JPH05374A - 水平固定管状部材の円周ガスシ−ルドア−ク自動溶接方法と溶接ト−チの傾動装置 - Google Patents

水平固定管状部材の円周ガスシ−ルドア−ク自動溶接方法と溶接ト−チの傾動装置

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JPH05374A
JPH05374A JP17904991A JP17904991A JPH05374A JP H05374 A JPH05374 A JP H05374A JP 17904991 A JP17904991 A JP 17904991A JP 17904991 A JP17904991 A JP 17904991A JP H05374 A JPH05374 A JP H05374A
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angle
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torch angle
tubular member
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Shiro Kikuno
嗣郎 菊野
Norimitsu Baba
則光 馬場
Kazuo Nagatomo
和男 長友
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水平固定管状部材の円周全姿勢溶接を能率的
にかつ高品質の溶接部を得るための溶接方法とその装置
の提供。 【構成】 ガスシ−ルドア−ク溶接法で溶接姿勢が刻々
と変化する固定管状部材を内面側から溶接するにおい
て、各姿勢位置で最適な溶接ト−チ角度2に設定するも
ので、各姿勢位置は刻々と変化するのでそれに合わせて
溶接ト−チ角度2も最適ト−チ角度に変化させながら溶
接する方法、および、溶接ト−チ1を備えた溶接装置に
おいて該溶接ト−チ1を介して送給される溶接ワイヤ先
端のア−ク発生点を回転中心として溶接ト−チ1を傾動
する装置。 【効果】 最も困難な技術である円周全姿勢溶接におい
て、上向姿勢では高電流溶接となり、立向姿勢では高溶
着溶接とし下向姿勢では高速溶接とし、ト−タルとして
高能率で品質の安定した溶接が可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大径導水管あるいは鋼枠
製セグメントで構築される円形状トンネル等の水平固定
管状部材の突合せ円周継目部を内面側から溶接するガス
シ−ルドア−ク自動溶接方法および溶接ト−チの傾動装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平成2年版「溶接接合便覧」(P−28
6)によると、溶接ト−チ角度と溶接進行方向の位置関
係から該ト−チを被溶接材に向けて垂直にした位置から
溶接進行方向に対し反対側に傾斜させることを前進法と
いい、その傾斜角を前進角とし、該ト−チを溶接進行方
向側に傾斜させることを后退法といい、その傾斜角を后
退角としている。従来の自動溶接では、溶接線に沿って
レ−ルを置き、レ−ル上に走行台車を設置し、台車に付
設されたスタンドからア−ムが出て該ア−ムの把持部で
溶接ト−チを被溶接個所に向けて固定するという方法が
とられている。この場合、溶接ト−チ角度を傾斜させる
ためには、把持された該ト−チの中央部を傾斜角の軸心
にして定められた角度に傾斜させて固定し溶接する。図
15は従来法による溶接の状況を示す側断面図で図示し
ない台車のスタンドから出たア−ムの把持部24に固定
されト−チ1により溶接している状況を示している。図
中12は溶接ト−チを前進角に傾斜した状況を模式的に
示したもので、13は該溶接ト−チ角度を后退法にした
状況を示している。2はその角度をあらわすものであ
る。また、図中22はシ−ルドガスノズルで、23はシ
−ルドガスノズルを介して送給されるシ−ルドガスの送
給状況を模式的に示したものである。このような機構で
の自動溶接は定められた溶接ト−チ角度に設定して溶接
すると、溶接終了点まで定められた溶接ト−チ角度で溶
接することになる。もし、溶接中に該溶接ト−チ角度を
変更させようとすると、ト−チ中央の把持部を傾斜角の
軸心にしているため、ア−ク発生点が急激に該ト−チの
傾斜方向に対し反対側に移動することになり連続した溶
接ビ−トは得られない。よって、該溶接ト−チ角度を変
更したい場合は、溶接を一旦中断してト−チの把持部の
固定金具をゆるめてから該ト−チを傾け規定の角度に設
定する必要がある。管状部材の円周継目を溶接する方法
として、特開昭61−123468号「全姿勢配管自動
溶接装置」あるいは特開昭58−145394号「大径
管内面自動溶接用ガイドレ−ル装置」および特開昭51
−26654号「大径管自動溶接方法」等があるが、こ
れらはそれぞれの発明要点が述べられており、該溶接ト
−チ角度については一定角度で溶接する先に述べた方法
であるか、または溶接ト−チ角度については言及されて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水平固定管状部材の突
合せ円周継目を溶接するのは、刻々と変化する全姿勢溶
接であるため最もむつかしい溶接技術の1つである。す
なわち、重力に抗して溶接することになる上向姿勢にお
いては溶融金属の落下、凸出するのを防止するため電流
を低くして溶接する必要があるが溶接能率を向上させる
ためには可能なかぎり高電流、高速溶接ができ平滑で安
定した均一な溶接ビ−ドとすることが課題である。立向
姿勢位置では溶融金属が凸出することはないが、溶接進
行方向下側に流出し易いため、溶接電流を高くしても溶
接入熱量が増した分溶融金属が流出し易くなるため連続
した溶接ビ−ドを得るためには溶接速度を速くしなけれ
ばならず、結局浅溶込みで低余盛の溶接ビ−ド、すなわ
ち溶接層厚み(溶込み深さ+余盛高さ)の小さい溶接ビ
−ドが得られる。ここでは溶接電流を高くして能率向上
をはかり、同時に溶接速度を可能なかぎり低くおさえて
溶接層厚みを大きくする方法とすることが課題である。
下向姿勢は重力の及ぼす悪影響がないだけ問題は少ない
と言えるが他の姿勢位置と整合性のある溶接層厚みを得
るための高能率溶接法、すなわち高電流、高速度で安定
した品質の溶接部を得ることが課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、突合せ
水平固定管状部材を内面側から管頂部(時計位置で12
時)をスタ−ト点として管底部(時計位置で6時)へ向
けて円周溶接する左右それぞれの下進自動溶接方法にお
いて、12時位置では溶接ト−チ角度を管の該位置にお
ける法線にたいして前進角3〜7度に傾けて溶接をスタ
−トし、同時にア−ク発生点を中心にして該溶接ト−チ
角度を徐々に変化させながら溶接を進め、11時位置で
は該溶接ト−チ角度を該位置における管の接線に対して
ほぼ垂直にし、引続き該溶接ト−チ角度を変化させなが
ら溶接して、10時位置では溶接ト−チ角度を該位置に
おける管の法線に対し后退角3〜7度にし、同様に該溶
接ト−チ角度を変化させながら溶接して、9時位置では
該溶接ト−チ角度を后退角8〜12度にし、9時位置以
降は該溶接ト−チ角度を逆方向に変化させながら溶接し
ていき、8時位置では溶接ト−チ角度を該位置における
管の法線に対して后退角3〜7度にし、引続き同様に変
化させながら溶接して、7時位置では溶接ト−チ角度が
該位置における管の接線に対してほぼ垂直にし、さらに
該溶接ト−チ角度を変化させながら溶接して、溶接終了
点となる6時位置では該溶接ト−チ角度が前進角3〜7
度になって溶接が終了するようにして片側半周の溶接を
終了し、残りの片側半周も前記と同じ対称位置において
は同様に該溶接ト−チ角度を変化させながら溶接するこ
とを特徴とする水平固定管状部材の円周ガスシ−ルドア
−ク自動溶接方法と、突合せ水平固定管状部材の内面円
周に沿って移動する溶接ト−チを備えた溶接装置におけ
る該溶接ト−チの傾動装置であって、該溶接ト−チを装
着し、かつ該溶接ト−チを介して送給される溶接ワイヤ
の先端のア−ク発生点を回転中心として円弧運動する機
構を備えた溶接ト−チの傾動装置に係る。
【0005】
【作用および実施例】管状部材の円周全姿勢溶接を高能
率的に溶接する方法として、溶接ト−チ角度に注目して
開発した本発明の作用および実施例を以下に詳述する。
図1は本発明の溶接方法を示すもので管状部材を内面か
ら溶接するにおいて、各位置で徐々と変化させていく溶
接ト−チ角度を12等分された各時計位置の片側半周分
を代表して設定した状況を示す横断面図で円弧は被溶接
用管状部材を模似して示したものである。図中1、1a
〜1fは被溶接管状部材に向けてア−ク溶接する該溶接
ト−チを模式的に示したもので、変化しながら移動して
いく該ト−チがそれぞれ各時計位置を通過する際の溶接
ト−チ角度の傾斜状況を代表して示している。2、2a
〜2fは各時計位置における該ト−チの傾斜角度を示
し、特許請求の範囲に示した角度に設定している。3は
溶接ト−チの移動進行方向、4はそのスタ−ト点、5は
溶接終了点を示している。この方法を実現するための装
置を図2に示した。図2において溶接ト−チ1は溶接ワ
イヤ先端のア−ク発生点6をト−チ傾斜の回転角の軸心
にして溶接ト−チ傾動ガイド7を介して図2では図示し
ない駆動機構により設定された角度に変える。図中8は
溶接ワイヤ、9は被溶接母材、10は溶融金属(斜
線)、11は溶接ビ−ドを示している。12は溶接ト−
チを前進角にした状況を示し、13は溶接ト−チを后退
角にした状況を示している。14はコンジットケ−ブル
で図示しないワイヤリ−ルからモ−タ−を介して溶接ワ
イヤ8を送給する。本発明の溶接方法により溶接した場
合に得られた溶接条件の例を表1に示し、従来法、すな
わち該溶接ト−チ角度を一定にして全周溶接した場合に
得られた溶接条件を表2に示した。従来法の場合の該溶
接ト−チ角度は垂直である。溶接スタ−トは上向姿勢と
なる12時位置であり、図3は本法による該溶接ト−チ
角度を前進角5度にて溶接した場合の溶接状況を示す側
断面図(イ)と、得られた溶接ビ−ド形状の横断面図
(ロ)である。同じように図4は該溶接ト−チ角度を垂
直にした従来法で溶接した場合のそれぞれの側断面図
(イ)と、溶接ビ−ド形状の横断面図(ロ)を示し、図
5は比較のために該溶接ト−チ角度を后退角5度にして
溶接した場合のそれぞれの状況を示している。図4に示
す該溶接ト−チ角度を垂直にした従来法により溶接した
場合について説明すると、重力により溶融金属は下方に
流出する。すなわち、后方ビ−ド側に流出することにな
る。そのためア−クは母材側に近づいて発生することに
なる。電流を低くしても比較的深い溶込み15が得られ
るのはこのためであり、溶接余盛16は凸形の形状にな
りビ−ド幅17は狭くなる。
【0006】
【表1】
【0007】
【表2】 比較のために示した図5の該溶接ト−チ角度を后退角5
度にした場合、ア−クの指向方向が后方溶接ビ−ド側に
向いた分だけ溶接金属の流出傾向を助長することにな
り、余盛が凸状になるか、図5(ロ)に示すように周期
的に不均一な凹凸ビ−ド18になりアンダ−カット19
が生ずる。よって、均一なビ−ドを得るためにはさらに
溶接電流および速度を下げなければならない。そこで、
本法では図3に示すように前進角5度にして溶接する。
前進角にするとア−クの指向方向が溶接進行方向に向く
分、溶融金属が后方ビ−ド側に流出する量が少なくな
る。すなわち、そこに滞って左右に押し広げられながら
ア−クは溶融金属10上で発生することになるため溶込
みは浅くなり、ビ−ド幅は広くなって余盛は平滑な溶接
ビ−ド11が形成される。すなわち、前進角5度にして
溶接する本法は表1に示すように、従来法による表2に
示す溶接条件より、溶接電流で30Amp高くすること
ができ、溶接速度も速く高能率溶接が可能となる、ま
た、溶接ビ−ド形状は平滑となり、品質が安定した均一
な溶接部が得られるようになる。前進角3度の場合も同
様な結果がえられ、また、前進角7度にしても良い。前
進角7度より大きくしても先に示したビ−ド形成に及ぼ
す影響の傾向性は大きくなるが、他の溶接姿勢での該溶
接ト−チ角度の整合性のためここでは7度に限定してい
る。なお、本発明で時計位置とは各時計位置におけると
同等の溶接ビ−ドを得られる前後の近傍を含む。溶接ス
タ−トして進行するに従い、被溶接部材は傾斜している
ため、溶接は立向姿勢に近づくことになり、同時に溶接
金属は重力の影響で溶接進行方向側に流出する傾向が刻
々と増していく。そこで、立向姿勢を代表して9時位置
における溶融金属の挙動について述べる。図6は、本法
による該溶接ト−チ角度后退角10度にして溶接した場
合の溶接状況を示す側断面図(イ)と、得られた溶接ビ
−ド形状の横断面図(ロ)を示している。同じように図
7は該溶接ト−チ角度を垂直にしたままで溶接した従来
法による場合のそれぞれの側断面図(イ)と、溶接ビ−
ドの横断面図(ロ)である。9時位置では溶接進行方向
と重力の向きが一致しているので、溶融金属は溶接進行
方向側に流出し易くなっており、その分溶接速度を速く
しないと連続したビ−ドは得られない。溶接電流を高く
することは可能であり、従来法で施工した溶接条件は表
2に示すように電流180Amp、速度は50cm/m
inであるが、得られた溶接ビ−ドは図7に示すように
浅溶込みで余盛は小さくビ−ド幅は広い。すなわち、溶
接層厚み(溶込み深さ+余盛高さ)は小さく、上向ある
いは下向姿勢での溶接ビ−ドとの整合性のある溶接ビ−
ドが得られない問題がある。さらに比較のため該溶接ト
−チ角度を前進角5度で溶接した場合の溶接状況を示す
側断面を図8(イ)に、得られた溶接ビ−ド形状の横断
面図を図8(ロ)に示した。すなわち、溶融金属が流出
する傾向は益々助長されており、ついには溶融金属が流
れ落ちて正常な溶接ビ−ドが形成されなくなる。溶融金
属が溶落した個所は凹ビ−ド20となっている。本法で
は該溶接ト−チ角度を後退角にして溶接するもので、そ
の状況は図6に示した。すなはち、ア−ク力が溶融金属
を后方、上側に押上げ、ささえるように作用するため、
溶接電流を上げることができ深溶込みが得られ溶接速度
を低くおさえて余盛を大きくすることが可能となり、溶
接層厚み21の大きい溶接ビ−ドが得られる。このよう
に立向姿勢では溶融金属が先行して流出するのを防いで
溶接層厚みを大きくする方策をたてることが必要であ
る。各時計位置毎に実験した結果、11時位置は溶融金
属の流出挙動の分岐点となるため該溶接ト−チ角度を管
の接線に対し垂直となるように設定する。11時以降は
溶融金属が先行する傾向が増してくるため該溶接ト−チ
角度を后退角に傾けていき、10時位置では該溶接ト−
チ角度を后退角3〜7度となって通過するように設定す
る。同様に、9時位置では先に示したように該溶接ト−
チ角度を后退角8〜12度になるように設定する。この
ように設定することにより、溶接条件は表1に示すよう
に溶融電流200Amp、溶接速度を45cm/min
で溶接することが出来、従来法より高い電流が使用で
き、しかも溶接層厚みは大きく均一な品質の溶接部が得
られるようになっている。9時以降は被溶接部材の傾斜
がゆるやかになっていくため該溶接ト−チ角度は逆にも
どすように傾斜させていき、8時近傍位置では該溶接ト
−チ角度は后退角3〜7度になって通過するように設定
すれば上記と同様良好な溶接部が得られる。8時以降の
被溶接部材の傾斜は、さらにゆるやかとなって下向姿勢
溶接に近づいていく。JISZ3003“溶接姿勢の定
義”によれば、傾斜角50度までが下向姿勢であると定
められており、7時位置は傾斜角30度であるので下向
姿勢の範囲内である。下向姿勢の重力の影響は小さくな
るが、この場合は下り坂溶接であるので、被溶接部材の
傾斜角に応じて溶融金属の流出挙動は影響される。一
方、下向姿勢では可能なかぎり溶融電流および速度とも
高くすることが出来るが、あまり高くすると、溶融金属
が后方溶接ビ−ド側に流出する傾向が増し、ついには余
盛が凸形となってビ−ド幅が狭くなり、アンダ−カット
欠陥が発生するという問題がでる。よって、本法では、
8時以降も該溶接ト−チ角度は逆にもどすように傾斜さ
せていき、7時位置では該溶接ト−チ角度を管の接線に
対し垂直となるように設定して、高能率溶接条件とする
ことを可能にした。6時位置の下向姿勢で該溶接ト−チ
角度を前進角5度にして溶接した場合の溶接状況を示す
側断面を図9(イ)に、得られた溶接ビ−ド形状の横断
面図を図9(ロ)に示した。溶接ト−チを前進角にした
分、ア−クの指向方向が溶接進行方向に向くため溶融金
属の一部は進行方向側に押出されるようになり、同時に
左右に押広げられ、ビ−ド幅は大きくなり余盛高さは低
くおさえられる。溶接ト−チ角度を垂直にして溶接した
従来法による溶接状況を示す側断面図を図10(イ)
に、得られた溶接ビ−ドの横断面形状図を図10(ロ)
に示した。溶融金属は后方ビ−ド側に流出するため深溶
込みで幅の狭いビ−ドが得られることになる。比較のた
めに該溶接ト−チ角度を后退角にして溶接した場合を図
11(イ)に溶接状況を示す側断面図で示し、得られた
溶接ビ−ド形状の横断面図を図11(ロ)に示した。す
なわち、図10で示した傾向がさらに増すため溶接速度
が早い場合、ついにはアンダ−カット19が発生するよ
うになる。よって、本法では溶接終了点となる6時位置
では前進角3〜7度になって終了するようにしたことに
より、表1に示す240Amp、50cm/minの高
能率溶接とすることを可能にした。すなわち、溶接ワイ
ヤと被溶接部材である母材との間で発生する溶接ア−ク
の指向性という特性とア−ク熱により溶けた溶融金属の
流動特性、および重力が溶融金属に及ぼす影響特性を各
姿勢位置毎に実験、検討した結果から溶接ト−チの傾斜
角度に注目して、各姿勢位置に最適な該溶接ト−チ角度
とする方法を発明したことにより高能率で品質の安定し
た溶接部を得ることに成功したのである。以上円周のう
ち片側半周について述べたが、水平固定管であるので、
反対側半周も各対称となる姿勢位置において同様に溶接
ト−チ角度を変化させて溶接するものである。
【0008】次いで、本発明の溶接ト−チの傾動装置に
ついて説明する。図12、図13において、溶接ワイヤ
8を送給する溶接ト−チ1は溶接ト−チ支持ア−ム25
により支持され、溶接ト−チ支持ア−ム25は溶接ワイ
ヤ先端のア−ク発生点を中心とする円弧状の溝26を有
する溶接ト−チ傾動ガイド7内を転動する2つの車輪2
7の車軸28に支持される。車輪27は図示しない鍔を
両側に有する。これらの2つの車輪27間には、転動輪
29が挟まれ、転動輪29は溶接ト−チ傾動ガイド7の
溝26の円弧の中心を回転中心とする回動ア−ム30に
連係する。転動輪29はモ−タ31により回動ア−ム3
0を介して溝26に沿って誘導され、移動し、転動輪2
9に近接して前後する2つの車輪27は、溶接ト−チ傾
動ガイド7に沿って移動し、溶接ト−チ1は円弧運動す
る。溶接ト−チ傾動ガイド7は、支持枠32に取付けら
れ、取付ア−ム33を介して台車34に取り付けられ
る。溶接トーチを傾斜させる回転中心、すなわち軸心の
位置はシールドガスノズル22に包囲されたワイヤ送給
ガイド8a(チップと称す)先端からのワイヤ突出長さ
によって決定する。ワイヤ突出長さは、ワイヤ送給ガイ
ド8aから被溶接母材9までの距離であり、通常20〜
25mmが最適であるが、本例では25mmとした。ア
ークが発生すると、アーク長は1〜3mmの間で変動す
るが、この値は溶接品質上は問題はない。また、溶接ト
ーチを傾斜させることに伴うアーク発生点の変動によ
り、溶接トーチを傾斜させる回転中心との間にずれが生
じても、溶接品質上無視し得る範囲である。台車34の
走行について、図14により説明する。管状部材35の
突合せ部に近接して、管状部材35の内面円周に沿い、
軌道台36を介して設置された走行軌道37上に、台車
34は取り付けられる。走行軌道37の両側は楔状の形
状をし、楔状の上下の端面において、それぞれ台車34
側に設置された自由回転の車輪38と係合する。走行軌
道37上には、その円周に沿ってラック39が固定さ
れ、ラック39と係合する歯車40が台車34に設置さ
れた駆動装置41により回転され、台車34は溶接進行
方向に沿って往復に移動する。上記した溶接ト−チの傾
動装置を台車に搭載して溶接作業を行う場合の溶接ト−
チの傾動について説明する。管状部材35における溶接
速度が定まると、走行軌道37に沿っての台車34の走
行速度が定まる。この走行速度は管状部材35の中心に
対する台車34の公転速度といえる。また、各時計位置
通過の際の溶接ト−チ1の傾斜角が定まると、その角度
(先進角、后退角)での溶接を達成すべく各時計位置区
間での溶接ト−チ1の円弧運動の角速度が定まる。この
角速度は溶接ト−チ1の自転速度である。角速度は各区
間内で、例えば等角速度とすることができる。これらの
動作は自動化により行うことができる。台車34の駆動
装置41に各時計位置区間での速度設定器を付帯させ
る。各時計位置での台車34、すなはち溶接ト−チ1の
所在を、例えば歯車40の回転数により設定する。ま
た、台車34の各時計位置への到達をセンサ−により検
知し、調整することができる。また、モ−タ31に溶接
ト−チ角度設計器、回転数設定器を付帯させる。12時
位置での初期の溶接ト−チ角度として所定の前進角を設
定し、各時計位置区間内での溶接ト−チの円弧運動の角
速度の回転数を設定する。各時計位置での溶接ト−チ角
を検知して、溶接ト−チ角について必要な調整を行う。
【0009】
【発明の効果】本発明は、水平固定管状部材を突合せる
円周継目を内面側から、管頂部の12時位置から管底部
の6時位置に向けて左右をそれぞれを溶接する全姿勢溶
接において、それぞれの姿勢位置において最適の溶接ト
−チ角度になるよう変化させながら溶接することによ
り、従来法より高い溶接電流、高速度溶接条件を見出
し、高能率溶接を可能にし、適切な溶込みと平滑で安定
した品質の溶接ビ−ドが得られ、かつ全姿勢位置で整合
性のある形状の溶接部が得られるという効果がある。す
なわち、従来法と比較すると、溶接電流値、溶接速度の
値から算出して約2割の溶接能率の向上が得られ、溶接
品質が安定したことにより、溶接欠陥の発生が皆無にな
ったという効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接方法を示す管状部材の溶接状況模
式図である。
【図2】本発明の溶接ト−チ角度を変動させる機構を示
す模式図である。
【図3】上向姿勢溶接で本発明の方法である溶接ト−チ
角度を前進角にした場合の、(イ)溶接状況を示す側断
面図と、(ロ)得られた溶接ビ−ド形状の横断面図であ
る。
【図4】上向姿勢溶接で従来法である溶接ト−チ角度を
垂直にした場合の、(イ)溶接状況を示す側断面図と、
(ロ)得られた溶接ビ−ド形状の横断面図である。
【図5】上向姿勢溶接で溶接ト−チ角度を后退角にした
場合の、(イ)溶接状況を示す側断面図と、(ロ)得ら
れた溶接ビ−ド形状の横断面図である。
【図6】立向姿勢溶接で本発明の方法である溶接ト−チ
角度を后退角にした場合の、(イ)溶接状況を示す側断
面図と、(ロ)得られた溶接ビ−ド形状の横断面図であ
る。
【図7】立向姿勢溶接で従来法である溶接ト−チ角度を
垂直にした場合の、 (イ)溶接状況を示す側断面図
と、(ロ)得られた溶接ビ−ド形状の横断面図である。
【図8】立向姿勢溶接で溶接ト−チ角度を前進角にした
場合の、(イ)溶接状況を示す側断面図と、(ロ)得ら
れた溶接ビ−ド形状の横断面図である。
【図9】下向姿勢溶接で溶接ト−チ角度を本発明の方法
である前進角にした場合の、(イ)溶接状況を示す側断
面図と、(ロ)得られた溶接ビ−ド形状の横断面図であ
る。
【図10】下向姿勢溶接で溶接ト−チ角度を従来法であ
る垂直にした場合の、(イ)溶接状況を示す側断面図
と、(ロ)得られた溶接ビ−ド形状の横断面図である。
【図11】下向姿勢溶接で溶接ト−チ角度を后退角にし
た場合の、(イ)溶接状況を示す側断面図と、(ロ)得
られた溶接ビ−ド形状の横断面図である。
【図12】溶接ト−チの傾動装置の正面図である。
【図13】図13の溶接ト−チの傾動装置の平面図であ
る。
【図14】台車の走行を説明する図である。
【図15】従来法である溶接ト−チ把持方法を示す模式
図である。
【符号の説明】
1、1a〜1f 溶接ト−チ 2、2a〜2f 溶接ト−チ角度 3 溶接ト−チの移動進行角 4 溶接スタ−ト点 5 溶接終了点 6 溶接ワイヤ先端のア−ク発生点 7 溶接ト−チ傾動ガイド 8 溶接ワイヤ 8a ワイヤ送給ガイド 9 被溶接母材 10 溶融金属(斜線) 11 溶接ビ−ド 12 溶接ト−チ前進角の状況 13 溶接ト−チ后退角の状況 14 コンジットケ−ブル 15 溶込み深さ 16 余盛高さ 17 ビ−ド幅 18 凹凸ビ−ド 19 アンダ−カット 20 凹ビ−ド 21 溶接層厚み 22 シ−ルドガスノズル 23 シ−ルドガス 24 把持部 25 溶接ト−チ支持ア−ム 26 溝 27 車輪 28 車軸 29 転動輪 30 回動ア−ム 31 モ−タ 32 支持枠 33 取付ア−ム 34 台車 35 管状部材 36 軌道台 37 走行軌道 38 車輪 39 ラック 40 歯車 41 駆動装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突合せ水平固定管状部材を内面側から管
    頂部(時計位置で12時)をスタ−ト点として管底部
    (時計位置で6時)へ向けて円周溶接する左右それぞれ
    の下進自動溶接方法において、12時位置では溶接ト−
    チ角度を管の該位置における法線にたいして前進角3〜
    7度に傾けて溶接をスタ−トし、同時にア−ク発生点を
    中心にして該溶接ト−チ角度を徐々に変化させながら溶
    接を進め、11時位置では該溶接ト−チ角度を該位置に
    おける管の接線に対してほぼ垂直にし、引続き該溶接ト
    −チ角度を変化させながら溶接して、10時位置では溶
    接ト−チ角度を該位置における管の法線に対し后退角3
    〜7度にし、同様に該溶接ト−チ角度を変化させながら
    溶接して、9時位置では該溶接ト−チ角度を后退角8〜
    12度にし、9時位置以降は該溶接ト−チ角度を逆方向
    にに変化させながら溶接していき、8時位置では溶接ト
    −チ角度を該位置における管の法線に対して后退角3〜
    7度にし、引続き同様に変化させながら溶接して、7時
    位置では溶接ト−チ角度が該位置における管の接線に対
    してほぼ垂直にし、さらに該溶接ト−チ角度を変化させ
    ながら溶接して、溶接終了点となる6時位置では該溶接
    ト−チ角度が前進角3〜7度になって溶接が終了するよ
    うにして片側半周の溶接を終了し、残りの片側半周も前
    記と同じ対称位置においては同様に該溶接ト−チ角度を
    変化させながら溶接することを特徴とする水平固定管状
    部材の円周ガスシ−ルドア−ク自動溶接方法。
  2. 【請求項2】 突合せ水平固定管状部材の内面円周に沿
    って移動する溶接ト−チを備えた溶接装置における該溶
    接ト−チの傾動装置であつて、該溶接ト−チを装着し、
    かつ該溶接ト−チを介して送給される溶接ワイヤ先端の
    ア−ク発生点を回転中心として円弧運動する機構を備え
    た溶接ト−チの傾動装置。
JP17904991A 1991-06-25 1991-06-25 水平固定管状部材の円周ガスシ−ルドア−ク自動溶接方法と溶接ト−チの傾動装置 Withdrawn JPH05374A (ja)

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