JP2021154188A - 正浸透水処理方法および装置 - Google Patents

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猛志 辻
浩司 渕上
Koji Fuchigami
浩司 渕上
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Keiji Tomura
啓二 戸村
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茂樹 藤原
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Yuya Sato
祐也 佐藤
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江梨 渡辺
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Abstract

【課題】曇点を有する感温剤水溶液を用い、正浸透法で水を吸収した希釈感温剤水溶液を加温して希薄溶液と濃厚溶液に相分離させ、この希薄溶液を仕上膜ろ過して淡水を製造する方法において、仕上膜ろ過装置の運転を安定して行うことができる方法の提供。【解決手段】正浸透膜処理工程で得た水を吸収した希釈感温剤水溶液を、加温して、感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに分離し、濃厚溶液は曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜処理工程へ循環し、希薄溶液は希薄溶液貯槽に入れ、該希薄溶液貯槽の底部に溜った感温剤を含む濃厚溶液を希薄溶液貯槽から引抜き、前記希薄溶液貯槽から出される希薄溶液を膜処理して仕上膜ろ過水を得る、正浸透水処理方法。【選択図】図2

Description

本発明は、正浸透法で海水や廃水等から塩類を除去する方法およびそれに使用する装置に関するものである。
海水から半透膜を用いて淡水を製造する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。しかし、この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費が嵩むという問題がある。そこで、半透膜を介して海水と海水より浸透圧の高い誘引溶液を接触させ、加圧せずとも浸透圧により海水中の水をこの誘引溶液に移動させ、分離、回収することにより淡水を製造する正浸透法が開発されている。
そして、この正浸透法のなかで、誘引溶液として曇点を有する感温剤水溶液を用いて曇点以上に加温することによって相分離することを利用した方法が特許文献1に開示されている。この特許文献1の方法は、曇点を有する感温剤を溶質とする誘引溶液を用いており、図3に示すように、海水41を正浸透システム30に送って、そこで半透膜を介して誘引溶液44と接触させて海水41中の水を浸透圧により半透膜を透過させて誘引溶液44へ移動させる。水が誘引溶液に移動して残った濃縮海水42は正浸透システム30から流出する。一方、誘引溶液44が海水中の水で希釈されて生成した希釈誘引溶液45は加熱器を備えた沈殿システム32に送られ、そこで重力分離あるいは沈殿処理を施された後、ポンプ33で加圧されてろ過システム34に送られる。その際、感温剤水溶液の曇点より低い温度の液49を添加することができる。ろ過システム34で希釈誘引溶液45が濃縮されて生成した誘引溶液44は正浸透システム30に返送される。一方、ろ過された膜ろ過水48は後処理部36でさらに精製されて飲料水となる。曇点を有する感温剤には、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を含むポリマーなどが使用され、ろ過システムのろ材にはナノろ過膜や逆浸透膜が使用される。
また、正浸透法で得た希釈誘引溶液を曇点以上に加温して相分離した水を主体とする希薄溶液相と感温剤を主体とする濃厚溶液相を重力分離することも知られている(特許文献2)。そこでは、分離した水を主体とする希薄溶液は、膜処理して膜ろ過水を得て、残った膜濃縮水は相分離装置へ返送している。
米国特許第2010/0155329A1号明細書 特許第6149626号公報
正浸透法で得た希釈誘引溶液である希釈感温剤水溶液は曇点以上に加温して相分離した希薄溶液相と濃厚溶液相を重力分離槽で連続的に分層させてそれぞれの層を分離回収して、分離した希薄溶液は希薄溶液貯槽より仕上膜ろ過装置に送り、ろ過して仕上処理しているが、連続運転中に仕上膜ろ過装置のろ過圧力が急上昇してろ過速度が不安定になることがあった。
本発明の目的は、曇点を有する感温剤水溶液を用い、正浸透法で水を吸収した希釈感温剤水溶液を加温して希薄溶液と濃厚溶液に相分離させ、この希薄溶液を仕上膜ろ過して淡水を製造する方法において、仕上膜ろ過装置の運転を安定して行うことができる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討し、仕上膜ろ過のろ過速度が遅くなる原因が重力分離槽で分離した希薄溶液に濃厚溶液相の微粒子が残存し、これが重力分離槽から流出した希薄溶液の貯槽で沈殿して仕上膜へ流入したときに、仕上膜のろ過圧力およびろ過速度が不安定になる場合があることを見出した。
すなわち、重力分離槽内において、上層水(希薄溶液相)の中には、粒子径が小さい感温剤の濃厚溶液の粒子が存在する。この濃厚溶液の微小粒子は沈降速度が極めて小さいため、一部は重力分離槽から希薄溶液貯槽へ流入する。この微小粒子の濃度が高まると濃厚溶液相となって希薄溶液貯槽に蓄積し、希薄溶液貯槽の底部容量が一杯になると送液ポンプから吸い込まれて仕上膜ろ過装置に流入するようになる。撹拌機等を希薄溶液貯槽へ取り付け微粒子の沈積を防いでも、いずれ微粒子の濃度は高まり仕上膜ろ過装置へ流入してしまう。そこで、希薄溶液貯槽底部に濃厚溶液の貯留スペースを設け、更に貯留した濃厚溶液の引抜き機構を備えることにより、仕上膜ろ過装置へ濃厚溶液が流入することを確実に防ぐことを可能にならしめて上記課題を解決し、本発明を完成した。
このように、本発明は、塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る正浸透膜処理工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で加温され相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜処理工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を膜処理し、仕上膜ろ過水を得る仕上膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、
前記重力分離工程で分離された希薄溶液を希薄溶液貯槽に入れ、該希薄溶液貯槽の底部に溜った感温剤を主体とする濃厚溶液を希薄溶液貯槽から引抜くことを特徴とする正浸透水処理方法と、
塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る正浸透膜モジュールと、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段で加温され相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離槽と、前記重力分離槽で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜モジュールへ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記重力分離槽で分離された希薄溶液を入れる希薄溶液貯槽と、該希薄溶液貯槽から出される希薄溶液を膜処理し、仕上膜ろ過水を得る仕上膜ろ過装置を有する処理装置において、
該希薄溶液貯槽の底部に、希薄溶液中に残存する濃厚溶液の粒子が沈降して貯留される貯留部を設け、かつ該貯留部に溜った濃厚溶液の引抜き機構を設けたことを特徴とする正浸透水処理装置を提供するものである。
本発明により、感温剤を用いた正浸透法で淡水を製造する際に、仕上の膜ろ過を安定して行うことができる。
本発明の一実施態様の装置の概略構成を示す図である。 その希薄溶液貯槽の概略構造を示す縦断面図である。 従来の感温剤を用いた正浸透水処理装置の概略構成を示す図である。
本発明の装置で処理される被処理水は水を溶媒とし、塩類を含有する溶液であり、海水、かん水、廃水などである。
正浸透膜処理工程
正浸透膜処理工程は、必要によりろ過処理した被処理水と、感温剤を水に溶解した高浸透圧の水溶液を半透膜を介して接触させ、被処理水中の水を半透膜を通して感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る工程である。
感温剤は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、水溶性から不水溶性に変化する温度が下限臨界温度あるいは曇点と呼ばれる。この温度に達すると疎水性化した感温剤が凝集して白濁が起こる。
この感温剤は、各種界面活性剤、分散剤、乳化剤などとして利用されており、例示すれば、アルコール、アルキル基または脂肪酸と、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、アクリルアミドとアルキル基の化合物、グリセリンと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ペンタエリスリトールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ヘキシレンングリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、などである。本発明において使用する感温剤としては、曇点が30℃〜80℃の範囲、特に40℃〜60℃の範囲のものが好ましい。
感温剤水溶液の濃度は、感温剤水溶液の浸透圧が、被処理液の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならない。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、正浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱型の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に被処理水を流し、他方の室に感温剤水溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることもできる。
正浸透膜処理工程で被処理水を半透膜を介して感温剤水溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って感温剤水溶液に移動して希釈感温剤水溶液となり、残った被処理水は水の移動によって濃縮されて正浸透膜濃縮水として排出される。
加温工程
正浸透膜処理工程で被処理水から水が移動して希釈された希釈感温剤水溶液を曇点以上の温度まで加温して、感温剤の少なくとも一部を凝集させる。この凝集とは、感温剤の濃厚溶液が分離したものである。加温手段は、希釈感温剤水溶液を加温できればよく熱交換器等を使用できる。加温工程における加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量や温度の調整で制御できる。
この加温工程の熱源の少なくとも一部には、次の重力分離工程で分離された濃厚溶液の顕熱を利用することができる。
重力分離工程
前記加温手段で相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層に重力分離する。この重力分離は曇点以上の液温で重力分離槽内で静置または連続的に流通させながら行うことができる。その際、前記加温工程で凝集した感温剤の濃厚溶液は重力分離槽に投入されると、濃厚溶液の微細液滴は速やかに沈降し、液滴同士が合一して重力分離槽下部に濃厚溶液層が形成される。
重力分離された希薄溶液の感温剤の含有量は0.001〜2.0質量%程度、通常0.01〜1.0質量%程度であり、感温剤は一部が溶解し、一部は懸濁状態になっている。
冷却・循環工程
前記重力分離工程で分離された濃厚溶液は、感温剤水溶液の曇点より低い温度に冷却することで水に溶解させて感温剤水溶液に再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。冷却手段も熱交換器等を使用できる。この冷却熱源の少なくとも一部としては、被処理水あるいは正浸透膜処理工程において得られた希釈感温剤水溶液を用いることがエネルギーの効率的な利用の点で好ましい。
再生した感温剤水溶液はそのまま循環して再利用できる。
希薄溶液貯槽
前記重力分離工程で分離された希薄溶液を一時的に受ける槽であり、希薄溶液の流入口と排出口を有している。本発明では、この希薄溶液貯槽に、希薄溶液中に残存する濃厚溶液の粒子が沈降して底部に溜る濃厚溶液を引抜くところに特徴があり、希薄溶液貯槽には濃厚溶液の貯留部と引抜き機構を設ける。引抜き機構は濃厚溶液排出管、濃厚溶液返送ポンプ、センサー、および制御盤等で構成される。一般的な液貯槽では液流入口の位置は問わないが、液排出口は貯槽の容積を有効に使うために通常は底部に設けられる。本発明では、希薄溶液の排出口(排出管の取り付け位置)を底部より上に設け、その下の底部までのスペースを濃厚溶液の貯留部にするのである。この貯留部は既存の貯槽の液排出口の位置を変えて設けてもよいし、あるいは底部に液溜を新たに設けてもよい。既存の貯槽を用いる場合、平底の貯槽は好ましくなく、底部が擂鉢状になっているものが好ましい。既存の貯槽は、排出口が底端に設けられ、そこに排出管が接続している場合と、引抜管が槽内に垂下形成されている場合がある。いずれの場合も希薄溶液用の排出口を新たに設けて、既存の排出口は底に溜った濃厚溶液の引抜口に転用することができる。
貯留部を付設した希薄溶液貯槽の一例を図2に示す。この希薄溶液貯槽20は円筒形で底部が擂鉢状の貯留分21(斜線で示す。)を形成している。希薄溶液貯槽20の上部には希薄溶液流入管22が接続され、希薄溶液貯槽20底部の貯留部21より十分上方に希薄溶液排出管23が取り付けられ、貯留部21の底端には濃厚溶液排出管24が取り付けられている。排出する希薄溶液への流入希薄溶液や貯留濃厚溶液の混入を抑制するために、希薄溶液貯槽20内にはバッフル等を設けることもできる。
貯留部に溜った濃厚溶液の引抜きは自動又は手動で行なうことができる。引抜きは一定速度で連続的に行っても良いし、濃厚溶液が希薄溶液貯槽への蓄積した量をセンサー27より検知して、間欠的に引抜を行っても良い。ただし、濃厚溶液が希薄溶液貯槽へ蓄積する速度よりも、引抜かれる速度(時間平均)が小さくてはならない。引抜かれる速度が蓄積する速度より小さい場合、希薄溶液貯槽に濃厚溶液が蓄積して仕上膜のろ過抵抗増大の原因となる。センサーは屈折率計、電気伝導率計、油水界面計等を用いることができる。好ましい引抜きは、引抜かれた液における濃厚溶液が10〜60%になる程度である。
希薄溶液貯槽から引抜いた濃厚溶液は、重力分離槽と正浸透膜モジュールの間を循環する感温剤の循環ラインの適当な位置に流入させることができる。図1のように希釈感温剤水溶液(FO膜)出口14に合流させても良いし、加温後の希釈感温剤水溶液16へ合流させても良い。また、感温剤水溶液13へ合流させても良い。
仕上膜ろ過工程
一方、前記重力分離工程で分離され希薄溶液貯槽から排出された希薄溶液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで仕上膜ろ過して、そこに主に溶解して残存している感温剤を除去する。仕上膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。仕上膜ろ過されないで残った仕上膜濃縮水は、感温剤が含まれているので、図1のように希釈感温剤水溶液(FO膜)出口14、または希薄溶液加圧ポンプ10の上流側へ合流させるか、その組合わせでも良い。あるいは感温剤水溶液13へ合流させることもできる。
一方、正浸透膜処理工程で得られた正浸透膜濃縮水は塩類を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩類を析出させて分離し、有効利用することもできる。
この本発明の一実施態様を図1に示す。
これは、海水11から淡水を製造する装置であり、海水11は海水供給ポンプ5により正浸透膜モジュール1に導入され、正浸透膜2を介して感温剤水溶液13と接触する。そこで、海水中の水が正浸透膜2を通って感温剤水溶液13に移動し、それによって濃縮された濃縮海水12が排出される。一方、水の移動によって感温剤水溶液13が希釈されて生成した希釈感温剤水溶液14は加温熱交換器6で曇点以上に加温されて、感温剤を主体とする濃厚溶液相と水を主体として少量の感温剤を含有する希薄溶液相に相分離し、重力分離槽3に送られる。そこで、濃厚溶液層と希薄溶液層に分層して別々に取り出される。
取り出された希薄溶液17は希薄溶液貯槽20に入れられ、そこから希薄溶液送液ポンプ25で送液され、冷却熱交換器9で冷却される。
冷却された希薄溶液は、希薄溶液供給ポンプ10で仕上膜モジュール4に送られてそこで感温剤が除去され、仕上膜ろ過水18は淡水として取り出される。仕上膜モジュール4で分離された感温剤を含む仕上膜濃縮水15は、冷却熱交換器9で冷却された希薄溶液又は正浸透膜モジュール1を出て加温熱交換器6に入る前の希釈感温剤水溶液14に返送されて合流する。このときの返送先への流量は、重力分離槽3での分離を安定的に行うため、加温された希釈感温剤水溶液16の流量および感温剤濃度をなるべく一定にするように配分することが望ましい。
重力分離槽3で分層された感温剤の濃厚溶液は、感温剤水溶液ポンプ8を介し、冷却熱交換器7で冷却されて感温剤水溶液13に再生され、正浸透膜モジュール1に返送される。
また、希薄溶液貯槽20底部の貯留部21に沈降して溜った濃厚溶液は濃厚溶液返送ポンプ26により取り出されて、正浸透膜モジュール1を出た希釈感温剤水溶液に合流する。
感温剤にはアルキル基とエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体を使用した。重力分離槽への供給流量は4.0m/h、重力分離槽からの希薄溶液の取出し流量は3.1m/h、仕上膜のろ過流量(透過液量)は0.4m/hとした。このときの仕上膜のろ過圧力は0.6MPaであった。
希薄溶液貯槽20の底部から濃厚溶液を排出しなかった場合、運転開始から約8時間で仕上膜のろ過圧力が1.2MPaまで急上昇した後、仕上膜のろ過流量が維持できなくなったため運転継続が困難となった。このとき、希薄溶液貯槽の底部に濃度60%の濃厚溶液が蓄積していた。
そこで、希薄溶液貯槽20の底部をすり鉢状の貯留部21とした上、濃厚溶液排出管24及び濃厚溶液返送ポンプ26を取り付けた。また、希薄溶液貯槽20から仕上膜モジュール4へ供給するための配管23より下方に連続測定可能な屈折率センサー27を取り付け、制御盤28を介して濃厚溶液返送ポンプ26を制御できるようにした。具体的には屈折率センサー27が30%の濃度に相当する屈折率を検知したとき濃厚溶液返送ポンプ26を起動し、10%の濃度に相当する屈折率を検知したら濃厚溶液返送ポンプ26を停止するようにプログラムした。本装置で運転を行った場合、仕上膜ろ過圧力は0.6MPaに保たれ、500時間以上連続運転することが可能であった。
本発明は、海水から淡水の製造や、廃水の脱塩などに広く利用できる。
1 正浸透膜モジュール
2 正浸透膜
3 重力分離槽
4 仕上膜モジュール
5 海水供給ポンプ
6 加温熱交換器
7 冷却熱交換器
8 感温剤水溶液供給ポンプ
9 冷却熱交換器
10 希薄溶液供給ポンプ
11 海水(被処理水)
12 濃縮海水(正浸透膜濃縮水)
13 濃厚溶液(感温剤水溶液)
14 希釈感温剤水溶液
15 仕上膜濃縮水
16 加温された希釈感温剤水溶液
17 希薄溶液
18 淡水(仕上膜ろ過水)
19 ブロー水
20 希薄溶液貯槽
21 貯留部
22 希薄溶液流入管
23 希薄溶液排出管
24 濃厚溶液排出管
25 希薄溶液送液ポンプ
26 濃厚溶液返送ポンプ
27 センサー
28 制御盤

Claims (4)

  1. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る正浸透膜処理工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で加温され相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜処理工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を膜処理し、仕上膜ろ過水を得る仕上膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、
    前記重力分離工程で分離された希薄溶液を希薄溶液貯槽に入れ、該希薄溶液貯槽の底部に溜った感温剤を主体とする濃厚溶液を希薄溶液貯槽から引抜くことを特徴とする正浸透水処理方法。
  2. 前記希薄溶液貯槽から引抜かれた濃厚溶液を、重力分離工程と正浸透膜処理工程の間を循環する感温剤の循環ラインに返送する請求項1に記載の正浸透水処理方法。
  3. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と正浸透膜濃縮水を得る正浸透膜モジュールと、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段で加温され相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層とに重力分離する重力分離槽と、前記重力分離槽で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透膜モジュールへ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記重力分離槽で分離された希薄溶液を入れる希薄溶液貯槽と、該希薄溶液貯槽から出される希薄溶液を膜処理し、仕上膜ろ過水を得る仕上膜ろ過装置を有する処理装置において、
    該希薄溶液貯槽の底部に、希薄溶液中に残存する濃厚溶液の粒子が沈降して貯留される貯留部を設け、かつ該貯留部に溜った濃厚溶液の引抜き機構を設けたことを特徴とする正浸透水処理装置。
  4. 貯留部に溜った濃厚溶液を、重力分離槽と正浸透膜モジュールの間を循環する感温剤の循環ラインに返送する配管が設けられている請求項3に記載の正浸透水処理装置。
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