JP2021167012A - ガスシールドアーク溶接方法及び鋼管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記鋼管に設けられたエレクションピースに鉄骨建方調整治具を装着して前記鋼管の開先部を固定するステップと、
前記開先部に対して、半自動溶接又は手動溶接により、最初の1層又は数層目までを溶接するステップと、
前記最初の1層又は前記数層目までの溶接終了後に、前記鉄骨建方調整治具を撤去するステップと、
溶接ロボットによって、ビード継ぎ目が2箇所以下となるように残りの層を溶接するステップと、
を備えることを特徴とするガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、欠陥が発生しやすい部分である継ぎ目の数が少なく、かつ溶接ロボットによる作業効率の高い自動溶接が可能なガスシールドアーク溶接方法を提供できる。
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
溶接開始点を任意の位置に設定し、
溶接終了点は前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定し、
次層以降の層では、
前層の溶接終了点近傍を該次層の溶接開始点とし、
溶接終了点は前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定する
ことを特徴とする(1)に記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、溶接欠陥が発生しやすいビード継ぎ目において、溶接欠陥を抑制することができる。
(3) 複数の前記溶接ロボットによって前記残りの層を溶接する際、
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
溶接開始点を任意の位置に設定し、
一の前記溶接ロボットの溶接終了点は、隣接する他の前記溶接ロボットの前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定し、
次層以降の層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
前層の溶接終了点近傍を該次層の溶接開始点とし、
一の前記溶接ロボットの溶接終了点は、隣接する他の前記溶接ロボットの前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定する
ことを特徴とする(1)に記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、溶接欠陥が発生しやすいビード継ぎ目において、溶接欠陥を抑制することができる。
前記溶接開始範囲における開始溶接電流は、本溶接の前記溶接電流に対して50〜90%、
前記溶接開始範囲における開始溶接速度は、本溶接の前記溶接速度に対して110〜140%、
前記溶接開始範囲におけるチップ‐母材間距離は、本溶接の前記チップ‐母材間距離に対して50〜120%に設定される、
ことを特徴とする(2)又は(3)に記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、溶接開始範囲での溶着量を抑制して、重なり部の膨れを抑制することができる。
前記重なり部における終了溶接電流は、本溶接の前記溶接電流に対して50〜90%、
前記重なり部における終了溶接速度は、本溶接の前記溶接速度に対して110〜140%、
前記重なり部における終了アーク電圧は、本溶接の前記アーク電圧に対して50〜90%、
前記重なり部における終了チップ‐母材間距離は、本溶接の前記チップ‐母材間距離に対して50〜120%に設定される、
ことを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、本溶接後にクレータ処理を行って、溶接ビードの凹みを平らにして外観を改善することができる。
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
溶接開始点と溶接終了点を同じ位置に設定し、
次層以降の層では、
前層の前記溶接終了点近傍を該次層の前記溶接開始点とする、又は、前層の前記溶接終了点から溶接線方向に対し前後5〜20mmの位置を該次層の前記溶接開始点とする、
ことを特徴とする(1)に記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、ビード継ぎ目において、重なり部を有しないので、溶接開始点と溶接終了点の教示がしやすい。
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
一の前記溶接ロボットの溶接開始点と、隣接する他の前記溶接ロボットの溶接終了点を同じ位置に設定し、
次層以降の層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
前層の溶接終了点近傍を該次層の溶接開始点とする、又は、前層の溶接終了点から溶接線方向に対し前後5〜20mmの位置を該次層の溶接開始点とする、
ことを特徴とする(1)に記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、ビード継ぎ目において、重なり部を有しないので、溶接開始点と溶接終了点の教示がしやすい。
溶接終了時に0.1〜5秒間のクレータ処理のための期間を設ける、
ことを特徴とする(2)〜(5)のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、クレータ処理を行って、溶接ビードの凹みを平らにして外観性能を向上させることができる。
前記本溶接から前記クレータ処理までの間に、0.1〜1秒間の移行期間を設ける、
ことを特徴とする(8)に記載のガスシールドアーク溶接方法。
この構成によれば、移行期間に続くクレータ処理が安定する。
前記鋼管に設けられたエレクションピースに鉄骨建方調整治具を装着して前記鋼管の開先部を固定するステップと、
前記開先部に対して、半自動溶接又は手動溶接により、最初の1層又は数層目までを溶接するステップと、
前記最初の1層又は前記数層目までの溶接終了後に、前記鉄骨建方調整治具を撤去するステップと、
溶接ロボットによって、ビード継ぎ目が2箇所以下となるように残りの層を溶接するステップによって、
前記鋼管が溶接されることを特徴とする鋼管の製造方法。
この構成によれば、欠陥が発生しやすい部分である継ぎ目の数が少なく、かつ溶接ロボットによる作業効率の高い自動溶接が可能な鋼管の製造方法を提供できる。
可搬型溶接ロボット100は、図1及び図2に示すように、ガイドレール120と、ガイドレール120上に設置され、該ガイドレール120に沿って移動するロボット本体110と、ロボット本体110に載置されたトーチ接続部130と、を備える。ロボット本体110は、主に、ガイドレール120上に設置される本体部112と、この本体部112に取り付けられた固定アーム部114と、この固定アーム部114に、矢印R1方向に回転可能な状態で取り付けられた可動アーム部116と、から構成される。
上記の可搬型溶接ロボット100を用いた、ガスシールドアーク溶接方法による鋼管の溶接は、突合せ溶接で行うことが多く、図3に示す以下の手順で突合せ溶接が行われる。なお、以下の説明においては、鋼管として多角形角型鋼管を例に説明するが、本発明における鋼管は、多角形角型鋼管に限定されず、例えば、円形鋼管を適用することもできる。
まず、図4及び図5を参照し、該重なり部を有する溶接について説明する。なお、図4は、残りの層の各層における溶接開始点と溶接終了点との関係、すなわち重なり部を示している。図5は、多層盛溶接によるパスと各層との関係を示す断面概略図であり、図中の数字は、パス順を示している。図に示す例では、1層目は1パス、2層目は2パス及び3パス、3層目は4パス、5パス及び6パス、・・・で形成されることを示している。なお、Gapによっては、1層目が多パスになる場合もある。
まず、単一の可搬型溶接ロボット100による溶接について説明する。
以後同様に、次層以降の層でも、前層の溶接終了点E近傍を次層の溶接開始点Sとし、次層の溶接終了点Eが次層の溶接開始点Sを超えた位置に設定して上記重なり部Dを形成する。なお、重なり部Dのより好ましい長さは、略15mmである。
なお、クレータ処理は溶接電流、処理時間の他にも、アーク電圧、突出し長さ、溶接速度やガス流量、トーチ角度変更による前進角、後退角等の溶接条件の変更またはバックステップ等で位置変更する等をさせても良い。溶接条件の変更と位置変更を組み合わせるとなお好ましく、例えば、クレータ処理時に、一度突出しを短くし、溶接終了直後に、溶接開始点に移動し、動作終了する等が挙げられ、このプロセスにより、溶接ワイヤとビード間での融着を防止することができる。なお、ここで突出し変更は、溶接条件の変更を指し、溶接終了後の移動は、位置変更を指す。
続いて、単一の可搬型溶接ロボット100による、溶接開始点Sから溶接終了点Eまでの溶接ビードの重なり部を有さない溶接について、図11及び図12に基づいて説明する。該重なり部を有さない溶接においても、図5に示す多層盛溶接によるパスと各層との関係は同様である。該重なり部を有さない溶接においては、ビード継ぎ目において、残りの層のうちの初層での各パスでは、溶接開始点S1と溶接終了点E1を同じ位置に設定し、次層以降の層での各パスでは、前層の溶接終了点E1近傍を該次層の溶接開始点S2として溶接する、又は、溶接終了点E1から溶接線方向に対し前後5〜20mmの位置を、該次層の溶接開始点S2として溶接する。そして、溶接終了点E2を溶接開始点S2と同じ位置に設定する。
12 エレクションピース
13 鉄骨建方調整治具
15 溶接ビード
100 可搬型溶接ロボット(溶接ロボット)
CT クレータ処理期間
D,D1,D2 重なり部
E,E1,E2 溶接終了点
I 溶接電流
S,S1,S2 溶接開始点
SA 溶接開始範囲
TT 移行期間
Wo,Wo1,Wo2 ワーク(多角形角型鋼管、鋼管)
Claims (10)
- 鋼管を多層盛溶接で溶接するガスシールドアーク溶接方法であって、
前記鋼管に設けられたエレクションピースに鉄骨建方調整治具を装着して前記鋼管の開先部を固定するステップと、
前記開先部に対して、半自動溶接又は手動溶接により、最初の1層又は数層目までを溶接するステップと、
前記最初の1層又は前記数層目までの溶接終了後に、前記鉄骨建方調整治具を撤去するステップと、
溶接ロボットによって、ビード継ぎ目が2箇所以下となるように残りの層を溶接するステップと、
を備えることを特徴とするガスシールドアーク溶接方法。 - 単一の前記溶接ロボットによって前記残りの層を溶接する際、
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
溶接開始点を任意の位置に設定し、
溶接終了点は前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定し、
次層以降の層では、
前層の溶接終了点近傍を該次層の溶接開始点とし、
溶接終了点は前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - 複数の前記溶接ロボットによって前記残りの層を溶接する際、
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
溶接開始点を任意の位置に設定し、
一の前記溶接ロボットの溶接終了点は、隣接する他の前記溶接ロボットの前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定し、
次層以降の層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
前層の溶接終了点近傍を該次層の溶接開始点とし、
一の前記溶接ロボットの溶接終了点は、隣接する他の前記溶接ロボットの前記溶接開始点を超えた位置に設定し、
前記溶接開始点から前記溶接終了点までの溶接ビードの重なり部を10〜20mmに設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - 前記溶接開始点から10〜30mmの溶接開始範囲において、溶接電流、溶接速度及びチップ‐母材間距離のうち少なくとも1つの溶接条件を変更するものであって、
前記溶接開始範囲における開始溶接電流は、本溶接の前記溶接電流に対して50〜90%、
前記溶接開始範囲における開始溶接速度は、本溶接の前記溶接速度に対して110〜140%、
前記溶接開始範囲におけるチップ‐母材間距離は、本溶接の前記チップ‐母材間距離に対して50〜120%に設定される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - 前記重なり部の溶接において、溶接電流、溶接速度、アーク電圧及びチップ‐母材間距離のうち少なくとも1つの溶接条件を変更するものであって、
前記重なり部における終了溶接電流は、本溶接の前記溶接電流に対して50〜90%、
前記重なり部における終了溶接速度は、本溶接の前記溶接速度に対して110〜140%、
前記重なり部における終了アーク電圧は、本溶接の前記アーク電圧に対して50〜90%、
前記重なり部における終了チップ‐母材間距離は、本溶接の前記チップ‐母材間距離に対して50〜120%に設定される、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - 単一の前記溶接ロボットによって前記残りの層を溶接する際、
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
溶接開始点と溶接終了点を同じ位置に設定し、
次層以降の層では、
前層の前記溶接終了点近傍を該次層の前記溶接開始点とする、又は、前層の前記溶接終了点から溶接線方向に対し前後5〜20mmの位置を該次層の前記溶接開始点とする、
ことを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - 複数の前記溶接ロボットによって前記残りの層を溶接する際、
前記ビード継ぎ目において、
前記残りの層のうちの初層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
一の前記溶接ロボットの溶接開始点と、隣接する他の前記溶接ロボットの溶接終了点を同じ位置に設定し、
次層以降の層では、
複数の前記溶接ロボットそれぞれに対し、
前層の溶接終了点近傍を該次層の溶接開始点とする、又は、前層の溶接終了点から溶接線方向に対し前後5〜20mmの位置を該次層の溶接開始点とする、
ことを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - 前記重なり部を溶接する際、
溶接終了時に0.1〜5秒間のクレータ処理のための期間を設ける、
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - 前記クレータ処理時の溶接電流であるクレータ電流は、本溶接の溶接電流に対して50〜90%に設定され、
前記本溶接から前記クレータ処理までの間に、0.1〜1秒間の移行期間を設ける、
ことを特徴とする請求項8に記載のガスシールドアーク溶接方法。 - ガスシールドアーク溶接を用いて接合される鋼管の製造方法であって、
前記鋼管に設けられたエレクションピースに鉄骨建方調整治具を装着して前記鋼管の開先部を固定するステップと、
前記開先部に対して、半自動溶接又は手動溶接により、最初の1層又は数層目までを溶接するステップと、
前記最初の1層又は前記数層目までの溶接終了後に、前記鉄骨建方調整治具を撤去するステップと、
溶接ロボットによって、ビード継ぎ目が2箇所以下となるように残りの層を溶接するステップによって、
前記鋼管が溶接されることを特徴とする鋼管の製造方法。
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