JP2021035656A - 正浸透水処理方法および装置 - Google Patents

正浸透水処理方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021035656A
JP2021035656A JP2019157543A JP2019157543A JP2021035656A JP 2021035656 A JP2021035656 A JP 2021035656A JP 2019157543 A JP2019157543 A JP 2019157543A JP 2019157543 A JP2019157543 A JP 2019157543A JP 2021035656 A JP2021035656 A JP 2021035656A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
water
membrane
aqueous solution
diluted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019157543A
Other languages
English (en)
Inventor
亮 功刀
Akira Kunugi
亮 功刀
辻 猛志
Takeshi Tsuji
猛志 辻
渕上 浩司
Koji Fuchigami
浩司 渕上
戸村 啓二
Keiji Tomura
啓二 戸村
佐藤 祐也
Yuya Sato
祐也 佐藤
彩 大里
Aya Osato
彩 大里
拓也 江川
Takuya Egawa
拓也 江川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2019157543A priority Critical patent/JP2021035656A/ja
Publication of JP2021035656A publication Critical patent/JP2021035656A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

【課題】正浸透水処理法において、感温剤の分離性を良好に保ち円滑に運転を続ける手段を提供する。【解決手段】塩類含有の被処理水21を半透膜2を通して感温剤水溶液12に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液24と膜濃縮水22を得る正浸透工程と、希釈感温剤水溶液を曇点以上の温度まで加温する加温工程と、加温工程で相分離した希釈感温剤水溶液を感温剤主体の濃厚溶液相と、水主体で少量の感温剤を含有する希薄溶液相とに分離する重力分離工程と、分離された濃厚溶液23を感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却後、正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、分離された希薄溶液26を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水11を得る膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、仕上膜濃縮水を電気透析して酸溶液32とアルカリ溶液33を生成し、アルカリ溶液33を希釈感温剤水溶液24に加えてpHを調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、正浸透法で海水や廃水等から塩類を除去する方法およびそれに使用する装置に関するものである。
海水から半透膜を用いて淡水を製造する方法は種々知られているが、海水に浸透圧以上の圧力を加えて水を強制的に透過させる逆浸透法が主に開発されてきた。しかし、この方法は高圧に加圧する必要があるため、設備費および運転費が嵩むという問題がある。そこで、半透膜を介して海水と海水より浸透圧の高い誘引溶液とを接触させ、加圧せずとも浸透圧により海水中の水をこの誘引溶液に移動させ、分離、回収することにより淡水を製造する正浸透法が開発されている。
そして、この正浸透法のなかで、誘引溶液として曇点を有する感温剤水溶液を用いて曇点以上に加温することによって相分離することを利用した方法が特許文献1に開示されている。この特許文献1の方法は、曇点を有する感温剤を溶質とする誘引溶液を用いており、図2に示すように、海水41を正浸透システム40に送って、そこで半透膜を介して誘引溶液44と接触させて海水41中の水を浸透圧により半透膜を透過させて誘引溶液44へ移動させる。水が誘引溶液に移動して残った濃縮海水42は正浸透システム40から流出する。一方、誘引溶液44が海水中の水で希釈されて生成した希釈誘引溶液45は加熱器を備えた沈殿システム43に送られ、そこで重力分離あるいは沈殿を生じた希釈誘引溶液はポンプ46で加圧されてろ過システム47に送られる。その際、溶質の曇点より低い温度の液49を添加することができる。ろ過システム47で濃縮された誘引溶液44は正浸透システム40に返送される。一方、ろ過された膜ろ過水48は後処理部50でさらに精製されて飲料水となる。曇点を有する感温剤には、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を含むポリマーなどが使用され、ろ過システムのろ材にはナノろ過膜や逆浸透膜が使用される。
また、正浸透法で得た希釈誘引溶液を曇点以上に加温して相分離した水を主体とする希薄溶液相と感温剤を主体とする濃厚溶液相を重力分離することも知られている(特許文献2)。そこでは、分離した水を主体とする希薄溶液は、膜処理して膜ろ過水を得て、残った膜濃縮水は相分離装置へ返送している。
米国特許第2010/0155329A1号明細書 特許第6149626号公報
本発明者らが、正浸透法による水処理方法の検討を続けていたところ、希釈誘引溶液を加温して相分離した際に、濃厚溶液相の感温剤濃度が低下することがあった。
本発明の目的は、正浸透法による水処理において、濃厚溶液相の感温剤濃度を良好に保って円滑に運転を続けられる手段を提供することにある。
本発明者らは、運転中に濃厚溶液相の感温剤濃度が低下する問題を鋭意検討し、運転中に希釈感温剤水溶液のpHを測定していたこともあって、その原因が希釈感温剤水溶液の酸性化にあることを見出した。すなわち、被処理水である海水を正浸透膜で処理すると、重炭酸イオンは膜を透過しにくいが溶存炭酸ガスは透過しやすいため、膜透過水は被処理水よりも酸性になって感温剤水溶液と混合される。そのため、系内では酸が次第に増加して酸性になると考えた。一方で、希釈感温剤水溶液を加温して感温剤を相分離する際に、pHが酸性になりすぎると感温剤の分離性が悪くなり、濃厚溶液相の感温剤濃度が低下して運転が不安定となる。
その対策としては、希釈感温剤水溶液にアルカリを加えて酸性化を防止すればよいが、そのアルカリは系内から調達するほうが望ましい。そこで、本発明者らは、仕上膜濃縮水に着目し、これを電気透析してアルカリを製造する方法を考えた。そして、これを用いることにより、希釈感温剤水溶液からの感温剤分離性が高まり、システムを円滑に安定して運転できることを見出して本発明を完成することができた。
すなわち、本発明は、
塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で、感温剤を主体とする濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を濃厚溶液層と希薄溶液層に重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で層分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、前記仕上膜濃縮水を電気透析して酸溶液とアルカリ溶液を生成させ、該アルカリ溶液を前記希釈感温剤水溶液に加えてpHを調整することを特徴とする正浸透水処理方法と、
塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透膜処理装置と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段で加温され相分離した、感温剤を主体とする濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を濃厚溶液層と希薄溶液層に重力分離する重力分離槽と、前記重力分離槽で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透処理装置へ循環し、希薄溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記重力分離槽で分離された希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過装置を有する処理装置において、前記仕上膜濃縮水を電気透析し酸溶液とアルカリ溶液を得る電気透析器と、該アルアリ溶液を前記希釈感温剤水溶液に加える手段が設けられていることを特徴とする水処理装置
を提供するものである。
NaSO等の無機塩溶液から酸とアルカリを生成させる技術としてバイポーラ膜電気透析が知られている。本発明のアルカリ製造方法としてバイポーラ膜電気透析は特に適している。
従って、本発明は
電気透析がバイポーラ膜電気透析である上記の正浸透水処理方法と、
前記電気透析器がバイポーラ膜電気透析器である上記の水処理装置
を提供するものである。
本発明により、正浸透装置の半透膜を透過する酸を仕上膜濃縮水を電気透析して得られたアルカリ溶液で中和して、感温剤の分離性の悪化を防ぎ、水処理を安定して円滑に行うことができる。
本発明の一実施形態の装置の概略構成を示す図である。 従来の正浸透法の装置の概略構成を示す図である。
本発明の方法で処理される被処理水は水を溶媒とし、塩類を含有する溶液であり、海水、かん水、廃水などである。
正浸透工程
正浸透工程は、必要によりろ過処理した被処理水と、感温剤を水に溶解した高浸透圧の水溶液を半透膜を介して接触させ、被処理水中の水を半透膜を通して感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る工程である。
感温剤は、低温では親水性で水によく溶けるが、ある温度以上になると疎水性化し溶解度が低下する物質であり、水溶性から不水溶性に変化する温度が下限臨界温度あるいは曇点と呼ばれる。この温度に達すると疎水性化した感温剤が凝集して白濁が起こる。
この感温剤は、各種界面活性剤、分散剤、乳化剤などとして利用されており、例示すれば、アルコール、アルキル基または脂肪酸と、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、アクリルアミドとアルキル基の化合物、グリセリンと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ペンタエリスリトールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、ヘキシレンングリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの両方もしくは片方との化合物、などである。本発明において使用する感温剤としては、曇点が30℃〜80℃の範囲、特に40℃〜60℃の範囲のものが好ましい。
感温剤水溶液の濃度は、感温剤水溶液の浸透圧が、被処理液の浸透圧より十分高くなるように調整しなければならず、高い方が好ましいが、実用的観点から60〜95質量%程度、好ましくは70〜95質量%程度、より好ましくは75〜95質量%程度である。
半透膜は水を選択的に透過できるものがよく、正浸透(Forward Osmosis)膜が好ましいが、逆浸透膜も使用できる。材質は特に制限されないが、例示すれば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、ポリエチレンイミン系、ポリスルホン系、ポリベンゾイミダゾール系のものなどを挙げることができる。半透膜の形態も特に制限されず、平膜、管状膜、中空糸などいずれであってもよい。
この半透膜を装着する装置は通常は円筒形あるいは箱型の容器内に半透膜を設置して、この半透膜で仕切られた一方の室に被処理水を流し、他方の室に感温剤水溶液を流せるものであり、公知の半透膜装置を用いることができ、市販品を用いることもできる。
正浸透工程で被処理水を半透膜を介して感温剤水溶液と接触させると浸透圧の差によって被処理水中の水が半透膜を通って感温剤水溶液に移動して希釈感温剤水溶液となり、残った被処理水は水の移動によって濃縮されて膜濃縮水として排出される。
加温工程
正浸透工程で被処理水から水が移動して希釈された希釈感温剤水溶液を曇点以上の温度まで加温して、感温剤の少なくとも一部を凝集させる。この凝集とは、感温剤の濃厚溶液が分離したものである。加温手段は、希釈感温剤水溶液を加温できればよく熱交換器等を使用できる。加温工程における加温温度は、例えば熱交換器へ導入する熱媒体の流量や温度の調整で制御できる。
この加温工程の熱源には、次の重力分離工程で分離された濃厚溶液の顕熱を使用することができる。
重力分離工程
前記加温工程で相分離した感温剤を主体とする濃厚溶液層と水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液層に重力分離する。この重力分離は曇点以上の液温で重力分離槽内で静置又は連続的に流通させながら行うことができる。その際、前記加温工程で凝集した感温剤の濃厚溶液は重力分離槽に投入されると、濃厚溶液の微細液滴は速やかに沈降し、液滴同士が合一して重力分離槽下部に濃厚溶液層が形成される。
重力分離された希薄溶液の感温剤の濃度は0.01〜2.0質量%程度、通常0.1〜1.0質量%程度であり、感温剤は一部が溶解し、一部は懸濁状態になっている。
濃厚溶液の感温剤の濃度は70〜95質量%程度、通常75〜85質量%程度である。
冷却・循環工程
前記重力分離工程で分離された濃厚溶液は、感温剤水溶液の曇点より低い温度に冷却することで水に溶解させて感温剤水溶液に再生する。この温度は広い範囲で採用可能であるが、経済性を考慮すると常温かそれより高い温度が好ましい。冷却手段も熱交換器等を使用できる。この冷却熱源としては、被処理水あるいは正浸透工程において得られた希釈感温剤水溶液を用いることがエネルギーの効率的な利用の点で好ましい。
再生した感温剤水溶液はそのまま循環して再利用できる。
膜ろ過工程
一方、前記重力分離工程で分離された希薄溶液は、ナノろ過膜や逆浸透膜などで仕上膜ろ過して、そこに主に溶解して残存している感温剤を除去する。膜ろ過水は淡水であり、飲料水などに利用できる。膜ろ過されないで残った仕上膜濃縮水は、感温剤が含まれているので、図1のように希釈感温剤水溶液24、または希薄溶液供給ポンプ10の上流側へ合流させるか、その組合わせでも良い。あるいは感温剤水溶液12へ合流させることもできる。
また、正浸透工程で得られた膜濃縮水は塩類を高濃度で含んでいるので、これを濃縮して塩類を析出させて分離し、有効利用することもできる。
本発明者らは、このような正浸透水処理方法で海水等から淡水等の製造を検討して、希釈誘引溶液を加温して相分離した際に、濃厚溶液相の感温剤濃度が低下する問題に遭遇し、その原因が希釈感温剤水溶液の酸性化にあることを突止めた。被処理水のpHが6〜8、感温剤水溶液の正浸透膜モジュール入口側のpHが6〜8であるとすると、感温剤水溶液の正浸透膜モジュール出口側ではpHが0.5から1下がってpH5〜7程度になる。これが連続的におこなわれることにより、系内のpHが酸性に偏っていくと考えられる。そして、加温前希釈溶液にアルカリを加えてpH6以上にすれば濃厚溶液相の感温剤濃度が低下することを防ぐことができることを見出した。
このアルカリには既存のものを用いればよいが、水処理はアルカリの入手が容易でない場所で行われることもある。そこで、本発明者らはこのアルカリを系内から求めることを考え、希釈感温剤水溶液に含まれる酸があまり多くないことも考慮して、感温剤回収のために希釈感温剤水溶液に返送されていた仕上膜濃縮水に含まれている塩類に着目した。そして、これを電気透析して酸溶液とアルカリ溶液に分け、このアルカリ溶液を利用することを思い付いた。
電気透析はアルカリ溶液を製造できるものであれば特に限定されないが、イオン交換膜と電気透析を組み合わせたバイポーラ膜電気透析が特に好ましい。例えば、バイポーラ膜にアニオン交換膜とカチオン交換膜を組合せた電気透析槽へNaSOなどの無機塩溶液を供給することにより、陰イオンはアニオン交換膜を透過してバイポーラ膜で分離された水素イオンと酸を生成する。陽イオンはカチオン交換膜を透過してバイポーラ膜で分離された水酸化物イオンとアルカリを生成する。
仕上膜濃縮水に含まれる無機塩類は、被処理水の成分に依るが、例えばNa、Ca、K、Mg、Cl、SO、CO、NO等が含まれることが考えられる。
仕上膜濃縮水を電気透析して酸溶液とアルカリ溶液が得られ、このアルカリ溶液を希釈感温剤水溶液に加えて酸の中和に用いる。アルカリ溶液の添加量は加温前希釈感温剤水溶液をpH6.0以上とすることが好ましく、より好ましくはpH6.5以上である。このpHはpH8以上にしても感温剤の分離性は変化しないためpH8以下、好ましくはpH7以下でよい。アルカリ溶液の添加は希釈感温剤水溶液を加温する前が好ましい。希釈感温剤水溶液の酸の中和には水酸化ナトリウム等の既存のアルカリ水溶液を別途準備しておいて、必要によりそれを併用することもできる。
希釈感温剤水溶液のpHを高めることによって濃厚溶液の感温剤濃度を高めることもできる。その一例を次に示す。被処理水には硫酸を加えてpH6.5に調整した海水を用い、感温剤水溶液には、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン-アルキルとエーテルの80質量%水溶液を用いた。正浸透膜処理装置から流出する希釈感温剤水溶液のpHを5.0〜7.0に調整して88℃に加温し、重力分離槽で相分離したところ、濃厚溶液の感温剤濃度は次のようになった。
Figure 2021035656
電気透析でアルカリ溶液とともに発生した酸溶液はブロー水とともに系外に排出する。
本発明の実施形態を図1に示す。
この実施形態の装置は、海水から淡水を製造するものであり、海水供給ポンプ5、正浸透膜モジュール1、加温熱交換器6、重力分離槽3、冷却熱交換器9、希薄溶液供給ポンプ10、仕上膜モジュール4、感温剤水溶液供給ポンプ8、冷却熱交換器7、バイポーラ膜電気透析器31、アルカリ溶液添加ポンプ34およびアルカリ溶液タンク35よりなっている。
そして、被処理水21は被処理水供給ポンプ5により正浸透膜モジュール1に導入され、正浸透膜2を介して感温剤水溶液12と接触する。そこで、被処理水21中の水が正浸透膜2を通って感温剤水溶液12に移動し、それによって濃縮された膜濃縮水22が排出される。一方、水の移動によって希釈された希釈感温剤水溶液24は加温熱交換器6で曇点以上に加温されて、感温剤を主体とする濃厚溶液相と水を主体として少量の感温剤を含有する希薄溶液相に相分離し、重力分離槽3に送られる。そこで、濃厚溶液層と希薄溶液層に分層して別々に取り出される。
取り出された希薄溶液26は冷却熱交換器9で冷却されて残存している感温剤を溶解する。冷却熱交換器9で冷却された希薄溶液は、希薄溶液供給ポンプ10で仕上膜モジュール4に送られてそこで感温剤が除去され、膜ろ過水は淡水27として取り出される。仕上膜モジュール4で分離された仕上膜濃縮水11は、一部がブロー水28として取り出され、一部はバイポーラ膜電気透析器31に送られ、残りは冷却熱交換器9と希薄溶液供給ポンプ10の間、および希釈感温剤水溶液24に返送される。
バイポーラ膜電気透析器31で生成された酸溶液32は系外に出されて処理される。
アルカリ溶液33は希釈感温剤水溶液24に送られてそこに含まれている酸を中和する。アルカリ溶液33を加えられた希釈感温剤水溶液29はpH計36でpHが測定され、そのデータはコントローラ(図示せず)に送られて、流量調節弁37でアルカリ溶液33の流量をコントロールすることにより希釈感温剤水溶液29のpHが設定範囲に維持される。アルカリ溶液33が不足したときにはアルカリ溶液添加ポンプ34を作動させてアルカリ溶液タンク35から希釈感温剤水溶液24にアルカリ溶液が送られ、pHを設定範囲に調整される。
重力分離槽3で分層された感温剤の濃厚溶液23は、感温剤水溶液供給ポンプ8により取り出され、冷却熱交換器7で冷却されて感温剤水溶液12に再生され、正浸透膜モジュール1に返送される。
図1に示す装置を用いた。被処理水21には、東京湾から採取した海水(塩濃度3.5%)を感温剤にはアルキル基とエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体を使用した。
海水を正浸透膜モジュール1に1.2m/hの流量で供給し、感温剤水溶液12は感温剤濃度80質量%で供給した。正浸透膜モジュール1から排出された希釈感温剤水溶液24と仕上膜濃縮水11(25)の混合液の感温剤濃度は40質量%であり、曇点は65℃であった。これを加温熱交換器6で88℃に加温し、重力分離槽3へ送った。重力分離槽3から排出される希薄溶液26は流量が2.4m/hで感温剤濃度0.5質量%であった。濃厚溶液23は排出される流量が1.2m/hで感温剤濃度は80質量%であった。
希薄溶液26は冷却熱交換器9で40℃に冷却して仕上膜モジュール4に送り、淡水27を得た。仕上膜モジュール4を透過しなかった仕上膜濃縮水11は、一部はブロー水28として排出させ、残りは希釈感温剤水溶液24に返送した。
しかしながら、運転を続けるうちに、希釈感温剤水溶液24のpHが徐々に低下して6.0になった。濃厚溶液23の感温剤濃度が低下し始めたため、希釈感温剤水溶液24に返送していた仕上膜濃縮水11(25)の一部をバイポーラ膜電気透析器31に送って電気透析した。バイポーラ膜電気透析器31からは酸溶液32とアルカリ溶液33が排出された。アルカリ溶液33はpH11であった。このアルカリ溶液33を希釈感温剤水溶液24に加え、pH7.0とした。これを加温熱交換器6で前記と同様に加温し、重力分離槽6で分離したところ、濃厚溶液23の感温剤濃度は安定的に80%とすることができた。
本発明は、海水から淡水の製造や、廃水の脱塩などに広く利用できる。
1 正浸透膜モジュール
2 正浸透膜
3 重力分離槽
4 仕上膜モジュール
5 被処理水供給ポンプ
6 加温熱交換器
7 冷却熱交換器
8 感温剤水溶液供給ポンプ
9 冷却熱交換器
10 希薄溶液供給ポンプ
11 仕上膜濃縮水
12 感温剤水溶液
21 被処理水
22 膜濃縮水
23 濃厚溶液
24 希釈感温剤水溶液
25 仕上膜濃縮水
26 希薄溶液
27 淡水(膜ろ過水)
28 ブロー水
29 (加温前)希釈感温剤水溶液
31 バイポーラ膜電気透析器
32 酸溶液
33 アルカリ溶液
34 アルカリ溶液添加ポンプ
35 アルカリ溶液タンク
36 pH計
37 流量調節弁

Claims (5)

  1. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透工程と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温工程と、前記加温工程で、感温剤を主体とする濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を濃厚溶液層と希薄溶液層に重力分離する重力分離工程と、前記重力分離工程で層分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透工程へ循環し、感温剤水溶液として再使用する冷却・循環工程と、前記重力分離工程で分離された希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過工程を有する正浸透水処理方法において、前記仕上膜濃縮水を電気透析して酸溶液とアルカリ溶液を生成させ、該アルカリ溶液を前記希釈感温剤水溶液に加えてpHを調整することを特徴とする正浸透水処理方法。
  2. 電気透析がバイポーラ膜電気透析である請求項1記載の正浸透水処理方法。
  3. 前記アルカリ溶液を加える前の希釈感温剤水溶液のpHが4以上5以下であり、アルカリ溶液を加えた希釈感温剤水溶液のpHが6以上9以下である請求項1又は2記載の正浸透水処理方法。
  4. 塩類を含有する被処理水と、曇点を有する感温剤水溶液とを半透膜を介して接触させ、前記被処理水中の水を半透膜を通して前記感温剤水溶液に移動させ、水で希釈された希釈感温剤水溶液と膜濃縮水を得る正浸透膜処理装置と、前記希釈感温剤水溶液を前記感温剤水溶液の曇点以上の温度まで加温する加温手段と、前記加温手段で加温され相分離した、感温剤を主体とする濃厚溶液相と、水を主体とし少量の感温剤を含有する希薄溶液相とに相分離した希釈感温剤水溶液を濃厚溶液層と希薄溶液層に重力分離する重力分離槽と、前記重力分離槽で分離された濃厚溶液を前記感温剤水溶液の曇点以下の温度まで冷却した後、前記正浸透処理装置へ循環し、希薄溶液として再使用する冷却・循環手段と、前記重力分離槽で分離された希薄溶液を仕上膜処理し、膜ろ過水と仕上膜濃縮水を得る膜ろ過装置を有する処理装置において、前記仕上膜濃縮水を電気透析し酸溶液とアルカリ溶液を得る電気透析器と、該アルカリ溶液を前記希釈感温剤水溶液に加える手段が設けられていることを特徴とする水処理装置。
  5. 前記電気透析器がバイポーラ膜電気透析器である請求項4記載の水処理装置。
JP2019157543A 2019-08-30 2019-08-30 正浸透水処理方法および装置 Pending JP2021035656A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019157543A JP2021035656A (ja) 2019-08-30 2019-08-30 正浸透水処理方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019157543A JP2021035656A (ja) 2019-08-30 2019-08-30 正浸透水処理方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021035656A true JP2021035656A (ja) 2021-03-04

Family

ID=74716897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019157543A Pending JP2021035656A (ja) 2019-08-30 2019-08-30 正浸透水処理方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021035656A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014512951A5 (ja)
JP6149627B2 (ja) 半透膜による水処理方法
JP6149626B2 (ja) 半透膜による水処理方法
JP6210033B2 (ja) 水の脱塩処理方法および装置
US20210002148A1 (en) Water treatment apparatus, water treatment method, and method of starting water treatment apparatus
JP6028645B2 (ja) 水処理装置
JP6463620B2 (ja) 淡水化システム及び淡水化方法
JP6465301B2 (ja) 水の脱塩処理装置
JP6414528B2 (ja) 水の脱塩処理方法および装置
JP6210008B2 (ja) 水処理装置
JP6210034B2 (ja) 水の脱塩処理方法および装置
JP2021035656A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP6974797B2 (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP6879228B2 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP2021159874A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2020175312A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2020142162A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2019155289A (ja) 水処理方法および装置
JP2021154188A (ja) 正浸透水処理方法および装置
JP2021159875A (ja) 正浸透水処理装置および方法
JP2022129709A (ja) 正浸透法による脱塩方法および装置
JP2022129707A (ja) 正浸透水処理で使用される感温剤水溶液の浄化方法および装置
JP7106465B2 (ja) 水処理システム及び水処理方法
JP6980992B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
JP6740843B2 (ja) 水処理方法および水処理装置