JP3253747B2 - 溶接方法 - Google Patents

溶接方法

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JP3253747B2
JP3253747B2 JP11339793A JP11339793A JP3253747B2 JP 3253747 B2 JP3253747 B2 JP 3253747B2 JP 11339793 A JP11339793 A JP 11339793A JP 11339793 A JP11339793 A JP 11339793A JP 3253747 B2 JP3253747 B2 JP 3253747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の多電極溶接方法としては、特開昭
52−144346号に見られるように溶接線と同じ方
向に電極を配置し、深溶け込みと、高速度高溶着率溶接
を目的した方法や、特開昭53−21059号に見られ
るように消耗電極と組み合わせ、高速度高溶着率溶接を
目的とした方法がある。更に特公昭59−47628号
に見られるように電極間からフィラー(ホットワイヤ
ー)を送給することによって効率的に多層盛りを行うこ
とを目的とした方法がある。更にまた特公昭59−25
84号に見られるように電極を溶接線方向に対して前後
斜めに配置し、前面重ね隅肉溶接を一層盛りで完了する
方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように多電極を
用いた溶接方法では、深溶け込み、高速度高溶着率溶接
を目的としているため、溶接開先の変動によって溶接不
良等が発生したり、目的のビード形状を安定して得るこ
とが困難となる。また従来の溶接開先形状や溶融池をセ
ンシングすることによって、溶接条件を制御する方法で
は、多電極による溶接でないため、深溶け込み、高速度
高溶着率溶接が困難であるという欠点がある。更に一本
の電極からの溶接条件の制御だけでは溶接可能である溶
接開先範囲、並びに目的のビート形状を得ることができ
る溶接開先範囲が狭いという問題点がある。
【0004】本発明は上記の問題点に鑑みて為されたも
ので、その目的とするところは、深溶け込み、高速度高
溶着率溶接が行える上に、より広い溶接開先範囲で、溶
接不良の発生を抑え、目的のビード形状を安定して得る
溶接方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、2枚の被溶接材を略直角に突
き合わせて構成される角継手の溶接方法において、互い
に電気的に独立するとともに個々に回動する複数の電極
を一つの溶融池を形成するように配置し、溶融池の形状
情報を用いて個々の電極の溶接条件を制御し、角継手
溶接することを特徴とする。
【0006】
【0007】請求項の発明は、請求項1の発明におい
て、溶融池の形状の特異点から個々の電極の溶接条件を
制御することを特徴とする
【0008】請求項の発明は、請求項1の発明におい
て、溶接条件の制御として、少なくとも一方の電極から
の入熱量を制御することを特徴とする。請求項の発明
は、請求項1の発明において、溶接条件の制御として、
電極相対位置を制御することを特徴とする。請求項
発明は、請求項1の発明において、少なくとも二つの電
極を溶接進行方向の前後に配置し、個々の電極からの溶
接条件を制御することを特徴とする。
【0009】請求項の発明は、請求項の発明におい
て、非消耗電極と消耗電極を用いた溶接法を組み合わせ
て溶接することを特徴とする。請求項の発明は、請求
の発明において、少なくとも一方の電極による溶接
法にプラズマ溶接法を用いることを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1の発明によれば、多電極の溶接条件を
制御することができるため、深溶け込み、高速度高溶着
率溶接を行うことができ、より広い溶接開先範囲で溶接
不良の発生を抑え、目的のビード形状を安定して得るこ
とができ、且つ、溶融池の形状情報を用いて個々の電極
の溶接条件を制御するため、溶接開先の形状をセンシン
グするための光源が不要となる。
【0011】請求項の発明によれば、請求項1の発明
において、溶融池の形状の特異点から個々の電極の溶接
条件を制御するので、溶接開先の形状をセンシングする
ための光源が不要となる
【0012】請求項の発明によれば、請求項1の発明
において、溶接条件の制御として、少なくとも一方の電
極からの入熱量を制御するので、周波数、溶接電流等の
電気的制御によって入熱量を制御することができ、機械
的制御に比べて制御が容易に行える。請求項の発明に
よれば、請求項1の発明において、溶接条件の制御とし
て、電極相対位置を制御するので、溶接開始前に電極の
相対位置を精密にセットする必要がなくなる。
【0013】請求項の発明によれば、請求項1の発明
において、少なくとも二つの電極を溶接進行方向の前後
に配置し、個々の電極からの溶接条件を制御するので、
トーチ部の進入が困難である場所に対する溶接が可能と
なる。請求項の発明によれば、請求項の発明におい
て、非消耗電極と消耗電極を用いた溶接法を組み合わせ
て溶接するので、消耗電極で得られる肉盛り溶接部によ
り滑らかなビード形状が得られ、更に開先形状に応じて
溶着金属量を制御することができる。請求項の発明に
よれば、請求項の発明において、少なくとも一方の電
極による溶接法にプラズマ溶接法を用いるので、安定し
た裏波ビードが得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (参考例1) 図1は本参考例に用いる溶接システムの概略構成図を示
しており、被溶接材1は、箱体を構成するような板材で
あって、2枚の被溶接材1、1を直角に突き合わせて構
成される角継手部が溶接される。互いに独立している2
台のアーク溶接装置からなる溶接装置2a,2bの夫々
の電極3a,3bを溶接部位において一つの溶融池が形
成できるように配置してある。これらの電極3a,3b
はロボット装置4のアーム4aの先部に設けられたトー
チ部に装着され、ロボット装置4により溶接線Xに沿っ
て移動することができるようになっている。また両電極
3a,3bは図2に示すようにラチェット6a,6bの
端部が支持されており、駆動歯車7をモータ(図示せ
ず)で回転させることにより、ラチェット6a,6bを
動かして両電極3a,3bの先端同士を近づけたり、遠
ざけたりすることができるようになっている。また電極
3a,3bの支持部を回動できるようにして、電極3
a,3bの先端を図示するように互いに直交する方向に
向けたり、後述するように溶接進行方向の前後に配置す
る場合には同一方向に向けることができるようになって
いる。
【0015】上記ラチェット6a,6b、駆動歯車7及
びモータ等により電極3a,3b間距離を調整する位置
調整装置が構成される。溶接開先の形状認識するための
センサ5又はTVカメラは両電極3a,3bとともにロ
ボット装置4のアーム5先端に、両電極3a,3bの位
置に対して溶接進行方向の前側となるように装着してあ
る。
【0016】画像処理装置8は例えばセンサ5又はTV
カメラから適宜な公知の光切断法による光切断画像を取
り込み、この取り込んだ光切断画像より溶接開先形状の
特異点を抽出して電極3a,3bからの入熱量を制御す
るデータを生成するようになっている。ロボット装置4
及び溶接装置2a,2bの制御を行うのがロボット制御
装置9であって、このロボット制御装置9は予め設定さ
れたプログラム又はティーチングにより設定されたプロ
グラムに沿ってロボット装置4のアーム4aの動き制御
するとともに、上記の画像処理装置8からの入熱量制御
のための特異点抽出情報に基づいて溶接装置2a,2b
から出力される溶接電流の電流値や周波数を制御して電
極3a,3bからの溶接入熱量を制御する機能を具備し
ている。
【0017】図3は図1の溶接システムを概念的に示し
た図面であり、画像処理装置8は汎用のコンピュータを
利用して構成され、ロボット制御装置9に対しては制御
条件の情報を通信により送るようになっている。またロ
ボット制御装置9は位置制御の情報をロボット装置4に
送り、また各溶接装置2a,2bに入熱量制御の情報を
送るようになっている。
【0018】而して被溶接材1、1の裏部に溶接治具1
0を当て、この溶接治具10に溶接装置2a,2b内の
溶接電源の接地極を接続し、また各対応する電極3a,
3bに溶接電源の他の極を接続する。この状態でロボッ
ト制御装置9に溶接開始の指令を与えると、ロボット制
御装置9は図4に示すフローチャートに基づく制御を行
う。つまりロボット装置4を駆動制御して溶接開始点に
電極3a,3b及びセンサ5を移動させて電極3a,3
bを溶接開先において溶接線Xの両側に配置し且つ、溶
接開先を撮像できる位置にセンサ5を配置する。
【0019】この状態でロボット制御装置9は溶接装置
2a,2bに対して電極3a,3bへの通電開始を指令
するとともに、画像処理装置8に対して画像処理開始を
指令し、同時にロボット装置4に対して電極3a,3b
及びセンサ5を溶接線Xに沿って下方に移動させる制御
指令を与えて溶接を開始する。画像処理装置8は、セン
サ5を通じて溶接開先の光切断画像を取り込んで画像処
理を行い、特異点(P,Q,R)を抽出する。これら特
異点は図5に示すように角継手部の出隅となるR点と、
電極3b側の開先エッジに対応するQ点と、電極3a側
の開先エッジに対応するP点であり、これらの特異点
(P,Q,R)の抽出情報はロボット制御装置9に送ら
れる。
【0020】ロボット制御装置9は、この抽出情報に基
づいて次のように溶接入熱量の制御を行う。つまりP点
とR点間の距離が増加すれば、電極3aからの入熱量を
減少させ、電極3bからの入熱量を増加させるように夫
々に対応する溶接装置2a,2bを制御する。またP点
とR点間の距離が一定であれば現状の入熱量を維持させ
る。そしてP点とR点間の距離が減少すれば、電極3a
からの入熱量を増加させ、電極3bからの入熱量を減少
させるように夫々に対応する溶接装置2b,2aを制御
する。
【0021】同様にQ点とR点間の距離が増加すれば、
電極3bからの入熱量を減少させ、電極3aからの入熱
量を増加させるように夫々に対応する溶接装置2b,2
aを制御する。またQ点とR点間の距離が一定であれば
現状の入熱量を維持させる。Q点とR点間の距離が減少
すれば、電極3bからの入熱量を増加させ、電極3aか
らの入熱量を減少させるように夫々に対応する溶接装置
2b,2aを制御する。
【0022】このようにして、個々の電極3a,3bの
溶接入熱の制御を行いながらロボット装置4により電極
3a,3b及びセンサ5を溶接線Xに沿って下方に移動
させて溶接を行うのである。図6は溶接途中の状態を示
しており、電極3a,3b及びセンサ5の上方には溶接
ビードYが形成されている。上述のように本参考例では
個々の電極3a,3bからの入熱量を特異点の抽出情報
に基づいて制御するため、深溶け込み、高速度高溶着率
が得られる溶接が行え、しかも溶接前の特異点の抽出情
報をバッファとしてストアーできるため、抽出情報をフ
レキシブルに使用することができるという特徴がある。
また電気的に制御できる入熱量を採用しているため、制
御が容易という特徴もある。
【0023】(参考例2) 本参考例は参考例1と同様に光切断画像から溶接開先の
形状の特異点(P,Q,R)を抽出するものであるが、
この抽出情報に基づいてロボット制御装置9はロボット
装置4のアーム4a先部に装着してある電極3a,3b
の相対位置を制御する点で参考例1と相違する。尚シス
テム構成は参考例1と基本的に同じであるため図示及び
説明は省略する。また特異点抽出も同じであるため、特
異点抽出についての説明も省略する。
【0024】而して本参考例では図7に示すフローチャ
ートのようにロボット制御装置9は図4に示す特異点
(P,Q,R)の抽出情報に基づいて電極3aが点Pに
対して一定距離を保持しながら追従するように、また電
極3bが同様にQ点を追従するようにロボット装置4の
アーム4a及び上述の位置制御装置を制御するのであ
る。
【0025】このように本参考例では電極3a,3bを
点P、Qに夫々追従させる制御を行うことにより、参考
例1と同様に深溶け込み、高速度高溶着率が得られる溶
接が行え、しかも溶接前の特異点の抽出情報をバッファ
としてストアーできるため、抽出情報をフレキシブルに
使用することができるという特徴がある。また溶接開始
前に電極3a,3bの相対位置を精密にセットする必要
がなくなる。
【0026】(実施例) 上記参考例1、2では光切断法によって角継手部の特異
点を抽出してその抽出情報に基づいて溶接条件を制御し
ていたが、本実施例では、センサ5又はTVカメラで撮
像して得られた画像に基づいて画像処理装置8により、
溶融池形状の特異点(P,Q,R)を抽出し、この抽出
情報に基づいて参考例1と同様に電極3a,3bの個々
の溶接入熱量を制御する。
【0027】尚使用する溶接システムは参考例1と同じ
であるためシステム構成についての説明は省略する。而
して、本参考例では図8に示すフローチャートに基づい
て制御が行われ、ロボット制御装置9に溶接開始の指令
を与えると、ロボット制御装置9はロボット装置4を駆
動制御して溶接開始点に電極3a,3b及びセンサ5を
移動させ、電極3a,3bを溶接開先において溶接線X
の両側に配置し且つ、溶接池を撮像できる位置にセンサ
5を配置する。
【0028】この状態でロボット制御装置9は溶接装置
2a,2bに対して電極3a,3bへの通電開始を指令
するとともに、画像処理装置8に対して画像処理開始を
指令し、同時にロボット装置4に対して電極3a,3b
及びセンサ5を溶接線Xに沿って下方に移動させる制御
指令を与えて溶接を開始する。溶接を開始すると溶接ビ
ードYが図9に示すように溶接線Xに沿って形成され、
また電極3a,3b付近では被溶接材1、1が溶けて溶
融池Zが出来る。この溶融池Zは重力によって開先エッ
ジ及び溶接線Xに対応するように図10に示す形状を呈
することになる。センサ5は溶融池Zを撮像し、画像処
理装置8はこの溶融池Zの画像を取り込み、両側の開先
エッジに対応する溶融池Zの下端点P,Qと溶接線Xに
対応する下端点Rを特異点として抽出する。
【0029】これらの特異点(P,Q,R)の抽出情報
はロボット制御装置9に送られ、ロボット制御装置9
は、この抽出情報に基づいて次のように溶接入熱量の制
御を行う。つまりR点とP点間の距離及びR点とQ点間
の距離が共に増加すれば、両電極3a,3bからの入熱
量を増加させるように夫々に対応する溶接装置2a,2
bを制御する。またR点とP点間の距離及びR点とQ点
間の距離が共に一定であれば現状の入熱量を維持させ
る。そしてR点とP点間の距離及びR点とQ点間の距離
が共に減少すれば、両電極3a,3bからの入熱量を減
少させるように夫々に対応する溶接装置2b,2aを制
御する。
【0030】またP点とR点間の距離及びP点とQ点間
の距離が共に増加すれば、電極3bからの入熱量を増加
させるように対応する溶接装置2bを制御する。P点と
R点間の距離及びP点とQ点間の距離が共に一定であれ
ば現状の入熱量を維持させる。そしてP点とR点間の距
離及びP点とQ点間の距離が共に減少すれば、電極3b
からの入熱量を減少させるように対応する溶接装置2b
を制御する。
【0031】更にQ点とR点間の距離及びQ点とP点間
の距離が共に増加すれば、電極3aからの入熱量を増加
させるように対応する溶接装置2aを制御する。またQ
点とR点間の距離及びQ点とP点間の距離が共に一定で
あれば現状の入熱量を維持させる。そしてQ点とR点間
の距離及びQ点とP点間の距離が共に減少すれば、電極
3aからの入熱量を減少させるように対応する溶接装置
2aを制御する。
【0032】このようにして、個々の電極3a,3bの
溶接入熱量の制御を行いながらロボット装置4により電
極3a,3b及びセンサ5を溶接線Xに沿って下方に移
動させて溶接を行うのである。上述のように本実施例で
は個々の電極3a,3bからの入熱量を溶接池Zの形状
の特異点の抽出情報に基づいて制御するため、深溶け込
み、高速度高溶着率が得られる溶接が行え、溶融池Zの
形状の画像処理を行うためセンシングのための光源が不
要となるという特徴がある。また電気的に制御できる入
熱量を採用しているため、制御が容易という特徴もあ
る。
【0033】(実施例) 本実施例は実施例と同様に溶融池Zの形状の特異点
(P,Q,R)を抽出するものであるが、この抽出情報
に基づいてロボット制御装置9はロボット装置4のアー
ム4a先部に装着してある電極3a,3bの相対位置を
参考例2と同様に制御する点で実施例と相違する。尚
溶接システム構成は実施例と同様に参考例1と基本的
に同じであるため図示及び説明は省略する。また特異点
抽出は実施例と同じであるため、特異点抽出について
の説明も省略する。
【0034】而して図11に示すフローチャートにより
ロボット制御装置9は図9に示す特異点(P,Q,R)
の抽出情報に基づいて次のような条件で電極相対位置の
制御を行う。つまりR点とP点間の距離及びR点とQ点
間の距離が共に増加すれば、電極3a,3b間の距離を
減少させるように位置調整装置を制御し、またR点とP
点間の距離及びR点とQ点間の距離が一定であれば現状
を維持し、更にR点とP点間の距離及びR点とQ点間の
距離が共に減少すれば、電極3a,3b間の距離を増加
させるように位置調整装置を制御するのである。
【0035】このように本実施例では電極3a,3bの
相対位置を制御することにより深溶け込み、高速度高溶
着率が得られる溶接が行え、しかも溶融池Zの形状の画
像処理を行うためセンシングのための光源が不要となる
という特徴がある。また溶接開始前に電極3a,3bの
相対位置を精密にセットする必要がなくなる。 (参考例3) 上記参考例1では光切断法により溶接前の溶接開先の形
状をとらえ、この形状の特異点を抽出していたが、本
例では光切断溶接後の溶接ビードYの形状を光切断法
により認識して特異点を抽出し、その抽出情報に基づい
て電極3a,3bからの入熱量を個々に制御するように
したものである。
【0036】つまり本参考例では図12に示すフローチ
ャートに沿って制御が為され、溶接によって形成される
溶接ビードYの形状を光切断法による画像としてセンサ
5から画像処理装置8に取り込み、図13に示すように
角継手部の出隅部の点Rと、電極3a側の溶接ビードY
と被溶接材1との接点P及び電極3b側の溶接ビードY
と被溶接材1との接点Qを特異点として抽出する。
【0037】これらの特異点(P,Q,R)の抽出情報
を受け取ったロボット制御装置9は、この抽出情報に基
づいて次のように溶接入熱量の制御を行う。つまりP点
とR点間の距離が増加すれば、電極3aからの入熱量を
減少させ、電極3bからの入熱量を増加させるように夫
々に対応する溶接装置2a,2bを制御する。またP点
とR点間の距離が一定であれば現状の入熱量を維持させ
る。そしてP点とR点間の距離が減少すれば、電極3a
からの入熱量を増加させ、電極3bからの入熱量を減少
させるように夫々に対応する溶接装置2b,2aを制御
する。
【0038】同様にQ点とR点間の距離が増加すれば、
電極3bからの入熱量を減少させ、電極3aからの入熱
量を増加させるように夫々に対応する溶接装置2b,2
aを制御する。またQ点とR点間の距離が一定であれば
現状の入熱量を維持させる。Q点とR点間の距離が減少
すれば、電極3bからの入熱量を増加させ、電極3aか
らの入熱量を減少させるように夫々に対応する溶接装置
2b,2aを制御する。 このようにして、個々の電極
3a,3bの溶接入熱量の制御を行いながらロボット装
置4により電極3a,3b及びセンサ5を溶接線Xに沿
って下方に移動させて溶接を行うのである。
【0039】上述のように本参考例では個々の電極3
a,3bからの入熱量を特異点の抽出情報に基づいて制
御するため、深溶け込み、高速度高溶着率が得られる溶
接が行え、しかも溶接後の溶接ビードYの形状の特異点
の抽出情報に基づく制御であるためフィードバック制御
が可能となり、更に電気的に制御できる入熱量を溶接条
件の制御に用いているため、制御が容易という特徴もあ
る。
【0040】(実施例) 上記実施例1、2及び参考例1〜3では電極3a,3b
の配置は溶接線Xを挟む形で配置されていたが、本実施
例では図14に示すように電極3a、3bを溶接進行方
向の前後に位置させて、図15(a)(b)に示すよう
に配置するようにしたもので、溶接条件の制御には実施
例2と同様に電極の相対位置を制御する方法が用いられ
る。尚システム構成は参考例1と同様な構成となるため
説明は省略する。
【0041】而して本実施例では光切断法によって溶接
開先形状をとらえて、参考例1と同様に図4の如く特異
点(P,Q,R)を抽出する。この抽出した情報に基づ
いてロボット制御装置9は電極3aを点Pに、電極3b
を点Qに追従させるようにロボット装置4に設けてある
位置制御装置及びアーム4aを制御し、R点とP点の距
離、R点とQ点の距離が共に増加する場合には電極3
a,3b間の距離を増加させ、R点とP点の距離、R点
とQ点の距離が共に一定の場合には現状を維持させ、R
点とP点の距離、R点とQ点の距離が共に減少する場合
には電極3a,3b間の距離を減少させるのである。尚
図15(a)(b)において矢印イは溶接進行方向を、
ロは電極3a,3bの位置補正方向を示す。
【0042】本実施例では上記の各実施例と同様に深溶
け込み、高速度高溶着率が得られる溶接が行え、特に溶
接進行方向の前後に電極3a,3bを配置するためトー
チ部の進入が困難な狭い場所でも溶接することが可能と
なる。また電極3a,3b間の距離制御により溶接開先
に応じた溶け込み深さが得られるという特徴がある。 (実施例) 本実施例は実施例と同様に電極3a,3bを図16に
示すように溶接進行方向の前後に配置してあるが、一方
の電極、例えば3aを消耗電極とし、他方3bを非消耗
電極とし、また電極の相対位置制御でなく溶接入熱量の
制御を採用したものである。
【0043】而して本実施例では実施例と同様に光切
断法によって角継手部の溶接開先形状をとらえて、図4
の如く特異点(P,Q,R)を抽出し、この抽出情報に
基づいて、R点とP点の距離、R点とQ点の距離が共に
増加する場合には電極3aからの入熱量を増加させ、R
点とQ点の距離が一定の場合には現状を維持させ、R点
とQ点の距離が共に減少する場合には電極3aからの入
熱量を減少させるのである。
【0044】本実施例では上記の各実施例と同様に深溶
け込み、高速度高溶着率が得られる溶接が行え、特に溶
接進行方向の前後に電極3a,3bを配置するためトー
チ部の進入が困難な狭い場所でも溶接することが可能と
なる。また消耗電極で得られる肉盛り溶接部により滑ら
かな溶接ビート形状が得られるとともに、溶接開先形状
に応じて溶着金属量を制御することができる。
【0045】(実施例) 本実施例は、実施例における消耗電極の代わりに、少
なくとも一方の電極による溶接法をプラズマ溶接法とし
たもので、例えば実施例で消耗電極としていた電極3
aを図17に示すようにプラズマ溶接法の電極3a’に
代えている。電極3bは実施例と同様に非消耗電極と
してある。
【0046】而して本実施例では実施例と同様に光切
断法によって角継手部の溶接開先形状をとらえて、図4
の如く特異点(P,Q,R)を抽出し、この抽出情報に
基づいて、R点とP点の距離、R点とQ点の距離が共に
増加する場合には電極3aからの入熱量を増加させ、R
点とQ点の距離が一定の場合には現状を維持させ、R点
とQ点の距離が共に減少する場合には電極3aからの入
熱量を減少させるのである。
【0047】本実施例では上記の各実施例と同様に深溶
け込み、高速度高溶着率が得られる溶接が行え、特に溶
接進行方向の前後に電極3a,3bを配置するためトー
チ部の進入が困難な狭い場所でも溶接することが可能と
なる。また消耗電極で得られる肉盛り溶接部により滑ら
かな溶接ビート形状が得られるとともに、プラズマ溶接
により安定した裏波ビードが得られるという特徴があ
る。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、2枚の被溶接
材を略直角に突き合わせて構成される角継手の溶接方法
において、互いに電気的に独立するとともに個々に回動
する複数の電極を一つの溶融を形成するように配置
し、溶融池の形状情報を用いて個々の電極の溶接条件を
制御し、角継手を溶接するので、多電極の溶接条件を制
御することができるため、深溶け込み、高速度高溶着率
溶接を行うことができ、より広い溶接開先範囲で溶接不
良の発生を抑え、目的のビード形状を安定して得ること
ができ、且つ、溶融池の形状情報を用いて個々の電極の
溶接条件を制御するため、溶接開先の形状をセンシング
するための光源が不要となる。さらに、複数の電極は個
々に回動するので、電極を回転させて電極の先端を互い
に直交する方向に向けたり、溶接進行方向の前後に配置
するために同一方向に向けるなどして、複数の電極の相
対角度や距離を変化させることができる。角継手を溶接
する場合、2枚の被溶接材の開先が狭かったり、広かっ
たりするとビード形状が不安定になって、溶接不良が発
生する虞があるが、開先の広さによって溶融池の形状が
変わるので、溶融池の形状情報を用いて個々の電極の相
対位置(相対角度や距離)、入熱量などの溶接条件を制
御することによって、開先のばらつきがビード形状に影
響するのを抑制し、溶接不良の発生を低減することがで
きる。
【0049】
【0050】請求項の発明によれば、請求項1の発明
において、溶融池の形状の特異点から個々の電極の溶接
条件を制御するので、溶接開先の形状をセンシングする
ための光源が不要となる
【0051】請求項の発明によれば、請求項1の発明
において、溶接条件の制御として、少なくとも一方の電
極からの入熱量を制御するので、周波数、溶接電流等の
電気的制御によって入熱量を制御することができ、機械
的制御に比べて制御が容易に行える。請求項の発明に
よれば、請求項1の発明において、溶接条件の制御とし
て、電極相対位置を制御するので、溶接開始前に電極の
相対位置を精密にセットする必要がなくなる。
【0052】請求項の発明によれば、請求項1の発明
において、少なくとも二つの電極を溶接進行方向の前後
に配置し、個々の電極からの溶接条件を制御するので、
トーチ部の進入が困難である場所に対する溶接が可能と
なる。請求項の発明によれば、請求項の発明におい
て、非消耗電極と消耗電極を用いた溶接法を組み合わせ
て溶接するので、消耗電極で得られる肉盛り溶接部によ
り滑らかなビード形状が得られ、更に開先形状に応じて
溶着金属量を制御することができる。
【0053】請求項の発明によれば、請求項の発明
において、少なくとも一方の電極による溶接法にプラズ
マ溶接法を用いるので、安定した裏波ビードが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1に用いる溶接システムの構成
図である。
【図2】同上の電極の位置調整装置の概略構成図であ
る。
【図3】同上の溶接システムの概念的な構成図である。
【図4】同上の制御のフローチャートである。
【図5】同上の特異点抽出の説明図である。
【図6】同上の溶接途中の溶接開先を見た一部省略せる
概略斜視図である。
【図7】本発明の参考例2の制御のフローチャートであ
る。
【図8】本発明の実施例の制御のフローチャートであ
る。
【図9】同上の溶接途中の溶接開先を見た一部省略せる
概略斜視図である。
【図10】同上の特異点抽出の説明図である。
【図11】本発明の実施例の制御のフローチャートで
ある。
【図12】本発明の実施例の制御のフローチャートで
ある。
【図13】同上の特異点抽出の説明図である。
【図14】本発明の参考例3の電極配置説明用の概略斜
視図である。
【図15】(a)は同上の電極配置説明用の概略側面図
である。(b)は同上の電極配置説明用の概略正面図で
ある。
【図16】本発明の実施例の電極配置説明用の概略側
面図である。
【図17】本発明の実施例の電極配置説明用の概略側
面図である。
【符号の説明】
1 被溶接材 2a,2b 溶接装置 3a,3b 溶接電極 4 ロボット装置 4a アーム 8 画像処理装置 9 ロボット制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B23K 9/16 B23K 9/16 K 10/02 10/02 Z (56)参考文献 特開 昭62−33064(JP,A) 特開 昭58−187262(JP,A) 特開 昭57−139482(JP,A) 実開 昭61−27575(JP,U) 特公 平1−55074(JP,B2) 特公 昭54−869(JP,B1) 特公 平4−28469(JP,B2) 特公 昭32−1510(JP,B1) 実公 平2−43576(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/00 B23K 9/095 B23K 9/127 B23K 9/16 B23K 10/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の被溶接材を略直角に突き合わせて構
    成される角継手の溶接方法において、互いに電気的に独
    するとともに個々に回動する複数の電極を一つの溶融
    池を形成するように配置し、溶融池の形状情報を用いて
    個々の電極の溶接条件を制御し、角継手を溶接すること
    を特徴とする溶接方法。
  2. 【請求項2】溶融池の形状の特異点から個々の電極の溶
    接条件を制御することを特徴とする請求項1記載の溶接
    方法。
  3. 【請求項3】溶接条件の制御として、少なくとも一方の
    電極からの入熱量を制御することを特徴とする請求項
    記載の溶接方法。
  4. 【請求項4】溶接条件の制御として、電極相対位置を
    御することを特徴とする請求項1記載の溶接方法。
  5. 【請求項5】少なくとも二つの電極を溶接進行方向の前
    後に配置し、個々の電極からの溶接条件を制御すること
    を特徴とする請求項記載の溶接方法。
  6. 【請求項6】非消耗電極と消耗電極を用いた溶接法を組
    み合わせて溶接することを特徴とする請求項記載の溶
    接方法。
  7. 【請求項7】少なくとも一方の電極による溶接法にプラ
    ズマ溶接法を用いることを特徴とする請求項記載の溶
    接方法
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