JP2021161449A - Scの抽出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Scを含む溶液からScを溶媒抽出により抽出する際に、クラッドの発生を良好に抑制することが可能なScの抽出方法を提供すること。【解決手段】Scを含む溶液に、D2EHPAを添加して、有機相中にScを抽出する工程を含み、有機相における、D2EHPAの濃度A(mol/l)とScの濃度B(mol/l)との比が、A/B>6であり、抽出温度が30℃以上とするScの抽出方法。【選択図】図1

Description

本発明はScの抽出方法に関する。
スカンジウム(Sc)を含む溶液からScを分離する方法としては、不純物を極力除くことが好ましい。このような技術として、特許文献1には、不純物としてトリウム(Th)に着目し、特定の条件で浸出及び/又は中和を行うことで、ScとThを良好に分離する方法が開示されている。
特開2018−150588号公報
Scを含む溶液からScを溶媒抽出により抽出しようとするとき、有機相と水相の他に第3相であるクラッドが発生することがある。溶媒抽出で発生するクラッドには、有用な金属成分まで取り込まれてしまい、金属成分の回収率が低下するという問題がある。また、抽出剤がクラッドに取り込まれることがあり、抽出剤が高価である場合はコストの面で大きな問題となる。さらには、発生したクラッドにより有機相と水相の分相が妨げられ、溶媒抽出操作を正常に行えなくなることがある。このため、Scを含む溶液からScを溶媒抽出により抽出しようとするときに、クラッドの発生を極力低減させることができるScの抽出方法が望まれている。
以上の事情に鑑み、本発明は、Scを含む溶液からScを溶媒抽出により抽出する際に、クラッドの発生を良好に抑制することが可能なScの抽出方法を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意研究した結果、特定の条件で溶媒抽出を行うことで、クラッドの発生を良好に抑制することが可能なScの抽出方法を提供することができることを見出した。こうした知見に基づき本発明は、以下のように特定される。
(1)Scを含む溶液に、D2EHPAを添加して、有機相中にScを抽出する工程を含み、
前記有機相における、D2EHPAの濃度A(mol/l)とScの濃度B(mol/l)との比が、A/B>6であり、
抽出温度が30℃以上とすることを特徴とするScの抽出方法。
(2)前記有機相における、D2EHPAの濃度が0.3(mol/l)未満であることを特徴とする(1)に記載のScの抽出方法。
(3)抽出時のpHが、−0.5〜0.5であることを特徴とする(1)または(2)に記載のScの抽出方法。
(4)前記抽出によって、抽出液にクラッドが発生した場合に、
前記抽出液を固液分離する工程と、
前記固液分離されたクラッドを、D2EHPAを含む有機溶媒で浸出する工程と、
前記有機溶媒で浸出して得られた浸出後液を酸でスクラビングする工程と、
前記スクラビング後の溶媒に強アルカリ性溶液を添加して粗Sc(OH)3を得る工程と
を備えることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のScの抽出方法。
(5)前記D2EHPAを含む有機溶媒が、前記クラッド中のSc及びFeの合計モル数の10倍以上20倍未満のモル数のD2EHPAを含むことを特徴とする(4)に記載のScの抽出方法。
(6)前記固液分離されたクラッドを、D2EHPAを含む有機溶媒で浸出する工程において、前記有機溶媒の温度が40℃以上であることを特徴とする(4)または(5)に記載のScの抽出方法。
(7)前記Scを含む溶液が、
Scを含む原料からScを浸出する工程、及び、
前記Scを浸出して得られた浸出後液を中和する工程
を実施することで得られた中和後液であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のScの抽出方法。
本発明によれば、Scを含む溶液からScを溶媒抽出により抽出する際に、クラッドの発生を良好に抑制することが可能なScの抽出方法を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるScの回収フローを示す。 実施例におけるクラッドの処理フローを示す。
以下、本発明を実施するための具体的な実施形態について説明する。以下の説明は、本発明の理解を促進するためのものである。即ち、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
<原料>
本発明の実施形態は、Scを含む原料から、Scを回収する方法に関する。一実施形態において、Scを含む原料は、Scを含む鉱石であってもよい。更なる一実施形態において、Scを含む鉱石は、ScとThとを含む鉱石であってもよい。更なる一実施形態において、Scを含む鉱石は、チタン(Ti)を精製するための原料であるチタン鉱石であってもよい。更なる一実施形態において、Scを含む原料は、Tiを精製する際に生じる塩化残渣であってもよい。以下では、限定されないが、原料の一例として、Scを含む原料が、塩化残渣である場合について説明する。
<チタンの精製>
従来、チタンは、チタン鉱石からクロール法により精製されるのが一般的である。チタン鉱石とコークスを流動床反応炉に投入する。そして、流動床反応炉の下部から塩素ガスを吹入させる。チタン鉱石は塩素ガスと反応し、四塩化チタンを生じる。四塩化チタンは反応炉内の温度では気体状態にある。この気体状態の四塩化チタンが、次の冷却システムに送られ、冷却される。冷却された四塩化チタンは液体状になり、回収される。
<塩化残渣>
気体状態の四塩化チタンが次の冷却システムに送られる際に、気流に乗って微粉状の不純物が一緒に冷却システムに送られる。該不純物には、チタン以外の物質(鉄、スカンジウム、バナジウム、ニオブ、ジルコニウム、アルミニウム、シリコン、トリウム等、一部は塩化物)、未反応の鉱石、未反応のコークス等が含まれる。こうした不純物は、冷却システムにおいて、固体の形状で回収される。本明細書では、この回収された物を塩化残渣と呼ぶ。塩化残渣はスラリー化してもよいし、乾燥粒子群の形態であってもよい。典型的には、スラリー化した物を用いて、有価金属を回収することができる。
<塩化残渣の品位>
上述した工程で得られた塩化残渣は、様々なレアメタルを有しており、例えば、Sc、V、Nb、Zr、Y、La、Ce、Pr、及びNdのような有用な元素を含む可能性がある。これらを回収することができれば、回収物を用いて利益を向上させることができる。以下の理論で本発明を限定するものではないが、塩化残渣は、チタン製錬の過程で生じる混合物であるため、その構成成分の多くはチタン精鉱に由来する。チタン精鉱は、採掘したチタン鉱石に対して浮選、磁選、比重選鉱等を実施し、Ti品位を高めることによって得ることができる。そのため、目的物であるTi含有粒子は比較的大きな粒子を形成する傾向にあると考えられ、一方でTi精鉱においては不純物である他のレアメタル元素については、精鉱製造時に微細な粒子としてTi精鉱に付着して混入していると考えられる。
<塩化残渣の前処理>
上述した塩化残渣は、チタン製錬時に回収した直後は高温状態であり、有価金属を回収する処理を行う前に冷却する必要がある。冷却方法は、特に限定されず、空冷、又は水冷等の手段で冷却してもよい。
また、後述する分級を行う前に、塩化残渣を水洗しておくことが好ましい。水洗することでFeCl2等の水溶性の不純物を除去することが出来るからである。また水洗であれば、上述した冷却処理も同時に行うことが出来る。
<Scの回収>
一実施形態における、Scの回収の概要を図1に示す。以下、各工程について、具体的に説明する。
(1)Scの浸出工程(図1「浸出」)
一実施形態において、本発明の方法は、酸性の溶液を用いて、Scを含む原料からScを浸出させる工程を含む。前記酸性の溶液のpHは浸出後に(又は浸出終了時に)0.3〜0.9の範囲になる様に調整されることが好ましい。0.3未満だと、トリウムも浸出量が多くなり、スカンジウムとの分離の妨げとなる。0.9超だと、スカンジウムの浸出量が低下してしまう。
また、浸出工程時の温度については特に限定されないが、前記酸性の溶液の温度は、好ましくは、60〜90℃であり、更に好ましくは、80℃〜90℃である。60℃より低いと、Thを含んでいる場合、ScとThとの浸出量に差が出にくくなり、分離が困難となる。トリウムの浸出量は、温度が高くなるほど低下するため、浸出温度は高い方がよい。ただし、溶液の沸騰などの理由から、典型的な上限値は90℃としてもよい。
浸出反応のための時間については特に限定されないが、少なくとも1時間以上、典型的には2時間以上であってもよい。上限についても特に限定されないが、典型的には24時間以下である。
また、パルプ濃度については、特に限定されないが、100〜600g/L、典型的には、200〜500g/Lであってもよい。
上記酸性範囲にするための成分は特に限定されないが、強酸を使用することができる。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、臭素酸、これらの混合物等を用いることができる。分量は特に限定されないが、上記pH範囲を実現できる量を添加すればよい。
(2)浸出液の中和工程(図1「中和」)
一実施形態において、本発明の方法は、浸出後の溶液に対してpHを調節する中和工程を含むことができる。即ち、pHを浸出時よりもアルカリ側に調整する工程を含むことができる。これにより、Scを溶液中に残しつつ、Thを沈殿させることができる。
中和工程におけるpH範囲は、1.3〜2.5が好ましい。1.3未満だと、Thの沈殿が生じにくい。一方で、pHが2.5を超えると、Thの沈殿の量が増加せず、むしろ、Thも沈殿するようになる。より好ましい範囲は、pHが1.8〜2.3である。これにより、Scが沈殿によってロスすることなく、大部分のThを沈殿させることができる。
中和工程におけるpHの調整においては、浸出時よりもpHがアルカリ側に調整されるため、NaOH、Na2CO3、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、LiOH、Li2CO3、KOH、K2CO3、Mg(OH)2、MgCO3等を用いることがこのましい。分量は、特に限定されないが、上述したpH範囲を実現できる量を添加すればよい。
操作の簡便性の観点から、浸出と中和は同じ槽で行うことが好ましい。無論、浸出直後(中和する前)に固液分離(図1「固液分離A」)を行い、浸出と中和を異なる槽で行うことも可能である。
(3)固液分離(図1「固液分離B」)
上記沈殿が形成された後は、固液分離を行うことができる。そして、Scが多く含まれる溶液側を回収することにより、Thの混入を低減させることができる(上述のように、Thは主に沈殿側に移動)。固液分離の方法は、特に限定されず、ろ過等の公知の方法を用いることができる。
(4)Sc抽出
上記固液分離Bの工程の後は、中和後液に対して、有機溶媒を用いてScを回収する。より具体的には、中和後液に対して、TBPを抽出剤とした溶媒抽出を行うと、有機相側にFeが移動し、水相側にSc等の他のレアメタルが残留する。有機相側についてはFe逆抽出を行い、Fe逆抽出後液を廃水として廃棄する。なお、原料においてFeの含有量が低く、且つFeの浸出量が低い場合には、こうしたFeの抽出工程は省略してもよい。
一方で、水相側の方は、D2EHPA(Bis(2-ethylhexyl) phosphate)を抽出剤とした溶媒抽出を行う(図1の「Sc抽出」)。これにより、有機相側にScが移動し、一方で、Sc以外のいくつかの元素(例えば、Nb、Y、La、Ce、Zr、Pr、又はNd等)については水相側(Sc抽出後液)に残留する。Sc抽出後液は、Sc以外の元素を回収するのに用いることができる。当該「Sc抽出」について、以下、より具体的に説明する。
「Sc抽出」では、Scを含む溶液(上述の水相)に、D2EHPA(Bis(2-ethylhexyl) phosphate)を添加して、有機相中にScを抽出する。ここで、有機相における、D2EHPAの濃度A(mol/l)とScの濃度B(mol/l)との比が、A/B>6となるように、D2EHPAの添加量を制御する。一般に、1molのScに対して6molのD2EHPAが配位して抽出されるが、D2EHPAが6mol未満になると、Scが有機相に溶解せずに、固体として析出してしまう。これは、クラッド生成により、Scのロスだけでなく、D2EHPAのロスも起きること意味している。これに対し、有機相における、D2EHPAの濃度A(mol/l)とScの濃度B(mol/l)との比が、A/B>6となるように、D2EHPAの添加量を制御することで、クラッドの発生を良好に抑制することができる。有機相における、D2EHPAの濃度A(mol/l)とScの濃度B(mol/l)との比は、A/B>8であるのが好ましく、A/B>12であるのがより好ましい。当該A/Bの上限値は、Th等の不純物の抽出を抑制するという観点、並びに取り扱う有機溶媒量を少なくするという観点から、A/B<16とすることが好ましい。
また、溶媒浸出時の抽出温度を30℃以上に制御する。これによって、クラッドの発生を良好に抑制することができる。溶媒浸出時の抽出温度は、30℃以上であるのが好ましく、35℃以上であるのがより好ましい。当該溶媒浸出時の抽出温度の上限値は、有機相の揮発抑制という観点から、50℃以下とすることが好ましい。
有機相における、D2EHPAの濃度が0.3(mol/l)未満であることが好ましい。これによって、Scを含む溶液がThを含んでいる場合に、Thの抽出を良好に抑制することができ、不純物の取り込みを防止することができる。有機相における、D2EHPAの濃度は、0.22(mol/l)未満であることがより好ましい。一方、有機相における、D2EHPAの濃度が低すぎると、抽出設備を大きくしなければならない。このような観点から、有機相における、D2EHPAの濃度は、0.15(mol/l)以上であるのが好ましい。
溶媒抽出における抽出時のpHは、−0.5〜0.5の範囲となるように調整することが好ましい。このような範囲に溶媒抽出における抽出時のpHを調整することで、クラッドの発生をより良好に抑制することができる。また、当該pHの範囲においてScを抽出した際に、有機相に共抽出される不純物の濃度が0.1mol/L未満であるのが好ましく、0.05mol/L未満であるのがより好ましい。
(5)スクラブ工程、Sc逆抽出、か焼
中和後液に対して有機溶媒で抽出したとき、抽出液にクラッドが発生した場合には、当該抽出液を固液分離する工程によって固液分離されたクラッドを、D2EHPAを含む有機溶媒で浸出し、続いて、有機溶媒で浸出して得られた浸出後液を酸でスクラビングする(図1「スクラビング」)。これにより、FeやTh等の混入を減少させることができる。次に、スクラビング後の溶媒に強アルカリ性溶液を添加して粗Sc(OH)3を得ることができる。
このとき使用する酸としては、1M〜4.2M程度のHClやNaCl、H2SO4等が挙げられる。また、使用する強アルカリ性溶液としては、1.5〜2.5MのNaOHまたはKOH等の水溶液が挙げられる。強アルカリ性溶液の濃度が1.5M未満であると、有機相が白濁するおそれがあり、2.5Mを超えると、セルロースパウダー等の濾過助剤を用いて濾過することが困難となるおそれがある。
このとき、D2EHPAを含む有機溶媒が、クラッド中のSc及びFeの合計モル数の10倍以上20倍未満のモル数のD2EHPAを含むことが好ましい。このような構成によれば、発生したクラッドを良好に溶解させることができる。このとき、D2EHPAを含む有機溶媒は、クラッド中のSc及びFeの合計モル数の12倍以上18倍未満のモル数のD2EHPAを含むことがより好ましい。
また、上述の、固液分離されたクラッドを、D2EHPAを含む有機溶媒で浸出する工程において、有機溶媒の温度が40℃以上であることが好ましい。このような構成によれば、発生したクラッドを良好に溶解させることができる。また、固液分離されたクラッドを、D2EHPAを含む有機溶媒で浸出する工程において、有機溶媒の温度が45℃以上であることがより好ましい。また、有機相の揮発抑制という観点から、50℃以下とすることが好ましい。
一方、スクラビング後の有機相側については、例えば、NaOH等のアルカリ性水溶液で晶析剥離(図1「Sc逆抽出」)を行い、水酸化スカンジウムスラリーを得て、水酸化スカンジウムスラリーを濾過してか焼し(図1「固液分離C」及び「か焼」)、最後はSc23の形で回収することができる。もしくは、得られたSc(OH)3を浸出し、シュウ酸等のカルボン酸を用いてスカンジウムをカルボン酸スカンジウムの形で沈殿させ更にか焼して、Sc23の形態で回収することができる。
(6)分級工程
一実施形態において、Scを含む原料は、上述したように塩化残渣であってもよい。この実施形態において、塩化残渣を水洗した後、当該塩化残渣は、分級を行い、粗粒と細粒とに分けることができる。分級の方法としては、特に限定されず、乾式でも湿式でもよい。より好ましいのは湿式である。これは、塩化残渣が水洗されている場合に、乾燥させる手間を必要としないからである。また、分級の方法として、特定の大きさの目開きの篩を用いてもよい。湿式の分級として、水力分級機、水平水流分級機、遠心沈降機の分級機械を使用してもよい。乾式の分級として、エアセパレータ、空気式の分級機を用いてもよい。
分級の基準値については、特に限定されず、レアメタル(例えば、Sc、V、Nb、Zr、Y、La、Ce、Pr、又はNd)が多く含まれるサイズの範囲を上限値として採用すればよい。例えば、基準値の上限については、55μm以下、40μm以下、又は25μm以下であってもよい。基準値の下限については、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってもよい。これにより、例えば、塩化残渣中に存在するScのうちの、少なくとも約82%(基準値を25μmにした場合)、約84%(基準値を38μmにした場合)、又は約88%(基準値を53μmにした場合)を回収することができる。その一方で、回収対象となる物量を減らすことができる。更には、他の不純物(例えば、Fe、コークス、未反応チタンなど)の多くは粗粒側に分配される。
分級手段として篩を用いる場合には、上記分級の基準値に基づいて、網目のサイズを適宜決定することができる。例えば、25μmを基準値として分級する場合には、目開きが25μm(JIS規格だと、500メッシュ)を使用する。そして、篩を通過した物を細粒とし、篩上に残った物を粗粒とする。
分級後に得られた細粒は、上述したような条件で浸出工程を行い、Scを回収することができる。
以下、本発明の理解を促進するため、更に具体的な実施例を開示する。
(試験例1)
中和後液を抽出剤(D2EHPA):10体積%、改質剤(TBP):5体積%、及び、希釈剤(Shellsol D70):85体積%の有機溶媒で、D2EHPAの濃度A(mol/l)とScの濃度B(mol/l)との比は、A/B=5となる条件で抽出することで、クラッドが発生したため、固液分離して回収した当該クラッドを以下の手順にて処理した。
クラッドの浸出条件を表1に示す。表1において、「P.D.」は有機溶媒1lあたりに添加したクラッドの量を示し、「wet」は、クラッドが水分や油分を含んだ湿った状態であることを示す。また、浸出温度は、10℃と40℃の2通りで実施した。
Figure 2021161449
浸出温度10℃で浸出した際は、溶け残りが確認された。一方、浸出温度40℃で浸出したところ、全量溶解した。これにより、通常の無機塩の水に対する溶解度のように温度上昇に伴ってクラッドの溶解度が上昇すると考えられる。
また、発生したクラッドの全量について、図2に記載のフローで処理した。これによって、Scと有機相の回収を行った。各物量は図中に記載した。回収したSc量、スクラビング液中の各濃度から、クラッドの品位は:Sc:1質量%、Fe1質量%、D2EHPA:50質量%程度と推定された。
以上、本発明の具体的な実施形態について説明した。上記実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上述の実施形態の1つに開示された技術的特徴は、他の実施形態に提供することができる。また、特定の方法については、一部の工程を他の工程の順序と入れ替えることも可能であり、特定の2つの工程の間に更なる工程を追加してもよい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。

Claims (7)

  1. Scを含む溶液に、D2EHPAを添加して、有機相中にScを抽出する工程を含み、
    前記有機相における、D2EHPAの濃度A(mol/l)とScの濃度B(mol/l)との比が、A/B>6であり、
    抽出温度が30℃以上とすることを特徴とするScの抽出方法。
  2. 前記有機相における、D2EHPAの濃度が0.3(mol/l)未満であることを特徴とする請求項1に記載のScの抽出方法。
  3. 抽出時のpHが、−0.5〜0.5であることを特徴とする請求項1または2に記載のScの抽出方法。
  4. 前記抽出によって、抽出液にクラッドが発生した場合に、
    前記抽出液を固液分離する工程と、
    前記固液分離されたクラッドを、D2EHPAを含む有機溶媒で浸出する工程と、
    前記有機溶媒で浸出して得られた浸出後液を酸でスクラビングする工程と、
    前記スクラビング後の溶媒に強アルカリ性溶液を添加して粗Sc(OH)3を得る工程と
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のScの抽出方法。
  5. 前記D2EHPAを含む有機溶媒が、前記クラッド中のSc及びFeの合計モル数の10倍以上20倍未満のモル数のD2EHPAを含むことを特徴とする請求項4に記載のScの抽出方法。
  6. 前記固液分離されたクラッドを、D2EHPAを含む有機溶媒で浸出する工程において、前記有機溶媒の温度が40℃以上であることを特徴とする請求項4または5に記載のScの抽出方法。
  7. 前記Scを含む溶液が、
    Scを含む原料からScを浸出する工程、及び、
    前記Scを浸出して得られた浸出後液を中和する工程
    を実施することで得られた中和後液であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のScの抽出方法。
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CN115418503A (zh) * 2022-08-23 2022-12-02 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 一种基于微乳液从浸出液选择性萃取钪的方法

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