ここで、本開示の例示的実施形態が詳細に参照され、その例は、付随の図面に図示される。可能である場合、同一参照番号は、図面および本開示全体を通して、同一または類似部品を指すために使用されるであろう。
以下は、本開示における内容の概要である。
I.概略
II.作動原理
III.進行表面
A.六角形グリッド
B.直交グリッド
C.極性グリッド
IV.3D進行表面の例
A.誘導式表面
B.非誘導式表面
V.制御システム
VI.材料の3D操作
A.3D編組
B.3D印刷
C.構成要素の運搬および組立
(I.概略)
本開示は、その上に種々の物品が設置され得る、搬器の運搬を可能にするための装置および方法を提供する。搬器は、装置内の3D表面上の任意の数の所定の位置に運搬されることができる。材料、部品、または製造された物品が、編組されるための糸を編組機械内の編組構造の中に供給する編組機ボビンのように、搬器上で運搬されることができる。材料の例は、繊維、液体ポリマー、粉末材料、またはインクを含み得る。本明細書に説明される装置は、主に、編組に関するが、装置はまた、材料の印刷または層状堆積、輸送、もしくは構成要素組立のために使用され得ることが容易に明白となる。装置の他の使用も、当業者に明白となるであろう。
本明細書に説明される装置および方法は、3D編組および3D印刷を可能にするために使用されることができる。3D製造技術は、近年、多くの注目を集めており、製造プロセスを簡略化および合理化することができる。例えば、3D印刷は、労働集約的であり得る、2D平面処理(複数の2D層を切断し、ともにスタックすること等)を排除することによって、製造プロセスをより効率的かつ費用効果的にすることができる。3D製造技術はまた、複雑な経路またはパターンを介して、材料を操作し、望ましい材料性質(例えば、ある方向における優れた引張強度)を活用することによって、より複雑かつより信頼性のある製品を生産するために使用されることができる。例として、3D編組プリフォームは、一意の構造特徴および性能特性を複合材に提供することができる。そのような望ましい特性は、離層抑制、改良された損傷耐性、衝撃抵抗、疲労寿命、改良されたねじれ抵抗、改良されたボルト軸受強度、改良された引き抜き強度等を含み得る。
編組の分野では、3D編組方法および機械の技術的複雑性は、2D編組のものよりはるかに高いことが認識される。例えば、アセンブリ内に完璧に嵌合し、連続編組動作において平滑に移動し、3D編組構造を形成することが可能である、多数の金属部品を複雑な形状に機械加工することは、困難かつ高価であり得る。
製造可能性を改良するために、本明細書に説明される装置は、全くまたは殆ど可動部品を伴わない、ステータコイルアレイを採用する。ステータコイルアレイは、電磁場を発生させ、搬器を種々の経路に沿って移動させ、例えば、3D構造を形成することが可能である。上記の装置内の機械的可動部品の数は、従来の伝動機構の使用と比較して、ステータコイルアレイを使用することによって、有意に低減されることができる。故に、装置のスケーラビリティおよび動作は、有意に改良されることができる。
ステータコイルアレイは、3D構成で配列されることができ、ベッドプレートの中に統合され得る。ベッドプレートは、その上に搬器が結合される、表面を含み得る。搬器は、表面上で移動するように構成されることができる。例えば、搬器は、磁石を搬送し得、これは、ステータコイルアレイによって発生させられた電磁場の影響下、駆動力を提供し、搬器を移動させる。高度な搬器経路適合性は、ステータコイルアレイ内の個々のコイルを選択的にアクティブ化する(電源をオン/オフにする)ことによって達成されることができる。高度な搬器経路適合性は、高レベルの精度を伴って、搬器が種々の複雑な経路に沿って移動されることを可能にする。故に、装置は、異なる用途のために、かつ異なる製造要件および製品タイプを満たすように容易に構成されることができる。
ステータコイルアレイの配列はまた、ユーザがコイルに容易にアクセスすることを可能にし得る。これは、いくつかの事例では、例えば、アレイ内のコイルが交換または修理される必要があるとき、有用であり得る。対照的に、従来の伝動システムは、概して、直列様式でともに結合される、多数の可動部品を有し、これは、ユーザがアクセスすることを煩雑にする。ベッドプレートの中へのステータコイルアレイの統合は、装置の形状因子が低減されることを可能にし、比較的にコンパクトにする。
図1は、断面で示される装置100を図示する。装置は、その上を搬器104が移動するように構成される、表面102を備え得る。表面はまた、剛性支持を搬器に提供する。本質的に、任意の想起可能な材料が、表面を形成する際に採用され得る。表面は、プレート、シート、パッド、スライス、フィルム、スライド、軸受層等として既存の金属、プラスチック、複合材、ガラス、有機材料、無機材料、またはこれらのいずれかの組み合わせから作製され得る。表面は、湾曲形状、球形、半球、正方形、円形、直方体、台形、ディスク等、任意の便宜的形状を有し得る。表面は、平滑であり得る、または種々の代替表面構成をとり得る。例えば、ある場合には、表面は、隆起または陥凹領域を含み得る。トラックが、本明細書で後に詳細に説明されるように、表面上に形成されることができる。一例として、トラックは、溝、トレンチ、メサ構造、または同等物を含み得る。搬器は、トラックに沿って表面上で移動するように構成されることができる。表面は、間隙をその間に残し、トラックを形成するようにともに配列される、いくつかの離散部片を備え得る。代替として、トラックは、所望の表面特徴を提供するための周知の技法を使用して、表面上に機械加工またはエッチングされ得る。例えば、フライス加工、レーザ切断、ウォータジェット等の機械加工プロセスが、表面上のトラックの形成において採用されることができる。
ステータコイルアレイ106が、装置の表面の真下に提供され得る。ステータコイルアレイは、装置のベッドプレート108上に配置され得る。ある場合には、ステータコイルアレイは、ベッドプレート内に埋設され得る。ベッドプレートは、装置のフレームの一部であり得る。ベッドプレートは、搬器がその上を移動するための表面を提供し得る。代替として、表面(その上を搬器が移動する)は、別個の層としてベッドプレートにわたって提供され得る。ステータコイルアレイは、磁気的に伝導性の鉄、鉄合金、または同等物等の強磁性材料から成り得る。ステータコイルアレイは、複数のステータコイルを備え得る。各ステータコイルは、コア110を備え得、これは、磁気的に伝導性の本体である。各コアの周囲に封入または巻着されるのは、コイル112である。コイルはまた、コアに適合するように成形され得る。ある場合には、コイルは、管状であり得る。代替として、コイルは、円筒形または管状である必要はない。ステータコイルアレイは、ステータユニットをベッドプレートに沿って3次元で表面の真下に延長することによって構成される。各コイルは、コイルのそれぞれを磁化または消磁する、コントローラ(図1には図示せず)を介して、他のコイルから独立して機能し得る。異なるコイルは、コントローラを使用して、選択的に磁化または消磁されることができる。電流をコイルを通して1つの方向に通過させることは、ステータユニットに第1の極性(例えば、北N)を有する電磁場を発生させる。極性は、流動する電流を反対方向に反転させることによって、切り替えられることができる。例えば、電流をコイルを通して反対方向に通過させることは、電磁場を第1の極性と反対の第2の極性(例えば、南S)に変化させる。
ステータコイルアレイは、規則的パターンまたは不規則的パターンで提供され得る。パターンの例は、正方形、円形、六角形等の多角形等を含み得る。ステータユニットは、互いから固定ピッチまたは可変ピッチで間隔を置かれることができる。ステータユニットの異なる密度は、装置の異なる区分に提供され得る。例えば、表面の一部は、より高い密度の下層ステータユニットを有し得る一方、表面の別の部分は、より低い密度の下層ステータユニットを有し得る。
搬器は、装置の表面に沿ってステータコイルアレイの上方を進行するように構成されることができる。搬器は、表面に結合されるが、表面上で移動することを可能にされ得る。代替として、搬器は、表面に取り外し可能に結合されることができる。表面上での搬器の作動が、次に、図2を参照して説明される。
(II.作動原理)
ステータコイルアレイは、電磁場を発生させ、搬器を表面に沿って駆動することができる。図2Aを参照すると、ステータコイルアレイ内のコイルが、示されるように、電流をコイルを通して送流し、それによって、磁束線114を有する電磁場を発生させることによって、励起される。磁束線は、ステータコイルのコアを通して縦方向に延び、互いに交差する。本質的に、電磁場は、装置の表面にわたって形成される。
搬器は、その上に配置された磁石を含み得る。磁石は、搬器上に取り付けられ得るか、または搬器の一部として形成され得る。磁石は、永久磁石であり得る。駆動力は、磁石が電磁場に近接するときに発生させられる。駆動力は、磁石自体の磁場とステータコイルアレイの電磁場の相互作用によって発生させられる。駆動力は、引力、斥力、または引力および斥力の組み合わせを含むことができる。引力は、反対極性(例えば、N−SまたはS−N)間で発生させられる一方、斥力は、同様の極性(例えば、N−NまたはS−S)間で発生させられる。例として、搬器上の磁石の北極は、S−極性を有する電磁場の区分に誘引されるであろう。この引力は、磁石/搬器を電磁場のS−極性区分に向かって移動させることができる。逆に言えば、磁石の北極は、N−極性を有する電磁場の別の区分によって反発されるであろう。本斥力は、磁石/搬器を電磁場のN−極性区分から離れるように移動させることができる。ある場合には、引力および斥力の組み合わせは、搬器を表面上の特定のスポットに保持し、搬器に作用する重力の影響に対抗するために印加されることができる。
搬器上の駆動力は、ステータコイルアレイに送達される電流を調節することによって制御されることができる。例えば、電流の大きさを増加させることは、駆動力の強度を対応する様式で増加させることができる。駆動力を増加させることは、増加させられた速さおよび/または加速等、より高速で搬器を移動させることができる。類似方式において、電流の大きさを減少させることは、駆動力の強度を低下させることができる。駆動力を低下させることは、減少された速さおよび/または減速等、より低速で搬器を移動させることができる。駆動力はまた、異なる強度の磁石を搬器上で使用することによって、修正されることができる。
駆動力の方向は、個々のステータユニットへの電流の流動を反転させることによって、改変されることができる。これは、電磁場内の極性の切り替えをもたらし得る。極性の切り替えは、搬器を反対方向に移動させることができる。代替として、制動力を提供し、搬器の運動を減速させることができる。故に、ある範囲の運動特性(異なる速さ、加速、減速)が、装置の表面にわたって電磁場の強度および極性を制御することによって、搬器によって達成可能である。
搬器は、平行移動、回転、または曲線様式で表面上で駆動されることができる。搬器はまた、異なる方向に表面上で移動するように駆動されることができる。例えば、図2Aの電磁場は、図2Bに示されるように、搬器を第1の方向116−1または第2の方向116−2に駆動するように制御されることができる。方向は、互いに平行、直交、反対、または斜めであることができる。搬器は、3次元で表面上の面外で駆動されることができる。代替として、搬器は、2次元で平面表面上の面内で駆動されることができる。搬器は、1つの点から別の点に表面上で駆動されることができる。いくつかの例では、搬器は、所定の運動経路に沿って移動するように制御されることができる。経路は、閉ループまたは開ループであり得る。ある場合には、複数の搬器は、表面上で異なる時点で互いに交差する一連の運動経路に沿って移動するように制御されることができる。これは、例えば、糸または繊維が複雑な3Dパターンで編組される、3D編組用途において有用であり得る。
搬器は、直接または搬器に取り付けられるデバイスを使用してのいずれかによって、繊維、液体ポリマー、粉末材料、および/またはインク等の材料を搬送または分注するように構成されることができる。本明細書で後に説明されるように、1つ以上の搬器が、表面上で駆動され、材料を操作し、3D編組構造または3D印刷構造等の物体を形成することができる。
(III.進行表面)
(A.六角形グリッド)
前述のように、トラックが、装置の表面上に形成され、搬器のための経路を提供することができる。ある場合には、表面は、トラックを形成する間隙によって互いから隣接して間隔を置かれる、複数の搬器ガイドから成り得る。搬器ガイドは、任意の形状および/またはサイズを有するように形成され得、グリッドパターンで配列され得る。例えば、図3Aは、六角形パターンで配列される、複数の三角形形状の搬器ガイド302を示す。同一サイズの最小6つの三角形形状の搬器ガイドが、六角形パターンを形成するために必要とされるため、図3Aは、したがって、搬器ガイドのユニット六角形アレイ304を示す。トラック314は、隣接して間隔を置かれた搬器ガイド間の間隙によって提供される。トラックは、搬器ガイドの六角形配列に起因して、互いに対して60度の角度で配置され得る。
搬器は、トラック上の任意の場所に位置し得、トラックに沿って移動するように構成されることができる。例えば、図3Aは、ユニット六角形アレイの中心に位置する、搬器306を示す。搬器は、北(N)極および南(S)極を有する、その上に配置された磁石を備え得る。極は、磁石の空間位置および構造/タイプに応じて、搬器上の任意の場所に位置し得る。例として、極は、図3Aに示されるように、搬器の反対端部に位置し得るが、本発明は、それに限定されない。
搬器ガイドおよび搬器は、ステータコイルアレイ、例えば、図1に示されるステータコイルアレイ106の上方に位置し得る。異なる極性の電磁場は、ステータコイルアレイによって発生させられることができる。例えば、図3Bに示されるように、S−極性場は、場所308−1に発生させられ、別のS−極性場は、場所308−2に発生させられる。308−1におけるS−極性場と磁石のS極との間の相互作用は、搬器を場所308−1から離れるように押動させる、斥力を発生させる。逆に言えば、308−2におけるS−極性場と磁石のN極との間の相互作用は、搬器を場所308−2に向かって引動させる、引力を発生させる。引力および斥力は、集合的に、搬器を図3Bに示される方向310に移動させ、トラックに沿ってある距離だけ平行移動する、駆動力を提供する。故に、駆動力は、電磁場の極性を装置の表面上の異なる場所で変調することによって、複数の異なる方向にトラックに沿って発生させられることができる。搬器によって進行される距離の量、2地点間進行、速さ、加速、減速、および搬器の他の運動特性は、電磁場の強度、極性、場所、および方向等、電磁場の種々の側面を調節することによって制御されることができる。
平行移動に加え、搬器はまた、回転するように構成され得る。例えば、図3Cに示されるように、N−極性場は、場所312−1において発生させられ得、S−極性場は、場所312−2において発生させられ得る。312−2におけるS−極性場と磁石のS極との間および312−1におけるN−極性場と磁石のN極との間の相互作用は、斥力を発生させる。逆に言えば、312−2におけるS−極性場と磁石のN極との間および312−1におけるN−極性場と磁石のS極との間の相互作用は、引力を発生させる。引力および斥力は、集合的に、搬器を図3Cに示される時計回り方向に120度の角度θだけ回転させる、駆動力を提供する。ユニット六角形アレイでは、120度の角度は、2つのトラック間隔に対応し得る。
図3Dは、ユニット六角形アレイ内の複数のトラック314のいずれかに沿って移動することが可能である、搬器306を示す。トラックは、互いに対して60度の角度で配置され得る。故に、搬器は、個別のトラックに沿って、60、120、180、240、300、または360度の角度で移動するように構成されることができる。
図3Eは、六角形パターンの搬器ガイド302を有する、表面316を示す。表面は、複数のユニット六角形アレイから成り得る。搬器306は、表面上で異なる運動経路において移動するように構成され得る。例えば、搬器は、場所318−1から場所318−2まで直線経路320−1で移動し得る。代替として、搬器は、非線形経路、例えば、経路320−2および320−3によって示されるようにジグザグ様式で移動し得る。各六角形ユニットアレイの中心(またはトラックの交点)では、搬器は、60度の角度の倍数(例えば、60度、120、180、240、300、または360度)で方向を切り替えることができる。搬器ガイドの六角形配列は、搬器が異なる複雑な運動経路において表面上で移動し、したがって、より高い搬器経路適合性を提供することを可能にする。
(B.直交グリッド)
搬器ガイドは、三角形形状に加え、他の形状を有することができる。搬器ガイドの形状の変化は、グリッドパターンの変化をもたらし得る。例えば、図4Aは、正方形パターンで配列される、複数の正方形形状の搬器ガイド402を示す。同一サイズの最小4つの正方形形状の搬器ガイドが、正方形パターンを形成するために必要とされるため、図4Aは、したがって、搬器ガイドのユニット正方形アレイ404を示す。トラック414は、隣接して間隔を置かれた搬器ガイド間の間隙によって提供される。図3Aにおける六角形配列と対照的に、図4Aにおけるトラック414は、搬器ガイドの正方形配列に起因して、互いに対して90度の角度で配置され得る。
同様に、搬器は、トラック上の任意の場所に位置し得、トラックに沿って移動するように構成されることができる。例えば、図4Aは、ユニット正方形アレイの中心に位置する、搬器406を示す。搬器は、前述のように、北(N)極および南(S)極を有する、その上に配置された磁石を備え得る。
搬器ガイドおよび搬器は、ステータコイルアレイ、例えば、図1に示されるステータコイルアレイ106の上方に位置し得る。異なる極性の電磁場が、ステータコイルアレイによって発生させられることができる。例えば、図4Bに示されるように、N−極性場は、場所408−1において発生させられ、別のN−極性場は、場所408−2において発生させられる。408−1におけるN−極性場と磁石のN極との間の相互作用は、場所408−1から離れるように押動させる、斥力を発生させる。逆に言えば、408−2におけるN−極性場と磁石のS極との間の相互作用は、搬器を場所408−2に向かって引動させる、引力を発生させる。引力および斥力は、集合的に、搬器を図4Bに示される方向410に移動させ、トラックに沿ってある距離だけ平行移動させる、駆動力を提供する。故に、駆動力は、装置の表面上の異なる場所における電磁場の極性を変調することによって、複数の異なる方向にトラックに沿って発生させられることができる。搬器によって進行される距離の量、2地点間進行、速さ、加速、減速、および搬器の他の運動特性は、電磁場の強度、極性、場所、および方向等の電磁場の種々の側面を調節することによって、制御されることができる。
搬器はまた、正方形ユニットアレイ内で回転するように構成され得る。例えば、図4Cに示されるように、N−極性場は、場所412−1において発生させられ得、S−極性場は、場所412−2において発生させられ得る。412−2におけるS−極性場と磁石のS極との間および412−1におけるN−極性場と磁石のN極との間の相互作用は、斥力を発生させる。逆に言えば、412−2におけるS−極性場と磁石のN極との間および412−1におけるN−極性場と磁石のS極との間の相互作用は、引力を発生させる。引力および斥力は、集合的に、搬器を図4Cに示される時計回り方向に90度の角度αだけ回転させる、駆動力を提供する。ユニット正方形アレイでは、90度の角度は、1つのトラック間隔に対応し得る。
図4Dは、複数のトラック414のいずれかに沿って搬器ガイド402のユニット正方形アレイ内で移動することが可能である、搬器を示す。トラックは、互いに対して90度の角度で配置され得る。故に、搬器は、90、180、270、または360度の角度で個別のトラックに沿って移動するように構成されることができる。
図4Eは、搬器ガイド402の正方形パターンを有する、表面416を示す。表面は、複数のユニット正方形アレイから成り得る。表面は、行および列で配列される、トラック414を備え得る。搬器406は、表面上で異なる運動経路において移動するように構成され得る。例えば、搬器は、場所418−1から場所418−2まで直線経路420−1で移動し得る。代替として、搬器は、例えば、経路420−2によって示されるように、非線形経路で移動し得る。各正方形ユニットアレイの中心(またはトラックの交点)では、搬器は、90度の角度の倍数(例えば、90、180、270、または360度)で方向を切り替えることができる。したがって、搬器ガイドの正方形配列は、六角形配列と比較してより低い搬器経路適合性を提供し得る。
(C.極性グリッド)
前述のように、装置の表面は、異なるグリッドパターンを有することができる。上で説明される六角形および直交グリッドに加え、装置の表面は、極性グリッドを有するように形成されることができる。例えば、図5Aは、円形同心パターンで配列される、複数の搬器ガイド502を示す。搬器ガイドは、概して、共通中心点(図示せず)から半径方向外向きに延び得る。搬器ガイドは、異なる形状およびサイズを有し得る。例えば、中心点のより近くに位置する、搬器ガイドは、中心点からより遠くに位置する、搬器ガイドと比較して、より小さいサイズを有し得る。外向き半径方向パターンに起因して、搬器ガイドの密度は、中心点からの距離が増加するにつれて減少し得る。トラック514は、隣接して間隔を置かれた搬器ガイド間の間隙によって提供される。トラックは、同心円形内の中心点から半径方向外向きに延びている極性グリッドを形成し得る。
搬器は、トラック上の任意の場所に位置し得、トラックに沿って移動するように構成されることができる。例えば、図5Aは、半径方向トラック514−1および円形トラック514−2が交差する点に位置する、搬器506を示す。搬器は、前述のように、北(N)極および南(S)極を有する、その上に配置された磁石を備え得る。
搬器ガイドおよび搬器は、ステータコイルアレイの上方に位置し得る。異なる極性の電磁場は、ステータコイルアレイによって発生させられることができる。例えば、図5Bに示されるように、S−極性場は、場所508−1において発生させられ、別のS−極性場は、場所508−2において発生させられる。508−1におけるS−極性場と磁石のS極との間の相互作用は、搬器を場所508−1から離れるように押動させる、斥力を発生させる。逆に言えば、508−2におけるS−極性場と磁石のN極との間の相互作用は、搬器を場所508−2に向かって押動させる、引力を発生させる。引力および斥力は、集合的に、搬器を図5Bに示される半径方向510−1に移動させ、トラックに沿ってある距離だけ平行移動させる、駆動力を提供する。故に、駆動力は、装置の表面上の異なる場所における電磁場の極性を変調することによって、複数の異なる方向にトラックに沿って発生させられることができる。搬器によって進行される距離の量、2地点間進行、速さ、加速、減速、および搬器の他の運動特性は、電磁場の強度、極性、場所、および方向等の電磁場の種々の側面を調節することによって、制御されることができる。
搬器はまた、円形方向にトラックに沿って移動するように構成され得る。例えば、図5Cに示されるように、S−極性場は、場所512−1において発生させられ、別のS−極性場は、場所512−2において発生させられる。512−1におけるS−極性場と磁石のS極との間の相互作用は、搬器を場所512−1から離れるように押動させる、斥力を発生させる。逆に言えば、512−2におけるS−極性場と磁石のN極との間の相互作用は、搬器を場所512−2に向かって押動させる、引力を発生させる。引力および斥力は、集合的に、搬器を図5Cに示される弧(円形)方向に移動させ、角度βだけ回転させる、駆動力を提供する。
図5Dは、搬器ガイド502の極性グリッドを有する、表面516を示す。表面は、同心円形パターンで配列される、複数の搬器ガイドから成り得る。表面は、半径方向(514−1)に同心様式(514−2)で配列される、トラック514を備え得る。搬器506は、表面上で異なる運動経路において移動するように構成され得る。例えば、搬器は、場所518−1から場所518−2まで直線経路520−1で移動し得る。代替として、搬器は、例えば、経路520−2によって示されるように、非線形ジグザグ経路で移動し得る。搬器はまた、例えば、経路520−3によって示されるように、弧内で移動し得る。搬器は、半径方向トラックおよび円形トラックの交点において方向を切り替えることができる。搬器ガイドの極性グリッド配列は、例えば、円筒形形状または特徴を有する3D編組物品を生産する際に有用であり得る。
(IV.3D進行表面の例)
本明細書に開示される装置の表面は、異なる形状、例えば、湾曲、球形、半球、円筒形、直方体、台形等で提供されることができる。図6Aは、湾曲表面604を有する、装置602の例を図示する。表面は、装置の内側上に位置し得、凹面であり得る。表面は、片開半球または片開半円柱であり得る。ある場合には、表面は、中空半球または中空半円柱の内側に位置し得る。
ステータコイルアレイ606は、表面の真下に位置し得る。例えば、ステータコイルアレイは、装置のベッドプレート608上に配置される、またはその中に埋設され得る。ステータコイルアレイは、ステータコイルが表面の曲率と実質的に適合するように、3D構成で配列される、複数のステータコイルを備え得る。ステータコイルアレイは、電磁場を表面にわたって発生させることが可能である。電磁場は、下で説明されるように、搬器を駆動し、表面上で移動させるために使用されることができる。
図6Aを参照すると、搬器610は、表面上に配置され、表面上で移動するように構成され得る。搬器は、表面に取り外し可能に結合され得る。搬器は、その上に配置された磁石を含み得る。前述のように、搬器は、ステータコイルアレイによって発生させられた電磁場を使用して、駆動され、表面上で移動することができる。搬器は、平行移動、回転、または曲線様式で表面上で駆動され得る。搬器はまた、異なる方向に表面上で移動するように駆動され得る。搬器は、面内(2D)または3D(面外)で表面上で移動するように構成されることができる。3D編組構造、3D印刷構造等の物体は、搬器を表面上で駆動し、例えば、繊維、液体ポリマー、粉末材料、および/またはインクのような種々の材料を操作することによって、形成されることができる。
図6Bは、表面614を有する装置612の例を図示する。表面は、複数の隣り合ったサブ表面を備え得る。隣り合ったサブ表面の2つ以上のものは、互いに直交し得る。例えば、サブ表面614−1は、サブ表面614−2に直交し得る。表面は、片開立方体または片開円柱の内部表面に対応し得る。搬器610は、表面上で図6Bに示される方向に面内(2D)または3D(面外)で移動するように構成されることができる。例えば、搬器は、サブ表面614−1上の面内で移動することができる。加えて、面外運動は、搬器がサブ表面614−1と614−2との間で直交してトラバースするにつれて生じることができる。
装置はまた、例えば、図6Cにおける装置616によって示されるように、多角形表面を備え得る。表面618は、表面が多面となるように、複数の離散サブ表面を備え得る。ある場合には、表面は、多面体の面にマッピングされ得る。多面体の任意の数の面および/またはタイプが、検討され得る。表面の真球度は、概して、多面体のマッピングされた面の数に伴って増加する。例えば、表面は、多数の面を有する多面体にマッピングされるとき(例えば、二十面体にマッピングされるとき)略球形表面に近似し始め得る。搬器610は、表面上で図6Cに示される方向に面内(2D)または3D(面外)で移動するように構成されることができる。
(A.誘導式表面)
種々のグリッドパターンが、3D進行表面上に提供され得る。これらのグリッドパターンは、六角形(例えば、図3E)、直交(例えば、図4E)、または極性(例えば、図5D)を含み得る。グリッドパターンは、搬器が表面上で移動される(誘導される)ことを可能にする、誘導式表面をもたらす。装置の表面上のこれらのグリッドパターンのマッピングは、以下のように説明される。
図7Aは、略半球内側表面702を備えている、装置700の上面図を図示する。表面は、六角形グリッドパターンを有し得る。表面は、凹面であり得る。ステータコイルアレイ704は、表面の真下に配置され得る。ステータコイルアレイは、ステータコイルが表面の曲率と実質的に適合するように、3D構成で配列される、複数のステータコイルを備え得る。表面の形状はまた、その中にステータコイルが配列される、3D構成に依存し得る。図7Bは、装置の側面図を図示する。図7Aおよび7Bを参照すると、ステータコイルアレイは、表面の下方に円周方向に半球アレイで配列され得る。共通中心点706が、装置に対して画定され得る。ステータコイルは、その縦方向軸が中心点に向かって半径方向に向くように、配向され得る。その結果、ステータコイルは、互いに対して異なる角度で配向され得る。
ステータコイルアレイおよび表面は、ある範囲のサイズ内で提供され得る。例えば、表面の直径は、約300mm〜約500mmに及び得る。しかしながら、本発明は、それに限定されず、表面の直径は、300mm未満、またはある場合には、500mmを上回ることができる。
図7Cは、図7Aの区分708の拡大図を図示する。図7Cを参照すると、表面は、六角形アレイで配列される、複数の三角形形状の搬器ガイド710を備え得る。搬器ガイドは、いくつかの面の多面体に配列され得る。多面体の任意の数の面および/またはタイプが、検討され得る。例えば、多面体は、凸面正二十面体であり得る。全ての正多面体のうち、二十面体は、4π角欠損を最大数の頂点にわたって均一に分散させ、したがって、これらの頂点の近傍の球面三角形の歪曲を最小限にする。したがって、二十面体を伴う表面を細分割することが有利である。表面を略半球にするために、搬器ガイドは、二十面体−六角形グリッドパターンで配列され得る。これは、装置の表面を搬器ガイドの六角形アレイに離散化する。また、二十面体−六角形グリッドパターンは、搬器ガイドが半球ステータコイルアレイにマッピングされることを可能にする。
多くの離散部品への装置の表面の離散化は、いくつかの利点を有する。良好な連続性を有する平滑湾曲表面を製造する課題は、周知である。これらの課題を克服するために、本明細書に説明される例は、湾曲表面(例えば、半球表面)の集合的に湾曲表面に近似する複数の離散面への細分割を提供する。これは、湾曲表面の大域的平面充填(テッセレーション)を通して達成されることができ、これは、有限差分法等の数値分析技法に基づく。これらの技法は、着目面積(この場合、その上を搬器が移動するように構成される、表面)がグリッドに細分割されることを可能にすることができる。例えば、測地線グリッドは、二十面体であり得る、細分割された多面体を伴う球体の表面をモデル化するために使用されることができる。多面体は、任意のレベルの粒度に細分割されることができる。例えば、二十面体は、異なる回数細分割され、異なる球形ノード密度を達成することができる。
装置の表面702(その上を搬器が移動するように構成される)は、プラトンの立体のセルへの細分割によって、または多面体の縁を反復的に二分し、新しいセルを半球表面上に投影させることによって生成される、測地線半球グリッドを含むことができる。本測地線グリッドでは、結果として生じる測地線半球表面の頂点はそれぞれ、セルに対応する。二十面体は、六角形に配列されたセルを伴う、基本多面体として使用されることができる。
二十面体−六角形グリッドパターンへの湾曲表面のテッセレーションはまた、従来の長方形グリッド(例えば、ガウスグリッド)に優るいくつかの利点を提供する。例えば、(i)二十面体−六角形グリッドパターンは、主として、等方性であり得、(ii)グリッドのノード密度(分解能)は、2値分割によって増加させられることができ、(iii)二十面体−六角形グリッドは、(球体または半球の)極の近傍でオーバーサンプリングを被らず、(iv)二十面体−六角形グリッドは、スペクトル方法と比較して高密度線形システムをもたらさず、(v)近隣グリッドセル間に単一接触点が存在しない。加えて、二十面体−六角形グリッド内のセルは、最小限に歪曲され、かつ略等面積であることの両方であることができる。対照的に、正方形または長方形グリッドは、湾曲表面にマッピングされると、面積が等しくないこともある。逆に言えば、等面積長方形または正方形グリッドは、表面の曲率に起因して、均分円から半球表面の極までの形状が変動し得る。
中心または極性ステータコイルの縦軸は、二十面体面の中心または二十面体面の頂点に向かって配向され得る。半球表面の中心は、二十面体の点(頂点)または面上に位置し得る。細分割された二十面体の面は、半球表面にマッピングされ得る。マッピングは、半球表面が細分割された二十面体のいくつかの面を被覆するように生じてもよい。例えば、半球表面は、二十面体のx面を被覆し得る。半球表面は、二十面体の全面および/または分画面を被覆し得る。例えば、半球表面は、二十面体のy個の数の全面およびz個の数の分画面を被覆し得る。x、y、およびzに関する値は、任意の整数であり得る。それぞれx、y、およびzは、1〜20に及ぶ任意の値であることができる。ある場合には、有用/動作可能な装置は、x=1、y=0、およびz=1を用いて取得されることができる。
図7Cの例では、表面は、二十面体−六角形グリッドの形態であり得る。二十面体−六角形グリッドは、二十面体の面(20個の合同等角平面三角形から形成される)を三角形メッシュに分割し、メッシュの頂点をステータコイルの半球アレイによって形成される表面上に投影させることによって、発生させられることができる。関連トポロジは、三角形および六角形ボロノイセルのメッシュを含み得る。
装置の表面の真球度は、概して、それに対して表面がマッピングされる、多面体の面の数に伴って増加する。例えば、表面は、多数の面を有する多面体(例えば、真球度約0.940を有する二十面体)にマッピングされると、略(半)球表面に近似し得る。単純二十面体は、20面を備え、これは、いくつかの面(例えば、4×20面、9×20面等)にさらに細分割されることができる。二十面体グリッドは、再帰構造または非再帰構造によって構築されることができる。再帰構造は、単純二十面体における初期の20個の平面等角三角形を二分、投影、および細分割し、手順を細分割された平面三角形に再帰的に繰り返し、所望の分解能を有するグリッドを作成する。非再帰構造は、20個の初期平面等角三角形を細分割し、交点を球体の表面上に投影する。各二十面体縁をs個の線分に分裂させ、中間点を球体上に逆投影することによって、各三角形は、s
2個のより小さい三角形に分裂される。外接された球体の体積に関する体積充填率f
sは、以下の表に示されるように、sが無限遠になるにつれて1に接近する。体積充填率f
sは、細分割された表面の真球度を示すことができる。
表面の二十面体テッセレーションは、不規則性を六角形グリッド内にもたらし得る。二十面体を細分割する際、三角形メッシュ内の最長辺と最短辺との間の比率は、グリッドレベルに伴って増加し、約1.195114に収束する(20%を若干下回るグリッド不規則性に変換される)。グリッド不規則性を補償するために、本開示におけるステータコイルは、異なるコイル直径および間隔を有し、ステータコイルの異なる密度を表面にわたってもたらすように設計され得る。例えば、比較的に大きいコイル直径のステータコイルは、二十面体の面の中心に位置し得る。逆に言えば、比較的に小さいコイル直径のステータコイルは、増加させられた球形ノード密度を伴う点に位置し得る。コイル間の間隔は、20%を若干下回って変動するように調節されることができ(グリッド不規則性を補償するため)、コイル直径は、適宜、調節されることができる。コイル直径は、ある範囲の値を有するように設計されることができる。例えば、コイル直径は、約18mm〜約23mmに及び得る。ある場合には、コイル直径は、18mm未満または23mmを上回り得る。
搬器ガイド710は、任意の構成で下層ステータコイル704にマッピングされることができる。例えば、各搬器ガイドは、隣接して間隔を置かれるステータコイル間の一意の介在場所にマッピングされ得る。搬器ガイドは、1:m構成、n:1構成、またはm:n構成でステータコイルにマッピングされることができ、mおよびnは、1を上回る、任意の整数であることができる。mおよびnに関する任意の値が、検討され得る。装置内の搬器ガイドおよびステータコイルの密度は、同一または異なり得る。
搬器ガイド710は、間隙によって、互いから間隔を置かれ得る。これらの間隙は、1つ以上の搬器714が表面上で移動するための経路を提供する、トラック712に対応する。間隙は、固定幅または可変幅を有することができる。いくつかの例では、間隙は、幅約5mmを有することができる。他の事例では、間隙は、約2mm〜約15mmに及ぶ幅を有し得る。随意に、間隙は、サブミリメートルスケールの幅を有し得る。
搬器714は、図3Eに示されるものと同様に、表面702上でトラック712に沿って移動することができる。例えば、搬器は、直線経路、ジグザグ線で移動する、および/または方向を表面上で切り替えることができる。六角形グリッドパターンは、搬器が、トラック間の交点において、60、120、180、240、300、または360度で方向を切り替えることを可能にする。表面が正二十面体にマッピングされる、いくつかの特定の事例では、搬器は、トラック間の交点において、方向を切り替え得るが、5つの交点が、二十面体の交点には存在する。
搬器は、移動および制御され、材料を操作し、3D編組構造または3D印刷構造等の物体を形成することができる。随意に、搬器は、材料を表面上の1つの点から別の点に運搬するために、または構成要素の組立のために、使用されることができる。材料の例は、繊維、液体ポリマー、粉末材料、および/またはインクを含み得る。
図3Dに示されるものに類似する、搬器ガイドのユニットアレイが、次に、図8A−8Fを参照して説明される。図8Aは、斜視図を示し、図8Bは、上面図を示し、図8Cは、側面図を示し、図8Dは、底面図を示し、図8Eおよび8Fは、異なる断面図を図示する。上記の図は、略平面構成を図示するが、上記の構成は、図6Aおよび6Cに示される湾曲表面または多角形表面に容易に修正されることができることを理解されたい。
上記の図を参照すると、ユニットアレイ800は、六角形パターンでステータコイル筐体804の上方に配列される、6つの三角形形状の搬器ガイド802を備え得る。筐体は、合致する六角形構成で配列される、複数の円柱806を備え得る。各円柱は、ステータコイル(図示せず)を保持するように構成される、空洞808を含み得る。空洞は、任意の形状を有するように形成され得る。例えば、空洞は、円筒形形状であり得る。
搬器ガイドは、ステータコイル間に介在して位置し得る。介在点は、3つの隣接して間隔を置かれるステータコイルの中心に位置する頂点を有する、等角三角形の中心に画定され得る。搬器ガイドは、搬器が移動するためのトラックを提供する間隙によって、互いから間隔を置かれ得る。トラックは、互いに対して60度の角度で配置され得る。
図8Aおよび8Bを参照すると、搬器810は、トラック812が収束する、ユニットアレイの中心に位置し得る。搬器は、前述のように、トラックのいずれかに沿って移動するように構成されることができる。搬器は、異なるトラックに沿って移動することによって、異なる方向に移動することが可能であり得る。搬器ガイドの六角形配列は、搬器が、より少ない経路偏差を伴って(例えば、直交配列における90度の角度とは対照的に、60度の角度で)、方向を変化させることを可能にする。また、六角形配列は、より高い密度のコイル入れ子、したがって、より大きい電力密度を可能にする。
搬器ガイドは、分離距離dだけ、ステータコイル筐体の上方に位置し得る。逃げ溝領域814が、搬器ガイドとステータコイル筐体との間に画定され得る。逃げ溝領域の高さは、分離距離dによって与えられ得る。搬器は、搬器ガイドの上部表面の下方の逃げ溝領域内に位置する、下側部分810−1を含み得る。搬器の下側部分は、逃げ溝領域内に位置し、搬器の位置および/または整合を維持し得る。加えて、搬器の下側部分は、磁石が下層ステータコイルによって発生させられた電磁場とより大きい相互作用を有するように、ステータコイル筐体(ステータコイル)に近接して位置する、磁石を含み得る。搬器の磁石は、搬器がステータコイルの直上に位置するとき、例えば、約0.1mm〜約8mmに及ぶ距離だけ、ステータコイルに近接して配置され得る。近接距離は、ステータコイルにおいて使用される磁気コアの幾何学形状および材料ならびにコイル幾何学形状およびコイルに通されることになる電流に応じて、変動し得る。磁石と電磁場の相互作用は、前述のように、駆動力を提供し、搬器をトラックに沿って移動させる。
貫通孔816が、搬器ガイドのそれぞれに提供され得る。例えば、貫通孔は、各搬器ガイドの中心に位置し得る。貫通孔は、ステータコイル筐体の真下に位置する、非可動繊維供給部のための送達経路を提供することができる。非可動繊維供給部は、ステータコイル筐体の下方から、基部プレート820上の孔818を通して、搬器ガイドに配索され得る。複数のチャネルが、繊維供給部を複数の搬器ガイドに配索するために提供され得る。例えば、図8Dに示されるように、6つの異なるチャネル822が、繊維供給部を六角形ユニットアレイ内の6つの搬器ガイド802に別個に配索するために提供され得る。本明細書で後に説明されるように、複数の繊維搬送搬器は、3D編組構造を生成するように、所定の経路に沿って装置の表面上で移動するように構成されることができる。
いくつかの例では、孔は、電気および/または機械的構成要素のための経路を提供することができる。例えば、孔818およびチャネル822は、ユニットアレイ内の19個のコイル空洞の集約された配線のための経路を提供することができる。ねじが、貫通孔816の中に挿入され、搬器ガイドを筐体に固定し得る。いくつかの例では、非可動繊維供給部は、下層搬器ガイドに対する搬器のサイズ(例えば、直径)に応じて、搬器ガイド内に形成される貫通孔を介して配索されることができる。
図8Eを参照すると、断面図A−Aが、ステータコイル筐体の5つの隣接して間隔を置かれる円柱の直線行の中心を通過する、線A’に沿って得られる。故に、5つの円柱806の断面図が、図A−Aに示される。円柱は、空であり得る(すなわち、ステータコイルを含有しない)。断面図B−Bは、線A’に直交する別の線B’に沿って得られ、図8Fは、断面図B−Bの斜視図を示す。中心ステータコイル824は、搬器ガイドのユニットアレイの中心の直下に位置する線B’を通過し、また、中心ステータコイルの両側に位置する、2つの空円柱806を通過する。中心ステータコイルは、ユニットアレイに関連付けられ得、電磁場をユニットアレイにわたって発生させるために使用されることができる。
ステータコイルは、それらが3D構成(例えば、球形アレイ)で配列されると、定位置に堅く固定され得る。随意に、ステータコイルのうちの1つ以上のものは、それらが3D構成になった後、移動可能であり得る。1つ以上のステータコイルの位置および/または配向は、調節可能であり得る。例として、ステータコイルのうちの1つ以上のものは、異なる角度で球形アレイ構成内で傾斜するように構成され得る。ある場合には、ステータコイルのうちの1つ以上のものは、約0.1o〜約15oに及ぶ角度で傾斜することが可能であり得る。随意に、ステータコイルは、15oを上回る角度で傾斜することが可能であり得る。ステータコイルは、アクチュエータを使用して、異なる角度で傾斜され得る。アクチュエータの例は、レバー、ねじ駆動部、電磁石、または圧電アクチュエータを含み得る。
ある場合には、ステータコイルのうちの1つ以上のものは、恒久的切り替え可能な磁石と置換され得る。恒久的切り替え可能な磁石は、1つまたは2つの回転可能コアを含み、異なる磁場状態を達成し得る。恒久的切り替え可能な磁石の使用は、ステータコイルの大スケールアレイのための高電力要件に起因して、より大きいスケール装置のために有利であり得る。恒久的切り替え可能な磁石は、モータを使用して駆動されることができ、これは、典型的には、ステータコイルの大スケールアレイに給電し、電磁場を発生させることと比較して、より少ない電力を消費する。いくつかの例では、電流は、磁場の状態を変化させるためだけに使用され、常時印加され、磁場を維持する必要はない。
図9Aおよび9Bは、装置900の表面902の一部を図示する。表面は、複数の三角形形状の搬器ガイド904を備え得る。各搬器ガイドは、その中に埋設される、複数のステータコイル906を備え得る。トラック908が、隣接して間隔を置かれた搬器ガイド間に提供され得る。複数の搬器910が、表面上に配置され得る。各搬器は、その上に配置される、複数の磁石912を備え得る。搬器は、ステータコイルによって発生させられた電磁力が搬器上の磁石と相互作用するとき、トラックに沿って移動するように構成されることができる。電磁場の極性の切り替えはまた、搬器を回転させることができる。
図9Aおよび9Bにおける表面は、8細分割三角形二十面体作業場を描写し、本質的に、ステータコイルは、拡大三角形搬器ガイド内に配置される。これは、ステータコイルの両端上の作業場を用いて搬器を駆動することによって、コイルエネルギーの使用をより効率的にする。また、搬器ガイドの下方の面積は、搬器感知および通信ハードウェアならびにガイドの背後の付加的搬器外囲器を設置するために利用可能であって、これは、搬器ハードウェアをガイドの両側で平衡し、搬器ねじれを低減させることを可能にする。例として、搬器のバッテリおよび制御電子機器は、作業場の背後に位置し、ボビンおよび駆動/モータハードウェアを内方側で平衡させることができる。ボビン駆動モータはまた、ガイドの背後から、搬器の内側の中心車軸を通して、ボビンを駆動することができる。図9Aおよび9Bにおける搬器ガイド、ステータコイル、および搬器の構成は、より広い間隙(トラック)をガイド間にもたらし得る。
前の例では、ステータコイルは、コイルを通る電流の流動を制御することによって、オンまたはオフにされ得る、電磁石である。電流をコイルを通過させることは、ステータコイルに電磁場を発生させる。電磁場は、電流がもはやコイルに送達されなくなると除去される。
いくつかの事例では、可動永久磁石が、ステータコイルの代わりに、磁場を変調するために使用され得る。図10Aは、磁場を変調するための移動可能な永久磁石1002のアレイの例を図示する。移動可能な永久磁石のアレイは、装置の表面1004の下方に提供され得る。表面は、その上を1つ以上の搬器が移動するように構成される、アクティブ運動平面に対応し得る。
各永久磁石は、N極およびS極を有する、軸方向に磁化されたディスク磁石であり得る。永久磁石は、強磁気材料、例えば、ネオジムから作製され得る。永久磁石は、装置の表面にわたって延びている、磁場を提供する。磁場は、下で説明されるように、永久磁石を表面に対して移動させることによって、変調されることができる。表面は、複数の搬器ガイド1006を備え得、トラック1008がその間に位置する。ある場合には、搬器ガイドは、磁気タイル1010を含み得る。磁気タイルは、磁場をアクティブ運動平面に向かって集束させるように構成され得る。磁気タイルはまた、隣接する永久磁石間の磁気相互作用/干渉を緩和することができる。
各永久磁石は、対応する磁気タイルの真下の往復軸1012に沿って移動するように構成され得る。移動可能な永久磁石の往復軸は、移動可能な永久磁石が位置する場所の真下の表面の部分に対して法線に延び得る。各永久磁石1002は、延長可能部材1016を介して、ゲート1014に動作可能に結合され得る。延長可能部材は、永久磁石がゲートに対して往復軸に沿って移動することを可能にする。延長可能部材は、延長可能シャフトであり得る。例えば、延長可能部材は、ソレノイドまたはピストンの一部であり得る。
往復軸に沿った永久磁石の移動は、異なる作動機構を使用して可能にされることができる。ある場合には、往復運動は、ピストンを使用して、空気圧式に可能にされ得る。往復磁石は、磁石を動かすために、電気ベースの作動の代わりに、流体作動され得る(例えば、空気を使用して)。他の場合では、往復運動は、例えば、図10Bおよび10Cに示されるように、電磁石によって発生させられた引力および斥力を使用して可能にされ得る。ゲート1014は、往復軸1012に沿って、永久磁石1002の運動を促す、または妨げるように構成される。図10Bを参照すると、ゲート1014は、電磁石であり得る。電流が、電磁石のコイルに通されると、ゲートは、図10Bに示される極性を保有し得る。引力は、永久磁石1002のS極に近接するゲート1014のN極によって発生させられる。永久磁石が、図10Bに示される位置にあるとき、永久磁石は、磁束が装置の表面から電磁石の極に向かって離れるように指向されるため、「オフ」状態にあり得る。永久磁石および電磁石の両方の磁束は、装置の表面の真下で内部に配索される。永久磁石が、「オフ」状態にあるとき、表面の上方の磁場は、比較的に弱く、搬器を表面上で駆動するための駆動力を提供するために不十分であり得る。
逆に言えば、電磁石のコイルを通る電流の流動が、逆転されると、ゲートは、図10Cに示されるように、極性を切り替え得る。斥力が、ゲート1014のS極と永久磁石1002のS極との間に発生させられ、これは、永久磁石を往復軸に沿って磁気タイル1010に向かう方向1018に移動させる。永久磁石が、図10Cに示される位置にあるとき、永久磁石は、磁束がここで電磁石から離れるように装置の表面に向かって向け直されるため、「オン」状態であり得る。永久磁石からの磁束は、磁気タイルがより強い磁場を装置の表面上で作成することによって向上されることができる。永久磁石が、「オン」状態にあるとき、表面の上方の磁場は、比較的に強く、搬器を表面上で駆動するための駆動力を提供するために十分であり得る。故に、電磁石(ゲート)に送達される電流の大きさおよび方向を制御することによって、複数の永久磁石が、アクティブ運動平面に対して行ったり来たり往復することで、集合様式で制御され、「オフ」状態と「オン」状態との間を交互することができる。本質的に、ゲートは、「磁気スイッチ」として機能する。本制御方法は、装置の表面上の磁場が容易に変調されることを可能にする。
図10D、10E、および10Fは、磁場を変調するための移動可能な永久磁石1020のアレイの別の例を図示する。移動可能な永久磁石のアレイは、装置の表面1022の下方に提供され得る。表面は、その上を1つ以上の搬器が移動するように構成される、アクティブ運動平面に対応し得る。各永久磁石は、N極およびS極を有する、軸方向に磁化されたロッド磁石であり得る。永久磁石は、強磁気材料、例えば、ネオジムから作製され得る。永久磁石は、装置の表面にわたって延びている、磁場を提供する。磁場は、下で説明されるように、永久磁石を表面に対して移動させることによって、変調されることができる。
表面は、複数の搬器ガイド1024を備え得、トラック1026が、その間に位置する。ある場合には、搬器ガイドは、磁気タイル1028を含み得る。磁気タイルは、磁場をアクティブ運動平面に向かって集束させるように構成され得る。磁気タイルはまた、隣接する永久磁石間の磁気相互作用/干渉を緩和させることができる。
各移動可能な永久磁石1020は、ゲート1030に動作可能に結合され得る。例えば、永久磁石は、ゲートの往復空洞1032内に位置し得る。永久磁石は、空洞内に縦方向に延びている往復軸1034に沿って移動するように構成され得る。ゲートは、1つ以上の電磁石を含み得る。例えば、図10Eおよび10Fに示されるように、ゲートは、第1のコイルC1および第2のコイルC2を備え得る。第1のコイルC1は、アクティブ運動平面の近位にあり得、第2のコイルC2は、アクティブ運動平面の遠位にあり得る。空洞内の永久磁石の往復運動は、それぞれ、コイルC1およびC2によって発生させられた引力を使用して、可能にされ得る。図10Eを参照すると、電流が、コイルC2に通され、電流が、コイルC1に通されないとき、永久磁石は、コイルC2に誘引され得る。永久磁石が、図10Eに示される位置にあるとき、永久磁石は、磁束がコイルC2に向かって装置の表面から離れるように指向されるため、「オフ」状態にあり得る。永久磁石およびコイルC2の磁束は、装置の表面の真下で内部に配索される。永久磁石が、「オフ」状態にあるとき、表面の上方の磁場は、比較的に弱く、搬器を表面上で駆動するための駆動力を提供するために不十分であり得る。
逆に言えば、電流が、コイルC1に通され、電流が、コイルC2に通されないとき、永久磁石は、コイルC1に誘引され得る。永久磁石が、図10Fに示される位置にあるとき、永久磁石は、磁束がここで装置の表面に向かって電磁石から離れるように向け直されるため、「オン」状態にあり得る。永久磁石からの磁束は、磁気タイルがより強い磁場を装置の表面上で作成することによって向上されることができる。永久磁石が、「オン」状態にあるとき、表面の上方の磁場は、比較的に強く、搬器を表面上で駆動するための駆動力を提供するために十分であり得る。磁場は、装置の表面上での搬器の駆動および保定(例えば、位置を固定する)の両方を可能にする。故に、コイルC1およびC2(ゲート)に送達される電流の大きさおよび方向を制御することによって、複数の永久磁石が、アクティブ運動平面に対してゲート内で行ったり来たり往復することで、集合様式で制御され、「オフ」状態と「オン」状態との間で交互することができる。本質的に、ゲートは、「磁気スイッチ」として機能する。この制御方法は、装置の表面上の磁場が容易に変調されることを可能にする。
いくつかの例では、ゲートの空洞内の往復軸に沿った永久磁石1020の往復運動は、異なる作動機構を使用して可能にされることができる。例えば、往復運動は、電磁石の代わりに、ピストンを使用して空気圧式に可能にされ得る。
上で説明される移動可能な永久磁石のアレイは、磁気ガイド平面ならびに非磁気ガイド平面と協働するように構成されることができる。磁気ガイド平面は、各永久磁石が単一タイルまたはタイル群をもたらすように、タイル状にされ得る。ガイド平面は、高張力用途のために三角形搬器ガイドを利用し得る。
図10A−10Fの例では、移動可能な永久磁石は、2値状態(「オン」状態と「オフ」状態)間で交互するように構成される。ある場合には、3値状態で切り替え可能な永久磁石が、例えば、図11A−11Fにおける切り替え可能な永久磁石1102のアレイによって示されるように、使用されることができる。これらの切り替え可能な永久磁石は、直径方向に磁化された永久磁石をゲート内で回転させることによって、3つの状態、すなわち、(1)「オフ」状態、(2)「オン」状態(引力)、および(3)「オン」状態(斥力)間で交互することが可能であり得る。ゲートは、例えば、磁気筐体であり得る。
図11A−11Fを参照すると、切り替え可能な永久磁石1102のアレイが、装置の表面1104の下方に提供され得る。表面は、その上を1つ以上の搬器が移動するように構成される、アクティブ運動平面に対応し得る。各永久磁石は、N極およびS極を有する、直径方向に磁化された永久磁石であり得る。永久磁石は、強磁気材料、例えば、ネオジムから作製され得る。永久磁石は、装置の表面にわたって延びている、磁場を提供する。磁場は、下で説明されるように、永久磁石を表面に対して移動させることによって、変調されることができる。
表面1104は、複数の搬器ガイド1106を備え得、トラック1108が、その間に位置する。ある場合には、搬器ガイドは、磁気タイル1114を含み得る。磁気タイルは、磁場をアクティブ運動平面に向かって集束させるように構成され得る。磁気タイルはまた、隣接する永久磁石間の磁気相互作用/干渉を緩和させ得る。
各永久磁石は、ゲート1110に動作可能に結合され得る。例えば、永久磁石は、ゲートの空洞1112内に位置し得る。ある場合には、空洞は、円筒形であり得るが、任意の形状が、検討され得る。永久磁石は、空洞内の軸の周囲で回転するように構成され得る。異なる角度を中心とする異なる方向における永久磁石の回転は、異なる磁気状態をもたらし得る。例えば、図11Aおよび11Dを参照すると、永久磁石は、最初に、示される位置にあり得る。本位置では、永久磁石は、磁束が装置の表面から離れるように指向されるため、「オフ」状態にあり得る。例えば、永久磁石の磁束は、ゲートの空洞内に捕捉されるように、装置の表面の真下に配索され得る。永久磁石が、「オフ」状態にあるとき、表面の上方の磁場は、比較的に弱く、搬器を表面上で駆動するための駆動力を提供するために不十分であり得る。
永久磁石は、異なる作動機構、例えば、モータ、電磁石等を使用して、ゲートの空洞内で回転するように構成されることができる。図11Bおよび11Eを参照すると、永久磁石が、その初期位置から時計回り(CW)方向に90度回転されると、永久磁石は、磁束がここで装置の表面に向かってゲートから外に向け直されるため、「オン」状態にあり得る。図11Bに示される位置では、永久磁石は、引力を提供し、搬器を装置の表面上に保持する、または別の搬器を永久磁石に向かって移動させ得る。
同様に、永久磁石が、その初期位置から反時計回り(CCW)方向に90度回転されると、永久磁石は、磁束がまた装置の表面に向かってゲートから外に向け直されるため、「オン」状態であり得る。しかしながら、図11Cおよび11Fに示される位置では、永久磁石は、代わりに、斥力を提供し、搬器を解放させる、または別の搬器を永久磁石から離れるように移動させ得る。
磁場は、装置の表面上での搬器の駆動および保定(例えば、位置を固定する)の両方を可能にする。故に、複数の永久磁石が、アクティブ運動平面に対してゲート内で回転させることによって、集合様式において制御され、「オフ」状態、「オン」状態(引力)、および「オン」状態(斥力)間で交互することができる。本質的に、ゲートは、「磁気スイッチ」として機能する。この制御方法は、装置の表面上の磁場が容易に変調されることを可能にする。
いくつかの例では、上で説明される(回転可能)恒久的切り替え可能な磁石は、電気永久磁石によって置換され得、これは、電気的に励起されると、極性を切り替える。これは、可動構成要素の必要性を排除し、潜在的に、電磁石と比較して、より少ない電力を消費することができる。例えば、電気永久磁石は、磁場を維持するために電源を要求しない。
電気永久磁石は、(1)磁石と、(2)磁石の一部の周囲に巻着されたワイヤとを備え得る。外部磁場は、磁石の一部の周囲のワイヤ巻線内の電流のパルスによって、オンまたはオフに切り替えられることができる。磁石は、「硬質」(高保磁力)磁気材料から作製される、第1の区分と、「軟質」(低保磁力)材料から作製される、第2の区分とを備えている。第2の区分内の磁化方向は、ワイヤ巻線内の電流のパルスによって切り替えられることができる。磁気的に軟質および硬質材料が、対向磁化を有するとき、磁石は、その極を横断して正味外部場を生産しない。逆に言えば、磁気的に軟質および硬質材料の磁化方向が、整合されるとき、磁石は、外部磁場を生産する。故に、装置の表面上の磁場は、電流のパルスを使用して、磁石の第2の区分の磁化を反転させることによって、「オン」状態または「オフ」状態に切り替えられることができる。
図12は、装置1200の表面1204上に配置される、搬器1202を図示する。表面は、複数の搬器ガイド1206を備え得、これは、二十面体−六角形グリッドパターンで配列され得る。明確性のために、表面の真下のステータコイルのための筐体の一部のみが、図示される。搬器は、前述のように、トラックに沿って移動するように構成され得る。搬器は、異なるトラックに沿って移動することによって、異なる方向に移動することが可能である。
複数の搬器ガイドが、ステータコイル筐体1208に結合され得る。搬器ガイドは、分離距離dだけ筐体の上方に位置し得る。逃げ溝領域が、搬器ガイドとステータコイルとの間に位置し得る。逃げ溝領域の高さは、分離距離dによって画定され得る。ある場合には、分離距離d(または逃げ溝領域の高さ)は、約10mm〜約16mmに及び得る。代替として、分離距離d(または逃げ溝領域の高さ)は、10mm未満または16mmを上回り得る。
搬器は、搬器ガイドの上部表面の下方の逃げ溝領域内に位置する、下側部分1202−1を含み得る。搬器の下側部分は、逃げ溝領域内に位置し、搬器の位置および/または整合を維持し得る。加えて、搬器の下側部分は、ステータコイルに近接して配置される、磁石を含み得る。搬器上の磁石は、搬器を装置の表面上で駆動するように、下層ステータコイルによって発生させられた電磁場と相互作用することができる。具体的には、磁石と電磁場の相互作用は、駆動力を提供し、搬器をトラックに沿って移動させることができる。前述のように、搬器は、表面上で駆動され、材料を操作し、3D編組構造または3D印刷構造等の物体を形成することができる。
貫通孔1210が、搬器ガイドのそれぞれに提供され得る。例えば、貫通孔は、各搬器ガイドの中心に位置し得る。貫通孔は、複数のステータコイルの真下に位置する、非可動繊維供給部のための送達経路を提供することができる。
搬器は、材料を操作するように構成される、1つ以上のデバイスを支持するように構成され得る。デバイスは、材料を操作するために、ボビン、組立ロボット、材料噴霧器、および/または基質注入器または基質触媒デバイスを含み得る。搬器はまた、デバイスのための電子機器および電力供給源を保持するように構成され得る。材料は、繊維、液体ポリマー、粉末材料、および/またはインクを備え得る。
図12は、搬器上に支持される、ボビン1216を示す。ボビンは、繊維1214を搬送するように構成され得る。ボビンは、繊維の張力を維持するための線張力デバイス1212に結合され得る。繊維は、例えば、軟質天然繊維または合成繊維を含み得る。ある場合には、ボビンは、ガラス、炭素繊維、セラミック、金属ワイヤ等のより剛性の材料を搬送するように構成され得る。材料は、ナノスケール(例えば、ナノチューブ)から数ミリメートル(例えば、重いロープ)に及ぶ異なる直径を有するように提供されることができる。ボビンは、機械的システムであり得る。例えば、ボビンは、繊維を搬器上に位置する源供給部から引き出し、調整するための1つ以上のプーリを備え得る。ボビンはまた、繊維が、編組点に通され、構造(例えば、3D編組構造)を生成するにつれて、線張力を維持するための他の機構を備え得る。線張力を維持することは、炭素繊維等のある高堅度材料を操作するために重要であり得る。搬器は、装置の表面上で駆動され、デバイスを使用して、材料を操作し、3D編組構造または3D印刷構造等の物体を形成することができる。例えば、複数のボビン搬器が、表面上で複雑な運動経路で駆動され、3D編組構造を生成し得る。
搬器は、搬器を装置の表面に結合するが、搬器が表面上で移動することを可能にする、結合部材を備え得る。搬器は、前述のように、装置内の1つ以上のステータコイルによって発生させられた電磁場に応答して、表面上で駆動されることができる。
図13Aおよび13Bは、開口部をその表面に有する、装置の例を図示する。開口部は、材料が装置の中におよび/または外に指向されることを可能にするために有用であり得る。図13Aおよび13Bに描写される装置は、図6Aの装置に類似し得るが、以下の差異を除く。図13Aでは、装置1300は、表面1304の底部部分が切頭されるように、開口部1302を備え得る。開口部は、材料(例えば、繊維および/または心棒)が装置の内外に給送されることを可能にする、貫通孔であり得る。開口部は、任意の形状、例えば、円形、多角形に形成され得る。図13Aの例では、開口部は、五角形形状を有し得る。開口部は、二十面体の細分割から生じた五角形に合致するように設計され得る。開口部のサイズは、製造上の必要性/要件に応じて変動することができる。例えば、図13Bにおける開口部1302−2は、図13Aにおける開口部より大きくてもよい。任意の形状および/またはサイズの開口部が、検討され得る。
前述の例では、装置の表面は、部分的に球形(例えば、片開半球)であり得る。ある場合には、装置は、略中空球体の形態で提供され得る。例えば、図14Aでは、装置1400のステータコイルアレイ1402は、略完全球形アレイ構成で配列され得る。装置は、その上を1つ以上の搬器が移動するように構成される、その中に位置する、略球形表面を含み得る。
開口部1404が、装置の一部上に形成され得る。任意の形状、サイズ、配向、または構成の開口部が、検討され得る。例えば、開口部は、それぞれ、二十面体の細分割から生じた上部および底部五角形に合致するように設計され得る。開口部のサイズは、同一であり得る。随意に、開口部のサイズは、異なり得る。開口部は、装置の(直径方向に)反対端部に位置し得る。代替として、開口部は、装置の反対端部に位置する必要はない。開口部は、任意の形状および/またはサイズで形成され得る。
ある場合には、装置はまた、開口部が開放または閉鎖されることを可能にする、ドアを備え得る。例えば、図14Bは、開口部1408を被覆する、ドア1406を示す。ドアは、例えば、材料を装置の中に給送する、または材料を装置から外に運搬するとき、開口部を暴露するように除去されることができる。ドアは、装置から物理的に取り外されることができる。随意に、ドアは、装置に枢着され得、開口部を開閉するように旋回し得る。
六角形グリッドに加え、装置の表面はまた、正方形グリッドに細分割されることができる。図15、16A、および16Bは、正方形グリッドパターンを有する表面1502を備えている、装置1500の例を図示する。ここでは、三角形形状の搬器ガイドの代わりに、表面は、複数の略正方形形状の搬器ガイド1504を備え得る。搬器ガイドは、直交アレイ(行−列構成)で配列され得る。表面は、凹面であり得る。表面の形状は、略球形立方体であり得る。表面は、12−細分割立方球形突起を有し得る。ステータコイルアレイ1506が、表面の真下に配置され得る。明確性のために、ステータコイルアレイの一部のみが、図16Aおよび16Bに示される。ステータコイルアレイは、ステータコイルが表面の曲率と実質的に適合するように、3D構成で配列される、複数のステータコイルを備え得る。
搬器ガイドは、間隙によって、互いから間隔を置かれる。これらの間隙は、1つ以上の搬器1510が表面上で移動するための経路を提供する、トラック1508である。間隙は、固定幅または可変幅を有することができる。一例では、間隙は、幅約5mmを有することができる。他の事例では、間隙は、約2mm〜約15mmに及ぶ幅を有し得る。
搬器が、表面上に配置され得る。搬器は、表面に取り外し可能に結合され得る。搬器は、単一ディスク磁石または完全に磁化されたスプールを備え得る。描写される構成では、1512−1および1512−2は、単一磁石または完全に磁化されたスプールの北および南極を表し、隣接するコイルの反発励起が、搬器駆動磁石スプールの3つの部分に作用し、力を広端部および中心領域の両方に付与するであろう。このため、スプールの真下の全てのコイルが、反発状態にある場合、スプールは、その案内面内に浮揚するであろう。正面であるが、まだ真下ではないコイルからの誘引パルスによって移動され、真下の反発パルスおよび背後の後縁によって浮揚および押動される場合、搬器の非接触または「磁気浮上」運動が、達成されることができる。非接触運動は、正方形グリッドでは、多角形グリッド(例えば、六角形グリッド)と比較して、あまり問題とならない。多角形グリッドは、4つを上回るトラックの交点を含み得、これは、それらの交点における開放間隙がトラック自体より幅/直径が有意に大きいことを要求し得る。その結果、多角形グリッドは、低力「不感帯」を複数のトラックの交点に有し得、これは、搬器の浮揚力を表面にわたって維持することを試みる際、あまり効果的ではない。概して、3(三角形)または4(正方形)つの交点を有するグリッドは、下層駆動コイルとより近い相互作用を維持することができる。搬器磁石とステータコイルによって発生させられた電磁場の相互作用は、搬器のための駆動力を作成する。搬器は、図4Eに示されるものと同様に、表面上でトラックに沿って移動することができる。例えば、搬器は、直線経路、ジグザグ線で移動し、および/または方向を表面上で切り替えることができる。正方形グリッドパターンは、搬器がトラック間の交点において方向を90、180、270、または360度切り替えることを可能にする。
搬器は、移動および制御され、材料を操作し、3D編組構造または3D印刷構造等の物体を形成することができる。随意に、搬器は、材料を表面上の1つの点から別の点まで運搬するために、または構成要素の組立のために、使用されることができる。材料の例は、繊維、液体ポリマー、粉末材料、および/またはインクを含み得る。
(B.非誘導式表面)
搬器のためのトラックを備えている、表面は、誘導式表面として説明され得る。前述のように、トラックは、搬器ガイドのアレイ間の間隙間隔によって形成される。ある場合には、装置は、非誘導式表面を備え得る。非誘導式表面は、トラックおよび/または搬器ガイドを有していない。図17は、非誘導式表面1702の例を示す。本質的に、非誘導式表面は、ステータコイルアレイ1704の直上の表面に対応し得る。いくつかの事例では、表面は、複数のステータコイル(装置の内部上にある)の上方に位置する、無軌道軸受層であることができる。
複数の搬器1706が、表面上で移動するように構成され得る。表面は、搬器がその運動においてトラックおよび/または搬器ガイドによって制約されないため、誘導式/軌道式表面より高い搬器経路適合性を提供することができる。しかしながら、搬器ガイドの欠如は、搬器ガイドによって提供される作業場結束性および補強垂直性の損失を緩和するように、より高い密度のステータコイルアレイを余儀なくし得る。ステータコイルアレイの増加させられた密度は、より制御された電磁場につながり、これは、より高い動的速さおよび改良された搬器多用途性および多様性を可能にすることができる。
搬器ガイドの不在に起因して、搬器上の磁石は、ステータコイルアレイのより近くに位置することができる。例えば、搬器の駆動磁石から下層ステータコイルまでの距離は、実質的にゼロに近くあり得る。
永久磁石が、例えば、図17に示されるように、搬器上に異なる構成で提供されることができる。搬器磁石は、複数のステータコイルを隠蔽し、それによって並行して駆動されることができる。磁気極は、単一および複数の永久磁石の両方に種々のパターンで配列されることができる。N−S極は両方とも、駆動ステータコイルに対して異なる配向で使用されることができる。いくつかの例では、ステータコイルとほぼ同一直径を有する、単一永久磁石ディスクが、搬器上で使用され得る。単一の軸方向に磁化されたディスク磁石は、3つ以上のステータコイルに重複するために十分に大きい直径を有し得る。他の例では、複数の磁石(または複数の同一平面の隣接する極表面を伴う磁石)が、磁石が複数のステータコイルによって発生させられた電磁場と同時に相互作用し得るような配列で搬器上に配置され得る。磁石の強度および構成は、搬器が、運動中、整合および接着力を表面上に維持し得るように(整合を喪失する、または表面から離脱されずに)決定され得る。
(V.制御システム)
コントローラが、ステータコイルアレイを制御するために提供され得る。コントローラは、1つ以上のステータコイルをアクティブにし、電磁場を発生させることができる。コントローラは、電磁場を変化させることによって、搬器を装置の表面上で駆動することができる。コントローラはまた、搬器を表面上で駆動し、所定の経路に沿って3次元で移動させることができる。ある場合には、コントローラは、搬器の位置および/または運動を検出することができる。随意に、搬器の位置および/または運動は、磁場センサ、光学センサ、および/または慣性センサを含む、1つ以上のセンサを使用して、検出されることができる。
ステータコイルアレイは、複数のステータコイルを備え得る。ステータコイルは、対応する制御体積を伴うコイルのサブセットに群化されることができる。例えば、ステータコイルは、第1のコイルのサブセット、第2のコイルのサブセット等を備え得る。ステータコイルの任意の数のサブセットが、検討され得る。各サブセットは、いくつかのステータコイルを備え得る。異なるサブセットは、同一または異なる数のステータコイルを備え得る。各サブセット内の、および異なるサブセットのための任意の数のステータコイルが、検討され得る。
制御体積は、ステータコイルのサブセットに関連付けられ、対応するコイルのサブセットの上方の空間によって画定され得る。ある場合には、隣接する制御体積は、互いに重複し、連続制御体積を形成し得る。制御体積のサイズおよび/または形状は、ステータコイルの場所を調節することによって修正されることができる。制御体積のサイズおよび/または形状はまた、ステータコイルの公差、感度、位置、および/または配向に依存し得る。制御体積のサイズおよび/または形状は、その中の磁束均一性を最適化するように調節されることができ、これは、搬器上に配置される磁石との相互作用を改良することに役立ち得る。
ステータコイルの各サブセットは、対応するステータコイルのサブセットに関連付けられた制御体積内で電磁場を発生させるように構成されることができる。各制御体積は、対応するステータコイルのサブセットに近接する空間によって画定され得る。制御体積は、互いに重複する場合とそうではないこともある。いくつかの実施形態では、各制御体積は、局所座標フレームを備え得る。故に、搬器の位置および/または配向は、搬器が1つの制御体積から次の制御体積まで表面上で移動するにつれて、局所座標フレームに基づいて取得されることができる。
コントローラは、電流パルスをステータコイルに提供し、ステータコイルのサブセット毎に、電磁場を制御体積にわたって発生させるように構成され得る。コントローラは、ステータコイルに動作可能に結合されるスイッチモジュールを介して、コイルに対する1つ以上のスイッチを制御することによって、ステータコイルの異なるサブセットを選択的にアクティブにし(電源をオンにし)、電磁場を異なる制御体積内に発生させることができる。電流パルスが、スイッチモジュール内の1つ以上のスイッチを介して、コントローラからステータコイルの異なるサブセットに提供されることができる。
スイッチは、電力MOSFET、ソリッドステートリレー、電力トランジスタ、および/または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等の電子スイッチを含み得る。異なるタイプの電子スイッチが、ステータコイルのサブセットへの電流を制御するために提供され得る。電子スイッチは、ソリッドステート電子機器を利用して、電流を制御し得る。いくつかの事例では、電子スイッチは、可動部品を有していなくてもよく、および/または電気機械的デバイス(例えば、可動部品を伴う従来のリレーまたはスイッチ)を利用しないこともある。いくつかの事例では、電子スイッチの電子または他の電荷担体は、ソリッドステートデバイスに閉じ込められ得る。電子スイッチは、随意に、2値状態を有し得る(例えば、オンまたはオフに切り替えられる)。電子スイッチは、ステータコイルのサブセットへの電流を制御するために使用され得る。
コントローラは、スイッチを制御し、ステータコイルの1つ以上のサブセットをアクティブにし、電磁場を1つ以上の制御体積内に発生させることができる。ある場合には、ステータコイルの複数のサブセットが、同時にアクティブ化され得る。例えば、コントローラは、ステータコイルの3つのサブセットを同時にアクティブにし、3つの別個の電磁場を個別の制御体積内に作成することができる。代替として、ステータコイルの複数のサブセットは、順次様式でアクティブ化され得る。例えば、コントローラは、ステータコイルの3つのサブセットを連続してアクティブにし、電磁場を個別の制御体積内に連続して発生させることができる。
異なる制御体積内の電磁場の選択的アクティブ化は、干渉する電磁場が発生させられることを防止し得、ステータコイルと他のデバイスとの間の電磁干渉を低減させ得る。電磁干渉の低減は、搬器が異なる制御体積内で軌道を辿らせられ得る、正確度および感度を改良することができる。装置の使用範囲は、ステータコイルの構成を修正し、異なりかつ複雑な搬器運動経路を可能にすることによって、拡張されることができる。
装置の表面上の搬器の移動は、ステータコイルの異なるサブセットをアクティブ化することによって促進されることができる。いくつかの実施形態では、ステータコイルの異なるサブセットは、表面上の搬器の場所に応じて選択的にアクティブ化されることができる。ある場合には、ステータコイルのアクティブサブセット外にある、ステータコイルは、非アクティブにされ、それによって、干渉する電磁場が発生させられることを防止し得る。いくつかの実施形態では、ステータコイルの隣接するサブセットの上方の制御体積は、連続した大域的制御体積を装置の表面にわたって形成するように重複し得る。
コントローラは、装置上またはそれとともに提供され得る。代替として、コントローラは、装置の遠隔で提供され得る。例えば、コントローラは、ステータコイルのサブセットおよびスイッチモジュールと通信する、遠隔サーバに提供され得る。コントローラは、サーバとともに含まれる、ソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を有し得る。サーバは、1つ以上のプロセッサと、プログラム命令を記憶するための少なくとも1つのメモリを有することができる。プロセッサは、単一または複数のマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAS)、または特定の命令のセットを実行することが可能なデジタル信号プロセッサ(DSP)であることができる。コンピュータ読み取り可能な命令は、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM(コンパクトディスク−読み取り専用メモリ)、およびMO(磁気光学)、DVD−ROM(デジタル多用途ディスク−読み取り専用メモリ)、DVD RAM(デジタル多用途ディスク−ランダムアクセスメモリ)、または半導体メモリ等の有形非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶されることができる。代替として、プログラム命令は、例えば、ASIC、特殊目的コンピュータ、または汎用コンピュータ等のハードウェア構成要素またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせで実装されることができる。
コントローラはまた、任意の他のタイプの外部デバイス(例えば、装置、任意の移動可能な物体、または非移動可能な物体等を制御するための遠隔コントローラ)に提供され得る。いくつかの事例では、コントローラは、クラウドコンピューティングインフラストラクチャ上に分散され得る。コントローラは、異なる場所に常駐し得、コントローラは、搬器の空間または運動情報に基づいて、スイッチモジュールを制御し、ステータコイルの1つ以上のサブセットを選択的にアクティブ化することが可能である。
いくつかの例では、位置センサが、搬器上に配置され得る。位置センサは、ステータコイルの1つ以上のサブセットによって発生させられた電磁場の変化に応答して、電気信号(電圧または電流信号)を発生させるように構成され得る。ある場合には、位置センサは、電磁センサであり得る。位置センサが、装置の表面上の制御体積内を移動するにつれて、位置センサと制御体積内の電磁場の相互作用は、電気信号を発生させられ得る。電気信号は、位置センサが制御体積内の異なる場所間で移動するにつれて変動し得る。加えて、電気信号は、位置センサが異なる制御体積間で移動するにつれて変動し得る。コントローラは、電気信号を位置センサから受信するように構成され得る。加えて、コントローラは、信号を分析し、位置センサの局所位置を算出し得る。位置センサの局所位置は、局所座標系に対して算出され得る。局所座標系は、位置センサが位置する制御体積に対応する、ステータコイルのアクティブサブセットに画定され得る。コントローラはまた、装置の表面に対して位置センサの大域的位置を算出するように構成され得る。コントローラは、1つ以上の入力に基づいて、スイッチモジュールを制御するように構成され得る。入力は、ユーザによって提供され得、搬器の移動を装置の表面上の経路に沿ってもたらすように、ステータコイルのアクティブ化を制御するための命令のセットを含み得る。スイッチモジュールの制御およびステータコイルの1つ以上のサブセットの選択的アクティブ化は、手動または自動であることができる。
上で説明されるように、コントローラは、ステータコイルの1つ以上のサブセットを選択的にアクティブにし、電磁場を対応する制御体積内に発生させるように構成されることができる。搬器は、1つ以上の永久磁石を備え得る。コントローラは、ステータコイルの1つ以上のサブセットに送達される電流を調節することにより、電磁場の強度および/または極性を調節することによって、搬器を駆動するように構成されることができる。コントローラは、ステータコイルの1つ以上のサブセットに送達される電流のタイミング、大きさ、方向、および/または持続時間を調節するように構成されることができる。コントローラは、(1)重力に対する装置の表面の配向、(2)搬器の質量、および/または(3)重力に対する装置の表面上の搬器の配向に基づいて、電磁場の強度および/または極性を調節するように構成され得る。コントローラは、搬器を装置の表面上で一定速さまたは可変速さで駆動するように構成されることができる。例えば、ある場合には、コントローラは、搬器を装置の表面上で速さ約0.5m/秒で駆動することができる。他の事例では、コントローラは、搬器を装置の表面上で約0.1m/秒〜約1.5m/秒に及ぶ可変速さで駆動するように構成されることができる。搬器は、1つのステータコイル(またはコイルのサブセット)から次のステータコイル(または次のコイルのサブセット)に移動するにつれて、可変速さで移動するように構成され得る。搬器が駆動され得る速さは、ステータコイルによって発生させられた電磁場の強度ならびに搬器上に配置される磁石の強度に依存し得る。コントローラは、ステータコイルに送達される電流を調節することによって、電磁場の強度を調節することができる。
コントローラは、搬器が装置の表面上で移動するにつれて、ステータコイルの1つ以上のサブセットに送達される電流の変化を検出することによって、搬器を追跡するように構成されることができる。電流の変化は、搬器上の磁石が電磁場を通して移動するにつれた、ステータコイルの1つ以上のサブセットの抵抗変化から生じ得る。コントローラは、電流の異常変化の検出に応じて、搬器を装置の表面上の所定の位置に移動させるように構成されることができる。電流の異常変化は、(i)装置の故障、(ii)搬器の正しくない運動経路(例えば、不整合)、および/または(iii)搬器と別の搬器または付属品デバイスとの間の差し迫った衝突を示し得る。
いくつかの例では、コントローラは、ステータコイルに給電し、搬器を駆動する、電流の変動を検出し、検出された電流変動に基づいて、搬器の連続および非連続移動運動(移動)を区別するように構成されることができる。駆動回路内の電流を監視することによって、非連続移動パルスが、検出され得る。例えば、ステータコイルにわたって進行する搬器内の永久磁石の通過または通過の欠如は、コイルの抵抗を改変させ得、これは、駆動電流を変動させ得る。コントローラが、搬器の非連続移動運動(移動の欠如)を検出すると、コントローラは、装置を障害制御状態に入らせ得、その場合、ステータコイルへの電力送達は、終了される。コントローラは、続いて、一連の緩和ステップを開始し得、これは、搬器をその意図される場所またはデフォルトホーム場所に戻るように事前にプログラムされた試みを含み得る。障害制御状態および/または緩和ステップは、装置の壊滅的故障(例えば、搬器ガイド、トラック、および/または下層ステータコイルへの損傷)をもたらし得る、複数の搬器の衝突を防止することができる。
1つ以上のセンサは、搬器が装置の表面上で移動するにつれた電磁場の変化に応答して、感知信号を発生させるように構成され得る。センサは、電磁センサ、光学センサ、慣性センサ、および/または無線周波数(RF)センサを備え得る。コントローラは、感知信号を使用して、表面上の搬器の空間位置、配向、および/または運動を決定するように構成され得る。搬器の運動は、感知信号から取得される速度および/または加速に基づいて、決定されることができる。速度は、線形速度および/または角速度を含み得る。同様に、加速は、線形加速および/または角度加速を含み得る。コントローラは、感知信号を使用して、搬器を追跡するように構成されることができる。コントローラはまた、所定のシーケンスで、および/または感知信号に基づいて、ステータコイルの1つ以上のサブセットを選択的にアクティブ化することによって、装置の表面上の搬器の運動経路を制御することができる。コントローラは、搬器を表面上で駆動するために必要とされない、またはもはや有用ではない、ステータコイルの1つ以上のサブセットアクティブ化解除するように構成され得る。
センサのうちの1つ以上のものは、隣接して間隔を置かれるステータコイル間の間隔内に配置され得る。加えて、または随意に、センサのうちの1つ以上のものは、1つ以上の搬器ガイドに搭載される、またはその中に配置され得る。ある場合には、センサのうちの1つ以上のものは、ステータコイルの中心に位置する、貫通孔内に埋設され得る。装置内または上の任意の設置または構成が、検討され得る。
通信が、1つ以上のステータコイルと搬器との間に提供され得る。例えば、第1の通信ユニットが、ステータコイルの上部またはそれに対して側方に隣接して配置され得る。第2の通信ユニットが、搬器上に配置され得る。第1および第2の通信ユニットは、互いに通信し得る。第1の通信ユニットは、信号を第2の通信ユニットに伝送し、信号をそこから受信するために、1つ以上の送受信機を備え得る。第1および第2の通信ユニット間で伝送および/または受信された情報は、(1)異なるステータコイルに対する搬器の位置情報、および/または(2)種々の搬器搭載デバイスのための張力牽引および巻き戻しコマンドまたは他のコマンドを通信するための信号を含み得る。これは、電子ボビン張力および巻線システムを有する、搬器のために有用であり得る。第2の通信ユニットは、搬器が装置の表面上で移動するにつれて、信号を直下の下層ステータコイルに中継するように構成される、受動無線トランスポンダまたはオンボードマイクロプロセッサを含み得る。いくつかの事例では、第2の通信ユニットを有する、複数の搬器が、提供され得る。各第2の通信ユニットは、搬器毎に、無線周波数識別(RFID)キーを発生させるように構成され得る。故に、個々の識別が、各搬器に与えられることができ、異なる搬器が、そのRFIDキーに基づいて、互いから区別されることができる。各個々の搬器の位置および/または運動も、そのRFIDキーに基づいて追跡されることができる。
図18は、制御システム1800のブロック図を図示する。制御システムは、コントローラ1802と、ステータコイル1804−1から1804−nの複数のサブセットと、フィードバックループ1808を介してともに動作可能に接続される、1つ以上のセンサ1806とを備え得る。ステータコイルの任意の数n個のサブセットが、検討され得、部分的に、ステータコイルの各サブセットの強度および/または装置の表面のサイズ(例えば、直径、深度等)に依存し得る。1つ以上の搬器が、装置の表面上で移動するように構成されることができる。
コントローラは、搬器が装置の表面上で移動するにつれてセンサから取得される位置および速さフィードバックに基づいて、搬器の位置および/または移動を制御および追跡し、ステータコイルの1つ以上のサブセットを選択的にアクティブ化するように構成され得る。
図18を参照すると、入力が、最初に、制御システムに提供され得る。入力は、搬器の所望の経路を備え得る(所望の位置および/または速さを含み得る)。コントローラは、ステータコイルの1つ以上のサブセットをアクティブにし、搬器の場所を決定するように構成され得る。搬器の場所が決定されると、搬器の場所またはそれに近接する制御体積に対応する、ステータコイルの1つ以上のサブセットが、アクティブ化され得る(電源オンにされる)。前述のように、ステータコイルの異なるサブセットが、アクティブ化されることができ、これは、電力消費および電磁場干渉効果を低減させることができる。搬器の位置および/または移動は、センサによって取得される感知信号に基づいて決定され得る。感知信号は、搬器が装置の表面上で移動するにつれてセンサによって発生させられ得る。搬器の実際の経路(実際の位置および/または速さを含み得る)は、感知信号に基づいて決定され得、入力に対して比較され、所望の経路(所望の位置および/または速さ)からの偏差Δの量(該当する場合)を決定し得る。コントローラは、偏差Δの量に基づいて、電流を調節し、電流をステータコイルに選択的に送達することによって、搬器の実際の位置および/または速さを調節するように構成され得る。故に、搬器は、図18の制御システムを使用して、装置の表面上の所望の経路内を移動するように制御されることができる。システムは、複数の搬器の経路を制御し、搬器が装置の表面上で移動するにつれて、各個々の搬器の運動を追跡するように構成されることができる。
図19は、制御システムの概略回路図を図示する。図19を参照すると、制御システム1900は、電力供給源1910に電気的に接続される、ステータコイル1904−1から1904−nの複数のサブセットを備え得る。コントローラ1902は、複数のスイッチK1−Knおよび1つ以上のセンサ1906と動作可能に通信し得る。スイッチK1−Knは、スイッチモジュール内に位置し得る。コントローラは、搬器が装置の表面上で移動するにつれて、搬器の位置および/または移動に基づいて、同時に、連続して、代替として、またはラウンドロビン構成のいずれかにおいて、ステータコイルの1つ以上のサブセットを選択的にアクティブ化するように構成されることができる。
コントローラは、1つ以上のスイッチを制御し、ステータコイルの1つ以上のサブセットを選択的にアクティブ化するように構成され得る。例えば、コントローラは、スイッチK1を閉鎖することによって、第1のステータコイルのサブセット1904−1を選択的にアクティブにし得る。同様に、コントローラは、スイッチK2を閉鎖することによって、第2のステータコイルのサブセット1904−2を選択的にアクティブにし得る。コントローラは、スイッチKnを閉鎖することによって、n番目のステータコイルのサブセット1904−nを選択的にアクティブにし得る。ある場合には、コントローラは、ステータコイルの2つ以上のサブセットを同時にアクティブにし得る。例えば、コントローラは、スイッチK1およびK2を閉鎖することによって、磁場発生器コイルの第1および第2のサブセットを同時にアクティブにし得る。代替として、コントローラは、スイッチK1およびKnを閉鎖することによって、ステータコイルの第1およびn番目のサブセットを同時にアクティブにし得る。随意に、コントローラは、スイッチK1−Knを同時に閉鎖することによって、ステータコイルのサブセット1904−1から1904−nの全てを同時にアクティブにし得る。コントローラは、スイッチK1−Knを連続して閉鎖し得る。代替として、コントローラは、スイッチK1−Knを交互様式で閉鎖し得る。コントローラは、スイッチのうちの1つ以上のものを同一周波数または異なる周波数で閉鎖し得る。コントローラは、異なる時間の長さにわたってステータコイルのサブセットをアクティブ化または電源オフにするように、異なる時間の長さにわたって1つ以上のスイッチを閉鎖/開放し得る。故に、複数のステータコイルによって発生させられた電磁場は、精密な様式で制御され、1つ以上の搬器を装置の表面上で駆動することができる。
球形または半球形電磁場は、重力を異なるベクトル(局所磁場法線に対して)で異なる面積内に有する。故に、移動運動電流パルスが、搬器が装置の球形表面上に位置する場所および球形表面が重力に対して配向されている状態に応じて、異なるタイミングおよび電流大きさで異なるステータコイル場所(またはコイルのサブセット)に送達され得る。いくつかの事例では、ステータコイルが、十分な磁気質量を有する場合、コイルが給電されていない状態にあるとき、搬器は、重力に起因して落下し得ない(磁場法線と垂直であるとき)。しかしながら、搬器を適切なトラックに沿って動的速さで操向することは、異なるステータコイル電磁力を要求し得、重力のベクトルに依存し得る。
前述のように、隣接して間隔を置かれるステータコイル間の距離は、二十面体テッセレーションの若干不規則的性質に起因して、装置の表面にわたって同一ではないこともある。グリッド不規則性は、より大きいコイル直径を二十面体面の中心において、かつより小さいコイル直径をノード密度が増加する点に向かって使用することによって、補償されることができる。ステータコイルのアクティブ化(またはステータコイルへの制御信号)は、搬器経路および移動のより精密な制御をもたらすように、コイル間隔および直径の差異を考慮し得る。
(VI.材料の3D操作)
図20は、装置2000の表面2002上の異なる搬器2004の移動を図示する。表面は、装置の内側表面であり得る。装置および表面は、前述の例のうちの1つ以上のものを含み得る。搬器は、平行移動、回転、または曲線様式で表面上で駆動されることができる。搬器はまた、異なる方向に表面上で移動するように駆動されることができる。例えば、ステータコイルアレイによって発生させられた電磁場は、搬器を異なる方向に駆動するために使用されることができる。方向は、互いに平行、直交、反対、または斜めであることができる。搬器は、3次元で表面上の面外で駆動されることができる。代替として、搬器は、2次元で平面表面上の面内で駆動されることができる。搬器は、1つの点から別の点まで表面上で駆動されることができる。いくつかの例では、搬器は、所定の運動経路に沿って移動するように制御されることができる。経路は、閉ループまたは開ループであり得る。ある場合には、複数の搬器が、異なる時点で互いに交差し得る一連の運動経路2006に沿って、表面上で移動するように制御されることができる。これは、例えば、糸または繊維が複雑な3Dパターンで編組される、3D編組用途において有用であり得る。
搬器は、直接または搬器に取り付けられるデバイスを使用してのいずれかにおいて、繊維、液体ポリマー、粉末材料、および/またはインク等の材料を搬送または分注するように構成されることができる。下で説明されるように、複数の搬器が、表面上で駆動され、材料を操作し、3D編組構造または3D印刷構造等の物体を形成することができる。搬器はまた、構成要素を運搬し、および/または組み立てるために使用されることができる。
(A.3D編組)
図21Aおよび21Bは、本明細書のいずれかに説明される装置および方法を使用した3D編組の例を図示する。複数の搬器2104が、装置2100の表面2102上に配置され得る。搬器は、複数のボビン(図示せず)を支持するように構成され得る。繊維2112は、ボビンを介して、編組プロセスが生じる、編組点2106に給送され得る。編組点には、編組リングが常駐し得る。装置の表面は、編組点またはリングから実質的に等距離である、複数の搬器ガイド(図示せず)を備え得る。搬器から編組点までの距離は、搬器が表面の周囲で移動するにつれて、実質的に同一のままであり得る。本等距離は、編組プロセスの間、繊維の線張力を維持することを補助する。いくつかの例では、各搬器ガイドから編組点までの距離は、約100mm〜約600mmであり得る。代替として、各搬器ガイドから編組点までの距離は、100mm未満または600mmを上回り得る。随意に、各搬器ガイドから編組点までの距離は、約1m、2m、3m、4m、5m、または5mを上回り得る。
表面の半球形状は、搬器を面内および面外で移動させるための改良された可撓性を提供する。これは、複雑な形状の3D編組物体が形成されることを可能にすることができる。物体は、連続外形を有する物体(例えば、I型鋼、L型鋼、航空機バットレス等)ならびに連続外形を有していない(例えば、無定形形状または体積を有する)物体を含み得る。図21Aおよび21Bを参照すると、3D編組物体が、ボビン搬器を制御し、表面上で種々の運動経路2108内を移動させることによって、形成されることができる。搬器の運動経路は、異なる時点で交差し、編組構造を作成し得る。表面は、略半球であるため、搬器は、表面上の任意の場所における搬器の運動または場所にかかわらず、編組点まで実質的に等距離のままである。故に、繊維の線張力は、ボビン搬器が異なる方向に表面上の複雑な運動経路に沿って移動するにつれて、維持されることができる。適正な線張力は、3D編組構造の改良された品質および信頼性につながり得る。
(B.3D印刷)
図22Aおよび22Bは、本明細書のいずれかに説明される装置および方法を使用した3D印刷の例を図示する。複数の搬器2204が、装置2200の表面2202上に配置され得る。搬器は、1つ以上のタイプの非繊維搬送デバイスを支持するように構成され得る。非繊維搬送デバイスの例は、材料噴霧器、基質注入器、ジェット分注器等を含み得る。非繊維搬送デバイスは、例えば、搬器が装置の表面上で種々の運動経路2208内を移動するにつれて、材料2212(例えば、粉末材料またはインク)を分注することによって、3D印刷構造2210を生成するように構成され得る。前述のように、表面の半球形状は、搬器を面内および面外で移動させるための改良された可撓性を提供し、これは、複雑な形状の3D印刷物体が形成されることを可能にし得る。
(C.構成要素の運搬および組立)
3D編組または3D印刷に加え、本明細書に開示される装置および方法は、材料輸送または部品組立のために使用され得る。搬器は、組立ロボットを支持するように構成され得る。組立ロボットは、構成要素を組み立て、完成または非完成製品を形成するために使用されることができる。組立ロボットに対する移動性は、搬器によって提供され、これは、装置の表面上で種々の運動経路内を移動するように制御されることができる。ロボットによる組立は、種々の構成要素間の機械的および/または電気的結合(取り付け)を含み得る。組立はまた、例えば、搬器編製動作の間、統合されたサブ構成要素を編組構造に追加するように構成される、作業場に外部から搭載されるロボットによって遂行されることができる。
図23は、装置2302を備えている、システム2300を図示する。装置は、本明細書のいずれかに説明されるものに対応し得る。システムは、製造環境において使用され、物体、例えば、3D編組構造を作成することができる。図23を参照すると、装置は、半球内側表面を備え得る。複数の搬器(図示せず)は、表面上に配置され得る。搬器は、複数のボビン(図示せず)を支持するように構成され得る。繊維2304が、ボビンを介して、編組プロセスが生じる、編組点2306に給送され得る。編組点は、上側ロボットアーム2308上に位置し得る。下側ロボットアーム2310は、心棒/コア挿入のために構成され得る。下側ロボットアームは、編組線張力ならびにワークピースに関連付けられた他のロボット操作線および他の物体等の他の力に抵抗して、上側ロボットアームとの連動運動において、アクティブワークピースを握持し、より大きな位置剛性をワークピースに提供するように構成され得る。物体は、挿入されるサブ構成要素、外部から取り付けられるシェル/金型構成要素等を含み得る。いくつかの例では、試験アセンブリは、作業場の周囲に置かれた複数の組立ロボットを含み得る。装置は、開口部を開閉し得る、ドア2312を備え得る。装填された搬器2318のマガジンが、作業場の中にドアを通して送達されることができ、空マガジンが、作業場からドアを通して抽出されることができる。内部場/ステータコイルを伴う、作業場に取り付け可能なマガジンは、作業場へおよび/またはそこからの自己装填および装填解除のために構成され得る。ある場合には、装置の除去可能孔部分も、搬器マガジンとしての役割を果たし得る。
装置の表面は、編組点2306から実質的に等距離である、複数の搬器ガイド(図示せず)を備え得る。搬器から編組点までの距離は、搬器が表面の周囲で移動するにつれて、実質的に同一のままであり得る。本等距離は、編組プロセスの間、繊維の線張力を維持することを補助する。
3D編組動作の間、編組構造は、例えば、別のロボットアーム(図示せず)によって、持続的に後退および収集され得る。コントローラ2320は、本明細書のいずれかに説明されるように、装置の1つ以上のステータコイルをアクティブにし、搬器を装置の表面上で駆動するための電磁場を発生させるように構成され得る。本明細書に説明される装置は、他の用途および異なる構成において使用するために拡張されることができ、図23に示される設定に限定される必要はないことを理解されたい。
図24は、いくつかの実施形態による、搬器装填システム2400を図示する。システムは、本明細書いずれかに説明される装置または製造方法のいずれかを含み得る、および/またはそれと併用され得る。装置は、本明細書のいずれかに説明されるように、物体、例えば、3D編組構造または3D印刷構造を作成することが可能であり得る。システムは、(1)搬器を装置の中に装填/給送し、および/または(2)搬器を装置から装填解除または除去するための1つ以上のデバイスまたは機構を含むことができる。システムは、例えば、新しい搬器の装置の中への導入および使用済み搬器の装置からの除去のために、1つ以上のオン/オフランプを含み得る。本明細書に説明されるような使用済み搬器は、使用済み繊維端を搬送する、搬器を指し得、新しい搬器は、新しい繊維を搬送する、搬器を指し得る。搬器は、本明細書のいずれかに説明される作動機構および原理のいずれかを使用して、ランプ上で運搬され得る。いくつかの実施形態では、ランプは、本明細書のいずれかに説明される装置内で半球アレイにおいて使用される、同一タイプの磁気ユニットの線形アレイを含み得る(例えば、図3A−Eおよび4A−E参照)。線形アレイは、半球アレイの1つ以上の縁の円周方向部分から延び得る。磁気ユニットの線形アレイは、任意の可動または移動可能な部品を備えている必要はない。搬器は、本明細書のいずれかに説明されるように、磁場の極性を変調し、引力および斥力を作成し、平行移動力を発生させることによって、磁気ユニットの線形アレイに沿って連続して運搬され得る。
搬器が、装置の中に給送されると、それらは、ステップダウン装填機構を使用して、装置の内側表面(例えば、本明細書のいずれかに説明される半球内側表面のいずれか)上で装填解除され得る。いくつかの実施形態では、ステップダウン装填機構は、機械的および/または磁気的繊維端掴持デバイスを含み得る。異なる装填機構が、ワークピース媒体のタイプ、サイズ、および/または形状に応じて検討され得る。
いくつかの代替実施形態(図示せず)では、システムは、搬器の運搬のために、非可動磁気ユニットの線形アレイの代わりに、1つ以上の可動コンベヤを備えている、コンベヤシステムであり得る。システムは、搬器の外部自動化輸送のために構成され得る(すなわち、装置内または上に位置する輸送とは対照的に、装置の外部にある)。搬器は、コンベヤを介して、装置の内外に運搬され得る。コンベヤは、オンランプおよびオフランプを介して提供され得る。
図24を参照すると、搬器装填システムは、ランプシステムを含み得る。ランプシステムは、作業場出口ランプ2428と、作業場入口ランプ2426とを備え得る。作業場出口ランプおよび作業場入口ランプは、磁気ユニット2430の線形アレイを含み得る。作業場出口ランプおよび作業場入口ランプは、全体として一体的に形成され得る。
図24に示されるように、作業場出口ランプおよび作業場入口ランプは、装置2432の異なる部分(縁)に結合され得る。作業場出口ランプは、1つ以上の使用される搬器2406を装置から除去するように構成されることができ、作業場入口ランプは、1つ以上の新しい搬器を装置の中に装填するように構成されることができる。
装置から退出する1つ以上の搬器は、使用済み繊維端2404を搬送し得る。作業場出口ランプは、使用済み繊維端を搬器から除去するように構成される、デバイス2402に向かって延び得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、複数のスポーク2403を含み得る。各スポークは、使用済み繊維端を搬送する搬器が抽出端部を越えて移動するにつれて、使用済み繊維端を捕捉および除去する、抽出端部2405を有し得る。複数のスポークは、スポークが搬器のフローに伴って回転するように、自由に移動可能であり得る。搬器がスポークを越えて移動するにつれて、それらは、ギヤ状様式で抽出端部と係合し、スポークを回転させる。デバイス2402は、搬器上の縫製針を使用済み繊維端とともに並行して抽出するように構成されることができる。縫製針の拡大末端/結合面積は、搬器によって、精密な仰角で各スポークの抽出端部と整合するように設定されることができる。
いくつかの代替実施形態では、複数のスポークは、随意に、搬器のフローと反対方向に回転するように構成され得る。スポークの回転速さおよび方向(およびスポーク間の間隔)は、使用済み繊維端を搬送する搬器が抽出端部の傍を通過するにつれて、スポークの各抽出端部が使用済み繊維端を精密に捕捉するように、コンベヤシステムの平行移動速さおよび方向(および搬器間の間隔)と同期および整合され得る。例えば、図24では、複数のスポークは、時計回り方向に回転するように構成され得、搬器のフローは、対向接線方向であって、それによって、使用済み繊維端が反作用運動を介してスポークによって捕捉されることを可能にし得る。使用済み繊維端は、抽出端部によって所定の周波数または可変周波数で捕捉され得る。いくつかの実施形態では、スポークが回転を継続するにつれて、スポークの抽出端部は、デバイスの筐体の中に移動し、そこで使用済み繊維端および針は、容器(図示せず)内に配置され得る。そのような廃棄は、過剰な使用済み繊維端および針がスポークの抽出端部に蓄積することを防止することに役立ち、次に入ってくる搬器上の使用済み繊維端および縫製針の捕捉に先立って、抽出端部に任意の残留物体がないことを確実にすることができる。
使用済み繊維端および縫製針が、除去された後、搬器は、単一繊維2416の半体を保持する搬器対2412が自動的に調製され得るように、それぞれ、一対の搬器を保持する、再装填位置2410のアレイに運搬されることができる。再装填アレイは、種々の異なる配列およびサイズで構成されることができる。各再装填位置は、複数の磁石ノードを備え得る。例えば、図24は、隣接するコンベヤトラックを物理的に遮断せずに、2つの搬器(対)が互いに隣接することを可能にするために、描写される輸送モードによって要求されるような5つの磁石ノードを有する、各再装填位置を示す。いくつかの実施形態では、各搬器の基部は、磁石のノードの直径の2倍を若干下回ってもよい。
各対の搬器は、同一垂直高さを有し得る。いくつかの代替実施形態では、各対の搬器は、異なる垂直高さを有し得る。ある場合には、一対の搬器は、繊維の縦軸が輸送方向に対して非直交(例えば、斜め)であるように、互いに対して互い違いにされ得る(例えば、一方の搬器は、ランプに沿って他方の搬器より遠い)。
図25は、いくつかのさらなる実施形態による、搬器再装填システム2500を図示する。搬器再装填システム2500は、図24に示されるシステムに類似するが、図25はさらに、対にされた装填デバイス2424のアレイと、単一再装填アレイをより細かい詳細で示す拡大図「A」とを図示する。再装填アレイは、単一繊維2416の半体を保持する搬器対2412が自動的に調製され得るように、例えば、拡大図「A」に示されるように、構成されることができる。対にされた装填デバイスのアレイは、縫製針をスプールから切断された繊維の長さに取り付け、それらを1つまたは2つのボビン搬器の中に給送することができる。
縫製針設定の例はさらに、図26A、26B、27A、および27Bに図示される。縫製針設定は、装填解除された搬器の中への繊維の現場接続を可能にするように構成されることができる。上記の図を参照すると、各搬器の張力プーリを通した自動化された繊維装填を促進するために、種々のフェアリング2418が、繊維2416の端部に取り付けられる可撓性ワイヤ縫製針2408を搬器ボビン2422上の取り付け点2420に誘導し、それによって、搬器が針および繊維を巻き取ることを可能にするように構成されることができる。繊維および針が、巻着されると、搬器および搬器対は、対にされた装填デバイス2424のアレイに給送され、作業場入口ランプ2426を介した装置の中への進入を待機し得る。完全自動反復編組動作が、上記の構成を使用して達成されることができる。
図27Bは、縫製針2408を両端(一端が搬器オリフィスから突出する)上に有する、装填された繊維2416を伴う、単一搬器を示す。搬器は、例えば、図24および25に示される作業場入口ランプ2426を使用して、装置の作業上に運搬されることができる。ロボット(図示せず)が、(1)搬器から延長/突出される、縫製針2408の端部を捕捉し、(2)繊維2416をワークピース/サブ構成要素を通して通糸し、(3)針を装填解除された搬器に送達するように構成されることができ、これは、次いで、ここで2つの搬器間で共有される、繊維の一部を引き込み得る。2つのワークピース、すなわち、通糸された端部は、続いて、編組動作の中に統合されることができる。上記の構成は、ワークピース内の孔への自動化された繊維通糸を可能にすることができ、これは、従来の編組設定では現在利用可能ではない。
ある実施形態および例が、前述の説明に提供されるが、本発明の主題は、具体的に開示される実施形態以外に、他の代替実施形態および/または使用ならびにその修正および均等物にも拡張される。したがって、本明細書に添付の請求項の範囲は、下で説明される特定の実施形態のいずれかによって限定されない。例えば、本明細書に開示される任意の方法またはプロセスでは、方法またはプロセスの作用または動作は、任意の好適なシーケンスで実施され得、必ずしも、任意の特定の開示されるシーケンスに限定されない。種々の動作は、ある実施形態を理解する際に有用である様式において、順番に、複数の離散動作として説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が順序依存であることを含意するように解釈されるべきではない。加えて、本明細書に説明される構造、システム、および/またはデバイスは、統合された構成要素または別個の構成要素として具現化され得る。
種々の実施形態を比較する目的のために、これらの実施形態のある側面および利点が、説明される。必ずしも、全てのそのような側面または利点が、任意の特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、例えば、種々の実施形態は、本明細書で教示されるような1つの利点または利点群を、同様に本明細書に教示または示唆され得るような、他の側面または利点を必ずしも達成せずに、達成または最適化する様式で実施され得る。
本明細書で使用されるように、Aおよび/またはBは、AまたはBおよびAとB等のそれらの組み合わせのうちの1つ以上のものを包含する。用語「第1の」、「第2の」、「第3の」等が、種々の要素、構成要素、領域、および/または区分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、および/または区分は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、単に、1つの要素、構成要素、領域、または区分を別の要素、構成要素、領域、または区分から区別するために使用される。したがって、下記に議論される第1の要素、構成要素、領域、または区分は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、または区分と称され得る。
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみのものであって、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、同様に、複数形を含むように意図される。さらに、用語「〜を備えている」および/または「〜を備えている」もしくは「〜を含む」および/または「〜を含んでいる」は、本明細書において使用されるとき、述べられた特徴、領域、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を除外するものではないことを理解されたい。
さらに、「下側」または「底部」および「上側」または「上部」等の相対的用語が、図に図示されるように、他の要素に対する1つの要素の関係を説明するために本明細書で使用され得る。相対的用語は、図に描写される配向に加え、異なる要素の配向を包含するように意図されることを理解されたい。例えば、図のうちの1つ内の要素が、ひっくり返される場合、他の要素の「下」側にあるように説明された要素は、次いで、他の要素の「上」側に配向されるであろう。例示的用語「下側」は、したがって、図の特定の配向に応じて、「下側」および「上側」の配向の両方を包含することができる。同様に、図のうちの1つにおける要素が、ひっくり返される場合、他の要素の「下方」または「真下」にあるように説明された要素は、次いで、他の要素の「上方」に配向されるであろう。例示的用語「下方」または「真下」したがって、上方および下方の配向の両方を包含することができる。
好ましい実施形態が、本明細書に図示および説明されたが、そのような実施形態は、一例としてのみ提供されていることが、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される実施形態の種々の代替が、実際は、採用され得ることを理解されたい。本明細書に説明される実施形態の多数の異なる組み合わせが、可能性として考えられ、そのような組み合わせは、本開示の一部であると見なされる。加えて、本明細書で任意の一実施形態に関連して議論される全ての特徴は、本明細書の他の実施形態における使用のために容易に適合されることができる。以下の請求項は、本開示の範囲を定義し、これらの請求項およびその均等物の範囲内である方法および構造は、それによって網羅されることが意図される。