JP2020142162A - 正浸透水処理方法および装置 - Google Patents

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Koji Fuchigami
浩司 渕上
辻 猛志
Takeshi Tsuji
猛志 辻
戸村 啓二
Keiji Tomura
啓二 戸村
藤原 茂樹
Shigeki Fujiwara
茂樹 藤原
亮 功刀
Akira Kunugi
亮 功刀
佐藤 祐也
Yuya Sato
祐也 佐藤
彩 大里
Aya Osato
彩 大里
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Abstract

【課題】ろ過抵抗の有意な増加や膜ろ過水質の悪化等の問題がなく、正浸透法による脱塩運転を長期間安定して行える簡便かつ安価な手段の提供。【解決手段】塩類含有被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液12とを半透膜4を介して接触させ、希釈感温剤水溶液5と膜濃縮水13を得る正浸透工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上に加温する工程と、前記加温工程で相分離した感温剤主体の濃厚溶液層と、水主体で少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する工程と、濃厚溶液9を前記感温剤水溶液の曇点以下に冷却した後、前記正浸透工程へ循環する冷却・循環工程と、希薄溶液8を回収膜処理し、回収膜ろ過水16と回収膜濃縮水17を得て前記回収膜濃縮水を前記希釈感温剤水溶液に返送する回収膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、前記回収膜濃縮水の一部を引き抜いて前記希薄溶液の塩分濃度を0.7重量%以下に維持する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、正浸透法で海水や廃水等から塩類を除去する方法およびそれに使用する装置に関するものである。
海水から半透膜を用いて淡水を製造する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。しかし、この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費が嵩むという問題がある。そこで、半透膜を介して海水と海水より高濃度の溶液を吸引液として接触させ、加圧せずとも浸透圧により海水中の水をこの溶液に移動させ、分離、回収することにより淡水を製造する正浸透法が開発されている。
この正浸透法では、吸引液としてアンモニアと二酸化炭素を水に溶解した溶液が用いられてきたが、蒸発にかかるコストやアンモニアの安全性などから、本出願人は、曇点を有する感温剤を用いる方法を精力的に開発してきた。
この感温剤を用いた正浸透法では、海水と感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させて海水中の水分を半透膜を通して感温剤水溶液に移動させる正浸透工程と、この水で希釈された希釈感温剤水溶液を曇点以上に加温して感温剤を主体とする濃厚溶液と水を主体とする希薄溶液に分層させてこれらを分離する加温工程と重力分離工程と、分離された濃厚溶液を曇点以下に冷却して海水を接触させる感温剤水溶液として循環使用する冷却・循環工程よりなっている。
そして、この希薄溶液を淡水として使用するために、そこに残存している感温剤を膜処理して除去する回収膜ろ過工程が設けられることも知られている(特許文献1〜3)。
特開2015−54292号公報 特開2015−54293号公報 特開2017−148734号公報
本発明者らは、この正浸透法で海水等から淡水を製造する運転を続けていたところ、回収膜ろ過工程においてろ過抵抗の増加や塩分濃度の上昇が生じるようになり、これらによる運転コストの増大や処理水の水質悪化が問題になった。
本発明の目的は、正浸透法による脱塩の運転を、回収膜ろ過工程でのろ過抵抗の有意な増加や回収膜ろ過水(処理水)の水質の悪化等の問題がなく、長期にわたり安定して続けられる、簡便かつ安価な手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、その原因が正浸透工程で排出される希釈感温剤水溶液に含まれている微量の塩分にあることを見出した。すなわち、この塩分の大部分が、加温工程で希薄溶液に移って回収膜ろ過工程で回収膜濃縮水に集まり、感温剤とともに再び正浸透膜工程へ戻されていた。この塩分が運転の継続に伴って徐々に蓄積されていき、これが原因となって回収膜ろ過工程でのろ過抵抗の増加や回収膜ろ過水の塩分濃度の上昇を引き起こしていることが分かった。
そこで、その対策として、イオン交換樹脂やイオン交換膜を用いて塩分を除去する方法、分子量の差を利用して限外ろ過で塩分と感温剤を分離する方法などを検討したが、いずれもコスト面で実用化が困難であった。そこで、希薄溶液が回収膜ろ過されて残った回収膜濃縮水を希釈感温剤水溶液に返送する循環ラインからその一部を系外に抜き出すことを考えた。そして、この方法が循環ラインの塩分濃度を一定以下に保つのに極めて有効であり、それによって回収膜ろ過工程でのろ過抵抗の増加や回収膜ろ過水の塩分濃度の上昇を抑制して安定して運転を続けることができることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を回収膜処理し、回収膜ろ過水と回収膜濃縮水を得て回収膜濃縮水を希釈感温剤水溶液に返送する回収膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、
前記回収膜ろ過工程の回収膜濃縮水の一部を引き抜いて前記希薄溶液の塩分濃度を0.7重量%以下に維持することを特徴とする正浸透法による脱塩方法を提供するものである。
本発明はまた、塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る正浸透膜処理装置と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段で加温され相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離槽と、前記重力分離槽で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透処理装置へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記重力分離槽で分離された希薄溶液を回収膜処理し、回収膜ろ過水と回収膜濃縮水を得る回収膜ろ過装置と、該回収膜ろ過装置から排出される回収膜濃縮水を希釈感温剤水溶液へ返送し、冷却させる循環ラインを有する処理装置において、
前記循環ラインの途中に回収膜濃縮水の引抜きラインと塩分検出器を設け、該塩分検出器の指示により引抜きラインからの回収膜濃縮水の排出量を調整して希薄溶液の塩分濃度を0.7重量%以下に維持することを特徴とする正浸透水処理装置を提供するものである。
本発明により、感温剤を用いた正浸透法で淡水を製造する方法において、回収膜ろ過工程のろ過抵抗の増加や回収膜ろ過水の塩分濃度の増加を抑制し、正浸透法による脱塩を安定して続けることができる。
本発明の一実施態様の装置の概略構成を示す図である。 感温剤濃度とBrix値の関係の測定例を示すグラフである。 塩濃度と電導度の関係の測定例を示すグラフである。
本発明の方法で処理される被処理水は水を溶媒とし、塩類を含有する溶液であり、海水、かん水、廃水などである。
正浸透工程
正浸透工程は、必要によりろ過処理した被処理水と、感温剤を水に溶解した高浸透圧の水溶液を半透膜を介して接触させ、被処理水中の水を半透膜を通して感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る工程である。
感温剤は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、水溶性から不水溶性に変化する温度が下限臨界温度あるいは曇点と呼ばれる。この温度に達すると疎水性化した感温剤が凝集して白濁が起こる。
この感温剤は、各種界面活性剤、分散剤、乳化剤などとして利用されており、例示すれば、アルコール、アルキル基または脂肪酸とエチレンオキサイドの化合物、アルコール、アルキル基または脂肪酸とプロピレンオキサイドの化合物、アクリルアミドとアルキル基の化合物、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、アミノ酸およびその誘導体、ブチルグリコールやヘキシルグリコールなどのグリコールなどであり、好ましくは、ポリエチレングリコールとポリプロピレン/ポリブチレングリコールの共重合体、グリセロールエトキシレートブトキシレート、トリメチロールプロパンエトキシブトキシレート等である。本発明において使用する感温剤としては、曇点が30℃〜80℃の範囲、特に40℃〜60℃の範囲のものが好ましい。そのために、HLB値が10以上の非イオン性界面活性剤とそれよりHLB値が低い非イオン性界面活性剤、脂肪酸あるいはアルコールを組み合わせて曇点を上記の範囲に調節するといった方法を取ることもできる。
感温剤水溶液の濃度は、感温剤水溶液の浸透圧が、被処理液の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならない。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、正浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸膜などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱型の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に被処理水を流し、他方の室に感温剤水溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることもできる。
正浸透工程で被処理水を半透膜を介して感温剤水溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って感温剤水溶液に移動する。
加温工程
正浸透工程で被処理水から水が移動して希釈された希釈感温剤水溶液は感温剤濃度が10〜80重量%程度、通常30〜70重量%程度、そして塩分濃度が0.001〜0.1重量%程度である。この希釈感温剤水溶液を曇点以上の温度まで加温して、感温剤の少なくとも一部を凝集させる。この凝集とは、感温剤の濃厚溶液が分離したものである。
加温工程における加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量や温度の調整で制御できる。
この加温工程の熱源には、次の重力分離工程で分離された濃厚溶液の顕熱を使用することができる。
重力分離工程
前記加温工程で相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層に重力分離する。この重力分離は曇点以上の液温で重力分離槽内で静置することによって行うことができる。その際、前記加温工程で凝集した感温剤の濃厚溶液は重力分離槽に投入されると、感温剤の比重が水より重い場合は、濃厚溶液の微細液滴は速やかに沈降し、液滴同士が合一して重力分離槽下部に濃厚溶液層が形成される。一方、感温剤の比重が水より軽い場合、例えば、ブチルグリコールやヘキシルグリコールを感温剤に用いた場合は、濃厚溶液層が上層になり希薄溶液層が下層になる。
重力分離された希薄溶液の感温剤の含有量は100〜20000mg/L程度、通常1000〜10000mg/L程度であり、感温剤は一部が溶解し、一部は懸濁状態になっている。
冷却・循環工程
前記重力分離工程で分離された濃厚溶液は、感温剤水溶液の曇点より低い温度に冷却することで凝集した感温剤を感温剤水溶液として再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。この冷却熱源としては、被処理水あるいは正浸透工程において得られた希釈感温剤水溶液を用いることがエネルギーの効率利用の点で好ましい。
再生した感温剤水溶液はそのまま循環して再利用できる。
回収膜ろ過工程
一方、前記重力分離工程で分離された希薄溶液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで回収膜ろ過して、そこに主に溶解して残存している感温剤を除去する。回収膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。
回収膜ろ過されないで残った回収膜濃縮水は、感温剤が含まれているので、加温工程を介して重力分離工程に循環するが、本発明はその循環ラインの途中で回収膜濃縮水の一部を引き抜くことに特徴がある。この引抜きは循環ラインにおける塩分濃度の増加を抑制するためであり、原則は塩分濃度を一定値に保つように管理する。塩分は、被処理水によって異なるが、例えば、海水の場合、塩化ナトリウムが圧倒的に多く、その外、マグネシウム、カルシウム、カリウム等の塩化物、硫酸塩などが含まれるが、これらの総称である。塩分濃度の測定方法は問わないが、その場で連続的に測定できるものが好ましく、電導度計やナトリウム計、塩素計などのイオン電極を用い、塩分濃度は、それらの表示する値と予め求めておいた塩分濃度との関係から知ることができる。塩分濃度の測定位置は循環ラインの塩分濃度と相関関係が得られるところであれば何処でもよく、典型的には、循環ラインの、回収膜濃縮水と希釈感温剤水溶液との合流位置から重力分離槽の間、重力分離槽の希薄溶液の出口から回収膜ろ過装置の間、あるいは回収膜ろ過装置の回収膜濃縮水の出口から希釈感温剤水溶液との合流位置の間のいずれでもよく、さらに、重力分離槽や回収膜ろ過装置内の適宜位置を測定位置としてもよく、重力分離槽から出る濃厚溶液や回収膜ろ過装置から出る回収膜ろ過水を測定してもよい。
管理基準とする塩分濃度は、回収膜ろ過工程でのろ過抵抗があまり高くならず、かつ回収膜ろ過水の塩分濃度が高くならないように定められ、具体的には、例えば重力分離工程で分離される希薄溶液の塩分濃度で0.7重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下、特に好ましくは0.2重量%以下とするのがよい。一方、この塩分濃度があまり低くなりすぎると重力分離工程での感温剤の分離性が若干低下することを本発明者らは見出したので塩分濃度は0.1重量%以上とすることが好ましい。一般に曇点を有する界面活性剤の性質として、塩分共存時に曇点が低下する、つまり水との分離性が増大する傾向のあることが知られており、感温剤の場合にも共存する塩分が感温剤と水との分離性に影響を及ぼしているものと見られる。
回収膜濃縮水の引抜き量は、上記の管理基準に塩分濃度が入るように行われる。この引抜きは連続的に、つまり、一部を分流させて行ってもよく、あるいは間欠的に行ってもよい。引き抜いた回収膜濃縮水は感温剤を回収して再使用することも可能である。
一方、正浸透工程で得られた正浸透膜濃縮水は塩類を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩類を析出させて分離し、有効利用することができる。
この本発明の一実施態様を図1に示す。
これは、海水から淡水を製造する装置であり、海水1は海水供給ポンプ2により正浸透モジュール3に導入され、正浸透膜4を介して感温剤水溶液12と向流接触する。そこで、海水中の水が正浸透膜4を通って感温剤水溶液12に移動し、それによって濃縮された濃縮海水13(正浸透膜濃縮水)が排出される。一方、水の移動によって希釈された希釈感温剤水溶液5は熱交換器6で曇点以上に加温されて、感温剤を主体とする濃厚溶液層と水を主体として少量の感温剤を含有する希薄溶液層に相分離し、重力分離槽7に送られる。そこで、濃厚溶液層と希薄溶液層に分層して別々に取り出される。
取り出された希薄溶液8はポンプ14により回収膜ろ過装置15に送られて膜ろ過され、回収膜ろ過水16(処理水)が取り出される。
一方、ろ過されないで残った回収膜濃縮水17は、正浸透膜モジュール3から排出される希釈感温剤水溶液5へ返送されて合流する。この循環ライン18の途中に引抜きライン19が設けられ、そこから弁20を通して回収膜濃縮水の一部が引き抜かれる。この引抜きは、循環ライン18の途中に伝導度計21が設けられ、この伝導度計21の信号が制御装置22に送られて、その信号が、塩分濃度の設定値を越えることを示したときに、制御装置22が引抜きライン19の弁20および/又は循環ライン18の弁23の開度を調整して、循環ライン18からそこを流れる回収膜濃縮水17の一部を引き抜き、伝導率計21の信号が塩分濃度の測定値以下になったことを示したら、制御装置22の指示により弁20および/又は弁23を元に戻す。
重力分離槽7で分層された感温剤の濃厚溶液9は、感温剤水溶液ポンプ10により、熱交換器11に導入され冷却されて感温剤水溶液12に再生され、正浸透モジュール3に返送される。
こうして海水から連続して淡水が製造される。
図1に示す装置を用いた。正浸透モジュール3には、三酢酸セルロース製中空糸FO膜(10インチΦ×2m長)を、回収膜ろ過装置15にはポリアクリルアミド製スパイラルナノろ過膜(8インチΦ×長さ1m×2本)をそれぞれ使用した。
海水には、東京湾表層海水をUF膜で除濁して用いた。塩分濃度は3.2重量%、水温は23℃であった。感温剤水溶液12は、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンの重合物に水を加えて78重量%にした溶液を用いた。この溶液は曇点55℃(これは感温剤濃度によって変わる)であり、液温は40℃とした。感温剤濃度は屈折計を用い、Brix値を測定して求めた。感温剤濃度とBrix値の関係を予め測定した結果を図2に示す。
連続運転の条件および結果を表1に示す。
Figure 2020142162
尚、実験No.1では希薄溶液の塩分濃度は徐々に上昇しており、1.8wt.%は運転開始200時間後である。実験No.2と3の希薄溶液の塩分濃度は定常状態(200時間後)の値である。
重力分離される希薄溶液と濃厚溶液における塩分の分配率は20:1であり、濃厚溶液に塩分が含まれていてもFO膜モジュール3における水の吸引能力には影響がなかった。
これらの結果から、回収膜ろ過工程の回収膜濃縮水の系外排出を実施することによって循環ラインの塩分濃度を安定して一定値に保持することが可能となり、回収膜ろ過工程の運転圧力および回収膜ろ過水塩分濃度を安定させる運転が可能となることがわかった。
更に、希薄溶液、回収膜ろ過工程の回収膜濃縮水、再生感温剤水溶液及び/又は希釈感温剤水溶液の塩分濃度を電導度計等を使って計測し、その値に応じて膜ろ過工程の膜濃縮水引抜き量を変更することにより、循環ラインの塩分濃度を所望の値に制御することが可能であることも分った。塩濃度と電導度との関係を予め測定した結果を図3に示す。
本発明は、海水から淡水の製造や、廃水の脱塩などに広く利用できる。
1 海水
2 海水供給ポンプ
3 正浸透モジュール
4 正浸透膜
5 希釈感温剤水溶液
6 熱交換器
7 重力分離槽
8 希薄溶液
9 濃厚溶液
10 感温剤水溶液ポンプ
11 熱交換器
12 感温剤水溶液
13 正浸透膜濃縮水
14 ポンプ
15 回収膜ろ過装置
16 回収膜ろ過水(処理水)
17 回収膜濃縮水
18 循環ライン
19 引抜きライン
20 弁
21 電導度計
22 制御装置
23 弁

Claims (4)

  1. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を回収膜処理し、回収膜ろ過水と回収膜濃縮水を得て回収膜濃縮水を希釈感温剤水溶液に返送する回収膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、
    前記回収膜ろ過工程の回収膜濃縮水の一部を引き抜いて前記希薄溶液の塩分濃度を0.7重量%以下に維持することを特徴とする正浸透法による脱塩方法。
  2. 前記希薄溶液の塩分濃度を0.1〜0.3重量%に維持する請求項1記載の脱塩方法。
  3. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透膜処理装置と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段で加温され相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離槽と、前記重力分離槽で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透処理装置へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記重力分離槽で分離された希薄溶液を回収膜処理し、回収膜ろ過水と回収膜濃縮水を得る回収膜ろ過装置と、該回収膜ろ過装置から排出される回収膜濃縮水を希釈感温剤水溶液へ返送し、冷却させる循環ラインを有する処理装置において、
    前記循環ラインの途中に回収膜濃縮水の引抜きラインと塩分検出器を設け、該塩分検出器の指示により引抜きラインからの回収膜濃縮水の排出量を調整して希薄溶液の塩分濃度を0.7重量%以下に維持することを特徴とする正浸透水処理装置。
  4. 塩分検出器が電導度計である請求項3記載の正浸透水処理装置。
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