JP2021160288A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦帯電等による静電気を利用した集塵器や空気清浄装置に適用することができる積層ポリエステルフィルムに関し、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させることができ、かつ表面に付着した塵や油分を容易に除去することが可能な、積層ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】厚みが1〜15μmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面側に樹脂層を備え、樹脂層がフッ素含有化合物を含有する、積層ポリエステルフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくはポリエステルフィルムの少なくとも片面側にフッ素含有化合物を含有する樹脂層を備える積層ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途に使用されている。一方で、ポリエステルフィルムは、高い電気絶縁性を有しているため、極めて帯電しやすく、静電気の発生に種々の問題が発生することも知られている。
ところで、最近では、電気集塵器のような放電部を必要としない、摩擦帯電等による静電気を利用した集塵器や空気清浄装置が注目されている。
例えば特許文献1には、平行に複数且つ複数列に設けた集塵手段または平板状の集塵板と、前記集塵手段または集塵板の外面を摩擦して静電気を帯電させる摩擦手段または摩擦板と、前記摩擦手段または摩擦板を前記集塵手段または集塵板の外面に沿って摩擦移動させる駆動手段と、前記摩擦手段または摩擦板を保持する保持手段とを備え、前記集塵手段または集塵板は列ごとにプラスに帯電する材料またはマイナスに帯電する材料で構成した集塵装置が開示されており、集塵板と摩擦板の材質としては、アクリルとナイロン、ポリエステルとナイロン等が開示されている。
特開2002−336733号公報
本発明者らが、ポリエステルフィルムの帯電しやすい特性を活かし、ポリエステルフィルムを摩擦帯電等による静電気を利用した集塵器に適用しようと検討したところ、ポリエステルフィルム自体では、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させることが困難であるという問題が生じることが分かった。さらに、ポリエステルフィルム表面に付着した塵や油分を除去することが困難であるという新たな問題が生じることが分かった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、摩擦帯電等による静電気を利用した集塵器や空気清浄装置に適用することができる積層ポリエステルフィルムに関し、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させることができ、かつ表面に付着した塵や油分を容易に除去することが可能な、積層ポリエステルフィルムを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、厚みが1〜15μmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面側に樹脂層を備え、樹脂層がフッ素含有化合物を含有する積層ポリエステルフィルムにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 厚みが1〜15μmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面側に樹脂層を備え、樹脂層がフッ素含有化合物を含有する、積層ポリエステルフィルム。
[2] 前記ポリエステルフィルムの両面側に樹脂層を備える、上記[1]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[3] 厚みが10μm以下である、上記[1]又は[2]に記載の積層ポリエステルフィルム。
[4] 樹脂層が架橋剤由来の化合物を含有する、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルム。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルムを含む空気清浄装置。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させることができ、かつ表面に付着した塵や油分を容易に除去することが可能であり、摩擦帯電等による静電気を利用した集塵器や空気清浄装置に好適に適用することができる。
≪積層ポリエステルフィルム≫
本発明の積層ポリエステルフィルムは、厚みが1〜15μmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面側に樹脂層を備え、樹脂層がフッ素含有化合物を含有する。
[ポリエステルフィルム]
本発明で使用されるポリエステルフィルムは、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造の場合、2層構造、3層構造等でもよいし、本発明の要旨を逸脱しない限り、4層又はそれ以上の多層であってもよく、層数は特に限定されない。また、ポリエステルフィルムは、二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、ホモポリエステルであってもよく、共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとの重縮合ポリマーであることが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。
共重合ポリエステルは、例えば、ジカルボン酸成分とグリコール成分の重縮合ポリマーであることが好ましい。ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸等)等の一種又は二種以上が挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種又は二種以上が挙げられる。
共重合ポリエステルは、ジカルボン酸成分がテレフタル酸を含み、グリコール成分がエチレングリコールを含むことが好ましい。ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の含有量は、ジカルボン酸成分の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。また、グリコール成分中のエチレングリコールの含有量は、グリコール成分の好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。
また、共重合体ポリエステルは、ジカルボン酸成分及びグリコール成分以外の二官能性化合物由来の構成単位を含んでもよい。ジカルボン酸成分及びグリコール成分以外の二官能性化合物由来の構成単位は、ポリエステルを構成する全構成単位の総モルに対して、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。二官能性化合物としては、各種のヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール等が挙げられる。
ポリエステルの極限粘度は、特に限定されないが、製膜性、生産性等の観点から、好ましくは0.45〜1.0dL/g、より好ましくは0.5〜0.9dL/gである。
ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸等のポリカルボン酸と脂肪族グリコール等のポリオールを脱水重縮合して製造されることが好ましいが、エステル交換法等により製造してもよい。ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等が挙げられる。この中でも、チタン化合物及びゲルマニウム化合物から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。チタン化合物及びゲルマニウム化合物は触媒活性が高く、少量で重合を行うことが可能である。そのため、フィルム中に残留する金属量が少ないことから、ポリエステルフィルムの絶縁性が保たれ、厚み方向の電気漏洩を防ぐことができ、ポリエステルフィルムの帯電電位を保つことができる。さらに、ゲルマニウム化合物は高価であることから、チタン化合物を用いることがより好ましい。
チタン化合物を用いたポリエステルの場合、ポリエステルフィルムにおけるチタン元素含有量は、好ましくは50ppm以下、より好ましくは1〜20ppm、更に好ましくは2〜10ppmの範囲である。なお、チタン元素含有量は、ポリエステルフィルムが多層である場合には、各層におけるチタン元素含有量が上記範囲内となることが好ましい。チタン化合物の含有量を上記の上限値以下とすることで、ポリエステル表面の帯電電位の電気漏洩を防ぎ、高い帯電電位を保つフィルムとすることができる。また、含有量を上記の下限値以上とすることで、重合効率が良好となって、コストが低くなり、また十分な強度を有するフィルムを得やすくなる。
チタン化合物を含有するポリエステルを用いる場合、溶融押出する工程での劣化抑制の目的で、チタン化合物の活性を下げるためにリン化合物をポリエステルに配合することが好ましい。リン化合物としては、ポリエステルの生産性や熱安定性を考慮すると、正リン酸、エチルアシッドフォスフェート等のアルキルアシッドフォスフェートが好ましい。
ポリエステルフィルムにおけるリン元素含有量は、好ましくは1〜300ppm、より好ましくは3〜200ppm、更に好ましくは5〜100ppmの範囲である。なお、リン元素含有量は、ポリエステルフィルムが多層である場合には、チタン元素を含有する層におけるリン元素含有量が上記範囲内となることが好ましい。リン化合物の含有量を上記の上限値以下とすることで、リン化合物がゲル化や異物の原因となることを防止できる。また、上記の下限値以上とすることで、チタン化合物の活性を十分に下げることができ、黄色味のあるフィルムとなることを防止できる。
本発明において、ポリエステルフィルムは、易滑性の付与及び各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を含有してもよい。
粒子を含有する場合、粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されない。当該粒子の具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機粒子;アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フッ素含有化合物、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。これらの中でも特に少量で効果が出やすいという点でシリカ粒子や炭酸カルシウム粒子が好ましい。
また、粒子の平均粒径は、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは0.01〜3.0μmの範囲である。平均粒径が5.0μm以下であれば、フィルムの表面粗度が大きくなることを防止することができ、後工程の種々の加工で不具合が生じにくくなる。また、平均粒径が上記範囲内の粒子を使用することで、ヘーズが低く抑えられ、積層ポリエステルフィルム全体として透明性を確保しやすい。
粒子の形状は特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれであってもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
粒子を含有する場合、ポリエステルフィルムにおける粒子の含有量は、ポリエステルフィルム全量に対して、好ましくは5質量%未満、より好ましくは0.0003〜1質量%の範囲、更に好ましくは0.0005〜0.5質量%の範囲である。粒子含有量を5質量%未満とすることで、ヘーズが高くなることを防止して、透明性を確保しやすくなる。そのため、例えば、種々の検査時に、異物等の欠陥検査等を容易に行うことができる。
なお、ポリエステルフィルムが粒子を含有しない場合、あるいは含有量が少ない場合は、ポリエステルフィルムの透明性が高くなり、外観が良好なフィルムとなるが、滑り性が不十分となる場合がある。そのため、後述する樹脂層中に粒子を入れることにより、滑り性を向上させてもよい。
ポリエステルフィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、ポリエステルフィルムの各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後に添加するのがよい。また、エステル化もしくはエステル交換反応をした後に、溶融重縮合、固相重合等を行う場合には、エステル化もしくはエステル交換反応をした後であり、かつ溶融重縮合前又は固相重合前に粒子を添加することがより好ましい。
ポリエステルフィルムが、多層である場合には、少なくともいずれか1つの層に粒子を含有させるとよいが、最外層に粒子を含有させることが好ましい。例えば、最外層、中間層、及び最外層をこの順に備える多層構造においては、各最外層に粒子を含有させるとよい。
なお、本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立する観点から、1〜15μmの範囲であり、好ましくは2〜10μm、より好ましくは2〜8μmの範囲である。
ポリエステルフィルムの製造方法としては、通常知られている製法を採用でき、特に制限はない。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する場合、まず先に述べたポリエステル原料を、押出機を用いてダイから溶融押し出しして、溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートを一方向にロール又はテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸する。延伸温度は、通常70〜170℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。引き続き180〜270℃の温度で緊張下又は30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る方法が挙げられる。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、ポリエステルフィルムの製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向(MD)及び幅方向(TD)に同時に延伸し配向させる方法である。延伸倍率は、面積倍率で通常4〜50倍、好ましくは7〜35倍、より好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、180〜270℃の温度で緊張下又は30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
[樹脂層]
本発明において、樹脂層はフッ素含有化合物を含有する。樹脂層は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面側に備えられていればよく、両面側に備えられてもよい。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、フッ素含有化合物を含有する樹脂層を備えることで、ポリエステルフィルム単独よりも、厚み当たりの帯電電位を向上させ、帯電電位の減衰をより抑制させることが可能となり、かつ積層ポリエステルフィルム表面に付着した塵や油分を容易に除去することが可能となる。
(フッ素含有化合物)
フッ素含有化合物は、樹脂層の強度を高めるという観点からフッ素含有樹脂であることが好ましい。フッ素含有樹脂の具体例としては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等を単量体とするフルオロオレフィン系共重合樹脂;フルオロメチレンエーテル、ジフルオロメチレンエーテル、フルオロエチレンエーテル、ジフルオロエチレンエーテル、テトラフルオロエチレンエーテル、ヘキサフルオロプロピレンエーテル等の、水素原子の一部又は全てがフッ素原子に置換されたポリアルキレンエーテルとその他の単量体とを重合してなるフッ素系共重合樹脂;ヒドロキシ基含有のフッ素樹脂共重合体と(メタ)アクリル酸エステル系化合物又は他の単量体とをグラフト重合してなるフッ素系共重合樹脂;パーフルオロアルキル基を有するビニル重合体等が挙げられる。中でも帯電電位の向上に優れる点や、塵や油分の拭き取り性に優れるという観点から、フルオロオレフィン系共重合樹脂や、水素原子の一部又は全てがフッ素化されたポリアルキレンエーテル基を含むフッ素樹脂共重合体が好ましい。
フルオロオレフィン系共重合樹脂の単量体の中でも、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンが好ましい。また、水素原子の一部又は全てがフッ素原子に置換されたポリアルキレンエーテルの中でも、ジフルオロメチレンエーテル、ジフルオロエチレンエーテル、テトラフルオロエチレンエーテルが好ましい。フッ素含有樹脂がフッ素含有単量体からなる場合、溶媒への分散性や他の樹脂との相溶性の観点から、その他の成分との混合分散体であることが好ましい。その他の成分としては、後述する。
水素原子の一部又は全てがフッ素原子に置換されたポリアルキレンエーテルとその他の単量体を重合してなるフッ素系共重合樹脂としては、ポリフルオロアルキレンエーテル基を有するウレタン樹脂、ポリフルオロアルキレンエーテル基を有するポリエステル樹脂、ポリフルオロアルキレンエーテル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。
ポリフルオロアルキレンエーテル基を有するウレタン樹脂を構成するその他の単量体としては、イソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等が例示される。
ウレタン樹脂を構成するその他の単量体として、その他に、フッ素原子を含まないポリオール類、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸等のカルボキシ基を有するポリオール等が挙げられる。これらの中でも、水を分散溶媒とする場合に自己乳化できるという観点からカルボキシ基を有するポリオールを含むことが好ましく、中でもジメチロールプロパン酸がより好ましい。
本発明において、樹脂層は、フッ素含有化合物を含有する樹脂層形成組成物より形成されてなることが好ましい。樹脂層形成組成物は、不揮発成分としてフッ素含有化合物からなるものでもよいし、その他の成分を含有してもよい。
樹脂層形成組成物におけるフッ素含有化合物の含有量は、樹脂層形成組成物における不揮発成分に対して、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは20〜98質量%、更に好ましくは45〜95質量%の範囲である。5質量%以上とすることで、厚み当たりの帯電電位を向上させ、帯電電位の減衰をより抑制させることが可能となり、かつ積層ポリエステルフィルム表面に付着した塵や油分を容易に除去することが可能となる。
(架橋剤)
樹脂層形成組成物は、更に架橋剤を含有してもよい。すなわち、樹脂層は、架橋剤により架橋されていてもよく、架橋剤由来の化合物を含有してもよい。本発明において、樹脂層は、架橋剤が用いられなくても、帯電電位の減衰を抑制できるが、樹脂層の耐久性や基材との密着性の観点からは架橋剤を使用することが好ましい。
架橋剤としては、種々公知の架橋剤が使用できるが、例えば、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、シランカップリング化合物等が挙げられる。これらの中でも樹脂層の耐久性を向上できるという観点から、メラミン化合物が好適に用いられる。架橋剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
メラミン化合物とは、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことであり、例えば、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。アルキロール化としては、メチロール化、エチロール化、イソプロピロール化、n−ブチロール化、イソブチロール化等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、メチロール化が好ましい。エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等が好適に用いられ、これらの中ではメチルアルコールがより好ましい。
また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。さらに、メラミン化合物の反応性を上げるために、樹脂層形成組成物には、更に触媒を配合してもよい。
なお、上記した架橋剤は、乾燥過程や製膜過程において反応させて、樹脂層の性能を向上させるように設計するとよい。形成される樹脂層中には、架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測される。
本発明の樹脂層形成組成物において架橋剤の含有量は、樹脂層形成組成物における不揮発成分に対して、好ましくは3〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは10〜30質量%の範囲である。3質量%以上とすることで、架橋剤を配合したことにより効果を発揮しやすくなる。また、50質量%以下とすることで、樹脂層形成組成物にフッ素含有化合物を一定量以上配合できるので、高い帯電電位を保持することができる。
(その他の成分)
また、樹脂層形成組成物には、上記したフッ素含有化合物及び架橋剤以外のポリマー成分を含有させることも可能である。ポリマー成分を併用することで、例えば、樹脂層の外観の向上やポリエステルフィルムに対する密着性の向上を図ることができる。また、フッ素含有化合物の溶媒に対する分散性を高める観点から、ポリマー成分をフッ素含有化合物に混合した分散体であることが好ましい。
樹脂層形成組成物におけるポリマー成分の含有量は、特に限定されないが、フィルム表面の帯電電位を高いレベルで保持できるという観点から、多過ぎないことが好ましい。具体的には、質量基準でフッ素含有化合物に対して500質量%以下が好ましく、フッ素含有化合物に対して100質量%以下がより好ましく、フッ素含有化合物の50質量%以下が更に好ましい。
ポリマー成分の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂(アクリルポリマー)、ウレタン樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール等)、導電性ポリマー、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース、でんぷん類等が挙げられる。また、ポリマー成分は、活性エネルギー照射や加熱により重合してポリマーとなる光重合性成分、熱重合性成分であってもよい。ポリエステルフィルムへの密着性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。またフッ素含有化合物の分散性を向上させ、樹脂層の外観を向上させるという観点からはポリアクリル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂としては、主な構成成分として例えば、下記のような多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物からなるものが挙げられる。多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩及びそれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エチレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム等が挙げられる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
ポリアクリル樹脂とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーを含む重合性モノマーからなる重合体である。これらは、単独重合体あるいは共重合体、更にはアクリル系、メタアクリル系のモノマー以外の重合性モノマーとの共重合体、いずれでも差し支えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、又はポリエステル分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、又は分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。また、基材との密着性をより向上させるために、ヒドロキシ基、アミノ基を含有することも可能である。
上記重合性モノマーとしては、特に限定はしないが、特に代表的な化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシ基含有モノマー類及びそれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モノマー類;塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類が挙げられる。
また、樹脂層形成組成物には、ブロッキング、滑り性改良を目的として粒子を含有させることも可能である。粒子の平均粒径は、フィルムの透明性の観点から、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.2μm以下の範囲である。また、粒子の平均粒径は、滑り性をより効果的に向上させるために、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上であり、更に好ましくは樹脂層の厚さよりも大きい範囲である。粒子の具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、有機粒子等が挙げられる。それらの中でも、透明性の観点からシリカが好ましい。
樹脂層形成組成物における粒子の含有量は、樹脂層形成組成物中の不揮発成分に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは2〜10質量%の範囲である。粒子の含有量を上記範囲内とすることで、ヘーズ値を良好にしつつ、ブロッキング、滑り性を適切に改良できる。
さらに、本発明の趣旨を損なわない範囲において、樹脂層形成組成物には、必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等を含有させることも可能である。
また、樹脂層の厚さは、最終的に得られる積層ポリエステルフィルムにおける樹脂層の厚さとして、好ましくは0.03〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、更に好ましくは0.08〜0.5μmの範囲である。厚さを0.03μm以上とすることで、フィルム表面に付着した塵や油分を容易に除去することや高い帯電電位を保つができる。また、2μm以下とすることで、積層ポリエステルフィルムを薄膜化することや製造コストを抑えることができる。
[積層ポリエステルフィルムの製造方法]
本発明の積層ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面側に、フッ素含有化合物を含む樹脂層形成組成物を塗布することによって前記樹脂層を形成することで製造できる。樹脂層は、上記した樹脂層形成組成物を塗布液として、ポリエステルフィルムの少なくとも片面側に塗布して形成すればよい。樹脂層は、ポリエステルフィルムに樹脂層形成組成物を塗布した後に必要に応じて加熱等して、適宜乾燥、硬化等させるとよい。
樹脂層形成組成物は、溶媒により希釈することで塗布液としてもよい。樹脂層形成組成物を構成する各成分(フッ素含有化合物、架橋剤等)は、溶媒に溶解させてもよいし、溶媒中に分散させてもよい。樹脂層形成組成物に用いる溶媒には制限はなく、水及び有機溶剤のいずれを使用すればよいが、環境保護の観点から、水を溶媒とする水性塗布液とすることが好ましく、フッ素含有化合物を水分散体とすることがより好ましい。水性塗布液は、少量(例えば、水の50質量%未満、好ましくは20質量%未満)の有機溶剤を含有していてもよい。塗布液中の樹脂層形成組成物の含有量は、塗工時の粘度を抑えることで樹脂層の外観を向上する観点や、塗布液中の安定性を高めるという観点から、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが更に好ましく、そして、樹脂層を形成する観点から、0.5質量%以上が好ましい。
ポリエステルフィルムに塗布液(樹脂層形成組成物)を塗布する方法としては、例えば、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、ナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファロールコート、グラビアコート、キスロールコート、キャストコート、スプレイコート、カーテンコート、カレンダコート、押出コート等従来公知の塗布方法を用いることができる。
樹脂層は、ポリエステルフィルムの製造ラインでフィルム表面に塗布液を塗布するインラインコーティングにより形成されてもよく、一旦製造したポリエステルフィルム上に、系外(製造ライン外)で塗布液を塗布するオフラインコーティングにより形成してもよいが、好ましくはインラインコーティングにより形成する。
インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程ライン内でコーティングを行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階でコーティングを行う方法である。通常は、溶融、急冷して得られる未延伸シート、延伸された一軸延伸フィルムのいずれかにコーティングする。
また、特に限定するものではないが、例えば逐次二軸延伸においては、特に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルムにコーティングした後に横方向に延伸する方法が優れている。かかる方法によれば、ポリエステルフィルムの製膜と樹脂層形成を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがあり、また、コーティング後に延伸を行うために、樹脂層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。
また、上記のとおり、延伸前にフィルム上に樹脂層を形成すると、樹脂層をポリエステルフィルムと共に延伸することができ、それにより樹脂層をポリエステルフィルムに強固に密着させることができる。さらに、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造において、クリップ等によりフィルム端部を把持しつつ延伸することで、フィルムを縦及び横方向に拘束することができ、熱固定工程において、しわ等が入らず平面性を維持したまま高温をかけることができる。
それゆえ、コーティング後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温とすることができるために、樹脂層の造膜性が向上し、樹脂層とポリエステルフィルムをより強固に密着させることができ、さらには、強固な樹脂層とすることができる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に樹脂層を形成する際の乾燥及び硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより樹脂層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが好ましい。一方、インラインコーティングにより樹脂層を設ける場合、通常、70〜270℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが好ましい。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングにかかわらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。なお、活性エネルギー線照射は、樹脂層形成組成物が、例えばポリマー成分として光重合性化合物を含有する場合に行うことが好ましい。本発明の積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムに対して、あらかじめコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
[積層ポリエステルフィルムの特性及び用途]
本発明の積層ポリエステルフィルムは、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させることができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムにおいて、10kVで1分間印加した時点の表面帯電電位(V)をV0とし、印加終了後から5分間経過後の表面帯電電位(V)をV5としたとき、(V5/V0)×100の値は、帯電電位の減衰抑制率(%)を表し、当該値が高いほど帯電電位の減衰を抑制できることを示す。当該値は、好ましくは50%を超え、より好ましくは60%以上、更に好ましくは68%以上、更に好ましくは72%以上である。
また、印加終了後から10分間経過後の表面帯電電位(V)をV10としたとき、(V10/V0)×100の値は、帯電電位の減衰抑制率(%)を表し、当該値が高いほど帯電電位の減衰を抑制できることを示す。当該値は、好ましくは50%を超え、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上、更に好ましくは63%以上である。上限値は100%である。
当該値が上記範囲内であれば、本発明の積層ポリエステルフィルムは、帯電電位の減衰を抑制することができ、好ましい。なお、表面帯電電位は、後述の実施例に記載の方法で測定される。
また、本発明の積層ポリエステルフィルムにおいて、印加終了後から5分間経過後の表面帯電電位(V)をV5とし、ポリエステルフィルムの厚み(μm)をdとしたとき、V5/dの値は印加終了後から5分間経過後の厚み当たりの帯電電位(V/μm)を表す。当該値は、好ましくは220V/μmを超え、より好ましくは250V/μm以上、更に好ましくは280V/μm以上である。
また、印加終了後から10分間経過後の表面帯電電位(V)をV10としたとき、V10/dの値は印加終了後から10分間経過後の厚み当たりの帯電電位(V/μm)を表す。当該値は、好ましくは210V/μmを超え、より好ましくは220V/μm以上、更に好ましくは230V/μm以上である。当該値が上記範囲内であれば、本発明の積層ポリエステルフィルムは、厚み当たりの帯電電位に優れ、好ましい。
厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させる観点から、(V5/V0)×100の値が68%以上であり、かつ、V5/dの値が220V/μmを超えることが好ましい。また(V10/V0)×100の値が60%以上であり、かつ、V10/dの値が210V/μmを超えることが好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムの厚みは、使用する際に省スペース化可能となる観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、更に好ましくは8μm以下である。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、様々な用途に特に制限なく使用でき、高い電気絶縁性を有しており、極めて帯電しやすいという特性を必要とする用途において好適に用いることができる。具体的には、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させることが可能であるため、摩擦帯電等による静電気を利用した集塵器や空気清浄装置の集塵部材及び捕集部材として好適に用いることができる。また、本発明の積層ポリエステルフィルムは高い電気絶縁性及び高誘電率を示すため、フィルムコンデンサの部材としても好適に用いることができる。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいて更に詳述する。なお、実施例及び比較例中「部」とあるのは「質量部」を示す。
下記実施例及び比較例での各種物性の測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度
ポリエステルに非相溶な成分を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒100mLを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)粒子の平均粒径
粒子の平均粒径は、10個以上の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)観察して粒子の直径を測定し、その平均値として求めた。その際、非球状粒子の場合は、最長径及び最短径の平均値を各粒子の直径として測定した。
(3)フィルム厚み
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(4)表面帯電電位
23℃50%環境下で、帯電電荷減衰度測定器「スタティックオネストメータ H−0100」(シシド静電気株式会社製)を用い、45mm×45mmサイズにカットした試料片を用い、印加電極と試料片取付枠面の距離、およびと受電部の電極と試料片取付枠面の高さを20mmとし、プラス印加、印加電圧10kVで帯電電圧の半減時間測定を行った。印加時間を1分間とし、1分間印加した時点の表面帯電電位(V)をV0とし、印加終了から5分経過後の表面帯電電位(V)をV5、印加終了から10分経過後の表面帯電電位(V)をV10とした。なお、印加終了から5分後もしくは10分後までに帯電電位が半減した場合はその時点で測定を終了した。
(5)帯電電位の減衰抑制率
上記(4)の手法で測定した表面帯電電位(V)より、5分後の減衰抑制率を(V5/V0)×100の値、及び10分後の減衰抑制率を(V10/V0)×100の値を帯電電位の減衰抑制率(%)とした。
(6)インク除去性
油性ペン「マジックインキ M700−T1」(寺西化学工業株式会社製)を用いて樹脂層表面にインクの線を書いた後、紙ワイパー「JKワイパー」(日本製紙クレシア株式会社製)を用いてインクを拭き取り、樹脂層表面のインクの残り方を確認した。
インクがはじかれ、線とならなかった場合を○、拭き取りで線が消えた場合を△、拭き取りで線が消えなかった場合を×とした。
実施例及び比較例において使用したポリエステルは、以下のとおりである。
<ポリエステル(A)>
重合触媒としてテトラブチルチタネート(チタン元素として8ppm)を用いた、極限粘度が0.63dL/gであるポリエチレンテレフタレートホモポリマー。
<ポリエステル(B)>
平均粒径0.6μmの単分散球状シリカ粒子を0.2質量%含有し、重合触媒としてテトラブチルチタネート(チタン元素として8ppm)を用いた、極限粘度が0.65dL/gであるポリエチレンテレフタレートホモポリマー。
調製例1〜4
(塗布液1〜4の調製)
下記表1に示す組成にて撹拌混合して得られる樹脂層形成組成物を水で希釈して、塗布液1〜4を調製した。使用した化合物は以下のとおりである。
<フッ素含有化合物(IA)>
イソホロンジイソシアネート/ジメチロールプロパン酸/パーフルオロエーテルグリコール(ジフルオロエチレンオキサイド:ジフルオロメチレンオキサイド:テトラフルオロエチレンオキサイド=5:43:52(mol%))=49/28/23(mol%)である、フッ素系ポリエーテルウレタン樹脂の水分散体
<フッ素含有化合物(IB)>
フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン=76/6/18(mol%)であるフッ素系ポリマーと、2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート=35/65(mol%)であるアクリルポリマーとの質量比[フッ素系ポリマー:アクリルポリマー]が54:46である、フッ素樹脂とアクリルポリマーとの混合物の水分散体
<フッ素含有化合物(IC)>
フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン=76/6/18(mol%)であるフッ素系ポリマーと、2−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート/シクロヘキシルアクリレート=25/30/45(mol%)であるアクリルポリマーとの質量比[フッ素系ポリマー:アクリルポリマー]が19:81である、フッ素樹脂とアクリルポリマーとの混合物の水分散体
<ポリエステル樹脂(II)>
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
<メラミン化合物(III)>
ヘキサメトキシメチロールメラミン
Figure 2021160288
実施例1
ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ80質量%、20質量%の割合で混合した混合原料(粒子含有量0.04質量%)を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)のみを中間層の原料とした。最外層の原料及び中間層の原料の各々を2台の押出機に供給し、各々285℃で溶融した後、25℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:6:1の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向(MD)に3.2倍延伸した。この縦延伸フィルムの両面に塗布液1を塗布し、テンターに導き、横方向(TD)に110℃で4.5倍延伸した。220℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、樹脂層厚みが0.10μm、樹脂層を除いたポリエステルフィルムの厚みが5μm(合計5.2μm)の積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例2
樹脂層厚みを0.15μmに変更した以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例3
塗布液1を塗布液2に変更した以外は実施例2と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例4
塗布液1を塗布液3に変更した以外は実施例2と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例5
塗布液1を塗布液4に変更した以外は実施例2と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例6
ポリエステルフィルムの厚みを8μmに変更した以外は実施例2と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例7
ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ80質量%、20質量%の割合で混合した混合原料(粒子含有量0.04質量%)を用いて単層の層構成にし、ポリエステルフィルムの厚みを2μmに変更した以外は実施例2と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
比較例1
樹脂層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
比較例2
樹脂層を設けなかったこと以外は実施例6と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
比較例3
樹脂層を設けなかったこと以外は実施例7と同様にして、積層ポリエステルフィルムを得た。
Figure 2021160288
本発明の積層ポリエステルフィルムは、厚み当たりの帯電電位及び帯電電位の減衰抑制を両立させることができ、かつ表面に付着した塵や油分を容易に除去することが可能であるため、摩擦帯電による静電気を利用した集塵器や空気清浄装置の部材として用いることができる。また、本発明の積層ポリエステルフィルムは高誘電率を示すため、フィルムコンデンサにも好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 厚みが1〜15μmであるポリエステルフィルムの少なくとも片面側に樹脂層を備え、樹脂層がフッ素含有化合物を含有する、積層ポリエステルフィルム。
  2. 前記ポリエステルフィルムの両面側に樹脂層を備える、請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
  3. 厚みが10μm以下である、請求項1又は2に記載の積層ポリエステルフィルム。
  4. 樹脂層が架橋剤由来の化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の積層ポリエステルフィルムを含む空気清浄装置。
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