JP2021159874A - 正浸透水処理方法および装置 - Google Patents

正浸透水処理方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021159874A
JP2021159874A JP2020065473A JP2020065473A JP2021159874A JP 2021159874 A JP2021159874 A JP 2021159874A JP 2020065473 A JP2020065473 A JP 2020065473A JP 2020065473 A JP2020065473 A JP 2020065473A JP 2021159874 A JP2021159874 A JP 2021159874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
water
separated
concentrated
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020065473A
Other languages
English (en)
Inventor
亮 功刀
Akira Kunugi
猛志 辻
Takeshi Tsuji
浩司 渕上
Koji Fuchigami
啓二 戸村
Keiji Tomura
祐也 佐藤
Yuya Sato
彩 大里
Aya Osato
拓也 江川
Takuya Egawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2020065473A priority Critical patent/JP2021159874A/ja
Publication of JP2021159874A publication Critical patent/JP2021159874A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】少ない熱量で希薄溶液の感温剤濃度を下げ、膜ろ過を円滑に行うことができるろ過方法の提供。【解決手段】塩類を含有する被処理水21と曇点を有する感温剤水溶液12とを半透膜を介して接触させる正浸透工程と、希釈感温剤水溶液24を感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する第一加温工程と第一濃厚溶液23相と第一希薄溶液26相とに相分離した希釈感温剤水溶液を第一濃厚溶液層と第一希薄溶液層に分離する第一重力分離工程と分離された第一希薄溶液を曇点以上に加温する第二加温工程と第二濃厚溶液33相と第二希薄溶液32相とに相分離した第一希薄溶液を第二濃厚溶液層と第二希薄溶液層に重力分離する第二重力分離工程と第一重力分離工程で分離された第一濃厚溶液を感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後正浸透工程へ循環し感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と第二重力分離工程で分離された第二希薄溶液を仕上膜処理する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、正浸透法で海水や廃水等から塩類を除去する方法およびそれに使用する装置に関するものである。
海水から半透膜を用いて淡水を製造する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。しかし、この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費が嵩むという問題がある。そこで、半透膜を介して海水と海水より浸透圧の高い誘引溶液とを接触させ、加圧せずとも浸透圧により海水中の水をこの誘引溶液に移動させ、分離、回収することにより淡水を製造する正浸透法が開発されている。
そして、この正浸透法のなかで、誘引溶液として曇点を有する感温剤水溶液を用いて曇点以上に加温することによって相分離することを利用した方法が特許文献1に開示されている。この特許文献1の方法は、曇点を有する感温剤を溶質とする誘引溶液を用いており、図3に示すように、海水41を正浸透システム35に送って、そこで半透膜を介して誘引溶液44と接触させて海水41中の水を浸透圧により半透膜を透過させて誘引溶液44へ移動させる。水が誘引溶液に移動して残った濃縮海水42は正浸透システム35から流出する。一方、誘引溶液44が海水中の水で希釈されて生成した希釈誘引溶液45は加熱器を備えた沈殿システム36に送られ、そこで重力分離あるいは沈殿を生じた希釈誘引溶液はポンプ37で加圧されてろ過システム38に送られる。その際、溶質の曇点より低い温度の液49を添加することができる。ろ過システム38で濃縮された誘引溶液44は正浸透システム35に返送される。一方、ろ過された膜ろ過水48は後処理部39でさらに精製されて飲料水となる。曇点を有する感温剤には、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を含むポリマーなどが使用され、ろ過システムのろ材にはナノろ過膜や逆浸透膜が使用される。
また、正浸透法で得た希釈誘引溶液を曇点以上に加温して相分離した水を主体とする希薄溶液相と感温剤を主体とする濃厚溶液相を重力分離することも知られている(特許文献2)。そこでは、分離した水を主体とする希薄溶液は、膜処理して膜ろ過水を得て、残った膜濃縮水は相分離装置へ返送している。
米国特許第2010/0155329A1号明細書 特許第6149626号公報
本発明者らは、正浸透法による水処理の検討を続けていったところ、重力分離した希薄溶液の仕上膜処理において、ろ過圧力が大きくなるという問題を生じた。そこで、この原因を追求し、重力分離された希薄溶液に含まれる感温剤の量は少ないが、それでもその感温剤が膜ろ過におけるろ過抵抗を高め、ろ過圧力が大きくなっていることを見出した。その解決手段としては、希薄溶液の感温剤濃度をさらに下げることが考えられる。そこで、本発明者らは、希薄溶液の感温剤濃度を下げる手段として相分離温度を上昇させることを考えたが、そのためには多くの熱量が必要である。
本発明の目的は、少ない熱量で希薄溶液の感温剤濃度を下げ、その膜ろ過を円滑に行うことができる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、相分離させて重力分離する工程を2段階に分け、第一の重力分離工程で、希釈感温剤水溶液から濃厚溶液を分離して残った希薄溶液をその曇点以上に加温してさらに第二の濃厚溶液相を出現させ、これを分離することによって希薄溶液の感温剤濃度を低下させる方法に想到した。そして、これによって得られた第二の希薄溶液は膜ろ過を円滑に行うことができることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち、本発明は、
塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する第一加温工程と、前記第一加温工程で、感温剤を主体とする第一濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する第一希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を第一濃厚溶液層と第一希薄溶液層に重力分離する第一重力分離工程と、前記第一重力分離工程で層分離された第一希薄溶液をさらにその曇点以上に加温する第二加温工程と、前記第二加温工程で第二濃厚溶液相と第二希薄溶液相とに相分離した第一希薄溶液を第二濃厚溶液層と第二希薄溶液層に重力分離する第二重力分離工程と、前記第一重力分離工程で層分離された第一濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記第二重力分離工程で分離された第二希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過工程を有することを特徴とする正浸透水処理方法と、
塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透膜モジュールと、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する第一加温手段と、前記第一加温手段で加温され相分離した、感温剤を主体とする第一濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する第一希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を第一濃厚溶液層と第一希薄溶液層に重力分離する第一重力分離槽と、前記第一重力分離槽で分離された第一希薄溶液をさらにその曇点以上に加温する第二加温手段と、前記第二加温手段で第二濃厚溶液相と第二希薄溶液相とに相分離した第一希薄溶液を第二濃厚溶液層と第二希薄溶液層に重力分離する第二重力分離槽と、前記第一重力分離槽で重力分離された第一濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜モジュールへ循環し、希薄溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記第二重力分離槽で分離された第二希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過装置を有することを特徴とする正浸透水処理装置
を提供するものである。
希薄溶液の感温剤濃度を低減するために、正浸透工程から送られてくる希釈感温剤水溶液の全てを高温に加温すると、必要な熱量が大幅に増加する。そこで、本発明では、希釈感温剤水溶液から第一濃厚溶液を分離し、第一希薄溶液のみをさらに加温することによって熱量を節減している。そして、この2段階の重力分離では第一の重力分離工程の希釈感温剤水溶液の温度を従来より低下させることによって供給する熱量をさらに低下させることができる。
従って、本発明は、
第二重力分離工程で重力分離された第二濃厚溶液も前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する上記の正浸透水処理方法
を提供するものである。
本発明により、少ない熱量で膜ろ過工程に送る希薄溶液の感温剤濃度を低下させて、膜ろ過を円滑に行うことができる。
本発明の一実施形態の装置の概略構成を示す図である。 感温剤濃度と曇点との関係の例を示す図である。 従来の正浸透法の装置の概略構成を示す図である。
本発明の方法で処理される被処理水は水を溶媒とし、塩類を含有する溶液であり、海水、かん水、廃水などである。
正浸透工程
正浸透工程は、必要によりろ過処理した被処理水と、感温剤を水に溶解した高浸透圧の水溶液を半透膜を介して接触させ、被処理水中の水を半透膜を通して感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る工程である。
感温剤は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、水溶性から不水溶性に変化する温度が下限臨界温度あるいは曇点と呼ばれる。この温度に達すると疎水性化した感温剤が凝集して白濁が起こる。
この感温剤は、各種界面活性剤、分散剤、乳化剤などとして利用されており、例示すれば、アルコール、アルキル基または脂肪酸と、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、アクリルアミドとアルキル基の化合物、グリセリンと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ペンタエリスリトールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ヘキシレンングリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、などである。本発明において使用する感温剤としては、曇点が30℃〜80℃の範囲、特に40℃〜60℃の範囲のものが好ましい。
感温剤水溶液の濃度は、感温剤水溶液の浸透圧が、被処理液の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならず、高い方が好ましいが、実用的観点から60〜95質量%程度、好ましくは70〜95質量%程度、より好ましくは75〜95質量%程度である。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、正浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱型の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に被処理水を流し、他方の室に感温剤水溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることもできる。
正浸透工程で被処理水を半透膜を介して感温剤水溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って感温剤水溶液に移動して希釈感温剤水溶液となり、残った被処理水は水の移動によって濃縮されて膜濃縮水として排出される。
正浸透工程から排出される希釈感温剤水溶液は、曇点以上に加温して感温剤の濃厚相と希薄相を形成させ、これを重力分離するが、本発明では、この加温と重力分離を2段階に分けたことを特徴としている。
第一加温工程
正浸透工程で被処理水から水が移動して希釈された希釈感温剤水溶液を曇点以上の温度まで加温して、感温剤の少なくとも一部を凝集させる。この凝集とは、感温剤の濃厚溶液が分離したものである。加温温度は曇点以上であればよいが従来は、曇点以上の加温で相分離される希薄溶液相の感温剤の濃度をなるべく低くするために、曇点より30℃以上高くしていた。本発明では、第二加温工程を設けたことにより、第一加温工程での加温はあまり高くする必要がなく、曇点より10〜25℃程度好ましくは15〜20℃程度高くすればよい。加温手段は、希釈感温剤水溶液を加温できればよく熱交換器等を使用できる。第一加温工程における加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量や温度の調整で制御できる。
この第一加温工程の熱源には、次の第一重力分離工程で分離された第一濃厚溶液の顕熱を使用することができる。
第一重力分離工程
前記第一加温工程で相分離した希釈感温剤水溶液を、感温剤を主体とする第一濃厚溶液層と水を主体とし少量の感温剤を含有する第一希薄溶液層に重力分離する。この重力分離は曇点以上の液温で第一重力分離槽内で静置又は連続的に流通させながら行うことができる。その際、前記第一加温工程で凝集した感温剤の第一濃厚溶液は第一重力分離槽に投入されると、濃厚溶液の微細液滴は速やかに沈降し、液滴同士が合一して第一重力分離槽下部に第一濃厚溶液層が形成される。
重力分離された第一希薄溶液の感温剤の濃度は1〜10質量%程度、通常2〜5質量%程度であり、感温剤は一部が溶解し、一部は懸濁状態になっている。
第一濃厚溶液の感温剤の濃度は70〜90質量%程度、通常75〜85質量%程度である。
第二加温工程
第一重力分離工程で分離された第一希薄溶液をさらにその曇点以上に加温して感温剤の第二濃厚溶液相と第二希薄溶液相に相分離させる。曇点は感温剤の種類と濃度によって変わる。例えば、図2に濃度と曇点の関係の例を示す。
加温温度は曇点以上であればよいが、上限は水の沸点までであり、曇点より25〜40℃程度高くすることにより、第二希薄溶液の感温剤濃度が0.01〜1質量%程度になる。好ましくは30〜35℃程度高くすることにより第二希薄溶液の感温剤濃度は0.1〜0.5質量%程度に低減できる。
第二加温工程で加温される第一希薄溶液の液量は希釈感温剤水溶液から第一濃厚溶液の液量を差引いた分であり希釈感温剤水溶液の液量の20〜60%程度になる。この第一希薄溶液の加温は、第一加温工程とは別の加温手段を設けて行うが、第一加温工程の加温手段を兼用することもできる。
第二重力分離工程
前記第二加温工程で相分離した第一希薄溶液を第二重力分離槽内で第二濃厚溶液層と第二希薄溶液層に重力分離する。この重力分離も静置又は連続的に流通させながら行うことができる。重力分離された第二濃厚溶液は少量で、第一濃厚溶液の1〜5%程度である。第二濃厚溶液の感温剤濃度は80〜90質量%程度であり、濃度に応じて、第一濃厚溶液に加えあるいは希釈感温剤水溶液に返送する。
冷却・循環工程
前記第一重力分離工程で分離された第一濃厚溶液は、感温剤水溶液の曇点より低い温度に冷却することで水に溶解させて感温剤水溶液に再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。冷却手段も熱交換器等を使用できる。この冷却熱源としては、被処理水あるいは正浸透工程において得られた希釈感温剤水溶液を用いることがエネルギーの効率的な利用の点で好ましい。
再生した感温剤水溶液はそのまま循環して再利用できる。
膜ろ過工程
一方、前記第二重力分離工程で分離された第二希薄溶液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで仕上膜ろ過して、そこに主に溶解して残存している感温剤を除去する。膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。膜ろ過されないで残った仕上膜濃縮水は、感温剤が含まれているので、図1のように希釈感温剤水溶液24、または希薄溶液供給ポンプ10の上流側へ合流させるか、その組合わせでも良い。あるいは感温剤水溶液12へ合流させることもできる。
また、正浸透工程で得られた膜濃縮水は塩類を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩類を析出させて分離し、有効利用することもできる。
本発明の実施形態を図1に示す。
この実施形態の装置は、海水から淡水を製造するものであり、海水供給ポンプ5、正浸透膜モジュール1、第一加温熱交換器6、第一重力分離槽3、第二加温熱交換器34、第二重力分離槽31、冷却熱交換器9、希薄溶液供給ポンプ10、仕上膜モジュール4、感温剤水溶液供給ポンプ8および冷却熱交換器7よりなっている。
そして、被処理水である海水21は海水供給ポンプ5により正浸透膜モジュール1に導入され、正浸透膜2を介して感温剤水溶液12と接触する。そこで、海水中の水が正浸透膜2を通って感温剤水溶液12に移動し、それによって濃縮された濃縮海水22が排出される。一方、水の移動によって希釈された希釈感温剤水溶液24は加温熱交換器6で曇点以上に加温されて、感温剤を主体とする第一濃厚溶液相と水を主体として少量の感温剤を含有する第一希薄溶液相に相分離し、第一重力分離槽3に送られる。そこで、第一濃厚溶液層と第一薄溶液層に分層して別々に取り出される。
取り出された第一希薄溶液26は第二加温熱交換器34でさらに加温されてその曇点以上とされ、第二濃厚溶液相と第二希薄溶液相に相分離し、第二重力分離槽31に送られる。そこで、第二濃厚溶液層と第二希薄溶液層に分層して別々に取り出される。
取り出された第二希薄溶液32は冷却熱交換器9で冷却されて残存している感温剤を溶解し、希薄溶液供給ポンプ10で仕上膜モジュール4に送られてそこで感温剤が除去され、膜ろ過水は淡水27として取り出される。仕上膜モジュール4で分離された仕上膜濃縮水11は、一部がブロー水28として取り出され、残りは返送される。
返送先は、正浸透膜モジュール1を出た希釈感温剤水溶液24と、第二重力分離槽31を出て冷却熱交換器9で冷却された第二希薄溶液32であり、それぞれのラインへ送る流量をコントロールすることにより、第一重力分離槽3へ供給される加温された希釈感温剤水溶液24の濃度をコントロールすることができる。また、希薄溶液供給ポンプ10の手前に返送する流量の調整により、仕上膜モジュール4を運転する上で必要な最小流量を確保することができる。
第一重力分離槽3で分層された感温剤の第一濃厚溶液23と第二重力分離槽31で分層された第二濃厚溶液33は、感温剤水溶液供給ポンプ8により取り出され、冷却熱交換器7で冷却されて感温剤水溶液12に再生され、正浸透膜モジュール1に希釈感温剤水溶液24、または希薄溶液供給ポンプ10の上流側、或いはそれらの両方に返送される。
図1に示す装置を用いた。被処理水21には、東京湾から採取した海水(塩濃度3.5%)を、感温剤にはアルキル基とエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体を使用した。
海水を正浸透膜モジュール1に1.2m/hの流量で供給し、感温剤水溶液は感温剤濃度78質量%で供給した。正浸透膜モジュール1から排出される希釈感温剤水溶液24と、仕上膜モジュール4から返送されてくる仕上膜濃縮水11が合流した後の感温剤濃度は40質量%になり、曇点は60℃であった。これを第一加温熱交換器6で75℃に加温し、第一重力分離槽3へ送った。第一重力分離槽3から排出される第一希薄溶液26は流量が1.2m/hで感温剤濃度は1.5質量%であった。第一濃厚溶液23は排出される流量が1.2m/hで感温剤濃度は78質量%であった。
第一希薄溶液26は曇点65℃であり、第二加温熱交換器34で95℃に加温して第二重力分離槽31に送った。第二重力分離槽31から排出される第二希薄溶液32は流量が1.2m/hで感温剤濃度0.1質量%であった。第二濃厚溶液33は流量0.02m/hで感温剤濃度は87質量%であった。
第二希薄溶液32は冷却熱交換器9で40℃に冷却して仕上膜モジュール4に送り、淡水27を得た。仕上膜モジュール4の透過水量は1MPa当り2.4m/hであった。仕上膜モジュール4で濃縮された仕上膜濃縮水11は、一部はブロー水28として排出させ、残りは希釈感温剤水溶液24に返送した。
一方、第一加温熱交換器6で仕上膜濃縮水を加えた希釈感温剤水溶液を88℃に加温して第二加温熱交換器34の加温と第二重力分離槽31での分離を行わなかった場合、第一希薄溶液26の流量は1.2m/hで感温剤濃度は80質量%であった。
第一希薄溶液26は冷却熱交換器9で40℃に冷却して仕上膜モジュール4に送り、淡水27を得た。仕上膜モジュール4の透過水量は1MPa当り1.1m/hであった。
本発明は、海水から淡水の製造や、廃水の脱塩などに広く利用できる。
1 正浸透膜モジュール
2 正浸透膜
3 第一重力分離槽
4 仕上膜モジュール
5 海水供給ポンプ
6 第一加温熱交換器
7 冷却熱交換器
8 感応剤水溶液供給ポンプ
9 冷却熱交換器
10 希薄溶液供給ポンプ
11 仕上膜濃縮水
12 感温剤水溶液
21 海水(被処理水)
22 濃縮海水(膜濃縮水)
23 第一濃厚溶液
24 希釈感温剤水溶液
25 仕上膜濃縮水
26 第一希薄溶液
27 淡水(膜ろ過水)
28 ブロー水
31 第二重力分離槽
32 第二希薄溶液
33 第二濃厚溶液
34 第二加温熱交換器

Claims (7)

  1. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する第一加温工程と、前記第一加温工程で、感温剤を主体とする第一濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する第一希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を第一濃厚溶液層と第一希薄溶液層に重力分離する第一重力分離工程と、前記第一重力分離工程で層分離された第一希薄溶液をさらにその曇点以上に加温する第二加温工程と、前記第二加温工程で第二濃厚溶液相と第二希薄溶液相とに相分離した第一希薄溶液を第二濃厚溶液層と第二希薄溶液層に重力分離する第二重力分離工程と、前記第一重力分離工程で層分離された第一濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記第二重力分離工程で分離された第二希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過工程を有することを特徴とする正浸透水処理方法。
  2. 第二重力分離工程で重力分離された第二濃厚溶液も前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する請求項1記載の正浸透水処理方法。
  3. 第一加温工程で加温する前記希釈感温剤水溶液の温度がその曇点より10〜25℃高い温度である請求項1又は2記載の正浸透水処理方法。
  4. 膜ろ過工程で分離された仕上膜濃縮水を返送して正浸透膜工程で得られた希釈感温剤水溶液に加える請求項1ないし3のいずれかに記載の正浸透水処理方法。
  5. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透膜モジュールと、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する第一加温手段と、前記第一加温手段で加温され相分離した、感温剤を主体とする第一濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する第一希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を第一濃厚溶液層と第一希薄溶液層に重力分離する第一重力分離槽と、前記第一重力分離槽で分離された第一希薄溶液をさらにその曇点以上に加温する第二加温手段と、前記第二加温手段で第二濃厚溶液相と第二希薄溶液相とに相分離した第一希薄溶液を第二濃厚溶液層と第二希薄溶液層に重力分離する第二重力分離槽と、前記第一重力分離槽で重力分離された第一濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜モジュールへ循環し、希薄溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記第二重力分離槽で分離された第二希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過装置を有することを特徴とする正浸透水処理装置。
  6. 前記第二重力分離槽で重力分離された第二濃厚溶液も前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透水処理装置へ循環するラインが設けられている請求項5記載の正浸透水処理装置。
  7. 膜ろ過装置で分離された仕上膜濃縮水を正浸透膜モジュールから排出される希釈感温剤水溶液に加える返送ラインが設けられている請求項5又は6記載の正浸透水処理装置。
JP2020065473A 2020-04-01 2020-04-01 正浸透水処理方法および装置 Pending JP2021159874A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020065473A JP2021159874A (ja) 2020-04-01 2020-04-01 正浸透水処理方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020065473A JP2021159874A (ja) 2020-04-01 2020-04-01 正浸透水処理方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021159874A true JP2021159874A (ja) 2021-10-11

Family

ID=78001941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020065473A Pending JP2021159874A (ja) 2020-04-01 2020-04-01 正浸透水処理方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021159874A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6495207B2 (ja) 正浸透水処理のための逆行溶解度溶質の回収
JP6149627B2 (ja) 半透膜による水処理方法
JP7117718B2 (ja) 水処理方法および水処理システム
JP6210033B2 (ja) 水の脱塩処理方法および装置
JP6028645B2 (ja) 水処理装置
JP2015192979A (ja) 半透膜による水処理装置
JP2015054292A (ja) 半透膜による水処理方法
KR101344784B1 (ko) 정삼투법과 석출법 및 역삼투법을 조합한 해수담수화 방법 및 장치
JP2014100692A (ja) 水処理方法
WO2019004281A1 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP6210034B2 (ja) 水の脱塩処理方法および装置
JP6210008B2 (ja) 水処理装置
JP2021159874A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP6414528B2 (ja) 水の脱塩処理方法および装置
JP6465301B2 (ja) 水の脱塩処理装置
JP6879228B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP2020175312A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP6974797B2 (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2021035656A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2021154188A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2020142162A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2021159875A (ja) 正浸透水処理装置および方法
WO2023058592A1 (ja) 水処理方法および水処理システム
JP2022129709A (ja) 正浸透法による脱塩方法および装置
JP2022129707A (ja) 正浸透水処理で使用される感温剤水溶液の浄化方法および装置