JP3144836B2 - 磁気浮上式走行装置 - Google Patents

磁気浮上式走行装置

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JP3144836B2
JP3144836B2 JP18367191A JP18367191A JP3144836B2 JP 3144836 B2 JP3144836 B2 JP 3144836B2 JP 18367191 A JP18367191 A JP 18367191A JP 18367191 A JP18367191 A JP 18367191A JP 3144836 B2 JP3144836 B2 JP 3144836B2
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征邦 明石
明平 森下
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気浮上式走行装置に
係り、特に安定した浮上走行を実現できるとともに扱い
易い磁気浮上式走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、磁気浮上式走行装置には
種々の方式が考えられている。最近では、特開平1−1
33840号公報に示されているように、高温超電導技
術を利用して走行車を磁気浮上させるようにしたものも
提案されている。
【0003】この特開平1−133840号公報に示さ
れているものは、走行車に液体窒素温度レベル以上の温
度で超電導状態になる材料(以下、高温超電導体と呼称
する。)を搭載し、この高温超電導体のマイスナ−効果
を利用して走行車を浮上させている。すなわち、走行車
に搭載された高温超電導体と軌道側に設けられた永久磁
石との間に生じる磁気的反発力で走行車を浮上させてい
る。そして、軌道側にコイル列を設け、このコイル列の
励磁で生じる磁極間に高温超電導体を捕捉し、コイルの
励磁を順次切換えて捕捉位置を移動させることによって
走行力を与えるようにしている。
【0004】しかしながら、上記のように走行車に高温
超電導体を搭載した磁気浮上式走行装置にあっても次の
ような問題があった。すなわち、マイスナ−効果を利用
して走行車を浮上させる方式にあっては、軌道の経路に
沿った中心部と左右両端とに極性の異なる永久磁石を配
置し、これら永久磁石の磁力線が作る磁気ポテンシャル
の谷間で走行車を浮上させているので、大きな案内力を
得ることができず、走行車に遠心力等の外力が加わった
とき、走行車が軌道から外れ易い問題があった。また、
軌道側から与えられる浮上用の磁場の幅より高温超電導
体が大きいときには、磁気的案内力を得ることができな
いので、安定した浮上状態を実現することが困難であっ
た。加えて、走行車への積荷等によって、走行車の重心
に偏りが生じた場合には、所定の浮上姿勢を保つことが
困難であった。さらに、軌道上の任意の位置から発進さ
せることが難しく、発進位置が特定されるので、応用の
自由度に欠ける問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、高温超電
導体を利用して浮上力および走行力を得るようにした従
来の磁気浮上式走行装置にあっては、走行の安定性に欠
けるばかりか、応用の自由度に欠ける問題があった。
【0006】そこで本発明は、高温超電導体を利用した
ものにあって、常に安定した浮上状態が得られ、安定性
および応用性に富み、しかも扱い易い磁気浮上式走行装
置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る磁気浮上式走行装置は、経路に沿って
上記経路と直交する方向に定められたパターンに磁束が
分布する磁場を形成する磁場発生手段を備えた軌道と、
この軌道上に走行自在に配置された走行車と、ピン止め
効果で定められたパターンに磁束が分布する磁場を保持
し、前記走行車に搭載されて前記磁場発生手段で形成さ
れた磁場との間に生じる磁気力で上記走行車に浮上力お
よび案内力を与える高温超電導要素と、前記軌道に近接
して設けられ、前記高温超電導要素との間に生じる磁気
力で前記走行車に非接触に推進力を与える推進手段と、
前記高温超電導要素に磁束をピン止めさせるための磁場
を発生するピン止め磁場発生手段を備えるとともに前記
軌道に連設されたピン止めステーションとを備えてい
る。そして、前記ピン止めステーションは、前記高温超
電導要素が常電導状態にある条件で、前記走行車をピン
止め場所に位置させたときに上記高温超電導要素内にお
ける磁束密度が、上記走行車を前記軌道上に位置させた
ときに上記高温超電導要素内の同一場所における磁束密
度より小さくなる関係に前記ピン止め磁場発生手段で発
生した磁場を上記高温超電導要素に印加するようにして
いる。
【0008】
【作用】走行車には高温超電導要素が搭載されており、
この高温超電導要素はピン止め効果で定められたパター
ンに磁束が分布する磁場を保持している。したがって、
軌道上に走行車の進行方向の磁束分布が一様な磁場を形
成すれば、安定した浮上状態に保つことが可能となる。
そして、走行車が浮上している状態で推進手段を動作さ
せれば、走行車に推進力を与えることができ、走行車を
任意の速度で走行させることが可能となる。
【0009】また、軌道に連設させてピン止めステーシ
ョンを設け、このステーションにおいてピン止め磁場発
生手段を用いて高温超電導要素に磁束をピン止めできる
ようにしている。この場合、ピン止め磁場発生手段で前
記関係の磁束密度が得られるように高温超電導要素に磁
場を印加しているので、高温超電導要素が超電導状態に
転移した後に走行車を軌道上へ移動させると、軌道上に
おいて高温超電導要素内の磁束密度とほぼ同じ大きさの
磁束密度が得られる浮上高さで走行車が安定に浮上す
る。これにより、走行車を軌道上に容易に浮上させるこ
とができる。また、ピン止め効果によって得られる浮上
力および案内力は、マイスナー効果によって得られる力
より大きいので、走行車に外力が加わっても軌道から外
れることがない。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0011】図1には本発明の一実施例に係る磁気浮上
式走行装置1が局部的に示されている。
【0012】同図において、11はベースを示し、12
はベース11上に水平方向に所定の経路で延びるように
設けられた軌道を示し、13は軌道12上を浮上走行す
る走行車を示している。
【0013】軌道12は、図5にも示すように、軌道1
2上に軌道の延びる方向と直交する方向に所定のパター
ンに磁束が分布する磁場を形成するための永久磁石14
を複数個敷設して構成されている。各永久磁石14は、
それぞれ4角形に形成されている。この例では軌道12
上に隙間なく4列に配置されており、中央部の2列は上
面がS極に、外側の2列は上面がN極になるように配列
されている。
【0014】軌道12の下方には、軌道12を構成して
いる各永久磁石14を固定する機能と走行車13に走行
力を付与する機能とを発揮するリニア誘導モ−タ固定子
15a,15b,…および磁石取付け板16a,16
b,…が配置されている。
【0015】リニア誘導モ−タ固定子15a,15b,
…は、積層鉄心で形成された固定子鉄心17a,17
b,…の磁極面を上方に向けて軌道12の延びる方向に
一定間隔に配置されている。固定子鉄心17a,17
b,…の磁極面にはスリット溝が形成されており、これ
らスリット溝には3相の固定子巻線18a,18b,…
がそれぞれ装着されている。磁石取付け板16a,16
b,…は、リニア誘導モ−タ固定子15a,15b,…
間に配置されている。そして、磁石取付け板16a,1
6b,…の上面と固定子鉄心17a,17b,…の磁極
面上とに前述した各永久磁石14が配列され、これらに
接着材で固定されている。磁石取付け板16a,16
b,…とベース11との間には、各永久磁石14の高さ
位置を揃えるための台座19a,19b,…が配置され
ている。そして、磁石取付け板16a,16b,…は台
座19a,19b,…を介してボルト等でベース11に
固定され、また固定子鉄心17a,17b,…もボルト
等でベース11に固定されている。
【0016】走行車13の主要部は図3に示すように構
成されている。すなわち、この主要部は、上壁部に液体
窒素Nの注ぎ口21を有した非磁性非導電性で、かつ断
熱構造の容器22と、この容器22内の底部四隅に配置
された4つの高温超電導体23と、これら高温超電導体
23と容器22の上部壁との間に挿入されて高温超電導
体23を容器22内に固定するバネ部材24とで構成さ
れている。各高温超電導体23は、塊状、この例では円
板状に形成されている。走行車13を浮上走行させると
きには、容器22内に液体窒素Nが収容されており、こ
の液体窒素Nの冷却作用で高温超電導体23が超電導状
態に保持される。
【0017】ベース11の上面で、リニア誘導モ−タ固
定子15a,15b,…の側方位置には走行車13の有
無を非接触に検出するためのセンサ31aa,31a
b,31ba,31bb,…が対をなす関係に配置され
ている。これらセンサはそれぞれL字状の金具32に固
定されており、これら金具32はそれぞれベース11に
固定されている。なお、対をなすセンサの間隔は走行車
13の全長よりわずかに狭く設定されている。
【0018】リニア誘導モ−タ固定子15a,15bに
巻装された固定子巻線18a,18b,…は、図2に示
すように、それぞれインバータ装置33a,33b,…
に接続されている。また、対をなすセンサは、対応する
コントロ−ラ34a,34b,…に接続されている。コ
ントロ−ラ34a,34b,…は、後述するように、発
進指令、停止指令が与えられる毎に、対応するセンサか
らの信号に基いて対応するインバ−タ装置33a,33
b,…の出力を制御し、走行車13の加減速および停止
制御を行う。
【0019】一方、軌道12の終端部には、軌道12の
終端に連設してピン止めステーション40が設けられて
いる。このピン止めステーション40は、高温超電導体
23に磁束をピン止めするためのもので、永久磁石によ
って構成されたピン止め磁場発生部41と、このピン止
め磁場発生部41の上面に配置されて軌道12と同じ高
さレベルを保つ非磁性材製のスペーサ42と、ピン止め
磁場発生部41とベース11との間に介挿された磁石支
持板43および台座44とで構成されている。
【0020】ピン止め磁場発生部41は、磁石支持板4
3の上面に前述した永久磁石14と同じ材質で厚さが薄
く形成された複数の永久磁石45を図5に示すように配
列し、磁石支持板43に対して接着剤で固定したものと
なっている。各永久磁石45は、軌道12での配列と同
様であるが、中央部の上面がS極に、これを取り囲む外
側の上面がN極となるように配列されている。この配列
によって軌道12の端部とピン止め磁場発生部41との
境界部BおよびB′で示す部分に磁気ポテンシャルの勾
配を生じさせている。この磁気ポテンシャルの勾配は、
軌道12上にある走行車13がBで示す部分に近付いた
とき、この走行車13に軌道12側へ戻す力を与え、こ
れによって走行車13が誤ってピン止めステーション4
0に侵入するのを回避させる。また、高温超電導体23
への磁束のピン止めを終了した走行車13が誤ってピン
止めステーション40から軌道12に侵入しようとして
も、B′で示す付近において走行車13をピン止めステ
ーション40側へ戻す力を与える。また、ピン止めステ
ーション40の終端においても上記と同じような磁気ポ
テンシャルの勾配を与えているので、ピン止めステーシ
ョン40の終端から走行車13が落下することはない。
上記のように構成されたピン止めステーション40は、
高温超電導体23が常電導状態にある条件で、走行車1
3をピン止め場所に位置させたときに高温超電導体23
内における磁束密度が、走行車13を軌道12上に位置
させたときに高温超電導体23内の同一場所における磁
束密度より小さくなる関係に永久磁石45で発生した磁
場を高温超電導体23に印加するようにしている。
【0021】次に、上記のように構成された磁気浮上式
走行装置の動作を説明する。
【0022】まず、走行動作を行なわせるに先だって、
常電導状態にある高温超電導体23を搭載した走行車1
3をピン止めステーション40のスペーサ42上に載置
する。このとき、高温超電導体23は常電導状態にある
ので、永久磁石45から出た磁束が高温超電導体23内
を通る。この状態で、注ぎ口21を介して容器22内に
液体窒素Nを注入して高温超電導体23を超電導状態に
転移させる。これによって高温超電導体23内に侵入し
ていた永久磁石45による磁場は、高温超電導体23内
にピン止めされる。
【0023】上記手順を経た後、走行車13を軌道12
上に向けて手動で移動させる。すると、ピン止めステー
ション40で印加された磁場より軌道12上の永久磁石
14によって印加される磁場の方が強いため、高温超電
導体23内にピン止めされている磁束の密度とほぼ同じ
大きさの磁束密度が得られる高さまで走行車13が磁気
的反発力で浮上する。
【0024】次に、コントローラ34aに発進指令を与
えると、インバ−タ装置33aの3相出力によってリニ
ア誘導モ−タ固定子15aの固定子巻線18aが所定周
波数で励磁される。したがって、リニア誘導モ−タ固定
子15aは移動磁界を発生する。このように移動磁界が
発生すると、走行車13に搭載されている高温超電導体
23に移動磁界を打ち消す向きの電流が誘導され、この
誘導電流と移動磁界との相互作用による電磁力によって
走行車13が走行を開始する。このとき、走行車13に
搭載された高温超電導体23の内部には、ピン止め効果
によって磁場が保持されるので、走行車13に対して軌
道12に倣わせる案内力が作用する。このため、走行車
13は軌道12から外れることなく浮上走行する。
【0025】リニア誘導モ−タ固定子15a,15b,
…の存在しない区間では、走行車13は慣性により走行
する。そして、走行車13が停止位置にあるリニア誘導
モ−タ固定子15bに接近し、センサ31baの前面を
横切ると、コントローラ34bによって次のような停止
制御が行なわれる。
【0026】すなわち、図4に示すように、停止指令が
与えられて、停止制御が開始されると(s1 )、一対の
センサ31ba,31bbのうちのいずれのセンサが走
行車13を検出したかを判定する(s2 )。次に、走行
車13を検出していないセンサの方側から検出している
センサの方側に向けて所定の速度で移動する移動磁界を
発生するようにリニア誘導モ−タ固定子15bの固定子
巻線18bをインバ−タ装置33bの出力で励磁する
(s3 )。この制御によって、走行車13は減速を開始
する。次に、停止位置まで走行車13が進行したか否か
を調べるために、両方のセンサ31ba,31bbが同
時に走行車13を検出している否かを判定する
(s4 )。続いて、走行車13の停止を確認するため、
所定時間励磁を停止(s5 )した後、再び両方のセンサ
31ba,31bbが走行車13を検出している否かを
判定する(s6 )。このとき、走行車13が停止位置に
ない場合には、走行車13を検出しているセンサの方側
から検出していないセンサの方側に向けて所定の速度で
移動する移動磁界を発生するようにリニア誘導モ−タ固
定子15bの固定子巻線18bをインバ−タ装置33b
の出力で励磁する(s7 )。この制御によって、走行車
13は停止位置に戻される。かくして、走行車13がス
テップ(s6 )で停止位置にあることが確認された時点
で固定子巻線18bの励磁を停止し、停止制御を終了す
る。
【0027】また、停止している走行車13を走行させ
るときは次のように制御する。すなわち、発進指令が与
えられて発進制御が開始されると、コントロ−ラ34b
は、所定の走行方向に所定速度の移動磁界が発生するよ
うに固定子巻線18bをインバ−タ装置33bの出力で
励磁する。この場合、両方のセンサ31ba,31bb
が走行車13を検出しなくなった時点で固定子巻線18
bの励磁を停止し、発進制御を終了する。
【0028】このように、走行車13に搭載された高温
超電導体23の内部に、所定の磁束分布パターンの磁場
をピン止め効果によって保持させているので、走行車1
3にマイスナー効果を利用したものより大きい浮上力と
案内力とを作用させることができ、軌道12から外れな
いように走行車13を浮上させることができる。また、
走行車13に、その速度と異なる速度の移動磁界を印加
すると、搭載されている高温超電導体23の内部に大き
な渦電流が発生する。このため、軌道12を構成してい
る永久磁石列の下方にリニア誘導モ−タ固定子を配置し
た簡単な構成でも走行車13に充分な推進力を与えるこ
とができ、走行車13を所望の速度で安定に走行させる
ことができる。また、軌道12の高さと同じ高さのピン
止めステーション40を軌道12に連設関係に設け、こ
のステーション40で前述した磁束密度が得られる磁場
を印加して高温超電導体23に磁束をピン止めさせるよ
うにしている。したがって、大型の走行車13の場合で
も、その扱いを容易化できる。
【0029】図6には本発明の別の実施例に係る磁気浮
上式走行装置1aが局部的に示されている。なお、図1
と同一部分は同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0030】この実施例に係る磁気浮上式走行装置1a
が図1に示した磁気浮上式走行装置と異なる点はピン止
めステーション40aの構成にある。
【0031】ピン止めステーション40aは、軌道12
の上面を延長させる形に長めのスペーサ42aを配置
し、このスペーサ42aの遊端部側の下にピン止め磁場
発生部41、磁石支持板43および台座44を配置し、
実際にピン止めに供される位置を軌道12から距離的に
離している。なお、図中50はスペーサ42aの上面を
軌道12の上面の高さに合わせるための支持部材を示し
ている。
【0032】このような構成であると、軌道12上を走
行中の走行車13が誤ってピン止めステーション40a
に突入しても、ピン止め磁場発生部41の手前で走行車
13が落下停止するので、ピン止め磁場発生部41上に
他の走行車が存在している場合でも、これに衝突するの
を防止することができる。
【0033】図7には本発明の別の実施例に係る磁気浮
上式走行装置1bの局部的な構成が示されている。
【0034】この実施例に係る磁気浮上式走行装置1b
が先に示した実施例と異なる点は、走行車13に推進力
を与える手段およびピン止めステーション40bの位置
ならびに構成にある。
【0035】この実施例では、軌道12aの上面に絶縁
板51を配置し、この絶縁板51の上面にリニア誘導モ
ータ固定子の代わりに3相コイル52をプリント配線で
設け、リニア同期モータ固定子53を構成している。一
方、ピン止めステーション40bは、軌道12aの途中
に設置され、軌道12aを構成している永久磁石14の
一部をピン止め磁場発生部に兼用させている。すなわ
ち、ピン止めステーション40bは、上下に伸縮自在な
アクチュエータ54の上面に軌道12aの一部を構成し
ている永久磁石14を固定し、この固定された永久磁石
14でピン止め磁界発生部41aを構成している。した
がって、ピン止め磁界発生部41aの上方に位置してい
る絶縁板51aはブリッジを構成している。
【0036】走行車13に搭載された高温超電導体23
に磁束をピン止めするときには、アクチュエータ54を
縮ませてピン止め磁場発生部41aを下げた状態で実行
する。磁束をピン止めさせた後に、アクチュエータ54
を伸ばし、ピン止め磁場発生部41aの永久磁石14を
軌道12aを構成している他の永久磁石14と同じ高さ
にまで上昇させると、それに伴って走行車13がブリッ
ジを構成している絶縁板51aの上面より浮上する。し
たがって、この状態でリニア同期モータ固定子53の3
相コイル52を所定周波数で励磁すれば、走行車13を
同期速度で走行させることができる。
【0037】このような推進構成およびピン止めステー
ション構成を採用してもよい。
【0038】図8には本発明の別の実施例に係る磁気浮
上式走行装置1cの局部的な構成が示されている。な
お、図1と同一部分は同一符号で示し、詳しい説明は省
略する。
【0039】図1に示した例では、走行車13に搭載さ
れている高温超電導体23に磁束をピン止めした後に走
行車13を手動で軌道12上に移動させているが、この
実施例では磁気力で走行車13を軌道12上に移動させ
るようにしている。すなわち、この実施例では、走行車
13の下面4隅に車輪60を設けるとともにピン止めス
テーション40cのピン止め磁場発生部41の下にリニ
ア誘導モータ固定子61を配置している。このリニア誘
導モータ固定子61は、磁極面を上方に向けて配置され
た固定子鉄心62と、この固定子鉄心62の磁極面に形
成されたスリット溝に装着された3相の固定子巻線63
とで構成されている。そして、固定子巻線63の入力端
は図示しないインバータ装置に接続されている。また、
ベース11上でピン止めステーション40cの側方位置
にピン止めステーション40cに走行車13が位置して
いるか否かを非接触で検出するためのセンサ64を配置
している。
【0040】このように構成された装置では、走行車1
3をピン止めステーション40c上に位置させ、走行車
13に搭載されている高温超電導体23に磁束をピン止
めした後に、固定子巻線63を励磁すると、発生した移
動磁界によって走行車13に推進力が作用し、走行車1
3を軌道12上へ移動させることができる。なお、セン
サ64の出力に基いて走行車13が軌道12上へ移った
ことが確認された時点で固定子巻線63の励磁が停止さ
れる。
【0041】このように構成すると、人手を煩わせるこ
となく、走行車13を軌道12上へスムーズに移動させ
ることができる。
【0042】図9には本発明の別の実施例に係る磁気浮
上式走行装置1dの局部的な構成が示されている。な
お、図1と同一部分は同一符号で示し、詳しい説明は省
略する。
【0043】この実施例に係る磁気浮上式走行装置1d
が先に示した実施例と異なる点は、ピン止めステーショ
ン40dの位置ならびに構成にある。
【0044】すなわち、この実施例ではピン止めステー
ション40dを軌道12に連設させ、かつ軌道12の側
方に配置している。ステーション40dの上部には、ギ
アボックス71を介してモータ72によって駆動される
複数のローラ73が軌道12の延びる方向と平行に、か
つそれぞれの上端が軌道12の上面より僅かに突出する
関係に配列されている。すなわち、この例では上記各要
素で構成された、いわゆるローラ式搬送機構74を使っ
て走行車13を軌道12上へ移動させるようにしてい
る。
【0045】このような構成であると、軌道12の経路
をループ状に形成することが可能になる。なお、ローラ
式搬送機構74の代わりに、図10に示すように各ロー
ラ73を覆う無端ベルト75を備えた、いわゆるベルト
コンベア式搬送機構76を用いてもよい。
【0046】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。すなわち、上述した実施例では、走行
車に円板状に形成された高温超電導体を搭載している
が、この形状に限定されるものではなく、たとえば図1
1に示すように、コイル状に形成された高温超電導体2
3aを搭載してもよく、その形状はどのようなものでも
よい。コイル状に形成した場合には、コイルを貫く磁束
を一定に保つようにコイルに電流が流れ、ピン止め効果
と同様に、マイスナー効果より大きな浮上力および案内
力が得られる。また、高温超電導体を容器内に固定する
手段としては、バネ部材の使用に限らず、図11に示す
ように接着剤で固定してもよいし、他の固定手段で固定
してもよい。
【0047】また、上述した実施例では、中央2列の上
面がS極に、両側1列の上面がN極になるように複数の
永久磁石を配列して、いわゆる軌道側の磁場発生部を構
成しているが、走行車13をピン止め効果により浮上さ
せることができる磁場を発生できる構成であれば、その
形状、材質、配置構成が制限されるものではない。
【0048】また、上述した実施例では、走行車に4つ
の高温超電導体を搭載しているが、この数に限定される
ものではない。
【0049】また、上述した実施例では、リニア誘導モ
−タ固定子を不連続に設けているが、この配置に限定さ
れるものではなく、軌道の全長に亘ってリニア誘導モ−
タ固定子を設けるようにしてもよい。
【0050】その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変更して実施することができる。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、高
温超電導要素のピン止め効果を利用して走行車を浮上、
案内させるようにしているので、マイスナー効果を利用
したものに較べて大きな浮上力および案内力を走行車に
作用させることができ、外力に対する安定性を向上させ
ることができる。また、軌道に連設させてピン止めステ
ーションを設けているので、扱いやすく応用性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る磁気浮上式走行装置を
局部的に取出して示す概略斜視図。
【図2】同走行装置の走行制御系を説明するための図。
【図3】同走行装置における走行車を一部切欠して示す
斜視図。
【図4】同走行装置の走行制御系の動作を説明するため
の流れ図。
【図5】同走行装置の軌道構成および同装置におけるピ
ン止めステーションの磁石配置を説明するための平面
図。
【図6】本発明の別の実施例に係る磁気浮上式走行装置
を局部的に取出して示す概略斜視図。
【図7】本発明のさらに別の実施例に係る磁気浮上式走
行装置を局部的に取出して示す概略斜視図。
【図8】本発明の異なる実施例に係る磁気浮上式走行装
置を局部的に取出して示す概略斜視図。
【図9】本発明のさらに異なる実施例に係る磁気浮上式
走行装置を局部的に取出して示す概略斜視図。
【図10】本発明の別の実施例に係る磁気浮上式走行装
置を局部的に取出して示す概略斜視図。
【図11】走行車の他の例を一部切欠して示す斜視図。
【符号の説明】
1、1a,1b,1c,1d,1e…磁気浮上式走行装
置、11…ベース、 12,12a…軌道、13,1
3a…走行車、 14…永久磁石、15a…
リニア誘導モ−タ固定子、 15b…リニア誘導モ−タ
固定子、17a,17b…固定子鉄心、 18a,
18b…固定子巻線、22…容器、 23,23a
…高温超電導体、31aa,31ab…センサ、
31ba,31bb…センサ、33a,33b…インバ
ータ装置、 34a,34b…コントローラ、40,4
0a,40b,40c,40d,40e…ピン止めステ
ーション、41,41a…ピン止め磁場発生部、45…
永久磁石、51…絶縁板、 52…3相コイル、53…
リニア同期モータ固定子、 60…車輪、61…リニ
ア誘導モータ固定子、 74…ローラ式搬送機構、7
6…ベルトコンベア式搬送機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−109803(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 13/03 - 13/10 B65G 54/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経路に沿って上記経路と直交する方向に定
    められたパターンに磁束が分布する磁場を形成する磁場
    発生手段を備えた軌道と、この軌道上に走行自在に配置
    された走行車と、ピン止め効果で定められたパターンに
    磁束が分布する磁場を保持し、前記走行車に搭載されて
    前記磁場発生手段で形成された磁場との間に生じる磁気
    力で上記走行車に浮上力および案内力を与える高温超電
    導要素と、前記軌道に近接して設けられ、前記高温超電
    導要素との間に生じる磁気力で前記走行車に非接触に推
    進力を与える推進手段と、前記高温超電導要素に磁束を
    ピン止めさせるための磁場を発生するピン止め磁場発生
    手段を備えるとともに前記軌道に連設されたピン止めス
    テーションとを具備し、前記ピン止めステーションは、
    前記高温超電導要素が常電導状態にある条件で、前記走
    行車をピン止め場所に位置させたときに上記高温超電導
    要素内における磁束密度が、上記走行車を前記軌道上に
    位置させたときに上記高温超電導要素内の同一場所にお
    ける磁束密度より小さくなる関係に前記ピン止め磁場発
    生手段で発生した磁場を上記高温超電導要素に印加する
    ものであることを特徴とする磁気浮上式走行装置。
  2. 【請求項2】前記ピン止めステーションは、前記軌道の
    末端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の磁気浮上式走行装置。
  3. 【請求項3】前記ピン止めステーションは、前記軌道の
    側部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の磁気浮上式走行装置。
  4. 【請求項4】前記ピン止めステーションは、その上面が
    前記軌道の上面と同じ高さレベルに形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気浮上式走行装置。
  5. 【請求項5】前記ピン止めステーションは、上面が前記
    軌道の上面に連続して繋がるブリッジを備え、このブリ
    ッジの下方に配置された前記ピン止め磁場発生手段が前
    記軌道の磁場発生手段の一部と兼用されていることを特
    徴とする請求項1に記載の磁気浮上式走行装置。
  6. 【請求項6】前記ピン止めステーションは、前記ブリッ
    ジの下方に配置された前記ピン止め磁場発生手段を上下
    方向に移動させるアクチュエータを備えていることを特
    徴とする請求項5に記載の磁気浮上式走行装置。
  7. 【請求項7】前記ピン止めステーションは、ピン止め終
    了後の前記走行車に移動力を与えて上記走行車を前記軌
    道上へ移動させるステーション内移動手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気浮上式走行装
    置。
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