JP2021164362A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切なサージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる電力変換装置を提供すること。【解決手段】電力変換装置10は、スイッチング素子11と、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、を備えている。ドライバ回路12は、ドレイン電流Idが変化することによって生じる逆起電力Vbが入力されるフィードバック入力端子44と、逆起電力Vbをフィードバック電圧Vfbに変換する変換回路100と、外部指令電圧Vp及びフィードバック電圧Vfbを加算する加算回路60と、を備えている。ここで、電力変換装置10は、逆起電力Vbを生じさせる可変インダクタンスLxを有する逆起電力回路110と、逆起電力回路110の可変インダクタンスLxを制御する制御回路112と、を備えている。【選択図】図3
Description
本発明は、電力変換装置に関する。
例えば特許文献1には、スイッチング素子としてのIGBTを駆動させるドライバ回路が記載されている。特許文献1に記載のドライバ回路は、スイッチング損失の低減とサージ電圧又はサージ電流の低減との両立を図るために、エミッタ配線のインダクタンス分にて発生する逆起電力としての誘起電圧をフィードバックさせるアクティブゲート制御を行っている。
ここで、一般的に逆起電力が大きくなると、サージ抑制効果が大きくなる一方、電力損失の低減効果は小さくなる。この場合、使用環境等に応じて、逆起電力をフィードバックさせることによる効果を調整したい場合がある。例えば、使用環境等によっては、電力損失の低減よりもサージの抑制を優先したい場合もあり得るし、サージの抑制よりも電力損失の低減を優先したい場合もあり得る。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は適切なサージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる電力変換装置を提供することである。
上記目的を達成する電力変換装置は、制御端子及び印加電流が流れる印加端子を有するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動させるドライバ回路と、を備え、前記ドライバ回路は、外部指令電圧が入力される外部入力端子と、前記印加電流が変化することによって生じる逆起電力が入力されるフィードバック入力端子と、前記逆起電力をフィードバック電圧に変換する変換回路と、前記外部指令電圧と前記フィードバック電圧とが入力されるものであって、前記外部指令電圧及び前記フィードバック電圧を加算し、その加算された加算電圧を前記制御端子に向けて出力する加算回路と、を備え、前記電力変換装置は、前記逆起電力を生じさせる可変インダクタンスを有する逆起電力回路と、前記逆起電力回路の前記可変インダクタンスを制御する制御部と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、フィードバック電圧が加算回路にフィードバックされ、フィードバック電圧と外部指令電圧とが加算された加算電圧が制御端子に入力される。これにより、サージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
また、本構成によれば、逆起電力の大きさに寄与する可変インダクタンスを制御することによって、フィードバック電圧を制御することができ、それを通じて使用環境や状況に応じた最適なフィードバックによる効果を得ることができる。これにより、より適切なサージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
特に、本構成では、所望のフィードバック電圧を得るために可変インダクタンスを制御する構成を採用することによって、ノイズの増幅を抑制しつつ所望のフィードバック電圧を得ることができる。
上記電力変換装置について、前記逆起電力回路は、前記スイッチング素子内の寄生インダクタンスと、前記寄生インダクタンスに対して並列に接続された誘導可変用スイッチング素子及びコイルの直列接続体と、を備え、前記制御部は、前記誘導可変用スイッチング素子を制御することにより前記可変インダクタンスを制御するとよい。
かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子の状態に応じて可変インダクタンスが変化する。これにより、誘導可変用スイッチング素子を制御することにより、可変インダクタンスを制御することができ、上述した効果を得ることができる。
上記電力変換装置について、前記逆起電力回路は、前記スイッチング素子内の寄生インダクタンスと、前記寄生インダクタンスに対して直列に接続されるコイルと、前記コイルに前記印加電流が流れる状態、又は、前記コイルに前記印加電流が流れない状態に切り替える誘導可変用スイッチング素子と、を備えているとよい。
かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子を制御することによって可変インダクタンスを制御できる。これにより、上述した効果を奏する。
特に、本構成によれば、コイルが寄生インダクタンスに対して直列に接続されるため、誘導可変用スイッチング素子をコイルに印加電流が流れる状態にすることにより、可変インダクタンスを寄生インダクタンスよりも大きくすることができる。これにより、寄生インダクタンスが小さいことに起因して所望の逆起電力を得ることができないといった不都合を抑制できる。
特に、本構成によれば、コイルが寄生インダクタンスに対して直列に接続されるため、誘導可変用スイッチング素子をコイルに印加電流が流れる状態にすることにより、可変インダクタンスを寄生インダクタンスよりも大きくすることができる。これにより、寄生インダクタンスが小さいことに起因して所望の逆起電力を得ることができないといった不都合を抑制できる。
上記電力変換装置について、前記コイルのインダクタンスは、前記寄生インダクタンスよりも大きいとよい。
かかる構成によれば、寄生インダクタンスが小さい場合であっても所望の逆起電力を実現できる。
かかる構成によれば、寄生インダクタンスが小さい場合であっても所望の逆起電力を実現できる。
上記電力変換装置について、前記変換回路は、前記逆起電力に対する前記フィードバック電圧の比率である利得を変更可能に構成されており、前記制御部は、前記利得と前記可変インダクタンスとの双方を制御するとよい。
かかる構成によれば、可変インダクタンスのみを制御する構成と比較して、フィードバック電圧を精度よく調整することができたり、フィードバック電圧の変化範囲を広くすることができたりする。これにより、より適切なフィードバックを行うことができる。
上記電力変換装置について、前記スイッチング素子はMOSFETであり、前記制御端子はゲート端子であり、前記印加電流は、前記スイッチング素子のソース−ドレイン間に流れるドレイン電流であり、前記印加端子はソース端子であるとよい。
上記電力変換装置について、前記スイッチング素子はIGBTであり、前記制御端子はゲート端子であり、前記印加電流は、前記スイッチング素子のコレクタ−エミッタ間に流れるコレクタ電流であり、前記印加端子はエミッタ端子であるとよい。
この発明によれば、適切なサージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
以下、電力変換装置の一実施形態について説明する。
本実施形態の電力変換装置10は、例えば車両200に搭載されており、車両200に設けられている電動モータ201を駆動するのに用いられる。
本実施形態の電力変換装置10は、例えば車両200に搭載されており、車両200に設けられている電動モータ201を駆動するのに用いられる。
本実施形態の電動モータ201は、車両200の車輪を回転させるための走行用モータである。本実施形態の電動モータ201は、3相コイル202u,202v,202wを有している。3相コイル202u,202v,202wは例えばY結線されている。3相コイル202u,202v,202wが所定のパターンで通電されることにより、電動モータ201が回転する。なお、3相コイル202u,202v,202wの結線態様は、Y結線に限られず任意であり、例えばデルタ結線でもよい。
図1に示すように、車両200は蓄電装置203を有している。本実施形態の電力変換装置10は、蓄電装置203の直流電力を電動モータ201が駆動可能な交流電力に変換するインバータ装置である。換言すれば、電力変換装置10は、蓄電装置203を用いて電動モータ201を駆動させる駆動装置とも言える。なお、蓄電装置203の電圧を電源電圧Vdcとする。
電力変換装置10は、スイッチング素子11を有している。本実施形態の電力変換装置10は、スイッチング素子11を複数有しており、詳細には、u相コイル202uに対応するu相スイッチング素子11u1,11u2と、v相コイル202vに対応するv相スイッチング素子11v1,11v2と、w相コイル202wに対応するw相スイッチング素子11w1,11w2と、を備えている。
各スイッチング素子11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2(以下、「各スイッチング素子11u1〜11w2」という。)は、例えばパワースイッチング素子であり、一例としてはMOSFETである。各スイッチング素子11u1〜11w2が「スイッチング素子」に対応する。スイッチング素子11u1〜11w2は、還流ダイオード(ボディダイオード)Du1〜Dw2を有している。
各u相スイッチング素子11u1,11u2は接続線を介して互いに直列に接続されている。詳細には、上アームu相スイッチング素子11u1と下アームu相スイッチング素子11u2とが接続線を介して接続されており、その接続線はu相コイル202uに接続されている。上アームu相スイッチング素子11u1は、蓄電装置203の高圧側である正極端子(+端子)に接続されている。下アームu相スイッチング素子11u2は、蓄電装置203の低圧側である負極端子(−端子)に接続されている。
なお、他のスイッチング素子11v1,11v2,11w1,11w2の接続態様は、対応するコイルが異なる点を除いて、u相スイッチング素子11u1,11u2と同様である。
図1及び図2に示すように、電力変換装置10は、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、スイッチング素子11及びドライバ回路12が実装される回路基板13と、を備えている。
本実施形態のドライバ回路12は所謂ゲートドライバ回路である。本実施形態の電力変換装置10は、複数のスイッチング素子11に対応させてドライバ回路12を複数有している。詳細には、電力変換装置10は、複数のスイッチング素子11u1〜11w2に対応させて複数のドライバ回路12u1〜12w2を有している。ドライバ回路12u1〜12w2は、スイッチング素子11u1〜11w2のゲートに接続されており、ゲート電圧を制御することによりスイッチング素子11u1〜11w2をON/OFFさせる。
図1に示すように、車両200は、電力変換装置10を制御する変換制御装置14を備えている。本実施形態の変換制御装置14はインバータ制御装置である。変換制御装置14は、外部からの指令(例えば要求回転速度)に基づいて、電動モータ201に流れる目標電流を決定し、その目標電流が流れるための外部指令電圧Vpを導出する。そして、変換制御装置14は、外部指令電圧Vpをドライバ回路12に向けて出力する。
本実施形態では、変換制御装置14は、スイッチング素子11u1〜11w2ごとに外部指令電圧Vpを導出し、各ドライバ回路12u1〜12w2に外部指令電圧Vpを出力する。これにより、各スイッチング素子11u1〜11w2が個別に制御される。
外部指令電圧Vpは所定のパルス幅を有するパルス電圧である。例えば、外部指令電圧Vpは、LOWからHIに切り替わり、一定期間HI状態を維持した後に、HIからLOWに切り替わる。以降の説明において、LOWからHIの切り替わりを「立ち上がり」といい、HIからLOWの切り替わりを「立ち下がり」という。
なお、本実施形態の変換制御装置14は、回路基板13に実装されている。ただし、これに限られず、変換制御装置14は、回路基板13とは別の基板に実装されていてもよい。
ドライバ回路12u1〜12w2は、それぞれ個別に入力される外部指令電圧Vpに基づいて、スイッチング素子11u1〜11w2に対してゲート電圧を印加する。これにより、各スイッチング素子11u1〜11w2が周期的にON/OFFし、蓄電装置203の直流電力が3相の交流電力に変換されて電動モータ201に供給される。すなわち、変換制御装置14は、電力変換装置10をPWM制御するものである。
次にドライバ回路12u1〜12w2及びスイッチング素子11u1〜11w2について詳細に説明する。
ここで、各スイッチング素子11u1〜11w2は基本的に同一構成であり、各ドライバ回路12u1〜12w2は基本的に同一の構成である。このため、以下では、各スイッチング素子11u1〜11w2のうち1つのスイッチング素子11(下アームu相スイッチング素子11u2)と、それに対応するドライバ回路12(下アームu相ドライバ回路12u2)とについて詳細に説明する。
ここで、各スイッチング素子11u1〜11w2は基本的に同一構成であり、各ドライバ回路12u1〜12w2は基本的に同一の構成である。このため、以下では、各スイッチング素子11u1〜11w2のうち1つのスイッチング素子11(下アームu相スイッチング素子11u2)と、それに対応するドライバ回路12(下アームu相ドライバ回路12u2)とについて詳細に説明する。
図2に示すように、スイッチング素子11は、例えば直方体状に形成されている。スイッチング素子11は、制御端子としてのゲート端子21と、印加電流としてのドレイン電流Idが流れるドレイン端子22及び複数のソース端子23と、を有している。ドレイン電流Idは、スイッチング素子11のソース−ドレイン間に流れる電流である。
本実施形態では、ドレイン端子22は1つであり、スイッチング素子11の一辺に亘ってタブ状に形成されている。
ゲート端子21と複数のソース端子23とは、スイッチング素子11におけるドレイン端子22とは反対側の部分に設けられており、所定のピッチで配列されている。なお、ソース端子23の数は任意である。
ゲート端子21と複数のソース端子23とは、スイッチング素子11におけるドレイン端子22とは反対側の部分に設けられており、所定のピッチで配列されている。なお、ソース端子23の数は任意である。
図2に示すように、回路基板13には、複数の配線パターン30が形成されている。これら複数の配線パターン30によってスイッチング素子11とドライバ回路12及び蓄電装置203とが電気的に接続されているとともに、スイッチング素子11と負荷としての電動モータ201とが電気的に接続されている。
本実施形態では、複数の配線パターン30は、ドレインパターン31と、メインソースパターン32とを含む。ドレインパターン31は、ドレイン端子22と、電動モータ201(詳細にはu相コイル202u)及び上アームu相スイッチング素子11u1とを電気的に接続する配線パターン30である。メインソースパターン32は、複数のソース端子23の一部と蓄電装置203の低圧側である負極端子(−端子)とを電気的に接続するものであってドレイン電流Idが流れる配線パターン30である。
ちなみに、説明の便宜上、複数のソース端子23のうちメインソースパターン32に接続されるものをメインソース端子23aとする。メインソース端子23aは、ドレイン電流Idが流れる端子である。本実施形態では、メインソース端子23aが「印加端子」に対応する。
次にドライバ回路12及びドライバ回路12とスイッチング素子11との接続について説明する。
図2及び図3に示すように、ドライバ回路12は、外部入力端子41と、加算出力端子42と、基準電位端子43と、フィードバック入力端子44と、を備えている。
図2及び図3に示すように、ドライバ回路12は、外部入力端子41と、加算出力端子42と、基準電位端子43と、フィードバック入力端子44と、を備えている。
外部入力端子41は、変換制御装置14と電気的に接続されている。外部入力端子41には、変換制御装置14からの外部指令電圧Vpが入力される。
加算出力端子42は、ドライバ回路12からゲート電圧(換言すればゲート電流)を出力するための端子である。複数の配線パターン30は、加算出力端子42とゲート端子21とを電気的に接続するゲートパターン33を含む。加算出力端子42から出力されるゲート電圧は、ゲートパターン33を介してゲート端子21に入力される。
加算出力端子42は、ドライバ回路12からゲート電圧(換言すればゲート電流)を出力するための端子である。複数の配線パターン30は、加算出力端子42とゲート端子21とを電気的に接続するゲートパターン33を含む。加算出力端子42から出力されるゲート電圧は、ゲートパターン33を介してゲート端子21に入力される。
図3に示すように、基準電位端子43は、ドライバ回路12内において基準電位V0に接続されている。図2に示すように、複数の配線パターン30は、基準電位端子43と複数のソース端子23のうちメインソース端子23a以外の少なくとも1つの端子とを電気的に接続する信号ソースパターン34を含む。信号ソースパターン34とメインソースパターン32とは絶縁されている。
ここで、説明の便宜上、基準電位端子43に接続されるソース端子23を信号ソース端子23bという。すなわち、本実施形態の複数のソース端子23は、蓄電装置203の負極端子に接続されるメインソース端子23aと、基準電位端子43(換言すれば基準電位V0)に接続される信号ソース端子23bと、を含む。スイッチング素子11は、信号ソース端子23bに入力される基準電位V0とゲート端子21に入力されるゲート電圧(本実施形態では加算電圧Vad)との電位差に基づいて駆動(換言すればスイッチング動作)する。
上記のように基準電位端子43と信号ソース端子23bとが信号ソースパターン34を介して電気的に接続されることにより、スイッチング素子11のソース電位が基準電位V0となる。この場合、信号ソース端子23b及び信号ソースパターン34には、印加電流としてのドレイン電流Idが流れない。これにより、信号ソース端子23b及び信号ソースパターン34を介する経路上にはスイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsは存在しないとみなすことができる。よって、ゲート端子21に入力されるゲート電圧が寄生インダクタンスLsの影響を受けにくい。
フィードバック入力端子44は、ドレイン電流Idが変化することによって発生する逆起電力Vbが入力される端子である。詳細には、メインソースパターン32の一部は分岐しており、その分岐部分はフィードバック入力端子44に接続されている。つまり、メインソースパターン32は、蓄電装置203の負極端子とフィードバック入力端子44との双方に接続されている。なお、ドレイン電流Idの変化とは、ドレイン電流Idが流れ始める場合と、ドレイン電流Idが停止する場合とを含む。
念の為に説明すると、上アームu相スイッチング素子11u1に接続されるメインソースパターン32は、下アームu相スイッチング素子11u2のドレイン端子22と負荷としての電動モータ(詳細にはu相コイル202u)との双方に接続されている。なお、上アームu相スイッチング素子11u1に接続されるメインソースパターン32と、下アームu相スイッチング素子11u2に接続されるドレインパターン31とは同一である。また、上アームu相スイッチング素子11u1に接続されるドレインパターン31は、蓄電装置203の正極端子に接続されている。
図3に示すように、ドライバ回路12は、外部入力端子41から入力される外部指令電圧Vpと、フィードバック入力端子44から入力される逆起電力Vbとに基づいて加算電圧Vadを生成し、その加算電圧Vadをゲート電圧として加算出力端子42から出力するように構成されている。
加算電圧Vadを出力するドライバ回路12の一例について以下に説明する。
ドライバ回路12は、フィルタ回路50と、加算回路60と、フィルタ回路50と加算回路60とを接続する外部入力ライン71と、フィードバック入力端子44と加算回路60とを接続するフィードバックライン72と、電流増幅回路80と、を備えている。そして、本実施形態のドライバ回路12は、フィードバック入力端子44に入力される逆起電力Vbをフィードバック電圧Vfbに変換する変換回路100と、を備えている。
ドライバ回路12は、フィルタ回路50と、加算回路60と、フィルタ回路50と加算回路60とを接続する外部入力ライン71と、フィードバック入力端子44と加算回路60とを接続するフィードバックライン72と、電流増幅回路80と、を備えている。そして、本実施形態のドライバ回路12は、フィードバック入力端子44に入力される逆起電力Vbをフィードバック電圧Vfbに変換する変換回路100と、を備えている。
フィルタ回路50は、外部入力端子41から入力された外部指令電圧Vpに含まれるノイズを低減させるものである。フィルタ回路50は、例えばローパスフィルタ回路である。
一例として、フィルタ回路50は、フィルタオペアンプ51と、第1フィルタ抵抗52と、第2フィルタ抵抗53と、フィルタコンデンサ54と、を備えている。
外部入力端子41は、フィルタオペアンプ51の+端子(非反転入力端子)に接続されている。
外部入力端子41は、フィルタオペアンプ51の+端子(非反転入力端子)に接続されている。
フィルタオペアンプ51における−端子(反転入力端子)及び出力端子は、第1フィルタ抵抗52を介して接続されており、第1フィルタ抵抗52に対して並列にフィルタコンデンサ54が接続されている。第2フィルタ抵抗53は、第1フィルタ抵抗52及びフィルタコンデンサ54に対して直列となるように接続されているとともに基準電位V0に接続されている。
かかる構成によれば、フィルタ回路50、詳細にはフィルタオペアンプ51の出力端子から、外部指令電圧Vpが出力される。当該外部指令電圧Vpは、第1フィルタ抵抗52及びフィルタコンデンサ54によって構成されるRC回路によってカットオフ周波数以上のノイズが低減(換言すれば除去)され且つ両フィルタ抵抗52,53の抵抗値の比率に対応した増幅率で増幅されている。ただし、フィルタ回路50の具体的な構成は任意である。
図3に示すように、加算回路60は、フィルタ回路50から出力された外部指令電圧Vpと、逆起電力Vbを変換させることによって得られるフィードバック電圧Vfbとが入力されるように構成されている。加算回路60は、外部指令電圧Vpとフィードバック電圧Vfbとを加算し、その加算された加算電圧Vadをゲート端子21に向けて出力するように構成されている。
詳細には、本実施形態の加算回路60は、例えば加算オペアンプ61と、第1加算抵抗62と、第2加算抵抗63と、加算コンデンサ64と、を備えている。
本実施形態の外部入力ライン71は、フィルタオペアンプ51の出力端子と加算オペアンプ61の+端子(非反転入力端子)とを接続している。外部入力ライン71は、外部指令電圧Vpが伝送されるラインである。外部入力端子41と加算回路60とは、フィルタ回路50及び外部入力ライン71を介して電気的に接続されている。このため、外部入力ライン71は、外部入力端子41と加算回路60とを接続するのに用いられているものといえる。
本実施形態の外部入力ライン71は、フィルタオペアンプ51の出力端子と加算オペアンプ61の+端子(非反転入力端子)とを接続している。外部入力ライン71は、外部指令電圧Vpが伝送されるラインである。外部入力端子41と加算回路60とは、フィルタ回路50及び外部入力ライン71を介して電気的に接続されている。このため、外部入力ライン71は、外部入力端子41と加算回路60とを接続するのに用いられているものといえる。
本実施形態のフィードバックライン72は、フィードバック入力端子44と外部入力ライン71とを接続している。変換回路100は、フィードバックライン72上に設けられており、フィードバック入力端子44に入力される逆起電力Vbは、変換回路100によってフィードバック電圧Vfbに変換される。これにより、加算オペアンプ61の+端子には、外部指令電圧Vpとフィードバック電圧Vfbとを合わせた電圧が入力される。
加算オペアンプ61における−端子(反転入力端子)及び出力端子は、第1加算抵抗62を介して接続されており、第1加算抵抗62に対して並列に加算コンデンサ64が接続されている。第2加算抵抗63は、第1加算抵抗62及び加算コンデンサ64に対して直列となるように接続されているとともに基準電位V0に接続されている。
かかる構成によれば、加算オペアンプ61の出力端子から、外部指令電圧Vpとフィードバック電圧Vfbとが加算された加算電圧Vadが出力される。当該加算電圧Vadは、第1加算抵抗62及び加算コンデンサ64によって構成されるRC回路によってカットオフ周波数以上のノイズが低減(換言すれば除去)され且つ両加算抵抗62,63の抵抗値の比率に対応した増幅率で増幅されている。ただし、加算回路60の具体的な構成は任意である。
電流増幅回路80は、加算電圧Vadの波形を維持しつつ、スイッチング素子11を駆動させるのに必要な電流を供給するための回路である。
図3に示すように、本実施形態の電流増幅回路80は、例えば第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82を備えている。第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82は例えばn型のMOSFETである。
図3に示すように、本実施形態の電流増幅回路80は、例えば第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82を備えている。第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82は例えばn型のMOSFETである。
第1増幅スイッチング素子81のドレインは、第1供給電圧V1を印加する第1供給源E1に接続されている。第2増幅スイッチング素子82のソースは、第2供給電圧V2を印加する第2供給源E2に接続されている。第1供給電圧V1は例えば正の電圧であり、第2供給電圧V2は例えば負の電圧である。第1増幅スイッチング素子81のソースと第2増幅スイッチング素子82のドレインとは、接続線85を介して接続されている。また、接続線85上には、互いに逆接続された両ダイオード83,84が設けられている。
両増幅スイッチング素子81,82のゲートと加算回路60(詳細には加算オペアンプ61の出力端子)とが接続されている。第1増幅スイッチング素子81のゲートと加算回路60との間には第1ツェナーダイオード86が設けられている。第1ツェナーダイオード86のアノードは加算回路60に接続されており、第1ツェナーダイオード86のカソードが第1増幅スイッチング素子81のゲートに接続されている。
第2増幅スイッチング素子82のゲートと加算回路60との間には第2ツェナーダイオード87が設けられている。第2ツェナーダイオード87のカソードは加算回路60に接続されており、第2ツェナーダイオード87のアノードが第2増幅スイッチング素子82のゲートに接続されている。加算回路60から出力された加算電圧Vadは、第2ツェナーダイオード87を介して第2増幅スイッチング素子82のゲートに入力される。
かかる構成によれば、両ダイオード83,84を接続する接続線85から加算電圧Vadが出力され、両供給源E1,E2から、スイッチング素子11を駆動させるのに必要なゲート電流が供給される。
電流増幅回路80の出力(詳細には接続線85)は加算出力端子42に接続されている。これにより、加算電圧Vadは、加算出力端子42から出力され、ゲートパターン33を介してゲート端子21に入力される。すなわち、本実施形態では加算電圧Vadがゲート電圧となっている。なお、電流増幅回路80の具体的な構成は任意である。
図3に示すように、ドライバ回路12は、電流増幅回路80と加算出力端子42とをつなぐライン上に設けられたゲート抵抗90を備えている。ゲート抵抗90によってゲート電流が調整される。
本実施形態の変換回路100は、逆起電力Vbをフィードバック電圧Vfbに変換するものであって、逆起電力Vbに対するフィードバック電圧Vfbの比率である利得Gを変更可能に構成されている。本実施形態では、変換回路100は、逆起電力Vbを増幅してフィードバック電圧Vfbを生成する。すなわち、本実施形態の利得Gは1以上である。このため、変換回路100は、逆起電力Vbを増幅するフィードバック増幅回路ともいえる。なお、変換回路100の利得Gは1でもよい。つまり、逆起電力Vbとフィードバック電圧Vfbとは同じ電圧でもよい。
変換回路100は、例えば逆起電力Vbを分圧する分圧回路101を有し、分圧回路101によって分圧された電圧をフィードバック電圧Vfbに変換するものである。
分圧回路101は、分圧抵抗としてのフィードバック抵抗R1,R2と、第1フィードバック抵抗R1に対して並列に接続された第3フィードバック抵抗R3及びフィードバックコンデンサC1と、を備えている。第3フィードバック抵抗R3及びフィードバックコンデンサC1は、逆起電力Vbに含まれるノイズを低減するフィルタ回路を構成している。本実施形態では、第1フィードバック抵抗R1が「第1分圧抵抗」に対応し、第2フィードバック抵抗R2が「第2分圧抵抗」に対応する。
分圧回路101は、分圧抵抗としてのフィードバック抵抗R1,R2と、第1フィードバック抵抗R1に対して並列に接続された第3フィードバック抵抗R3及びフィードバックコンデンサC1と、を備えている。第3フィードバック抵抗R3及びフィードバックコンデンサC1は、逆起電力Vbに含まれるノイズを低減するフィルタ回路を構成している。本実施形態では、第1フィードバック抵抗R1が「第1分圧抵抗」に対応し、第2フィードバック抵抗R2が「第2分圧抵抗」に対応する。
変換回路100は、利得抵抗としての第2フィードバック抵抗R2に対して並列に接続された利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体を備えている。
利得可変用スイッチング素子Qxと利得可変用抵抗Rxとは互いに直列に接続されている。利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体は、第1フィードバック抵抗R1と第2フィードバック抵抗R2との間に接続されているとともに基準電位V0に接続されている。本実施形態では、利得可変用スイッチング素子Qxは、第1フィードバック抵抗R1と第2フィードバック抵抗R2との間に接続されているとともに、利得可変用抵抗Rxを介して基準電位V0に接続されている。
利得可変用スイッチング素子Qxは、例えばデジタルトランジスタで構成されている。ただし、利得可変用スイッチング素子Qxの具体的な構成は任意であり、通常のバイポーラトランジスタやMOSFETなどでもよい。
利得可変用抵抗Rxは、利得可変用スイッチング素子Qxを介して両フィードバック抵抗R1,R2の間に接続されているとともに基準電位V0に接続されている。
変換回路100は、分圧回路101によって分圧された電圧を増幅することによりフィードバック電圧Vfbを生成する電圧増幅回路102を備えている。
変換回路100は、分圧回路101によって分圧された電圧を増幅することによりフィードバック電圧Vfbを生成する電圧増幅回路102を備えている。
本実施形態の電圧増幅回路102は非反転増幅回路である。電圧増幅回路102は、フィードバックオペアンプ102aと、第4フィードバック抵抗R4と、第5フィードバック抵抗R5と、を備えている。フィードバックオペアンプ102aの+端子は、両フィードバック抵抗R1,R2の間に接続されている。
フィードバックオペアンプ102aにおける出力端子は、フィードバックライン72を介して加算回路60(詳細には外部入力ライン71)に接続されている。すなわち、フィードバックライン72は、フィードバック入力端子44と電圧増幅回路102とを接続しているフィードバック入力ライン72aと、電圧増幅回路102と加算回路60とを接続しているフィードバック出力ライン72bと、から構成されている。本実施形態では、フィードバック入力ライン72aは、フィードバック入力端子44とフィードバックオペアンプ102aの入力端子とを接続している。また、本実施形態のフィードバック出力ライン72bは、外部入力ライン71に接続されている。すなわち、本実施形態のフィードバック出力ライン72bは、フィードバックオペアンプ102aの出力端子と外部入力ライン71とを接続することにより、電圧増幅回路102と加算回路60とを接続している。
また、フィードバックオペアンプ102aの出力端子は、第4フィードバック抵抗R4を介してフィードバックオペアンプ102aの−端子(反転入力端子)と接続されている。更に、変換回路100は、第4フィードバック抵抗R4とフィードバックオペアンプ102aの−端子との接続線に接続され且つ基準電位V0に接続された第5フィードバック抵抗R5を有している。フィードバックオペアンプ102a、第4フィードバック抵抗R4及び第5フィードバック抵抗R5によって非反転増幅回路が構成されている。
ここで、本実施形態では変換回路100によってインピーダンス変換が行われている。詳細には、フィードバックオペアンプ102aの入力側(換言すればフィードバック入力ライン72a)の方が、フィードバックオペアンプ102aの出力側(換言すればフィードバック出力ライン72b)よりもインピーダンスが高くなる。これにより、フィードバック入力ライン72a上にドレイン電流Idの一部が流れ込むことを抑制できる。
変換回路100は、外部入力ライン71上に設けられた第6フィードバック抵抗R6と、フィードバックライン72(詳細にはフィードバック出力ライン72b)上に設けられた第7フィードバック抵抗R7と、を備えている。第6フィードバック抵抗R6によって外部入力ライン71に流れる電流が制限されている。第7フィードバック抵抗R7によって、フィードバックライン72(特にフィードバック出力ライン72b)に流れる電流が制限されている。なお、第6フィードバック抵抗R6と第7フィードバック抵抗R7の抵抗値は任意であり、同一でもよいし、異なっていてもよい。
かかる構成によれば、ドレイン電流Idが変化することによって生じた逆起電力Vbは、フィードバック入力端子44に入力され、フィードバックライン72を通って分圧回路101に入力される。そして、逆起電力Vbは、分圧回路101によって分圧され、その分圧された電圧がフィードバックオペアンプ102aの+端子に入力される。これにより、フィードバックオペアンプ102aの出力端子から、逆起電力Vbに対応したフィードバック電圧Vfbが出力される。すなわち、逆起電力Vbは、分圧回路101によって分圧され、電圧増幅回路102によって増幅されることにより、フィードバック電圧Vfbに変換される。そして、フィードバック電圧Vfbが加算回路60に入力される。
本実施形態では、利得Gは、分圧回路101の分圧比、電圧増幅回路102の増幅率、及び第7フィードバック抵抗R7の抵抗値に応じて変化する。
また、分圧回路101の分圧比は、利得可変用スイッチング素子QxのON/OFFに応じて変化する。詳細には、利得可変用スイッチング素子QxがOFF状態である場合には、利得可変用抵抗Rxは分圧比に影響を与えない。一方、利得可変用スイッチング素子QxがON状態である場合には、利得可変用抵抗Rxが分圧比に影響を及ぼす。詳細には、利得可変用スイッチング素子QxがON状態である場合の分圧回路101の分圧比は、第1フィードバック抵抗R1の抵抗値と、第2フィードバック抵抗R2及び利得可変用抵抗Rxの合成抵抗の抵抗値とに対応する。このため、利得可変用スイッチング素子QxがON/OFFに切り替わることにより、分圧比が変更され、利得Gが変更されることとなる。すなわち、利得可変用スイッチング素子Qxを制御することにより、変換回路100の利得Gを制御することができる。
また、分圧回路101の分圧比は、利得可変用スイッチング素子QxのON/OFFに応じて変化する。詳細には、利得可変用スイッチング素子QxがOFF状態である場合には、利得可変用抵抗Rxは分圧比に影響を与えない。一方、利得可変用スイッチング素子QxがON状態である場合には、利得可変用抵抗Rxが分圧比に影響を及ぼす。詳細には、利得可変用スイッチング素子QxがON状態である場合の分圧回路101の分圧比は、第1フィードバック抵抗R1の抵抗値と、第2フィードバック抵抗R2及び利得可変用抵抗Rxの合成抵抗の抵抗値とに対応する。このため、利得可変用スイッチング素子QxがON/OFFに切り替わることにより、分圧比が変更され、利得Gが変更されることとなる。すなわち、利得可変用スイッチング素子Qxを制御することにより、変換回路100の利得Gを制御することができる。
なお、本実施形態では、利得可変用スイッチング素子QxがON状態である場合の分圧比は、利得可変用スイッチング素子QxがOFF状態である場合の分圧比よりも低くなる。
また、電圧増幅回路102の増幅率は、第4フィードバック抵抗R4と第5フィードバック抵抗R5との比率に基づいて決まる。このため、第4フィードバック抵抗R4と第5フィードバック抵抗R5とは、電圧増幅回路102の増幅率を規定する抵抗ともいえる。
すなわち、本実施形態では、分圧比を規定する第1フィードバック抵抗R1及び第2フィードバック抵抗R2と、増幅率を規定する第4フィードバック抵抗R4及び第5フィードバック抵抗R5と、第7フィードバック抵抗R7とが、利得Gに関与する利得抵抗である。
ここで、変換回路100が設定可能な利得Gには、第1利得G1と、第1利得G1よりも高い第2利得G2とが含まれている。本実施形態では、第1利得G1は、利得可変用スイッチング素子QxがON状態である場合の利得Gに対応し、第2利得G2は、利得可変用スイッチング素子QxがOFF状態である場合の利得Gに対応する。
ちなみに、両利得G1,G2の変化量については、利得可変用抵抗Rxの抵抗値を調整することにより調整可能である。例えば、本実施形態では、利得可変用抵抗Rxの抵抗値が小さくなると、利得可変用スイッチング素子QxのON/OFFの切り替えに伴う分圧比の差が大きくなり、両利得G1,G2の差が大きくなる。
また、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの大きさは、利得Gに応じて変化する。
詳細には、利得Gが大きくなるほど、フィードバック電圧Vfbが大きくなり易い。そして、フィードバック電圧Vfbが大きくなるほど、スイッチング素子11のゲート端子21に入力されるゲート電圧としての加算電圧Vadの立ち上がる傾きは小さくなり易く、加算電圧Vadの立ち上がり期間は長くなり易い。この場合、ドレイン電流Idの傾き(換言すれば時間変化量)は小さくなり易いため、スイッチング素子11が立ち上がる場合に生じるドレイン電流Idのサージは小さくなり易い一方、電力損失は大きくなり易い。
詳細には、利得Gが大きくなるほど、フィードバック電圧Vfbが大きくなり易い。そして、フィードバック電圧Vfbが大きくなるほど、スイッチング素子11のゲート端子21に入力されるゲート電圧としての加算電圧Vadの立ち上がる傾きは小さくなり易く、加算電圧Vadの立ち上がり期間は長くなり易い。この場合、ドレイン電流Idの傾き(換言すれば時間変化量)は小さくなり易いため、スイッチング素子11が立ち上がる場合に生じるドレイン電流Idのサージは小さくなり易い一方、電力損失は大きくなり易い。
一方、利得Gが小さくなるほど、フィードバック電圧Vfbが小さくなり易い。そして、フィードバック電圧Vfbが小さくなるほど、スイッチング素子11のゲート端子21に入力される加算電圧Vadの立ち上がる傾きは大きくなり易く、加算電圧Vadの立ち上がり期間は短くなり易い。この場合、ドレイン電流Idの傾きは大きくなり易いため、スイッチング素子11が立ち上がる場合に生じる電力損失は小さくなり易い一方、ドレイン電流Idのサージが大きくなり易い。
すなわち、利得Gを制御することによってフィードバック電圧Vfbを制御でき、それを通じてフィードバックによる効果、例えばドレイン電流Idの傾き等を制御することができる。
外部指令電圧Vpの立ち下がりに基づくスイッチング素子11のターンオフについても同様である。すなわち、利得Gが大きくなるほど、ドレイン電流Idの立ち下がる傾きは小さくなり易いため、スイッチング素子11のターンオフ時に生じるソース−ドレイン間電圧Vdsのサージが小さくなり易い。一方で、スイッチング素子11のターンオフ時に生じる電力損失が大きくなり易い。換言すれば、利得Gが小さくなるほど、ドレイン電流Idが立ち下がる期間が短くなり易くなり、スイッチング素子11のターンオフ時における電力損失が小さくなり易い。
ソース−ドレイン間電圧Vdsとは、ドレイン電流Idが流れるためにスイッチング素子11に印加される電圧であり、詳細にはスイッチング素子11のソース−ドレイン間に印加される電圧である。
本実施形態のソース−ドレイン間電圧Vdsは、スイッチング素子11がOFF状態である場合には電源電圧Vdcとなり、スイッチング素子11がON状態である場合には0となる。
図3に示すように、電力変換装置10は、ドレイン電流Idが変化することによって逆起電力Vbを生じさせる逆起電力回路110を備えている。本実施形態の逆起電力回路110は、逆起電力Vbを発生させる可変インダクタンスLxを有する回路である。つまり、逆起電力Vbを発生させるインダクタンスは変更可能に構成されている。
詳細には、逆起電力回路110は、スイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsと、誘導可変用スイッチング素子Qy及びコイル111と、を備えている。
寄生インダクタンスLsは、例えばスイッチング素子11内の配線パターン、ワイヤー及びソース端子23などによって構成されている。本実施形態では、寄生インダクタンスLsは、逆起電力回路110の一部を構成している。
寄生インダクタンスLsは、例えばスイッチング素子11内の配線パターン、ワイヤー及びソース端子23などによって構成されている。本実施形態では、寄生インダクタンスLsは、逆起電力回路110の一部を構成している。
誘導可変用スイッチング素子Qy及びコイル111は互いに直列に接続されている。誘導可変用スイッチング素子Qy及びコイル111の直列接続体は、寄生インダクタンスLsに対して並列に接続されている。詳細には、図2に示すように、誘導可変用スイッチング素子Qy及びコイル111の直列接続体は、信号ソース端子23bと基準電位端子43とを接続する信号ソースパターン34と、ドレイン電流Idが流れるメインソースパターン32とに接続されている。
なお、本実施形態では、誘導可変用スイッチング素子Qyが信号ソースパターン34に接続され、コイル111がメインソースパターン32に接続されている。ただし、これに限られず、具体的な接続態様は任意であり、誘導可変用スイッチング素子Qyがメインソースパターン32に接続され、コイル111が信号ソースパターン34に接続されていてもよい。
誘導可変用スイッチング素子Qyは、例えばデジタルトランジスタで構成されている。ただし、誘導可変用スイッチング素子Qyの具体的な構成は任意であり、通常のバイポーラトランジスタやMOSFETなどでもよい。
本実施形態のコイル111のインダクタンスLcは任意である。例えば、コイル111のインダクタンスLcは、寄生インダクタンスLsよりも大きくてもよいし、寄生インダクタンスLsと同じでもよいし、寄生インダクタンスLsよりも小さくてもよい。
かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子Qyの状態に応じて可変インダクタンスLxが変化する。詳細には、誘導可変用スイッチング素子QyがOFF状態である場合には、コイル111にはドレイン電流Idが流れないため、コイル111は可変インダクタンスLxに寄与しない。つまり、可変インダクタンスLxは寄生インダクタンスLsである。
一方、誘導可変用スイッチング素子QyがON状態である場合には、コイル111にもドレイン電流Idが流れるため、コイル111が可変インダクタンスLxに寄与する。すなわち、可変インダクタンスLxは、寄生インダクタンスLsとコイル111との合成インダクタンスとなる。
逆起電力Vbは、可変インダクタンスLxに応じて変化する。このため、可変インダクタンスLxを制御することによって、逆起電力Vbを制御できる。
図3に示すように、電力変換装置10は、可変インダクタンスLxを制御する制御部としての制御回路112を備えている。本実施形態の制御回路112はドライバ回路12に搭載されている。ただし、制御回路112はドライバ回路12とは別に設けられていてもよい。本実施形態の制御回路112は、外部指令電圧Vpが入力されるように構成されている。
図3に示すように、電力変換装置10は、可変インダクタンスLxを制御する制御部としての制御回路112を備えている。本実施形態の制御回路112はドライバ回路12に搭載されている。ただし、制御回路112はドライバ回路12とは別に設けられていてもよい。本実施形態の制御回路112は、外部指令電圧Vpが入力されるように構成されている。
制御回路112は、誘導可変用スイッチング素子Qyを制御可能に構成されている。詳細には、図2及び図3に示すように、ドライバ回路12は、制御回路112に接続された誘導制御端子113を備えている。配線パターン30は、誘導可変用スイッチング素子Qyと誘導制御端子113とを接続している誘導制御パターン114を含む。これにより、制御回路112と誘導可変用スイッチング素子Qyとが電気的に接続されている。したがって、制御回路112は誘導可変用スイッチング素子Qyを制御することができ、それを通じて可変インダクタンスLxを制御する。
また、本実施形態の制御回路112は、利得可変用スイッチング素子Qxを制御することにより、変換回路100の利得Gを制御する。
ちなみに、制御回路112は、例えば利得可変用スイッチング素子Qx及び誘導可変用スイッチング素子Qyを制御するための制御処理を実行するプログラムや必要な情報が記憶されたメモリと、上記プログラムに基づいて制御処理を実行するCPUとを有する構成でもよい。
ちなみに、制御回路112は、例えば利得可変用スイッチング素子Qx及び誘導可変用スイッチング素子Qyを制御するための制御処理を実行するプログラムや必要な情報が記憶されたメモリと、上記プログラムに基づいて制御処理を実行するCPUとを有する構成でもよい。
ただし、これに限られず、制御回路112は、例えば専用ハードウェア回路を有する構成でもよいし、1又は複数の専用ハードウェア回路とソフトウェア処理を実行するCPUとの組み合わせでもよい。換言すれば、制御回路112の具体的な構成は、任意であり、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサの少なくとも一方によって実現されていればよい。
本実施形態の制御回路112は、可変インダクタンスLx、及び、変換回路100の利得Gの双方を制御することにより、フィードバック電圧Vfbを制御する。
これらの制御の具体的な態様は任意であるが、例えば制御回路112は、スイッチング素子11のターンオン時とターンオフ時とで、可変インダクタンスLxを変更してもよい。詳細には、制御回路112は、スイッチング素子11のターンオン時よりもターンオフ時の方が可変インダクタンスLxが小さくなるように逆起電力回路110を制御してもよいし、その逆でもよい。
これらの制御の具体的な態様は任意であるが、例えば制御回路112は、スイッチング素子11のターンオン時とターンオフ時とで、可変インダクタンスLxを変更してもよい。詳細には、制御回路112は、スイッチング素子11のターンオン時よりもターンオフ時の方が可変インダクタンスLxが小さくなるように逆起電力回路110を制御してもよいし、その逆でもよい。
また、これに限らず、制御回路112は、例えばスイッチング素子11のターンオン中に可変インダクタンスLxを変更してもよいし、スイッチング素子11のターンオフ中に可変インダクタンスLxを変更してもよい。制御回路112は、例えば電力変換装置10が適用される対象やドレイン電流Idの大きさに応じて、可変インダクタンスLxを制御してもよい。
同様に、制御回路112は、スイッチング素子11のターンオン時とターンオフ時とで、利得Gを変更してもよい。詳細には、制御回路112は、スイッチング素子11のターンオン時よりもターンオフ時の方が利得Gが小さくなるように逆起電力回路110を制御してもよいし、その逆でもよい。
また、これに限らず、制御回路112は、例えばスイッチング素子11のターンオン中に利得Gを変更してもよいし、スイッチング素子11のターンオフ中に利得Gを変更してもよい。制御回路112は、例えば電力変換装置10が適用される対象やドレイン電流Idの大きさに応じて利得Gを制御してもよい。
次に本実施形態の作用について説明する。
ドレイン電流Idが変化すると、可変インダクタンスLxによって逆起電力Vbが生じる。逆起電力Vbは、フィードバック電圧Vfbに変換されて加算回路60にフィードバックされる。これにより、ゲート電圧としての加算電圧Vadの立ち上がり又は立ち下がりが緩やかになるため、サージが抑制される。この場合、サージが抑制される分だけ、スイッチングスピードが高くなるようにゲート抵抗90の抵抗値等を調整してもよい。
ドレイン電流Idが変化すると、可変インダクタンスLxによって逆起電力Vbが生じる。逆起電力Vbは、フィードバック電圧Vfbに変換されて加算回路60にフィードバックされる。これにより、ゲート電圧としての加算電圧Vadの立ち上がり又は立ち下がりが緩やかになるため、サージが抑制される。この場合、サージが抑制される分だけ、スイッチングスピードが高くなるようにゲート抵抗90の抵抗値等を調整してもよい。
ここで、逆起電力Vbを発生させるインダクタンスとして、インダクタンスを変更可能な可変インダクタンスLxが採用されている。可変インダクタンスLxが変更されると、逆起電力Vbの大きさが変更され、その結果フィードバック電圧Vfbが変更される。これにより、フィードバックによる効果が変化する。詳細には、可変インダクタンスLxが大きくなると、逆起電力Vb及びフィードバック電圧Vfbが大きくなるため、サージ抑制効果が大きくなる一方、電力損失の低減効果は小さくなり易い。一方、可変インダクタンスLxが小さくなると、逆起電力Vb及びフィードバック電圧Vfbが小さくなるため、サージ抑制効果が小さくなる一方、電力損失の低減効果は大きくなり易い。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1−1)電力変換装置10は、スイッチング素子11と、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、を備えている。スイッチング素子11は、制御端子としてのゲート端子21と、印加電流としてのドレイン電流Idが流れる印加端子としてのメインソース端子23aと、を備えている。
(1−1)電力変換装置10は、スイッチング素子11と、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、を備えている。スイッチング素子11は、制御端子としてのゲート端子21と、印加電流としてのドレイン電流Idが流れる印加端子としてのメインソース端子23aと、を備えている。
ドライバ回路12は、外部指令電圧Vpが入力される外部入力端子41と、ドレイン電流Idが変化することによって生じる逆起電力Vbが入力されるフィードバック入力端子44と、を備えている。ドライバ回路12は、逆起電力Vbをフィードバック電圧Vfbに変換する変換回路100と、外部指令電圧Vpとフィードバック電圧Vfbとが入力され、外部指令電圧Vp及びフィードバック電圧Vfbを加算し、その加算された加算電圧Vadをゲート端子21に向けて出力する加算回路60と、を備えている。
かかる構成において、電力変換装置10は、逆起電力Vbを生じさせる可変インダクタンスLxを有する逆起電力回路110と、逆起電力回路110の可変インダクタンスLxを制御する制御回路112と、を備えている。
かかる構成によれば、フィードバック電圧Vfbが加算回路60にフィードバックされ、フィードバック電圧Vfbと外部指令電圧Vpとが加算された加算電圧Vadがゲート端子21に入力される。これにより、サージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
ここで、フィードバック電圧Vfbを加算回路60にフィードバックさせることによって得られるサージ抑制効果は、フィードバック電圧Vfbが大きくなるほど大きくなる。一方、フィードバック電圧Vfbが大きくなるほどスイッチングスピードとしては遅くなり易いため、電力損失の低減効果は小さくなり易い。このため、使用環境や状況(例えばターンオン時及びターンオフ時)に応じて、フィードバックによる効果を調整したい場合がある。例えば、電力損失の低減よりもサージの抑制を優先したい場合には、フィードバック電圧Vfbを大きくし、サージの抑制よりも電力損失の低減を優先したい場合には、フィードバック電圧Vfbを小さくしたい場合がある。
この点、本構成によれば、可変インダクタンスLxを制御することによって、フィードバック電圧Vfbを制御することができ、それを通じて状況に応じた最適なフィードバックによる効果を得ることができる。これにより、より適切なサージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
特に、本構成では、逆起電力Vbの大きさに寄与する可変インダクタンスLxを制御することによってフィードバック電圧Vfbを制御するように構成されている。これにより、ノイズが小さいフィードバック電圧Vfbを得ることができる。
詳述すると、例えばフィードバック電圧Vfbを制御するためには、例えば逆起電力Vbに対するフィードバック電圧Vfbの比率である利得Gを制御することも考えられる。しかしながら、例えば利得Gを大きくすると、逆起電力Vbに含まれるノイズも増幅される。これにより、フィードバック電圧Vfbに含まれるノイズが大きくなる不都合が懸念される。
これに対して、本構成によれば、可変インダクタンスLxを制御することによりフィードバック電圧Vfbが制御されるため、ノイズの増幅を抑制しつつ所望のフィードバック電圧Vfbを得ることができる。したがって、上記不都合を抑制できる。
(1−2)逆起電力回路110は、スイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsと、寄生インダクタンスLsに対して並列に接続された誘導可変用スイッチング素子Qy及びコイル111の直列接続体と、を備えている。制御回路112は、誘導可変用スイッチング素子Qyを制御することにより可変インダクタンスLxを制御する。
かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子Qyの状態に応じて可変インダクタンスLxが変化する。これにより、誘導可変用スイッチング素子Qyを制御することにより、可変インダクタンスLxを制御することができ、上述した効果を得ることができる。
(1−3)変換回路100は、逆起電力Vbに対するフィードバック電圧Vfbの比率である利得Gを変更可能に構成されている。制御回路112は、可変インダクタンスLx及び利得Gの双方を制御する。
かかる構成によれば、可変インダクタンスLxのみを制御する構成と比較して、フィードバック電圧Vfbを精度よく調整することができたり、フィードバック電圧Vfbの変化範囲を広くすることができたりする。これにより、より適切なフィードバックを行うことができる。
(1−4)変換回路100は、利得Gに関与する利得抵抗としての第2フィードバック抵抗R2と、第2フィードバック抵抗R2に対して並列に接続された利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体と、を備えている。
かかる構成によれば、利得可変用スイッチング素子QxがOFF状態である場合には、利得可変用抵抗Rxには電流が流れないため、利得可変用抵抗Rxは利得Gに影響を及ぼさない。一方、利得可変用スイッチング素子QxがON状態である場合には、利得可変用抵抗Rxに電流が流れるため、利得可変用抵抗Rxが利得Gに影響を及ぼす。具体的には、利得Gは、利得可変用抵抗Rxと第2フィードバック抵抗R2との合成抵抗値に対応した値となる。これにより、利得可変用スイッチング素子Qxの状態に応じて利得Gが変化する。したがって、制御回路112が利得可変用スイッチング素子Qxを制御することによって利得Gを制御することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、逆起電力回路110の構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について以下に詳細に説明する。
本実施形態では、逆起電力回路110の構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について以下に詳細に説明する。
図4に示すように、本実施形態の逆起電力回路110は、コイル111が寄生インダクタンスLsに対して直列に接続されている。そして、誘導可変用スイッチング素子Qyは、コイル111に対して並列に接続されている。
本実施形態のコイル111のインダクタンスLcは、例えば寄生インダクタンスLsよりも大きい。ただし、これに限られず、コイル111のインダクタンスLcは任意であり、例えば寄生インダクタンスLsと同一でもよいし、寄生インダクタンスLsよりも小さくてもよい。
本実施形態の作用について説明する。
誘導可変用スイッチング素子QyがON状態である場合、ドレイン電流Idは、コイル111を流れることなく、寄生インダクタンスLs及び誘導可変用スイッチング素子Qyを流れる。この場合、可変インダクタンスLxは、寄生インダクタンスLsである。
誘導可変用スイッチング素子QyがON状態である場合、ドレイン電流Idは、コイル111を流れることなく、寄生インダクタンスLs及び誘導可変用スイッチング素子Qyを流れる。この場合、可変インダクタンスLxは、寄生インダクタンスLsである。
一方、誘導可変用スイッチング素子QyがOFF状態である場合、ドレイン電流Idは、寄生インダクタンスLs及びコイル111を流れる。この場合、可変インダクタンスLxは、寄生インダクタンスLs及びコイル111のインダクタンスLcの加算値となる。
すなわち、誘導可変用スイッチング素子Qyは、コイル111にドレイン電流Idが流れないON状態、又は、コイル111にドレイン電流Idが流れるOFF状態に切り替わるものである。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(2−1)逆起電力回路110は、スイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsと、寄生インダクタンスLsに対して直列に接続されるコイル111と、誘導可変用スイッチング素子Qyと、を備えている。誘導可変用スイッチング素子Qyは、コイル111にドレイン電流Idが流れる状態(本実施形態ではOFF状態)、又は、コイル111にドレイン電流Idが流れない状態(本実施形態ではON状態)に切り替わる。
(2−1)逆起電力回路110は、スイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsと、寄生インダクタンスLsに対して直列に接続されるコイル111と、誘導可変用スイッチング素子Qyと、を備えている。誘導可変用スイッチング素子Qyは、コイル111にドレイン電流Idが流れる状態(本実施形態ではOFF状態)、又は、コイル111にドレイン電流Idが流れない状態(本実施形態ではON状態)に切り替わる。
かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子Qyを制御することによって可変インダクタンスLxを制御できる。これにより、(1−1)等の効果を奏する。
特に、本構成によれば、コイル111が寄生インダクタンスLsに対して直列に接続されるため、誘導可変用スイッチング素子QyがOFF状態である場合の可変インダクタンスLxを、寄生インダクタンスLsよりも大きくすることができる。これにより、寄生インダクタンスLsが小さいことに起因して所望の逆起電力Vbを得ることができないといった不都合を抑制できる。
特に、本構成によれば、コイル111が寄生インダクタンスLsに対して直列に接続されるため、誘導可変用スイッチング素子QyがOFF状態である場合の可変インダクタンスLxを、寄生インダクタンスLsよりも大きくすることができる。これにより、寄生インダクタンスLsが小さいことに起因して所望の逆起電力Vbを得ることができないといった不都合を抑制できる。
(2−2)コイル111のインダクタンスLcは、寄生インダクタンスLsよりも大きい。かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子QyのON/OFFの切り替えに基づく逆起電力Vbの変化量を大きくすることができる。また、寄生インダクタンスLsだけでは実現できないような大きな逆起電力Vbを発生させることができる。したがって、寄生インダクタンスLsが小さい場合であっても所望の大きさの逆起電力Vbを実現できる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。また、技術的に矛盾が生じない範囲内で、上記各実施形態と下記別例とを適宜組み合わせてもよい。
○ 図5に示すように、コイル111は、誘導可変用スイッチング素子Qyを介して寄生インダクタンスLsと直列に接続されていてもよい。つまり、コイル111と寄生インダクタンスLsとが直列に接続されるとは、誘導可変用スイッチング素子Qyを介することなく接続される態様と、誘導可変用スイッチング素子Qyを介する態様とを含む。
○ 図5に示すように、コイル111は、誘導可変用スイッチング素子Qyを介して寄生インダクタンスLsと直列に接続されていてもよい。つまり、コイル111と寄生インダクタンスLsとが直列に接続されるとは、誘導可変用スイッチング素子Qyを介することなく接続される態様と、誘導可変用スイッチング素子Qyを介する態様とを含む。
詳細には、逆起電力回路110は、メインソースパターン32が分岐することによって形成された第1ライン32a及び第2ライン32bと、第1ライン32a上に設けられたコイル111と、を有しているとよい。そして、誘導可変用スイッチング素子Qyは、スイッチング素子11の接続先を、第1ライン32a又は第2ライン32bに切り替えるものであるとよい。第2ライン32b上にはコイル111は設けられていない。つまり、第2ライン32bは、コイル111を介することなくドレイン電流Idを流すためのバイパスラインである。
かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子Qyがスイッチング素子11と第1ライン32aとを接続している場合、コイル111にドレイン電流Idが流れる。一方、誘導可変用スイッチング素子Qyがスイッチング素子11と第2ライン32bとを接続している場合、コイル111にはドレイン電流Idが流れない。これにより、(2−1)の効果を奏する。
○ 逆起電力回路110は、寄生インダクタンスLsを用いることなく構成されてもよい。例えば、図6に示すように、逆起電力回路110は、メインソースパターン32が分岐した第1ライン32a及び第2ライン32bと、第1ライン32a上に設けられた第1コイル121と、第2ライン32b上に設けられた第2コイル122と、誘導可変用スイッチング素子Qyと、を備えている構成でもよい。
誘導可変用スイッチング素子Qyは、スイッチング素子11に接続され且つスイッチング素子11の接続先を第1ライン32a又は第2ライン32bに切り替える。第1コイル121のインダクタンスLc1と第2コイル122のインダクタンスLc2とは異なっている。
基準電位端子43は、スイッチング素子11と誘導可変用スイッチング素子Qyとの接続部分に接続されている。フィードバック入力端子44は、メインソースパターン32における両ライン32a,32bの下流部分に接続されている。
かかる構成によれば、誘導可変用スイッチング素子Qyによってスイッチング素子11と第1ライン32aとが接続されている場合には、第1コイル121にて逆起電力Vbが発生する。この場合の可変インダクタンスLxは、第1コイル121のインダクタンスLc1である。
一方、誘導可変用スイッチング素子Qyによってスイッチング素子11と第2ライン32bとが接続されている場合には、第2コイル122にて逆起電力Vbが発生する。この場合の可変インダクタンスLxは、第2コイル122のインダクタンスLc2である。両コイル121,122のインダクタンスLc1,Lc2は異なっているため、逆起電力Vbが異なることとなる。
すなわち、逆起電力回路110は、逆起電力Vbを発生させる可変インダクタンスLxが変更可能に構成されていれば、その具体的な回路構成は任意である。また、逆起電力Vbを発生させる可変インダクタンスLxには寄生インダクタンスLsが含まれていなくてもよい。
○ 誘導可変用スイッチング素子Qy及びコイル111は、ドライバ回路12内に設けられていてもよい。
○ 逆起電力回路110は、3つ以上の値を取り得る可変インダクタンスLxを有する構成でもよい。
○ 逆起電力回路110は、3つ以上の値を取り得る可変インダクタンスLxを有する構成でもよい。
○ 変換回路100の利得Gを変更可能にするための具体的な構成は任意である。
例えば、利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体を、第1フィードバック抵抗R1に対して並列に接続してもよい。
例えば、利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体を、第1フィードバック抵抗R1に対して並列に接続してもよい。
また、電圧増幅回路102の増幅率を変更可能にしてもよい。詳細には、利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体を、第4フィードバック抵抗R4に対して並列に接続してもよいし、第5フィードバック抵抗R5に対して並列に接続してもよい。
また、利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体を、第7フィードバック抵抗R7に対して並列に接続してもよい。
すなわち、利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体は、利得Gに関与する利得抵抗としてのフィードバック抵抗R1,R2,R4,R5,R7の少なくとも1つに対して並列に接続されていればよい。
すなわち、利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体は、利得Gに関与する利得抵抗としてのフィードバック抵抗R1,R2,R4,R5,R7の少なくとも1つに対して並列に接続されていればよい。
○ 変換回路100は、利得Gを変更できない構成でもよい。例えば、利得可変用スイッチング素子Qx及び利得可変用抵抗Rxの直列接続体を省略してもよい。つまり、利得Gを制御することは必須ではない。
○ スイッチング素子11は、MOSFETに限られず任意であり、例えばIGBTでもよい。この場合、スイッチング素子11のゲート端子が「制御端子」に対応し、スイッチング素子11のコレクタ−エミッタ間を流れるコレクタ電流が「印加電流」に対応し、エミッタ端子が「印加端子」に対応する。
○ 信号ソース端子23bは、複数のソース端子23の1つであったが、これに限られない。例えば、スイッチング素子11は、ドレイン電流Idが流れるメインソース端子23aと、メインソース端子23aとは別に設けられたゲートドライブ用端子とを有する構成においては、ゲートドライブ用端子を信号ソース端子23bとして用いるとよい。ゲートドライブ用端子は、ケルビン端子、ケルビンソース端子ともいわれるものであり、ドレイン電流Idが流れないソース端子である。ゲートドライブ用端子は、例えばメインソース端子23aと比較して寄生インダクタンスLsが小さいものであってもよい。
○ 電流増幅回路80を省略してもよい。
○ フィルタ回路50を省略してもよい。
○ 分圧回路101を省略してもよいし、第6フィードバック抵抗R6及び第7フィードバック抵抗R7を省略してもよい。
○ フィルタ回路50を省略してもよい。
○ 分圧回路101を省略してもよいし、第6フィードバック抵抗R6及び第7フィードバック抵抗R7を省略してもよい。
○ スイッチング素子11とドライバ回路12とを接続する配線は、回路基板13に形成された配線パターン30に限られず、任意であり、例えばケーブルやバスバーなどでもよい。
○ 各スイッチング素子11u1〜11w2はインバータを構成していたが、これに限られず、任意であり、例えば蓄電装置203の直流電力を異なる電圧の直流電力に変換するDC/DCコンバータを構成してもよい。すなわち、電力変換装置10は、インバータに限られず、DC/DCコンバータ、AC/ACコンバータ、AC/DCインバータ等任意である。換言すれば、電力変換装置10は、直流電力又は交流電力を直流電力又は交流電力に変換するものでもよい。
○ 負荷は電動モータ201に限られず任意である。
○ 電力変換装置10は、車両200以外に搭載されてもよい。すなわち、電力変換装置10は、車両200に設けられた負荷以外の負荷を駆動させるものでもよい。
○ 電力変換装置10は、車両200以外に搭載されてもよい。すなわち、電力変換装置10は、車両200に設けられた負荷以外の負荷を駆動させるものでもよい。
10…電力変換装置、11(11u1〜11w2)…スイッチング素子、12(12u1〜12w2)…ドライバ回路、13…回路基板、21…ゲート端子(制御端子)、23…ソース端子、41…外部入力端子、42…加算出力端子、43…基準電位端子、44…フィードバック入力端子、60…加算回路、100…変換回路、110…逆起電力回路、111,121,122…コイル、112…制御回路(制御部)、200…車両、201…電動モータ(負荷)、203…蓄電装置、Vp…外部指令電圧、Vb…逆起電力、Vfb…フィードバック電圧、Vad…加算電圧、V0…基準電位、Lx…可変インダクタンス、Ls…寄生インダクタンス、Lc,Lc1,Lc2…コイルのインダクタンス、Id…ドレイン電流、G…利得、Qx…利得可変用スイッチング素子、Qy…誘導可変用スイッチング素子、Rx…利得可変用抵抗。
Claims (7)
- 制御端子及び印加電流が流れる印加端子を有するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を駆動させるドライバ回路と、
を備えた電力変換装置であって、
前記ドライバ回路は、
外部指令電圧が入力される外部入力端子と、
前記印加電流が変化することによって生じる逆起電力が入力されるフィードバック入力端子と、
前記逆起電力をフィードバック電圧に変換する変換回路と、
前記外部指令電圧と前記フィードバック電圧とが入力されるものであって、前記外部指令電圧及び前記フィードバック電圧を加算し、その加算された加算電圧を前記制御端子に向けて出力する加算回路と、
を備え、
前記電力変換装置は、
前記逆起電力を生じさせる可変インダクタンスを有する逆起電力回路と、
前記逆起電力回路の前記可変インダクタンスを制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする電力変換装置。 - 前記逆起電力回路は、
前記スイッチング素子内の寄生インダクタンスと、
前記寄生インダクタンスに対して並列に接続された誘導可変用スイッチング素子及びコイルの直列接続体と、
を備え、
前記制御部は、前記誘導可変用スイッチング素子を制御することにより前記可変インダクタンスを制御する請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記逆起電力回路は、
前記スイッチング素子内の寄生インダクタンスと、
前記寄生インダクタンスに対して直列に接続されるコイルと、
前記コイルに前記印加電流が流れる状態、又は、前記コイルに前記印加電流が流れない状態に切り替える誘導可変用スイッチング素子と、
を備えている請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記コイルのインダクタンスは、前記寄生インダクタンスよりも大きい請求項3に記載の電力変換装置。
- 前記変換回路は、前記逆起電力に対する前記フィードバック電圧の比率である利得を変更可能に構成されており、
前記制御部は、前記利得と前記可変インダクタンスとの双方を制御する請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記スイッチング素子はMOSFETであり、
前記制御端子はゲート端子であり、
前記印加電流は、前記スイッチング素子のソース−ドレイン間に流れるドレイン電流であり、
前記印加端子はソース端子である請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記スイッチング素子はIGBTであり、
前記制御端子はゲート端子であり、
前記印加電流は、前記スイッチング素子のコレクタ−エミッタ間に流れるコレクタ電流であり、
前記印加端子はエミッタ端子である請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。
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