JP2021169638A - スパッタリングターゲット、および、スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常放電およびパーティクルの発生を抑制することができ、安定してGe−Sb−Te合金膜を成膜可能なスパッタリングターゲット、および、このスパッタリングターゲットの製造方法を提供する。【解決手段】GeとSbとTeを含有するスパッタリングターゲットであって、Sの含有量が50massppm超え500massppm以下の範囲内とされている。GeとSbとTeを含有するスパッタリングターゲットの製造方法であって、GeとSbとTeを含む合金インゴットを得る合金インゴット作製工程と、前記合金インゴットを粉砕して合金粉を得る粉砕工程と、粉砕した合金粉に硫黄原料を添加して混合し、焼結原料粉を得る混合工程と、前記焼結原料粉を焼結して焼結体を得る焼結工程と、を備えている。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、相変化記録媒体や半導体不揮発メモリの記録膜として利用可能なGe−Sb−Te合金膜を成膜する際に用いられるスパッタリングターゲット、および、このスパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
一般に、DVD−RAMなどの相変化記録媒体や半導体不揮発メモリ(Phase Change RAM(PCRAM))などにおいては、相変化材料からなる記録膜が用いられている。この相変化材料からなる記録膜においては、レーザー光照射による加熱またはジュール熱によって、結晶/非晶質間の可逆的な相変化を生じさせて、結晶/非晶質間の反射率または電気抵抗の違いを1と0に対応させることにより、不揮発の記憶を実現している。
ここで、相変化材料からなる記録膜として、Ge−Sb−Te合金膜が広く使用されている。
上述のGe−Sb−Te合金膜は、例えば特許文献1,2に示すように、スパッタリングターゲットを用いて成膜される。
特許文献1,2に記載されたスパッタリングターゲットにおいては、所望の組成のGe−Sb−Te合金のインゴットを作製し、このインゴットを粉砕してGe−Sb−Te合金粉とし、得られたGe−Sb−Te合金粉を加圧焼結する、いわゆる粉末焼結法によって製造されている。
特開2010−236095号公報 特許第5420594号公報
ところで、特許文献1,2に記載されたスパッタリングターゲットにおいては、スパッタ成膜時に、異常放電およびパーティクルが発生し、安定してスパッタ成膜を行うことができないことがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、異常放電およびパーティクルの発生を抑制することができ、安定してGe−Sb−Te合金膜を成膜可能なスパッタリングターゲット、および、このスパッタリングターゲットの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、Ge−Sb−Te合金粉を焼結した際に、合金相とともに金属Ge相が形成され、この金属Ge相が酸化して酸化Ge相が形成され、この酸化Ge相を起因として異常放電およびパーティクルが発生することが分かった。また、Ge,Sb,Teに加えてさらにInを添加した場合には、焼結時に、金属In相が形成され、この金属In相が酸化して酸化In相が形成され、この酸化In相を起因として異常放電およびパーティクルが発生することが分かった。
そこで、スパッタリングターゲットに硫黄を適量添加して金属Ge相を硫化させることにより、酸化Ge相の生成を抑制でき、異常放電およびパーティクルの発生を抑制可能であるとの知見を得た。
また、Inを添加した場合にも、硫黄を適量添加して金属In相を硫化させることにより、酸化In相の生成を抑制可能であるとの知見を得た。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明のスパッタリングターゲットは、GeとSbとTeを含有するスパッタリングターゲットであって、Sの含有量が50massppm超え500massppm以下の範囲内とされていることを特徴としている。
本発明のスパッタリングターゲットによれば、Sの含有量が50massppm超えとされているので、金属Ge相を硫化させることによって酸化Ge相の生成を抑制でき、スパッタ成膜時において、酸化Ge相に起因した異常放電およびパーティクルの発生を抑制することが可能となる。また、Sの含有量が500massppm以下に制限されているので、余剰な硫黄分による異常放電の発生を抑制することができる。
ここで、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、さらにInを含有していてもよい。
この場合、GeとSbとTeに加えてInを含有しているが、上述のようにSの含有量が50massppm超え500massppm以下の範囲内にされているので、焼結時に酸化In相が生成することが抑制でき、スパッタ成膜時において、酸化In相に起因した異常放電およびパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、酸素含有量が1000massppm以下であることが好ましい。
この場合、酸素含有量が1000massppm以下に制限されているので、酸化Ge相および酸化In相が多く存在せず、スパッタ成膜時において、酸化Ge相および酸化In相に起因した異常放電およびパーティクルの発生を確実に抑制することが可能となる。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、GeとSbとTeを含有するスパッタリングターゲットの製造方法であって、GeとSbとTeを含む合金インゴットを得る合金インゴット作製工程と、前記合金インゴットを粉砕して合金粉を得る粉砕工程と、粉砕した合金粉に硫黄原料を添加して混合し、焼結原料粉を得る混合工程と、前記焼結原料粉を焼結して焼結体を得る焼結工程と、を備えていることを特徴としている。
この構成のスパッタリングターゲットの製造方法によれば、粉砕した合金粉に硫黄原料を添加して混合し、焼結原料粉を得る混合工程と、前記焼結原料粉を焼結して焼結体を得る焼結工程と、を備えているので、焼結工程において金属Ge相を硫化させることで酸化Ge相の生成を抑制することができる。
ここで、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法においては、前記合金インゴット作製工程では、GeとSbとTeとInを含む合金インゴットを作製する構成としてもよい。
この場合、GeとSbとTeに加えてInを含有したスパッタリングターゲットを製造することが可能となる。また、焼結原料粉に硫黄原料が混合されているので、焼結工程において金属In相を硫化させることで酸化In相の生成を抑制することができる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法においては、前記焼結工程では、280℃以上350℃以下の低温領域で1時間以上6時間以下保持し、その後、560℃以上590℃以下の焼結温度にまで加熱して6時間以上15時間以下保持する構成とすることが好ましい。
この場合、280℃以上350℃以下の低温領域で1時間以上6時間以下保持しているので、焼結原料粉を十分に乾燥させることができ、スパッタリングターゲットの酸素含有量を1000massppm以下に低減することが可能となる。
本発明によれば、異常放電およびパーティクルの発生を抑制することができ、安定してGe−Sb−Te合金膜を成膜可能なスパッタリングターゲット、および、このスパッタリングターゲットの製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態であるスパッタリングターゲットの製造方法を示すフロー図である。
以下に、本発明の一実施形態であるスパッタリングターゲットについて図面を参照して説明する。
本実施形態であるスパッタリングターゲットは、例えば、相変化記録媒体や半導体不揮発メモリの相変化記録膜として用いられるGe−Sb−Te合金膜を成膜する際に用いられるものである。ただし、本発明により得られるGe−Sb−Te合金膜は、相変化記録媒体や半導体不揮発メモリの相変化記録膜として用いられるものに限定はされず、必要な場合には、他の用途に用いることも可能である。
本実施形態であるスパッタリングターゲットは、GeとSbとTeを主成分として含有するものであり、さらにInを含有していてもよい。
本実施形態では、具体的には、Geを5mass%以上30mass%以下、Sbを10mass%以上40mass%以下、Sを50massppm超え500massPPm以下、残部がTe及び不可避不純物である組成とされている。なお、Inを10mass%以下含有していてもよい。
ここで、Ge含有量の下限は7mass%以上とすることがより好ましく、10mass%以上とすることがさらに好ましい。Ge含有量の上限は20mass%以下とすることがより好ましく、15mass%以下とすることがさらに好ましい。
また、Sb含有量の下限は15mass%以上とすることがより好ましく、20mass%以上とすることがさらに好ましい。Sb含有量の上限は30mass%以下とすることがより好ましく、25mass%以下とすることがさらに好ましい。
さらに、In含有量の上限は7mass%以下とすることがより好ましく、4mass%以下とすることがさらに好ましい。
そして、本実施形態であるスパッタリングターゲットにおいては、上述のように、Sの含有量が50massppm超え500massppm以下の範囲内とされている。
なお、Sの含有量の下限は、80massppm以上とすることが好ましく、100massppm以上とすることがより好ましい。一方、Sの含有量の上限は、400massppm以下とすることが好ましく、300massppm以下とすることがより好ましい。
さらに、本実施形態であるスパッタリングターゲットにおいては、酸素含有量が1000massppm以下であることが好ましい。
なお、酸素含有量は、800massppm以下とすることがさらに好ましく、600massppm以下とすることがより好ましい。特に制限はないが、下限は例えば50massppm以上である。
ここで、本実施形態であるスパッタリングターゲットにおいては、硫化Ge相が存在している。なお、Inを含有する場合には、スパッタリングターゲットにおいては、硫化Ge相と硫化In相が存在している。
これら硫化Ge相および硫化In相は、後述の焼結工程の焼結時において、金属Ge相および金属In相が混合した硫黄(S)と反応することによって生成したものである。
このように、スパッタリングターゲットにおいて硫化Ge相および硫化In相が存在することにより、酸化Ge相および酸化In相の生成が抑制されている。
次に、本実施形態であるスパッタリングターゲットの製造方法について、図1のフロー図を参照して説明する。
(合金インゴット作製工程S01)
まず、Ge原料とSb原料とTe原料を、所定の配合比となるように秤量する。なお、必要に応じて、In原料を添加する。
Ge原料、Sb原料、Te原料、In原料は、それぞれ純度99.9mass%以上のものを用いることが好ましい。
Ge原料とSb原料とTe原料およびIn原料の配合比は、成膜するGe−Sb−Te合金膜における最終目標組成に応じて、適宜、設定する。
上述のように秤量したGe原料とSb原料とTe原料を、溶解炉に装入して溶解する。Ge原料とSb原料とTe原料の溶解は、真空中あるいは不活性ガス雰囲気(例えばArガス)にて行う。真空中で行う場合には、真空度を10Pa以下とすることが好ましい。不活性ガス雰囲気で行う場合には、10Pa以下までの真空置換を行い、その後、不活性ガス(例えばArガス)を大気圧以下の圧力まで導入することが好ましい。
得られた溶湯を鋳型に注湯して、Ge−Sb−Te合金インゴットを得る。鋳造法には、特に制限はない。
(粉砕工程S02)
次に、上述のGe−Sb−Te合金インゴットを、不活性ガス(例えばArガス)の雰囲気中で粉砕し、平均粒径が0.1μm以上120μm以下のGe−Sb−Te合金粉を得る。Ge−Sb−Te合金インゴットの粉砕方法に特に制限はなく、ハンマーミルや振動ミルを適用することができる。
(混合工程S03)
次に、粉砕したGe−Sb−Te合金粉に硫黄原料を添加して混合し、焼結原料粉を得る。なお、混合方法に特に制限はなく、ボールミル等を適用することができる。
ここで、硫黄原料としては、硫黄単体、あるいは、硫化Ge,硫化Sb,硫化Te、硫化In等を用いることができる。硫化物の取り扱い性の観点から、硫黄原料は、硫化Geあるいは硫化Inを用いることが好ましい。
(焼結工程S04)
次に、上述のようにして得られた焼結原料粉を、成形型に充填し、加圧しながら加熱して焼結し、焼結体を得る。なお、焼結方法としては、ホットプレス、あるいは、HIP等を適用することができる。
この焼結工程S04においては、280℃以上350℃以下の低温領域で1時間以上6時間以下保持して焼結原料粉表面の水分を除去し、その後560℃以上590℃以下の焼結温度まで昇温して6時間以上15時間以下保持し、焼結を進行させることが好ましい。
ここで、焼結工程S04における低温領域での保持時間を1時間以上とすることにより、水分を十分に除去することができ、得られた焼結体における酸素含有量を低減することが可能となる。一方、低温領域での保持時間を6時間以下とすることにより、Ge−Sb−Te合金粉が変質することを抑制できる。
そこで、本実施形態では、低温領域での保持時間を1時間以上6時間以下の範囲内に設定している。
なお、焼結工程S04における低温領域での保持時間の下限は1.5時間以上とすることがさらに好ましく、2時間以上とすることがより好ましい。一方、焼結工程S04における低温領域での保持時間の上限は5.5時間以下とすることがさらに好ましく、5時間以下とすることがより好ましい。
また、焼結工程S04における焼結温度での保持時間を6時間以上とすることにより、焼結を十分に進行させることができる。一方、焼結工程S04における焼結温度での保持時間を15時間以下とすることにより、焼結が必要以上に進行することを抑制できる。
そこで、本実施形態では、焼結工程S04における焼結温度での保持時間を6時間以上15時間以下の範囲内に設定している。
なお、焼結工程S04における焼結温度での保持時間の下限は7時間以上とすることがさらに好ましく、8時間以上とすることがより好ましい。一方、焼結工程S04における焼結温度での保持時間の上限は14時間以下とすることがさらに好ましく、12時間以下とすることがより好ましい。
(機械加工工程S05)
次に、得られた焼結体に対して、所定サイズとなるように、機械加工を行う。
以上の工程により、本実施形態であるスパッタリングターゲットが製造される。
以上のような構成とされた本実施形態であるスパッタリングターゲットによれば、Sの含有量が50massppm超えとされているので、金属Ge相および金属In相を硫化させることによって酸化Ge相および酸化In相の生成を抑制でき、スパッタ成膜時において、酸化Ge相および酸化In相に起因した異常放電およびパーティクルの発生を抑制することが可能となる。また、Sの含有量が500massppm以下に制限されているので、余剰な硫黄分による異常放電の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態において、酸素含有量が1000massppm以下である場合には、酸化Ge相および酸化In相が多く存在しておらず、スパッタ成膜時において、酸化Ge相および酸化In相に起因した異常放電およびパーティクルの発生を確実に抑制することが可能となる。
本実施形態であるスパッタリングターゲットの製造方法によれば、GeとSbとTeを含むGe−Sb−Te合金インゴットを得る合金インゴット作製工程S01と、Ge−Sb−Te合金インゴットを粉砕してGe−Sb−Te合金粉を得る粉砕工程S02と、粉砕したGe−Sb−Te合金粉に硫黄原料を添加して混合し、焼結原料粉を得る混合工程S03と、硫黄を含む焼結原料粉を焼結して焼結体を得る焼結工程S04と、を備えているので、焼結工程S04において金属Ge相および金属In相を硫化させることで酸化Ge相および酸化In相の生成を抑制することができる。よって、異常放電およびパーティクルの発生を抑制し、安定してスパッタ成膜することが可能なスパッタリングターゲットを製造することができる。
さらに、本実施形態において、焼結工程S04で、280℃以上350℃以下の低温領域で1時間以上6時間以下保持し、その後、560℃以上590℃以下の焼結温度にまで加熱して6時間以上15時間以下保持する構成とした場合には、焼結原料粉を十分に乾燥させることができ、スパッタリングターゲットの酸素含有量を1000massppm以下に低減することができ、酸化Ge相および酸化In相に起因した異常放電およびパーティクルの発生を抑制し、安定してスパッタ成膜することが可能なスパッタリングターゲットを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
(スパッタリングターゲット)
溶解原料として、それぞれ純度99.9mass%以上のGe原料,Sb原料,Te原料,In原料を準備した。これらGe原料,Sb原料,Te原料,In原料を、表1に示す配合比で秤量した。秤量したGe原料とSb原料とTe原料とIn原料を、溶解炉に装入し、常圧のArガス雰囲気中で溶解し、得られた溶湯を鉄製の鋳型に注湯して、常温まで自然冷却させてGe−Sb−Te合金インゴットを得た。インゴットのサイズは90mm×50mm×40mmとした。
得られたGe−Sb−Te合金インゴットを、常圧のArガス雰囲気中で振動ミルを用いて粉砕し、90μmの篩にかけて通過したGe−Sb−Te合金粉を得た。
このGe−Sb−Te合金粉に表1に示す硫黄原料を添加し、ボールミル装置を用いて混合して焼結原料粉を得た。なお、硫黄原料の添加量は、S、Ge、Inが表1に示す含有量となるように調整した。
得られた焼結原料粉を、カーボン製のホットプレス用成形型に充填し、5Paの真空雰囲気で、表2に示す温度、保持時間で保持した後、表2に示す焼結温度、焼結温度での保持時間で、加圧焼結(ホットプレス)を実施し、焼結体を得た。得られた焼結体を機械加工し、評価用のスパッタリングターゲット(126mm×178mm×6mm)を製造した。そして、以下の項目について評価した。
(スパッタリングターゲットの成分組成)
得られたスパッタリングターゲットから分析試料を採取し、成分分析を実施した。SはICP分析によって分析した。結果を表3に示す。
(異常放電)
上述のスパッタリングターゲットを、Cu製のバッキングプレートにInはんだを用いてボンディングした。これを、マグネトロンスパッタ装置に取り付け、DC電源で4W/cmの電力密度で1時間スパッタを行い、スパッタ時の異常放電回数を、MKSインスツルメンツ社製DC電源(型番:RPG−50A)のアークカウント機能により、放電開始から1時間の異常放電回数として計測した。評価結果を表3に示す。
Figure 2021169638
Figure 2021169638
Figure 2021169638
Sの含有量が532massppmとされた比較例1およびSの含有量が516massppmとされた比較例2においては、異常放電回数が18回/時間および13回/時間と多くなった。比較例1,2においては、硫化物に起因して異常放電が発生したと推測される。
Sの含有量が48massppmとされた比較例3においては、異常放電回数が15回/時間と多くなった。比較例3においては、酸化Ge相に起因して異常放電が発生したと推測される。
これに対して、Sの含有量が50massppm超え500massppm以下の範囲内とされた本発明例1〜5においては、異常放電回数が1回/時間以下となっており、安定してスパッタ成膜することが可能であった。なお、本発明例6,7においては、Ge,Sb,Teに加えてInを添加したが、Sの含有量が50massppm超え500massppm以下の範囲とすることで、異常放電回数が0回/時間となっており、安定してスパッタ成膜することが可能であった。
以上のように、本発明例によれば、異常放電およびパーティクルの発生を抑制することができ、安定してGe−Sb−Te合金膜を成膜可能なスパッタリングターゲット、および、このスパッタリングターゲットの製造方法を提供可能であることが確認された。

Claims (6)

  1. GeとSbとTeを含有するスパッタリングターゲットであって、
    Sの含有量が50massppm超え500massppm以下の範囲内とされていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. さらにInを含有することを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 酸素含有量が1000massppm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. GeとSbとTeを含有するスパッタリングターゲットの製造方法であって、
    GeとSbとTeを含む合金インゴットを得る合金インゴット作製工程と、
    前記合金インゴットを粉砕して合金粉を得る粉砕工程と、
    粉砕した合金粉に硫黄原料を添加して混合し、焼結原料粉を得る混合工程と、
    前記焼結原料粉を焼結して焼結体を得る焼結工程と、
    を備えていることを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 前記合金インゴット作製工程では、GeとSbとTeとInを含む合金インゴットを作製することを特徴とする請求項4に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 前記焼結工程では、280℃以上350℃以下の低温領域で1時間以上6時間以下保持し、その後、560℃以上590℃以下の焼結温度にまで加熱して6時間以上15時間以下保持することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
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