの調理モードまたは保温モードに対応して予め設定された温度である。第1設定温度Tは、本実施の形態1における調理制御によって内容物を昇温させる際の目標温度である。第1設定温度Tは、例えば100℃に設定される。第2設定温度Tgは、内容物としての食材が軟化する軟化温度帯である80℃以上の温度である。第2設定温度Tgは、第1設定温度Tよりも低い温度であり、例えば85℃に設定される。軟化温度帯の詳細については、後述する。第3設定温度Tg1は、冷凍食材を素早く軟化温度帯まで上昇させるために、減圧ポンプ20による減圧を開始する温度である。第3設定温度Tg1は、第2設定温度Tgよりも低い温度であり、例えば80℃に設定される。
図4は、図3の制御装置の構成の一例を示すハードウェア構成図である。制御装置50の各種機能がハードウェアで実行される場合、図3の制御装置50は、図4に示すように、処理回路31および入出力装置32で構成される。図3の情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53および記憶部54の各機能は、処理回路31により実現される。また、操作表示部30の各種機能が制御装置50に含まれている場合、操作表示部30は、図4の入出力装置32に対応する。
各機能がハードウェアで実行される場合、処理回路31は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53および記憶部54の各部の機能それぞれを処理回路31で実現してもよいし、各部の機能を1つの処理回路31で実現してもよい。
図5は、図3の制御装置の構成の他の例を示すハードウェア構成図である。制御装置50の各種機能がソフトウェアで実行される場合、図3の制御装置50は、図5に示すように、プロセッサ41、メモリ42および入出力装置43で構成される。情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53および記憶部54の各機能は、プロセッサ41およびメモリ42により実現される。また、操作表示部30の各種機能が制御装置50に含まれている場合、図3の操作表示部30は、図5の入出力装置43に対応する。
各機能がソフトウェアで実行される場合、情報取得部51、比較判断部52、機器制御部53および記憶部54の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ42に格納される。プロセッサ41は、メモリ42に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
メモリ42として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable and Programmable ROM)およびEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ等が用いられる。また、メモリ42として、例えば、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能な記録媒体が用いられてもよい。
[加熱調理器100の動作]
次に、上記構成を有する加熱調理器100の動作について説明する。通常、食材の一例である野菜は、50℃以上の加熱で細胞膜の機能が低下し、電解質が膜外に流出する。また、60℃〜70℃程度で細胞壁のペクチンエステラーゼという酵素が活性化し、細胞壁を構成するペクチンが脱エステル反応を起こし、電解質と架橋結合して硬化する。一方、温度が80℃以上となると、野菜の硬化酵素が失活するとともに、ペクチンが低分子化して細胞間の接着力が弱くなるため、野菜は軟化する。しかし、架橋結合して硬化したペクチンは、低分子化しにくいため、加熱が進んでも一定以上軟化することができない。通常の野菜は、細胞膜の機能の低下と硬化酵素の活性化とが同時に起こり、短期間にこの温度帯を通り抜けて80℃以上の軟化温度帯に到達することで、野菜は硬化せず、軟らかく仕上げることができる。
これに対して、冷凍された野菜は、凍結による氷結晶によって細胞膜が損傷し、その機能が失われる。そのため、冷凍野菜は、解凍されると即座に電解質が膜外に流出する。最も硬化酵素が働くのは上述した60℃〜70℃程度だが、低温でも酵素は反応し始めるため、冷凍野菜が解凍されてから80℃程度に到達するまでの時間が硬化時間となる。これにより、冷凍野菜は、通常の野菜と同様の加熱制御では硬さが残る仕上がりになってしまう。そのため、冷凍野菜を軟らかく仕上げるには、野菜を80℃以上まで素早く昇温させ、硬化酵素を失活させることが有効である。
そこで、本実施の形態1では、冷凍野菜を通常の野菜と同様に軟らかく仕上げるため、軟化温度帯である80℃以上に素早く昇温させる調理制御が行われる。
(調理制御)
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の調理制御について、図1および図2を参照しながら説明する。まず、ユーザによって、任意のメニューを調理するのに必要な肉、魚、野菜、水および調味料等の材料が収容物として調理容器4内に投入される。なお、以下では、肉、魚および野菜等の固体状の収容物を食材と呼称し、調味料および水等の液体状の収容物を調味液と呼称する。
その後、ユーザが取っ手部8を把持する等により、調理容器4が容器収納部3に載置され、外蓋2が閉じられる。これにより、内蓋9の蓋パッキン10が調理容器4のフランジ部4aに圧接され、調理容器4内が密閉される。このとき、大気連通経路開閉弁22は開状態とされ、調理容器4は、第2の外蓋通気孔23bを介して外気と連通した状態となっている。
次に、ユーザによる操作表示部30の図示しないスイッチ等に対する操作により、調理または保温の条件が設定される。調理または保温の条件には、例えば、圧力、圧力上昇速度、時間および温度等が含まれる。これにより、使用するモード、ならびに調理温度および調理時間等の調理設定が自動的に行われるとともに、使用する食材の「冷凍」または「非冷凍」がユーザの選択によって設定される。そして、ユーザによって図示しないスイッチがオンとされると、制御装置50に調理開始指示が与えられ、調理が開始される。
調理が開始されると、加熱コイル5aには、インバータ部29から高周波電流が供給され、高周波磁界が発生する。調理容器4の加熱コイル対向面は、発生した高周波磁界によって加熱コイル5aと磁気結合して励磁され、調理容器4の底面に渦電流が誘起される。そして、誘起された渦電流と調理容器4の抵抗とによりジュール熱が生じ、調理容器4の底面が発熱して調理容器4の内容物に対する加熱が行われる。
このとき、鍋底温度センサ6により調理容器4の温度である容器温度が検出されるとともに、蓋センサ17により調理容器4内の上部空間温度が検出される。そして、制御装置50は、検出された容器温度および上部空間温度に基づき、調理容器4内の収容物が予め設定された第1設定温度T(例えば、100℃)を維持するように、加熱コイル5aによる加熱を制御する。この場合の昇温速度および制御態様は、選択されたモードに応じて異なるが、第1設定温度Tは、少なくとも軟化温度帯である80℃以上である。
図6は、本実施の形態1に係る加熱調理器の調理制御について説明するための概略図である。図6は、非冷凍モードにおける調理容器4および調理容器4の上部空間の温度[℃]の一例を示す。また、図6は、冷凍モードにおける調理容器4および調理容器4の上部空間の温度[℃]、減圧ポンプ20の入力、調理容器4の密閉状態、ならびに、調理容器4内の圧力[atm]との一例を示す。なお、図6の温度についてのグラフにおいて、実線は鍋底温度センサ6によって計測された調理容器4の温度を示し、一点鎖線は蓋センサ17によって計測された調理容器4内の上部空間温度を示す。また、調理容器4の密閉状態が「ON」の場合は、調理容器4が密閉された状態を示し、密閉状態が「OFF」の場合は、調理容器4が外部と連通した状態を示す。
食材として非冷凍野菜が調理容器4内に投入され、調理モードとして非冷凍モードが選択された場合には、鍋底温度センサ6および蓋センサ17のそれぞれで容器温度および調理容器4内の上部空間温度が検出される。そして、検出された容器温度および調理容器4内の上部空間温度に基づき、調理容器4内の収容物が図6に示すように第1設定温度T(例えば、100℃)を維持するように、加熱手段5による加熱が制御される。なお、収容物が「第1設定温度Tを維持する」とは、「第1設定温度Tを含む一定の温度範囲内に収まる状態を維持する」ことを意味するものとする。
一方、食材として冷凍野菜が調理容器4内に投入され、調理モードとして冷凍モードが選択された場合には、鍋底温度センサ6および蓋センサ17のそれぞれで容器温度および調理容器4内の上部空間温度が検出される。そして、検出された容器温度および調理容器4内の上部空間温度に基づき、調理容器4内の収容物が図6に示すように第1設定温度T(例えば、100℃)を維持するように、加熱手段5による加熱が制御される。このとき、容器温度が第1設定温度Tよりも低く、軟化温度帯である80℃以上となる第2設定温度Tg(例えば、85℃)となったときに収容物が沸騰するように、減圧ポンプ20、減圧経路切替弁21および大気連通経路開閉弁22の動作が制御される。具体的には、容器温度が第2設定温度Tg以下の第3設定温度Tg1(例えば、80℃)に到達した場合に、調理容器4内が減圧され、強制的に沸騰させる制御が行われる。
図6に示すように、調理が開始された時点tでは、大気連通経路開閉弁22が開放された状態であり、調理容器4は密閉されておらず、外部と連通する状態となっている。時点tにおいて、調理容器4の容器温度が第3設定温度Tg1に到達すると、減圧経路切替弁21は、第1の内蓋通気孔18aと第1の減圧経路管25aとが接続される状態となるとともに、大気連通経路開閉弁22は閉状態となる。これにより、連通経路が経路Aとなり、調理容器4が密閉される。また、このとき減圧ポンプ20が駆動され、調理容器4内の空気が第1の内蓋通気孔18a、減圧経路切替弁21、第1の減圧経路管25a、減圧ポンプ20および第2の減圧経路管25bを介して第2の外蓋通気孔23bから外部へ排出される。したがって、調理容器4内の圧力が徐々に低下し、大気圧1.0atmよりも低くなる。
時点tにおいて、調理容器4内の圧力低下に伴って沸点が低下し、調理容器4の温度が、調理容器4内の圧力における沸点である第2設定温度Tgとなると、調理容器4内の収容物の調味液が沸騰する。これにより、調理容器4内に蒸気が発生し、調理容器4の上部空間の蒸気が増加する。また、沸騰により発生した泡により、調理容器4内の収容物の攪拌と、収容物への熱伝達が促進される。
ここで、冷凍野菜などの冷凍食材は、調味液に沈まず浮くことが多い。そのため、上部空間が蒸気で満たされることにより、加熱手段5による下方からの加熱に加えて冷凍食材の上方からも加熱されるため、収容物が素早く昇温する。このように、収容物を80℃以上に速やかに昇温させることで、冷凍食材であっても上述したように酵素が速やかに失活するため、硬化しにくく、軟らかく仕上げることができる。
時点tにおいて、調理容器4内が蒸気で満たされ、上部空間温度が第2設定温度Tgに到達すると、減圧経路切替弁21は、第1の大気連通管24aと第1の減圧経路管25aとが接続される状態となり、減圧ポンプ20と大気とが連通する状態となる。また、減圧ポンプ20の駆動が停止され、加熱のみが継続される。これにより、調理容器4内の密閉状態が継続され、調理容器4内の減圧状態が維持される。
次に、調理容器4内は、容器温度および上部空間温度が第1設定温度Tに到達する時点tまで昇温される。この場合、沸騰により発生する蒸気によって調理容器4内の圧力が大気圧に向かって徐々に上昇し、収容物が沸騰を維持したまま昇温する。
図6の例に示すように、非冷凍モードでの調理制御では、減圧沸騰が行われることにより、調理容器4が第1設定温度Tに到達するまでの昇温速度が低下する。しかしながら、沸騰状態が維持された状態で昇温させることによって生じる、収容物に対する蒸気による加熱と、沸騰による収容物の攪拌との効果により、収容物が軟化温度帯である80℃以上となるまでの時間を、非冷凍モードでの調理制御よりも短縮することができる。
なお、調理容器4内の減圧は、この例に限られず、例えば第2設定温度Tg到達後に開始されてもよい。この場合には、調理容器4内が十分に減圧されるまでの時間、多少温度がオーバーシュートするが、同様の効果を得ることができる。
また、減圧開始のタイミングは、第2設定温度Tgで沸騰するように制御することができれば、容器温度の検出に限られない。例えば、加熱調理器100に調理容器4内の圧力を検出する圧力センサを搭載し、加熱と共に減圧を開始した場合でも、第2設定温度Tgの飽和水蒸気圧が維持されるように制御すれば、同様の効果を得ることができる。
さらに、減圧による沸騰後には、大気連通経路開閉弁22を開放し、調理容器4内を大気圧に戻してもよい。この場合、調理容器4内の圧力の上昇に伴い沸点が上昇することにより、沸騰を維持できなくなるため、調理容器4内の蒸気が速やかに水に戻るが、蒸気の持つ熱量が収容物に伝わりやすくなるため、同様の効果を得ることができる。また、冷凍モードにおいて、非冷凍モードよりも単位時間あたりの加熱量を増加させてもよい。
この例では、収容物としての冷凍食材と調味液とが同時に調理容器4に投入される場合について説明したが、これはこの例に限られない。例えば、調理開始時に調味液のみが調理容器4に投入され、調味液が昇温した後に、冷凍食材が投入されてもよい。調味液が昇温して高温となっている状態で冷凍食材が投入されることにより、冷凍食材が速やかに昇温して酵素が失活するため、上述した例と同様の効果を得ることができる。
なお、この場合には、調味液が昇温して冷凍食材の投入時期であることをユーザに報知すると好ましい。冷凍食材の投入時期を示す報知は、調味液が少なくとも軟化温度帯である80℃以上となったタイミングで行われると好ましく、調味液が100℃で沸騰しているタイミングで行われるとより好ましい。
ところで、冷凍野菜は、通常、冷蔵庫の冷凍室で保存される。このとき、0℃より低く、−7℃以上の温度を維持する冷凍室内でカット野菜が冷凍された場合、それぞれの切片同士がくっつかず、パラパラとした状態で冷凍される。
この0℃より低く、−7℃以上の温度で冷凍される「弱冷凍」の状態で保存された冷凍野菜は、切片同士がくっついていないため、通常の−7℃よりも低い温度帯で冷凍される「通常冷凍」の状態で保存された冷凍野菜よりも、加熱時に熱が伝わりやすい。したがって、弱冷凍で保存された冷凍野菜は、通常冷凍で保存された冷凍野菜よりも短時間の加熱で軟化させることができる。
そこで、弱冷凍で保存された冷凍野菜を調理する場合には、通常冷凍で保存された冷凍野菜を調理する場合と比較して、調理時間を短くする。具体的には、調理モードとして冷凍モードが設定された場合、「弱冷凍」および「通常冷凍」のそれぞれに対応する2種類の調理時間が設定できるようにする。そして、冷凍野菜が「通常冷凍」の状態で保存されていたものである場合、調理時間は、例えば20分に設定される。一方、冷凍野菜が「弱冷凍」の状態で保存されていたものである場合、調理時間は、通常冷凍に対応する時間よりも短い時間、例えば10分に設定される。
このように、冷凍食材の保存温度に応じて調理時間が設定されることにより、保存温度に適した調理を行うことができ、食材をおいしく仕上げることができる。
以上のように、本実施の形態1に係る加熱調理器100では、調理モードとして冷凍モードが設定された場合に、非冷凍モードが設定された場合よりも、冷凍食材の軟化温度までの昇温を促進させる昇温促進手段としての減圧ポンプ20が設けられている。これにより、冷凍モードによる調理が行われる冷凍食材は、軟化温度まで素早く昇温されるため、冷凍された食材を調理する際に、食材の組織の硬化を抑制し、おいしく調理することができる。
加熱調理器100において、制御装置50は、被加熱物が冷凍食材である場合に、被加熱物が第1設定温度Tよりも低い軟化温度である第2設定温度Tgで沸騰するように加熱手段5および減圧ポンプ20を制御する。これにより、被加熱物は、通常沸騰する第1設定温度Tよりも低い第2設定温度Tgで沸騰して昇温するため、第1設定温度Tで沸騰する場合よりも早く軟化温度に到達する。そのため、食材が硬化しにくく、軟らかく仕上げることができる。
加熱調理器100において、制御装置50は、冷凍モードが設定された場合に、被加熱物の保存温度に応じて調理時間を設定する。これにより、保存温度に適した調理を行うことができ、食材をおいしく仕上げることができる。
加熱調理器100において、制御装置50は、冷凍モードでの調理の際に、非冷凍モードでの調理のときよりも加熱量が大きくなるように、加熱手段を制御する。これにより、短時間の加熱で食材を軟化させることができる。
実施の形態2.
次に、本実施の形態2に係る加熱調理器について説明する。本実施の形態2に係る加熱調理器は、加熱室内に配置された被加熱物を、マイクロ波を用いて加熱することによって調理を行うものである。
[加熱調理器200の構成]
図7は、本実施の形態2に係る加熱調理器の構成の一例を示す模式断面図である。加熱調理器200は、本体201と、本体201に開閉自在に係止された図示しないドアとを備えている。本体201の内部には、調理槽である加熱室204が設けられている。加熱室204内には、食材等の被加熱物202が収容される。
本体201と加熱室204との間には、加熱手段210が設けられている。加熱手段210は、高周波発振器211、導波管212および回転アンテナ213を含んで構成されている。加熱手段210の動作は、後述する制御装置250によって制御される。
高周波発振器211は、例えばマグネトロンであり、2.45GHzのマイクロ波を発生させる。導波管212は、高周波発振器211および回転アンテナ213に接続され、高周波発振器211で発生したマイクロ波を回転アンテナ213に導く。
回転アンテナ213は、本体201と加熱室204との間の底面に設けられ、導波管212を介して高周波発振器211から供給されたマイクロ波を加熱室204内に照射する。回転アンテナ213の動作は、制御装置250によって制御される。回転アンテナ213は、図示しないモータによって回転する。これにより、加熱室204内の被加熱物202へのマイクロ波の照射状態を変化させることができ、被加熱物202が均一かつ高速に加熱される。
また、本実施の形態2において、加熱調理器200は、昇温促進手段の一例である水分供給手段220を備えている。水分供給手段220は、加熱室204内に水分を供給するために設けられている。水分供給手段220は、タンク221、パイプ222および吹出口223を含んで構成されている。水分供給手段220の動作は、制御装置250によって制御される。
タンク221は、加熱室204内に供給される水を貯留する。パイプ222は、タンク221および吹出口223に接続され、タンク221内に蓄えられた水を吹出口223に供給する。吹出口223は、加熱室204の天井面に設けられ、タンク221からパイプ222を介して供給された水をミストまたは加熱された蒸気として加熱室204内に噴霧する。
本体201には、操作表示部230が設置されている。操作表示部230は、ユーザによる操作指示等の入力および動作状態等の表示を行う。なお、操作表示部230は、本体201に設置される場合に限られず、例えば図示しないドアに設置されてもよい。また、操作表示部230に対する操作および表示等の各種機能は、以下で説明する制御装置250に含まれてもよいし、スマートフォン等の外部の機器によって実現されてもよい。
また、加熱調理器200は、制御装置250を備えている。制御装置250は、加熱手段210の動作、ならびに、水分供給手段220の動作を含む加熱調理器200全体を制御する。なお、制御装置250は、本体201に設けられてもよいし、図示しないドアに設けられてもよい。また、上述したように、制御装置250は、操作表示部230の各種機能を含んでもよい。制御装置250は、マイクロコンピュータなどの演算装置上でソフトウェアを実行することにより各種機能が実現され、もしくは各種機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア等で構成されている。
[加熱調理器200の動作]
(調理制御)
次に、本実施の形態2に係る上記構成を有する加熱調理器200の調理制御について説明する。まず、ユーザによって、被加熱物202が加熱室204内に収容され、図示しないドアが閉じられる。次に、ユーザによる操作表示部230の図示しないスイッチ等に対する操作により、調理モードおよび調理時間等が設定される。調理モードとしては、少なくとも冷凍モードおよび非冷凍モードが備えられている。このとき、使用する被加熱物202の「冷凍」または「非冷凍」が選択される。そして、ユーザによって図示しないスイッチがオンとされると、制御装置250に調理開始指示が与えられ、調理が開始される。
調理が開始されると、制御装置250によって高周波発振器211が駆動され、マイクロ波が発生する。発生したマイクロ波は、導波管212を介して回転アンテナ213から加熱室204内に照射される。これにより、加熱室204内の被加熱物202に対する加熱が行われる。ここで、調理モードとして冷凍モードが選択された場合には、加熱の開始前あるいは加熱開始時に、水分供給手段220を用いて吹出口223からミストまたは蒸気が噴霧され、冷凍食材である被加熱物202に水分が供給される。
回転アンテナ213から照射されるマイクロ波は、水分に吸収されやすいという性質を有している。そのため、ミストまたは蒸気によって水分が表面に付着した被加熱物202は、水分が付着していない場合と比較して、速やかにマイクロ波を吸収し、昇温する。
このように、冷凍食材である被加熱物202に対して水分を供給することにより、冷凍食材であっても酵素が速やかに失活するため、加熱によっても硬化しにくく、軟らかく仕上げることができる。
なお、冷凍モードにおいては、非冷凍モードよりも単位時間あたりの加熱量が大きくなるように、加熱手段210によるマイクロ波の入力量を増加させてもよい。これにより、より速やかに被加熱物202を加熱して昇温させることができる。
以上のように、本実施の形態2に係る加熱調理器200において、制御装置250は、被加熱物202が冷凍食材である場合に、加熱の開始前または開始時に、被加熱物202に対して水分を供給するように水分供給手段220を制御する。これにより、水分が付着した被加熱物202は、速やかにマイクロ波を吸収して昇温する。そのため、水分が供給されない場合と比較して早く、被加熱物202の温度を軟化温度に到達させることができる。
実施の形態3.
次に、本実施の形態3について説明する。本実施の形態3では、実施の形態1で説明した冷凍食材の保存温度を冷蔵庫から取得し、取得した冷凍食材の保存温度に応じて冷凍モード時の調理時間を自動的に設定する場合について説明する。なお、本実施の形態3において、実施の形態1および2と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図8は、本実施の形態3に係る加熱調理器と冷蔵庫との接続関係について説明するための概略図である。ここでは、実施の形態1で説明した加熱調理器100を適用した場合を例にとって説明する。図8に示すように、加熱調理器100は、ホームネットワーク500を介して冷蔵庫300と有線または無線によって接続され、冷蔵庫300との間で通信を行う。
冷蔵庫300は、食材等の収容物を保存するために設けられている。冷蔵庫300は、通常、収容物が凍らない程度の冷蔵温度帯の温度を維持する冷蔵室、および、収容物を冷凍する冷凍温度帯の温度を維持する冷凍室など、収容物の保存温度に応じて複数の貯蔵室が設けられている。本実施の形態3において、冷蔵庫300は、各貯蔵室の扉が開閉された際に、当該貯蔵室の保存温度を示す保存温度情報を出力する。出力された保存温度情報は、ホームネットワーク500を介して加熱調理器100に供給される。
加熱調理器100は、冷蔵庫300から送信された保存温度情報を受信し、受信した保存温度情報に基づき、選択された調理モードによる調理時間を設定する。図3に示す制御装置50において、本実施の形態3では、情報取得部51は、ホームネットワーク500を介して冷蔵庫300から保存温度情報を取得する。比較判断部52は、情報取得部51で取得された保存温度情報が示す保存温度と、記憶部54に記憶された冷凍閾値とを比較し、比較結果に基づき、冷凍食材の保存状態を判断する。
記憶部54は、比較判断部52で用いられる冷凍閾値を記憶する。冷凍閾値は、保存温度情報が示す保存温度に対して設けられた値であり、冷凍食材の保存温度が「弱冷凍」または「通常冷凍」のいずれの状態で保存されていたものであるのかを判断するために用いられる。冷凍閾値は、例えば−7℃に設定される。
また、記憶部54は、調理モードとしての冷凍モードにおける調理時間として、第1冷凍調理時間および第2冷凍調理時間を記憶する。第1冷凍調理時間は、「通常冷凍」の状態で保存されていた冷凍食材を調理する場合の調理時間である。第1冷凍調理時間は、例えば20分に設定される。第2冷凍調理時間は、「弱冷凍」の状態で保存されていた冷凍食材を調理する場合の調理時間である。第2冷凍調理時間は、第1冷凍調理時間よりも短い時間が設定され、例えば10分に設定される。
[調理設定処理]
図9は、本実施の形態3に係る加熱調理器による調理設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS1において、ユーザによる操作表示部30に対する操作により、加熱調理器100の主電源がオンとされると、ステップS2において、制御装置50の情報取得部51は、冷蔵庫300から保存温度情報を取得する。また、ステップS3において、ユーザによる操作表示部30に対する操作により、調理モードが設定される。
ステップS4において、比較判断部52は、設定された調理モードが冷凍モードであるか否かを判断する。設定された調理モードが冷凍モードである場合(ステップS4:YES)、制御装置50は、ステップS5において、冷凍モードに対応する調理設定を行う。
次に、ステップS6において、比較判断部52は、ステップS2で取得した保存温度情報が示す保存温度と、記憶部54に記憶された冷凍閾値とを比較する。比較の結果、保存温度が冷凍閾値以上である場合(ステップS6:YES)、比較判断部52は、冷凍食材が「弱冷凍」の状態で保存されていたと判断する。そして、ステップS7において、制御装置50は、調理時間を第2冷凍調理時間に設定する。
また、保存温度が冷凍閾値未満である場合(ステップS6:NO)、比較判断部52は、冷凍食材が「通常冷凍」の状態で保存されていたと判断する。そして、ステップS8において、制御装置50は、調理時間を第1冷凍調理時間に設定する。
一方、ステップS4において、設定された調理モードが冷凍モードでない場合(ステップS4:NO)、制御装置50は、ステップS9において、設定された調理モードに対応する調理設定を行う。
次に、ステップS10において、ユーザによる操作表示部30に対する操作により、調理開始ボタンがオンとされる。そして、ステップS11において、設定された調理モードによる調理が開始される。
なお、調理モードおよび選択項目の名称、ならびに、第1冷凍調理時間および第2冷凍調理時間の具体的な時間等の数値は、この例に限られず、ユーザが任意に調整できるようにしてもよい。また、冷凍食材の保存温度は、この例に限られず、例えば、ユーザの冷蔵庫300に対する操作によって、加熱調理器100に送信されるようにしてもよい。さらに、冷凍食材の保存温度は、調理開始直後、加熱調理器100の鍋底温度センサ6または蓋センサ17で計測される温度から推定されてもよい。ただし、冷凍食材と共に調理容器4に投入される調味液は常温であることが多いため、正確に保存温度を見極めるために、冷凍食材の保存温度は、冷蔵庫300から自動的に取得、あるいは、冷蔵庫300に対するユーザの操作によって取得されることが望ましい。
さらに、この例では、実施の形態1で説明した加熱調理器100を適用した場合について説明したが、これに限られず、実施の形態2で説明した加熱調理器200を適用することもできる。この場合、実施の形態2に係る加熱調理器200は、ユーザの操作によって主電源がオンとされると、冷蔵庫300から保存温度情報を取得する。加熱調理器200は、設定された調理モードが冷凍モードである場合に、取得した保存温度情報と冷凍閾値との比較結果に基づき、調理時間を第1冷凍調理時間または第2冷凍調理時間のいずれかに設定する。そして、ユーザによって調理開始ボタンがオンとされることにより、設定された調理モードによる調理が開始される。
以上のように、本実施の形態3に係る加熱調理器100において、制御装置50は、保存温度が冷凍閾値未満である場合に、調理時間を第1冷凍調理時間に設定する。また、制御装置50は、保存温度が冷凍閾値以上である場合に、調理時間を第1冷凍調理時間よりも短い第2冷凍調理時間に設定する。これにより、実施の形態1と同様に、保存温度に適した調理を行うことができ、食材をおいしく仕上げることができる。
加熱調理器100において、制御装置50は、被加熱物が保存されていた冷蔵庫300から保存温度を取得する。これにより、加熱調理器100は、被加熱物の保存温度を自動的に取得することができ、容易に調理を行うことができる。
1 本体、2 外蓋、3 容器収納部、4 調理容器、4a フランジ部、5 加熱手段、5a 加熱コイル、6 鍋底温度センサ、7 圧縮バネ、8 取っ手部、9 内蓋、10 蓋パッキン、11 蒸気孔、12 蒸気排出弁、13 カートリッジ、14 蒸気排出口、15 カートリッジパッキン、16 センサ孔、17 蓋センサ、18a 第1の内蓋通気孔、18b 第2の内蓋通気孔、19a、19b 経路パッキン、20 減圧ポンプ、21 減圧経路切替弁、22 大気連通経路開閉弁、23a 第1の外蓋通気孔、23b 第2の外蓋通気孔、24a 第1の大気連通管、24b 第2の大気連通管、25a 第1の減圧経路管、25b 第2の減圧経路管、29 インバータ部、30、230 操作表示部、31 処理回路、32、43 入出力装置、41 プロセッサ、42 メモリ、50、250 制御装置、51 情報取得部、52 比較判断部、53 機器制御部、54 記憶部、100、200 加熱調理器、201 本体、202 被加熱物、204 加熱室、210 加熱手段、211 高周波発振器、212 導波管、213 回転アンテナ、220 水分供給手段、221 タンク、222 パイプ、223 吹出口、300 冷蔵庫、500 ホームネットワーク。

Claims (7)

  1. 設定された調理モードで調理を行う加熱調理器であって、
    被加熱物を収容する調理槽と、
    前記調理槽を収納または備える本体と、
    前記調理槽を加熱する加熱手段と、
    前記被加熱物が冷凍食材であるときの前記調理モードの1つである冷凍モードが設定された場合に、前記被加熱物が非冷凍食材であるときの前記調理モードの1つである非冷凍モードが設定された場合よりも、前記被加熱物が軟化する軟化温度までの昇温を促進させる昇温促進手段と、
    前記加熱手段および前記昇温促進手段を制御する制御装置と
    を備える
    加熱調理器。
  2. 前記昇温促進手段は、
    前記調理槽内を減圧する減圧装置であり、
    前記制御装置は、
    前記被加熱物の調理を第1設定温度で行う調理制御において、
    前記被加熱物が冷凍食材である場合に、前記被加熱物が前記第1設定温度よりも低い第2設定温度で沸騰するように前記加熱手段および前記減圧装置を制御する
    請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記加熱手段は、
    マイクロ波を発生する高周波発振器と、
    前記マイクロ波を前記調理槽内に照射するアンテナと
    を有し、
    前記昇温促進手段は、
    前記調理槽内に水分を供給する水分供給手段であり、
    前記制御装置は、
    前記被加熱物の調理を行う調理制御において、
    前記被加熱物が冷凍食材である場合に、前記加熱の開始前または開始時に、前記被加熱物に対して前記水分を供給するように前記水分供給手段を制御する
    請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 前記制御装置は、
    前記被加熱物が前記冷凍食材であるときで、前記調理モードとして前記冷凍モードが設定された場合に、前記被加熱物の保存温度に応じて調理時間を設定する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記制御装置は、
    前記保存温度と冷凍閾値とを比較し、
    前記保存温度が前記冷凍閾値未満である場合に、前記調理時間を第1冷凍調理時間に設定し、
    前記保存温度が前記冷凍閾値以上である場合に、前記調理時間を前記第1冷凍調理時間よりも短い第2冷凍調理時間に設定する
    請求項4に記載の加熱調理器。
  6. 前記制御装置は、
    前記被加熱物が保存されていた冷蔵庫から前記保存温度を取得する
    請求項4または5に記載の加熱調理器。
  7. 前記制御装置は、
    前記冷凍モードでの調理の際に、前記非冷凍モードでの調理のときよりも加熱量が大きくなるように、前記加熱手段を制御する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の加熱調理器。
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