JP2021170525A - リチウムイオン二次電池用電解液の精製方法およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電解液の精製方法およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】酸性不純物濃度が所定濃度になるように容易に制御しつつ、簡便かつ低コストに非水電解液を精製し得る非水電解液の精製方法およびリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法およびフッ酸含有量が50質量ppm以下で、水含有量が20質量ppm以下である電解液を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池である。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用電解液の精製方法およびリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池においては、電解液として、有機非水溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )などのリチウム系電解質を溶解させた非水電解液が用いられている。
しかしながら、上記電解液を構成する溶媒及びリチウム系電解質中には微量の水分が残留しており、この水分は、上記LiPF6 等のリチウム系電解質と反応して、例えば以下の反応式(1)〜(3)に示すようにフッ化水素(HF)等を生成する。
Figure 2021170525
電解液中に上記フッ化水素等の酸性不純物が存在する場合、リチウムイオン電池の電池容量や充放電のサイクル特性を低下させたり、電池内部の腐食を生じやすくなる(特許文献1(特開2011−71111号公報)等参照)。
特開2011−71111号公報
このような状況下、本発明は、フッ酸等の酸性不純物濃度が所定濃度になるように容易に制御しつつ、簡便かつ低コストにリチウムイオン二次電池用電解液を精製し得るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させて精製された電解液により上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法、
(2)前記リチウムイオン二次電池が、リチウム含有金属複合酸化物を正極とするものである上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法、
(3)フッ酸含有量が50質量ppm以下で、水含有量が20質量ppm以下である電解液を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池
を提供するものである。
本発明によれば、酸性不純物濃度が所定濃度範囲になるように容易に制御しつつ、簡便かつ低コストにリチウムイオン二次電池用電解液を精製し得るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法およびリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明に係る電解液の精製方法で使用する精製装置の構成例を説明するための図である。 本発明に係る電解液の精製方法で使用する精製装置の構成例を説明するための図である。 本発明に係る電解液の精製方法で使用する精製装置の構成例を説明するための図である。 本発明に係る電解液の精製方法で使用する精製装置の構成例を説明するための図である。 本発明に係る電解液の精製方法で使用する精製装置の構成例を説明するための図である。 本発明に係る電解液の精製方法で使用する精製装置の構成例を説明するための図である。 イオン交換樹脂の前処理方法を示す概略図である。 イオン交換樹脂の前処理方法を示す概略図である。 イオン交換樹脂の前処理方法を示す概略図である。 本発明に係る電解液の精製方法で使用する精製装置の構成例を説明するための図である。
先ず、本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法について説明する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法は、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させることを特徴とするものである。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法や、精製に使用する装置の詳細は、以下に詳述するものとする。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法において、得られる電解液を使用するリチウムイオン二次電池の正極活物質としては、特に制限されないが、例えば、リチウム含有金属複合酸化物やリン酸鉄リチウム等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
リチウム含有金属複合酸化物としては、マンガン酸リチウム(LiMn);コバルト酸リチウム(LiCoO);ニッケル酸リチウム(LiNiO);これらのリチウム化合物のマンガン、コバルト、ニッケルの部分の少なくとも一部をナトリウム、マグネシウム、スカンジウム、イットリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、鉛、アンチモン、チタンなどの金属元素およびホウ素で置換したもの;マンガン酸リチウムのマンガンの一部を少なくともニッケルで置換したニッケル置換マンガン酸リチウム;ニッケル酸リチウムのニッケルの一部を少なくともコバルトで置換したコバルト置換ニッケル酸リチウム;ニッケル置換マンガン酸リチウムのマンガンの一部を他の金属(例えばアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛の少なくとも一種)で置換したもの;コバルト置換ニッケル酸リチウムのニッケルの一部を他の金属元素(例えばアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛の少なくとも一種)で置換したもの等が挙げられる。
これらのリチウム含有金属複合酸化物は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法により得られる電解液は、例えば、電解質としてLiPFを用いた場合、ナトリウム含有量が、10質量ppm以下であるものが好ましく、5質量ppm以下であるものがより好ましく、2質量ppm以下であるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、ナトリウム含有量は、誘導結合プラズマ質量分析装置により測定される値を意味する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法により得られる電解液は、フッ酸等の酸性不純物の含有量が、50質量ppm以下であるものが好ましく、20質量ppm以下であるものがより好ましく、5質量ppm以下であるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、上記酸性不純物量は、中和滴定法により測定した値を意味する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法により得られる電解液は、水含有量が、20質量ppm以下であるものが好ましく、10質量ppm以下であるものがより好ましく、5質量ppm以下であるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、水分含有量は、カール・フィッシャー法により測定される値を意味する。
以下、本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法の具体的態様として、精製態様1〜精製態様3について詳述するものとする。
<精製態様1(基本精製形態)>
先ず、本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法に係る精製態様1(基本精製形態)について説明する。
精製態様1に係る精製方法は、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂が充填されたイオン交換部に通液する酸吸着工程を有することを特徴とするものである。
図1は、精製態様1において使用する精製装置の構成例を示すものである。
図1に示す構成例において、精製態様1に適用される精製装置10は、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液Sを通液してリチウムイオン二次電池用電解液を得るための、イオン交換樹脂を収容したイオン交換部11を有している。
精製態様1において、被処理液中に含まれるリチウムイオン二次電池用電解液としては、炭酸エステル中にアルカリ金属塩電解質が分散されたアルカリ金属塩電解質含有液を挙げることができる。
上記炭酸エステルとしては、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルから選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート(炭酸エチレン)、プロピレンカーボネート(炭酸プロピレン)等から選ばれる一種以上を挙げることができ、鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(炭酸ジメチル)、ジエチルカーボネート(炭酸ジエチル)、エチルメチルカーボネート(炭酸エチルメチル)等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記アルカリ金属塩電解質としては、リチウム系電解質を挙げることができ、リチウム系電解質としては、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiCFSO等から選ばれる一種以上を挙げることができ、電池性能を考慮した場合、LiPFが好適である。
精製態様1において、アルカリ金属塩電解質含有液中のアルカリ金属塩濃度は、0.5〜2.0モル/lが好ましく、0.5〜1.2モル/lがより好ましく、0.8〜1.2モル/lがさらに好ましい。
アルカリ金属塩電解質含有液の調製方法も特に制限されないが、例えば、炭酸エステル中にアルカリ金属塩電解質を、不活性ガス雰囲気下で添加、溶解することにより調製することができる。
精製態様1においては、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させる。
上記接触処理は、精製装置として、被処理液(未精製の電解液)を通液する、イオン交換樹脂が収容されたイオン交換部を有するものを用いて行うことが好ましい。
上記イオン交換樹脂としては弱塩基性陰イオン交換樹脂を挙げることができ、弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体等のスチレン系樹脂を基体(母体)として有するものや、メタクリル酸・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル酸・ジビニルベンゼン共重合体等のアクリル系樹脂等を基体とするものを挙げることができる。
本出願書類において、スチレン系樹脂とは、スチレン又はスチレン誘導体を単独または共重合した、スチレン又はスチレン誘導体に由来する構成単位を50質量%以上含む樹脂を意味する。
上記スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等から選ばれる一種以上が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレンまたはスチレン誘導体の単独または共重合体を主成分とするものであれば、共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン等のジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマーや、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記共重合可能な他のビニルモノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン重合数が4〜16のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンがより好ましく、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましく、ジビニルベンゼンがさらに好ましい。
弱塩基性陰イオン交換樹脂を構成する弱塩基性陰イオン交換基としては、三級アミノ基であることが適当である。
上記三級アミノ基としては、下記一般式(I)
Figure 2021170525
(ただし、R基およびR基は炭素数1〜3の炭化水素基であって互いに同一であっても異なっていてもよく、*は基体または基体へ結合するための結合基との結合部位を示す。)
で表されるものを挙げることができる。
上記一般式(I)で表される弱塩基性陰イオン交換基において、R基およびR基は炭素数1〜3の炭化水素基である。
基またはR基としては、アルキル基およびアルケニル基から選ばれる一種以上を挙げることができ、アルキル基であることが好ましい。
基またはR基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基およびプロピレン基から選ばれる一種以上を挙げることができ、メチル基であることが好ましい。
上記一般式(I)で表される弱塩基性陰イオン交換基において、R基およびR基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I)で表される弱塩基性陰イオン交換基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等を挙げることができ、ジメチルアミノ基であることが好ましい。
上記一般式(I)において、*は、上記一般式(I)で表される弱塩基性陰イオン交換基と、基体または基体へ結合するための結合基との結合部位を示す。
上記一般式(I)で表される弱塩基性陰イオン交換基は、スチレン系樹脂からなる基体に対し、下記一般式(II)に示すように、適宜結合基であるR基を介して結合していることが好ましい。
Figure 2021170525
(ただし、R基およびR基は炭素数1〜3の炭化水素基であって互いに同一であっても異なっていてもよく、R基は炭素数1〜3の炭化水素基であり、*は基体との結合部位を示す。)
上記R基およびR基としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
上記R基は炭素数1〜3の炭化水素基であり、R基としては、アルキレン基およびアルケニレン基から選ばれる一種以上を挙げることができ、アルキレン基であることが好ましい。
基として、具体的には、メチレン基 (−CH−)、エチレン基(−CHCHCH−)、 プロピレン基(−CHCHCH−)等から選ばれる一種以上を挙げることができ、メチレン基が好ましい。
上記一般式(I)で表される弱塩基性陰イオン交換基は、スチレン又はスチレン誘導体に置換基として導入することにより、スチレン系樹脂中に導入することができる。
精製態様1において、弱塩基性陰イオン交換樹脂は、被処理液の処理前における総イオン交換容量が、0.1〜3.0eq/L−Rであるものが好ましく、0.5〜2.5eq/L−Rであるものがより好ましく、1.0〜2.0eq/L−Rであるものがさらに好ましい。
本出願書類において、総イオン交換容量は、湿潤状態、被処理液処理前における弱塩基性陰イオン交換樹脂において、陰イオン交換樹脂を塩酸で完全に塩化物イオン形に変換した後、エタノールで過剰の塩酸を洗浄し、アンモニア水を流した時に流出した塩化物イオンの量をアミノ基交換容量とし、次に硝酸ナトリウム溶液を流した時に流出した塩化物イオンの量を中性塩分解容量としたときにおける、アミノ基交換容量と中性塩分解容量の合計を意味する。
アミノ基を弱塩基性陰イオン交換基とする弱塩基性陰イオン交換樹脂において、上記総イオン交換容量は、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基および四級アンモニウム基を合計したイオン交換容量を意味し、中性塩分解容量は四級アンモニウム基量を示す。
精製態様1において、被処理液と接触するイオン交換樹脂として特定の弱塩基性陰イオン交換樹脂、すなわち、スチレン系樹脂を基体とし、弱塩基性陰イオン交換基として三級アミノ基を有するとともに、アルカリ金属塩電解質含有液処理前における総イオン交換容量が上記範囲内にあるものを採用することにより、被処理液中に含まれるフッ酸等の酸性不純物をアミノ基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂により吸着して精製処理する際に、弱塩基性陰イオン交換基である三級アミノ基の四級アンモニウム基への変性を効果的に抑制しつつ容易に精製処理することができる。
弱塩基性陰イオン交換樹脂は、ゲル型構造、マクロポーラス(MR)型構造、ポーラス型構造のいずれの構造を有するものであってもよく、マクロポーラス型構造を有するものが好ましい。
弱塩基性陰イオン交換樹脂のサイズは特に制限されないが、その調和平均径が、300〜1000μmであるものが好ましく、400〜800μmであるものがより好ましく、500〜700μmであるものがさらに好ましい。
このような弱塩基性陰イオン交換樹脂は、市販品であってもよく、例えば、三菱化学(株)製ダイヤイオンWA30や、オルガノ(株)製 ORLITE DS−6等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
精製態様1において、イオン交換部に弱塩基性陰イオン交換樹脂を収容して被処理液と接触させる場合、弱塩基性陰イオン交換樹脂の収容形態は、被処理液と弱塩基性陰イオン交換樹脂とが接触し得る形態であれば特に制限されない。
例えば、イオン交換部が、被処理液を通液し得る弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムまたは槽であってもよい。
また、イオン交換部は、被処理液を通液するためのポンプを備えたものであってもよい。
精製態様1において、被処理液を弱塩基性陰イオン交換樹脂に通液する通液速度(液空間速度)は、被処理液中の酸性不純物を除去し得る速度から適宜選定すればよい。
上記弱塩基性陰イオン交換樹脂による処理は、例えば、先ず、処理すべき被処理液を構成する溶媒で予め弱塩基性陰イオン交換樹脂を洗浄した後、約40〜80℃で減圧下にて乾燥し、次いで、再度処理すべき被処理液を構成する溶媒で弱塩基性陰イオン交換樹脂を膨潤した上で、カラム等に充填する。
その上で、常法に従い逆洗・押出し操作等を行った後、被処理液を好ましくはSV(流量/イオン交換樹脂体積比)1〜100hr-1、より好ましくはSV2〜50hr−1、さらに好ましくはSV5〜20hr-1で通液することにより接触処理することができる。
精製態様1において、イオン交換樹脂として、スチレン系樹脂を基体とし、イオン交換基として三級アミノ基を有するとともに、総イオン交換容量が所定範囲内にあるものを採用することにより、被処理液中に含まれるフッ酸等の酸性不純物をアミノ基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂により吸着して精製処理する際に、弱塩基性陰イオン交換基である三級アミノ基の四級アンモニウム基への変性を効果的に抑制しつつ、酸性不純物濃度が所定濃度範囲になるように容易に吸着除去し、簡便かつ低コストに容易に精製処理することができる。
<精製態様2(前処理装置付帯形態)>
次に、本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法に係る精製態様2(前処理装置付帯形態)について説明する。
精製態様2に係る精製方法は、有機非水溶媒をゼオライトに通液する水分吸着工程と、前記水分吸着工程で処理された有機非水溶媒処理液にリチウム系電解質を添加する電解質添加工程と、前記電解質添加工程で得られたリチウム系電解質含有液をイオン交換樹脂に通液する酸吸着工程とを有することを特徴とするものである。
図2は、精製態様2において使用する精製装置の構成例を示すものである。
図2に示すように、精製態様2に適用される精製装置20は、有機非水溶媒Mを通液するゼオライトを収容した水分吸着装置22と、水分吸着装置22で処理された有機非水溶媒処理液にリチウム系電解質Eを添加する電解質添加装置23と、電解質添加装置23で得られたリチウム系電解質含有液を通液するイオン交換樹脂を収容した酸吸着装置21とを有している。
精製態様2において、有機非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、エトキシメトキシエタン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
精製態様2において、有機非水溶媒中のアルカリ金属の含有量は、0〜0.5mol/Lであることが好ましく、0〜0.005mol/Lであることがより好ましく、0〜0.00005mol/Lであることがさらに好ましい。
有機非水溶媒中のアルカリ金属の含有量が上記範囲内にあることにより、水分吸着装置により効果的に水分を吸着することができる。
なお、本出願書類において、アルカリ金属の含有量は、原子吸光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製、偏光ゼーマン原子吸光光度計 ZA3000)を用い、原子吸光光度法により測定した値を意味する。
上記水分吸着装置に収容するゼオライトとしては、有機非水溶媒中の水分を吸着し得るものであれば特に制限されず、結晶性ゼオライトから選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記結晶性ゼオライトとしては、A型、Y型、X型、チャバサイト、フェリエライト、ZSM−5およびクリノプチロライト等から選ばれる一種以上の結晶性ゼオライトを挙げることができる。
さらに、上記結晶性ゼオライトは、結晶性ゼオライトを構成するSi/Alモル比が1〜5であるものが好ましい。Si/Alモル比が上記範囲内にあることにより、構造上安定であるとともに、適度なカチオン含有率を有し好適に水分を吸着除去することができる。
上記結晶性ゼオライトは、カチオンがリチウムイオンやカルシウムイオン等で交換されたものであってもよいし、交換されていないものであってもよい。
従来より、リチウムイオン二次電池用電解液等の非水電解液を調製する場合、結晶性ゼオライトとして、ゼオライトからのナトリウムイオンの溶出を抑制するためにリチウムイオン等でイオン交換したものを使用することが提案されていたが、本発明者が検討したところ、有機非水溶媒を処理対象とした場合には結晶性ゼオライトのカチオン(ナトリウムイオン)をイオン交換しなくてもナトリウムイオンの溶出を抑制し得ること、および電解液に代えて有機非水溶媒を処理対象とすることにより電解質によるゼオライトの水分除去が阻害されることがなく、水分を効率的に除去し得ることを見出した。
このため、精製態様2によれば、イオン交換されていないかもしくはイオン交換の程度の低い結晶性ゼオライトを用いて簡便かつ安価に目的とする電解液を製造可能な精製方法を容易に提供することができる。
上記結晶性ゼオライトは、その細孔径が3Å〜10Åであるものが好ましく、3Å〜6Åであるものがより好ましく、3Å〜5Åであるものがさらに好ましい。
結晶性ゼオライトの細孔径が上記範囲内にあることにより、有機非水溶媒中の水分を好適に吸着除去することができる。
なお、本出願書類において、上記細孔径は、結晶構造と保持するカチオン種から推定される理論値を意味する。
上記結晶性ゼオライトとしては、球状や円柱状のものが好ましく、直径が、0.5〜5mmのものが好ましい。
結晶性ゼオライト直径が上記範囲内にあることにより、ハンドリング性を低下させることなく、有機非水溶媒を好適に含侵することができる。
精製態様2において、水分吸着装置内に収容されるゼオライトの収容形態は、有機非水溶媒とゼオライトとが接触し得る形態であれば特に制限されない。
例えば、水分吸着装置が、有機非水溶媒を通液し得るゼオライトを充填したカラムまたは槽であってもよい。
また、水分吸着装置は、有機非水溶媒を通液するためのポンプを備えたものであってもよい。
精製態様2において、有機非水溶媒をゼオライトに通液する通液速度(液空間速度)は、有機非水溶媒中の水分を除去し得る速度から適宜選定すればよい。
精製態様2においては、水分吸着装置により、リチウム系電解質を添加した電解液ではなく係るリチウム系電解質を添加する前の有機非水溶媒中の水分を吸着除去する。
このように、電解液に代えて有機非水溶媒を処理対象とすることにより、ゼオライトによる水分吸着時における、ゼオライト中の金属イオンのイオン交換による溶出を効果的に抑制することができる。
精製態様2においては、水分吸着装置の後段(下流側)に濾過装置を有する精製装置を用いてもよい。
上記濾過装置の設置位置は、水分吸着装置の直後であることが好ましく、このため水分吸着装置および後述する電解質添加装置間であることが好適であるが、後述する電解質添加装置および酸吸着装置間であってもよいし、酸吸着装置の後段であってもよい。
精製態様2に適用される精製装置が上記濾過装置を有することにより、水分吸着装置からゼオライト微粒子が漏出した場合であってもこれを好適に除去することができる。
上記濾過装置は、微細孔を有する樹脂製の濾材を有するものが好ましく、係る樹脂製の濾材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホンまたはポリアミドからなる濾材から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記濾材は、表面に孔径0.01〜10μmの微細孔を有するものが好ましく、表面に孔径0.1〜1μmの微細孔を有するものがさらに好ましい。
精製態様2において、精製装置は、上記水分吸着装置で処理された有機非水溶媒処理液にリチウム系電解質を添加する電解質添加装置を有している。
精製態様2において、リチウム系電解質としては、LiPF、LiClO、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiCFSO3 、等から選ばれる一種以上を挙げることができ、電池性能を考慮した場合、LiPFが好適である。
精製態様2において、電解質添加装置は、上記水分吸着装置で処理された有機非水溶媒処理液にリチウム系電解質を、0.5〜2.0モル/lの濃度になるように添加することが好ましく、0.5〜1.2モル/lの濃度になるように添加することがより好ましく、0.8〜1.2モル/lの濃度になるように添加することがさらに好ましい。
電解質添加装置においては、有機非水溶媒処理液にリチウム系電解質を、不活性ガス雰囲気下で添加してリチウム系電解質含有液を調製することが好ましい。
精製態様2において、電解質添加装置は、有機非水溶媒処理液の通液路およびリチウム系塩電解質の添加手段を有するものであれば特に制限されない。
電解質添加装置は、有機非水溶媒処理液を通液するためのポンプを備えたものであってもよい。
精製態様2において、有機非水溶媒処理液を電解質添加装置に通液する通液速度(液空間速度)は、有機非水溶媒処理液に所望量のリチウム系電解質を添加し得る速度から適宜選定すればよい。
精製態様2においては、水分吸着装置で得られた有機非水溶媒処理液をタンク等で貯蔵した後に電解質添加装置に通液してリチウム系電解質を添加してもよいし、水分吸着装置で得られた有機非水溶媒処理液をそのまま(連続的に)電解質添加装置に通液してリチウム系電解質を添加してもよい。
すなわち、図3に例示するように、有機非水溶媒Mを、ポンプP1を用いてゼオライトを収容した水分吸着装置22に通液して処理された有機非水溶媒処理液をタンクT1で貯蔵した後、ポンプP2を用いて電解質添加装置23に通液しリチウム系電解質Eを添加してもよいし、図4に例示するように、水分吸着装置22で得られた有機非水溶媒処理液をポンプP2を用いてそのまま(連続的に)電解質添加装置23に通液してリチウム系電解質Eを添加してもよい。
また、別法として、図5に例示するように、タンクT1に貯蔵されている有機非水溶媒Sを、ポンプP1を用いてゼオライトを収容した水分吸着装置22に通液して処理された有機非水溶媒処理液をタンクT1に戻す処理を複数回繰り返し、有機非水溶媒M中の水分を十分に除去した後、得られた有機非水溶媒処理液をポンプP2を用いて電解質添加装置23に通液しリチウム系電解質Eを添加してもよい。
精製態様2においては、予め水分吸着装置に収容したゼオライトにより有機非水溶媒中の水分を吸着除去した上で、電解質添加装置においてリチウム系電解質を添加していることから、ナトリウムイオン等の金属イオンからなる不純物の混入を抑制しつつ水分の含有量を低減した非水電解質含有液を容易に調製することができる。
精製態様2に適用される精製装置は、電解質添加装置で得られたリチウム系電解質含有液を通液する、イオン交換樹脂を収容した酸吸着装置を有している。
精製態様2で使用するイオン交換樹脂としては、弱塩基性陰イオン交換樹脂が好ましく、弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、精製態様1で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
精製態様2で使用するイオン交換樹脂としては、弱塩基性イオン交換基として、一級アミノ基〜三級アミノ基を有するものを挙げることができ、三級アミノ基を有するものが好ましい。
精製態様2で使用する弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、一級アミノ基または二級アミノ基をイオン交換基とするもの、ポリアミン構造を有するアミノ基をイオン交換基とするもの、スチレン系樹脂を基体とするとともにジメチルアミノ基をイオン交換基とするもの等が好ましく、これ等の陰イオン交換樹脂を使用することにより、フッ酸等の酸性不純物の含有量を容易に低減することができる。
精製態様2において、酸吸着装置内に収容される陰イオン交換樹脂の収容形態は、電解質添加装置で得られたリチウム系電解質含有液と陰イオン交換樹脂とが接触し得る形態であれば特に制限されない。
例えば、酸吸着装置が、リチウム系電解質含有液を通液し得る陰イオン交換樹脂を充填したカラムまたは槽であってもよい。
また、酸吸着装置は、リチウム系電解質含有液を通液するためのポンプを備えたものであってもよい。
精製態様2において、リチウム系電解質含有液を酸吸着装置内の弱塩基性陰イオン交換装置に通液する通液速度(液空間速度)は、アルカリ金属塩電解質含有液中の酸性不純物を除去し得る速度から適宜選定すればよい。
精製態様2においては、電解質添加装置で得られたリチウム系電解質含有液をタンク等で貯蔵した後に弱塩基性陰イオン交換樹脂を収容した酸吸着装置に通液してもよいし、電解質添加装置で得られたリチウム系電解質含有液をそのまま(連続的に)イオン交換樹脂を収容した酸吸着装置に通液してもよい。
すなわち、図3や図5に例示するように、電解質添加装置23で得られたリチウム系電解質含有液をタンクT2で貯蔵した後にイオン交換樹脂を収容した酸吸着装置21にポンプP3を用いて通液してもよいし、図4に例示するように、電解質添加装置23で得られたリチウム系電解質含有液をポンプP3を用いてそのまま(連続的に)イオン交換樹脂を収容した酸吸着装置21に通液してもよい。
上記イオン交換樹脂による処理は、例えば、先ず、処理すべき被処理液を構成する有機非水溶媒で予めイオン交換樹脂を洗浄した後、約40〜80℃で減圧下にて乾燥し、次いで、再度処理すべきアルカリ金属塩電解質含有液を構成する有機非水溶媒でイオン交換樹脂を膨潤した上で、カラムに充填する。その上で、常法に従い逆洗・押出し操作等を行った後、処理すべき電解液を好ましくはSV(流量/イオン交換樹脂体積比)1〜100hr-1、より好ましくはSV2〜50hr−1、さらに好ましくはSV5〜20hr-1で通液することにより行うことができる。
精製態様2においては、予め水分吸着装置に収容したゼオライトにより有機非水溶媒中の水分を吸着除去した上で、電解質添加装置においてリチウム系電解質を添加していることから、ナトリウムイオン等の金属イオンからなる不純物の混入を抑制しつつ水分の含有量を低減した酸吸着処理液を調製することができる。
精製態様2においては、上記酸吸着装置から得られる酸吸着処理液をそのまま、あるいは適宜公知の精製処理を施すことにより、目的とするリチウムイオン二次電池用電解液を得ることができる。
精製態様2においては、予め水分吸着装置に収容したゼオライトにより(酸性不純物の生成源となる)有機非水溶媒中の水分を吸着除去した上で、電解質添加装置においてリチウム系電解質を添加し、さらにイオン交換樹脂を収容した酸吸着装置により酸性不純物を除去している。
このため、精製態様2においては、フッ酸等の酸性不純物の含有量を低減したリチウムイオン二次電池用電解液を容易に調製することができる。
精製態様2によれば、ナトリウムイオン等の不純物の混入を抑制しつつ水分の含有量を低減し、かつフッ酸等の酸性不純物の含有量を低減したリチウムイオン二次電池用電解液を容易に調製することができる。
<精製態様3(循環精製形態)>
次に、本発明に係るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法に係る精製態様3(循環精製形態)について説明する。
精製態様3は、リチウムイオン二次電池用電解液を含有する被処理液を貯蔵する原液タンクと、イオン交換樹脂を収容したイオン交換樹脂容器とを有するとともに、前記原液タンクから前記イオン交換樹脂容器に前記被処理液を通液したのち、通液した被処理液を前記原液タンクに返送する循環送液管を有するリチウムイオン二次電池用電解液の精製装置に対し、前記原液タンクから、前記イオン交換樹脂容器に被処理液を通液した後、通液した被処理液を前記原液タンクに返送する送液を、前記被処理液を循環しながら行うことを特徴とするものである。
図6は、精製態様3において使用する精製装置の構成例を示すものである。
図6に示す構成例において、精製態様3に適用される精製装置30は、リチウムイオン二次電池用電解液を含有する被処理液Sを貯蔵する原液タンクTと、イオン交換樹脂を収容したイオン交換樹脂容器31と、原液タンクTからイオン交換樹脂容器31に被処理液Sを通液したのち、通液した被処理液Sを原液タンクTに返送する循環送液管cとを有している。
精製態様3において、原液タンクTには、リチウムイオン二次電池用電解液を含有する被処理液Sが貯蔵されている。
原液タンク中に貯蔵されるリチウムイオン二次電池用電解液は、非水溶媒中にリチウム系電解質が分散してなるものである。
リチウムイオン二次電池用電解液を構成する非水溶媒としては、有機非水溶媒が好ましい。
有機非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、炭酸フルオロエチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、エトキシメトキシエタン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
リチウムイオン二次電池用電解液を構成するリチウム系電解質としては、LiPF6、LiClO4、LiBF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiAlCl4 、LiCF3SO3 、LiN(SOF)、LiN(SOCF等から選ばれる一種以上を挙げることができ、電池性能を考慮した場合、LiPF6 が好適である。
精製態様3において、被処理液中のリチウム系電解質濃度は、0.5〜10.0mol/Lであることが好ましく、0.5〜5.0mol/Lであることがより好ましく、0.8〜2.0mol/Lであることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、被処理液中のリチウム系電解質濃度は、原子吸光光度計(株式会社日立ハイテクサイエンス製、偏光ゼーマン原子吸光光度計 ZA3000)を用い、原子吸光光度法により測定したリチウム金属濃度から求められる値を意味する。
精製態様3において、被処理液を貯蔵する原液タンクは、不活性ガス雰囲気下にあるものが好ましく、不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスおよびアルゴンガス等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
図6に示す構成例において、精製装置30は、イオン交換樹脂を収容したイオン交換樹脂容器31を有している。
精製態様3で使用するイオン交換樹脂としては、弱塩基性陰イオン交換樹脂が好ましく、弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、精製態様1で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
精製態様3で使用するイオン交換樹脂としては、弱塩基性イオン交換基として、一級アミノ基〜三級アミノ基を有するものを挙げることができ、三級アミノ基を有するものが好ましい。
精製態様2で使用する弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、一級アミノ基または二級アミノ基をイオン交換基とするもの、ポリアミン構造を有するアミノ基をイオン交換基とするもの、スチレン系樹脂を基体とするとともにジメチルアミノ基をイオン交換基とするもの等が好ましく、これ等の陰イオン交換樹脂を使用することにより、フッ酸等の酸性不純物の含有量を容易に低減することができる。
精製態様3において、イオン交換樹脂容器内に収容される陰イオン交換樹脂の収容形態は、被処理液とイオン交換樹脂とが接触し得る形態であれば特に制限されない。
例えば、イオン交換樹脂容器が、被処理液を通液し得るイオン交換樹脂を充填したカラムまたは槽であってもよい。
上記イオン交換樹脂は、例えば、必要に応じ、被処理液を構成する非水溶媒で予めイオン交換樹脂を洗浄した後、約40〜80℃で減圧下にて乾燥し、次いで、再度被処理液を構成する非水溶媒でイオン交換樹脂を膨潤した上で、カラムに充填する。
上記イオン交換樹脂は、適宜、以下に記載する前処理を施すことが好ましい。
また、図6に示すように、精製態様3に適用する精製装置30は、被処理液Sを通液するためのポンプPを備えたものであってもよい。図6において、ポンプPは、原液タンクTおよびイオン交換樹脂容器31間における循環送液管cに設けられている。
図6に示すように、精製態様3に適用する精製装置30においては、原液タンクTからイオン交換樹脂容器31に被処理液Sを通液する。
精製態様3において、被処理液をイオン交換樹脂容器内のイオン交換樹脂に通液する通液速度(液空間速度)は、被処理液中の酸性不純物を除去し得る速度から適宜選定すればよい。
精製態様3においては、適宜上記前処理を施したイオン交換樹脂容器に対し、常法に従い逆洗・押出し操作等を行った後、被処理液を好ましくはSV(流量/イオン交換樹脂体積比)1〜100hr-1、より好ましくはSV2〜50hr-1、さらに好ましくはSV5〜20hr-1で通液することにより処理することができる。
図6に示すように、精製態様3に適用する精製装置30においては、上記原液タンクTから上記イオン交換樹脂容器31に被処理液Sを通液したのち、通液した被処理液Sを上記原液タンクTに返送する循環送液管cを有している。
精製態様3に適用する精製装置30を用いてリチウムイオン二次電池用電解液を精製する場合、上記循環送液菅cを用いて、上記原液タンクTから、上記イオン交換樹脂容器31に被処理液を通液した後、通液した被処理液Sを前記原液タンクTに返送する送液を、被処理液Sを循環しながら行う。
上記のとおり被処理液Sを循環しながらこれを繰り返し処理し、その際の被処理液Sの量を調整したり、イオン交換樹脂容器31中に充填するイオン交換樹脂量を調整することにより、イオン交換樹脂のイオン交換能の低下の有無に拘わらず、得られるリチウムイオン二次電池用電解液中の酸性不純物濃度が所定濃度になるように容易に制御することができ、一定品質を有するリチウムイオン二次電池用電解液を常時供給し得るとともに、イオン交換樹脂の交換間隔を容易に長期化することができる。
精製態様3においては、上記イオン交換樹脂容器で循環処理した被処理液(酸吸着処理液)をそのまま、あるいは適宜公知の精製処理を施すことにより、目的とするリチウムイオン二次電池用電解液を得ることができる。
精製態様3においては、原液タンクからイオン交換樹脂容器に被処理液を通液した後、通液した被処理液を原液タンクに返送する送液を、被処理液を循環しながら行うものであることから、酸性不純物濃度が所定濃度になるように容易に制御しつつ、簡便かつ低コストに非水電解液を製造することができる。
精製態様3によれば、原液タンクからイオン交換樹脂容器に被処理液を通液した後、通液した被処理液を原液タンクに返送する送液を、被処理液を循環しながら行ってリチウムイオン二次電池用電解液を製造するものであることから、被処理液を処理する際に被処理液量等を調整することにより、イオン交換基を余すことなく利用して、イオン交換樹脂のイオン交換能の低下の有無に拘わらず、酸性不純物濃度が所定濃度になるように容易に制御して一定品質を有するリチウムイオン二次電池用電解液を得ることができ、また、イオン交換樹脂の交換間隔を容易に長期化することができる。
このため、本発明によれば、酸性不純物濃度が所定濃度になるように容易に制御しつつ、簡便かつ低コストにリチウムイオン二次電池用電解液を精製する方法を提供することができる。
<イオン交換樹脂の前処理態様>
上述した精製態様1〜精製態様3において、得られるリチウムイオン二次電池用電解液としてはフッ化水素等の酸性不純物を除去したものが望まれるが、リチウムイオン二次電池用電解液においては、酸性不純物とともに水分も不純物となることから、上記精製態様1〜精製態様3において使用されるイオン交換樹脂としては水分含有量が極力低減されたものが好ましい。
このため、精製態様1〜精製態様3で使用するイオン交換樹脂としては、以下に説明するように、前処理して予め水分含有量を一定程度低減させたものであることが好ましい。
精製態様1〜精製態様3で使用するイオン交換樹脂としては、予め下記前処理装置で処理したもの、すなわち、非水溶媒を貯蔵する非水溶媒タンク、イオン交換樹脂を収容したイオン交換樹脂容器および非水溶媒中の水分を除去する水分除去装置を少なくとも有するとともに、上記非水溶媒タンクから、上記イオン交換樹脂容器および上記水分除去装置の順に非水溶媒非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を上記非水溶媒タンクに返送する非水溶媒循環送液管並びに上記非水溶媒タンクから、上記水分除去装置および上記イオン交換樹脂容器の順に非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を前記非水溶媒タンクに返送する非水溶媒循環送液管から選ばれる少なくとも一つの送液管を有するイオン交換樹脂の前処理装置で予め処理してなるものが好ましい。
図7は、上記イオン交換樹脂の前処理装置の構成例を示すものである。
図7(a)〜図7(c)に示す例において、イオン交換樹脂の前処理装置100は、非水溶媒を貯蔵する非水溶媒タンク101、イオン交換樹脂を収容したイオン交換樹脂容器102および非水溶媒中の水分を除去する水分除去装置103を少なくとも有している。
イオン交換樹脂の前処理装置100は、図7(a)に例示するように、非水溶媒タンク101からイオン交換樹脂容器102および水分除去装置103の順に非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を非水溶媒タンク101に返送する非水溶媒循環送液管Lか、図7(b)に例示するように、非水溶媒タンク101から水分除去装置103およびイオン交換樹脂容器102の順に非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を非水溶媒タンク101に返送する非水溶媒循環送液管Lから選ばれる少なくとも一つの送液管を有している。
また、イオン交換樹脂の前処理装置100は、図7(c)に例示するように、非水溶媒タンク101からイオン交換樹脂容器102および水分除去装置103の順に非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を非水溶媒タンク101に返送する非水溶媒循環送液管L1を有するとともに、非水溶媒タンク101から、水分除去装置103およびイオン交換樹脂容器102の順に非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を非水溶媒タンク101に返送する非水溶媒循環送液管L2を有するものであってもよい。
図7(c)に例示する態様においては、非水溶媒の通液時に、非水溶媒循環送液管L1または非水溶媒循環送液管L2に設けられたいずれか一方の送液管のバルブを閉じることにより、他方の送液管内を通液させることになる。
イオン交換樹脂の前処理装置100は、非水溶媒を流通させるための、(図示しない)ポンプを備えたものであってもよい。
上記イオン交換樹脂の前処理装置を流通させる非水溶媒としては、有機非水溶媒を挙げることができる。
非水溶媒としては、イオン交換樹脂の前処理装置による前処理を行い、非水電解液の精製装置に組み込んだ後、イオン交換樹脂に通液するリチウムイオン二次電池用電解液の構成溶媒と同一のものであることが好ましい。
上記非水溶媒の具体例は、上述したとおりである。
上記イオン交換樹脂の前処理装置100に組み込まれるイオン交換樹脂容器102中に収容されるイオン交換樹脂は、精製態様1〜精製態様3で使用されるものと同一のものであり、係るイオン交換樹脂の具体例は、上述したものと同様である。
上記イオン交換樹脂の前処理装置100に組み込まれるイオン交換樹脂容器102も、精製態様1〜精製態様3で使用されるものと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよく、係るイオン交換樹脂容器の具体例も、上述したものと同様である。
前処理後におけるリチウムイオン二次電池用電解液の精製処理を簡便、迅速に行う上では、イオン交換樹脂容器およびイオン交換樹脂ともに前処理時に使用したものをそのまま精製態様1〜精製態様3に係る精製装置に組み込むことが好ましい。
イオン交換樹脂の前処理装置において、非水溶媒をイオン交換樹脂容器内のイオン交換樹脂に通液する通液速度(液空間速度)は、イオン交換樹脂中の水分を除去、低減し得る速度から適宜選定すればよい。
イオン交換樹脂の前処理装置は、イオン交換樹脂容器に収容されたイオン交換樹脂に対し、循環送液管内を流通する非水溶媒が上向流で通液するように循環送液管が配置されていることが好ましい。
すなわち、図8や図9に例示するように、本発明に係るイオン交換樹脂の前処理装置100は、非水溶媒を貯蔵する原液タンク101から供給され、流通する非水溶媒Sが、イオン交換樹脂容器102に収容されたイオン交換樹脂に対し上向流で通液するように循環送液管Lが配置されていることが好ましい。
このように、イオン交換樹脂容器に収容されたイオン交換樹脂に対し、循環送液菅内を流通する非水溶媒が上向流で通液するように循環送液管Lが配置されていることにより、イオン交換樹脂容器内に収容されたイオン交換樹脂中に気泡等が混入した場合であっても、非水溶媒がイオン交換樹脂容器内を上向に流通する際にイオン交換樹脂中の気泡を脱泡しながら流通してこれを除去することができる。
このため、イオン交換樹脂容器内に収容されたイオン交換樹脂中に気泡等が混入した場合であっても、非水溶媒とイオン交換樹脂との接触性を好適に維持しながらイオン交換樹脂中の水分を除去、低減することができる。
イオン交換樹脂の前処理装置を構成する上記水分除去装置103としては、水分吸着装置、膜分離装置または気液分離装置を挙げることができ、水分吸着装置が好ましい。
水分除去装置が水分吸着装置である場合、水分吸着装置は、水分吸着材としてゼオライトを収容したものが好ましい。
水分吸着装置に収容するゼオライトとしては、非水溶媒中の水分を吸着し得るものであれば特に制限されず、結晶性ゼオライトから選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記結晶性ゼオライトとしては、A型、Y型、X型、チャバサイト、フェリエライト、ZSM−5およびクリノプチロライト等から選ばれる一種以上の結晶性ゼオライトを挙げることができる。
さらに、上記結晶性ゼオライトは、結晶性ゼオライトを構成するSi/Alモル比が1〜5であるものが好ましい。Si/Alモル比が上記範囲内にあることにより、構造上安定であるとともに、適度なカチオン含有率を有し好適に水分を吸着除去することができる。
上記結晶性ゼオライトは、カチオンがリチウムイオンやカルシウムイオン等で交換されたものであってもよいし、交換されていないものであってもよい。
上記結晶性ゼオライトは、その細孔径が3Å〜10Åであるものが好ましく、3Å〜6Åであるものがより好ましく、3Å〜5Åであるものがさらに好ましい。
結晶性ゼオライトの細孔径が上記範囲内にあることにより、非水溶媒中の水分を好適に吸着除去することができる。
なお、本出願書類において、上記細孔径は、結晶構造と保持するカチオン種から推定される理論値を意味する。
上記結晶性ゼオライトとしては、球状や円柱状のものが好ましく、直径が、0.5〜5mmのものが好ましい。
結晶性ゼオライト直径が上記範囲内にあることにより、ハンドリング性を低下させることなく、非水溶媒を好適に含侵することができる。
上記イオン交換樹脂の前処理装置において、水分吸着装置内に収容されるゼオライトの収容形態は、非水溶媒とゼオライトとが接触し得る形態であれば特に制限されず、例えば、水分吸着装置が、非水溶媒を通液し得るゼオライトを充填したカラムまたは槽であってもよい。
また、水分吸着装置は、非水溶媒を通液するためのポンプを備えたものであってもよい。
上記イオン交換樹脂の前処理装置において、非水溶媒をイオン交換樹脂容器や水分除去装置に通液する速度(液空間速度)は、イオン交換樹脂中の水分を除去し得る速度から適宜選定すればよい。
上記イオン交換樹脂の前処理装置は、水分吸着装置に収容されたゼオライトに対し、循環送液管内を流通する非水溶媒が上向流で通液するように循環送液管が配置されていることが好ましい。
すなわち、図8や図9に例示するように、イオン交換樹脂の前処理装置100は、水分除去装置103に収容されたゼオライトに対し、循環送液菅L内を流通する非水溶媒が上向流で通液するように循環送液管Lが配置されていることが好ましい。
このように、水分吸着装置に収容されたゼオライトに対し、循環送液菅内を流通する非水溶媒が上向流で通液するように循環送液管Lが配置されていることにより、水分吸着装置内に収容されたゼオライト中に気泡等が混入した場合であっても、非水溶媒が水分吸着装置内を上向に流通する際にゼオライト中の気泡を脱泡しながら流通してこれを除去することができる。
このため、水分吸着装置内に収容されたゼオライト中に気泡等が混入した場合であっても、非水溶媒とゼオライトとの接触性を好適に維持しながら処理することができる。
図8および図9に例示するように、イオン交換樹脂の前処理装置においては、循環送液管Lが、原液タンク101からイオン交換樹脂容器102および水分除去装置103の順に非水溶媒Sを通液した後、通液した非水溶媒Sを原液タンク101に返送し、非水溶媒Sを継続して循環し得るように配置されているか(図8)、または、原液タンク101から、水分除去装置103およびイオン交換樹脂容器102の順に非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を前記原液タンクに返送し、非水溶媒Sを継続して循環し得るように配置されている(図9)。
上記イオン交換樹脂の前処理装置においては、非水溶媒循環送液管が、非水溶媒タンク内の非水溶媒を、イオン交換樹脂容器および水分除去装置内を循環し得るように配置されていることにより、イオン交換樹脂内に残留する水分の非水溶媒による溶出と、非水溶媒中に溶出した水分の水分除去装置による吸着除去を繰り返しつつ、イオン交換樹脂を前処理することができる。このため、上記イオン交換樹脂の前処理装置においては、非水溶媒循環送液管の流路に少量の非水溶媒を流通させることのみで、簡便かつ経済的にイオン交換樹脂中の含有水分を低減することができる。
上記イオン交換樹脂の前処理装置は、水分除去装置の後段(下流側)にさらに濾過装置を有するものであってもよい。
上記イオン交換樹脂の前処理装置において、イオン交換樹脂の前処理に使用する非水溶媒量は、イオン交換樹脂容器内のイオン交換樹脂単位体積あたり、1〜30倍の体積であることが好ましく、1〜20倍の体積であることがより好ましく、1〜10倍の体積であることがさらに好ましい。
上記イオン交換樹脂の前処理装置において、上記循環送液管内を流通させる非水溶媒の循環量は、適宜選定すればよい。
上記イオン交換樹脂の前処理装置は、精製態様1〜精製態様3に適用される非水電解液の精製装置とは別体のものであってもよいし、精製態様1〜精製態様3に滴町される非水電解液の精製装置が、上記イオン交換樹脂の前処理装置からなるイオン交換樹脂前処理部を備えた一体のものとなっていてもよい。
図10は、図6に示すリチウムイオン二次電池用電解液の精製装置において、さらにイオン交換樹脂前処理部を備えた精製装置の構成形態例を示す概略図であって、同図において、リチウムイオン二次電池用電解液の精製装置30は、さらにイオン交換樹脂前処理部100を備えた一体のものになっている。
図10に示すリチウムイオン二次電池用電解液の精製装置30を構成するイオン交換樹脂前処理部100は、同図に例示するように、非水溶媒タンク101からイオン交換樹脂容器31および水分除去装置102の順に非水溶媒を通液した後、通液した非水溶媒を非水溶媒タンク101に返送する非水溶媒循環送液管Lを有している。非水溶媒タンク101とイオン交換樹脂容器31との間の非水溶媒循環送液管LにはポンプP’が設けられている。
図10に例示する態様においては、非水溶媒の通液時に、循環送液管cに設けられた(図示しない)バルブを閉じ、非水溶媒循環送液管Lに設けられた(図示しない)バルブを開いた上で、ポンプP’を用いてイオン交換樹脂容器31内に非水溶媒を循環させつつ通液してイオン交換樹脂を前処理することができ、上記前処理終了後においては、非水溶媒循環送液管Lに設けられた(図示しない)バルブを閉じ、上記循環送液管cに設けられた(図示しない)バルブを開いた上で、ポンプPを用いてイオン交換樹脂容器31内に被処理液Sを循環させつつ通液することにより、イオン交換樹脂容器31において、イオン交換樹脂の前処理およびリチウムイオン二次電池用電解液の精製処理を連続的に行うことができる。
本発明によれば、酸性不純物濃度が所定濃度範囲になるように容易に制御しつつ、簡便かつ低コストにリチウムイオン二次電池用電解液を精製し得るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法を提供することができる。
次に、本発明に係るリチウムイオン二次電池について説明する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、フッ酸含有量が50質量ppm以下で、水含有量が20質量ppm以下である電解液を有することを特徴とするものである。
本発明に係るリチウムイオン二次電池を構成する電解液は、フッ酸含有量が、50質量ppm以下であり、20質量ppm以下であるものが好ましく、5質量ppm以下であるものがより好ましい。
なお、本出願書類において、上記酸性不純物量は、中和滴定法により測定した値を意味する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池を構成する電解液は、水含有量が、20質量ppm以下であり、10質量ppm以下であるものが好ましく、5質量ppm以下であるものがより好ましい。
なお、本出願書類において、上記水含有量は、カール・フィッシャー法により測定した値を意味する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池を構成する電解液は、例えば、電解質としてLiPFを用いた場合、ナトリウム含有量が、10質量ppm以下であるものが好ましく、5質量ppm以下であるものがより好ましく、2質量ppm以下であるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、ナトリウム含有量は、誘導結合プラズマ質量分析装置により測定される値を意味する。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、本発明の方法により精製された電解液を有するものであることが好ましい。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、上述した正極を有するものであることが好ましく、上記正極を有するリチウムイオン二次電池に対し本発明の方法により精製された電解液を好適に適用することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池を構成する負極は、リチウム金属、リチウム合金、炭素材料(熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊維、活性炭等)やスズ複合酸化物などのリチウムを吸蔵・放出することが可能な物質を含む負極を負極材料(負極活物質)とするものを挙げることができる。
負極材料(負極活物質)として上記炭素材料のような粉末の材料を使用する場合、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤と混練して負極合剤として使用することが好ましい。
本発明に係るリチウム二次電池において、その構造は特に限定されるものでなく、正極、負極及び単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池またはラミネート型電池や、さらに正極、負極及びロール状のセパレータを有する円筒型電池または角型電池等が挙げられる。
なお、上記セパレータとしては、公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明によれば、金属含有量、フッ酸含有量および水含有量が各々所定値以下に制御された電解液を有する、電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
1.電解液の調製
図1に概略図で示すリチウムイオン二次電池用電解液の精製装置10を用いて電解液を調製した。
すなわち、先ず、図1に示すように、リチウムイオン二次電池用電解液の精製装置1を構成するイオン交換部11として、スチレン−ジビニルベンゼンを基体とし、弱塩基性陰イオン交換基としてジメチルアミノ基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを用意した。
次いで、上記カラムに対し、エチレンカーボネートおよびジメチルカーボネートを体積比で1:1の割合で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/Lとなるように溶解し、ビニレンカーボネートを2質量%加えた電解液(被処理液)Sを、ポンプを用いて10L/L−樹脂の通液速度で通液し、通液後の電解液(処理液)をタンクに貯蔵した。
上記通液前後において、被処理液および処理液中におけるナトリウム量、フッ酸量および水分量を各々測定した。結果を表1に示す。
2.リチウムイオン二次電池の作製
(1)正極の作製
LiNiCoMnO(Ni:Co:Mn=1:1:1)を90質量%、導電補助材としてアセチレンブラックを5質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン5質量%を混合したものに、N−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに混合して正極形成用スラリーを調製した。これをドクターブレード法により集電体となるAl箔の片面に塗布した後、真空乾燥器で150℃で12時間加熱して溶媒を完全に揮発させて、正極となる電極シートを作製した。
(2)負極の作製
黒鉛粒子を94質量%、導電補助剤としてアセチレンブラックを2質量%、分散増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを2質量%、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムを2質量%含む負極形成材料に水を加え、混合して負極形成用スラリーを調製した。
これをドクターブレード法により集電体となるCu箔の片面に塗布した後、真空乾燥器で150℃で12時間加熱して溶媒を完全に揮発させて、負極となる電極シートを作製した。
(3)ラミネート型電池の作製
上記電解液、正極および負極を用いてラミネート型電池を作製した。
すなわち、評価用電池として、(上記1.で精製した)電解液を電解液とし、不活性ガス雰囲気下、(上記2.(1)で作製した電極シートからなる)LiNiCoMnO(Ni:Co:Mn=1:1:1)を正極活物質とする正極、セパレータ(ポリプロピレン)、(上記2.(2)で作製した電極シートからなる)負極を順に積層し、積層物をアルミラミネートして、目的とするラミネート型電池を作製した。
<電池特性評価>
上記ラミネート型電池のサイクル充放電特性を評価した。
すなわち、上記ラミネート型電池において、北斗電工(株)製充放電試験装置を用い、45℃の温度条件下、1Cの定電流で、終止電圧4.2Vで充電を行った後、終止電圧2.5Vで放電を行う処理を1サイクルとする充放電処理を繰り返し行った。
このとき、1サイクル終了後の放電容量に対する1300サイクル終了後の放電容量の割合{(1300サイクル終了後の放電容量/1サイクル終了後の放電容量)×100}を充電容量維持率(%)として求めた。結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1の「1.電解液の調製」において、電解液Sの通液速度を、10L/L−樹脂から30L/L−樹脂に変更した以外は、実施例1と同様に精製してリチウムイオン二次電池用電解液を調製した。
上記電解液の通液後における処理液中のナトリウム量、フッ酸量および水分量を各々測定した。結果を表1に示す。
得られた電解液を有するラミネート型電池を実施例1と同様に作製した。
得られたラミネート型電池を用い、実施例1と同様にして電池特性を評価した。結果を表2に示す。
(比較例1)
上記1.で用いた被処理液(未精製のもの)を電解液とし、係る電解液を有するラミネート型電池を実施例1と同様に作製した。
得られたラミネート型電池を用い、実施例1と同様にして電池特性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2021170525
Figure 2021170525
また、実施例1および実施例2の電池特性評価において、各々(最初の)1サイクル終了後の放電容量を100%としたときに、放電容量が80%まで低下した時点におけるサイクル数(容量維持率80%となるサイクル数)を求めたところ、1054サイクル(実施例1)および694サイクル(実施例2)であった。
このとき、下記算出式
{(実施例1における容量維持率80%となるサイクル数−実施例2における容量維持率80%となるサイクル数)/実施例2における容量維持率80%となるサイクル数)}×100
により、サイクル特性向上率1を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2021170525
<使用済み電池の評価>
実施例1および実施例2において、上記電池特性評価に供した3500サイクル充放電処理した後のラミネート型電池を解体し、使用後の電解液および負極を取り出して、各々以下の評価を行った。
(1)使用後の電解液の評価1
液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS、Waters社製Acquity UPLC system/Xevo G2 Qtof)を用いて、イオン化法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)・正イオン測定、測定範囲:m/z 50〜1200(精密質量測定)という条件下で使用後の電解液を分析し、得られたクロマトグラムの全ピーク面積を求めることにより、電解液の分解の程度を評価した。結果を表4に示す。
(2)使用後の電解液の評価2
3mlの抽出溶媒を用いて使用後の電解液を回収し、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS、アジレント・テクノロジー社製Agilent7500cs)を用いて、回収した電解液中の金属量を求めた。結果を表4に示す。
(3)使用後の負極の評価
使用後の負極表面の全面を削り取って粉砕した後、得られた粉砕物を秤量し、硫酸を添加して加熱しながら、さらに徐々に酸を加えることにより湿式分解を行った。
上記湿式分解して得られた分解液を希釈して測定試料とし、これを誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS、アジレント・テクノロジー社製Agilent7500cs)に導入して、上記負極表面に存在する金属量を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2021170525
表1および表2より、実施例1および実施例2においては、リチウムイオン二次電池として、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させることにより得られた、特定の電解液を有するものであることから、充電容量維持率が62%〜74%と高く、優れた電池特性を有するものであることが分かる。
また、表1および表3より、電池特性は処理液中におけるフッ酸量が低い程優れることが分かり、表4の結果より、処理液中のフッ酸量が多い程電解液が分解されやすく、電解液や負極のニッケル量が大きくなることが分かる。電解液や負極で検出されたニッケルはフッ酸により正極から溶出したニッケルであると考えられるため、上記電池特性の向上効果は電解液の分解と正極のニッケル溶出が抑制されたことに起因すると考えられる。
一方、表1および表2より、比較例1においては、リチウムイオン二次電池が、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をそのまま電解液とするものであることから、充電容量維持率が3%と低く、電池特性に劣るものであることが分かる。
これは、比較例1においては実施例2よりさらに電解液中のフッ酸濃度が高いため(表1)、電解液の分解と正極のニッケル溶出が実施例2よりもさらに促進された結果であると考えられる。
(実施例3)
1.電解液の調製
図1に概略図で示すリチウムイオン二次電池用電解液の精製装置10を用いて電解液を調製した。
すなわち、先ず、図1に示すように、リチウムイオン二次電池用電解液の精製装置10を構成するイオン交換部11として、スチレン−ジビニルベンゼンを基体とし、弱塩基性陰イオン交換基としてジメチルアミノ基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂を充填したカラムを用意した。
次いで、上記カラムに対し、エチレンカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを体積比で1:3の割合で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/Lとなるように溶解し、ビニレンカーボネートを2質量%加えた電解液(被処理液)Sを、ポンプを用いて10L/L−樹脂の通液速度で通液し、通液後の電解液(処理液)をタンクに貯蔵した。
上記通液前後において、被処理液および処理液中におけるナトリウム量、フッ酸量および水分量を各々測定した。結果を表5に示す。
2.リチウムイオン二次電池の作製
(1)正極の作製
LiNiCoMnO(Ni:Co:Mn=5:2:3)100質量部に対し、導電補助材としてアセチレンブラックを5質量部、黒鉛を5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを3質量部混合したもの(質量比で、LiNiCoMnO(Ni:Co:Mn=5:2:3):アセチレンブラック:黒鉛:ポリフッ化ビニリデン=100:5:5:3となるように混合したもの)に、N−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに混合して正極形成用スラリーを調製した。これをドクターブレード法により集電体となるAl箔の片面に塗布した後、真空乾燥器で150℃で12時間加熱して溶媒を完全に揮発させて、正極となる電極シートを作製した。
(2)負極の作製
黒鉛粒子100質量部に対し、分散増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを1.1質量部、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムを1.5質量部混合した負極形成材料(質量比で、黒鉛粒子:カルボキシメチルセルロース:スチレンブタジエンゴム=100:1.1:1.5となるように混合した負極形成材料)に、さらに水を混合して負極形成用スラリーを調製した。これをドクターブレード法により集電体となるCu箔の片面に塗布した後、真空乾燥器で150℃で12時間加熱して溶媒を完全に揮発させて、負極となる電極シートを作製した。
(3)ラミネート型電池の作製
上記電解液、正極および負極を用いてラミネート型電池を作製した。
すなわち、評価用電池として、(上記1.で精製した)電解液を電解液とし、不活性ガス雰囲気下、(上記2.(1)で作製した電極シートからなる)LiNiCoMnO(Ni:Co:Mn=5:2:3)を正極活物質とする正極、セパレータ(ポリプロピレン)、(上記2.(2)で作製した電極シートからなる)負極を順に積層し、積層物をアルミラミネートして、目的とするラミネート型電池を作製した。
<電池特性評価>
上記ラミネート型電池を用いて、実施例1と同様にして電池特性を評価した。結果を表6に示す。
(実施例4)
実施例3の「1.電解液の調製」において、電解液Sの通液速度を、10L/L−樹脂から30L/L−樹脂に変更した以外は、実施例3と同様に精製してリチウムイオン二次電池用電解液を調製した。
上記電解液の通液後における処理液中のナトリウム量、フッ酸量および水分量を各々測定した。結果を表5に示す。
得られた電解液を有するラミネート型電池を実施例3と同様に作製した。
得られたラミネート型電池を用い、実施例1と同様にして電池特性を評価した。結果を表6に示す。
(比較例2)
上記1.で用いた被処理液(未精製のもの)を電解液とし、係る電解液を有するラミネート型電池を実施例3と同様に作製した。
得られたラミネート型電池を用い、実施例1と同様にして電池特性を評価した。結果を表6に示す。
Figure 2021170525
Figure 2021170525
また、実施例3および実施例4の電池特性評価において、各々(最初の)1サイクル終了後の放電容量を100%としたときに、放電容量が80%まで低下した時点におけるサイクル数(容量維持率80%となるサイクル数)を求めたところ、648サイクル(実施例3)および539サイクル(実施例4)であった。
このとき、下記算出式
{(実施例3における容量維持率80%となるサイクル数−実施例4における容量維持率80%となるサイクル数)/実施例4における容量維持率80%となるサイクル数}×100
により、サイクル特性向上率2を求めた。結果を表7に示す。
Figure 2021170525
表5および表6より、実施例3および実施例4においては、リチウムイオン二次電池として、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させることにより得られた、特定の電解液を有するものであることから、充電容量維持率が72%〜73%と高く、優れた電池特性を有するものであることが分かる。
また、表5および表7より、電池特性は処理液中におけるフッ酸量が低い程優れることが分かる。
一方、表5および表6より、比較例2においては、リチウムイオン二次電池が、リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をそのまま電解液とするものであることから、充電容量維持率が1%と低く、電池特性に劣るものであることが分かる。
本発明によれば、酸性不純物濃度が所定濃度範囲になるように容易に制御しつつ、簡便かつ低コストにリチウムイオン二次電池用電解液を精製し得るリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法およびリチウムイオン二次電池を提供することができる。
10、20、30 リチウムイオン二次電池用電解液の精製装置
11、21、31 イオン交換樹脂容器
22 水分吸着装置
23 電解質添加装置
100 イオン交換樹脂の前処理装置
101 非水溶媒タンク
102 イオン交換樹脂容器
103 水分除去装置
S 被処理液
M 有機非水溶媒
L、L1、L2 非水溶媒循環送液管
T、T1、T2、T3 タンク
c 循環送液管
P、P’、P1、P2、P3 ポンプ

Claims (3)

  1. リチウムイオン二次電池用電解液を含む被処理液をイオン交換樹脂と接触させることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法。
  2. 前記リチウムイオン二次電池が、リチウム含有金属複合酸化物を正極とするものである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電解液の精製方法。
  3. フッ酸含有量が50質量ppm以下で、水含有量が20質量ppm以下である電解液を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。







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