JP2021160319A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Akihiro Yamamoto
栄治 半場
Eiji Hanba
広信 鈴木
Hironobu Suzuki
真滋 磯野
Shinji Isono
洋志 良知
Hiroshi Yoshitomo
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【課題】被印刷物に付着した埃に起因して、印刷の品質が低下することを抑制する。【解決手段】インクジェットプリンタは、被印刷物5を支持する支持台50と、支持台50よりも上方に配置され、主走査方向Yに延びたガイドレールと、ガイドレールに摺動自在に設けられたキャリッジ34と、キャリッジ34に設けられ、インクを吐出するインクヘッド36と、キャリッジ34に設けられ、支持台50に支持された被印刷物5上の埃を除去する除去装置70Aとを備えている。除去装置70Aは、支持台50に向かって開口した吸気口72および排気口73が形成された中空のケース71と、ケース71の内部に設けられ、吸気口72と排気口73とを繋ぐ除去通路80と、吸気口72から排気口73に向かって空気を送る送風機構85と、除去通路80内に設けられ、埃を捕集するフィルタ90と、を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
例えば特許文献1には、記録媒体が載置されるプラテンと、プラテンに向かってインクを吐出するノズルが形成されたノズル面を有する複数のインクヘッドとを備えたインクジェットプリンタが開示されている。複数のインクヘッドは、キャリッジに搭載されており、キャリッジは、主走査方向に延びたガイドレールに係合している。
上記インクジェットプリンタは、キャリッジと共にインクヘッドが主走査方向に移動している間に、インクヘッドからインクを吐出するように構成されている。また、上記インクジェットプリンタは、プラテンに載置された記録媒体を、主走査方向と直交する副走査方向に移動させるように構成されている。
特開2004−196537号公報
ところで、上記インクジェットプリンタでは、印刷が行われる前において、プラテンに載置された記録媒体に埃が付着することがあり得る。記録媒体に埃が付着した状態で印刷が行われると、埃の上にインクが吐出され、印刷物の品質が低下するおそれがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、被印刷物に付着した埃に起因して、印刷の品質が低下することを抑制することが可能なインクジェットプリンタを提供することである。
本発明に係るインクジェットプリンタは、支持台と、ガイドレールと、キャリッジと、インクヘッドと、除去装置とを備えている。前記支持台は、被印刷物を支持する。前記ガイドレールは、前記支持台よりも上方に配置され、主走査方向に延びている。前記キャリッジは、前記ガイドレールに摺動自在に設けられている。前記インクヘッドは、前記キャリッジに設けられ、インクを吐出する。前記除去装置は、前記キャリッジに設けられ、前記支持台に支持された前記被印刷物上の埃を除去する。前記除去装置は、中空のケースと、除去通路と、送風機構と、フィルタとを備えている。前記ケースには、前記支持台に向かって開口した吸気口、および、前記支持台に向かって開口した排気口が形成されている。前記除去通路は、前記ケースの内部に設けられ、前記吸気口と前記排気口とを繋ぐ。前記送風機構は、前記除去通路を通じて、前記吸気口から前記排気口に向かって空気を送る。前記フィルタは、前記除去通路内に設けられ、埃を捕集する。
上記インクジェットプリンタによれば、送風機構の駆動によって排気口から被印刷物に空気が吹き付けられる。支持台に支持された被印刷物に埃が付着している場合、被印刷物に付着している埃は、排気口から吹き付けられた空気によって舞い上がる。そして、舞い上がった埃が吸気口からケース内に取り込まれる。ケース内に取り込まれた埃は、除去通路を通り、フィルタによって捕集される。このように、除去装置によって、被印刷物5に付着した埃を除去することができる。よって、埃が除去された被印刷物に対して印刷が行われることで、埃に起因して印刷の品質が低下することを抑制することができる。
実施形態に係るプリンタを示す斜視図である。 フロントカバーを開けた状態のプリンタを示す正面図である。 プリンタの要部を模式的に示した平面図である。 キャリッジ、インクヘッド、紫外線照射装置、除去装置を模式的に示す正面図である。 左の除去装置を示す正面断面図であり、ミスト用排気口が閉鎖された状態を示す図である。 左の除去装置を示す正面断面図であり、連通口が閉鎖された状態を示す図である。 右の除去装置を示す正面断面図であり、連通口が閉鎖された状態を示す図である。 右の除去装置を示す正面断面図であり、ミスト用排気口が閉鎖された状態を示す図である。 左の除去装置の底面図である。 右の除去装置の底面図である。 実施形態に係るプリンタのブロック図である。 変形例に係る除去装置の底面図である。 変形例に係る除去装置を示す正面断面図である。 変形例に係る除去装置を示す正面断面図である。 変形例に係る除去装置を示す正面断面図である。 変形例に係る除去装置を示す正面断面図である。 変形例に係る除去装置を示す正面断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ100を示す斜視図である。図2は、フロントカバー20を開けた状態のインクジェットプリンタ100を示す正面図である。以下、インクジェットプリンタ100のことを、プリンタ100という。以下の説明では、プリンタ100を正面から見たときに、プリンタ100から遠ざかる方を前方、プリンタ100に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ100を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。
図面中において、符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。本実施形態では、主走査方向Yのうち一方(ここでは右)から他方(ここでは左)に向かう方向を、行き方向Y1という。主走査方向Yのうち他方から一方に向かう方向を、帰り方向Y2という。符号Xは、副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向である。主走査方向Yと副走査方向Xとは平面視において直交している。符号Zは、高さ方向、すなわち、上下方向を示している。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ100の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
本実施形態では、プリンタ100は、インクジェット方式のプリンタである。本実施形態において、「インクジェット方式」とは、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式または圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む従来公知の各種の手法によるインクジェット式のことをいう。また、プリンタ100は、いわゆる、フラットベッドタイプのプリンタである。
プリンタ100は、被印刷物5(図2参照)にインクを吐出して、被印刷物5に印刷を行う装置である。被印刷物5は、例えば紙によって形成された記録紙である。しかしながら、被印刷物5は、記録紙に限定されず、例えば所定の厚みを有する立体物であってもよい。また、被印刷物5の材質も紙に限定されず、例えばプラスチックなどであってもよい。
プリンタ100は、図1に示すように、箱状に形成されている。本実施形態では、プリンタ100は、プリンタケース10と、フロントカバー20と、操作パネル25を備えている。プリンタケース10は、ベース部11と、前壁部12と、後壁部13と、左壁部14と、右壁部15と、天面部16とを有している。ベース部11は、板状かつ矩形状の部材である。前壁部12は、ベース部11の前端の右部に接続され、ベース部11の前端の右部から上方に延びている。図示は省略するが、後壁部13は、ベース部11の後端に接続され、ベース部11の後端から上方に延びている。
左壁部14は、ベース部11の左端に接続され、ベース部11の左端から上方に延びている。左壁部14の後端は、後壁部13の左端に接続されている。右壁部15は、ベース部11の右端に接続され、ベース部11の右端から上方に延びている。ここでは、右壁部15の前端は、前壁部12の右端に接続され、右壁部15の後端は、後壁部13の右端に接続されている。天面部16は、前壁部12の上端、後壁部13の上端、左壁部14の上端、および、右壁部15の上端にそれぞれ接続されている。図2に示すように、プリンタケース10の前部には、開口17が形成されている。
フロントカバー20は、プリンタケース10の開口17を開閉自在に設けられている。ここでは、フロントカバー20は、後端を軸に回転可能なように、プリンタケース10に支持されている。
本実施形態では、ベース部11、前壁部12、後壁部13(図1参照)、左壁部14、右壁部15、天面部16(図1参照)およびフロントカバー20に囲まれることによって、内部空間18が形成されている。ここでは、フロントカバー20の後端を軸にして、フロントカバー20を上方に回転させることによって、内部空間18と外部空間とが連通される。内部空間18は、プリンタ100による印刷が行われる空間である。
本実施形態では、図1に示すように、フロントカバー20には、窓部21が設けられている。窓部21は、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。作業者は、窓部21を通じて内部空間18を視認することが可能である。
操作パネル25は、プリンタケース10の右前部に設けられている。ここでは、操作パネル25は、天面部16の右前部に設けられている。操作パネル25は、作業者が印刷に関する操作を行うパネルである。図示は省略するが、操作パネル25には、例えば、印刷の種類、解像度、印刷の状況などの印刷に関する情報が表示される表示部、および、印刷に関する情報を入力するための入力部などが備えられている。
次に、プリンタ100の内部構成について説明する。図3は、プリンタ100の要部を模式的に示した平面図である。なお、図3では、前壁部12、後壁部13、左壁部14、右壁部15、天面部16およびフロントカバー20の図示が省略されている。
図3に示すように、プリンタ100は、テーブル50を備えている。図2に示すように、テーブル50は、被印刷物5を支持し、被印刷物5を副走査方向Xに搬送するものである。テーブル50は、プリンタケース10内の内部空間18に配置されている。テーブル50は、支持台の一例である。テーブル50は、被印刷物5を支持する支持面50aを有する。支持面50aは、テーブル50の上面を構成しており、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がった面である。
本実施形態では、図示は省略するが、テーブル50には、複数の微小な孔が形成されている。テーブル50の下方には、吸引装置55(図11参照)が配置されている。吸引装置55は、テーブル50に形成された上記微小な孔を通じて、テーブル50の上方の空気をテーブル50の下方に向かって吸引する。このことで、吸引装置55は、テーブル50に支持された被印刷物5をテーブル50に向かって吸引する。このことによって、被印刷物5をテーブル50に密着させることができる。よって、被印刷物5がテーブル50から浮き上がることに起因して、印刷が歪むことを抑制することができる。
本実施形態では、テーブル50は、副走査方向Xおよび高さ方向Zに移動可能に構成されている。本実施形態では、図2に示すように、テーブル移動機構51によって、テーブル50が副走査方向Xに移動する。また、昇降機構52によって、テーブル50が高さ方向Zに移動する。
テーブル移動機構51は、例えば第1テーブルガイドレール61と、第2テーブルガイドレール62と、搬送部材64と、前後移動用駆動モータ67(図11参照)とを備えている。図3に示すように、第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62は、副走査方向Xに延びている。第1テーブルガイドレール61と第2テーブルガイドレール62とは平行に配置されている。第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62は、ベース部11に支持されている。
搬送部材64は、第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62に対して摺動自在に設けられている。本実施形態では、搬送部材64は、平板64aと、第1筒状部64bと、第2筒状部64cとを有している。平板64aは、ベース部11の開口11aの下方に位置している。平板64aは、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がったものである。図2に示すように、平板64aには、他の部材(例えば、高さ調整部材68)を介して、テーブル50が載置される。
図3に示すように、第1筒状部64bおよび第2筒状部64cは、中空の筒状のものである。第1筒状部64bは、平板64aの左端に設けられ、第2筒状部64cは、平板64aの右端に設けられている。第1筒状部64bには、第1テーブルガイドレール61が摺動自在に挿入されている。第2筒状部64cには、第2テーブルガイドレール62が摺動自在に挿入されている。
図11に示す前後移動用駆動モータ67は、テーブル50を副走査方向Xに移動させる駆動源である。前後移動用駆動モータ67は、テーブル50に接続されている。図3に示すように、テーブル50は、前後移動用駆動モータ67の駆動によって、第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62に沿って搬送部材64が移動することで、副走査方向Xに移動する。
図2に示すように、昇降機構52は、テーブル50を昇降させる機構である。昇降機構52は、例えば高さ調整部材68と、昇降モータ69(図11参照)とを備えている。テーブル50は、高さ調整部材68を介して、昇降モータ69に接続されている。高さ調整部材68は、テーブル50の底面に設けられており、高さが可変な部材である。高さ調整部材68は、例えば複数の部材から構成されており、一方の部材に対して他方の部材を上下にスライドさせることで高さを調整することができる。
図11に示す昇降モータ69は、高さ調整部材68に接続されており、駆動することで、高さ調整部材68の高さを調整する。その結果、高さ調整部材68の高さが変更されることによって、テーブル50の高さが調整される。
図4は、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射装置38A、38B、および、除去装置70A、70Bを模式的に示す正面図である。図3および図4に示すように、プリンタ100は、ガイドレール32と、キャリッジ34と、インクヘッド36と、紫外線照射装置38A、38Bとを備えている。図2および図3において、紫外線照射装置38A、38Bの図示は省略されている。ガイドレール32、キャリッジ34、インクヘッド36および紫外線照射装置38A、38Bは、プリンタケース10内の内部空間18に配置されている。
図3に示すように、ガイドレール32は、キャリッジ34およびインクヘッド36などを主走査方向Yにガイドするものである。図2に示すように、ガイドレール32は、テーブル50の上方に配置されており、主走査方向Yに延びている。本実施形態では、プリンタケース10内には、主走査方向Yおよび高さ方向Zに広がった内壁41が設けられている。内壁41の左端は、左壁部14に接続され、内壁41の右端は、右壁部15に接続されている。ここでは、ガイドレール32は、内壁41に配設されており、内壁41を介して、ベース部11に固定されている。
キャリッジ34は、ガイドレール32に摺動自在に設けられている。キャリッジ34は、ガイドレール32に係合している。キャリッジ34は、ガイドレール32に沿って主走査方向Yに移動可能である。
本実施形態では、キャリッジ34には、キャリッジ移動機構44が接続されている。キャリッジ移動機構44は、キャリッジ34をガイドレール32に沿って主走査方向Yの行き方向Y1および帰り方向Y2に移動させる機構である。キャリッジ移動機構44は、移動機構の一例である。キャリッジ移動機構44の構成は特に限定されない。図示は省略するが、キャリッジ移動機構44は、例えばガイドレール32の左右の端部に設けられた一対のプーリと、一対のプーリに巻き掛けられたベルトと、ベルトに接続されたモータなどによって構成されている。キャリッジ34は、ベルトに固定されている。モータが駆動することでベルトが走行し、キャリッジ34が主走査方向Yに移動する。
図4に示すように、インクヘッド36は、その下面を露出させた状態でキャリッジ34に設けられている。インクヘッド36の数は特に限定されない。本実施形態では、インクヘッド36の数は4つである。複数のインクヘッド36は、主走査方向Yに並んで配置されている。インクヘッド36は、テーブル50に支持された被印刷物5に向かってインクを吐出する。なお、インクヘッド36の下面には、インクを吐出する複数のノズル37(図9参照)が副走査方向Xに並んで形成されている。
本実施形態では、各インクヘッド36から色が異なるインクが吐出される。ここでは、インクヘッド36から吐出されるインクは、例えばシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、および、ブラックインクの何れかである。
本実施形態では、複数のインクヘッド36には、インクチューブ(図示せず)を介してそれぞれインクカートリッジ39(図2参照)が接続されている。図2に示すように、インクカートリッジ39は、複数設けられており、それぞれ色が異なるインクを収容している。本実施形態では、プリンタケース10の内部空間18であって、ベース部11の左後部には、インクカートリッジ収容部42が設けられている。インクカートリッジ39は、インクカートリッジ収容部42に収容される。
本実施形態では、図4に示す紫外線照射装置38A、38Bは、インクヘッド36から吐出されたインクを硬化させる紫外線を発するものである。紫外線照射装置38A、38Bは、テーブル50に支持された被印刷物5に紫外線を照射する。紫外線照射装置38A、38Bは、キャリッジ34に設けられている。詳しくは、紫外線照射装置38Aは、キャリッジ34の左部であって、インクヘッド36よりも左方に配置されている。紫外線照射装置38Bは、キャリッジ34の右部であって、インクヘッド36よりも右方に配置されている。紫外線照射装置38A、38Bは、インクヘッド36およびキャリッジ34を挟んで対向している。紫外線照射装置38A、38B、および、複数のインクヘッド36は、主走査方向Yに並んで配置されている。
ここでは、紫外線照射装置38A、38Bは、それぞれ紫外線を照射する光源(図示せず)を備えている。光源から発せられた紫外線は、下方に開口した照射口38(図9および図10参照)を通じて、テーブル50に支持された被印刷物5に照射される。
本実施形態では、図4に示すように、プリンタ100は、除去装置70A、70Bを備えている。なお、図2および図3において、除去装置70A、70Bは省略されている。除去装置70A、70Bは、被印刷物5に付着、または、載置されていた埃を除去する装置である。また、本実施形態に係る除去装置70A、70Bでは、インクヘッド36からインクが吐出されたときに発生するインクのミストも除去することができる。除去装置70A、70Bは、テーブル50に支持された被印刷物5に付着した埃を除去する埃除去機能と、インクヘッド36から吐出されたインクのミストを除去するミスト除去機能との両方の機能を有する。
本実施形態では、除去装置70A、70Bの数は2つであるが、特に限定されない。除去装置70A、70Bは、キャリッジ34に設けられている。ここでは、除去装置70Aは、キャリッジ34の左側に配置されている。本実施形態では、除去装置70Aは、紫外線照射装置38Aの左部に設けられており、紫外線照射装置38Aを介してキャリッジ34に設けられている。除去装置70Aは、インクヘッド36および紫外線照射装置38Aよりも左方に配置されている。除去装置70Bは、キャリッジ34の右側に配置されている。本実施形態では、除去装置70Bは、紫外線照射装置38Bの右部に設けられており、紫外線照射装置38Bを介してキャリッジ34に設けられている。除去装置70Bは、インクヘッド36および紫外線照射装置38Bよりも右方に配置されている。
本実施形態では、主走査方向Yの帰り方向Y2に沿って、除去装置70A、紫外線照射装置38A、複数のインクヘッド36、紫外線照射装置38B、および、除去装置70Bの順に並んで配置されている。以下、除去装置70Aのことを左の除去装置70Aともいい、除去装置70Bのことを右の除去装置70Bともいう。ここでは、左の除去装置70Aは、他方側の除去装置の一例であり、右の除去装置70Bは、一方側の除去装置の一例である。
図5および図6は、左の除去装置70Aを示す正面断面図である。図7および図8は、右の除去装置70Bを示す正面断面図である。なお、図4〜図8において、便宜上、テーブル50は、除去装置70A、70Bから離れているが、実際には、テーブル50に支持された被印刷物5がインクヘッド36に接触しない程度に、除去装置70A、70Bに接近している。図9、図10は、それぞれ左の除去装置70A、右の除去装置70Bの底面図である。
本実施形態では、除去装置70Aと除去装置70Bとは、同じ構成を有しているが、各構成要素の配置位置が、キャリッジ34を基準とした線対称の関係となっている。以下、キャリッジ34の左側に配置された除去装置70Aの構成について説明し、キャリッジ34の右側に配置された除去装置70Bの構成についての説明は適宜省略する。
本実施形態では、図5に示すように、除去装置70Aは、ケース71と、ガイド部材75と、除去通路80と、送風機構85と、フィルタ90と、閉鎖弁92と、閉鎖機構95とを備えている。
ケース71は、中空のものである。ここでは、ケース71は角柱形状(詳しくは直方体形状)であるが、ケース71の形状は特に限定されない。本実施形態では、ケース71には、吸気口72、排気口73、および、ミスト用排気口74が形成されている。
吸気口72は、空気と共に埃やインクのミストをケース71内に取り込む部位である。吸気口72は、テーブル50に向かって開口している。本実施形態では、吸気口72は、ケース71の底面71aに形成されており、下方に向かって開口している。吸気口72の形状は特に限定されない。ここでは、図9および図10に示すように、吸気口72は、主走査方向Yよりも副走査方向Xに長い矩形状の孔である。また、吸気口72の数は特に限定されず、1つであってもよいし、複数であってもよい。ここでは、3つの吸気口72が主走査方向Yに並ぶように、ケース71の底面71aに形成されている。
図5に示すように、排気口73は、ケース71内の空気が外部に排出される部位である。排気口73から排出された空気は、テーブル50に吹き付けられる。排気口73は、テーブル50に向かって開口している。本実施形態では、排気口73は、ケース71の底面71aに形成されており、下方に向かって開口している。排気口73は、吸気口72よりもインクヘッド36側に位置している。言い換えると、排気口73は、吸気口72よりもインクヘッド36側のケース71の部位に形成されている。左の除去装置70Aでは、排気口73は吸気口72よりも右方に位置している。図7に示すように、右の除去装置70Bでは、排気口73は吸気口72よりも左方に位置している。本実施形態では、排気口73と吸気口72とは、主走査方向Yに並んで配置されている。
排気口73の形状および数は特に限定されない。ここでは、図9および図10に示すように、排気口73は、吸気口72と同様に、主走査方向Yよりも副走査方向Xに長い矩形状の孔である。排気口73の数も、吸気口72と同様に3つであり、3つの排気口73が主走査方向Yに並ぶように、ケース71の底面71aに形成されている。
本実施形態では、吸気口72および排気口73が形成されたケース71の底面71aの上下方向の位置は、紫外線照射装置38A、38Bの照射口38が形成された照射面(ここでは、紫外線照射装置38A、38Bの底面)の上下方向の位置と同じであってもよいし、当該照射面よりも下方に位置していてもよい。このことによって、紫外線照射装置38A、38Bの照射口38から照射された紫外線であって、テーブル50や被印刷物5に反射した紫外線(言い換えると反射光)が、除去装置70A、70Bのケース71の底面71aや、ケース71のうち紫外線照射装置38A、38Bよりも下方に突出した部位(以下、ケース71の下部という。)に照射し易くなる。よって、上記の反射光が、プリンタケース10内に広がることを抑制することができる。
なお、上記の反射光が照射されるケース71の部位(例えば底面71aおよびケース71の下部)には、反射光の反射を抑制する、言い換えると反射光を吸収し易い反射抑制部が設けられてもよい。この反射抑制部は、例えば黒色の塗料が施されて実現されるものであってもよいし、黒色の部材が、上記の反射光が照射されるケース71の部位に取り付けられることで実現されてもよい。また、反射抑制部として、上記の反射光が照射されるケース71の部位自体が、黒色の部材によって形成されてもよい。反射抑制部は、例えば凹凸が形成されることで実現されてもよい。また、反射抑制部は、ケース71の表面全体に設けられてもよい。
図5に示すように、ミスト用排気口74は、吸気口72からケース71内に取り込まれたインクのミストを、ケース71の外部へ排出する部位である。ミスト用排気口74の形成位置は特に限定されないが、ミスト用排気口74は、インクのミストがミスト用排気口74からテーブル50に向かって排出されない位置に形成されていることが好ましい。本実施形態では、ミスト用排気口74は、ケース71の上面71bに形成されており、上方に向かって開口している。ミスト用排気口74は、吸気口72および排気口73よりも上方に位置している。図示は省略するが、ミスト用排気口74の形状は、主走査方向Yよりも副走査方向Xに長い矩形状であり、ミスト用排気口74の数は1つである。しかしながら、ミスト用排気口74の形状および数は、特に限定されない。
図5に示すように、ガイド部材75は、排気口73を通過する空気を吸気口72の下方に送るものである。仮にガイド部材75が省略された場合、排気口73を通過する空気は、排気口73の真下に向かって排出される。ガイド部材75は、排気口73から排出される空気の向きを、吸気口72の下方側に変更するものである。
ガイド部材75は、排気口73の周囲に配置されている。ここでは、ガイド部材75は、3つの排気口73を主走査方向Yで挟むように、4つ配置されている。ただし、ガイド部材75の数は特に限定されない。また、ガイド部材75の形状も特に限定されない。ここでは、ガイド部材75は、板状の部材である。ガイド部材75は、下方に向かうにしたがって吸気口72側に傾斜している。詳しくは、図5に示すように、左の除去装置70Aの場合、ガイド部材75は、下方に向かうにしたがって左方に傾斜している。図7に示すように、右の除去装置70Bの場合、ガイド部材75は、下方に向かうにしたがって右方に傾斜している。
図5に示すように、除去通路80は、吸気口72からケース71内に取り込まれた埃、インクのミストが通る部位である。ここでは、除去通路80には、埃およびインクのミストと共に、空気も通る。除去通路80は、ケース71の内部に設けられている。除去通路80は、吸気口72と排気口73とを繋ぐ通路である。除去通路80の途中部分には、ミスト用排気口74が繋がっている。
本実施形態では、吸気口72と排気口73との間のケース71の底面71aの部位から上方に延びた区画壁84aが、ケース71の内部に設けられている。区画壁84aの下端はケース71の底面71aに接続されているが、区画壁84aの上端は、ケース71の上面71bに接続されていない。図示は省略するが、区画壁84aは、ケース71の前面および後面に接続されている。
本実施形態では、区画壁84aの上端には、支持壁84bが設けられている。支持壁84bは、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がったものである。支持壁84bとケース71の上面71bとの間には、隙間が形成されており、かつ、支持壁84bの左右両端とケース71の左右両面との間には隙間が形成されている。これらの隙間が除去通路80の一部を構成している。なお、支持壁84bは省略されてもよい。
本実施形態では、除去通路80は、第1除去通路81と、第2除去通路82とを有している。第1除去通路81は、ケース71に形成された吸気口72と繋がっており、吸気口72と連通している。第1除去通路81は、除去通路80のうち、ケース71の左右側面のうちのインクヘッド36とは反対側の側面(詳しくは、図5の左の除去装置70Aの場合、ケース71の左面であり、図7の右の除去装置70Bの場合、ケース71の右面)と区画壁84aとの間の空間、および、支持壁84bとケース71の上面71bとの間の空間を構成している。
本実施形態では、第1除去通路81は、吸気口72から上方に延び、かつ、支持壁84bの上方において主走査方向Yに延びている。第1除去通路81は、正面視においてL字状である。ここでは、図6に示すように、閉鎖弁92がミスト用排気口74を閉鎖していないとき、第1除去通路81には、ケース71に形成されたミスト用排気口74が繋がっており、第1除去通路81とミスト用排気口74とは連通している。
第2除去通路82は、ケース71に形成された排気口73と繋がっており、排気口73と連通している。第2除去通路82は、除去通路80のうち、ケース71の左右側面のうちのインクヘッド36側の側面(詳しくは、図5の左の除去装置70Aの場合、ケース71の右面であり、図7の右の除去装置70Bの場合、ケース71の左面)と区画壁84aとの間の空間を構成している。本実施形態では、第2除去通路82は、排気口73から上方に延びている。
ここでは、図5に示すように、第2除去通路82は、連通口83を有している。連通口83は、第1除去通路81と繋がっている。連通口83は、ミスト用排気口74の下方であって、支持壁84bの左右両端のうちインクヘッド36側の端と、ケース71との間に形成されている。例えば吸気口72からケース71内に取り込まれた空気は、第1除去通路81、第2除去通路82の順に通り、排気口73からケース71の外部へ排出される。
送風機構85は、除去通路80を通じて、吸気口72から排気口73に向かって空気を送る機構である。言い換えると、送風機構85は、第1除去通路81の空気を第2除去通路82に送る機構である。送風機構85は、ケース71の内部に配置されている。ここでは、送風機構85は、除去通路80に配置されており、詳しくは第1除去通路81に配置されている。送風機構85は、支持壁84bに支持されている。
なお、送風機構85の構成は特に限定されない。本実施形態では、送風機構85は、回転軸86と、回転軸86に設けられた羽根部87と、回転モータ88(図11参照)とを有している。回転モータ88は、例えば回転軸86に接続されている。回転モータ88が駆動することで、回転軸86が回転する。回転軸86の回転に伴い、羽根部87が回転することで、吸気口72から排気口73に向かって空気が送られる。
図5に示すように、フィルタ90は、吸気口72からケース71に取り込まれた埃を捕集するものである。フィルタ90は、吸気口72からケース71に取り込まれたインクのミストを捕集してもよい。フィルタ90は、少なくとも埃を捕集し、空気を通過させるものである。フィルタ90は、除去通路80内に設けられており、本実施形態では第1除去通路81内に設けられている。フィルタ90は、第1除去通路81の一部の横断面の全体を覆うように配置されている。フィルタ90は、支持壁84bに支持されており、支持壁84bから上方に延びている。フィルタ90は、ケース71の上面71bにも支持されている。なお、フィルタ90の位置は、支持壁84b上に限定されない。フィルタ90は、例えば吸気口72に近い位置に配置されていてもよい。
フィルタ90の種類は特に限定されない。例えばフィルタ90は、多孔質の材料によって形成されている。フィルタ90は、複数の孔が形成された網目状の部材である。網目状を構成する部材は、例えば金属であってもよいし、化学繊維であってもよい。またフィルタ90は、ガラス繊維で形成された布材であってもよいし、ポリプロピレンやウレタンフォームなどによって形成された多孔質の材料であってもよい。フィルタ90を構成する複数の孔(多孔質における1つの孔)の大きさは特に限定されないが、より多くの埃が通過しない大きさが好ましい。本実施形態では、送風機構85によって除去通路80内において吸気口72から排気口73へ空気が流れているときにフィルタ90を通過する際、埃がフィルタ90を通過せずに、フィルタ90に捕集される。このとき、ミストの少なくとも一部がフィルタ90に捕集されてもよい。
図5および図6に示すように、閉鎖弁92は、ミスト用排気口74と連通口83とを選択的に閉鎖するものである。閉鎖弁92は、ケース71内において、除去通路80内に配置されている。図5に示すように、閉鎖弁92によってミスト用排気口74が閉鎖されたとき、第1除去通路80内の空気は、連通口83および第2除去通路82を通じて、排気口73から排出される。図6に示すように、閉鎖弁92によって連通口83が閉鎖されたとき、第1除去通路80内の空気は、ミスト用排気口74から排出される。
閉鎖機構95は、閉鎖弁92の位置を移動させて、閉鎖弁92によってミスト用排気口74と連通口83とを選択的に閉鎖させる機構である。ここでは、閉鎖機構95は、閉鎖弁92を回転させる。なお、閉鎖機構95の構成は特に限定されない。本実施形態では、閉鎖機構95は、閉鎖軸96と、閉鎖モータ97(図11参照)とを有している。
図5に示すように、閉鎖軸96は、ケース71内において、第1除去通路81に配置されている。閉鎖軸96は、ミスト用排気口74と連通口83との間に配置されており、副走査方向Xに延びている。閉鎖軸96に閉鎖弁92が接続されている。図11に示す閉鎖モータ97は、閉鎖軸96に接続されている。ここで、閉鎖モータ97が駆動することで、閉鎖軸96が回転する。この閉鎖軸96の回転に伴い、閉鎖弁92が回転する。このとき、閉鎖軸96の回転に伴い、図5に示すように、閉鎖弁92がミスト用排気口74を閉鎖したり、図6に示すように、連通口83を閉鎖したりする。
以上、本実施形態に係る除去装置70A、70Bの構成について説明した。図11は、プリンタ100のブロック図である。図11に示すように、プリンタ100は、制御装置110を備えている。制御装置110は、印刷に関する制御、および、印刷中における除去装置70A、70Bに関する制御を行う装置である。制御装置110の構成は特に限定されない。例えば、制御装置110は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどが格納されたROMと、RAMなどを備えていてもよい。
制御装置110は、操作パネル25に通信可能に接続されている。操作パネル25を作業者が操作することで、操作パネル25から制御装置110に信号が送信される。制御装置110は、例えば操作パネル25から受信した信号に基づいて印刷の制御を行う。制御装置110は、キャリッジ34に接続されたキャリッジ移動機構44に通信可能に接続されている。制御装置110は、キャリッジ移動機構44の駆動を制御することで、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射装置38A、38B、および、除去装置70A、70Bにおける主走査方向Yへの移動を制御する。
また、制御装置110は、複数のインクヘッド36および紫外線照射装置38A、38Bに通信可能に接続されている。制御装置110は、テーブル50に支持された被印刷物5(図2参照)に、複数のインクヘッド36がインクを吐出するそれぞれのタイミングなどを制御する。また、制御装置110は、被印刷物5に吐出されたインクに対して、紫外線照射装置38A、38Bが紫外線を照射するタイミングなどを制御する。
制御装置110は、テーブル移動機構51の前後移動用駆動モータ67、昇降機構52の昇降モータ69、および、吸引装置55に通信可能に接続されている。制御装置110は、テーブル移動機構51の前後移動用駆動モータ67を制御することによって、テーブル50の副走査方向Xへの移動を制御する。制御装置110は、昇降機構52の昇降モータ69を制御することによって、テーブル50の高さ方向Zへの移動を制御する。また、制御装置110は、吸引装置55の駆動を制御することによって、テーブル50に支持された被印刷物5(図2参照)をテーブル50に吸着させるタイミングなどを制御する。
制御装置110は、除去装置70A、70Bに通信可能に接続されている。ここでは、制御装置110は、除去装置70A、70Bのそれぞれの送風機構85(詳しくは、回転モータ88)、および、閉鎖機構95(詳しくは閉鎖モータ97)に通信可能に接続されている。制御装置110は、送風機構85を制御することで、除去通路80内を空気が通過するタイミングなどを制御する。制御装置110は、閉鎖機構95を制御することで、閉鎖弁92の閉鎖先を、ミスト用排気口74から連通口83、または、連通口83からミスト用排気口74へ変更する制御を行う。
本実施形態では、制御装置110は、記憶部111と、印刷制御部113と、第1除去制御部115と、第2除去制御部117とを備えている。なお、上述した制御装置110の各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。例えば制御装置110の各部は、プロセッサによって行われるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
本実施形態に係るプリンタ100は、いわゆる双方向印刷が可能である。双方向印刷では、インクヘッド36が主走査方向Yの行き方向Y1に移動しているとき、および、インクヘッド36が主走査方向Yの帰り方向Y2に移動しているときの両方で、インクヘッド36から、テーブル50に支持された被印刷物5に向かってインクが吐出されることで、印刷が行われる。
図11に示す印刷制御部113は、例えば記憶部111に記憶された印刷画像(図示せず)に基づいて、テーブル50に支持された被印刷物5(図2参照)に印刷画像を印刷する。印刷制御部113は、キャリッジ移動機構44を制御して、インクヘッド36を主走査方向Y(詳しくは、行き方向Y1および帰り方向Y2)に移動させる。インクヘッド36が主走査方向Yに移動している間、印刷制御部113は、インクヘッド36から、テーブル50に支持された被印刷物5に対してインクを吐出する。このことで、1スキャン分の印刷が完了する。
1スキャン分の印刷が完了した後、印刷制御部113は、被印刷物5を支持するテーブル50を副走査方向Xに所定の距離移動させるように、テーブル移動機構51を制御する。被印刷物5の副走査方向Xへの移動が完了した後、次のスキャン分の印刷を行うため、インクヘッド36を主走査方向Y(詳しくは、行き方向Y1および帰り方向Y2)に移動させる。このように、インクヘッド36の主走査方向Yへの移動と、テーブル50の副走査方向Xへの移動とを繰り返し行うことで、印刷画像が被印刷物5に印刷される。
なお、本実施形態では、印刷制御部113による印刷の間、紫外線照射装置38A、38Bの点灯および消灯が適宜制御される。印刷中、紫外線照射装置38A、38Bを点灯させることで、紫外線照射装置38A、38Bから発せられた紫外線が、被印刷物5に吐出されたインクを照射する。このことで、被印刷物5に吐出されたインクの硬化が促進される。
図11に示す第1除去制御部115と第2除去制御部117は、印刷制御部113による印刷の間、除去装置70A、70Bを制御する。ここでは、印刷中に、インクヘッド36が行き方向Y1へ移動しているときと、インクヘッド36が帰り方向Y2へ移動しているときとで、除去装置70A、70Bの制御が異なる。印刷中に、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射装置38A、38B、および、除去装置70A、70Bが行き方向Y1に移動している間(以下、単に行き方向Y1の印刷という。)、第1除去制御部115は、除去装置70A、70Bの制御を行う。一方、印刷中に、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射装置38A、38B、および、除去装置70A、70Bが帰り方向Y2に移動している間(以下、単に帰り方向Y2の印刷という。)、第1除去制御部115は、除去装置70A、70Bの制御を行う。
なお、図5および図7には、それぞれ行き方向Y1の印刷における除去装置70A、70Bの状態が示されている。図6および図8には、それぞれ帰り方向Y2の印刷における除去装置70A、70Bの状態が示されている。図5〜図9における矢印Aは、キャリッジ34の移動方向を示している。
第1除去制御部115は、行き方向Y1の印刷のとき、図5に示すように、左の除去装置70Aで、テーブル50に支持された被印刷物5に付着した埃を除去する埃除去機能に関する制御を行い、図7に示すように、右の除去装置70Bで、インクヘッド36から吐出されたインクのミストを除去するミスト除去機能に関する制御を行う。行き方向Y1の印刷のとき、第1除去制御部115は、図5に示すように、左の除去装置70Aに対して、閉鎖弁92でミスト用排気口74を閉鎖するように閉鎖機構95を制御すると共に、送風機構85を駆動させる。また、行き方向Y1の印刷のとき、第1除去制御部115は、図7に示すように、右の除去装置70Bに対して、閉鎖弁92で連通口83を閉鎖するように閉鎖機構95を制御すると共に、送風機構85を駆動させる。
行き方向Y1の印刷のときでは、図5に示すように、左の除去装置70Aの埃除去機能によって、印刷前に被印刷物5の部分に付着した埃が除去される。行き方向Y1の印刷では、左の除去装置70Aにおいて、排気口73から排出された空気は、ガイド部材75にガイドされて吸気口72の真下に位置する被印刷物5に吹き付けられる。このとき、空気が吹き付けられた被印刷物5の部分に付着していた埃が舞い上がり、吸気口72からケース71内に取り込まれる。ケース71内に取り込まれた埃は、送風機構85の駆動によって、第1除去通路81を通り、フィルタ90で捕集される。この結果、フィルタ90を通過した空気が第2除去通路82に流れ、排気口73から排出される。
行き方向Y1の印刷のときでは、図7に示すように、右の除去装置70Bのミスト除去機能によって、印刷直後において、インクヘッド36から被印刷物5に吐出されたインクのミストが除去される。行き方向Y1の印刷では、右の除去装置70Bにおいて、インクのミストを含む空気が吸気口72からケース71内に取り込まれる。ケース71内に取り込まれたミストを含む空気は、送風機構85の駆動によって、第1除去通路81を通り、フィルタ90を通過する。このとき、ミストの少なくとも一部は、フィルタ90に捕集される。行き方向Y1の印刷では、右の除去装置70Bにおいて、ミスト用排気口74が開放されているため、フィルタ90を通過したミストを含む空気は、第2除去通路82へ流れずに、ミスト用排気口74からケース71の外部へ排出される。
第2除去制御部117は、帰り方向Y2の印刷のとき、図8に示すように、右の除去装置70Bで、埃除去機能に関する制御を行い、図6に示すように、左の除去装置70Aで、ミスト除去機能に関する制御を行う。帰り方向Y2の印刷のとき、第2除去制御部117は、図8に示すように、右の除去装置70Bに対して、閉鎖弁92でミスト用排気口74を閉鎖するように閉鎖機構95を制御すると共に、送風機構85を駆動させる。また、帰り方向Y2の印刷のとき、第2除去制御部117は、図6に示すように、左の除去装置70Aに対して、閉鎖弁92で連通口83を閉鎖するように閉鎖機構95を制御すると共に、送風機構85を駆動させる。
帰り方向Y2の印刷のときでは、図8に示すように、右の除去装置70Bの埃除去機能によって、印刷前に被印刷物5の部分に付着した埃が除去される。帰り方向Y2の印刷では、右の除去装置70Bにおいて、排気口73から排出された空気は、ガイド部材75にガイドされて吸気口72の真下に位置する被印刷物5に吹き付けられる。このとき、空気が吹き付けられた被印刷物5の部分に付着していた埃が舞い上がり、吸気口72からケース71内に取り込まれる。ケース71内に取り込まれた埃は、送風機構85の駆動によって、第1除去通路81を通り、フィルタ90で捕集される。この結果、フィルタ90を通過した空気が第2除去通路82に流れ、排気口73から排出される。
帰り方向Y2の印刷のときでは、図6に示すように、左の除去装置70Aのミスト除去機能によって、印刷直後において、インクヘッド36から被印刷物5に吐出されたインクのミストが除去される。帰り方向Y2の印刷では、左の除去装置70Aにおいて、インクのミストを含む空気が吸気口72からケース71内に取り込まれる。ケース71内に取り込まれたミストを含む空気は、送風機構85の駆動によって、第1除去通路81を通り、フィルタ90を通過する。このとき、ミストの少なくとも一部は、フィルタ90に捕集される。帰り方向Y2の印刷では、左の除去装置70Aにおいて、ミスト用排気口74が開放されているため、フィルタ90を通過したミストを含む空気は、第2除去通路82へ流れずに、ミスト用排気口74からケース71の外部へ排出される。
以上、本実施形態に係るプリンタ100では、図2に示すように、テーブル50は、被印刷物5を支持する。ガイドレール32は、テーブル50よりも上方に配置され、主走査方向Yに延びている。キャリッジ34は、ガイドレール32に摺動自在に設けられている。図4に示すように、インクヘッド36は、キャリッジ34に設けられ、インクを吐出する。除去装置70A、70Bは、キャリッジ34に設けられ、テーブル50に支持された被印刷物5上の埃を除去する。除去装置70A、70Bは、図5および図7に示すように、それぞれ中空のケース71と、除去通路80と、送風機構85と、フィルタ90とを備えている。ケース71には、テーブル50に向かって開口した吸気口72、および、テーブル50に向かって開口した排気口73が形成されている。除去通路80は、ケース71の内部に設けられ、吸気口72と排気口73とを繋ぐ。送風機構85は、除去通路80を通じて、吸気口72から排気口73に向かって空気を送る。フィルタ90は、除去通路80内に設けられ、埃を捕集する。
このことによって、図5に示すように、送風機構85の駆動によって排気口73から被印刷物5に空気が吹き付けられる。テーブル50に支持された被印刷物5に埃が付着している場合、被印刷物5に付着している埃は、排気口73から吹き付けられた空気によって舞い上がる。そして、舞い上がった埃が吸気口72からケース71内に取り込まれる。ケース71内に取り込まれた埃は、フィルタ90によって捕集される。このように、除去装置70A、70Bによって、被印刷物5に付着した埃を除去することができる。埃が除去された被印刷物5に対して印刷が行われることで、埃に起因して印刷の品質が低下することを抑制することができる。
本実施形態では、図4に示すように、除去装置70Bは、インクヘッド36における主走査方向Yの一方側(ここでは、インクヘッド36の右方側)に配置されている。このことによって、主走査方向Yの一方側に向かって(ここでは、帰り方向Y2)にインクヘッド36が移動している際に、インクヘッド36からインクが吐出されるとき、テーブル50に支持された被印刷物5にインクが吐出されるに先立って、被印刷物5に付着した埃を、除去装置70Bによって除去することができる。よって、埃が除去された被印刷物5に対して印刷を行うことができる。
本実施形態では、図5に示すように、排気口73は、吸気口72よりもインクヘッド36側に位置する。このことによって、インクヘッド36から離れた位置で、被印刷物5に付着した埃を、除去装置70A、70Bのケース71内に取り込むことができる。よって、排気口73から排出された空気が吹き付けられて舞い上がった埃が、インクヘッド36に付着し難くすることができる。
本実施形態では、図5および図7に示すように、除去装置70A、70Bは、排気口73を通過する空気を吸気口72の下方に送るガイド部材75を備えている。このことによって、排気口73から排出された空気を、吸気口72の下方に送ることができ、吸気口72の下方において、被印刷物5に付着した埃を舞い上げることができる。よって、被印刷物5から舞い上げられた埃を、吸気口72を通じてケース71内に取り込み易い。
本実施形態では、ガイド部材75は、下方に向かうにしたがって吸気口72側に傾斜した板状の部材である。このことで、板状のガイド部材75を傾斜させるという簡単な方法で、排気口73を通過する空気を吸気口72の下方に送ることができる。
本実施形態では、図5に示すように、除去通路80は、吸気口72と繋がる第1除去通路81と、第1除去通路81と繋がる連通口83を有し、排気口73と繋がる第2除去通路82と、を有している。ケース71には、第1除去通路81とケース71の外部とを連通させるミスト用排気口74が形成されている。除去装置70A、70Bは、図5および図6に示すように、連通口83とミスト用排気口74を選択的に閉鎖する閉鎖弁92を備えている。このことによって、除去装置70A、70Bに、テーブル50に支持された被印刷物5に付着した埃を除去する埃除去機能と、インクヘッド36から吐出されたインクのミストを除去するミスト除去機能との両方の機能を有させることができる。
例えば被印刷物5に付着した埃を除去したい場合には、図5に示すように、閉鎖弁92によってミスト用排気口74を閉鎖し、連通口83を開放する。このことで、排気口73から排出された空気を被印刷物5に吹き付けることで、被印刷物5に付着した埃を舞い上がらせて、埃をケース71内に取り込むことができる。例えばインクヘッド36から吐出されたインクのミストを除去したい場合には、図6に示すように、閉鎖弁92によって連通口83を閉鎖し、ミスト用排気口74を開放する。このことで、インクのミストは、吸気口72からケース71内に取り込まれ、フィルタ90に捕集される。例えばフィルタ90に捕集されないミストが存在した場合であっても、ミストは、空気と共にミスト用排気口74から排出されるため、テーブル50に支持された被印刷物5にミストが付着し難くすることができる。
本実施形態では、図5に示すように、排気口73および吸気口72は、ケース71の底面71aに形成されている。除去装置70A、70Bは、排気口73と吸気口72との間のケース71の底面71aの部位から上方に延び、第1除去通路81と第2除去通路82とを区画する区画壁84aを備えている。このことによって、区画壁84aによって、ケース71の内部を第1除去通路81と第2除去通路82とに容易に区画することができる。
本実施形態では、ミスト用排気口74は、ケース71の上面71bに形成されている。このことによって、例えばフィルタ90に捕集されないミストが存在した場合であっても、ミストは、空気と共にミスト用排気口74を通じて、ケース71の上面71bから排出される。よって、テーブル50に支持された被印刷物5にミストがより付着し難くすることができる。
本実施形態では、図4に示すように、除去装置70A、70Bは、それぞれインクヘッド36における主走査方向Yの他方側(ここでは左方側)および一方側(ここでは右方側)に配置されている。図3に示すキャリッジ移動機構44は、キャリッジ34、インクヘッド36および除去装置70A、70Bを主走査方向Yに移動させる。図11に示すように、制御装置110は、第1除去制御部115と、第2除去制御部117とを備えている。第1除去制御部115は、キャリッジ34、インクヘッド36および除去装置70A、70Bが行き方向Y1に移動している間、図5に示すように、左の除去装置70Aにおいて、閉鎖弁92でミスト用排気口74を閉鎖すると共に、送風機構85を駆動させ、かつ、図7に示すように、右の除去装置70Bにおいて、閉鎖弁92で連通口83を閉鎖すると共に、送風機構85を駆動させる。第2除去制御部117は、キャリッジ34、インクヘッド36および除去装置70A、70Bが帰り方向Y2に移動している間、図8に示すように、右の除去装置70Bにおいて、閉鎖弁92でミスト用排気口74を閉鎖すると共に、送風機構85を駆動させ、かつ、図6に示すように、左の除去装置70Aにおいて、閉鎖弁92で連通口83を閉鎖すると共に、送風機構85を駆動させる。
このことによって、行き方向Y1の印刷のときには、図5に示すように、左の除去装置70Aによって埃が除去され、図7に示すように、右の除去装置70Bによってインクのミストが除去される。一方、帰り方向Y2の印刷のときには、図8に示すように、右の除去装置70Bによって埃が除去され、図6に示すように、左の除去装置70Aによってインクのミストが除去される。よって、行き方向Y1の印刷、および、帰り方向Y2の印刷の両方の印刷において、テーブル50に支持された被印刷物5に付着した埃を除去しつつ、インクヘッド36から吐出されたインクのミストを除去することができる。
本実施形態では、図4に示すように、紫外線照射装置38A、38Bは、キャリッジ34に設けられ、テーブル50に支持された被印刷物5に紫外線を照射する。紫外線照射装置38Aは、インクヘッド36と除去装置70Aとの間に配置されている。紫外線照射装置38Bは、インクヘッド36と除去装置70Bとの間に配置されている。このことによって、除去装置70A、70Bは、インクヘッド36から多少離れた位置に配置されることになる。よって、除去装置70A、70Bにおいて、排気口73から排出された空気が吹き付けられて舞い上がった埃が、インクヘッド36により付着し難くすることができる。
以上、実施形態に係るプリンタ100について説明した。次に、実施形態に係る除去装置70A、70Bの変形例について説明する。なお、以下では、変形例の一部において、左の除去装置70Aに対する変形例についてのみ説明している。左の除去装置70Aのみ説明している変形例において、右の除去装置70Bの変形例は、左の除去装置70Aに対する変形例を、キャリッジ34を基準に反転した構成、すなわちキャリッジ34を基準に線対称となる構成である。
上記実施形態では、除去装置70A、70Bは、キャリッジ34(言い換えると紫外線照射装置38A、38B)に対して固定されていた。しかしながら、除去装置70A、70Bは、キャリッジ34に対して昇降可能であり、プリンタ100は、除去装置70A、70Bを昇降させる昇降機構を備えていてもよい。この場合、昇降機構は、例えば除去装置70A、70Bの昇降をガイドするガイド部と、除去装置70A、70Bに接続されたモータとを備えている。
この場合、例えば印刷時、除去装置70A、70Bのケース71の底面71aが、紫外線照射装置38A、38Bの照射口38が形成された照射面と同じ高さ、または当該照射面よりも下方に位置した状態で印刷が行われる。印刷が終了した時、昇降機構によって、除去装置70A、70Bのケース71の底面71aが紫外線照射装置38A、38Bの照射面よりも上方に位置するように、除去装置70A、70Bを上昇させる。このことによって、紫外線照射装置38A、38Bおよびインクヘッド36のクリーニングなどのメンテナンスが行い易い。
上記実施形態において、除去装置70A、70Bの各送風機構85は、個別にオンまたはオフの切り替え(言い換えると、送風機構85の回転モータ88(図11参照)の駆動または停止の切り替え)が可能に構成されてもよい。この場合、各除去装置70A、70Bが、テーブル50に支持された被印刷物5の印刷領域の上方(例えば真上)を通過する際に、送風機構85をオンに制御してもよい。各除去装置70A、70Bが、当該印刷領域外の真上を通過する際に、送風機構85をオフに制御してもよい。各除去装置70A、70Bが、被印刷物5の印刷領域の真上を通過し始める直前から送風機構85をオンに制御し、当該印刷領域の真上を通過し終えた直後に送風機構85をオフに制御してもよい。
上記実施形態において、除去装置70A、70Bの各送風機構85の風力、言い換えると回転モータ88の回転速度を個別に制御可能に構成されてもよい。埃よりもミストの方が軽く、ミストを除去する際の送風機構85の風力が、埃を除去する際の送風機構85の風力よりも弱い場合であっても、ミストを除去することが可能である。そのため、例えば除去装置70A、70Bに対して埃除去機能に関する制御を行う際、風力が第1の風力となるように送風機構85を制御してもよい。例えば除去装置70A、70Bに対してミスト除去機能に関する制御を行う際、風力が上記第1の風力よりも弱い第2の風力となるように送風機構85を制御してもよい。この第2の風力は、例えば第1の風力の70%以下であり、好ましくは50%以下である。
上記実施形態では、除去装置70A、70Bは、埃除去機能とミスト除去機能との両方の機能を有していた。しかしながら、除去装置70A、70Bのミスト除去機能は省略されてもよい。すなわち、除去装置70A、70Bにおいて、ケース71に形成されたミスト用排気口74、閉鎖弁92および閉鎖機構95は省略されてもよい。
上記実施形態では、紫外線照射装置38A、38Bは、それぞれ除去装置70A、70Bとインクヘッド36との間に配置されていた。しかしながら、紫外線照射装置38Aとインクヘッド36との間に、除去装置70Aが配置され、紫外線照射装置38Bとインクヘッド36との間に、除去装置70Bが配置されてもよい。
上記実施形態において、除去装置70A、70Bのケース71の一部(例えば上面71b)は、取り外し可能に構成されていてもよい。除去装置70A、70Bのフィルタ90は、消耗品であり、ある程度使用された後に交換されるものである。そのため、フィルタ90を交換する際、ケース71の一部を取り外すことで、フィルタ90の交換を容易に行うことができる。
図12は、変形例に係る除去装置170Aの底面図である。図12に示すように、除去装置170Aにおいて、3つの吸気口72は、排気口73よりもインクヘッド36とは反対側において、主走査方向Yに並ぶようにケース71の底面71aに形成されている。ケース71の底面71aには、更に、他の吸気口172a、172bが形成されている。他の吸気口172aは、排気口73の副走査方向Xの一方側(ここでは、前方側)に位置している。他の吸気口172bは、排気口73の副走査方向Xの他方側(ここでは、後方側)に位置している。他の吸気口172a、172bは、副走査方向Xよりも主走査方向Yに長い矩形状の孔である。図示は省略するが、他の吸気口172a、172bは、吸気口72と同様に、除去通路80の第1除去通路81(図5参照)と繋がっている。そのため、他の吸気口172a、172bからケース71内に取り込まれた埃、ミストや空気は、第1除去通路81を流れる。
このように、図12の変形例では、底面視において、排気口73は、吸気口72、他の吸気口172a、他の吸気口172bによって囲まれている。そのため、排気口73から排出された空気によって、被印刷物5から舞い上げられた埃が、排気口73の前方や後方に移動した場合であっても、当該埃を、他の吸気口172a、172bを通じてケース71に取り込むことができる。なお、図示は省略するが、排気口73における吸気口72とは反対側(図12では、吸気口72の右方側)におけるケース71の底面71aの部位にも、他の吸気口が形成されてもよい。この場合、排気口73は、四方から吸気口、他の吸気口に囲まれることになる。よって、より確実に埃をケース71内に取り込むことができる。
図13は、変形例に係る除去装置270Aを示す正面断面図である。図13に示すように、除去装置270Aにおいて、第1除去通路81には、フィルタ290、および、フィルタ290とは異なる他のフィルタ290aが設けられていてもよい。ここでは、フィルタ290は、支持壁84b上に配置されている。他のフィルタ290aは、フィルタ290よりも吸気口72に近い位置に配置されている。
フィルタ290および他のフィルタ290aは、多孔質を有する材料によって形成されているが、他のフィルタ290aは、フィルタ290に比べて大きい多孔質を有する材料によって形成されている。ここでは、他のフィルタ290aは、少なくとも埃を捕集することが可能に構成されている。他のフィルタ290aは、インクのミストの少なくとも一部を通過させるように構成されている。フィルタ290は、他のフィルタ290aに比べてインクのミストを捕集することが可能に構成されている。このことによって、第1除去通路81において、段階的に埃とミストを捕集して除去することで、フィルタ290および他のフィルタ290aの一方に偏って、埃とミストが捕集されることを抑制することができる。
図14は、変形例に係る除去装置370Aを示す正面断面図である。図14に示すように、除去装置370Aにおいて、第1除去通路81には、複数の第1付着壁381aと、複数の第2付着壁381bとが設けられている。第1付着壁381aは、第1除去通路81内において、ケース71から区画壁84aに向かって延びている。第1付着壁381aは、区画壁84aに接続されていない。第2付着壁381bは、第1除去通路81において、区画壁84aからケース71に向かって延びている。第2付着壁381bは、ケース71におけるインクヘッド36とは反対側の側面(図14では、ケース71の左面)に接続されていない。
本変形例では、高さ方向Zに沿って、第1付着壁381aと、第2付着壁381bとが交互に配置されている。そのため、第1除去通路81において、空気は、吸気口72から上方に向かって直線状に流れずに、第1付着壁381aおよび第2付着壁381bに接触しながら、曲線状に流れることになる。そのため、第1除去通路81を空気が流れるとき、空気と共に流れる埃やミストの一部は、第1付着壁381aおよび第2付着壁381bに付着して除去される。このように、本変形例では、ケース71内に取り込まれた埃およびミストの一部は、第1付着壁381aおよび第2付着壁381bに付着して除去されるため、フィルタ90を通過しようとする埃およびミストの量を軽減することができる。よって、フィルタ90の交換時期を遅らせることができる。
図15は、変形例に係る除去装置470Aを示す正面断面図である。図15に示すように、除去装置470Aの第1除去通路81において、フィルタ90と送風機構85との間には、脱臭部材499が設けられている。この脱臭部材499は、ミストから発生する臭気を取り除く部材である。ここでは、フィルタ90を通過したミストが、脱臭部材499を通過する際に、脱臭部材499によってミストから発生する臭気が取り除かれる。なお、脱臭部材499の具体的な種類などは特に限定されない。脱臭部材499は、例えば活性炭などの脱臭剤によって構成されている。この脱臭部材499を第1除去通路81に設けることで、ミストの臭気がケース71の外部に漏れ難くすることができる。
図16は、変形例に係る除去装置570Aを示す正面断面図である。図16に示すように、除去装置570Aの第1除去通路81には、光を発する光源598が設けられている。また、第1除去通路81には、光源598の一部を覆う光源壁599が設けられている。光源598は、ケース71の上面71bに設けられており、第1除去通路81内に光を発する。本実施形態では、光源壁599は、ケース71の上面71bから下方に延びている。この光源壁599とケース71の側面(図16では、ケース71の左面)との間に、光源598が配置されている。そのため、本変形例では、光源598は、下方に向かって光を発する。
本変形例では、光源598から光が発せられることで、第1除去通路81を流れるミストの硬化を促進させることができる。ミストは硬化することで、ミストから臭気を発生し難くすることができる。よって、光源598から発せられた光でミストの硬化を促進させることで、ミストから臭気が発生することを抑制することができる。また、本変形例では、光源598を、ケース71の側面と光源壁599との間に配置することで、光源598に埃やミストが付着し難くすることができる。
図17は、変形例に係る除去装置670Aを示す正面断面図である。図17に示すように、除去装置670Aの除去通路80には、熱源699が設けられている。熱源699は、例えば第2除去通路82に設けられている。熱源699の種類は特に限定されない。熱源699は、例えばヒータである。本変形例では、熱源699によって、第2除去通路82内が温められるため、排気口73から排出される空気も温められることになる。よって、熱源699によって温められた空気が、排気口73を通じてテーブル50に支持された被印刷物5に到達することで、被印刷物5を温めることができる。その結果、被印刷物5に吐出されたインクを硬化し易くすることができる。
なお、除去通路80には、イオンを発生させる静電気除去装置(いわゆるイオナイザ)が設けられていてもよい。この静電気除去装置は、第2除去通路82(例えば図17において、熱源699の位置、または、熱源699付近の位置)に設けられているが、第1除去通路81に設けられていてもよい。このように、除去通路80に静電気除去装置を設けることで、静電気除去装置から発生したイオンが、空気と共に排気口73を通じてテーブル50に支持された被印刷物5に到達する。よって、被印刷物5や埃の静電気を除去することができる。
5 被印刷物
32 ガイドレール
34 キャリッジ
36 インクヘッド
38A、38B 紫外線照射装置
44 キャリッジ移動機構(移動機構)
50 テーブル(支持台)
70A、70B、170A、270A、370A、470A、570A、670A 除去装置
71 ケース
72 吸気口
73 排気口
74 ミスト用排気口
75 ガイド部材
80 除去通路
81 第1除去通路
82 第2除去通路
83 連通口
84a 区画壁
85 送風機構
90 フィルタ
92 閉鎖弁
100 プリンタ(インクジェットプリンタ)
110 制御装置
115 第1除去制御部
117 第2除去制御部

Claims (12)

  1. 被印刷物を支持する支持台と、
    前記支持台よりも上方に配置され、主走査方向に延びたガイドレールと、
    前記ガイドレールに摺動自在に設けられたキャリッジと、
    前記キャリッジに設けられ、インクを吐出するインクヘッドと、
    前記キャリッジに設けられ、前記支持台に支持された前記被印刷物上の埃を除去する除去装置と、
    を備え、
    前記除去装置は、
    前記支持台に向かって開口した吸気口、および、前記支持台に向かって開口した排気口が形成された中空のケースと、
    前記ケースの内部に設けられ、前記吸気口と前記排気口とを繋ぐ除去通路と、
    前記除去通路を通じて、前記吸気口から前記排気口に向かって空気を送る送風機構と、
    前記除去通路内に設けられ、埃を捕集するフィルタと、
    を備えた、インクジェットプリンタ。
  2. 前記除去装置は、前記インクヘッドにおける前記主走査方向の一方側に少なくとも配置されている、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
  3. 前記排気口は、前記吸気口よりも前記インクヘッド側に位置する、請求項1または2に記載されたインクジェットプリンタ。
  4. 前記除去装置は、前記排気口を通過する空気を前記吸気口の下方に送るガイド部材を備えた、請求項1から3までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
  5. 前記ガイド部材は、下方に向かうにしたがって前記吸気口側に傾斜した板状の部材である、請求項4に記載されたインクジェットプリンタ。
  6. 前記除去通路は、
    前記吸気口と繋がる第1除去通路と、
    前記第1除去通路と繋がる連通口を有し、前記排気口と繋がる第2除去通路と、
    を有し、
    前記ケースには、前記第1除去通路と前記ケースの外部とを連通させるミスト用排気口が形成され、
    前記除去装置は、前記連通口と前記ミスト用排気口を選択的に閉鎖する閉鎖弁を備えた、請求項1から5までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
  7. 前記排気口および前記吸気口は、前記ケースの底面に形成され、
    前記除去装置は、前記排気口と前記吸気口との間の前記ケースの底面の部位から上方に延び、前記第1除去通路と前記第2除去通路とを区画する区画壁を備えた、請求項6に記載されたインクジェットプリンタ。
  8. 前記ミスト用排気口は、前記ケースの上面に形成されている、請求項6または7に記載されたインクジェットプリンタ。
  9. 前記除去装置は、前記インクヘッドにおける前記主走査方向の一方側および他方側に配置されている、請求項6から8までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
  10. 前記キャリッジ、前記インクヘッドおよび前記除去装置を前記主走査方向に移動させる移動機構と、
    制御装置と、
    を備え、
    前記主走査方向のうち一方から他方に向かう方向を行き方向とし、かつ、前記主走査方向のうち他方から一方に向かう方向を帰り方向としたとき、
    前記制御装置は、
    前記キャリッジ、前記インクヘッドおよび前記除去装置が前記行き方向に移動している間、前記他方側の前記除去装置において、前記閉鎖弁で前記ミスト用排気口を閉鎖すると共に、前記送風機構を駆動させ、かつ、前記一方側の前記除去装置において、前記閉鎖弁で前記連通口を閉鎖すると共に、前記送風機構を駆動させる第1除去制御部と、
    前記キャリッジ、前記インクヘッドおよび前記除去装置が前記帰り方向に移動している間、前記一方側の前記除去装置において、前記閉鎖弁で前記ミスト用排気口を閉鎖すると共に、前記送風機構を駆動させ、かつ、前記他方側の前記除去装置において、前記閉鎖弁で前記連通口を閉鎖すると共に、前記送風機構を駆動させる第2除去制御部と、
    を備えた、請求項9に記載されたインクジェットプリンタ。
  11. 前記キャリッジに設けられ、前記支持台に支持された前記被印刷物に紫外線を照射する紫外線照射装置を備えた、請求項1から10までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
  12. 前記紫外線照射装置は、前記インクヘッドと前記除去装置との間に配置されている、請求項11に記載されたインクジェットプリンタ。
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