JP2021160207A - 剥離シート - Google Patents

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Koji Tsuchibuchi
直紀 田矢
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Abstract

【課題】精密な凸部形状を形成することが可能な剥離シートを提供する。【解決手段】基材層と、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)とを有し、樹脂層(Z)の表面に、凸部が存在し、樹脂層(Z)の表面の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定される弾性率が、1.0×105Pa以上、2.6×108Pa以下である、剥離シートに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、剥離シートに関する。
一般的な粘着シートは、基材と、該基材上に形成された粘着剤層と、必要に応じて該粘着剤層上に設けられた剥離材から構成されており、使用に際しては、剥離材が設けられている場合には、その剥離材を剥がし、粘着剤層を被着体に当接させて貼付する。
ところで、例えば、識別用、装飾用、塗装マスキング用、金属板等の表面保護用等に使用する貼付面積が大きい粘着シートは、被着体に貼付する際に、粘着剤層と被着体との間に空気溜まりが発生しやすく、その部分が「ふくれ」となって、外観を損なうという問題がある。
このような問題を解決するための方法の一つとして、粘着シートの粘着剤層の表面に、微細な凹部(溝)を有する粘着シートを用いることで、当該凹部を通して、粘着剤層と被着体との間に存在する空気溜りを粘着シートの外部に逃がし、「ふくれ」の発生を防止するといった方法が用いられている。
そして、このような粘着シートを製造する方法の一例として、剥離処理層上に凸部を有する剥離シートを用い、当該剥離シートの剥離処理層の表面に、所望の粘着シートを得るための粘着剤層を形成し、前記剥離処理層上の凸部の形状を、前記粘着剤層に転写して、粘着剤層に凹部を形成するという方法が知られている。
例えば、特許文献1には、所定の凹部を有する粘着剤層を有する粘着シートを製造するための剥離シートとして、支持体として紙基材を用い、当該紙基材に樹脂層としてポリエチレンをラミネートした後、当該ポリエチレン層にエンボスロールを用いて所定の形状の凸部を形成した剥離シート用基材を作製後、更に、ポリエチレン層の凸部を有する面にシリコーンを塗布することによって作製された、形状転写面を有する剥離シートが開示されている。
特開2013−049818号公報
しかしながら、特許文献1中に開示されている剥離シートのように、支持体と樹脂層とを有する積層体の当該樹脂層の表面にエンボス処理等により凸部を形成した後、更に剥離剤を塗布して剥離シートを作製する場合、得られる剥離シート上の凸部形状が剥離剤により被覆されるため、凸部の幅が広がる等、本来意図していた凸部の形状よりも大きい凸部が形成されることになる。
例えば、前述した態様の「ふくれ」を防止するために用いられる粘着シートの場合、前述した空気を逃がすために設けられた粘着剤層表面の構造が、粘着剤層の表面とは反対側の基材表面にまで浮き出てしまうこともある。そのため、当該粘着シートのように粘着剤層の表面に凹凸形状を有する粘着シートの場合、被着物に貼付した際の粘着シートの外観をより美しくするために、基材表面への浮き出しが生じないよう、粘着剤層上により微細な凹凸構造や溝構造を設けることが要求されている。このような外観に対する影響の他、粘着特性等の粘着シートの特性にも影響を与えるリスクを低減するためにも、より精密な凸部形状の維持が可能な剥離シートが要求されている。
このような観点から、凸部を有する剥離シートを用いて被転写物に当該凸部形状を転写するような用途においては、より微細な形状や、意図した形状(凹部の幅等)の転写が要求されている。そのため、当該形状を転写するために用いられる剥離シートとして、より精密な凸部形状(凸部の幅等)の形成が可能な剥離シートが求められている。
したがって、本発明は、精密な凸部形状を形成することが可能な剥離シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、基材層と、特定の樹脂を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)とを有し、樹脂層(Z)の表面に、凸部が存在し、樹脂層(Z)が特定の弾性率を満たす剥離シートが、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[17]を提供する。
[1] 基材層と、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)とを有し、樹脂層(Z)の表面に、凸部が存在し、
樹脂層(Z)の表面の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定される弾性率が、1.0×10Pa以上、2.6×10Pa以下である、剥離シート。
[2] 成分(A)の含有量が、前記樹脂組成物100質量%中、1質量%以上、50質量%以下である、前記[1]に記載の剥離シート。
[3] 成分(A)が、下記一般式(1)を構成単位として1つ以上含むヒドロシラン化合物(a1’)に由来する構成単位(a1)と、末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)に由来する構成単位(a2)とを有する共重合体である、前記[1]又は[2]に記載の剥離シート。
Figure 2021160207
(一般式(1)中、Rは、炭化水素基又はケイ素含有基を表す。
は、酸素原子、硫黄原子又はNR11を表す。Nは窒素原子であり、R11は水素原子又は炭化水素基を表す。)
ヒドロシラン化合物(a1’)中、Rが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
ヒドロシラン化合物(a1’)中、Yが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
[4] 樹脂層(Z)の厚さが、1μm以上、50μm以下である、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[5] 前記樹脂組成物が、更にポリオレフィン系樹脂(B)を含む、前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[6] 前記樹脂組成物中に含まれる、成分(A)と成分(B)との含有量比〔A/B〕が、質量比で、1/99以上、50/50以下である、前記[5]に記載の剥離シート。
[7] 成分(B)の含有量が、前記樹脂組成物100質量%中、50質量%以上、99質量%以下である、前記[5]又は[6]に記載の剥離シート。
[8] 成分(B)が、ポリエチレン系樹脂(B1)を含む、前記[5]〜[7]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[9] 成分(B)が、融点が100℃以下のポリオレフィン系樹脂(B2)を含む、前記[5]〜[8]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[10] 成分(B2)の含有量が、成分(B)100質量%中、5質量%以上、50質量%以下である、前記[9]に記載の剥離シート。
[11] 成分(B2)が、エチレンを主成分モノマーとする共重合体であって、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上とからなる共重合体である、前記[9]又は[10]に記載の剥離シート。
[12] 樹脂層(Z)の凸部が存在する表面に、他の層が積層しない、前記[1]〜[11]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[13] 前記凸部の幅が、22μm以下である、前記[1]〜[12]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[14] 前記凸部の高低差が、0.5μm以上である、前記[1]〜[13]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[15] 前記基材層と樹脂層(Z)との間に、更に密着層(X1)を有する、前記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の剥離シート。
[16] 密着層(X1)の厚さが、1μm以上である、前記[15]に記載の剥離シート。
[17] 前記[1]〜[16]のいずれか1つに記載の剥離シートの製造方法であって、少なくとも、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)となる層を、溶融押出法により形成し、層(Z)となる層の表面をエンボスロール表面に押し付けて、樹脂層(Z)となる層の表面に凸部を形成して、樹脂層(Z)を形成する工程(2)を有する、剥離シートの製造方法。
本発明によれば、精密な凸部形状を形成することが可能な剥離シートを提供し得る。
本発明の剥離シートの構成の一例を示す断面模式図であって、樹脂層(Z)の表面に存在する凸部が判別できるような面で切断した剥離シートの断面模式図である。 本発明の剥離シートの構成の一例を示す断面模式図であって、樹脂層(Z)の表面に存在する凸部が判別できるような面で切断した剥離シートの断面模式図である。 本発明の剥離シートの構成の一例を示す断面模式図であって、樹脂層(Z)の表面に存在する凸部が判別できるような面で切断した剥離シートの断面模式図である。 本発明の剥離シートが有する樹脂層(Z)の構成の一例を示す断面模式図であって、樹脂層(Z)の表面に存在する凸部が判別できるような面で切断した剥離シートの断面模式図である。 本発明の剥離シートの一例を示す平面模式図である。 本発明の剥離シートの一例を示す平面模式図である。 本実施態様の一例である実施例1で作製した剥離シートの凸部の高低差を確認した際の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 本実施態様の一例である実施例1で作製した剥離シートの凸部の幅を確認した際のデジタル顕微鏡画像の一例である。
[剥離シート]
本発明の剥離シートは、基材層と、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)とを有し、樹脂層(Z)の表面に、凸部が存在し、
樹脂層(Z)の表面の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定される弾性率が、1.0×10Pa以上、2.6×10Pa以下である。
以下に、本発明の実施態様に係る剥離シートの一例を、図1〜図3を用いて説明するが、本発明の剥離シートは、本発明の効果が発現する限り、以下の例に限定されるものではない。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の剥離シートの構成の一例を示す、剥離シート10、20及び30の断面模式図であって、樹脂層(Z)(以下、単に「層(Z)」ともいう。)3の表面に存在する凸部6が判別できるような面で切断した断面模式図である。
例えば、図6の平面模式図に示す本発明の剥離シートの構成の一例である剥離シート50について、A−A線で切断した場合には、図1〜図3に示すような断面模式図が得られる。
本発明の剥離シートとしては、例えば、図1に示す剥離シート10のように、基材層1と、凸部6を有する樹脂層(Z)3とをこの順で積層した構造を有するものが挙げられる。本発明の剥離シートは、層(Z)がシリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された層である。そのため、例えば、層(Z)の凸部が存在する表面に、更に、従来の剥離シートが有する剥離剤層のような層を積層しなくても、十分な剥離性を有することが可能となる。そのため、例えば、後述する製造方法等により樹脂層に設けられた凸部の形状をそのまま利用することが可能となり、前記剥離剤層のような他の層を設ける工程で生じる当該凸部の変形を抑制することができる。したがって、例えば、意図的に設計される凸部形状や、より高精細な凸部形状を有する剥離シートを得ることが可能となる。また、従来の剥離シートが有するような剥離剤層を設ける工程も削減可能であり、剥離シートを製造する時の工程数を削減できる。このような観点から、層(Z)の凸部が存在する表面には、他の層が積層しない態様であることが好ましい。
また、本発明の剥離シートの好適な態様の例としては、基材層と層(Z)との間での剥離を抑制する観点から、図2に示す剥離シート20、又は図3に示す剥離シート30のように、基材層1と、密着層(X1)(以下、単に「層(X1)」ともいう。)2と、凸部6を有する層(Z)3とをこの順で積層した構造を有するものが挙げられる。本発明の剥離シートの構成においては、図2又は図3に示すように基材層1と、層(X1)2と、層(Z)3とが、この順で直接積層していることがより好ましい。
ここで、「直接積層」とは、例えば、図1に示す剥離シート10の場合、基材層1と、層(Z)3との間に、他の層を有さずに、2層が直接接触している構成を指す。また、例えば、図2に示す剥離シート20の場合、基材層1と、層(X1)2と、層(Z)3との間に、他の層を有さずに、3層が直接接触している構成を指す。
また、例えば、図2又は図3中に示すように、層(Z)3が有する凸部6に対して、凸部6が存在しない箇所は、相対的に層(Z)3が有する凹部7と称することもある。
また、本発明の剥離シートは、例えば、図2に示す剥離シート20のように、剥離シートのカールの発生を抑制できる観点から、基材層1の層(Z)3とは反対側に、更に、密着層(X2)(以下、単に「層(X2)」ともいう。)4及び樹脂層(Y)(以下、単に「層(Y)」ともいう。)5をこの順で有する態様であってもよい。当該態様の場合、基材層1と、層(X2)4と、層(Y)5とが、この順で直接積層していることが好ましい。
また、本発明の剥離シートは、図3に示す剥離シート30のように、剥離シートのカールの発生を抑制できる観点から、前記基材層1の層(Z)3とは反対側に、更に、層(Y)5を有する態様であってもよい。当該態様の場合、基材層1と、層(Y)5とが、この順で直接積層していることが好ましい。
以下、本発明の剥離シートが有する各層について説明する。
なお、本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは30以上、そして、好ましくは90以下、より好ましくは60以下」という記載から、「好ましい下限値(10)」と「より好ましい上限値(60)」とを組み合わせて、好適範囲を「10以上、60以下」とすることもできる。同様に、「好ましくは10〜90、より好ましくは30〜60」という記載から、「10〜60」とすることもできる。なお、特に言及しない限り、好ましい数値範囲として単に「10〜90」と記載する場合、10以上90以下の範囲を表す。
また、本明細書中、組成物中の「有効成分」とは、当該組成物中に含まれる成分中、希釈溶剤を除いた成分を指す。
<基材層>
前記基材層としては、例えば、薄葉紙、中質紙、上質紙、含浸紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、無塵紙等の紙基材;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等のプラスチックフィルム;ポリオレフィン系樹脂合成紙、ポリスチレン系樹脂合成紙、ポリ塩化ビニル系樹脂合成紙、ポリエステル系樹脂合成紙等の合成紙;不織布;等が挙げられる。これらの中では、好ましくは紙基材又はプラスチックフィルムであり、より好ましくは紙基材である。
また、基材層として紙基材を用いる場合、用いる紙のワイヤー面を層(Z)側の面とすることが好ましい。ここで「ワイヤー面」とは紙を抄紙する際に抄紙ワイヤー側に接していた面をいう。また、紙基材の「ワイヤー面」とは反対側の面を「フェルト面」ともいう。
また、基材層の一方の表面又は両方の表面に対し、酸化法や凹凸化法等の表面処理を施してもよい。
酸化法としては、特に限定されず、例えば、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、クロム酸酸化(湿式)、火炎処理法、熱風処理法、紫外線−オゾン処理法等が挙げられる。
また、凹凸化法としては、特に限定されず、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理は、基材層の種類に応じて適宜選定されるが、基材層と隣接する層との密着性向上の観点、及び操作性の観点から、コロナ放電処理法及び紫外線−オゾン処理法から選ばれる1種以上が好ましく、コロナ放電処理法と紫外線−オゾン処理法との両方を行うことがより好ましい。
また、基材層の一方又は両方の表面上には、必要に応じて、プライマー層、目止め層等を設けてもよい。
プライマー層を構成する成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
目止め層は、基材層と基材層と隣接する層との密着性を更に向上させるために、又は、基材層が紙基材等の柔軟すぎる基材の場合に、剛性を付与するために設けられる。当該目止め層としては、特に制限はないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を主成分として、必要に応じ、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等のフィラーを添加したもの等からなる層が挙げられる。
これらその他の層を有する場合、その厚さは、それぞれ独立に、好ましくは、0.05〜30μm、より好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは0.1〜1μm、より更に好ましくは0.1〜0.5μmである。
なお、本発明で用いる基材層には、所望により、更に、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤等が含有されていてもよい。
基材層の厚さは、剥離シートの用途に応じて適宜設定されるが、取扱性及び経済性の観点から、好ましくは10〜250μm、より好ましくは20〜200μm、更に好ましくは50〜180μmである。
<樹脂層(Z)>
樹脂層(Z)は、シリル化ポリオレフィン(A)(以下、単に「成分(A)」ともいう。)を含む樹脂組成物から形成された層であって、樹脂層(Z)の表面に凸部が存在し、樹脂層(Z)の表面の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定される弾性率が、1.0×10Pa以上、2.6×10Pa以下である。
当該弾性率の値が、上記範囲外であると、凸部形状の維持と剥離性とのバランスに優れる樹脂層(Z)が得難くなる。
凸部形状の維持と剥離性とのバランスに優れる樹脂層(Z)とする観点から、前記弾性率の値は、好ましくは1.0×10Pa以上、より好ましくは1.0×10Pa以上、更に好ましくは1.0×10Pa以上であり、そして、好ましくは2.5×10Pa以下、より好ましくは2.3×10Pa以下、更に好ましくは2.0×10Pa以下、より更に好ましくは1.8×10Pa以下、より更に好ましくは1.6×10Pa以下、より更に1.4×10Pa以下である。
前記弾性率の値は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定される貯蔵弾性率の値である。
また、当該弾性率の値は、樹脂層(Z)の形成材料である樹脂組成物中に含まれる樹脂の種類、構成モノマー、分子量、含有量等を調整することによって、適宜、調整することができる。
また、前記樹脂組成物が、成分(A)を含まない場合、前述のとおり、得られる剥離シートが十分な剥離性を有することができず、また、十分な剥離性を得るために更に剥離剤層を設ける等の処理が必要となる場合、凸部の精密さが損なわれるだけでなく、剥離シートを製造する時の工程数の増加にも繋がる。
(シリル化ポリオレフィン(A))
シリル化ポリオレフィン(A)としては、好ましくは下記一般式(1)を構成単位として1つ以上含むヒドロシラン化合物(a1’)(以下、「モノマー(a1’)」ともいう。)に由来する構成単位(a1)と、末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)(以下、「モノマー(a2’)」ともいう。)に由来する構成単位(a2)とを有する共重合体である。
シリル化ポリオレフィン(A)は、ヒドロシラン化合物(a1’)中の−Si−Hと、末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)中の−C=C(ビニル基)とが反応した、−Si−C−C−構造を含む。
ヒドロシラン化合物(a1’)と末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)との共重合体の重合形態は特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであってもよいが、ブロック共重合体であることが好ましい。
Figure 2021160207
前記一般式(1)中、Rは、炭化水素基又はケイ素含有基を表す。Rは、好ましくは炭化水素基であり、より好ましくは脂肪族炭化水素基であり、更に好ましくはアルキル基であり、より更に好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、より更に好ましくはメチル基である。
は、酸素原子、硫黄原子又はNR11を表す。Nは窒素原子であり、R11は水素原子又は炭化水素基を表す。Yは、好ましくは酸素原子である。
ヒドロシラン化合物(a1’)中、Rが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
ヒドロシラン化合物(a1’)中、Yが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
ここで、ヒドロシラン化合物(a1’)は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2021160207
一般式(2)中、R及びYは前記一般式(1)中のR及びYと同一であり、その好適な態様も同様である。
は、炭化水素基を表し、好ましくは脂肪族炭化水素基、より好ましくはアルキル基、更に好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、より更に好ましくはメチル基である。
は、酸素原子、硫黄原子又はNR12を表す。Nは窒素原子であり、R12は水素原子又は炭化水素基を表す。Yは、好ましくは酸素原子である。
mは、1以上20以下の整数であり、好ましくは1以上6以下の整数である。
nは、0以上20以下の整数であり、好ましくは0又は1である。
nが1以上の場合、Zは下記一般式(4)で表される2価の連結基を表す。
nが0の場合、Zは下記一般式(4)で表される2価の連結基、又はYとRの直接結合を表す。
及びRは、それぞれ独立に、炭化水素基又は下記一般式(3)で表される基を表す。当該炭化水素基は、好ましくは脂肪族炭化水素基、より好ましくはアルキル基、更に好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、より更に好ましくはメチル基である。但し、nが0の場合、Rは、水素原子であってもよい。
、及びRが複数存在する場合、それぞれ独立に、それらは同一であっても異なっていてもよい。
、及びYが複数存在する場合、それぞれ独立に、それらは同一であっても異なっていてもよいが、全てが酸素原子であることが好ましい。
Figure 2021160207
前記一般式(3)中、Rは、炭化水素基を表し、好ましくは脂肪族炭化水素基、より好ましくはアルキル基、更に好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、より更に好ましくはメチル基である。
複数存在するRはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、これらは同一であることが好ましい。
pは1〜100の整数であり、好ましくは1である。
Figure 2021160207
前記一般式(4)中、Rは、炭化水素基を表し、好ましくは脂肪族炭化水素基、より好ましくはアルキル基、更に好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、より更に好ましくはメチル基である。
複数存在するRはそれぞれ同一でも異なっていても良いが、これらは同一であることが好ましい。
qは、0以上500以下の整数である。
また、ヒドロシラン化合物(a1’)は、以下の一般式(5)で表される構造のものであってもよい。
なお、下記一般式(5)中、qは前記一般式(4)と同様である。
Figure 2021160207
末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)は、ビニル基を1つ以上含む末端二重結合含有ポリオレフィンである。
末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)は、末端二重結合含有ポリオレフィンのビニル基以外の部分が、エチレン単独重合鎖、プロピレン単独重合鎖、又は炭素数2〜50のオレフィンからなる群から選択される2種以上のオレフィンの共重合鎖であることが好ましい。
これらの中でも、より好ましくはエチレン単独重合鎖、プロピレン単独重合鎖、又はエチレン、プロピレン、ブテン、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、2個以上の二重結合を有する環状ポリエン及び2個以上の二重結合を有する鎖状ポリエンからなる群から選択される2種以上のオレフィンの共重合鎖であり、更に好ましくはエチレン単独重合鎖、プロピレン単独重合鎖、オレフィンとジエンとの共重合鎖、エチレンとプロピレンとの共重合鎖、エチレンとノルボルネンとの共重合鎖、又はエチレンとビニルノルボルネンとの共重合鎖である。
また、末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)の数平均分子量(Mn)は好ましくは100以上500,000以下である。
なお、当該数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される標準ポリスチレン換算の値である。
シリル化ポリオレフィン(A)は、例えば、ヒドロシラン化合物(a1’)と末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)を、例えば、特開2010−37555公報、特開2011−26448号公報に記載されているように、ヒドロシラン化合物(a1’)及びハロゲン化遷移金属から調製される遷移金属触媒組成物の存在下で反応させることにより得られる。
ヒドロシラン化合物(a1’)と末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)との量比については、生成しようとするシリル化ポリオレフィン(A)の構造によって異なるが、好ましくは、末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)中のビニル基とヒドロシラン化合物(a1’)中のSi−H結合との当量比として0.01〜10当量倍の範囲であり、より好ましくは0.1〜2当量倍の範囲である。
シリル化ポリオレフィン(A)の具体例としては、以下の一般式(6)〜(8)で表されるポリオルガノシロキサンブロック(シリコーンブロック)をもつ構造のオレフィン−シリコーン共重合体が挙げられる。但し、シリル化ポリオレフィン(A)は、これらに限定されるものではない。
ここで、下記一般式(6)〜(8)中、qは、前記一般式(4)で説明したqと同様の数値である。なお、樹脂層(Z)の剥離力を適切な値に制御しやすくする観点から、qの値は好ましくは5〜200、より好ましくは10〜100である。
また、rは、1以上の整数であり、好ましくは100〜10,000、より好ましくは200〜10,000である。
また、下記一般式(6)〜(8)中、[ ]内に示される末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)に由来する構成単位中の2つのRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基を表す。ここで、例えば、[ ]内に示される構造は、末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)を構成するオレフィン由来の構成単位である。当該オレフィンがエチレンである場合、2つのRはともに水素原子である。当該オレフィンがプロピレンである場合、2つのRのうち一方は水素原子であり、もう一方はメチル基である。[ ]で示される構造が複数存在する場合、それぞれのrの値は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Figure 2021160207
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成分(A)の含有量は、剥離シートの剥離性を向上させる観点から、前記樹脂組成物100質量%中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下である。
(ポリオレフィン系樹脂(B))
前記樹脂組成物は、更に、ポリオレフィン系樹脂(B)(以下、単に「成分(B)」ともいう。)を含有することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(B)としては、例えば、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、並びに環状オレフィンからなる群より選ばれる1種以上をモノマーとして重合される重合体が挙げられる。
前記炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン;1−ブテン等の炭素数4の各種α―オレフィン;1−ペンテン等の炭素数5の各種α−オレフィン;1−ヘキセン等の炭素数6の各種α−オレフィン;1−ヘプテン等の炭素数7の各種α−オレフィン;1−オクテン等の炭素数8の各種α−オレフィン;等の各種α−オレフィンが挙げられる。
前記炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜10のα−オレフィン、より好ましくは炭素数3〜8のα−オレフィン、更に好ましくは炭素数3〜6のα−オレフィンである。
環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンが挙げられる。
成分(B)は、エチレンを主成分モノマーとする重合体(エチレン単独重合体を含む。)であるポリエチレン系樹脂(B1);プロピレンを主成分モノマーとする重合体(プロピレン単独重合体を含む。)であるポリプロピレン系樹脂;1−ブテンを主成分モノマーとする重合体(1−ブテン単独重合体を含む。)であるポリブテン系樹脂;及び4−メチル−1−ペンテンを主成分モノマーとする重合体(4−メチル−1−ペンテン単独重合体を含む。)4−メチル−1−ペンテン系樹脂;から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ポリエチレン系樹脂(B1)及びポリプロピレン系樹脂から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、ポリエチレン系樹脂(B1)を含むことが更に好ましい。
また、前述の主成分モノマーとともにその他モノマーを共重合する場合、当該その他モノマーとしては、好ましくはエチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる1種以上である。
本明細書において、「主成分モノマー」とは重合体を構成する各モノマー由来の構成単位の全量100モル%中、最も多く含まれる構成単位を形成するモノマーを指す。
〔ポリエチレン系樹脂(B1)〕
ポリエチレン系樹脂(B1)(以下、単に「成分(B1)」ともいう。)としては、前述のとおり、エチレン単独重合体であってもよく、エチレンと、前述した炭素数3〜20のα−オレフィン及び前述した環状オレフィンからなる群より選ばれる1種以上とからなるエチレンを主成分モノマーとする共重合体であってもよい。
また、成分(B1)が、炭素数3〜20のα−オレフィン及び/又は環状オレフィン由来の構成単位を含有する場合、エチレンの含有量は、エチレンが主成分モノマーである限り特に制限はなく、適宜、調整することができるが、成分(B1)を構成する各モノマー由来の構成単位の全量100モル%中、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、そして、99.9モル%以下である。
また、成分(B1)が、炭素数3〜20のα−オレフィン及び/又は環状オレフィン由来の構成単位を含有する場合、その含有量は、特に制限はなく、適宜、調整することができるが、成分(B1)を構成する各モノマー由来の構成単位の全量100モル%中、好ましくは0.1モル%以上であり、そして、好ましくは15モル%未満、より好ましくは10モル%未満、更に好ましくは5モル%未満である。
前記樹脂組成物が、成分(B1)を含有することで、剥離シートを粘着剤層から剥離する時のジッピングや、ジッピングに伴って粘着剤層表面の平滑性が損なわれることを抑制することができるため好ましい。
成分(B1)としては、剥離シートの剥離性を向上させる観点から、密度が900kg/m以上、930kg/m未満であるポリエチレン系樹脂(B1−1)(以下、単に「成分(B1−1)」ともいう。)を含むことが好ましい。
また、成分(B1)としては、耐熱性向上により凸部形状を維持し易くする観点から、密度が930kg/m以上、960kg/m以下であるポリエチレン系樹脂(B1−2)(以下、単に「成分(B1−2)」ともいう。)を含むことが好ましい。
剥離シートの剥離性と凸部形状の維持とをバランスよく両立する観点から、成分(B1)としては、成分(B1−1)及び成分(B1−2)を共に含有してもよい。
成分(B1−1)としては、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)等の低密度ポリエチレンが挙げられる。
成分(B1−1)の密度は、より好ましくは900〜925kg/m、更に好ましくは900〜920kg/mである。
成分(B1−1)のJIS K6922−1に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは1〜20g/10min、より好ましくは3〜15g/10minである。
また、成分(B1−1)の融点は、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃超である。
成分(B1)が、成分(B1−1)を含有する場合、凸部形状の維持と剥離性とのバランスが取れた層(Z)を得易くする観点から、成分(B1−1)の含有量は、成分(B1)100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下である。
成分(B1−2)としては、例えば、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。
成分(B1−2)の密度は好ましくは930〜950kg/m、より好ましくは930〜945kg/m、更に好ましくは930〜940kg/mである。
成分(B1−2)のJIS K6922−1に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは1〜20g/10min、より好ましくは3〜15g/10minである。
また、成分(B1−2)の融点は、好ましくは105℃以上、より好ましくは110℃以上である。
成分(B1)が、成分(B1−2)を含有する場合、凸部形状の維持と剥離性とのバランスが取れた層(Z)を得易くする観点から、成分(B1−2)の含有量は、成分(B1)100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
成分(B1)が、成分(B1−1)及び(B1−2)の両方を含有する場合、前記樹脂組成物中に含まれる、成分(B1−1)と成分(B1−2)との含有量比〔(B1−1)/(B1−2)〕は、質量比で、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、更に好ましくは25/75以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは80/20以下、更に好ましくは70/30以下、より更に好ましくは60/40以下である。
また、ポリエチレン系樹脂(B1)としては、剥離シートの剥離性をより向上させる観点から、更に、密度が900kg/m未満であるポリエチレン系樹脂(B1−3)(以下、単に「成分(B1−3)」ともいう。)を含むことが好ましい。
成分(B1−3)としては、好ましくはエチレンを主成分モノマーとする共重合体であって、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上とからなる共重合体、より更に好ましくはエチレンを主成分モノマーとする重合体であって、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上とからなる共重合体、より更に好ましくは、エチレン−1−ブテン共重合体である。
また、成分(A)との相乗効果により、剥離シートをより軽剥離化し易くなる観点から、成分(B1−3)の融点は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
成分(B1)が、成分(B1−3)を含有する場合、剥離性をより向上させる観点から、成分(B1−3)の含有量は、成分(B1)100質量%中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上であり、そして、凸部形状の維持の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下である。
なお、成分(B1)のうち、融点が100℃以下である成分は、成分(B1)に含まれると共に、後述するポリオレフィン系樹脂(B2)の態様にも含まれる。
また、前記各樹脂の密度及び融点の値は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定される値を用いることができる。
成分(B1−1)、成分(B1−2)、成分(B1−3)からなる群より選ばれる1種以上の合計含有量は、成分(B1)100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。また、当該合計含有量は、より更に好ましくは100質量%である。
成分(B)が、成分(B1)を含有する場合、剥離シートを粘着剤層から剥離する時のジッピングや、ジッピングに伴って粘着剤層表面の平滑性が損なわれることをより抑制することができる観点から、成分(B1)の含有量は、成分(B)100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。また、当該含有量は、より更に好ましくは100質量%である。また、当該含有量は、より更に好ましくは100質量%である。
成分(B)が、成分(B1−1)を含有する場合、凸部形状の維持と剥離性とのバランスが取れた層(Z)を得易くする観点から、成分(B1−1)の含有量は、成分(B)100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下である。
成分(B)が、成分(B1−2)を含有する場合、凸部形状の維持と剥離性とのバランスが取れた層(Z)を得易くする観点から、成分(B1−2)の含有量は、成分(B)100質量%中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
成分(B)が、成分(B1−3)を含有する場合、剥離性をより向上させる観点から、成分(B1−3)の含有量は、成分(B)100質量%中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上であり、そして、凸部形状の維持の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下である。
〔融点が100℃以下のポリオレフィン系樹脂(B2)〕
成分(B)は、融点が100℃以下のポリオレフィン系樹脂(B2)(以下、単に「成分(B2)」ともいう。)を含むことが好ましい。
成分(B)が、成分(B2)を含むことで、成分(A)との相乗効果により、剥離シートをより軽剥離化できるため好ましい。
成分(B2)の融点は、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
当該融点の値は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定される値を用いることができる。
成分(B2)としては、例えば、エチレン、及び前述した炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上からなる共重合体が挙げられ、融点が100℃以下である成分(B1)も含まれる。
これらの中でも、エチレンを主成分モノマーとする共重合体、プロピレンを主成分モノマーとする共重合体、1−ブテンを主成分モノマーとする共重合体から選ばれる1種以上が好ましく、エチレンを主成分モノマーとする共重合体がより好ましい。
また、これら主成分モノマーとともに共重合するその他モノマーとしては、好ましくはエチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種以上、より好ましくはエチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる1種以上、好ましくはエチレン及び炭素数3〜8のα−オレフィンから選ばれる1種以上である。
成分(B2)の更に好適な態様としては、成分(B1−3)の好適な態様として前述したもののうち融点が100℃以下のものが挙げられる。具体的には、成分(B2)としては、更に好ましくはエチレンを主成分モノマーとし、融点が100℃以下である共重合体であって、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上とからなる共重合体、より更に好ましくはエチレンを主成分モノマーとし、融点が100℃以下である共重合体であって、エチレンと炭素数3〜6のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上とからなる共重合体、より更に好ましくは、融点が100℃以下であるエチレン−1−ブテン共重合体である。
成分(B)が、成分(B2)を含有する場合、剥離性をより向上させる観点から、成分(B2)の含有量は、成分(B)100質量%中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上であり、そして、凸部形状維持の観点から、当該成分(B2)の含有量は、成分(B)100質量%中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下である。
成分(B1)及び成分(B2)からなる群より選ばれる1種以上の合計含有量は、成分(B)100質量%中、好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。また、当該合計含有量は、より更に好ましくは100質量%である。
また、成分(B)が、成分(B1)と成分(B2)とを共に含有する場合、成分(B1)と成分(B2)との含有量比〔B1/B2〕は、剥離シートの剥離性と凸部形状の維持とをバランスよく両立する観点から、質量比で、好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上、更に好ましくは75/25以上であり、そして、好ましくは99/1以下、より好ましくは95/5以下、更に好ましくは90/10以下である。
なお、前述のとおり、成分(B1)のうち、融点が100℃以下である成分は、成分(B1)に含まれると共に、成分(B2)の態様にも含まれる。したがって、成分(B2)が、融点が100℃以下である成分(B1)を含有する場合、前記成分(B)中の成分(B2)の含有量には、当該成分(B2)中に含まれる融点が100℃以下である成分(B1)の量も含まれることになる。
ここで、前記「成分(B1)及び成分(B2)からなる群より選ばれる1種以上の合計含有量の値」及び「成分(B1)と成分(B2)との含有量比〔B1/B2〕」を算出する場合、融点が100℃以下である成分(B1)の含有量については、重複を避けるため、成分(B1)の含有量ではなく、成分(B2)の含有量に含めて算出するものとする。
成分(B)の含有量は、耐熱性向上により凸部形状を維持し易くする観点から、前記樹脂組成物100質量%に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは75質量%以上であり、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは92質量%以下である。
前記樹脂組成物中に含まれる、成分(A)と成分(B)との含有量比〔A/B〕は、剥離シートの剥離性と凸部形状の維持とをバランスよく両立する観点から、質量比で、好ましくは1/99以上、より好ましくは5/95以上、更に好ましくは8/92以上であり、そして、好ましくは50/50以下、より好ましくは40/60以下、更に好ましくは30/70以下、より更に好ましくは25/75以下である。
前記樹脂組成物には、上述した各樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の樹脂成分を含有していてもよい。
その他の樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂;後述する共重合体;後述する共重合体以外のアクリル系樹脂;後述する共重合体以外のビニル系樹脂等が挙げられる。
前記樹脂組成物がその他樹脂を含む場合、剥離シートを粘着剤層から剥離する時のジッピングや、ジッピングに伴って粘着剤層表面の平滑性が損なわれることを抑制することができるという観点から、前記樹脂組成物中に含まれるその他の樹脂の含有量は、成分(B)100質量部に対して、好ましくは10質量部未満、より好ましくは5質量部未満、更に好ましくは1質量部未満である。また、前記樹脂組成物が成分(B)の主成分として成分(B1)を含む場合、剥離シートを粘着剤層から剥離する時のジッピングや、ジッピングに伴って粘着剤層表面の平滑性が損なわれることを更に抑制することができるという観点から、前記樹脂組成物中に含まれるポリプロピレン系樹脂の含有量は、成分(B)100質量部に対して、好ましくは10質量部未満、より好ましくは5質量部未満、更に好ましくは1質量部未満である。ここで「成分(B)の主成分として成分(B1)を含む」とは成分(B)の全量100質量%中、最も多く含まれる成分(質量%)が成分(B1)であることを指す。
(その他の添加剤)
前記樹脂組成物には、前述の樹脂成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤を含有していてもよい。
その他の添加剤としては、例えば、硬化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、導電剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤、可塑剤等が挙げられる。
これらの添加剤のそれぞれの含有量は、前記樹脂組成物100質量%中、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜5質量%、より更に好ましくは0〜2質量%である。
前記樹脂組成物100質量%中、成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
層(Z)の厚さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは35μm以下、より更に好ましくは25μm以下である。
なお、当該「層(Z)の厚さ」とは、凸部を有さない箇所の層(Z)の基材層側の表面から層(Z)の基材層とは反対側の凸部を有さない箇所の表面までの厚さをいう。
例えば、図1、図2及び図4に示す距離3tが、当該層(Z)の厚さに該当する。
(凸部)
層(Z)の表面に存在する凸部の高低差は、好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは1.0μm以上、更に好ましくは3.0μm以上、より更に好ましくは5.0μm以上であり、そして、好ましくは50.0μm以下、より好ましくは30.0μm以下、更に好ましくは18.0μm以下、より更に好ましくは14.0μm以下である。
また、前記凸部の幅は、好ましくは22μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは18μm以下である。また、前記凸部の幅の下限値は、特に制限はないが、好ましくは1.0μm、より好ましくは3.0μm、更に好ましくは5.0μmである。
凸部の高低差及び幅は、それぞれ、実施例に記載の方法を用いて測定される値である。
なお、本明細書で規定される「凸部」とは、高低差を有する隆起部を指す。
前記好適範囲として記載される値について、例えば、「凸部の高低差が0.5μm以上」である場合とは、0.5μm以上の高低差を有する箇所が、凸部のいずれかの部分で存在していればよく、当該凸部の全領域にわたって0.5μm以上の高低差を有している必要はない。同様に、層(Z)上に形状の異なる凸部が複数存在する場合でも、いずれかの凸部が0.5μm以上の高低差を有する箇所を有していればよく、全ての凸部が0.5μm以上の高低差を有している必要はない。
剥離シートを平面視した場合における凸部の形状としては、当該剥離シートの用途により、適宜選択可能であり、定形であってもよく、不定形であってもよいが、剥離シートを貼付する被着体上に当該凸部形状を転写する目的で用いる場合、定形であることが好ましい。
剥離シートを平面視した場合における凸部の形状が定形である場合、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形、台形を含む。)、五角形、六角形等の多角形;当該多角形の角の一部又は全部に微小の丸みをつけた(「角丸(R)をつけた」ともいう。)形状;真円、楕円等の円形;半円、半楕円、U字形等の半円形;その他少なくとも3つの線(直線、曲線を含む)で囲まれる閉じた領域で表される形状及びこれらを組み合わせた図形から選ばれる1種以上の形状(以下、「独立した凸部形状」ともいう。)が挙げられる。
また、剥離シートを平面視した場合における凸部の形状としては、剥離シート表面の一辺から他の一辺まで連続的に結合した凸部(以下、「連続した凸部形状」ともいう。)を形成していてもよい。連続した凸部形状としては、例えば、剥離シート表面の一辺から他の一辺までを結ぶ直線、曲線、ジグザグ、波線等の形状が挙げられる。層(Z)上には、これらの連続した凸部形状から選ばれる少なくとも1種以上を所定の間隔を空けて交差しないように配置したり、互いに交差するように配置することで、例えば、図5に示すストライプ状、図6に示す格子状、その他の幾何学的模様として凸部を設けることもできる。この場合、図6に示す格子状のように、凸部6によって囲まれる領域である凹部7が形成されていてもよく、当該凹部7の形状としては、前述した独立した凸部形状で説明した各形状と同様の形状が挙げられる。
層(Z)上には、連続した凸部形状の一部が欠落して不連続な形状が存在していてもよく、連続した凸部形状と独立した凸部形状とが混在していてもよい。
前述の剥離シートを平面視した場合における凸部として取り得る各形状は、規則的に存在していてもよく、不規則に存在していてもよいが、図5又は6に示すようにパターン状に規則的に存在していることが好ましい。
なお、図6に示すような格子状の場合、同一の凸形状(直線)が互いに交差して1つの凸部を形成しており、不連続となる箇所がないため、単一の凸部形状とみなすことができる。
層(Z)を厚さ方向に切断した際の凸部の断面形状としては、切断面により変化する場合もあるため一概に特定することはできないが、例えば、三角形、四角形(長方形、正方形、台形を含む。)、五角形、六角形等の多角形;当該多角形の角の一部又は全部に微小の丸みをつけた(「角丸(R)をつけた」ともいう。)形状;半円、半楕円、U字形等の半円形;等が挙げられる。
層(Z)上に、凸部が複数存在する場合、複数の凸部の形状は互いに同一でも異なっていてもよく、その場合、凸部の高低差及び幅は、それぞれ独立に、いずれも同一であっても異なっていてもよい。
また、凸部が複数存在する場合、凸部と凸部との麓間距離は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは150μm以上であり、より更に好ましくは200μm以上である。そして、好ましくは2,000μm以下、より好ましくは1,500μm以下、更に好ましくは1,000μm以下である。
例えば、図6の場合、当該凸部の麓間距離とは、格子を形成している凸部の任意の1辺の麓と当該辺と対向する1辺の麓との距離のうち最短の距離を示し、図6中の距離6fを指す。
また、凸部が複数存在する場合、凸部と凸部との最短ピッチは、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは150μm以上であり、より更に好ましくは200μm以上である。そして、好ましくは2,000μm以下、より好ましくは1,500μm以下、更に好ましくは1,000μm以下である。
例えば、図6の場合、当該凸部の最短ピッチとは、格子の1辺を形成している凸部の麓と麓との最短距離の中間点から、当該1辺と対向する1辺を形成している他の凸部の麓と麓との最短距離の中間点までの距離のうちの最短の距離を示し、図6中の距離6pを指す。
また、凸部の形状は、例えば、層(Z)となる前の層を最表面に有する積層体を、エンボスロールとバックアップロールとの間を通過させて、エンボスロール周面に刻印されている形状を層(Z)となる前の層の表面に転写させることによって形成することができる。
また、例えば、スクリーン印刷法等の印刷技術を利用して、層(Z)となる前の層上に、当該層と同一の材料を用いて凸部を形成することもできる。
<密着層(X1)>
本発明の剥離シートは、前述のとおり、層(Z)の基材層とは反対側の面上に凸部を形成する際等に、基材層と層(Z)との間で剥離が生じることを抑制できる観点から、基材層と樹脂層(Z)との間に、更に密着層(X1)を有することが好ましい。
層(X1)は、密度が900kg/m以上、930kg/m未満であるポリエチレン系樹脂(B1−1)及び極性部位含有ポリオレフィンから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
成分(B1−1)としては、前述した成分(B1−1)と同様であり、それらの好適な態様も同様である。
極性部位含有ポリオレフィンが含有する極性部位としては、例えば、カルボキシ基、カルボン酸無水物に由来の基、カルボン酸エステル基、水酸基、エポキシ基、アミド基、アンモニウム基、ニトリル基、アミノ基、イミド基、イソシアネート基、アセチル基、チオール基、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、スルホニル基、ホスホリル基、ニトロ基、ウレタン結合、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの極性部位の中でも、カルボキシ基、カルボン酸無水物に由来の基、カルボン酸エステル基、水酸基、アンモニウム基、アミノ基、イミド基、又はイソシアネート基が好ましく、カルボキシ基、カルボン酸無水物に由来の基、又はカルボン酸エステル基がより好ましい。
極性部位含有ポリオレフィンとしては、好ましくはオレフィンと極性部位含有モノマーとの共重合体及び変性ポリオレフィンが挙げられる。
前記オレフィンと極性部位含有モノマーとの共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
前記オレフィンとしては、例えば、エチレン、及び前述した炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中では、好ましくはエチレン及び炭素数3〜8のα−オレフィンから選ばれる1種以上、より好ましくはエチレン及びプロピレンから選ばれる1種以上、更に好ましくはエチレンである。
前記極性部位含有モノマーは、好ましくは前述した各種極性部位からなる群より選ばれる1種以上を有する化合物であり、分子内に2種以上の極性部位を有していてもよい。
前記極性部位含有モノマーとしては、好ましくはカルボキシ基を有する不飽和化合物(不飽和カルボン酸)、無水カルボン酸構造を有する不飽和化合物(例えば、不飽和ジカルボン酸の無水物)、不飽和カルボン酸エステル(例えば、不飽和カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル)、及び脂肪酸ビニルからなる群より選ばれる1種以上であり、より好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、マレイン酸、無水マレイン酸、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる1種以上である。
前記オレフィンと極性部位含有モノマーとの共重合体中、極性部位含有モノマーに由来する単位の含有量は、オレフィン由来の構成単位及び極性部位含有モノマーに由来する構成単位の合計100質量%中、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜10質量%である。
好ましいオレフィンと極性部位含有モノマーとの共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
前記変性ポリオレフィンとしては、好ましくは酸変性ポリオレフィンである。
酸変性ポリオレフィンとは、例えば、有機過酸化物等のラジカル開始剤の存在下で、ポリオレフィンに対し、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体である変性剤をグラフト反応させることにより、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体に由来の基を導入して変性(グラフト変性)したものが挙げられる。
前記グラフト反応は、例えば、ポリオレフィンに変性剤を配合し、押出成型機等を用いてポリオレフィンを溶融状態で押出して高温、高せん断下で変性する方法(溶融混練法)又はポリオレフィンを溶剤に溶解し、この溶液に変性剤を配合してポリオレフィンの変性を行う方法(溶液法)等により行われる。
変性剤により変性されるポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、前述した炭素数3〜20のα−オレフィン、並びに前述した環状オレフィンからなる群より選ばれる1種以上をモノマーとして重合される重合体が挙げられる。
これらの中でも、エチレンを主成分モノマーとする重合体(エチレン単独重合体を含む。)、プロピレンを主成分モノマーとする重合体(プロピレン単独重合体を含む。)、1−ブテンを主成分モノマーとする重合体(1−ブテン単独重合体を含む。)、及び4−メチル−1−ペンテンを主成分モノマーとする重合体(4−メチル−1−ペンテン単独重合体を含む。)から選ばれる1種以上が好ましく、エチレンを主成分モノマーとする重合体及びプロピレンを主成分モノマーとする重合体から選ばれる1種以上が好ましく、プロピレンを主成分モノマーとする重合体から選ばれる1種以上が好ましい。
また、前述の主成分モノマーとともにその他モノマーを共重合する場合、当該その他モノマーとしては、好ましくはエチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれる1種以上である。
前記変性剤として用いられる不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体としては、例えば、不飽和カルボン酸、並びに無水カルボン酸構造を有する不飽和化合物(例えば、不飽和ジカルボン酸の無水物)、及び不飽和カルボン酸エステル(例えば、不飽和カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル)等の不飽和カルボン酸の誘導体が挙げられる。これらの不飽和化合物が有する不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ナジック酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;アコニット酸等の不飽和トリカルボン酸が挙げられる。
無水カルボン酸構造を有する不飽和化合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック酸等の前述した各不飽和多価カルボン酸の無水物が挙げられる。
また、前述のとおり、不飽和カルボン酸の誘導体としては、不飽和カルボン酸エステル等のエステルの他、酸ハライド、イミド、エステル等の形態でもよく、例えば、塩化マレニル、マレニルイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルが挙げられる。
これら不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、マレイン酸、ナジック酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸から選ばれる1種以上が好ましく、マレイン酸及び無水マレイン酸から選ばれる1種以上がより好ましく、無水マレイン酸が更に好ましい。
酸変性ポリオレフィン中にグラフトされた不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体のグラフト量は、好ましくは0.1質量%、より好ましくは0.2質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
前記極性部位含有ポリオレフィンが有する極性部位としては、それぞれ、前述した好適な化合物に由来する極性部位を挙げることができるが、好ましくは不飽和カルボン酸、無水カルボン酸構造を有する不飽和化合物(例えば、不飽和ジカルボン酸の無水物)、不飽和カルボン酸エステル(例えば、不飽和カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル)、及び脂肪酸ビニルからなる群より選ばれる1種以上に由来する極性部位、より好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、マレイン酸、ナジック酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる1種以上に由来する極性部位、更に好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、マレイン酸、無水マレイン酸、及び酢酸ビニルからなる群より選ばれる1種以上に由来する極性部位である。
層(X1)には、上述した樹脂成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の樹脂成分を含有していてもよい。
その他の樹脂成分としては、例えば、成分(B1−1)及び極性部位含有ポリオレフィン以外のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;前述した共重合体以外のアクリル系樹脂;前述した共重合体以外のビニル系樹脂等が挙げられる。
層(X1)を形成する材料100質量%中、成分(B1−1)及び極性部位含有ポリオレフィンから選ばれる1種以上の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。そして、当該含有量は、より更に好ましくは100質量%である。
層(X1)の厚さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
なお、層(X1)は基材層とは反対側の面に、0.5μm以上の凸部を有さない層であることが好ましい。
また、層(X1)の厚さと層(Z)の厚さとの比〔X1/Z〕の値が、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.30以上、より更に好ましくは0.50以上、より更に好ましくは0.60以上であり、そして、好ましくは10.00以下、更に好ましくは5.00以下、より更に好ましくは3.00以下、より更に好ましくは2.00以下、より更に好ましくは1.00以下である。
<樹脂層(Y)>
前述のとおり、前記剥離シートは、好ましくは、前記基材層の樹脂層(Z)とは反対側に、更に、樹脂層(Y)を有する。
層(Y)を形成する材料は、剥離シートの用途によって、適宜、選択することができるが、層(Y)は前述の成分(B)を含むことが好ましい。
成分(B)としては、前述した成分(B)と同様である。
層(Y)に用いられる成分(B)としては、前述の成分(B1−2)を含むことが好ましい。成分(B1−2)としては、前述した成分(B1−2)と同様であり、その好適な態様も同様である。
層(Y)には、前述した成分(B)以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の樹脂成分を含有していてもよい。
その他の樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂;前述した共重合体;前述した共重合体以外のアクリル系樹脂;前述した共重合体以外のビニル系樹脂等が挙げられる。
(その他の添加剤)
層(Y)は、前述の樹脂成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の添加剤を含有していてもよい。
その他の添加剤としては、例えば、硬化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、導電剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤、可塑剤等が挙げられる。
これらの添加剤のそれぞれの含有量は、層(Y)を形成する材料100質量%中、好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜5質量%、より更に好ましくは0〜2質量%である。
層(Y)を形成する材料100質量%中、成分(B)の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
成分(B)が成分(B1−2)を含む場合、成分(B)100質量%中、成分(B1−2)の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。また、当該含有量は、より更に好ましくは100質量%である。
層(Y)の厚さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは35μm以下である。
<密着層(X2)>
前述のとおり、前記剥離シートは、必要に応じて、更に、密着層(X2)を有していてもよい。
層(X2)を形成する材料としては、剥離シートの用途によって、適宜、選択することができるが、前述の層(X1)を形成する材料と同様のものを用いることができ、その好適な態様も同様である。層(X2)を形成する材料としては、層(X1)を形成する材料と同一の材料を用いることが好ましい。
層(X2)の厚さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
前記剥離シートが、層(Y)と層(X2)とを共に有する場合、層(X2)の厚さと層(Y)の厚さとの比〔X2/Y〕の値の好適範囲は、前述の比〔X1/Z〕の値が取り得る値の好適範囲と同様である。
また、剥離シートが層(Y)又は層(Y)及び層(X2)を共に有する場合、剥離シートのカールの発生を抑制できる観点から、層(Z)及び層(X1)の合計厚さ(Zt+X1t)と、層(Y)及び層(X2)の合計厚さ(Yt+X2t)との差の絶対値が、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、より更に好ましくは10μm以下である。
そして、剥離シートが層(Y)又は層(Y)及び層(X2)とを有する場合、同様の観点から、合計厚さ(Zt+X1t)と、合計厚さ(Yt+X2t)とが、同一であることがより更に好ましい。
なお、剥離シートが層(X1)を有さない態様である場合、前記合計厚さ(Zt+X1t)は層(Z)の厚さ(Zt)として表すことができる。また、層(X2)を有さない態様である場合、前記合計厚さ(Yt+X2t)は、層(Y)の厚さ(Y)として表すことができる。
また、前記剥離シートの総厚(各層の合計厚さ)は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは150μm以上であり、そして、好ましくは500μm以下、より好ましくは350μm以下、更に好ましくは250μm以下である。
[剥離シートの製造方法]
前記剥離シートの製造方法は、好ましくは、少なくとも、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)となる層を、溶融押出法により形成し、層(Z)となる層の表面をエンボスロール表面に押し付けて、樹脂層(Z)となる層の表面に凸部を形成して、樹脂層(Z)を形成する工程(2)を有する。
なお、以下の説明中、基材層、密着層(X1)、樹脂層(Z)、密着層(X2)及び樹脂層(Y)の態様並びに得られる剥離シートの態様は、前記剥離シートの欄で説明した態様と同様であり、それらの好適な態様も同様であるため、詳細な説明は省略する。
<工程(2)>
工程(2)としては、好ましくは下記工程(2)’が挙げられる。
・工程(2)’:基材層の少なくとも一方の表面側に、シリル化ポリオレフィンを含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)となる層を溶融押出法により形成し、続けて、エンボスロール表面に樹脂層(Z)となる層を押し付けて、樹脂層(Z)となる層の表面に凸部を形成して、樹脂層(Z)を形成する工程
また、前記剥離シートが前述した好適な態様である密着層(X1)を有する態様である場合、工程(2)としては、より好ましくは下記工程(2A)又は(2B)が挙げられる。当該好適な態様である剥離シートを製造する場合、工程数を簡略化できる観点から、更に好ましくは下記工程(2A)である。
・工程(2A):基材層の少なくとも一方の表面側に、密着層(X1)となる層と、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)となる層とを、密着層(X1)が基材層側になるように溶融押出法により同時に形成し、続けて、エンボスロール表面に樹脂層(Z)となる層を押し付けて、樹脂層(Z)となる層の表面に凸部を形成して、密着層(X1)及び樹脂層(Z)を形成する工程
・工程(2B):基材層と密着層(X1)とを含む積層体(L1)の密着層(X1)の基材層とは反対側に、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)となる層を、溶融押出法により形成し、続けて、エンボスロール表面に樹脂層(Z)となる層を押し付けて、樹脂層(Z)となる層の表面に凸部を形成して、樹脂層(Z)を形成する工程
(工程2A)
工程(2A)の場合、前述のとおり、基材層の少なくとも一方の表面側に、基材層側から順に層(X1)となる層と層(Z)となる層とが、溶融押出法により同時に積層される。より具体的には、層(X1)を形成する材料と、層(Z)を形成する材料とを、それぞれ、異なる押出機等の溶融混練機内で溶融した後、それぞれを同時に押出し可能なダイから共押出しし、前記基材層の表面に基材層側から層(X1)となる層及び層(Z)となる層の順で同時に積層する(以下、「同時積層法」ともいう。)。
なお、同時積層法に用いる前記ダイは、共押出成型用のTダイを用いることが好ましい。
溶融した層(X1)を形成する材料及び層(Z)を形成する材料を、同時に押出す際の前記ダイの温度は、用いる材料の種類によって、適宜、設定することが可能であるが、好ましくは290℃以上、より好ましくは300℃以上、更に好ましくは310℃以上であり、そして、好ましくは360℃以下、より好ましくは350℃以下、更に好ましくは340℃以下である。
また、層(X1)を形成する材料と層(Z)を形成する材料とを溶融押出した後、層(Z)となる層が固化する前に、前記エンボスロール表面に層(Z)となる層の表面を押し付け、凸部を有する層(Z)を形成することが好ましい。そのため、前記エンボスロールは、凸部の形成と冷却ロールとの役割を兼ねていることがより好ましい。
層(Z)となる層を押し付けるエンボスロールの温度は、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下であり、そして、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは15℃以上である。
なお、前記エンボスロールとしては、前述した凸部が形成されるように予め設計されたエンボスロールを用いる。すなわち、当該エンボスロールが層(Z)となる層の表面に圧着されることで、エンボスロール表面のエンボスパターンが層(Z)となる層の表面に転写され、前述の凸部を有する層(Z)が形成される。
前述のとおり、形成される凸部の態様は、前記剥離シートの欄で前述した説明と同様であり、その好適な態様も同様であるため、詳細な説明は省略する。
(工程2B)
工程(2B)では、予め基材層と層(X1)とを含む積層体(L1)を作製した後、前述の方法を用いて積層体(L1)中、層(X1)の基材層とは反対側に層(Z)を形成する。
積層体(L1)の作製方法は、特に制限はないが、基材層の少なくとも一方の表面側に、層(X1)を形成する材料を溶融押出法により形成することが好ましい。
したがって、工程(2B)の場合、基材層の少なくとも一方の表面側に、基材層側から順に層(X1)となる層と層(Z)となる層とが、溶融押出法により逐次積層される(以下、「逐次積層法」ともいう。)。
工程(2B)で層(X1)となる層を形成する際は、層(X1)を形成する材料を押出機等の溶融混練機内で溶融した後、ダイから押出して、基材層上又は基材層とその他層とを積層した積層体の表面に形成する。
また、工程(2B)で層(Z)となる層を形成する際は、層(Z)を形成する材料を押出機等の溶融混練機内で溶融した後、ダイから押出して、層(X1)の基材層とは反対側の表面上又は層(X1)の基材層とは反対側に積層されたその他の層の表面に形成する。
また、層(Z)を形成する材料を溶融押出した後、層(Z)となる層が固化する前に、前記エンボスロール表面に層(Z)となる層の表面を押し付け、凸部を有する層(Z)を形成することが好ましい。
なお、逐次積層法に用いる場合の前記ダイとしては、積層する層の数によって、各層毎に共押出成型用又は単層押出成型用のTダイを用いてもよいが、少なくとも層(Z)の形成には単層押出成型用のTダイを用いることが好ましく、層(X1)及び層(Z)の形成のいずれにも単層押出成型用のTダイを用いることがより好ましい。
工程(2B)で、層(X1)を形成する材料及び層(Z)を形成する材料を溶融して押出す際の前記各ダイの温度は、それぞれ独立に、用いる材料の種類によって、適宜、設定することが可能であるが、好ましくは290℃以上、より好ましくは300℃以上、更に好ましくは310℃以上であり、そして、好ましくは360℃以下、より好ましくは350℃以下、更に好ましくは340℃以下である。
また、エンボスロールの態様及び使用条件等は、工程(2A)で説明した内容と同様であり、その好適な態様も同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、逐次積層法で層(X1)を形成する際は、層(Z)を形成する際のエンボスロールとは異なり、フィルム成型等で用いられる通常の冷却ロールを用いることが好ましい。
<工程1>
また、前記剥離シートの製造方法は、好ましくは、更に、基材層の樹脂層(Z)が形成される側とは反対側に、樹脂層(Y)を形成する工程(1)を有する。
基材層上に層(Y)を形成する方法は、特に制限はないが、層(Z)が形成される側とは反対側となる基材層の表面側に、層(Y)を形成する材料を溶融押出法により形成することが好ましい。
工程(1)では、必要に応じて、更に、密着層(X2)を形成してもよく、その場合、好ましくは下記工程(1A)又は(1B)が挙げられる。工程(1)で層(X2)を形成する場合には、工程数を簡略化できる観点から、より好ましくは工程(1A)である。
・工程(1A):基材層の少なくとも一方の表面側に、密着層(X2)となる層と、樹脂層(Y)となる層とを、密着層(X2)が基材層側になるように溶融押出法により同時に形成する工程
・工程(1B):基材層と密着層(X2)とを含む積層体(L2)の密着層(X2)の基材層とは反対側に、樹脂層(Y)となる層を、溶融押出法により形成する工程
工程(1A)及び工程(1B)で層(X2)と層(Y)とを形成する方法は、エンボスロールを用いて凸部を形成しないこと以外は、それぞれ、前述の工程(2A)及び工程(2A)で説明した方法と同様であり、その好適な態様も同様であるため、詳細な説明は省略する。
層(Y)を形成する際、工程(2)で使用するエンボスロールとは異なり、工程(1)ではフィルム成型等で用いられる通常の冷却ロールを用いる。当該冷却ロールの表面は、本発明の効果に影響を与えない限り、得られる剥離シート用基材又は剥離シートの用途により、当該冷却ロールの表面(マット調に処理された表面等)に変更することもできる。
工程(1)は、層(Z)が有する凸部形状が熱により変化することを抑制する観点から、工程(2)より先に行うことが好ましい。
工程(1)を工程(2)より先に行う場合、前述の工程(2)の説明中、「基材層の少なくとも一方の表面側」とは、層(Y)、及び必要に応じて形成される層(X2)が形成されている側とは反対側の基材層の表面側を指す。
また、工程(1)を工程(2)より先に行う場合、前述の工程(2B)の説明中、「基材層と密着層(X1)とを含む積層体(L1)の密着層(X1)の基材層とは反対側」とは、層(Y)、及び必要に応じて形成される層(X2)が形成されている側とは反対側の層(X1)の表面側を指す。
[剥離シートの用途]
前記剥離シートは、層(Z)の表面に対し、更に剥離剤による処理を行わなくても十分な剥離性を奏することが可能であるため、層(Z)上に意図して形成した凹凸面を有効に用いることができる。そのため、前記剥離シート上に形成される凸部形状を、そのまま利用することが可能となり、より精密な凸部を有する剥離シートとすることが可能である。したがって、例えば、剥離剤層(Z)が有する凸部が形成する形状を転写する被着体の転写面の外観及び当該外観が被着体の他の特性に影響を与えることが望ましくない用途に用いられる剥離シートとしても好適である。
例えば、当該剥離シートを用いて形成される凹凸面を有する粘着シートは転写面の外観に優れる。
また、例えば、当該剥離シートは、前記転写面の外観が当該転写面とは反対側の面に影響を与えることを抑制、防止する用途でも好適に用いることができる。そのため、例えば、得られる粘着シートの粘着剤層とは反対側の基材表面に対しても優れた外観を要求される用途に用いられる粘着シートの製造及び保護に用いる剥離シートとしても好適である。
更に、前述したような連続した凸部形状を有する剥離シートを用いる場合、エア抜け性が要求される粘着シート及びその製造にも好適に用いることができる。
そのため、本発明の一態様である剥離シートを用いて製造される粘着シートは、エア抜け性や外観が要求される用途、例えば、識別用、装飾用、塗装マスキング用、金属板等の表面保護用等に好適に用いることができる。より具体的には、例えば、塗装代替テープ;マーキングフィルム;及び車両貼付用テープ(例えば、自動車の外装や内装を装飾する装飾用テープ、ブラックアウトテープ等);などに好適に用いることができる。
しがって、前記理由から、前記剥離シートは、前述の各用途に用いられる粘着シート用の剥離シート及び当該粘着シートを製造する際の剥離シートとして好適に用いることができる。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性値は、以下の方法により測定した値である。
<密度>
JIS K7112:1999のA法(水中置換法)に準じて測定した。
<融点>
JIS K7121に準じて、示差走査熱量計(DSC)(ティー・エイ・インスツルメンツ社製、製品名「Q2000」)を用いて測定した。
<粘着性樹脂の質量平均分子量(Mw)>
ゲル浸透クロマトグラフ装置(東ソー株式会社製、製品名「HLC−8020」)を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて測定した値を用いた。
(測定条件)
・カラム:「TSK guard column HXL−L」、「TSK gel G2500HXL」、「TSK gel G2000HXL」及び「TSK gel G1000HXL」(いずれも東ソー株式会社製)を順次連結したもの。
・カラム温度:40℃
・展開溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1.0mL/min
<基材層及び粘着剤層の厚さ>
定圧厚さ測定器(株式会社テクロック製、型番:「PG−02J」、標準規格:JIS K6783−1994、Z1702−1994、Z1709−1995に準拠)を用いて23℃で測定した。
<剥離シート中の各層の厚さ>
実施例及び比較例で作製した剥離シートの樹脂層(Z)の、樹脂層(Y)の表面と平行な面(エンボスされて凹部が形成されている箇所に該当)に対して垂直方向に切断した厚さ方向における断面を、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、製品名「S−4700」)を用いて観察し、密着層(X1)、樹脂層(Z)、密着層(X2)、及び樹脂層(Y)のそれぞれの厚さを測定した。
<樹脂層(Z)表面の弾性率>
実施例及び比較例で作製した剥離シートの樹脂層(Z)の凸部を有する表面の弾性率を、以下の方法を用いて測定した。
原子間力顕微鏡(AFM)及びカンチレバーを用いてフォースカーブ測定を行った後、得られたF−δ曲線から貯蔵弾性率を算出した。具体的には、以下のとおり行った。
・原子間力顕微鏡(AFM):Bruker AXS社製、製品名「MultiMode 8 AFM」
・カンチレバー:オリンパス社製、製品名「OMCL−AC200TS−C3」(ばね定数の公称値:9N/m、熱揺らぎ法によるばね定数の測定値:11.27N/m、探針先端半径:20nm)
・測定領域:500nm×500nmの正方形からなる領域を任意に選択し、その領域内における64×64点(計4096点)を測定部位とした。
それぞれの測定部位において、温度23℃の条件下で、カンチレバーを押し込んだ後、カンチレバーを引き離し、その際における、カンチレバーの反り量とAFMにおけるピエゾスキャナの変位量との関係を表すグラフを得た。そして、当該グラフを変換することで、荷重と試料変形量との関係を表すF−δ曲線を得た。
得られたF−δ曲線中の押し込み過程に対して、Derjaguin,Muller,ToporovらによるDMT理論式を用いたカーブフィッティングを行うことにより、測定部位の貯蔵弾性率を求めることができ、実施例及び比較例中の測定においては、前述の64×64点(計4096点)の測定部位についてフォースカーブ測定及び貯蔵弾性率の算出を行い、その平均値を算出して、樹脂層(Z)表面の弾性率とした。
<凸部の高低差>
実施例及び比較例で作製した剥離シートの樹脂層(Z)の、基材層とは反対側の面に存在する凸部の高低差は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、製品名「S−4700」)を用いて、剥離シートの断面を観察し、走査型電子顕微鏡用の画像解析ソフトの計測機能を利用して測定した。
なお、図7に、実施例1で凸部の高低差を測定した際のSEM画像を示す。実施例1の場合、その高低差の値は、図7に示す6hの距離に該当する。
<凸部の幅>
光学デジタル顕微鏡(株式会社キーエンス製、製品名「デジタルマイクロスコープVHX−5000」)用いて、実施例及び比較例で作製した剥離シートの樹脂層(Z)の表面を平面視し(倍率:2,000倍)、凹部(平坦部)に焦点を合わせて画像を取得し、得られた画像内の凸部の幅を計測した。図8に、実施例1で凸部の幅を確認した際のデジタル顕微鏡画像の一例を示す。図8中の6wで示す距離が凸部の幅に該当する。
当該凸部の幅の計測は、剥離シート中の任意の4ヶ所で実施し、4ヶ所で計測した値の平均値を算出した。
<剥離力>
(粘着シートの作製)
粘着性樹脂である、アクリル系共重合体〔n−ブチルアクリレート(BA)/アクリル酸(AAc)=90/10(質量比)からなる原料モノマーに由来の構成単位を有するアクリル系共重合体、質量平均分子量(Mw):60万、希釈溶媒:酢酸エチル、固形分濃度:30質量%〕100質量部(固形分比)に、架橋剤として、トリレンジイソシアネート系架橋剤(東ソー株式会社製、製品名「コロネートL」)1.5質量部(固形分比)を配合して混合し、更に、トルエンで希釈して、均一に撹拌して、固形分濃度(有効成分濃度)25質量%の粘着剤組成物の溶液を調製した。
実施例及び比較例で作成した剥離シートの樹脂層(Z)(比較例3及び4は剥離剤層)の凸部が存在する面の表面に、アプリケータを用いて、調製した粘着剤組成物の溶液の塗膜を形成し、乾燥温度95℃で60秒間乾燥させて、厚さ30μm(凹部が存在しない箇所の厚さ)の粘着剤層を形成し、更に当該粘着剤層の、樹脂層(Z)とは反対側の表面に支持基材として塩化ビニルフィルム(日本カーバイド工業株式会社製、製品名「ハイエスペイント 5085−22」、厚さ100μm)を貼り合わせて粘着シートを得た。
(剥離力測定)
実施例及び比較例で作製した剥離シートを用いて作製された各粘着シートを、それぞれ、長さ(MD方向)150mm×幅(TD方向)50mmの大きさに切断した。そして、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、180°引き剥がし法により、引張速度30m/分にて、剥離シートのライナーピール剥離力(剥離シート側を180°に折り返して引き剥がす時の剥離力)を測定した。
また、MD方向のMDとは、Machine Directionの略記であり、MD方向は剥離シート成型時の長尺方向を意味する。また、TD方向のTDとは、Transverse Directionの略記で、TD方向は剥離シート成型時の幅方向を意味する。ここで、剥離シートにおける「MD方向」とは、樹脂層(Z)を形成する際の樹脂組成物を押出した方向を指す。
<粘着力>
実施例及び比較例で作製した剥離シートを用い、前記剥離力の測定方法に記載の方法と同様の方法を用いて、粘着シートを作製した。
各粘着シートを、それぞれ、長さ(MD方向)200mm×幅(TD方向)15mmの大きさに切断した。
そして、剥離シートを除去し、表出した粘着剤層の表面に、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、アクリル塗装板(株式会社パルテック製、「SPCC−SD アクリル塗装片面/白」)を貼付し、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で168時間静置した。
168時間静置後、JIS Z0237:2000に基づき、180°引き剥がし法により、引張速度300mm/分にて粘着力を測定した。結果は、幅10mm換算の値を用いた。
[剥離シートの製造]
実施例1
基材層としての上質紙のフェルト面に、密着層(X2)の材料として低密度ポリエチレン1(製品名「ノバテック(登録商標)LC605Y」、日本ポリエチレン株式会社製、以下「LDPE1」ともいう。)と、樹脂層(Y)の材料として中密度ポリエチレン(製品名「スミカセン(登録商標)L5721」、住友化学株式会社製、以下「MDPE」ともいう。)とを、層(X2)側が基材層側となるように、2層Tダイを用いてダイ温度330℃で溶融して共押出し、積層体を得た。
得られた積層体の基材層の露出面である前記上質紙のワイヤー面に、密着層(X1)の材料としてLDPE1と、樹脂層(Z)の材料として、MDPEが66.7質量%及びシリル化ポリオレフィン(A)であるポリエチレン−シリコーン−ポリエチレントリブロック共重合体を低密度ポリエチレンで希釈した希釈品(三井化学株式会社製、製品名「イクスフォーラ(登録商標) PEマスターバッチ」、シリル化ポリオレフィン含有比率:30質量%)33.3質量%からなる樹脂組成物を、層(X1)側が基材層面側となるように、2層Tダイを備えた押出機を用いてダイ温度330℃で溶融して共押出し、樹脂層(Z)となる層の露出面を23℃に設定されたエンボスロールに押し付けて、表1に示す各層を有する剥離シートを得た。
エンボスロールの形状としては、エンボスロールの表面に斜め格子状の溝(格子の形状が一辺が235μmの正方形、凹部幅15μm、非凹部幅235μm、ピッチ250μm)を有するものを使用した。
実施例2〜4、並びに比較例1及び2
それぞれ、基材層、及び樹脂層(Z)の材料として、表1に示す基材層及び樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、表1に示す各層を有する剥離シート及び積層体を得た。
比較例3
(剥離剤組成物の調製)
剥離剤組成物として、剥離性シリコーン化合物(信越化学工業株式会社製、製品名「シリコーンKS−847」、固形分30質量%)100質量部に、白金触媒(信越化学工業株式会社製、製品名「PL−50T」、固形分2質量%)1質量部を添加し、トルエンで希釈して混合してシリコーン系剥離剤組成物の溶液(固形分2質量%)を調製した。
(剥離シートの作製)
比較例1と同様にして得られた積層体の凸部を有する樹脂層上に、前記のとおり調製した剥離剤組成物の溶液を、マイヤーバーを用いて塗膜を形成した。次いで、当該塗膜を110℃で3分間乾燥し、塗布量0.6g/mの剥離剤層を有する剥離シートを作製した。
比較例4
塗布量1.3g/mの剥離剤層を形成したこと以外は、比較例3と同様にして、表1に示す各層を有する剥離シートを得た。
実施例及び比較例で得られた各剥離シート及び積層体を前述の評価方法を用いて評価した。結果を下記表1及び2に示す。
Figure 2021160207
なお、表1中に示す各略称は、それぞれ、以下の材料及び樹脂を表す。
・上質紙:坪量116.3g/m、厚さ155μm
・シリル化ポリオレフィン PE希釈品:シリル化ポリオレフィン(A)であるポリエチレン−シリコーン−ポリエチレントリブロック共重合体を低密度ポリエチレンで希釈した希釈品(製品名「イクスフォーラ(登録商標) PEマスターバッチ」、シリル化ポリオレフィン含有比率:30質量%)
・LDPE1:製品名「ノバテック(登録商標)LC605Y」、日本ポリエチレン株式会社製、密度918kg/m、融点103℃
・MDPE:製品名「スミカセン(登録商標)L5721」、住友化学株式会社製、密度937kg/m、融点114℃
・EBCP1:エチレン・1−ブテン共重合体、製品名「タフマー(登録商標)A4070S」、三井化学株式会社製、密度870kg/m、融点55℃
Figure 2021160207
表1及び2より、実施例1〜4の剥離シートは、層(Z)の表面に存在する凸部の幅が狭く、精密な凸部が形成されていることが確認された。また、剥離シートとして十分な剥離性を有することも確認された。これらの剥離シートは、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された層(Z)を有し、層(Z)の表面の弾性率が、1.0×10Pa以上、2.6×10Pa以下である。そのため、例えば、比較例3及び4に示すように、剥離シートの剥離力を低減して剥離性を付与するため、比較例1のような積層体の凸部を有する樹脂層に対して、更に、剥離剤処理を行わなくても、十分な剥離性を有するものと考えられる。更に、当該剥離剤処理を行わなくてもよいことから、層(Z)上に形成された凸部の形状を維持することが可能であるため、より精密な凸部やパターンの形成が可能である。また、従来の剥離シートが有するような剥離剤層を設ける工程も削減可能であり、剥離シートを製造する時の工程数を削減できる。
そして、精密な凸部を有する実施例1〜4の剥離シートを用いて作製された粘着シートの場合、当該凸部形状が転写されて形成される粘着シート表面の凹部形状も精密なものを得ることが可能である。例えば、表1及び表2に示すように、実施例1〜4の剥離シートを用いて作製された粘着シートは、比較例3及び4の剥離シートを用いて作製された粘着シートと比較して、得られる粘着シート表面の凹部の幅が細くなっていると考えられ、粘着シートと被着体との接着面積が増加し、貼付後の粘着力に優れることが確認できた。
一方で、比較例3及び4では、十分な剥離性を得るために、凸部を有する樹脂層に対して、剥離剤処理を行う必要があるため、剥離シート表面の凸部の幅(剥離剤層表面の凸部の幅)が、各実施例よりも広くなってしまうことが確認された。
また、比較例1及び2では、樹脂層がシリル化ポリオレフィン(A)を含有していないため、良好な剥離性を発現することができなかった。特に、比較例1の剥離シートについては、剥離力が強すぎたため、剥離後の粘着シートの粘着力は測定しなかった。
本発明の剥離シートは、層(Z)の表面に対し、更に剥離剤による処理を行わなくても十分な剥離性を奏することが可能であるため、層(Z)上に意図して形成した凹凸面を有効に用いることができる。そのため、前記剥離シート上に形成される凸部形状を、そのまま利用することが可能となり、より精密な凸部を有する剥離シートとすることが可能である。したがって、例えば、剥離剤層(Z)が有する凸部が形成する形状を転写する被着体の転写面の外観及び当該外観が被着体の他の特性に影響を与えることが望ましくない用途に用いられる剥離シートとしても好適である。
また、例えば、当該剥離シートは、前記転写面の外観が当該転写面とは反対側の面に影響を与えることを抑制、防止する用途でも好適に用いることができる。そのため、例えば、得られる粘着シートの粘着剤層とは反対側の基材表面に対しても優れた外観を要求される用途に用いられる粘着シートの製造及び保護に用いる剥離シートとしても好適である。
更に、前述したような連続した凸部形状を有する剥離シートを用いる場合、エア抜け性が要求される粘着シート及びその製造にも好適に用いることができる。
そのため、本発明の一態様である剥離シートを用いて製造される粘着シートは、エア抜け性や外観が要求される用途、例えば、識別用、装飾用、塗装マスキング用、金属板等の表面保護用等に好適に用いることができる。より具体的には、例えば、塗装代替テープ;マーキングフィルム;及び車両貼付用テープ(例えば、自動車の外装や内装を装飾する装飾用テープ、ブラックアウトテープ等);などに好適に用いることができる。
したがって、前記理由から、前記剥離シートは、前述の各用途に用いられる粘着シート用の剥離シート及び当該粘着シートを製造する際の剥離シートとして好適に用いることができる。
10、20、30、40、50 剥離シート
1 基材層
2 密着層(X1)
3 樹脂層(Z)
3t 樹脂層(Z)の厚さ
4 密着層(X2)
5 樹脂層(Y)
6 樹脂層(Z)が有する凸部
6h 樹脂層(Z)が有する凸部の高低差
6w 樹脂層(Z)が有する凸部の幅
6f 樹脂層(Z)が有する凸部の麓間距離
6p 樹脂層(Z)が有する凸部のピッチ
7 樹脂層(Z)が有する凹部

Claims (17)

  1. 基材層と、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)とを有し、樹脂層(Z)の表面に、凸部が存在し、
    樹脂層(Z)の表面の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定される弾性率が、1.0×10Pa以上、2.6×10Pa以下である、剥離シート。
  2. 成分(A)の含有量が、前記樹脂組成物100質量%中、1質量%以上、50質量%以下である、請求項1に記載の剥離シート。
  3. 成分(A)が、下記一般式(1)を構成単位として1つ以上含むヒドロシラン化合物(a1’)に由来する構成単位(a1)と、末端二重結合含有ポリオレフィン(a2’)に由来する構成単位(a2)とを有する共重合体である、請求項1又は2に記載の剥離シート。
    Figure 2021160207

    (一般式(1)中、Rは、炭化水素基又はケイ素含有基を表す。
    は、酸素原子、硫黄原子又はNR11を表す。Nは窒素原子であり、R11は水素原子又は炭化水素基を表す。)
    ヒドロシラン化合物(a1’)中、Rが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
    ヒドロシラン化合物(a1’)中、Yが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
  4. 樹脂層(Z)の厚さが、1μm以上、50μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離シート。
  5. 前記樹脂組成物が、更にポリオレフィン系樹脂(B)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剥離シート。
  6. 前記樹脂組成物中に含まれる、成分(A)と成分(B)との含有量比〔A/B〕が、質量比で、1/99以上、50/50以下である、請求項5に記載の剥離シート。
  7. 成分(B)の含有量が、前記樹脂組成物100質量%中、50質量%以上、99質量%以下である、請求項5又は6に記載の剥離シート。
  8. 成分(B)が、ポリエチレン系樹脂(B1)を含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の剥離シート。
  9. 成分(B)が、融点が100℃以下のポリオレフィン系樹脂(B2)を含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の剥離シート。
  10. 成分(B2)の含有量が、成分(B)100質量%中、5質量%以上、50質量%以下である、請求項9に記載の剥離シート。
  11. 成分(B2)が、エチレンを主成分モノマーとする共重合体であって、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種以上とからなる共重合体である、請求項9又は10に記載の剥離シート。
  12. 樹脂層(Z)の凸部が存在する表面に、他の層が積層しない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の剥離シート。
  13. 前記凸部の幅が、22μm以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の剥離シート。
  14. 前記凸部の高低差が、0.5μm以上である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の剥離シート。
  15. 前記基材層と樹脂層(Z)との間に、更に密着層(X1)を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の剥離シート。
  16. 密着層(X1)の厚さが、1μm以上である、請求項15に記載の剥離シート。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の剥離シートを製造する方法であって、少なくとも、シリル化ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物から形成された樹脂層(Z)となる層を、溶融押出法により形成し、層(Z)となる層の表面をエンボスロール表面に押し付けて、樹脂層(Z)となる層の表面に凸部を形成して、樹脂層(Z)を形成する工程(2)を有する、剥離シートの製造方法。
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