JP2021170885A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切なフィードバックを行うことができる電力変換装置を提供すること。【解決手段】電力変換装置10は、スイッチング素子11と、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、を備えている。ドライバ回路12は、外部指令電圧Vp及びフィードバック電圧Vfbが入力され両者を加算する加算回路60を備えている。ここで、電力変換装置10は、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbを第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替える切替部100と、切替部100を制御する制御回路130と、を備えている。第1電圧Vxは、スイッチング素子11に流れる印加電流としてのドレイン電流Idの変化に対応した電圧であり、第2電圧Vyは、スイッチング素子11の印加電圧であるソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応した電圧である。【選択図】図3
Description
本発明は、電力変換装置に関する。
例えば特許文献1には、スイッチング素子としてのIGBTを駆動させるドライバ回路が記載されている。特許文献1に記載のドライバ回路は、スイッチング損失の低減とサージ電圧又はサージ電流の低減との両立を図るために、IGBTを流れる電流が変化することによってエミッタ配線のインダクタンス分にて発生する逆起電力としての誘起電圧をフィードバックさせるアクティブゲート制御を行っている。
ここで、スイッチング素子の特性、状況、使用環境などによっては、IGBTを流れる電流の変化に対応した電圧をフィードバックさせる構成では、適切なフィードバックを行うことができず、サージの抑制と電力損失の低減との両立というフィードバックによる効果を充分に得られない場合があり得る。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は適切なフィードバックを行うことができる電力変換装置を提供することである。
上記目的を達成する電力変換装置は、制御端子を有するスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動させるドライバ回路と、を備え、前記ドライバ回路は、外部指令電圧が入力される外部入力端子と、前記外部指令電圧及びフィードバック電圧が入力されるものであって、前記外部指令電圧及び前記フィードバック電圧を加算し、その加算された加算電圧を前記制御端子に向けて出力する加算回路と、前記加算回路に入力される前記フィードバック電圧を、前記スイッチング素子に流れる印加電流の変化に対応した第1電圧、又は、前記スイッチング素子の印加電圧の変化に対応した第2電圧に切り替える切替部と、前記切替部を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、加算回路に、外部指令電圧と、印加電流又は印加電圧の変化に対応したフィードバック電圧とが入力される。そして、スイッチング素子は両者を加算した加算電圧によって駆動する。これにより、印加電流又は印加電圧の急峻な立ち上がりを抑制しつつスイッチングスピードを上げることができる。したがって、サージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
ここで、本構成によれば、フィードバック電圧を第1電圧又は第2電圧に切り替えることができる。第1電圧と第2電圧とは、対応する変化対象が異なる。詳細には、第1電圧は印加電流の変化に対応しており、第2電圧は印加電圧に対応している。これにより、素子特性、使用環境、状況などに応じてフィードバック電圧を切り替えることにより、より適切なフィードバックを行うことができる。
上記電力変換装置について、前記切替部と前記加算回路とを接続しているメインラインと、前記第1電圧が印加される第1ラインと、前記第2電圧が印加される第2ラインと、を備え、前記切替部は、前記メインラインの接続先を前記第1ライン又は前記第2ラインに切り替えるものであるとよい。
かかる構成によれば、切替部によってメインラインの接続先が第1ラインに切り替わっている場合、第1電圧がメインラインを伝送して加算回路に入力される。一方、切替部によってメインラインの接続先が第2ラインに切り替わっている場合、第2電圧がメインラインを伝送して加算回路に入力される。これにより、加算回路に入力されるフィードバック電圧を第1電圧又は第2電圧に切り替えることができる。
上記電力変換装置について、前記印加電圧が入力される前記第2ライン上に設けられた検出コンデンサと、前記検出コンデンサと協働して微分回路を構成する検出抵抗と、を備えているとよい。
かかる構成によれば、第2ラインに入力される印加電圧は微分回路によって第2電圧に変換される。これにより、第2ラインに第2電圧が印加され、印加電圧の変化を検出することができる。また、検出コンデンサのキャパシタンスを調整することにより第2電圧の大きさを調整できるため、加算回路に入力されるフィードバック電圧の大きさを所望の値にすることができる。
上記電力変換装置について、前記第1ライン上に設けられた分圧抵抗と、前記分圧抵抗と協働して分圧回路を構成する検出抵抗と、を備えているとよい。
かかる構成によれば、第1電圧を分圧回路によって分圧することができる。この場合、分圧抵抗の抵抗値を調整することにより、加算回路に入力される第1電圧の大きさを調整することができるため、加算回路に入力されるフィードバック電圧の大きさを所望の値にすることができる。
かかる構成によれば、第1電圧を分圧回路によって分圧することができる。この場合、分圧抵抗の抵抗値を調整することにより、加算回路に入力される第1電圧の大きさを調整することができるため、加算回路に入力されるフィードバック電圧の大きさを所望の値にすることができる。
上記電力変換装置について、前記第1ライン上に設けられた分圧抵抗と、前記印加電圧が入力される前記第2ライン上に設けられた検出コンデンサと、前記メインラインに接続された検出抵抗と、を備え、前記検出抵抗は、前記切替部によって前記メインラインの接続先が前記第1ラインとなっている場合には前記分圧抵抗と協働して分圧回路を構成する一方、前記切替部によって前記メインラインの接続先が前記第2ラインとなっている場合には前記検出コンデンサと協働して微分回路を構成するとよい。
かかる構成によれば、メインラインの接続先が第1ラインとなっている場合には第1電圧を分圧回路によって分圧することができる。この場合、分圧抵抗の抵抗値を調整することにより、加算回路に入力される第1電圧の大きさを調整することができるため、加算回路に入力されるフィードバック電圧の大きさを所望の値にすることができる。
また、メインラインの接続先が第2ラインとなっている場合には、第2ラインに入力される印加電圧は微分回路によって第2電圧に変換される。これにより、第2ラインに第2電圧が印加され、印加電圧の変化を検出することができる。また、検出コンデンサのキャパシタンスを調整することにより第2電圧の大きさを調整できるため、加算回路に入力されるフィードバック電圧の大きさを所望の値にすることができる。
特に、本構成によれば、分圧回路と微分回路とで共通の検出抵抗が用いられている。これにより、分圧回路と微分回路とのそれぞれに抵抗を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
上記電力変換装置について、前記メインライン上に設けられ、入力される前記フィードバック電圧を増幅させて前記加算回路へ向けて出力する電圧増幅回路を備え、前記切替部は、前記電圧増幅回路の入力先を前記第1ライン又は前記第2ラインに切り替えるものであるとよい。
かかる構成によれば、第1電圧及び第2電圧のいずれも同一の電圧増幅回路によって増幅されて加算回路に入力される。これにより、第1電圧に対応した電圧増幅回路と第2電圧に対応した電圧増幅回路とを別々に設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることができる。
上記電力変換装置について、前記制御部は、前記スイッチング素子がターンオンする場合に前記フィードバック電圧が前記第1電圧となるように前記切替部を制御するとよい。
スイッチング素子がターンオンする場合には、印加電流の方が印加電圧よりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子がターンオンする場合にはフィードバック電圧として、印加電流の変化に対応した第1電圧が用いられるため、早期にフィードバック電圧によるフィードバックを行うことができる。
スイッチング素子がターンオンする場合には、印加電流の方が印加電圧よりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子がターンオンする場合にはフィードバック電圧として、印加電流の変化に対応した第1電圧が用いられるため、早期にフィードバック電圧によるフィードバックを行うことができる。
上記電力変換装置について、前記制御部は、前記スイッチング素子がターンオフする場合に前記フィードバック電圧が前記第2電圧となるように前記切替部を制御するとよい。
スイッチング素子がターンオフする場合には、印加電圧の方が印加電流よりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子がターンオフする場合にはフィードバック電圧として、印加電圧の変化に対応した第2電圧が用いられるため、早期にフィードバック電圧によるフィードバックを行うことができる。
スイッチング素子がターンオフする場合には、印加電圧の方が印加電流よりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子がターンオフする場合にはフィードバック電圧として、印加電圧の変化に対応した第2電圧が用いられるため、早期にフィードバック電圧によるフィードバックを行うことができる。
上記電力変換装置について、前記第1電圧は、前記印加電流が変化することによって前記スイッチング素子内の寄生インダクタンスを含むインダクタンス成分にて生じる逆起電力であるとよい。
かかる構成によれば、印加電流の変化を好適に検出することができる。
この発明によれば、適切なフィードバックを行うことができる。
以下、電力変換装置の一実施形態について説明する。
本実施形態の電力変換装置10は、例えば車両200に搭載されており、車両200に設けられている電動モータ201を駆動するのに用いられる。
本実施形態の電力変換装置10は、例えば車両200に搭載されており、車両200に設けられている電動モータ201を駆動するのに用いられる。
本実施形態の電動モータ201は、車両200の車輪を回転させるための走行用モータである。本実施形態の電動モータ201は、3相コイル202u,202v,202wを有している。3相コイル202u,202v,202wは例えばY結線されている。3相コイル202u,202v,202wが所定のパターンで通電されることにより、電動モータ201が回転する。なお、3相コイル202u,202v,202wの結線態様は、Y結線に限られず任意であり、例えばデルタ結線でもよい。
図1に示すように、車両200は蓄電装置203を有している。本実施形態の電力変換装置10は、蓄電装置203の直流電力を電動モータ201が駆動可能な交流電力に変換するインバータ装置である。換言すれば、電力変換装置10は、蓄電装置203を用いて電動モータ201を駆動させる駆動装置とも言える。なお、蓄電装置203の電圧を電源電圧Vdcとする。
電力変換装置10は、スイッチング素子11を有している。本実施形態の電力変換装置10は、スイッチング素子11を複数有しており、詳細には、u相コイル202uに対応するu相スイッチング素子11u1,11u2と、v相コイル202vに対応するv相スイッチング素子11v1,11v2と、w相コイル202wに対応するw相スイッチング素子11w1,11w2と、を備えている。
各スイッチング素子11u1,11u2,11v1,11v2,11w1,11w2(以下、「各スイッチング素子11u1〜11w2」という。)は、例えばパワースイッチング素子であり、一例としてはMOSFETである。各スイッチング素子11u1〜11w2が「スイッチング素子」に対応する。スイッチング素子11u1〜11w2は、還流ダイオード(ボディダイオード)Du1〜Dw2を有している。
各u相スイッチング素子11u1,11u2は接続線を介して互いに直列に接続されている。詳細には、上アームu相スイッチング素子11u1と下アームu相スイッチング素子11u2とが接続線を介して接続されており、その接続線はu相コイル202uに接続されている。上アームu相スイッチング素子11u1は、蓄電装置203の高圧側である正極端子(+端子)に接続されている。下アームu相スイッチング素子11u2は、蓄電装置203の低圧側である負極端子(−端子)に接続されている。
なお、他のスイッチング素子11v1,11v2,11w1,11w2の接続態様は、対応するコイルが異なる点を除いて、u相スイッチング素子11u1,11u2と同様である。
図1及び図2に示すように、電力変換装置10は、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、スイッチング素子11及びドライバ回路12が実装される回路基板13と、を備えている。
本実施形態のドライバ回路12は所謂ゲートドライバ回路である。本実施形態の電力変換装置10は、複数のスイッチング素子11に対応させてドライバ回路12を複数有している。詳細には、電力変換装置10は、複数のスイッチング素子11u1〜11w2に対応させて複数のドライバ回路12u1〜12w2を有している。ドライバ回路12u1〜12w2は、スイッチング素子11u1〜11w2のゲートに接続されており、ゲート電圧を制御することによりスイッチング素子11u1〜11w2をON/OFFさせる。
図1に示すように、車両200は、電力変換装置10を制御する変換制御装置14を備えている。本実施形態の変換制御装置14はインバータ制御装置である。変換制御装置14は、外部からの指令(例えば要求回転速度)に基づいて、電動モータ201に流れる目標電流を決定し、その目標電流が流れるための外部指令電圧Vpを導出する。そして、変換制御装置14は、外部指令電圧Vpをドライバ回路12に向けて出力する。
本実施形態では、変換制御装置14は、スイッチング素子11u1〜11w2ごとに外部指令電圧Vpを導出し、各ドライバ回路12u1〜12w2に外部指令電圧Vpを出力する。これにより、各スイッチング素子11u1〜11w2が個別に制御される。
外部指令電圧Vpは所定のパルス幅を有するパルス電圧である。例えば、外部指令電圧Vpは、LOWからHIに切り替わり、一定期間HI状態を維持した後に、HIからLOWに切り替わる。以降の説明において、LOWからHIの切り替わりを「立ち上がり」といい、HIからLOWの切り替わりを「立ち下がり」という。
なお、本実施形態の変換制御装置14は、回路基板13に実装されている。ただし、これに限られず、変換制御装置14は、回路基板13とは別の基板に実装されていてもよい。
ドライバ回路12u1〜12w2は、それぞれ個別に入力される外部指令電圧Vpに基づいて、スイッチング素子11u1〜11w2に対してゲート電圧を印加する。これにより、各スイッチング素子11u1〜11w2が周期的にON/OFFし、蓄電装置203の直流電力が3相の交流電力に変換されて電動モータ201に供給される。すなわち、変換制御装置14は、電力変換装置10をPWM制御するものである。
次にドライバ回路12u1〜12w2及びスイッチング素子11u1〜11w2について詳細に説明する。
ここで、各スイッチング素子11u1〜11w2は基本的に同一構成であり、各ドライバ回路12u1〜12w2は基本的に同一の構成である。このため、以下では、各スイッチング素子11u1〜11w2のうち1つのスイッチング素子11(下アームu相スイッチング素子11u2)と、それに対応するドライバ回路12(下アームu相ドライバ回路12u2)とについて詳細に説明する。
ここで、各スイッチング素子11u1〜11w2は基本的に同一構成であり、各ドライバ回路12u1〜12w2は基本的に同一の構成である。このため、以下では、各スイッチング素子11u1〜11w2のうち1つのスイッチング素子11(下アームu相スイッチング素子11u2)と、それに対応するドライバ回路12(下アームu相ドライバ回路12u2)とについて詳細に説明する。
図2に示すように、スイッチング素子11は、例えば直方体状に形成されている。スイッチング素子11は、制御端子としてのゲート端子21と、印加電流としてのドレイン電流Idが流れるドレイン端子22及び複数のソース端子23と、を有している。ドレイン電流Idは、スイッチング素子11のソース−ドレイン間に流れる電流である。
本実施形態では、ドレイン端子22は1つであり、スイッチング素子11の一辺に亘ってタブ状に形成されている。
ゲート端子21と複数のソース端子23とは、スイッチング素子11におけるドレイン端子22とは反対側の部分に設けられており、所定のピッチで配列されている。なお、ソース端子23の数は任意である。
ゲート端子21と複数のソース端子23とは、スイッチング素子11におけるドレイン端子22とは反対側の部分に設けられており、所定のピッチで配列されている。なお、ソース端子23の数は任意である。
図2に示すように、回路基板13には、複数の配線パターン30が形成されている。これら複数の配線パターン30によってスイッチング素子11とドライバ回路12及び蓄電装置203とが電気的に接続されているとともに、スイッチング素子11と負荷としての電動モータ201とが電気的に接続されている。
本実施形態では、複数の配線パターン30は、ドレインパターン31と、メインソースパターン32とを含む。ドレインパターン31は、ドレイン端子22と、電動モータ201(詳細にはu相コイル202u)及び上アームu相スイッチング素子11u1とを電気的に接続する配線パターン30である。メインソースパターン32は、複数のソース端子23の一部と蓄電装置203の低圧側である負極端子(−端子)とを電気的に接続するものであって印加電流としてのドレイン電流Idが流れる配線パターン30である。
ちなみに、説明の便宜上、複数のソース端子23のうちメインソースパターン32に接続されるものをメインソース端子23aとする。メインソース端子23aは、ドレイン電流Idが流れる端子である。本実施形態では、メインソース端子23aが「印加端子」に対応する。
ここで、電力変換装置10は、ドレイン電流Idが変化することによって逆起電力を生じさせるインダクタンス成分L1を有している。インダクタンス成分L1は、ドレイン電流Idが流れる電流経路上に設けられている。インダクタンス成分L1は、スイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsを含む。寄生インダクタンスLsは、例えばスイッチング素子11内の配線パターン、ワイヤー及びソース端子23などによって構成されている。
また、インダクタンス成分L1は、メインソースパターン32に含まれる寄生インダクタンス等の他のインダクタンスを含んでいてもよいし、含まなくてもよい。なお、ドレイン電流Idの変化とは、ドレイン電流Idが流れ始める場合と、ドレイン電流Idが停止する場合とを含む。
次にドライバ回路12及びドライバ回路12とスイッチング素子11との接続について説明する。
図2及び図3に示すように、ドライバ回路12は、外部入力端子41と、加算出力端子42と、基準電位端子43と、第1フィードバック入力端子44と、第2フィードバック入力端子45と、を備えている。
図2及び図3に示すように、ドライバ回路12は、外部入力端子41と、加算出力端子42と、基準電位端子43と、第1フィードバック入力端子44と、第2フィードバック入力端子45と、を備えている。
外部入力端子41は、変換制御装置14と電気的に接続されている。外部入力端子41には、変換制御装置14からの外部指令電圧Vpが入力される。
加算出力端子42は、ドライバ回路12からゲート電圧(換言すればゲート電流)を出力するための端子である。複数の配線パターン30は、加算出力端子42とゲート端子21とを電気的に接続するゲートパターン33を含む。加算出力端子42から出力されるゲート電圧は、ゲートパターン33を介してゲート端子21に入力される。
加算出力端子42は、ドライバ回路12からゲート電圧(換言すればゲート電流)を出力するための端子である。複数の配線パターン30は、加算出力端子42とゲート端子21とを電気的に接続するゲートパターン33を含む。加算出力端子42から出力されるゲート電圧は、ゲートパターン33を介してゲート端子21に入力される。
図3に示すように、基準電位端子43は、ドライバ回路12内において基準電位V0に接続されている。図2に示すように、複数の配線パターン30は、基準電位端子43と複数のソース端子23のうちメインソース端子23a以外の少なくとも1つの端子とを電気的に接続する信号ソースパターン34を含む。信号ソースパターン34とメインソースパターン32とは絶縁されている。
ここで、説明の便宜上、基準電位端子43に接続されるソース端子23を信号ソース端子23bという。すなわち、本実施形態の複数のソース端子23は、蓄電装置203の負極端子に接続されるメインソース端子23aと、基準電位端子43(換言すれば基準電位V0)に接続される信号ソース端子23bと、を含む。スイッチング素子11は、信号ソース端子23bに入力される基準電位V0とゲート端子21に入力されるゲート電圧(本実施形態では加算電圧Vad)との電位差に基づいて駆動(換言すればスイッチング動作)する。
上記のように基準電位端子43と信号ソース端子23bとが信号ソースパターン34を介して電気的に接続されることにより、スイッチング素子11のソース電位が基準電位V0となる。この場合、信号ソース端子23b及び信号ソースパターン34には、印加電流としてのドレイン電流Idが流れにくい。これにより、信号ソース端子23b及び信号ソースパターン34を介する経路上には寄生インダクタンスLsは存在しないとみなすことができる。よって、ゲート端子21に入力されるゲート電圧が寄生インダクタンスLsの影響を受けにくい。
第1フィードバック入力端子44は、ドレイン電流Idの変化に対応した第1電圧Vxが入力される端子である。詳細には、図2及び図3に示すように、メインソースパターン32の一部は分岐しており、その分岐された一部は第1フィードバック入力端子44に接続されている。つまり、メインソースパターン32は、蓄電装置203の負極端子と第1フィードバック入力端子44との双方に接続されている。これにより、第1フィードバック入力端子44には、ドレイン電流Idが変化することによりインダクタンス成分L1によって発生する第1電圧Vxが入力される。つまり、本実施形態の第1電圧Vxは、ドレイン電流Idが変化することによってスイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsを含むインダクタンス成分L1にて生じる逆起電力である。
本実施形態の第2フィードバック入力端子45は、スイッチング素子11に印加される印加電圧としてのソース−ドレイン間電圧Vdsが入力される端子である。詳細には、図2に示すように、ドレインパターン31の一部は分岐しており、その分岐された一部は第2フィードバック入力端子45に接続されている。
念の為に説明すると、上アームu相スイッチング素子11u1に接続されるメインソースパターン32は、下アームu相スイッチング素子11u2のドレイン端子22と負荷としての電動モータ(詳細にはu相コイル202u)との双方に接続されている。なお、上アームu相スイッチング素子11u1に接続されるメインソースパターン32と、下アームu相スイッチング素子11u2に接続されるドレインパターン31とは同一である。また、上アームu相スイッチング素子11u1に接続されるドレインパターン31は、蓄電装置203の正極端子に接続されている。
図3に示すように、ドライバ回路12は、外部入力端子41から入力される外部指令電圧Vpと、フィードバック電圧Vfbとに基づいて加算電圧Vadを生成し、その加算電圧Vadをゲート電圧として加算出力端子42から出力するように構成されている。
加算電圧Vadを出力するドライバ回路12の一例について以下に説明する。
図3に示すように、ドライバ回路12は、加算回路60と、外部入力端子41と加算回路60とを接続する外部入力ラインLNpと、外部入力ラインLNp上に設けられたフィルタ回路50と、加算回路60にフィードバック電圧Vfbを入力するためのフィードバック回路70と、電流増幅回路80と、を備えている。
図3に示すように、ドライバ回路12は、加算回路60と、外部入力端子41と加算回路60とを接続する外部入力ラインLNpと、外部入力ラインLNp上に設けられたフィルタ回路50と、加算回路60にフィードバック電圧Vfbを入力するためのフィードバック回路70と、電流増幅回路80と、を備えている。
外部入力ラインLNpは、加算回路60に外部指令電圧Vpを入力させるためのものであり、外部入力ラインLNpには外部指令電圧Vpが伝送される。
フィルタ回路50は、外部入力ラインLNp上に設けられている。フィルタ回路50は、外部入力端子41から入力された外部指令電圧Vpに含まれるノイズを低減させて加算回路60に出力する。フィルタ回路50は、例えばローパスフィルタ回路である。
フィルタ回路50は、外部入力ラインLNp上に設けられている。フィルタ回路50は、外部入力端子41から入力された外部指令電圧Vpに含まれるノイズを低減させて加算回路60に出力する。フィルタ回路50は、例えばローパスフィルタ回路である。
一例として、フィルタ回路50は、フィルタオペアンプ51と、第1フィルタ抵抗52と、第2フィルタ抵抗53と、フィルタコンデンサ54と、を備えている。
外部入力端子41は、外部入力ラインLNpを介してフィルタオペアンプ51の+端子(非反転入力端子)に接続されている。フィルタオペアンプ51の出力端子は外部入力ラインLNpを介して加算回路60に接続されている。すなわち、外部入力ラインLNpは、外部入力端子41とフィルタオペアンプ51の+端子とを接続しているとともに、フィルタオペアンプ51の出力端子と加算回路60とを接続している。
外部入力端子41は、外部入力ラインLNpを介してフィルタオペアンプ51の+端子(非反転入力端子)に接続されている。フィルタオペアンプ51の出力端子は外部入力ラインLNpを介して加算回路60に接続されている。すなわち、外部入力ラインLNpは、外部入力端子41とフィルタオペアンプ51の+端子とを接続しているとともに、フィルタオペアンプ51の出力端子と加算回路60とを接続している。
フィルタオペアンプ51における−端子(反転入力端子)及び出力端子は、第1フィルタ抵抗52を介して接続されており、第1フィルタ抵抗52に対して並列にフィルタコンデンサ54が接続されている。第2フィルタ抵抗53は、第1フィルタ抵抗52及びフィルタコンデンサ54に対して直列となるように接続されているとともに基準電位V0に接続されている。
かかる構成によれば、フィルタオペアンプ51の出力端子から外部指令電圧Vpが出力され、その外部指令電圧Vpが加算回路60に入力される。当該外部指令電圧Vpは、第1フィルタ抵抗52及びフィルタコンデンサ54によって構成されるRC回路によってカットオフ周波数以上のノイズが低減(換言すれば除去)され且つ両フィルタ抵抗52,53の抵抗値の比率に対応した増幅率で増幅されている。ただし、フィルタ回路50の具体的な構成は任意である。
図3に示すように、加算回路60は、フィルタ回路50から出力された外部指令電圧Vpと、フィードバック回路70によって入力されるフィードバック電圧Vfbとが入力されるように構成されている。加算回路60は、外部指令電圧Vpとフィードバック電圧Vfbとを加算し、その加算された加算電圧Vadをゲート端子21に向けて出力するように構成されている。
詳細には、本実施形態の加算回路60は、例えば加算オペアンプ61と、第1加算抵抗62と、第2加算抵抗63と、加算コンデンサ64と、を備えている。
また、本実施形態の外部入力ラインLNpは、フィルタオペアンプ51の出力端子と加算オペアンプ61の+端子(非反転入力端子)とを接続している。外部入力ラインLNpは、外部指令電圧Vpが伝送されるラインである。
また、本実施形態の外部入力ラインLNpは、フィルタオペアンプ51の出力端子と加算オペアンプ61の+端子(非反転入力端子)とを接続している。外部入力ラインLNpは、外部指令電圧Vpが伝送されるラインである。
フィードバック回路70は、フィードバック電圧Vfbが伝送されるフィードバックラインLNfを備えている。フィードバックラインLNfは外部入力ラインLNpに接続されている。本実施形態では、フィードバックラインLNfは、外部入力ラインLNpにおけるフィルタ回路50と加算回路60とを接続している部分に接続されている。これにより、加算オペアンプ61の+端子には、外部指令電圧Vpとフィードバック電圧Vfbとを合わせた電圧が入力される。換言すれば、加算回路60は、外部入力ラインLNpとフィードバックラインLNfとの接続点を有しているとも言える。
加算オペアンプ61における−端子(反転入力端子)及び出力端子は、第1加算抵抗62を介して接続されており、第1加算抵抗62に対して並列に加算コンデンサ64が接続されている。第2加算抵抗63は、第1加算抵抗62及び加算コンデンサ64に対して直列となるように接続されているとともに基準電位V0に接続されている。
かかる構成によれば、加算オペアンプ61の出力端子から、外部指令電圧Vpとフィードバック電圧Vfbとが加算された加算電圧Vadが出力される。当該加算電圧Vadは、第1加算抵抗62及び加算コンデンサ64によって構成されるRC回路によってカットオフ周波数以上のノイズが低減(換言すれば除去)され且つ両加算抵抗62,63の抵抗値の比率に対応した増幅率で増幅されている。ただし、加算回路60の具体的な構成は任意である。
電流増幅回路80は、加算電圧Vadの波形を維持しつつ、スイッチング素子11を駆動させるのに必要な電流を供給するための回路である。
図3に示すように、本実施形態の電流増幅回路80は、例えば第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82を備えている。第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82は例えばn型のMOSFETである。
図3に示すように、本実施形態の電流増幅回路80は、例えば第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82を備えている。第1増幅スイッチング素子81及び第2増幅スイッチング素子82は例えばn型のMOSFETである。
第1増幅スイッチング素子81のドレインは、第1供給電圧V1を印加する第1供給源E1に接続されている。第2増幅スイッチング素子82のソースは、第2供給電圧V2を印加する第2供給源E2に接続されている。第1供給電圧V1は例えば正の電圧であり、第2供給電圧V2は例えば負の電圧である。第1増幅スイッチング素子81のソースと第2増幅スイッチング素子82のドレインとは、接続線85を介して接続されている。また、接続線85上には、互いに逆接続された両ダイオード83,84が設けられている。
両増幅スイッチング素子81,82のゲートと加算回路60(詳細には加算オペアンプ61の出力端子)とが接続されている。第1増幅スイッチング素子81のゲートと加算回路60との間には第1ツェナーダイオード86が設けられている。第1ツェナーダイオード86のアノードは加算回路60に接続されており、第1ツェナーダイオード86のカソードが第1増幅スイッチング素子81のゲートに接続されている。
第2増幅スイッチング素子82のゲートと加算回路60との間には第2ツェナーダイオード87が設けられている。第2ツェナーダイオード87のカソードは加算回路60に接続されており、第2ツェナーダイオード87のアノードが第2増幅スイッチング素子82のゲートに接続されている。加算回路60から出力された加算電圧Vadは、第2ツェナーダイオード87を介して第2増幅スイッチング素子82のゲートに入力される。
かかる構成によれば、両ダイオード83,84を接続する接続線85から加算電圧Vadが出力され、両供給源E1,E2から、スイッチング素子11を駆動させるのに必要なゲート電流が供給される。
電流増幅回路80の出力(詳細には接続線85)は加算出力端子42に接続されている。これにより、加算電圧Vadは、加算出力端子42から出力され、ゲートパターン33を介してゲート端子21に入力される。すなわち、本実施形態では加算電圧Vadがゲート電圧となっている。なお、電流増幅回路80の具体的な構成は任意である。
図3に示すように、ドライバ回路12は、電流増幅回路80と加算出力端子42とをつなぐライン上に設けられたゲート抵抗90を備えている。ゲート抵抗90によってゲート電流が調整される。
次にフィードバックラインLNfを有するフィードバック回路70について説明する。
フィードバックラインLNfは、外部入力ラインLNpに接続されたメインラインLNmと、第1電圧Vxが印加される第1ラインLNxと、第2電圧Vyが印加される第2ラインLNyと、を備えている。
フィードバックラインLNfは、外部入力ラインLNpに接続されたメインラインLNmと、第1電圧Vxが印加される第1ラインLNxと、第2電圧Vyが印加される第2ラインLNyと、を備えている。
第1ラインLNxは、第1フィードバック入力端子44に接続されている。これにより、第1ラインLNxには、第1フィードバック入力端子44から入力される第1電圧Vxが入力される。第1電圧Vxは第1ラインLNxを伝送する。
第2ラインLNyは、第2フィードバック入力端子45に接続されている。これにより、第2ラインLNyにはソース−ドレイン間電圧Vdsが入力される。当該ソース−ドレイン間電圧Vdsは、第2ラインLNy上に設けられた検出コンデンサ103によって第2電圧Vyに変換される。この点については後述する。
ここで、本実施形態の電力変換装置10(詳細にはフィードバック回路70)は、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbを第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替える切替部100を備えている。
本実施形態の切替部100は、メインラインLNmに接続されており、メインラインLNmの接続先を第1ラインLNx又は第2ラインLNyに切り替えるものである。換言すれば、メインラインLNmは、切替部100と加算回路60(詳細には外部入力ラインLNp)とを接続しているといえる。切替部100の具体的な構成は任意であり、例えば1又は複数のスイッチング素子で構成されてもよい。
かかる構成によれば、切替部100によってメインラインLNmの接続先が第1ラインLNxとなっている場合、第1電圧VxがメインラインLNmを伝送し、フィードバック電圧Vfbとして加算回路60に入力される。一方、切替部100によってメインラインLNmの接続先が第2ラインLNyとなっている場合、第2電圧VyがメインラインLNmを伝送し、フィードバック電圧Vfbとして加算回路60に入力される。
図3に示すように、電力変換装置10のフィードバック回路70は、メインラインLNmに接続された検出抵抗101と、第1ラインLNx上に設けられた分圧抵抗102と、第2ラインLNy上に設けられた検出コンデンサ103と、メインラインLNm上に設けられた電圧増幅回路110と、を備えている。
検出抵抗101は、メインラインLNmにおける電圧増幅回路110と切替部100との間の部分に接続されている。
ここで、切替部100によってメインラインLNmと第1ラインLNxとが接続されている場合、分圧抵抗102と検出抵抗101とによって分圧回路が構成される。このため、フィードバック電圧Vfbとしての第1電圧Vxは分圧回路によって分圧されて電圧増幅回路110に入力される。
ここで、切替部100によってメインラインLNmと第1ラインLNxとが接続されている場合、分圧抵抗102と検出抵抗101とによって分圧回路が構成される。このため、フィードバック電圧Vfbとしての第1電圧Vxは分圧回路によって分圧されて電圧増幅回路110に入力される。
一方、切替部100によってメインラインLNmと第2ラインLNyとが接続されている場合、検出コンデンサ103と検出抵抗101とによって微分回路が構成される。これにより、第2フィードバック入力端子45(換言すれば第2ラインLNy)に入力されるソース−ドレイン間電圧Vdsは、微分回路によって、ソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応した第2電圧Vyに変換される。したがって、第2ラインLNyには第2電圧Vyが印加される。
なお、念の為に説明すると、仮にメインラインLNmと第2ラインLNyとが接続されていない場合であっても、第2ラインLNy上に検出コンデンサ103が設けられているため、第2ラインLNyにはソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応した第2電圧Vyが印加されている。
電圧増幅回路110は、切替部100と加算回路60との間に設けられており、入力されるフィードバック電圧Vfbを増幅させて加算回路60に向けて出力するものである。詳細には、電圧増幅回路110は、切替部100によってフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなっている場合には第1電圧Vxを増幅させ、切替部100によってフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyとなっている場合には第2電圧Vyを増幅させる。なお、電圧増幅回路110の増幅率は任意であり、例えば「1」よりも大きくてもよいし、「1」でもよい。
本実施形態の電圧増幅回路110は非反転増幅回路である。電圧増幅回路110は、フィードバックオペアンプ111と、第1増幅抵抗112と、第2増幅抵抗113と、を備えている。
フィードバックオペアンプ111の入力端子である+端子は、メインラインLNmを介して切替部100に接続されている。メインラインLNmが電圧増幅回路110(詳細にはフィードバックオペアンプ111の入力端子)と切替部100とを接続している点に着目すれば、切替部100は、電圧増幅回路110の入力先を第1電圧Vx(詳細には第1ラインLNx)と、第2電圧Vy(詳細には第2ラインLNy)とに切り替えるものといえる。
フィードバックオペアンプ111の出力端子は、メインラインLNmを介して加算回路60(詳細には外部入力ラインLNp)に接続されている。すなわち、メインラインLNmは、切替部100とフィードバックオペアンプ111の入力端子とを接続する部分と、フィードバックオペアンプ111の出力端子と外部入力ラインLNpとを接続する部分とから構成されているともいえる。
また、フィードバックオペアンプ111の出力端子は、第1増幅抵抗112を介してフィードバックオペアンプ111の−端子(反転入力端子)と接続されている。更に、第2増幅抵抗113は、第1増幅抵抗112とフィードバックオペアンプ111の−端子との接続線に接続され且つ基準電位V0に接続されている。
かかる構成によれば、切替部100によってメインラインLNmと第1ラインLNxと接続されている場合、第1電圧Vxが電圧増幅回路110に入力される。そして、第1電圧Vxは、電圧増幅回路110によって増幅されてから加算回路60に入力される。
一方、切替部100によってメインラインLNmと第2ラインLNyと接続されている場合、第2電圧Vyが電圧増幅回路110に入力される。そして、第2電圧Vyは、電圧増幅回路110によって増幅されてから加算回路60に入力される。
以上のとおり、切替部100によって、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替えられている。そして、フィードバック電圧Vfbが第1電圧Vx又は第2電圧Vyのいずれの場合であっても、フィードバック電圧Vfbは共通の電圧増幅回路110によって増幅される。
本実施形態では、電圧増幅回路110によってインピーダンス変換が行われている。詳細には、フィードバックオペアンプ111の入力側の方が、フィードバックオペアンプ111の出力側よりもインピーダンスが高くなる。これにより、メインラインLNm上にドレイン電流Idの一部が流れ込むことを抑制できる。なお、本実施形態の電圧増幅回路110の増幅率は固定である。
ここで、本実施形態では、分圧抵抗102の抵抗値と検出コンデンサ103のキャパシタンスとは、電圧増幅回路110に入力されるフィードバック電圧Vfbの変化範囲が異なるように設定されている。例えば、分圧抵抗102の抵抗値と検出コンデンサ103のキャパシタンスとは、第1電圧Vxの最大値と第2電圧Vyの最大値とが異なるように設定されている。これにより、電圧増幅回路110の増幅率が一定である場合、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの大きさが、第1電圧Vxと第2電圧Vyとで異なることとなる。したがって、切替部100による切り替えによって、フィードバック効果に強弱をつけることができる。ただし、これに限られず、分圧抵抗102の抵抗値と検出コンデンサ103のキャパシタンスは任意である。
ドライバ回路12は、外部入力ラインLNp上に設けられた外部入力抵抗121と、メインラインLNm上に設けられたフィードバック入力抵抗122と、を備えている。
外部入力抵抗121は、例えば外部入力ラインLNpにおけるフィルタ回路50とメインラインLNmとの接続点との間に設けられており、外部入力ラインLNpを流れる電流を制限している。
外部入力抵抗121は、例えば外部入力ラインLNpにおけるフィルタ回路50とメインラインLNmとの接続点との間に設けられており、外部入力ラインLNpを流れる電流を制限している。
フィードバック入力抵抗122は、例えばメインラインLNmにおける電圧増幅回路110と外部入力ラインLNpとの接続点との間に設けられており、メインラインLNmを流れる電流を制限している。
かかる構成によれば、切替部100によってフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxに切り替わっている場合、インダクタンス成分L1によって発生した逆起電力である第1電圧Vxが、分圧回路によって分圧され、その後電圧増幅回路110によって増幅されて加算回路60に入力される。一方、切替部100によってフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyに切り替わっている場合、ソース−ドレイン間電圧Vdsが微分回路(換言すれば検出コンデンサ103)によって微分されることによって得られる第2電圧Vyが電圧増幅回路110によって増幅されて加算回路60に入力される。
図3に示すように、電力変換装置10のドライバ回路12は、切替部100を制御する制御部としての制御回路130を備えている。制御回路130は、例えば切替部100を制御するための制御処理を実行するプログラムや必要な情報が記憶されたメモリと、上記プログラムに基づいて制御処理を実行するCPUとを有する構成でもよい。
ただし、これに限られず、制御回路130は、例えば専用ハードウェア回路を有する構成でもよいし、1又は複数の専用ハードウェア回路とソフトウェア処理を実行するCPUとの組み合わせでもよい。つまり、制御回路130の具体的な構成は、任意であり、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサの少なくとも一方によって実現されていればよい。
制御回路130は、外部指令電圧Vpが入力されるように構成されている。制御回路130は、外部指令電圧Vpに基づいて切替部100を制御する。
例えば、制御回路130は、スイッチング素子11がターンオンする場合にはフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなるように切替部100を制御する。本実施形態では、制御回路130は、外部指令電圧Vpの立ち上がりに基づいて、メインラインLNmの接続先(換言すれば電圧増幅回路110の入力先)を第1ラインLNxに切り替える。
例えば、制御回路130は、スイッチング素子11がターンオンする場合にはフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなるように切替部100を制御する。本実施形態では、制御回路130は、外部指令電圧Vpの立ち上がりに基づいて、メインラインLNmの接続先(換言すれば電圧増幅回路110の入力先)を第1ラインLNxに切り替える。
また、制御回路130は、スイッチング素子11がターンオフする場合にはフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyとなるように切替部100を制御する。本実施形態では、制御回路130は、外部指令電圧Vpの立ち下がりに基づいて、メインラインLNmの接続先(換言すれば電圧増幅回路110の入力先)を第2ラインLNyに切り替える。
次に本実施形態の作用について図4及び図5を用いて説明する。図4はスイッチング素子11のターンオン時におけるドレイン電流Idの変化とソース−ドレイン間電圧Vdsの変化とを示すグラフである。図5はスイッチング素子11のターンオフ時におけるドレイン電流Idの変化とソース−ドレイン間電圧Vdsの変化とを示すグラフである。図4及び図5では、実線がドレイン電流Idを示し、一点鎖線がソース−ドレイン間電圧Vdsを示す。
図4に示すように、ターンオン時では、外部指令電圧Vpが立ち上がる。すると、所定期間を経てからドレイン電流Idが流れ始める。そして、ドレイン電流Idはピーク値となるまで徐々に増加する。一方、ソース−ドレイン間電圧Vdsはドレイン電流Idが流れ始める際に若干低くなるが、その後はドレイン電流Idがピーク値となるまで一定値となっている。すなわち、スイッチング素子11のターンオン時においては、ドレイン電流Idの変化がソース−ドレイン間電圧Vdsの変化よりも早く発生する。
これに対応させて、既に説明したとおり、スイッチング素子11のターンオン時にはフィードバック電圧Vfbが、ドレイン電流Idの変化に対応する第1電圧Vxとなっている。このため、ドレイン電流Idが流れ始めたタイミングから第1電圧Vxが発生しており、当該第1電圧Vxが加算回路60にフィードバックされる。この場合(ターンオン時)の第1電圧Vxは負電圧である。このため、ドレイン電流Idの立ち上がりが緩やかとなる。
その後、ドレイン電流Idは、サージによって飽和電流を超えてピーク値となった後、飽和電流まで低下する。この場合、第1電圧Vxがフィードバックされることによりドレイン電流Idの単位時間当たりの変化量が抑えられているため、ドレイン電流Idのピーク値が低くなっている。
一方、ソース−ドレイン間電圧Vdsは、ドレイン電流Idがピーク値となってから低下し始める。そして、ソース−ドレイン間電圧Vdsが「0」又は「0」に近い値となる。これにより、スイッチング素子11のターンオンが終了する。
次にスイッチング素子11のターンオフについて説明する。
図5に示すように、スイッチング素子11のターンオフ時では、外部指令電圧Vpの立ち下がりに基づいて、ドレイン電流Idよりも先にソース−ドレイン間電圧Vdsが変化する。詳細には、外部指令電圧Vpが立ち下がってから所定期間が経過した後に、ソース−ドレイン間電圧Vdsが立ち上がり始める一方、ドレイン電流Idは飽和電流を維持する。
図5に示すように、スイッチング素子11のターンオフ時では、外部指令電圧Vpの立ち下がりに基づいて、ドレイン電流Idよりも先にソース−ドレイン間電圧Vdsが変化する。詳細には、外部指令電圧Vpが立ち下がってから所定期間が経過した後に、ソース−ドレイン間電圧Vdsが立ち上がり始める一方、ドレイン電流Idは飽和電流を維持する。
これに対応させて、既に説明したとおり、スイッチング素子11のターンオフ時にはフィードバック電圧Vfbが、ソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応した第2電圧Vyとなっている。このため、ソース−ドレイン間電圧Vdsが立ち上がり始めたタイミングから第2電圧Vyが発生しており、当該第2電圧Vyがフィードバック電圧Vfbとして加算回路60に入力される。この場合(ターンオフ時)の第2電圧Vyは正電圧である。これにより、ソース−ドレイン間電圧Vdsの立ち上がりが緩やかとなる。
その後、ソース−ドレイン間電圧Vdsは、サージによって電源電圧Vdcを超えてピーク値となり、その後電源電圧Vdcまで低下する。この場合、第2電圧Vyがフィードバックされることによりソース−ドレイン間電圧Vdsの単位時間当たりの変化量が抑えられているため、ソース−ドレイン間電圧Vdsのピーク値が低くなっている。
また、ドレイン電流Idは、ソース−ドレイン間電圧Vdsが電源電圧Vdcを超えるタイミング付近でドレイン電流Idが低下し始めて、「0」又は「0」に近い値となる。これにより、スイッチング素子11のターンオフが終了する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)電力変換装置10は、制御端子としてのゲート端子21を有するスイッチング素子11と、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、を備えている。ドライバ回路12は、外部指令電圧Vpが入力される外部入力端子41と、外部指令電圧Vp及びフィードバック電圧Vfbを加算し、その加算された加算電圧Vadをゲート端子21に向けて出力する加算回路60とを備えている。
(1)電力変換装置10は、制御端子としてのゲート端子21を有するスイッチング素子11と、スイッチング素子11を駆動させるドライバ回路12と、を備えている。ドライバ回路12は、外部指令電圧Vpが入力される外部入力端子41と、外部指令電圧Vp及びフィードバック電圧Vfbを加算し、その加算された加算電圧Vadをゲート端子21に向けて出力する加算回路60とを備えている。
かかる構成において、電力変換装置10は、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbを第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替える切替部100と、切替部100を制御する制御回路130と、を備えている。第1電圧Vxは、スイッチング素子11に流れる印加電流としてのドレイン電流Idの変化に対応した電圧であり、第2電圧Vyは、スイッチング素子11の印加電圧であるソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応した電圧である。
かかる構成によれば、加算回路60に、外部指令電圧Vpと、ドレイン電流Id又はソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応したフィードバック電圧Vfbとが入力される。そして、スイッチング素子11は両者を加算した加算電圧Vadによって駆動する。これにより、ドレイン電流Id又はソース−ドレイン間電圧Vdsの急峻な立ち上がりを抑制しつつスイッチングスピードを上げることができる。したがって、サージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
ここで、本構成によれば、フィードバック電圧Vfbを第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替えることができる。第1電圧Vxと第2電圧Vyとは、対応する変化対象が異なる。詳細には、第1電圧Vxはドレイン電流Idの変化に対応しており、第2電圧Vyはソース−ドレイン間電圧Vdsに対応している。これにより、使用環境や状況などに応じてフィードバック電圧Vfbを切り替えることにより、より適切なフィードバックを行うことができる。
詳述すると、例えばスイッチング素子11の特性や使用環境などによっては、第2電圧Vyの方が第1電圧Vxよりもノイズの小さい場合があり得る。このような場合には、第2電圧Vyをフィードバックさせる方が精度の向上を図ることができるため、第2電圧Vyをフィードバックさせたい場合があり得る。
一方で、スイッチング素子11の特性や使用環境によっては、第1電圧Vxの方が第2電圧Vyよりもノイズが小さくなる場合があり得る。この場合、第2電圧Vyをフィードバックさせたい場合がある。
また、例えばターンオン時やターンオフ時といった状況に応じて、フィードバック電圧Vfbとして好ましい電圧が異なる場合があり得る。例えば、ターンオン時の方がターンオフ時よりも大きいフィードバック電圧Vfbが要求される場合があり得る。この場合、例えば第1電圧Vxの方が第2電圧Vyよりも大きくなり易い状況下であるとすると、ターンオン時のフィードバック電圧Vfbとして第1電圧Vxを採用し、ターンオフ時のフィードバック電圧Vfbとして第2電圧Vyを採用したい場合がある。逆に、第2電圧Vyの方が第1電圧Vxよりも大きくなり易い状況下であるとすると、ターンオン時のフィードバック電圧Vfbとして第2電圧Vyを採用し、ターンオフ時のフィードバック電圧Vfbとして第1電圧Vxを採用したい場合がある。
この点、本構成によれば、フィードバック電圧Vfbを第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替えることができるため、素子特性、使用環境、状況などに適したフィードバック電圧Vfbを選択することができる。これにより、より適切なフィードバックを行うことができるため、更なるサージの抑制と電力損失の低減との両立を図ることができる。
(2)電力変換装置10のフィードバック回路70は、切替部100と加算回路60とを接続しているメインラインLNmと、第1電圧Vxが印加される第1ラインLNxと、第2電圧Vyが印加される第2ラインLNyと、を備えている。切替部100は、メインラインLNmの接続先を第1ラインLNx又は第2ラインLNyに切り替える。
かかる構成によれば、切替部100によってメインラインLNmの接続先が第1ラインLNxに切り替わっている場合、第1電圧VxがメインラインLNmを伝送して加算回路60に入力される。一方、切替部100によってメインラインLNmの接続先が第2ラインLNyに切り替わっている場合、第2電圧VyがメインラインLNmを伝送して加算回路60に入力される。これにより、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbを第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替えることができる。
(3)電力変換装置10のフィードバック回路70は、ソース−ドレイン間電圧Vdsが入力される第2ラインLNy上に設けられた検出コンデンサ103と、検出コンデンサ103と協働して微分回路を構成する検出抵抗101と、を備えている。
かかる構成によれば、第2ラインLNyに入力されるソース−ドレイン間電圧Vdsは微分回路によって第2電圧Vyに変換される。これにより、第2ラインLNyに第2電圧Vyが印加され、ソース−ドレイン間電圧Vdsの変化を検出することができる。また、検出コンデンサ103のキャパシタンスを調整することにより第2電圧Vyの大きさを調整できるため、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの大きさを所望の値にすることができる。
(4)電力変換装置10のフィードバック回路70は、第1ラインLNx上に設けられた分圧抵抗102と、分圧抵抗102と協働して分圧回路を構成する検出抵抗101と、を備えている。
かかる構成によれば、第1電圧Vxを分圧回路によって分圧することができる。この場合、分圧抵抗102の抵抗値を調整することにより、加算回路60に入力される第1電圧Vxの大きさを調整することができるため、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの大きさを所望の値にすることができる。
(5)検出抵抗101はメインラインLNmに接続されている。この場合、メインラインLNmと第1ラインLNxとが接続されている場合には、検出抵抗101は分圧抵抗102と協働して分圧回路を構成する。一方、メインラインLNmと第2ラインLNyとが接続されている場合には、検出抵抗101は検出コンデンサ103と協働して微分回路を構成する。
かかる構成によれば、分圧回路と微分回路とで共通の検出抵抗101が用いられている。これにより、分圧回路と微分回路とのそれぞれに抵抗を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
(6)電力変換装置10のフィードバック回路70は、メインラインLNm上に設けられ、入力されるフィードバック電圧Vfbを増幅させて加算回路60へ向けて出力する電圧増幅回路110を備えている。切替部100は、電圧増幅回路110の入力先を第1ラインLNx又は第2ラインLNyに切り替えるものである。
かかる構成によれば、第1電圧Vx及び第2電圧Vyのいずれも同一の電圧増幅回路110によって増幅されて加算回路60に入力される。これにより、第1電圧Vxに対応した電圧増幅回路と第2電圧Vyに対応した電圧増幅回路とを別々に設ける必要がないため、構成の簡素化を図ることができる。
(7)分圧抵抗102の抵抗値と検出コンデンサ103のキャパシタンスとは、電圧増幅回路110に入力される第1電圧Vxの最大値と電圧増幅回路110に入力される第2電圧Vyの最大値とが異なるように設定されている。
かかる構成によれば、切替部100の切り替えに伴って、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの大きさを異ならせることができる。これにより、例えば状況(例えばターンオン時とターンオフ時)に応じて適切なフィードバック電圧Vfbが異なる場合には、切替部100を制御することにより、状況に応じた適切なフィードバック電圧Vfbを設定することができる。
(8)制御回路130は、スイッチング素子11がターンオンする場合にフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなるように切替部100を制御する。
スイッチング素子11がターンオンする場合には、ドレイン電流Idの方がソース−ドレイン間電圧Vdsよりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子11がターンオンする場合にはフィードバック電圧Vfbとして、ドレイン電流Idの変化に対応した第1電圧Vxが用いられるため、早期にフィードバック電圧Vfbによるフィードバックを行うことができる。
スイッチング素子11がターンオンする場合には、ドレイン電流Idの方がソース−ドレイン間電圧Vdsよりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子11がターンオンする場合にはフィードバック電圧Vfbとして、ドレイン電流Idの変化に対応した第1電圧Vxが用いられるため、早期にフィードバック電圧Vfbによるフィードバックを行うことができる。
(9)制御回路130は、スイッチング素子11がターンオフする場合にフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyとなるように切替部100を制御する。
スイッチング素子11がターンオフする場合には、ソース−ドレイン間電圧Vdsの方がドレイン電流Idよりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子11がターンオフする場合にはフィードバック電圧Vfbとして、ソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応した第2電圧Vyが用いられるため、早期にフィードバック電圧Vfbによるフィードバックを行うことができる。
スイッチング素子11がターンオフする場合には、ソース−ドレイン間電圧Vdsの方がドレイン電流Idよりも早期に変化し易い場合がある。この点、本構成によれば、スイッチング素子11がターンオフする場合にはフィードバック電圧Vfbとして、ソース−ドレイン間電圧Vdsの変化に対応した第2電圧Vyが用いられるため、早期にフィードバック電圧Vfbによるフィードバックを行うことができる。
(10)第1電圧Vxは、ドレイン電流Idが変化することによってスイッチング素子11内の寄生インダクタンスLsを含むインダクタンス成分L1にて生じる逆起電力である。かかる構成によれば、ドレイン電流Idの変化を好適に検出することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。また、技術的に矛盾が生じない範囲内で、上記各実施形態と下記別例とを適宜組み合わせてもよい。
○ 制御回路130は、スイッチング素子11がターンオンする場合にフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyとなるように切替部100を制御してもよいし、スイッチング素子11がターンオフする場合にフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなるように切替部100を制御してもよい。
○ 制御回路130は、スイッチング素子11がターンオンする場合にフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyとなるように切替部100を制御してもよいし、スイッチング素子11がターンオフする場合にフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなるように切替部100を制御してもよい。
例えば、第1電圧Vxが第2電圧Vyよりも大きくなり易い状況下においてターンオフ時におけるフィードバック電圧Vfbをターンオン時よりも大きくしたい場合には、制御回路130は、ターンオン時におけるフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyとなり、ターンオフ時におけるフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなるようにしてもよい。
それとは逆に、上記状況下においてターンオン時におけるフィードバック電圧Vfbをターンオフ時よりも大きくしたい場合には、制御回路130は、ターンオン時におけるフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxとなり、ターンオフ時におけるフィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyとなるようにしてもよい。第2電圧Vyが第1電圧Vxよりも大きくなり易い状況下では逆となる。
以上のように、ターンオン時とターンオフ時とで適切なフィードバック電圧Vfbが異なる場合であっても、フィードバック電圧Vfbを第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替えることにより、適切なフィードバック電圧Vfbを設定することができる。これにより、適切なフィードバックを行うことができる。
○ 分圧抵抗102の抵抗値と検出コンデンサ103のキャパシタンスは、第1電圧Vxの最大値と第2電圧Vyの最大値とが同一となるように設定されていてもよい。
本別例によれば、電圧増幅回路110の増幅率を変更することなく、フィードバック電圧Vfbとして第1電圧Vx又は第2電圧Vyのどちらが選択された場合であっても加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの最大値を同じにすることができる。これにより、フィードバック電圧Vfbの切り替えに起因するフィードバック効果のばらつきを抑制できる。
本別例によれば、電圧増幅回路110の増幅率を変更することなく、フィードバック電圧Vfbとして第1電圧Vx又は第2電圧Vyのどちらが選択された場合であっても加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの最大値を同じにすることができる。これにより、フィードバック電圧Vfbの切り替えに起因するフィードバック効果のばらつきを抑制できる。
詳述すると、第1電圧Vxと第2電圧Vyとは対応する変化対象が異なるため、両者の変化範囲が異なる場合があり得る。この場合、仮に電圧増幅回路110の増幅率が一定であるとすると、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの変化範囲が第1電圧Vxと第2電圧Vyとで異なることとなり、その結果フィードバックによる効果がばらつくという事態が生じ得る。
この点、本構成によれば、電圧増幅回路110に入力される第1電圧Vxの最大値と電圧増幅回路110に入力される第2電圧Vyの最大値とが同一となっているため、フィードバック電圧Vfbが切り替わった場合であっても、加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの最大値を一定にすることができる。これにより、フィードバック電圧Vfbが切り替わりに伴うフィードバック電圧Vfbの変化範囲の変動を抑制できる。したがって、フィードバック効果のばらつきを抑制できる。
○ 図6に示すように、電圧増幅回路110は増幅率を変更可能に構成されていてもよい。例えば、ドライバ回路12は、第1増幅抵抗112又は第2増幅抵抗113(本別例では第1増幅抵抗112)に対して並列に接続された可変用スイッチング素子Qx及び可変用抵抗Rxの直列接続体を備えている。この場合、可変用スイッチング素子Qxの状態に応じて合成抵抗値が変化するため、増幅率が変更される。なお、電圧増幅回路110の増幅率を可変にするための具体的な構成は上記に限られず任意である。
制御回路130は、可変用スイッチング素子Qxを制御することにより増幅率を制御するとよい。例えば、制御回路130は、フィードバック電圧Vfbが第1電圧Vx又は第2電圧Vyに切り替わることに対応させて、電圧増幅回路110の増幅率を制御してもよい。
一例としては、制御回路130は、電圧増幅回路110に入力されるフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxと第2電圧Vyとで切り替わることに基づいて加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの変動が大きくなるように、第1電圧Vxの最大値と第2電圧Vyの最大値との違いに対応させて増幅率を制御してもよい。
具体的な制御態様の一例としては、例えば切替部100によってフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxに切り替わっている場合における電圧増幅回路110の増幅率を第1増幅率とし、フィードバック電圧Vfbが第2電圧Vyに切り替わっている場合における電圧増幅回路110の増幅率を第2増幅率とする。この場合、例えば第1電圧Vxの最大値が第2電圧Vyの最大値よりも大きい場合、制御回路130は、第1増幅率を第2増幅率よりも大きくしてもよい。また、例えば第2電圧Vyの最大値が第1電圧Vxの最大値よりも大きい場合、制御回路130は、第2増幅率を第1増幅率よりも大きくしてもよい。
かかる構成によれば、切替部100の切り替えに伴うフィードバック電圧Vfbの差を大きくすることができるため、切替部100の切り替えに伴うフィードバック効果の差を大きくすることができる。
ただし、これに限られず、例えば制御回路130は、電圧増幅回路110に入力されるフィードバック電圧Vfbが第1電圧Vxと第2電圧Vyとで切り替わった場合における加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの最大値の変動が小さくなるように増幅率を制御してもよい。例えば第1電圧Vxの最大値が第2電圧Vyの最大値よりも大きい場合、制御回路130は、第2増幅率を第1増幅率よりも大きくしてもよい。また、第2電圧Vyの最大値が第1電圧Vxの最大値よりも大きい場合、制御回路130は、第1増幅率を第2増幅率よりも大きくしてもよい。
かかる構成によれば、電圧増幅回路110に入力される第1電圧Vxの変化範囲と第2電圧Vyの変化範囲とが異なることに起因する加算回路60に入力されるフィードバック電圧Vfbの変化範囲の変動を抑制できる。これにより、フィードバック電圧Vfbの切り替わりに起因したフィードバック効果のばらつきを抑制できる。
○ 分圧抵抗102は、ドライバ回路12外に設けられていてもよい。例えば分圧抵抗102は、メインソースパターン32における第1フィードバック入力端子44と接続するための分岐部分上に設けられていてもよい。つまり、第1ラインは、メインソースパターン32のうち第1フィードバック入力端子44と接続するための分岐部分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
○ 検出コンデンサ103は、ドライバ回路12外に設けられていてもよい。例えば検出コンデンサ103は、ドレインパターン31における第2フィードバック入力端子45と接続するための分岐部分上に設けられていてもよい。つまり、第2ラインは、ドレインパターン31のうち第2フィードバック入力端子45と接続するための分岐部分を含んでもよいし、含まなくてもよい。
○ 切替部100は、ドライバ回路12外に設けられていてもよい。例えば、切替部100は、回路基板13に実装されており、フィードバック入力端子の接続先をドレインパターン31又はメインソースパターン32に切り替えるものでもよい。この場合、フィードバック入力端子はフィードバックオペアンプ111の+端子に接続されているとよい。この場合、フィードバック入力端子としては1つでよい。
○ 分圧回路を構成する検出抵抗と、微分回路を構成する検出抵抗とが別々に設けられていてもよい。例えば、第1ラインLNxに分圧回路を構成する検出抵抗を接続してもよいし、第2ラインLNyに微分回路を構成する検出抵抗を接続してもよい。この場合、切替部100の状態に関わらず分圧回路及び微分回路が構成されている。
すなわち、検出抵抗としては、切替部100による切り替えに関わらず、分圧回路又は微分回路を構成してもよいし、切替部100による切り替えが行われた場合にのみ分圧回路又は微分回路を構成してもよい。
○ 検出コンデンサ103を省略してもよい。この場合、ソース−ドレイン間電圧Vdsの変化を検出して第2電圧Vyを出力する検出回路を別途設け、当該検出回路と第2フィードバック入力端子45とを接続するとよい。つまり、第2フィードバック入力端子45に直接第2電圧Vyが入力される構成でもよい。
○ スイッチング素子11は、MOSFETに限られず任意であり、例えばIGBTでもよい。この場合、スイッチング素子11のゲート端子が「制御端子」に対応し、スイッチング素子11のコレクタ−エミッタ間を流れるコレクタ電流が「印加電流」に対応し、コレクターエミッタ間電圧が「印加電圧」に対応する。
○ 信号ソース端子23bは、複数のソース端子23の1つであったが、これに限られない。例えば、スイッチング素子11は、ドレイン電流Idが流れるメインソース端子23aと、メインソース端子23aとは別に設けられたゲートドライブ用端子とを有する構成においては、ゲートドライブ用端子を信号ソース端子23bとして用いるとよい。ゲートドライブ用端子は、ケルビン端子、ケルビンソース端子ともいわれるものであり、ドレイン電流Idが流れないソース端子である。ゲートドライブ用端子は、例えばメインソース端子23aと比較して寄生インダクタンスLsが小さいものであってもよい。
○ インダクタンス成分L1は、例えば、寄生インダクタンスLsと他のインダクタンス成分を含んでいてもよい。例えば、スイッチング素子11と蓄電装置203とを接続する配線上に、他のインダクタンス成分としてのフィードバック用のコイルを別途設けてもよい。
○ インダクタンス成分L1は寄生インダクタンスLsを含んでいなくてもよい。
○ 電流増幅回路80を省略してもよい。
○ フィルタ回路50を省略してもよい。
○ 電流増幅回路80を省略してもよい。
○ フィルタ回路50を省略してもよい。
○ 電圧増幅回路110は反転増幅回路でもよい。この場合、反転増幅回路から出力される電圧を反転させるインバータを有しているとよい。
○ 電圧増幅回路110を省略してもよい。つまり、フィードバック電圧Vfbは、増幅されない第1電圧Vx又は第2電圧Vyでもよい。
○ 電圧増幅回路110を省略してもよい。つまり、フィードバック電圧Vfbは、増幅されない第1電圧Vx又は第2電圧Vyでもよい。
○ 分圧抵抗102を省略してもよい。つまり、第1電圧Vxを分圧する分圧回路は必須ではない。
○ スイッチング素子11とドライバ回路12とを接続する配線は、回路基板13に形成された配線パターン30に限られず、任意であり、例えばケーブルやバスバーなどでもよい。
○ スイッチング素子11とドライバ回路12とを接続する配線は、回路基板13に形成された配線パターン30に限られず、任意であり、例えばケーブルやバスバーなどでもよい。
○ 各スイッチング素子11u1〜11w2はインバータを構成していたが、これに限られず、任意であり、例えば蓄電装置203の直流電力を異なる電圧の直流電力に変換するDC/DCコンバータを構成してもよい。すなわち、電力変換装置10は、インバータに限られず、DC/DCコンバータ、AC/ACコンバータ、AC/DCインバータ等任意である。換言すれば、電力変換装置10は、直流電力又は交流電力を直流電力又は交流電力に変換するものでもよい。
○ 負荷は電動モータ201に限られず任意である。
○ 電力変換装置10は、車両200以外に搭載されてもよい。すなわち、電力変換装置10は、車両200に設けられた負荷以外の負荷を駆動させるものでもよい。
○ 電力変換装置10は、車両200以外に搭載されてもよい。すなわち、電力変換装置10は、車両200に設けられた負荷以外の負荷を駆動させるものでもよい。
10…電力変換装置、11(11u1〜12w2)…スイッチング素子、12(12u1〜12w2)…ドライバ回路、21…ゲート端子(制御端子)、41…外部入力端子、42…加算出力端子、44…第1フィードバック入力端子、45…第2フィードバック入力端子、60…加算回路、70…フィードバック回路、100…切替部、101…検出抵抗、102…分圧抵抗、103…検出コンデンサ、110…電圧増幅回路、111…フィードバックオペアンプ、130…制御回路、200…車両、201…電動モータ(負荷)、203…蓄電装置、Vp…外部指令電圧、Vfb…フィードバック電圧、Vx…第1電圧、Vy…第2電圧、Vad…加算電圧、V0…基準電位、Ls…寄生インダクタンス、L1…インダクタンス成分、Id…ドレイン電流(印加電流)、Vds…ソース−ドレイン間電圧(印加電圧)、LNp…外部入力ライン、LNf…フィードバックライン、LNm…メインライン、LNx…第1ライン、LNy…第2ライン。
Claims (9)
- 制御端子を有するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を駆動させるドライバ回路と、
を備えた電力変換装置であって、
前記ドライバ回路は、
外部指令電圧が入力される外部入力端子と、
前記外部指令電圧及びフィードバック電圧が入力されるものであって、前記外部指令電圧及び前記フィードバック電圧を加算し、その加算された加算電圧を前記制御端子に向けて出力する加算回路と、
前記加算回路に入力される前記フィードバック電圧を、前記スイッチング素子に流れる印加電流の変化に対応した第1電圧、又は、前記スイッチング素子の印加電圧の変化に対応した第2電圧に切り替える切替部と、
前記切替部を制御する制御部と、
を備えていることを特徴とする電力変換装置。 - 前記切替部と前記加算回路とを接続しているメインラインと、
前記第1電圧が印加される第1ラインと、
前記第2電圧が印加される第2ラインと、
を備え、
前記切替部は、前記メインラインの接続先を前記第1ライン又は前記第2ラインに切り替えるものである請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記印加電圧が入力される前記第2ライン上に設けられた検出コンデンサと、
前記検出コンデンサと協働して微分回路を構成する検出抵抗と、
を備えている請求項2に記載の電力変換装置。 - 前記第1ライン上に設けられた分圧抵抗と、
前記分圧抵抗と協働して分圧回路を構成する検出抵抗と、
を備えている請求項2又は請求項3に記載の電力変換装置。 - 前記第1ライン上に設けられた分圧抵抗と、
前記印加電圧が入力される前記第2ライン上に設けられた検出コンデンサと、
前記メインラインに接続された検出抵抗と、
を備え、
前記検出抵抗は、前記切替部によって前記メインラインの接続先が前記第1ラインとなっている場合には前記分圧抵抗と協働して分圧回路を構成する一方、前記切替部によって前記メインラインの接続先が前記第2ラインとなっている場合には前記検出コンデンサと協働して微分回路を構成する請求項2に記載の電力変換装置。 - 前記メインライン上に設けられ、入力される前記フィードバック電圧を増幅させて前記加算回路へ向けて出力する電圧増幅回路を備え、
前記切替部は、前記電圧増幅回路の入力先を前記第1ライン又は前記第2ラインに切り替えるものである請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記制御部は、前記スイッチング素子がターンオンする場合に前記フィードバック電圧が前記第1電圧となるように前記切替部を制御する請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記スイッチング素子がターンオフする場合に前記フィードバック電圧が前記第2電圧となるように前記切替部を制御する請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記第1電圧は、前記印加電流が変化することによって前記スイッチング素子内の寄生インダクタンスを含むインダクタンス成分にて生じる逆起電力である請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の電力変換装置。
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