JP2021167278A - 化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器 - Google Patents

化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】寿命がより改善された有機エレクトロルミネッセンス素子及びそのような有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する新規材料の提供。【解決手段】ビスアリールアミノ置換C6〜30アリール基で置換されたジベンゾフラン誘導体。該ジベンゾフラン誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に該ジベンゾフラン誘導体を含む有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。【選択図】なし

Description

本発明は、化合物、該化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、該化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子、及び該有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子機器に関する。
一般に有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は陽極、陰極、及び陽極と陰極に挟まれた有機層から構成されている。両電極間に電圧が印加されると、陰極側から電子、陽極側から正孔が発光領域に注入され、注入された電子と正孔は発光領域において再結合して励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際に光を放出する。従って、電子又は正孔を効率よく発光領域に輸送し、電子と正孔との再結合を容易にする化合物の開発は高性能有機EL素子を得る上で重要である。
特許文献1は、中心窒素原子にビフェニル基、4−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、及び、9,9−ジフェニルフルオレン−4−イル基が結合したアミン化合物(式140)を記載している
特許文献2は、中心窒素原子にビフェニル基、4−(4−ジベンゾチオフェニル)フェニル基、及び、9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基が結合したアミン化合物(化合物28)、及び、中心窒素原子にビフェニル基、4−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、及び、9,9’−スピロビフルオレン−4−イル基が結合したアミン化合物(化合物119)を記載している。
特許文献3は、中心窒素原子にp−ターフェニリル基、4−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、及び、9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基が結合したアミン化合物を記載している(20ページ)。
国際公開公報第2014/015935A1号公報 韓国公開10−2016−0143627A1号公報 国際公開公報第2014/034795A1号公報
従来、有機EL素子製造用の材料として多くの化合物が報告されているが、有機EL素子の特性を更に向上させる化合物が依然として求められている。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、寿命がより改善された有機EL素子及びそのような有機EL素子を実現する新規化合物を提供すること目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、中心窒素原子に、9,9−ジフェニルフルオレン−4−イル構造、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環を有するアリール基、及び、少なくとも3個の芳香族炭化水素環(単環又は縮合環)が単結合を介して順次結合した構造が結合したアミン化合物が、上記先行技術文献に記載のアミン化合物に比べて、寿命がより改善された有機EL素子を提供することを見出した。
一態様において、本発明は式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)と称することもある)を提供する。
Figure 2021167278

(式中、
Xは酸素原子又は硫黄原子である。
〜Rから選ばれる1つは*fに結合する単結合であり、R〜R、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、R〜Rから選ばれる隣接する2つ、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rから選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。
11〜R17は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、R11〜R14から選ばれる隣接する2つ、及び、R15〜R17から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。
21〜R30は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、R21〜R25から選ばれる隣接する2つ、及び、R26〜R30から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成し、R21がR26又はR30に結合することはなく、R25がR26又はR30に結合することはない。
及びLは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基である。
nは0又は1であり、nが0である場合、−(L−は単結合を表す。
Ar及びArは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のフェニレン基又は置換もしくは無置換の縮合アリーレン基であり、該縮合アリーレン基は2〜4個の互いに縮合したベンゼン環を含む。
Arは置換もしくは無置換のフェニル基又は置換もしくは無置換の縮合アリール基であり、該縮合アリール基は2〜4個の互いに縮合したベンゼン環を含む。
ArとArは1つの単結合により連結され、架橋されていない。
ArとArは1つの単結合により連結され、架橋されていない。
前記「置換もしくは無置換」というときの任意の置換基は、ハロゲン原子;シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜36のアラルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、環形成炭素数6〜30アリールオキシ基、炭素数1〜30のアルキル基及び環形成炭素数6〜30のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ、ジ又はトリ置換シリル基、及び環形成原子数5〜30ヘテロアリール基からなる群より選ばれる。)
他の態様において、本発明は、化合物(1)を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供する。
さらに他の態様において、本発明は、陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該有機層が発光層を含み、該有機層の少なくとも1層が化合物(1)を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
さらに他の態様において、本発明は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子機器を提供する。
化合物(1)は寿命がより改善された有機EL素子を提供する。
本発明の一態様に係る有機EL素子の層構成の一例を示す概略図である。 本発明の一態様に係る有機EL素子の層構成の他の例を示す概略図である。
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。
本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換ZZ基」とは、ZZ基の水素原子が置換基で置換されていないことを意味する。
本明細書において、「水素原子」とは、中性子数が異なる同位体、すなわち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
本明細書において、「環形成炭素数」とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数に含めない。
本明細書において、「環形成原子数」とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環は環形成原子数は6であり、キナゾリン環は環形成原子数が10であり、フラン環の環形成原子数は5である。ピリジン環やキナゾリン環の環形成炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子は、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロビフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
本明細書において、「アリール基」とは芳香族炭化水素の1価の残基であり、ヘテロアリール基を含まない。「アリーレン基」とは芳香族炭化水素の2価の残基であり、ヘテロアリーレン基を含まない。
本発明の一態様に係る化合物(1)は式(1)で表される。
Figure 2021167278
Xは酸素原子又は硫黄原子、好ましくは酸素原子である。
〜Rから選ばれる1つは*fに結合する単結合であり、R〜R、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基である。該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、R〜Rから選ばれる隣接する2つ、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rから選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。同一ベンゼン環上に前記脂肪族又は芳香族の環構造が2個以上形成されてもよい。
前記置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基において、該炭素数1〜30のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基)、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、又はドデシル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基)であり、より好ましくは、メチル基又はt−ブチル基である。
前記炭素数1〜30のアルキル基は、存在する場合には異性体基を含む。
前記置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基において、該環形成炭素数6〜30のアリール基は、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ビフェニレニル基、ナフチル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、フェナレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾクリセニル基、フルオレニル基、フルオランテニル基、ペリレニル基、又はトリフェニレニル基であり、好ましくはフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基であり、より好ましくはフェニル基又はナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基)である。
前記環形成炭素数6〜30のアリール基は、存在する場合には異性体基を含む。
本発明の一態様において、R〜Rから選ばれる隣接する2つ、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rから選ばれる隣接する2つは、前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成することなく、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すことが好ましい。本発明の他の態様において、少なくとも1つの前記「隣接する2つ」は互いに結合して前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成することが好ましい。
前記脂肪族又は芳香族の環構造は、例えば、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環、置換もしくは無置換の環形成炭素数5〜18の脂肪族炭化水素環、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の芳香族複素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の脂肪族複素環である。
前記環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環は、例えば、ベンゼン環、ビフェニレン環、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾアントラセン環、フェナントレン環、ベンゾフェナントレン環、フェナレン環、ピレン環、クリセン環、トリフェニレン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環又はナフタレン環であり、より好ましくはベンゼン環である。
前記環形成炭素数5〜18の脂肪族炭化水素環は、前記環形成炭素数6〜18の芳香族炭化水素環を部分的に水素化して得られる脂肪族環であり、例えば、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環が挙げられる。
前記環形成原子数5〜18の芳香族複素環は、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、イソインドール環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾイミダゾール環、インダゾール環、ジベンゾフラン環、ナフトベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトベンゾチオフェン環、カルバゾール環、ベンゾカルバゾール環が挙げられる。
前記環形成原子数5〜18の脂肪族複素環は、上記環形成原子数5〜18の芳香族複素環を部分的に水素化して得られる脂肪族複素環である。
本発明の一態様において、R〜R、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rはすべて水素原子であることが好ましい。
11〜R17は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基である。該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、R11〜R14から選ばれる隣接する2つ、及び、R15〜R17から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。同一ベンゼン環上に前記脂肪族又は芳香族の環構造が2個以上形成されてもよい。
11〜R17が表す前記置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び前記置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基の詳細はR〜Rに関して記載したとおりである。
11〜R14から選ばれる隣接する2つ、及び、R15〜R17から選ばれる隣接する2つが任意に形成する前記脂肪族又は芳香族の環構造の詳細はR〜Rに関して記載したとおりである。
本発明の一態様において、R11〜R14から選ばれる隣接する2つ、及び、R15〜R17から選ばれる隣接する2つは、前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成することなく、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すことが好ましい。本発明の他の態様において、少なくとも1つの前記「隣接する2つ」は互いに結合して前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成することが好ましい。
本発明の一態様において、R11〜R17はすべて水素原子であることが好ましい。
21〜R30は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基でありる。該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、R21〜R25から選ばれる隣接する2つ、及び、R26〜R30から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。同一ベンゼン環上に前記脂肪族又は芳香族の環構造が2個以上形成されてもよい。
21がR26又はR30に結合することはない。又、R25がR26又はR30に結合することはない。すなわち、式(1)及び後述する式(1)の好ましい態様である各式に記載の9,9−ジフェニルフルオレン構造はスピロビフルオレン構造を表すことはない。
21〜R30が表す前記置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び前記置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基の詳細はR〜Rに関して記載したとおりである。
21〜R25から選ばれる隣接する2つ、及び、R26〜R30から選ばれる隣接する2つが任意に形成する前記脂肪族又は芳香族の環構造の詳細はR〜Rに関して記載したとおりである。
本発明の一態様において、R21〜R25から選ばれる隣接する2つ、及び、R26〜R30から選ばれる隣接する2つは、前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成することなく、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すことが好ましい。本発明の他の態様において、少なくとも1つの前記「隣接する2つ」は互いに結合して前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成することが好ましい。
本発明の一態様において、R21〜R30はすべて水素原子であることが好ましい。
及びLは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリーレン基である。
nは0又は1である。nが0である場合、−(L−は単結合を表す。本発明の一態様において、nは0であることが好ましい。本発明の他の態様において、nは1であることが好ましい。
及びLが表す前記置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基において、該環形成炭素数6〜30のアリーレン基は、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ビフェニレニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ベンゾアントリレン基、フェナントリレン基、ベンゾフェナントリレン基、フェナレニレン基、ピセニレン基、ペンタフェニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ベンゾクリセニレン基、フルオレニレン基、フルオランテニレン基、ペリレニレン基、又はトリフェニレニレン基であり、好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基、又はナフチレン基であり、より好ましくは、フェニレン基(1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、又は1,2−フェニレン基)であり、更に好ましくは、1,4−フェニレン基である。
前記環形成炭素数6〜30のアリーレン基は、存在する場合には異性体基を含む。
Ar及びArは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のフェニレン基又は置換もしくは無置換の縮合アリーレン基であり、該縮合アリーレン基は2〜4個の互いに縮合したベンゼン環を含む。
前記縮合アリーレン基は、例えば、ナフチレン基、アントリレン基、ベンゾアントリレン基、フェナントリレン基、ベンゾフェナントリレン基、フェナレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、及び、トリフェニレニレン基から選ばれる。
前記フェニレン基及び前記縮合アリーレン基は異性体基を含む。
Ar及びArは、それぞれ独立して、好ましくは置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、又は、置換もしくは無置換のフェナントリレン基であり、より好ましくは置換もしくは無置換のフェニレン基(1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、又は1,2−フェニレン基)又は置換もしくは無置換のナフチレン基(1,4−ナフチレン基及び2,6−ナフチレン基を含む)であり、更に好ましくは置換もしくは無置換のフェニレン基(1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、又は1,2−フェニレン基)であり、特に好ましくは置換もしくは無置換の1,4−フェニレン基である。
Arは置換もしくは無置換のフェニル基又は置換もしくは無置換の縮合アリール基であり、該縮合アリール基は2〜4個の互いに縮合したベンゼン環を含む。
前記縮合アリール基は、例えば、ナフチル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、フェナレニル基、ピレニル基、クリセニル基、及び、トリフェニレニル基から選ばれる。
前記縮合アリール基は異性体基を含む。
Arは、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、又は、置換もしくは無置換のフェナントリル基であり、より好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基又は置換もしくは無置換のナフチル基であり、更に好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換の1−ナフチル基、又は、置換もしくは無置換の2−ナフチル基であり、特に好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基である。
ArとArは1つの単結合のみにより連結される。すなわち、ArとArは該単結合以外の結合又は基で架橋されていない。
ArとArは1つの単結合のみにより連結される。すなわち、ArとArは該単結合以外の結合又は基で架橋されていない。
前記式(1)は好ましくは下記式(2)で表される。
Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R31〜R38、R41〜R48、R51〜R58、p、q、及びrは後述する。)
前記式(2)において、Arは下記式(2a)で表される。
Figure 2021167278
31〜R34から選ばれる1つは*aに結合する単結合であり、R35〜R38、及び、*aに結合する単結合ではないR31〜R34から選ばれる1つは*bに結合する単結合である。
*aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、*aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。同一ベンゼン環上、又は、同一ナフタレン環上に前記脂肪族又は芳香族の環構造が2個以上形成されてもよい。
pは0又は1である。pが0とき、Arは下記式(2a−1)で表され、pが1のとき、Arは下記式(2a−2)で表される。
Figure 2021167278

(式中、R31〜R38は式(2a)において定義したとおりである。)
式(2)において、Arは下記式(2b)で表される。
Figure 2021167278
41〜R44から選ばれる1つは*cに結合する単結合であり、R45〜R48、及び、*cに結合する単結合ではないR41〜R44から選ばれる1つは*dに結合する単結合である。
*cに結合する単結合ではなく、かつ、*dに結合する単結合ではないR41〜R48は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、*cに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR41〜R48から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。同一ベンゼン環上、又は、同一ナフタレン環上に前記脂肪族又は芳香族の環構造が2個以上形成されてもよい。
qは0又は1である。qが0とき、Arは下記式(2b−1)で表され、qが1のとき、下記式(2b−2)で表される。
Figure 2021167278

(式中、R41〜R48は式(2b)において定義したとおりである。)
式(2)において、Arは下記式(2c)で表される。
Figure 2021167278
51〜R54から選ばれる1つは*eに結合する単結合である。
55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基からなる群から選ばれる。
ただし、R55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。同一ベンゼン環上、又は、同一ナフタレン環上に前記脂肪族又は芳香族の環構造が2個以上形成されてもよい。
rは0又は1である。rが0とき、Arは下記式(2c−1)で表され、rが1のとき、Arは下記式(2c−2)で表される。
Figure 2021167278

(式中、R51〜R58は式(2c)において定義したとおりである。)
式(2a)、(2b)、(2c)の定義中の置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び、脂肪族又は芳香族の環構造の詳細はR〜Rに関して記載したとおりである。
本発明の特に好ましい態様において、p、q、及びrはすべて0である。
本発明の一態様において、*aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38、*cに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR41〜R48、R55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54がすべて水素原子であることが好ましい。
前記式(1)及び(2)は、好ましくは下記式(3)〜(6)のいずれか、より好ましくは下記式(3)で表される。
Figure 2021167278

Figure 2021167278

Figure 2021167278

Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R31〜R38、R41〜R48、及びR51〜R58は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(3)は好ましくは下記式(3a)で表される。
Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R42〜R46、及びR52〜R56は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(3a)は好ましくは下記式(3a−1)〜(3a−3)のいずれか、より好ましくは下記式(3a−1)又は(3a−2)、更に好ましくは下記式(3a−1)で表される。
Figure 2021167278

Figure 2021167278

Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R42〜R46、及びR52〜R56は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(4)は好ましくは下記式(4a)で表される。
Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R31〜R38、R42、R43、R45、R46、及びR52〜R56は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(4a)は好ましくは下記式(4a−1)又は(4a−2)で表される。
Figure 2021167278

Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R31〜R38、R42、R43、R45、R46、及びR52〜R56は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(5)は好ましくは下記式(5a)で表される。
Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R41〜R48、及びR52〜R56は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(5a)は好ましくは下記式(5a−1)又は(5a−2)で表される。
Figure 2021167278

Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R41〜R48、及びR52〜R56は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(6)は好ましくは下記式(6a)で表される。
Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R42、R43、R45、R46、及びR51〜R58は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
前記式(6a)は好ましくは下記式(6a−1)又は(6a−2)で表される。
Figure 2021167278

Figure 2021167278

(式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R42、R43、R45、R46、及びR51〜R58は式(2a)〜(2c)において定義したとおりである。)
本明細書において、「置換もしくは無置換」というときの任意の置換基は、特に断らない限り、ハロゲン原子;シアノ基;炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基;環形成炭素数3〜30、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは5又は6のシクロアルキル基;環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基;炭素数7〜36、好ましくは7〜26、より好ましくは7〜20のアラルキル基;炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルコキシ基;環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリールオキシ基;炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基及び環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ、ジ又はトリ置換シリル基;及び、環形成原子数5〜30、好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13のヘテロアリール基からなる群より選ばれる。
前記任意の置換基の詳細は以下のとおりである。
前記ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、フッ素原子が好ましい。
前記炭素数1〜30のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、又はドデシル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、又はペンチル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、又はt−ブチル基であり、更に好ましくは、メチル基又はt−ブチル基である。
前記環形成炭素数3〜30シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基であり、好ましくは、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である。
前記環形成炭素数6〜30のアリール基は、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ビフェニレニル基、ナフチル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、フェナレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾクリセニル基、フルオレニル基、フルオランテニル基、ペリレニル基、又はトリフェニレニル基であり、好ましくは、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、又は、ナフチル基であり、より好ましくは、フェニル基、2−、3−、又は4−ビフェニリル基、2−、3−、又は4−o−ターフェニリル基、2−、3−、又は4−m−ターフェニリル基、2−、3−、又は4−p−ターフェニリル基、又は、1−又は2−ナフチル基であり、更に好ましくは、フェニル基、2−、3−、又は4−ビフェニリル基、又は、1−又は2−ナフチル基であり、特に好ましくは、フェニル基である。
前記炭素数7〜36のアラルキル基のアリール部位は上記環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基から選択され、アルキル部位は上記炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基から選択される。該炭素数7〜36のアラルキル基は、例えば、ベンジル基、フェネチル基、又は、フェニルプロピル基であり、ベンジル基が好ましい。
前記炭素数1〜30のアルコキシ基のアルキル部位は上記炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基から選択される。該炭素数1〜30のアルコキシ基は、例えば、t−ブトキシ基、プロポキシ基、エトキシ基、又はメトキシ基であり、好ましくは、エトキシ基又はメトキシ基であり、より好ましくは、メトキシ基である。
前記環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基のアリール部位は上記環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基から選択される。該環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基は、例えば、ターフェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、又はフェノキシ基であり、好ましくは、ビフェニルオキシ基又はフェノキシ基であり、より好ましくは、フェノキシ基である。
前記モノ、ジ又はトリ置換シリル基が有する置換基は、上記炭素数1〜30、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8のアルキル基、及び、上記環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18のアリール基から選択される。トリ置換シリル基が好ましく、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、又はトリトリルシリル基がより好ましい。
前記環形成原子数5〜30のヘテロアリール基は1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個の環形成ヘテロ原子を含む。該環形成ヘテロ原子は、例えば、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される。該ヘテロアリール基の自由結合手は環形成炭素原子上に存在するか、又は、環形成窒素原子上に存在する。
該環形成原子数5〜30のヘテロアリール基は、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、イミダゾピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、インダゾリル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、キサンテニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基、以下同様)、イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基、以下同様)、ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基、以下同様)、ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基、以下同様)、又はカルバゾリル基である。
化合物(1)の製造方法は特に制限されず、当業者であれば以下の実施例に記載する方法により、或いは、該方法を公知の合成方法を参考にして変更した方法により容易に製造することができる。
以下に本発明の化合物(1)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021167278
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有機EL素子用材料
本発明の有機EL素子用材料は、化合物(1)を含む。本発明の有機EL素子用材料における化合物(1)の含有量は、特に制限されず、例えば、1質量%以上(100%を含む)であり、10質量%以上(100%を含む)であることが好ましく、50質量%以上(100%を含む)であることがより好ましく、80質量%以上(100%を含む)であることがさらに好ましく、90質量%以上(100%を含む)であることが特に好ましい。本発明の有機EL素子用材料は、有機EL素子の製造に有用である。
有機EL素子
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
有機EL素子は、陰極、陽極、及び、陰極と陽極の間に有機層を含む。該有機層は発光層を含み、該有機層の少なくとも一層が化合物(1)を含む。
化合物(1)が含まれる有機層の例としては、陽極と発光層との間に設けられる正孔輸送帯域(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、励起子阻止層等)、発光層、スペース層、陰極と発光層との間に設けられる電子輸送帯域(電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。化合物(1)は好ましくは蛍光又は燐光EL素子の正孔輸送帯域又は発光層の材料、より好ましくは正孔輸送帯域の材料、更に好ましくは正孔輸送層、電子阻止層、又は励起子阻止層の材料として用いられる。
本発明の有機EL素子は、蛍光又は燐光発光型の単色発光素子であっても、蛍光/燐光ハイブリッド型の白色発光素子であってもよいし、単独の発光ユニットを有するシンプル型であっても、複数の発光ユニットを有するタンデム型であってもよく、中でも、蛍光発光型の素子であることが好ましい。ここで、「発光ユニット」とは、有機層を含み、そのうちの少なくとも一層が発光層であり、注入された正孔と電子が再結合することにより発光する最小単位をいう。
例えば、シンプル型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(1)陽極/発光ユニット/陰極
また、上記発光ユニットは、燐光発光層や蛍光発光層を複数有する積層型であってもよく、その場合、各発光層の間に、燐光発光層で生成された励起子が蛍光発光層に拡散することを防ぐ目的で、スペース層を有していてもよい。シンプル型発光ユニットの代表的な層構成を以下に示す。括弧内の層は任意である。
(a)(正孔注入層/)正孔輸送層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(b)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(c)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1蛍光発光層/第2蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(d)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1燐光発光層/第2燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(e)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(f)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1燐光発光層/第2燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(g)(正孔注入層/)正孔輸送層/第1燐光発光層/スペース層/第2燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(h)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/第1蛍光発光層/第2蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(i)(正孔注入層/)正孔輸送層/電子阻止層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(j)(正孔注入層/)正孔輸送層/電子阻止層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(k)(正孔注入層/)正孔輸送層/励起子阻止層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(l)(正孔注入層/)正孔輸送層/励起子阻止層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(m)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/蛍光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(n)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/燐光発光層(/電子輸送層/電子注入層)
(o)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/蛍光発光層/第1電子輸送層/第2電子輸送層(/電子注入層)
(p)(正孔注入層/)第1正孔輸送層/第2正孔輸送層/燐光発光層/第1電子輸送層/第2電子輸送層(/電子注入層)
(q)(正孔注入層/)正孔輸送層/蛍光発光層/正孔阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
(r)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/正孔阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
(s)(正孔注入層/)正孔輸送層/蛍光発光層/励起子阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
(t)(正孔注入層/)正孔輸送層/燐光発光層/励起子阻止層(/電子輸送層/電子注入層)
上記各燐光又は蛍光発光層は、それぞれ互いに異なる発光色を示すものとすることができる。具体的には、上記積層発光ユニット(f)において、(正孔注入層/)正孔輸送層/第1燐光発光層(赤色発光)/第2燐光発光層(緑色発光)/スペース層/蛍光発光層(青色発光)/電子輸送層といった層構成等が挙げられる。
なお、各発光層と正孔輸送層あるいはスペース層との間には、適宜、電子阻止層を設けてもよい。また、各発光層と電子輸送層との間には、適宜、正孔阻止層を設けてもよい。電子阻止層や正孔阻止層を設けることで、電子又は正孔を発光層内に閉じ込めて、発光層における電荷の再結合確率を高め、発光効率を向上させることができる。
タンデム型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(2)陽極/第1発光ユニット/中間層/第2発光ユニット/陰極
ここで、上記第1発光ユニット及び第2発光ユニットとしては、例えば、それぞれ独立に上述の発光ユニットから選択することができる。
上記中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、第1発光ユニットに電子を、第2発光ユニットに正孔を供給する、公知の材料構成を用いることができる。
図1は、本発明の有機EL素子の構成の一例を示す概略図である。有機EL素子1は、基板2、陽極3、陰極4、及び該陽極3と陰極4との間に配置された発光ユニット10とを有する。発光ユニット10は、発光層5を有する。発光層5と陽極3との間に正孔輸送帯域6(正孔注入層、正孔輸送層等)、発光層5と陰極4との間に電子輸送帯域7(電子注入層、電子輸送層等)を有する。また、発光層5の陽極3側に電子阻止層(図示せず)を、発光層5の陰極4側に正孔阻止層(図示せず)を、それぞれ設けてもよい。これにより、電子や正孔を発光層5に閉じ込めて、発光層5における励起子の生成効率をさらに高めることができる。
図2は、本発明の有機EL素子の他の構成を示す概略図である。有機EL素子11は、基板2、陽極3、陰極4、及び該陽極3と陰極4との間に配置された発光ユニット20とを有する。発光ユニット20は、発光層5を有する。陽極3と発光層5の間に配置された正孔輸送帯域は、第1正孔輸送層6a及び第2正孔輸送層6bから形成されている。また、発光層5と陰極4の間に配置された電子輸送帯域は、第1電子輸送層7a及び第2電子輸送層7bから形成されている。
なお、本発明において、蛍光ドーパント(蛍光発光材料)と組み合わされたホストを蛍光ホストと称し、燐光ドーパントと組み合わされたホストを燐光ホストと称する。蛍光ホストと燐光ホストは分子構造のみにより区分されるものではない。すなわち、燐光ホストとは、燐光ドーパントを含有する燐光発光層を形成する材料を意味し、蛍光発光層を形成する材料として利用できないことを意味しているわけではない。蛍光ホストについても同様である。
基板
基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチックなどの板を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニルからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
陽極
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステンおよび酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または前記金属の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1〜10wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを、酸化タングステンおよび酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔注入が容易である材料を用いて形成されるため、電極材料として一般的に使用される材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、元素周期表の第1族または第2族に属する元素)を用いることができる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
正孔注入層
正孔注入層は、正孔注入性の高い材料(正孔注入性材料)を含む層である。化合物(1)を単独で又は下記の材料と組み合わせて正孔注入層に用いてもよい。
化合物(1)以外の正孔注入性材料としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等も正孔注入層材料として挙げられる。
高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
さらに、下記式(K)で表されるヘキサアザトリフェニレン(HAT)化合物などのアクセプター材料を化合物(1)と組み合わせて用いることも好ましい。
Figure 2021167278
(上記式中、R21〜R26は、それぞれ独立にシアノ基、−CONH、カルボキシル基、又は−COOR27(R27は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を表す)を表す。また、R21及びR22、R23及びR24、及びR25及びR26から選ばれる隣接する2つが互いに結合して−CO−O−CO−で示される基を形成してもよい。)
27としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
正孔輸送層
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い材料(正孔輸送性材料)を含む層である。化合物(1)を単独で又は下記の化合物と組み合わせて正孔輸送層に用いることが好ましい。
化合物(1)以外の正孔輸送性材料としては、例えば、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。
芳香族アミン化合物としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、及び、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)が挙げられる。上記化合物は、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する。
カルバゾール誘導体としては、例えば、4,4’−ジ(9−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、9−[4−(9−カルバゾリル)フェニル]−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA)、及び、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)が挙げられる。
アントラセン誘導体としては、例えば、2−t−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、及び、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)が挙げられる。
ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子輸送性よりも正孔輸送性の方が高い化合物であれば、上記以外の化合物を用いてもよい。
正孔輸送層は、単層構造でもよく、2以上の層を含む多層構造でもよい。例えば、正孔輸送層は第1正孔輸送層(陽極側)と第2正孔輸送層(陰極側)を含む2層構造であってもよい。本発明の一態様において、前記単層構造の正孔輸送層は発光層に隣接していることが好ましく、又、前記多層構造中の発光層に最も近い正孔輸送層、例えば、上記2層構造の第2正孔輸送層、は発光層に隣接していることが好ましい。本発明の他の態様において、前記単層構造の正孔輸送層と発光層の間に、又は、前記多層構造中の発光層に最も近い正孔輸送層と発光層の間に、後述する阻止層などを介在させてもよい。
前記2層構造の正孔輸送層において、化合物(1)は第1正孔輸送層と第2正孔輸送層の一方に含まれていてもよいし、双方に含まれていてもよい、但し、第1正孔輸送層に含まれる化合物(1)と第2正孔輸送層に含まれる化合物(1)は異なる。
本発明の一態様においては、化合物(1)が第1正孔輸送層のみに含まれるのが好ましく、他の態様においては、化合物(1)が第2正孔輸送層のみに含まれるのが好ましく、さらに他の態様においては、化合物(1)が第1正孔輸送層と第2正孔輸送層に含まれるのが好ましい。
発光層のドーパント材料
発光層は、発光性の高い材料(ドーパント材料)を含む層であり、種々の材料を用いることができる。例えば、蛍光発光材料や燐光発光材料をドーパント材料として用いることができる。蛍光発光材料は一重項励起状態から発光する化合物であり、燐光発光材料は三重項励起状態から発光する化合物である。
発光層に用いることができる青色系の蛍光発光材料として、ピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ジアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体等が使用できる。具体的には、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)などが挙げられる。
発光層に用いることができる緑色系の蛍光発光材料として、芳香族アミン誘導体等を使用できる。具体的には、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。
発光層に用いることができる赤色系の蛍光発光材料として、テトラセン誘導体、ジアミン誘導体等が使用できる。具体的には、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。
発光層に用いることができる青色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体が使用される。具体的には、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)などが挙げられる。
発光層に用いることができる緑色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体等が使用される。トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(1,2−ジフェニル−1H−ベンゾイミダゾラト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pbi)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))などが挙げられる。
発光層に用いることができる赤色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、白金錯体、テルビウム錯体、ユーロピウム錯体等の金属錯体が使用される。具体的には、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))、(アセチルアセトナート)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)等の有機金属錯体が挙げられる。
また、トリス(アセチルアセトナート)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))等の希土類金属錯体は、希土類金属イオンからの発光(異なる多重度間の電子遷移)であるため、燐光発光材料として用いることができる。
発光層のホスト材料
発光層は、上述したドーパント材料を他の材料(ホスト材料)に分散させた構成としてもよい。化合物(1)を蛍光又は燐光発光層のホスト材料又はコホスト材料として用いてもよいし、その他各種の化合物を用いてもよい。ドーパント材料よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高占有軌道準位(HOMO準位)が低い材料を用いることが好ましい。
化合物(1)以外のホスト材料としては、例えば
(1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、又は亜鉛錯体等の金属錯体、
(2)オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、又はフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、
(3)カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、又はクリセン誘導体等の縮合芳香族化合物、
(4)トリアリールアミン誘導体又は縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物が使用される。
例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体;
2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物;
9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンなどの縮合芳香族化合物;及び
N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。ホスト材料は複数種用いてもよい。
特に、青色蛍光素子の場合には、下記のアントラセン化合物をホスト材料として用いることが好ましい。
Figure 2021167278
Figure 2021167278
Figure 2021167278
電子輸送層
電子輸送層は電子輸送性の高い材料(電子輸送性材料)を含む層である。電子輸送層には、例えば、
(1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、
(2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、
(3)高分子化合物を使用することができる。
金属錯体としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)が挙げられる。
複素芳香族化合物としては、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)が挙げられる。
上記材料は、10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する材料である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い材料であれば、上記以外の材料を電子輸送層に用いてもよい。
電子輸送層は、単層でもよく、2以上の層を含む多層でもよい。例えば、電子輸送層は第1電子輸送層(陽極側)と第2電子輸送層(陰極側)を含む層であってもよい。2以上の電子輸送層は、それぞれ前記電子輸送性材料により形成される。
電子注入層
電子注入層は、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する材料にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、有機化合物が電子供与体から電子を受け取るため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、受け取った電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する材料(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す材料であればよい。具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
陰極
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
なお、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
絶縁層
有機EL素子は、超薄膜に電界を印加するために、リークやショートによる画素欠陥が生じやすい。これを防止するために、一対の電極間に絶縁性の薄膜層からなる絶縁層を挿入してもよい。
絶縁層に用いられる材料としては、例えば、酸化アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウム、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウム、弗化カルシウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化バナジウム等が挙げられる。なお、これらの混合物や積層物を用いてもよい。
スペース層
上記スペース層とは、例えば、蛍光発光層と燐光発光層とを積層する場合に、燐光発光層で生成する励起子を蛍光発光層に拡散させない、あるいは、キャリアバランスを調整する目的で、蛍光発光層と燐光発光層との間に設けられる層である。また、スペース層は、複数の燐光発光層の間に設けることもできる。
スペース層は発光層間に設けられるため、電子輸送性と正孔輸送性を兼ね備える材料であることが好ましい。また、隣接する燐光発光層内の三重項エネルギーの拡散を防ぐため、三重項エネルギーが2.6eV以上であることが好ましい。スペース層に用いられる材料としては、上述の正孔輸送層に用いられるものと同様のものが挙げられる。
阻止層
電子阻止層、正孔阻止層、励起子阻止層などの阻止層を発光層に隣接して設けてもいい。電子阻止層とは発光層から正孔輸送層へ電子が漏れることを防ぐ層であり、正孔阻止層とは発光層から電子輸送層へ正孔が漏れることを防ぐ層である。励起子阻止層は発光層で生成した励起子が周辺の層へ拡散することを防止し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
前記有機EL素子の各層は従来公知の蒸着法、塗布法等により形成することができる。例えば、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)などの蒸着法、あるいは、層を形成する化合物の溶液を用いた、ディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
各層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い駆動電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常5nm〜10μmであり、10nm〜0.2μmがより好ましい。
前記有機EL素子は、有機ELパネルモジュール等の表示部品、テレビ、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の表示装置、及び、照明、車両用灯具の発光装置等の電子機器に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1 化合物1の合成
Figure 2021167278
アルゴン雰囲気下、酢酸パラジウム(II)(0.34g、1.52mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.61g、3.04mmol)、及びキシレン(700mL)の混合物を室温で30分攪拌した。この混合物に、WO2010/061824に記載の方法と同様にして合成した中間体1(37g、76mmol)、4−ブロモ−9,9−ジフェニルフルオレン(33.2g、83mmol)、ナトリウム−t−ブトキシド(8.75g、91mmol)を加え、120℃に昇温し30分間攪拌した。反応混合物を室温に冷却したのち、メタノール(100mL)を加え攪拌し、生じた固体をろ取した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶にて精製し、白色固体(38.5g)を得た。
得られた生成物は、マススペクトル分析の結果(分子量803.32に対しm/e=803)、化合物1であった。収率は63%であった。
実施例1
有機EL素子の製造
25mm×75mm×1.1mmのITO透明電極付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄した。ITO透明電極の厚さは130nmとした。
洗浄後のITO透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着した。まず、前記透明電極を覆うようにして下記化合物HI−1を蒸着して膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
次に、この正孔注入層上に、下記化合物HT−1(第1正孔輸送層材料)を蒸着して膜厚80nmの第1正孔輸送層を形成した。
次に、この第1正孔輸送層上に、合成例1で得た化合物1(第2正孔輸送層材料)を蒸着して膜厚10nmの第2正孔輸送層を形成した。
次に、この第2正孔輸送層上に、化合物BH−1(ホスト材料)と化合物BD−1(ドーパント材料)を共蒸着し、膜厚25nmの発光層を形成した。化合物1の濃度は4.0質量%であった。
次に、この発光層の上に、下記化合物ET−1(第1電子輸送層材料)を蒸着して膜厚10nmの第1電子輸送層を形成した。
次に、この第1電子輸送層の上に、下記化合物ET−2(第2電子輸送層材料)を蒸着して膜厚15nmの第2電子輸送層を形成した。
次に、この第2電子輸送層上に、LiFを蒸着して膜厚1nmの電子注入性電極(陰極)を形成した。
そして、この電子注入性電極上に金属Alを蒸着して膜厚80nmの金属陰極を形成し、有機EL素子を製造した。
Figure 2021167278

Figure 2021167278
外部量子効率の測定
得られた有機EL素子を室温下、電流密度10mA/cmで直流定電流駆動し、輝度計(ミノルタ社製分光輝度放射計CS−1000)を用いて輝度を測定した。測定結果から外部量子効率(%)を求めた。結果を表1に示す。
素子寿命の測定
得られた有機EL素子を室温下、電流密度50mA/cmで直流駆動し、輝度が初期輝度の90%に減少するまでの時間を測定し、これを90%寿命(LT95)とした。結果を表1に示す。
比較例1及び2
化合物1の代わりに比較化合物1(特許文献1に記載の式140の化合物)又は比較化合物2(特許文献3の20ページ記載の化合物)を第2正孔輸送層材料として用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を製造し、実施例1と同様にして外部量子効率及び素子寿命を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021167278
Figure 2021167278

化合物1 比較化合物1 比較化合物2
実施例1と比較例1の比較から、比較化合物1のビフェニル基をターフェニル基に代えた本発明の化合物1は、素子寿命を著しく改善したことが分かる。
実施例1と比較例2の比較から、比較化合物2の9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基を9,9−ジフェニルフルオレン−4−イル基に代えた本発明の化合物1は、外部量子効率と素子寿命の双方を著しく改善したことが分かる。
1、11 有機EL素子
2 基板
3 陽極
4 陰極
5 発光層
6 正孔輸送帯域(正孔輸送層)
6a 第1正孔輸送層
6b 第2正孔輸送層
7 電子輸送帯域(電子輸送層)
7a 第1電子輸送層
7b 第2電子輸送層
10、20 発光ユニット

Claims (30)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 2021167278

    (式中、
    Xは酸素原子又は硫黄原子である。
    〜Rから選ばれる1つは*fに結合する単結合であり、R〜R、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
    ただし、R〜Rから選ばれる隣接する2つ、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rから選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。
    11〜R17は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
    ただし、R11〜R14から選ばれる隣接する2つ、及び、R15〜R17から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。
    21〜R30は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
    ただし、R21〜R25から選ばれる隣接する2つ、及び、R26〜R30から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成し、R21がR26又はR30に結合することはなく、R25がR26又はR30に結合することはない。
    及びLは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基である。
    nは0又は1であり、nが0である場合、−(L−は単結合を表す。
    Ar及びArは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のフェニレン基又は置換もしくは無置換の縮合アリーレン基であり、該縮合アリーレン基は2〜4個の互いに縮合したベンゼン環を含む。
    Arは置換もしくは無置換のフェニル基又は置換もしくは無置換の縮合アリール基であり、該縮合アリール基は2〜4個の互いに縮合したベンゼン環を含む。
    ArとArは1つの単結合により連結され、架橋されていない。
    ArとArは1つの単結合により連結され、架橋されていない。
    前記「置換もしくは無置換」というときの任意の置換基は、ハロゲン原子;シアノ基、炭素数1〜30のアルキル基、環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、環形成炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜36のアラルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、環形成炭素数6〜30アリールオキシ基、炭素数1〜30のアルキル基及び環形成炭素数6〜30のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ、ジ又はトリ置換シリル基、及び環形成原子数5〜30ヘテロアリール基からなる群より選ばれる。)
  2. Arが置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、及び、置換もしくは無置換のフェナントリレン基からなる群から選ばれ、
    Arが置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、及び、置換もしくは無置換のフェナントリレン基からなる群から選ばれ、
    Arが置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、及び、置換もしくは無置換のフェナントリル基からなる群から選ばれる請求項1に記載の化合物。
  3. 下記式(2)で表される請求項1又は2に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    (式中、
    X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりである。
    31〜R34から選ばれる1つは*aに結合する単結合であり、R35〜R38、及び、*aに結合する単結合ではないR31〜R34から選ばれる1つは*bに結合する単結合であり、*aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
    ただし、*aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。
    41〜R44から選ばれる1つは*cに結合する単結合であり、R45〜R48、及び、*cに結合する単結合ではないR41〜R44から選ばれる1つは*dに結合する単結合であり、*cに結合する単結合ではなく、かつ、*dに結合する単結合ではないR41〜R48は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
    ただし、*cに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR41〜R48から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。
    51〜R54から選ばれる1つは*eに結合する単結合であり、R55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基であり、該置換基は、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基からなる群から選ばれる。
    ただし、R55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54から選ばれる隣接する2つは、それぞれ独立して、水素原子又は前記置換基を表すか、又は、互いに結合して脂肪族又は芳香族の環構造を形成する。
    p、q、及びrは、それぞれ独立して、0又は1である。)
  4. Arが下記式(2a−1)又は(2a−2)で表され、
    Figure 2021167278

    (式中、R31〜R38は式(2)において定義したとおりである。)
    Arが下記式(2b−1)又は(2b−2)で表され、
    Figure 2021167278

    (式中、R41〜R48は式(2)において定義したとおりである。)
    Arが下記式(2c−1)又は(2c−2)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    (式中、R51〜R58は式(2)において定義したとおりである。)
  5. 下記式(3)〜(6)のいずれかで表される請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    (式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R31〜R38、R41〜R48、及びR51〜R58は式(2)において定義したとおりである。)
  6. 下記式(3a)〜(6a)のいずれかで表される請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    (式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R31〜R38、R41〜R48、及びR51〜R58は式(2)において定義したとおりである。)
  7. 下記式(3a−1)〜(3a−3)のいずれかで表される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    (式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R42〜R46、及びR52〜R56は式(2)において定義したとおりである。)
  8. 下記式(4a−1)又は(4a−2)で表される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    (式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R31〜R38、R42、R43、R45、R46、及びR52〜R56は式(2)において定義したとおりである。)
  9. 下記式(5a−1)又は(5a−2)で表される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    (式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R41〜R48、及びR52〜R56は式(2)において定義したとおりである。)
  10. 下記式(6a−1)又は(6a−2)で表される請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2021167278

    Figure 2021167278

    (式中、X、R〜R、R11〜R17、R21〜R30、L、L、及びnは式(1)において定義したとおりであり、R32、R33、R35、R36、R42、R43、R45、R46、及びR51〜R58は式(2)において定義したとおりである。)
  11. *aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38、*cに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR41〜R48、R55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選ばれる請求項3〜10のいずれか1項に記載の化合物。
  12. *aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38、*cに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR41〜R48、R55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54が、それぞれ独立して、水素原子、フェニル基、及び、ナフチル基からなる群から選ばれる請求項3〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. *aに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR31〜R38、*cに結合する単結合ではなく、かつ、*bに結合する単結合ではないR41〜R48、R55〜R58、及び、*eに結合する単結合ではないR51〜R54が水素原子である請求項3〜12のいずれか1項に記載の化合物。
  14. Xが酸素原子である請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 〜R、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rが、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選ばれる請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
  16. 〜Rから選ばれる隣接する2つ、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rから選ばれる隣接する2つが前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成しない請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
  17. 〜R、及び、*fに結合する単結合ではないR〜Rが水素原子である請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
  18. 11〜R17及びR21〜R30が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選ばれる請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物。
  19. 11〜R14から選ばれる隣接する2つ、R15〜R17から選ばれる隣接する2つ、R21〜R25から選ばれる隣接する2つ、及び、R26〜R30から選ばれる隣接する2つが前記脂肪族又は芳香族の環構造を形成しない請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  20. 11〜R17及びR21〜R30が水素原子である請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  22. 陰極、陽極、及び該陰極と該陽極の間に有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該有機層が発光層を含み、該有機層の少なくとも1層が請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23. 前記有機層が前記陽極と前記発光層の間に正孔輸送帯域を含み、該正孔輸送帯域が前記化合物を含む請求項22に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  24. 前記正孔輸送帯域が陽極側の第1正孔輸送層と陰極側の第2正孔輸送層を含み、該第1正孔輸送層、該第2正孔輸送層、又は双方が前記化合物を含む請求項22又は23に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  25. 前記第1正孔輸送層が前記化合物を含む請求項24に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  26. 前記第2正孔輸送層が前記化合物を含む請求項24に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  27. 前記第2正孔輸送層が前記発光層に隣接している請求項26に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  28. 前記発光層が蛍光ドーパント材料を含む請求項22〜27のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  29. 前記発光層が燐光ドーパント材料を含む請求項22〜27のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  30. 請求項22〜29のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子機器。
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