JP2021156120A - 排水システム - Google Patents

排水システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021156120A
JP2021156120A JP2020059938A JP2020059938A JP2021156120A JP 2021156120 A JP2021156120 A JP 2021156120A JP 2020059938 A JP2020059938 A JP 2020059938A JP 2020059938 A JP2020059938 A JP 2020059938A JP 2021156120 A JP2021156120 A JP 2021156120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drainage
pipe
control valve
pressure control
basin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020059938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7431638B2 (ja
Inventor
信治 寺地
Shinji Terachi
信治 寺地
尚志 江口
Hisashi Eguchi
尚志 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2020059938A priority Critical patent/JP7431638B2/ja
Publication of JP2021156120A publication Critical patent/JP2021156120A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7431638B2 publication Critical patent/JP7431638B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sewage (AREA)

Abstract

【課題】伸縮管の変形による排水の阻害を抑制し高流量の排水を行うことが可能な排水システムを提供すること。【解決手段】排水システム1は、排水桝部20と、サイフォンドレン部材30と、配管部40と、圧力調節弁50と、を備える。排水桝部20は、橋梁に配置されている。サイフォンドレン部材30は、排水桝部20の内側に配置され、サイフォン現象の発生を誘発する。配管部40は、サイフォンドレン部材30の排水口34aに接続され、伸縮管45を有する。圧力調節弁50は、伸縮管45の上流または下流の配管部40に設けられている。圧力調節弁50による調整圧P1が、伸縮管45の変形圧P2に対し、0.7P2≦P1≦1.4P2を満たす。圧力調節弁50の設置位置は、伸縮管45の設置位置の下流側1m以内または上流側である。【選択図】図2

Description

本発明は、排水システムに関する。
従来、道路の側溝には、雨水を排水するために雨水桝が配置されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示す雨水桝は、本体と、本体の上部に配置された上枠と、上枠に配置された金属蓋と、を備えており、本体の下端に排水管路が接続されている。金属蓋から流入する雨水は雨水桝を介して排水管路に流入する。
また、高架橋の端にも雨水桝が設けられている。高架橋は、橋脚と橋桁部分とから構成されているが、それぞれの部位は繋がっていないため、地震発生時には橋桁が橋脚とは異なる動きをする。このため床版の雨水桝より敷設される雨水排水配管は橋脚と橋桁との間で縁を切って伸縮管を用いて繋がれている。
特開2016−156243号公報
しかしながら、高流量で排水を行うために上述の雨水排水配管を流れる雨水にサイフォン流を発生させるとすると、縦方向に敷設される立て配管の上方が負圧となり、この位置に伸縮管が設置されると負圧に耐えられず変形し、排水が阻害される場合があった。
本発明は、伸縮管の変形による排水の阻害を抑制し高流量の排水を行うことが可能な排水システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明にかかる排水システムは、排水桝部と、排水部材と、配管部と、圧力調節弁と、を備える。排水桝部は、橋梁に配置されている。排水部材は、排水桝部の内側に配置され、サイフォン現象の発生を誘発する。配管部は、排水部材の排水口に接続され、伸縮管を有する。圧力調節弁は、伸縮管の上流または下流の配管部に設けられている。圧力調節弁による調整圧P1が、伸縮管の変形圧P2に対し、0.7P2≦P1≦1.4P2を満たす。圧力調節弁の設置位置は、伸縮管の設置位置の下流側1m以内または上流側である。
このように圧力調節弁を設けることによって、伸縮管近傍の配管部が一定の負圧値までに制限されるため、サイフォン現象を発生させながら伸縮管の変形を低減することができる。
このため、伸縮管の変形による排水の阻害を抑制し高流量の排水を行うことが可能となる。
P1/P2が0.7より小さい場合では、サイフォン現象による排水流量が大幅に低下し、1.4倍より大きい場合では伸縮管が変形し流量が低下することがある。
第2の発明にかかる排水システムは、第1の発明にかかる排水システムであって、圧力調節弁から流入する空気量が4L/s以上、8L/s以下である。
圧力調節弁が流入する空気量が4L/s未満では圧力緩和に遅れが生じるため伸縮管が多少変形する場合があり、8L/sを超えると供給量が過剰となるため空気の供給・停止を繰り返し管内圧力が多少不安定となることがある。
このため、安定した圧力調整には圧力調節弁から流入する空気量が4L/s以上、8L/s以下とすることが好ましく、より確実に、伸縮管の変形による排水の阻害を抑制し高流量の排水を行うことが可能となる。
第3の発明にかかる排水システムは、第1または第2のいずれかの発明にかかる排水システムであって、排水桝部の下端からの配管部の落差が3m以上20m以下である。
3m未満では、サイフォン現象が十分に発現しないため高流量の排水を十分に行えないことがある。また、20mを超えると配管部内に発生する真空圧が徐々に大きくなるためサイフォン流での最大排水流量が多少低下することがある。
このため、排水桝部の下端からの配管部の落差を3m以上20m以下とすることによって、より確実に、伸縮管の変形による排水の阻害を抑制し高流量の排水を行うことが可能となる。
本発明によれば、伸縮管の変形による排水の阻害を抑制し高流量の排水を行うことが可能な排水システムを提供することができる。
本発明にかかる実施の形態の排水システムが用いられる高架橋を示す側面図。 本発明にかかる実施の形態の排水システムを高架橋に用いた一例を示す模式断面図。 図2の排水システムの排水桝部近傍を示す断面図。 図3の蓋と排水桝部を示す分解斜視図。 図3のサイフォンドレン部材を示す斜視図。 図3のサイフォンドレン部材を示す斜視断面図。 図6の正面図。 (a)図2の排水システムの圧力調節弁の断面構成図、(b)開放された状態の圧力調節弁を示す断面構成図。 本発明にかかる実施例の排水システムの構成を示す図。
以下に、本発明の実施の形態に係る排水システムについて図面に基づいて説明する。
<構成>
(高架橋の構成)
はじめに本実施の形態の排水システムが設置される高架橋200について説明する。図1は、高架橋200の概要を示す側面図である。高架橋200では、対向する橋台201に支承203を介して桁202が配置されている。橋台201の間には、橋脚204が配置され、支承205を介して桁202を支持している。桁202の上面には床版206が形成されている。桁202の両端には伸縮装置207が設けられている。また、桁202の幅方向の両端には、高欄208が設けられている。
このように、桁202は、支承203、205を介して橋脚204および橋台201に支持されており、直接繋がっていない。
(排水システム1の概要)
本実施の形態の排水システム1は、高架橋200の側溝に沿って複数配置されている。高架橋200に降った雨水が排水システム1に流れ込み、高架橋200外に排水される。
図2は、高架橋200に本実施の形態の排水システム1を適用した例を示す図である。図3は、排水桝部20の近傍を示す断面図である。本実施の形態の排水システム1は、蓋10と、排水桝部20と、サイフォンドレン部材30と、配管部40と、圧力調節弁50と、を備える。
蓋10は、排水桝部20の上方を塞ぐように配置される。排水桝部20には、床版206上に降った雨水が蓋10を介して流れ込む。サイフォンドレン部材30は、接続される配管部40を流れる排水にサイフォン現象の発生を誘発する。
(蓋)
図4は、蓋10と排水桝部20の分解斜視図である。
蓋10は、例えば金属製であり、複数の孔を有する蓋である。複数の孔は雨の流入を妨げなければどのような形状でも良く、例えば、グレーチングのように網目状に形成されていても良いし、長方形の孔が複数開けられていても良い。蓋10は、排水桝部20に支持されており、蓋10から雨水が排水桝部20に流れ込む。蓋10は、本実施の形態では一例として四角形状であるが、これに限らず四角以外の多角形、丸、または楕円であってもよい。
(排水桝部)
排水桝部20は、例えばFRP製であり、図3に示すように、上桝21と、下桝22と、型枠管23と、を有する。上桝21の内側が排水桝部20の開口部20aに対応し、蓋10が配置される。下桝22は、上桝21の下側に配置されている。型枠管23は、下桝22に配置されている。
上桝21は、側壁部24と、蓋配置部25と、を有する。側壁部24は、蓋10の周囲を囲めるように形成されている。側壁部24は、略鉛直方向に沿って配置されている。蓋配置部25は、側壁部24の下端から内側に向かって側壁部24に対して概ね垂直に形成されている。蓋配置部25上に蓋10が配置される。
下桝22は、側壁部26と、底面27と、を有する。側壁部26は、蓋配置部25の内側の端から下方に向かって設けられている。側壁部26の下端には底面27が配置されている。
底面27は、開口部20aと対向するように設けられている。底面27は、開口部20aよりも面積が小さく形成されている。底面27は、図2に示すように左右方向において開口部20aの中央よりも左右の一方よりに配置されている。
側壁部26は、図3に示すように、蓋配置部25の内側の端から底面27の周囲まで形成されている。開口部20aと平行な方向に沿った断面積が底面27の大きさになるように底面27に向かって小さくなるように形成されている。これによって、排水桝部20に流れ込んだ雨水が底面27に向かって移動する(矢印A参照)。底面27には、貫通孔27aが形成されており、後述するサイフォンドレン部材30が配置される。
型枠管23は、筒状であり、底面27の周囲に下方に向かって配置されている。型枠管23は、コンクリートから配管などを保護する。
(サイフォンドレン部材)
サイフォンドレン部材30(排水部材の一例)は、接続されている配管部40に排水される水にサイフォン現象の発生を誘発しサイフォン流を発現させる。サイフォンドレン部材30は、排水桝部20に流入した雨水の排水能力を向上させるための高排水機能を有する排水部材である。
図5は、サイフォンドレン部材30を示す斜視図である。図6は、サイフォンドレン部材30の斜視断面図である。図7は、図6の正面図である。
サイフォンドレン部材30は、硬質塩化ビニル樹脂やポリカーボネート、ABS、AES等の合成樹脂を用いて射出成形によって作成することができる。なお、合成樹脂に限るものではなく、鋳型を用いた鋳鉄製、アルミニウム合金などによる鋳造品であってもよい。
サイフォンドレン部材30は、蓋部材31と、装着筒32と、複数の縦リブ33と、を有する。
蓋部材31は、板状であり、円盤状に形成されている。装着筒32は筒状に形成されている。蓋部材31と装着筒32の各々の中心軸は、共通軸上に配置され、鉛直方向に一致している。この共通軸をドレン軸Oとし、ドレン軸O方向に沿うサイフォンドレン部材30の装着筒32を下側とし、蓋部材31側を上側とする。また、サイフォンドレン部材30をドレン軸O方向から視た平面視においてドレン軸Oに直交する方向を径方向とし、ドレン軸O周りに周回する方向を周方向とする。
装着筒32は、落し口部34を形成する筒部71と、筒部71の上端から径方向の外側に延びる板状の鍔部72と、を有する。筒部71と鍔部72が連設される内面側の接続部分32aは、テーパー面或いは曲面に形成されたベルマウス形状に形成されている。
落し口部34は、雨水を排水する部分であり、落し口部34の上端の開口(筒部71の上端の内側ともいえる)を排水口34aとする。排水口34aは、鍔部72の内側ともいえる。排水口34aから蓋部材31までの距離は、鍔部72から蓋部材31までの距離と概ね同じである。ドレン軸Oに沿った方向において排水口34aと鍔部72の位置が概ね一致する。
落し口部34の開口34bは、排水口34aよりも下側であって、径が一定の部分を示し、開口34bの開口径がR1(図7参照)として示されている。また、開口径がR1の開口34bの面積を、落し口部34の開口面積とする。なお、開口径R1は筒部71の内径に相当し、落し口部34の開口面積は、筒部71の内径を直径とする面積に相当する。また、接続部分32aによって、開口34bから排水口34aに向かって除々に径が大きくなっている。
また、本実施の形態では。サイフォンドレン部材30の中心軸であるドレン軸Oが鉛直方向に一致しているため、蓋部材31の面積と落し口部34の開口面積は、それぞれ鉛直方向に直交する面に対する蓋部材31の投影面積および落し口部34の開口の投影面積に相当する。なお、本実施の形態では、蓋部材31の外径寸法と鍔部72の外径寸法は略同一に形成されている。
図5および図6に示すように、蓋部材31の外周縁31aと、鍔部72の外周縁72aの間に形成される部分が、雨水が落し口部34の排水口34aに流入する流入開口30aとなる(図6の矢印B参照)。流入開口30aの面積は、落し口部34の開口34bの開口面積(径R1の部分)よりも大きい面積となるよう、蓋部材31の大きさや高さ形状が調整される。
複数の縦リブ33は、図6に示すように、装着筒32の鍔部72の上面72dと、蓋部材31の下面31cの外周部とを連結している。蓋部材31は、複数の縦リブ33によって下方から支持され、図7に示すように、装着筒32から所定高さH1を確保した位置で支持されている。複数の縦リブ33は、流入開口30aに設けられ、平面視において径方向に沿って形成され、周方向に対して交差して形成されている。縦リブ33は、流入開口30aから落し口部34に流入する雨水を整流する機能を有している。本実施の形態では、縦リブ33は、6つ形成されており、6つの縦リブ33は、ドレン軸Oを中心として等間隔の角度(約60度間隔)で設けられているが、これに限られるものではない。
蓋部材31は、鉛直方向の上方から視て落し口部34の開口34bを塞ぐように配置されている。また、蓋部材31の面積(直径R2参照)は落し口部34の開口34bの開口面積(直径R1参照)より大きく設定されている。なお、本実施の形態では蓋部材31の中心と落し口部34の開口の中心が鉛直方向に一致しているが、蓋部材31と落し口部34がともに傾いて斜めに配置されている場合には、蓋部材31の蓋面積が落し口部34の開口面積と同じ面積とすると、鉛直方向から視て落し口部34の開口34bを塞ぐことができず、蓋部材31と落し口部34の間に空気が入る隙間(渦流による空気芯)が生じることになる。
そのため、鉛直方向に直交する面に対する蓋部材31の投影面積が落し口部34の開口34bの投影面積より大きく設定されているほうが好ましい。
なお、蓋部材31の上面31bには、上方に突出し、周方向に間隔を空けて配置された把持リブ35が設けられている。把持リブ35は、サイフォンドレン部材30を配管部40に接続する際に作業者によって把持される。
サイフォンドレン部材30は、筒部71が排水桝部20の底面27に形成された貫通孔27aに上方から挿入されて、排水桝部20の内側に配置される。排水桝部20の鍔部72が底面27上に配置される。また、筒部71が、配管部40のエルボ管41に差し込まれる。
(配管部)
配管部40は、サイフォンドレン部材30に接続されている。本実施の形態の排水システム1に用いられる配管としては、例えば口径が75A〜125Aのものを用いることができる。口径は必要な排水流量により選定されるが、口径が大きすぎるとサイフォン流が発生しにくくなるため、好ましくは75A〜100Aが用いられる。
配管部40は、図2に示すように、エルボ管41と、エルボ管42と、合流継手43と、立て管44と、伸縮管45と、立て管46と、を有する。
エルボ管41の上側の一端の内側にサイフォンドレン部材30の筒部71が差し込まれている。エルボ管41は、上下方向から桁202の内側に向かって水平に曲がっている。エルボ管42は、一端がエルボ管41の他端に接続されており、水平方向から下方に向かって曲がっている。合流継手43は、エルボ管42の他端に接続されている。合流継手43は、高架橋200に沿って複数配置されている排水システム1同士を配管で接続する継手である。立て管44は、上側の一端が合流継手43に接続されており、上下方向に沿って配置されている。
ここで、図2では、片側しか図示されていないが、桁202は、長手方向に対する断面が略T字状であり、水平部202aと鉛直部202bとを有する。水平部202aは鉛直部202bの幅よりも幅方向両側に突出している。エルボ管41は、その水平部分において、水平部202aの下側に取り付けられた支持具47によって桁202に支持されている。
また、立て管44は、桁202の鉛直部202bに取り付けられた複数の支持具48によって桁202に支持されている。
伸縮管45は、立て管44の下端に接続されている。伸縮管45は、ゴムによって形成された筒状の配管である。ゴムの種類としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)等を用いることができる。伸縮管45は蛇腹状に形成されている。伸縮管45は、上下方向に沿って配置されている。
立て管46は、伸縮管45の下端に接続されている。図示していないが、立て管46は、橋脚204に支持具によって支持されている。
伸縮管45は、立て管44と立て管46を合わせた立て管部49の途中に配置されているともいえる。
このように、桁202と橋脚204の間で配管が縁切されている。ここで、一般的に桁202の熱伸縮によって、立て管44と立て管46の間に±10〜20mmの量の芯ズレが発生する。また、地震発生時において立て管44と立て管46の間に、±100〜200mmの量の芯ズレが発生する。この芯ズレを緩衝するために伸縮管45が設けられている。
(圧力調節弁)
圧力調節弁50は、伸縮管45の上流側または下流側の配管に設けられている。なお、本実施の形態では、一例として伸縮管45の上流側の立て管44に設けられている。図8(a)は、圧力調節弁50の断面構成図である。圧力調節弁50は、筐体51と、弁体52と、バネ部材53と、を有する。筐体51には、空気が流入する流入路51aと、空気が流出する流出路51bと、流入路51aと流出路51bの間を繋ぐ流路空間51cが形成されている。流路空間51cには、弁体52とバネ部材53が収納されている。流入路51aは、外部と流路空間51cを連通する。流出路51bは、外部と流路空間51cを連通する。
弁体52は、球状の弁体部52aと、弁体部52aの流出路51b側に配置された被付勢部52bと、を有する。弁体部52aと被付勢部52bは、接続されている。被付勢部52bはバネ部材53によって付勢される。弁体52は、バネ部材53の付勢力によって、弁体部52aが流路空間51c側から流入路51aを塞ぐように、流入路51aの流路空間51cへの開口の縁に押し付けられている。
バネ部材53は、その一端が流出路51bの流路空間51cへの開口の周縁部51dに固定され、他端が被付勢部52bに固定されている。
本実施の形態では、流出路51bが立て管44の内側の流路に連通するように立て管44に挿入されている。
サイフォンドレン部材30によって配管部40を流れる排水にサイフォン現象が誘発され、配管部40の上部が負圧になると、バネ部材53の付勢力に対抗して弁体52が流出路51b側に移動して流入路51aと流路空間51cが連通する。図8(b)は、弁体52が移動して流入路51aと流路空間51cが連通した状態を示す断面図である。
図8(b)に示すように、外部より流入路51a、流路空間51cおよび流出路51bを通って空気が立て管44に流入する。このため、立て管44内が負圧になった場合であっても圧力調節弁50によって設定されている所定の負圧以下になることを抑制できる。
なお、圧力調節弁50による調整圧P1が伸縮管45の変形圧P2に対して、0.7×P2≦P1≦1.4×P2である必要がある。ただし、P1、P2は負の値である。また、圧力調節弁50から流入する空気量が4L/s以上8L/s以下であるほうが好ましい。
P1/P2が0.7より小さい場合には、サイフォン現象による排水流量が大幅に低下し、1.4倍より大きい場合には伸縮管45が変形し流量が低下する。
また、圧力調節弁50を介して流入する空気量が4L/s未満では圧力緩和に遅れが生じるため伸縮管45が多少変形する場合があり、8L/sを超えると供給量が過剰となるため空気の供給・停止を繰り返し管内圧力が多少不安定となることがある。
また、圧力調節弁50の設置位置は、伸縮管45の設置位置の上流側または下流側1m以内である必要がある。下流側1m以内の場合には、圧力調節弁50は、立て管46に取り付けられる。立て管46に取り付けられた圧力調節弁50が二点鎖線で示されている。
また、排水桝部20の下端からの配管部40の落差が3m以上20m未満である方が好ましい。3m未満では、サイフォン現象は発現するが排水量が低減するため必要とする流量が確保出来ない可能性がある。また、20mを超えると配管部内に発生する真空圧が徐々に大きくなるためサイフォン流での最大排水流量が多少低下することがある。
<作用>
橋梁に降った雨水は、蓋10を通って排水桝部20に流れ込む。流れ込んだ雨水は、サイフォンドレン部材30の流入開口30aを通って排水口34aに流れ込み、落し口部34の開口34bを通って、配管部40に流入する。サイフォンドレン部材30によって、配管部40内に流れ込んだ雨水は、サイフォン現象が誘発されてサイフォン流となる。
サイフォン流が発現すると立て管44および立て管46を合わせた立て管部49の上部が負圧になるが、設定値よりも負圧になると圧力調節弁50が開放され空気が立て管部内に流入する。これによって、一定の負圧値までに制限されるため、サイフォン流を発生させながら、配管途中に設置される伸縮管45の変形や破損を防止することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、上桝21に蓋10が直接配置されているが、これに限らなくてもよく、上桝21の内側に蓋10を収納する枠体が更に設けられていてもよい。また、上桝21に対して枠体の高さを調整する機構が設けられていてもよい。
(B)
上記実施の形態では、蓋10が金属製であり、排水桝部20がFRP製であると述べたが、これに限られるものではない。
(C)
上記実施の形態では、筒部71をエルボ管41の内側に差し込んでいるが、これに限らず、エルボ管41を筒部71の内側に差し込んでもよい。また、例えば、筒部71の外周に雄ネジが形成され、エルボ管41の上端の部材の内側に雌ネジが形成され、雄ネジと雌ネジの螺合によって筒部71とエルボ管41が接続されてもよい。また、接着剤等によって、筒部71とエルボ管41が接続されてもよい。
(D)
上記実施の形態では、伸縮管45は、立て管44と立て管46の間に配置されているが、立て管に限らなくてもよく。伸縮管45も上下方向に限らず、斜めに配置されていてもよい。
次に、実施例を用いて本実施の形態の排水システムについて説明を行う。
図9は、本実施例の排水システム1´の構成を説明するための図である。
本実施例では、下桝22を用いており蓋10および上桝21は配置されていない。
図9に示すように、本実施例では、上述した図2の配管部40とは構成が異なる配管部40´を有している。
配管部40´は、立て管90と、エルボ継手91と、水平管92と、エルボ継手93と、立て管94と、伸縮管45と、立て管95と、エルボ継手96と、水平管97と、エルボ継手98と、を有する。
図9に示す排水システム1´では、下桝22の底面27に配置されているサイフォンドレン部材30の筒部71には、上下方向に配置された立て管90が接続されている。
立て管90の下端にエルボ継手91が接続されており、エルボ継手91には水平管92が接続されている。水平管92は無勾配でありエルボ継手91から水平方向に伸びている。水平管92の他端には、エルボ継手93が接続されており、エルボ継手93には立て管94が接続されている。立て管94は、エルボ継手93から下方に向かって伸びている。立て管94の下端には、伸縮管45が接続されている。伸縮管45の下端には、立て管95が接続されている。立て管95は、伸縮管45から下方に向かって伸びている。立て管95の下端には、エルボ継手96が配置されており、エルボ継手96には水平管97が接続されている。水平管97は、エルボ継手96から無勾配であり水平方向に伸びている。水平管97の他端にはエルボ継手98が接続されており、エルボ継手98の他端は、下方に向いており、排水桝へと接続されている。
また、下桝22の長辺の長さは500mmに設定され、立て管90の長さは500mmに設定され、水平管92の長さは5000mmに設定され、立て管94と伸縮管45と立て管95を足した立て管部99の長さは落差Lとして実施例および比較例によって変更される。また、水平管97の長さは1500mmに設定されている。
以下の(表1)のように、配管サイズ、サイフォンドレン部材30(表では高排水ドレンと示す)の有無、落差L、伸縮管45の変形真空圧および設置位置、圧力調節弁50の設定した調整圧P1、空気流入量、設置位置を変更した実施例1〜8および比較例1〜5の構成の排水システムが用いられた。実施例1〜9および比較例1〜5の各々の排水システムにおいて、伸縮管45内の圧力を測定しながら排水流量を上げていき、サイフォン流の発生の有無、圧力調節弁50の設定圧力への到達時の流量(最大排水流量)、および伸縮管45の変形の有無を示した。なお、最大排水流量の判定閾値は、各口径において、サイフォンドレン部材30を用いていない比較例4、5の2倍以上を良好とした。すなわち、100Aの口径の場合20L/s以上を良好とし、75Aの口径の場合10L/s以上を良好とした。
Figure 2021156120
Figure 2021156120
Figure 2021156120
以上より、圧力調節弁50による調整圧P1が、伸縮管の変形圧P2に対し、0.7P2≦P1≦1.4P2を満たす場合に、伸縮管45が変形せず高流量の排水を行うことができる。
また、圧力調節弁50の設置位置を、伸縮管45の設置位置の上流側または下流側1m以内にすることによって、伸縮管45が変形せず高流量の排水を行うことができる。
本発明の排水システムは、伸縮管の変形による排水の阻害を抑制し高流量の排水を行うことが可能な効果を有し、橋梁等に配置される雨水の排水システムとして有用である。
1 :排水システム
20 :排水桝部
30 :サイフォンドレン部材
34a :排水口
40 :配管部
45 :伸縮管
50 :圧力調節弁

Claims (3)

  1. 橋梁に配置された排水桝部と、
    前記排水桝部の内側に配置され、サイフォン現象の発生を誘発する排水部材と、
    前記排水部材の排水口に接続され、伸縮管を有する配管部と、
    前記伸縮管の上流または下流の前記配管部に設けられた圧力調節弁と、を備え、
    前記圧力調節弁による調整圧P1が、前記伸縮管の変形圧P2に対し、0.7P2≦P1≦1.4P2を満たし、
    前記圧力調節弁の設置位置は、前記伸縮管の設置位置の下流側1m以内または上流側である、
    排水システム。
  2. 前記圧力調節弁から流入する空気量が4L/s以上、8L/s以下である、
    請求項1に記載の排水システム。
  3. 前記排水桝部の下端からの前記配管部の落差が3m以上20m以下である、
    請求項1または2に記載の排水システム。
JP2020059938A 2020-03-30 2020-03-30 排水システム Active JP7431638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020059938A JP7431638B2 (ja) 2020-03-30 2020-03-30 排水システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020059938A JP7431638B2 (ja) 2020-03-30 2020-03-30 排水システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021156120A true JP2021156120A (ja) 2021-10-07
JP7431638B2 JP7431638B2 (ja) 2024-02-15

Family

ID=77917539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020059938A Active JP7431638B2 (ja) 2020-03-30 2020-03-30 排水システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7431638B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114232774A (zh) * 2022-01-13 2022-03-25 湖北工程学院 引流装置、景观池系统、换水方法及悬浮物清洁装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001040745A (ja) 1999-07-28 2001-02-13 Maruichi Kk 排水桝を用いた屋内の床下配管とその施工方法
JP5212976B2 (ja) 2008-04-15 2013-06-19 中日本高速道路株式会社 排水構造及びその排水構造に使用する直管継手
JP7164303B2 (ja) 2018-01-17 2022-11-01 積水化学工業株式会社 排水システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114232774A (zh) * 2022-01-13 2022-03-25 湖北工程学院 引流装置、景观池系统、换水方法及悬浮物清洁装置
CN114232774B (zh) * 2022-01-13 2023-09-15 湖北工程学院 引流装置、景观池系统、换水方法及悬浮物清洁装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7431638B2 (ja) 2024-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6908537B2 (ja) 排水部材
CN101365851A (zh) 檐槽组件
JP2019056209A (ja) 排水配管システム
JP2021156120A (ja) 排水システム
JP5212976B2 (ja) 排水構造及びその排水構造に使用する直管継手
JP2021124012A (ja) 雨樋システム
JP5275586B2 (ja) バイパス通気用管継手およびこのバイパス通気用管継手を用いた排水システム
JP2020197030A (ja) 排水システム
US20120073692A1 (en) Modified pipe inlet
JP2009062701A (ja) 樋配管システム
JP5469807B2 (ja) 桝の接合構造および設置方法
JP2008121338A (ja) 逆止弁構造
JP7407996B2 (ja) 排水システム
JP2005226406A (ja) マンホールの通水方法、マンホール通水構造
JP4274976B2 (ja) 内副管用継手
JP2007100410A (ja) 内副管用継手
JP7488756B2 (ja) 継手
JP7425689B2 (ja) 排水構造
JP2007309414A (ja) 管継手
JP4395418B2 (ja) 排水装置
JP6626354B2 (ja) 雨水貯留システム
JP2022103060A (ja) 集合継手及び配管構造、建物
JP2023152740A (ja) 排水構造
JP2023101777A (ja) 軒樋用排水ドレン
JP2004360296A (ja) 分水分岐管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230822

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240202

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7431638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151