JP2021169593A - エポキシ樹脂粉体塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】室温より高温下で保管しても、塗料性状変化が少なく塗装塗膜が均一で平滑良好な管内面用等として適したエポキシ樹脂粉体塗料を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、及び顔料を含むエポキシ樹脂粉体塗料であって、融点が130〜200℃の硬化剤を必須成分として含有し、200℃におけるゲルタイムが30〜70秒であることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料【選択図】なし

Description

本発明は管内面用に適したエポキシ樹脂粉体塗料に関する。詳しくは、放冷硬化性に優れ、塗装外観、耐食性、機械強度に優れた塗膜を得ることのできる管内面用に適した粉体塗料であって、高温保管後も塗料性状の変化が少なく塗膜性能を発現する、即ち貯蔵安定性に優れる粉体塗料を提供することに関する。
現在産業・生活施設として埋設されているガス、水道、石油、ケーブル保護管等は、管内面を防食処理されているが、中でも上下水道用に使用される管の内面には、その防食性の高さからエポキシ樹脂脂粉塗料が使用されている。
埋設管に対するエポキシ樹脂粉体塗料の塗装方法としては、回転吹き付け法、静電塗装法、流動浸漬法、減圧吸引法、溶射法が用いられる。一般的に被塗物であるダクタイル鋳鉄管を150〜250℃に予熱し、塗装台に設置し直管等は回転させた状態又は異形管等は吊り下げた状態で、空気搬送又は減圧下吸引した粉体塗料をその管内面に吹き付ける事により塗膜層を形成し、予熱と同温度で10〜20分程度の後加熱、或いは後加熱なしの放冷により硬化塗膜を得るものである。
一方、エポキシ粉体塗料は、一般にビスフェノール型固形エポキシ樹脂を、イミダゾールやジシアンジアミド等のアミン類や酸無水物等の硬化剤で反応硬化させており、反応性や被塗物への密着性等信頼性が高い利点はあるが、長期保管時又は高温環境下に保管した時に塗料性状が変化しやすくなる欠点を有している。保管温度が室温より高い場合に変化度合いが顕著となる傾向があり、場合によってはブロッキングし塗装性に影響をもたらすことや、塗装後の塗膜平滑性に不具合が生じてしまうことがあり課題となっている。
特許文献1は、ビスフェノール樹脂の末端基の制御による貯蔵安定性を提案しているが、工数が増える不利が生じ、工業化するには樹脂品質の安定性も含め課題があった。
特許文献2でも、貯蔵安定性向上にホウ酸エステル化合物の添加を提案されているが、イミダゾールの活性を抑制するため放冷硬化においては、硬化不足になる懸念がある。
特開平11−209652号公報 特開2008−248100号公報
本発明は、放冷硬化性に優れ、長期保管、高温下保管後も塗料性状の変化が少なく塗膜性能を発現する、塗装外観、耐食性、機械強度に優れた塗膜を得ることのできる管内面用等に適したエポキシ樹脂粉体塗料を提供するものである。
本発明者らは、特定の融点以上の硬化剤を選定することで製造後長期貯蔵時又は室温より高温下に保管した時においても塗料性状の変化が少なくできることを見出し、上記課題を解決できる本発明に至った。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び顔料を含むエポキシ樹脂粉体塗料であって、融点が130〜200℃の硬化剤を必須成分として含有し、200℃におけるゲルタイムが30〜70秒であることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料である。
前記硬化剤は、イミダゾール誘導体及び/又は有機酸ヒドラジド類が好ましく、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.1〜10部含むことが好ましい。
前記エポキシ樹脂は、固形のビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、エポキシ当量は700〜3000g/eq.が好ましく、軟化点は70〜130℃が好ましい。
前記エポキシ樹脂は、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
前記エポキシ樹脂粉体塗料は、直管又は異形管の塗装に用いられることが好ましい。
また、本発明は、前記エポキシ樹脂粉体塗料で塗装された直管又は異形管である。
本発明によれば、放冷硬化性に優れ、塗装外観、耐食性、機械強度に優れた塗膜を得ることのできる管内面用に適した粉体塗料であって、長期保管時又は高温環境下に保管した時にも塗料性状の変化が少なく塗膜性能を発現する、即ち貯蔵安定性に優れる粉体塗料を提供できる。
以下、本発明を具体的に説明する。本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び顔料を必須成分として含有する。なお、本発明において硬化剤とは、エポキシ樹脂と架橋反応に寄与する物質を示す。本発明においては、通常「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂の架橋反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
本発明で使用する硬化剤は、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部の範囲で配合する。好ましくは0.3〜7質量部の範囲であり、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。硬化剤がこの範囲未満であると、放冷硬化において硬化不足となり、塗膜性能としての密着性が劣り、この範囲を超えると硬化速度が速くなり、塗膜の平滑性を損なう恐れがある。
本発明で使用する硬化剤としては、貯蔵安定性又は高温保管時の塗膜性状を維持するため、融点が130〜200℃の硬化剤を必須成分として含有する。更に好ましくは融点が150〜195℃、より好ましくは170〜190℃の硬化剤である。特に、硬化剤中、融点170〜190℃の硬化剤を70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有するとよい。
融点が130〜200℃の硬化剤であれば、その種類は特に限定されないが、イミダゾール誘導体又は有機酸ヒドラジド類から選択される少なくとも1つが好ましい。
イミダゾール誘導体としては、例えば、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾールや、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物や、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン等のトリアジン環含有物等が挙げられる。これらの中では、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン又は2−フェニル−4−メチルイミダゾールが好ましい。なお、イミダゾール誘導体は触媒能を有するため、一般的には硬化促進剤にも分類されうるが、本発明においては硬化剤として分類するものとする。
有機酸ヒドラジド類としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。これらの中では、アジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
これらの硬化剤であれば、粉体塗料とした場合、特定のゲルタイムを効果が得られる範囲にする調整が簡単にでき、塗膜外観が良好で、機械特性、防食性等の基本物性も良好な塗膜が得られ、かつ長期保存又は室温より高温下で保管しても塗料性状の変化が少ない粉体塗料が得られる。
また、硬化剤を2種以上使用する場合、融点が130℃以下の硬化剤も硬化剤中で10質量%未満であれば、併用を妨げるものではない。10質量%以上では貯蔵による塗料性状の変化が大きくなる。200℃以上の融点を持つ硬化剤も、放冷硬化性を損なわない範囲で併用を妨げるものではない。なお、特性を損なわない範囲で、イミダゾリン誘導体、変性芳香族アミンアダクト、トリメリット酸とエチレングリコールを主体とした酸無水物の併用も妨げるものではない。
エポキシ樹脂粉体塗料の200℃におけるゲルタイムは、30〜70秒の範囲であり、好ましくは30〜50秒の範囲である。150〜250℃に予熱された鋳鉄管内面に塗装する場合、ゲルタイムが早いと塗膜が溶融し平滑になる前に硬化、流動性を損ない、塗膜外観が凹凸になる恐れやざらつく恐れがあり、遅いと塗装終了後硬化が不十分となり、管の端部等にタレを生じ、膜厚が不均一となる恐れがあり、また後加熱を施さないと十分な塗膜物性を発現しない恐れがある。200℃におけるゲルタイムが30〜70秒であると塗装後の加熱がなくとも、塗膜外観が良好で、機械特性、防食性等の基本物性も良好な塗膜が得られる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(g/eq.)は、好ましくは700〜3000の範囲であり、より好ましくは900〜2500の範囲であり、更に好ましくは1000〜2000の範囲である。エポキシ当量が小さいと粉体塗料とした場合の貯蔵安定性が悪くなり、長期保管したときブロッキングをおこし、塗料として使用できなくなる恐れがある。エポキシ当量が大きいと溶融粘度が高くなり、粉体塗料とした場合ゲルタイムを調整しても流動性が悪く外観が凹凸等の不良になる恐れがある。エポキシ当量が700〜3000の範囲であれば、粉体塗料とした場合、貯蔵安定性に問題のない粉体塗料が得られ、塗膜外観が良好で、機械特性、防食性等の基本物性も良好な塗膜が得られる。
エポキシ樹脂の軟化点は、好ましくは70〜130℃の範囲であり、より好ましくは90〜120℃の範囲であり、更に好ましくは100〜115℃の範囲である。軟化点が低いと粉体塗料のブロッキング性が悪くなる恐れがあり、軟化点が高いと粉体塗料とした場合ゲルタイムが早くなり、塗料の流動性が悪くなる恐れがあり、ゲルタイムを調整しても流動性が悪く塗膜表面の平滑性が損なわれる恐れがある。軟化点が70〜130℃の範囲であれば、粉体塗料とした場合、ブロッキング性に問題のない粉体塗料が得られ、塗膜外観が良好で、機械特性、防食性等の基本物性も良好な塗膜が得られる。
本発明で使用するエポキシ樹脂としては、固形であれば特に制限は無いが、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、フェニル基又はα−メチルベンジル基が好ましく、メチル基又はα−メチルベンジル基がより好ましい。置換基の数としてはフェノール環に対し、1又は2個がよい。エポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂には、通常ビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮重合反応によって得られる直接法エポキシ樹脂と、ビスフェノール類と大過剰のエピクロルヒドリンの縮合反応によって得られる液状ビスフェノール型エポキシ樹脂を、更にビスフェノール類と付加重合させて得られる間接法エポキシ樹脂がある。
本発明で使用するエポキシ樹脂としては、直接法エポキシ樹脂及び間接法エポキシ樹脂のいずれでもよいが、直接法エポキシ樹脂が好ましい。直接法エポキシ樹脂は、間接法エポキシ樹脂に比較して分子量分布が狭く、塗装時において溶融粘度の低い粉体塗料が得られる。
なお、ビスフェノール類には市販のビスフェノールFのように、2つのフェノール基を有する2核体の他に、3つ以上のフェノール基を有する多核体を含有するものが存在する。そのため、ビスフェノール類の2核体純度はゲルパーミエイションクロマトグラフィー測定で、70面積%以上が好ましく、90面積%以上がより好ましい。特に間接法エポキシ樹脂の製造には、95面積%以上の高純度のビスフェノール類を使用することが好ましい。
顔料としては、着色顔料として、酸化チタン、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、リトポン、及び酸化アンチモン等の無機系顔料や、ハンザイエロー5G、パーマネントエローFGL、シアニンブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、パーマネントレッドF5RK、ブリリアントファーストスカーレットG、シアニングリーン、カルバゾール、キナクリドンレッド、及びカーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、石英系粉、珪藻土、酸化亜鉛、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、及びアルミナ等の無機顔料や、内部構造が多孔質、中空構造又は架橋タイプ等の樹脂ビーズを代表とするプラスチック顔料が挙げられる。
光輝顔料としては、例えば、アルミニウム粉、ニッケル粉、ステンレス粉、銅粉、ブロンズ粉、金粉、銀粉、マイカ(雲母)、グラファイト、ガラスフレーク、金属コーティングした硝子粉、金属コーティングしたマイカ粉、金属コーティングしたプラスチック粉、薄片化加工したプラスチック粉、及び鱗片状酸化鉄等が挙げられる。
防錆顔料としては、例えば、縮合リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マンガン等が挙げられる。
これらの顔料の内、酸化チタンの他に酸化鉄、黄色酸化鉄、シリカ粉、石英系粉、炭酸カルシウム、硫酸バリウム及びカーボンブラックが好ましく、シリカ粉、石英系粉及びカーボンブラックがより好ましい。顔料の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料には、本発明の目的を阻害しない限り、一般塗料用添加剤として、可塑剤、硬化促進剤(但し「硬化剤」に含まれるものを除く。)、架橋促進触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ止剤、酸化防止剤、表面調整剤、流れ性調整剤、及び消泡剤等を必要に応じて配合してもよい。酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。流れ性調整剤や表面調整剤としては、アクリル系重合体等が挙げられる。添加剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、例えば0.1〜10質量部である。
エポキシ樹脂粉体塗料の塗装方法としては、従来法と同様であり、回転吹き付け法、静電塗装法、流動浸漬法、減圧吸引法、溶射法が用いられる。一般的に被塗物であるダクタイル鋳鉄管を150〜250℃に予熱し、塗装台に設置し直管等は回転させた状態又は異形管等は吊り下げた状態で、空気搬送又は減圧下吸引した粉体塗料をその管内面に吹き付けることにより塗膜層を形成し、予熱と同温度で10〜20分程度の後加熱、或いは後加熱なしの放冷により硬化塗膜を得るものである。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。また、実施例において、特に断りがない限り、「部」及び「%」は質量基準によるものである。エポキシ当量の単位は、g/eq.である。
エポキシ樹脂の評価は次の方法による。
(1)エポキシ当量:
JIS K 7236の規格に準拠して測定した。
(2)軟化点:
JIS K 7234の規格に準拠して測定した。
硬化剤の評価は次の方法による。
(1)融点:
示差走査熱量計(DSC)による、昇温速度10℃/分の条件による吸熱ピーク頂点の温度を融点とした。
粉体塗料の評価方法を以下に示す。
(1)ゲルタイム:
200℃に加熱したホットプレート上に粉体塗料0.1gを乗せ、溶融した時点からフッ素樹脂製丸棒で掻き混ぜ、ゲル化するまでの時間(秒)を測定した。ゲルタイムは30〜70秒が適する。
(2)貯蔵安定性:
ゲルタイム保持率(%)として、下記数式(1)で求めた。ゲルタイム保持率は80%以上であれば、貯蔵安定性があると判断される。
Figure 2021169593

GT0:得られた直後の粉体塗料のゲルタイム
GT1:50℃熱風循環オーブン中で4時間加熱した後の粉体塗料のゲルタイム
塗膜物性の評価方法を以下に示す。
(1)放冷硬化性:
JIS Z 5528、5.4.4の規格に準拠して、JIS Z 2247でエリクセン試験を行い、可撓性で判断した。
3mm以上:○ 、 3mm未満:×
(2)外観(1):
塗装試験板の塗装面を目視にて塗膜外観異常を評価した。
異常なし:〇、 異常あり:×
異常ありの場合、異常の種類により次のように記した。
ザラツキ:×1 、 凹凸:×2 、 シワ:×3
(3)外観(2):
50℃熱風循環オーブン中で4時間加熱した後の粉体塗料による塗装試験板の塗装面を目視にて塗膜外観異常を評価した。評価は外観(1)と同様である。
合成例1
撹拌機、窒素導入管、側温抵抗体、滴下装置及び冷却コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに49%苛性ソーダ水溶液110.6部と水399部を仕込み、撹拌しながら系内水分を窒素置換した。次にビスフェノールF(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、2核体純度97面積%)を200部添加し、系内温度を50℃に制御して撹拌溶解した。次いで、エピクロルヒドリン110.5部を滴下ロートから投入した。投入後、系内温度を92℃に制御して2時間反応を行った。反応終了後、メチルイソブチルケトン330部を加え15分間撹拌後静置して、下層の水を除去した。次いでリン酸で中和、水洗を行い、水層を除去し、ろ過した後メチルイソブチルケトンを留去してエポキシ樹脂(A1)を得た。エポキシ当量は1350、軟化点は92℃であった。
合成例2
250部のエピクロルヒドリンを使用した以外は合成例1と同様の装置、操作を行い、エポキシ樹脂(A2)を得た。エポキシ当量は900、軟化点は84℃であった。
合成例3
102部のエピクロルヒドリンを使用した以外は合成例1と同様の装置、操作を行い、エポキシ樹脂(A3)を得た。エポキシ当量は2500、軟化点は119℃であった。
合成例4
撹拌機、窒素導入管、側温抵抗体、滴下装置及び冷却コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、YDF−8170(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量159)500部とビスフェノールF126部を仕込み120℃で溶解した後、トリフェニルホスホニュウムブロマイド0.12部添加し160℃で2時間反応した。その後、ビスフェノールFを150部仕込み130℃で溶解しトリフェニルホスホニュウムブロマイドを0.15部添加し180℃で5時間加熱し反応を終了して、エポキシ樹脂(A4)を得た。エポキシ当量は2500、軟化点は118℃であった。
実施例及び比較例で使用した略号の説明は以下のとおりである。
[エポキシ樹脂]
合成例1〜4で得られたエポキシ樹脂(A1)〜エポキシ樹脂(A4)
[硬化剤]
2P4MZ:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2P4MZ、融点180℃)
C11Z−A:2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン(四国化成工業株式会社製、キュアゾールC11Z−A、融点192℃)
2PZ:2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PZ−PW、融点139℃)
ADH:アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学株式会社製、ADH、融点185℃)
C11Z:2−ウンデシルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、キュアゾールC11Z、融点75℃)
PN−23:アミンアダクト系潜在性硬化剤(味の素ファインテクノ株式会社製、アミキュアPN−23、融点100℃)
DICY:ジシアンジアミド(日本カーバイド工業株式会社製、DIHARD、融点210℃)
[顔料]
珪石粉:平均粒径50μm,
酸化チタン:着色顔料(テイカ株式会社製、JR−301)
カーボンブラック:着色顔料(三菱ケミカル株式会社製、MA−100)
[その他]
ニカライト:アクリル系重合体(日本カーバイド工業株式会社製、ニカライトXK−81)
実施例1
エポキシ樹脂としてエポキシ樹脂(A1)100部、硬化剤として2P4MZ0.3部とADH3.0部、顔料として珪石粉40部と酸化チタン14部とカーボンブラック0.4部、その他の添加剤としてニカライト0.5部を混合した。混合物をヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、形式10B)を用いてドライブレンドし、次いでエクストルーダー(池貝鉄工株式会社製、PCM−30)を用いて120℃で溶融混練を行い、冷却ロールを用いて厚さ3〜5mmまでフレーキングし、常温まで冷却後に微粉砕、分級により粉体塗料を得た。ゲルタイムを表1に示した。
1.2mm×70mm×150mmのSPCC−SB鋼板を200℃の熱風循環オーブン中で30分間予熱した。予熱後取り出し垂直に吊るした状態で塗装ブースに設置して、塗装ガンで膜厚が200〜300μmになるように上下1往復半塗装した。塗装後、170℃に予熱しておいた150mmφ250mmLの鋳鉄管の中で10分間放置し取り出して室温になるまで放冷して、塗膜の放冷硬化性評価用の試験板を得た。評価結果を表1に示した。
2.0mm×70mm×150mmのSPCC−SB鋼板を200℃の熱風循環オーブン中で30分間予熱した。予熱後取り出し垂直に吊るした状態で塗装ブースに設置して、塗装ガンで膜厚が300μmになるように上下1往復半塗装した。塗装後、室温で常温になるまで放冷して、塗膜外観評価用の試験板を得た。評価結果を表1に示した。
実施例2〜6、比較例1〜5
表1の処方の配合量(部)で配合し、実施例1と同様の装置を使用して、同様の操作で、粉体塗料、試験板を得た。実施例1と同様の試験を行い、その結果を表1に示した。
Figure 2021169593

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、及び顔料を含むエポキシ樹脂粉体塗料であって、融点が130〜200℃の硬化剤を必須成分として含有し、200℃におけるゲルタイムが30〜70秒であることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
  2. 硬化剤が、イミダゾール誘導体及び有機酸ヒドラジドから選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  3. エポキシ樹脂が、固形のビスフェノール型エポキシ樹脂であり、エポキシ当量が700〜3000g/eq.であり、軟化点が70〜130℃である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  4. エポキシ樹脂が、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜3に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  5. エポキシ樹脂100質量部に対し、硬化剤を0.1〜10質量部含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  6. 直管又は異形管の塗装に用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂粉体塗料を塗装してなる直管又は異形管。
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