JP2021156116A - 梁接合構造 - Google Patents

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【課題】H形断面梁の上フランジを支持部材に直接的に接合しない梁接合構造において、施工中の剛性を向上させる。【解決手段】第1の上フランジ、第1の下フランジおよび第1のウェブを有する第1のH形断面梁と、第1のH形断面梁の長手方向端面に対向する支持部材とを備え、支持部材は、第1のウェブに接合される第1の部分、および第1の下フランジに作用する圧縮力が第1の圧縮力伝達手段によって伝達される第2の部分を含み、第1の上フランジに直接的に接合される部分を含まず、第1のH形断面梁の長手方向端面における第1のウェブの高さ中心を回転中心とする第1のウェブの面内回転に対して、第1の部分と第1のウェブとの接合による回転抵抗は、第1のウェブの高さ中心線の上側で第1のウェブの高さ中心線の下側よりも大きい、梁接合構造が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、梁接合構造に関する。
例えばRC梁または壁と大梁との間、または大梁と小梁との間のような梁端接合部は、一般的に剛接合またはピン接合として設計される。支持部材を大梁とした例でいうと、剛接合の場合には小梁の上下フランジを大梁に溶接またはボルト接合し、さらに小梁のウェブを大梁にボルト接合する。ピン接合の場合、小梁のウェブを大梁に取り付けたフィンプレート(シアプレート、ガセットプレート等ともいう)にボルト接合し、小梁の上下フランジは大梁に接合しない。小梁のウェブと大梁とのボルト接合は、通常、小梁ウェブの高さ方向に均等、かつウェブの高さ方向の中心に対して上下対称に配置される。
これに対して、非特許文献1には、水平力を負担しないグラビティフレームや、水平力が小さく逆対称曲げにならない場合のモーメントフレームなど、接合部のモーメントが逆転しない荷重条件下において梁と床スラブとをシアコネクタで一体化した合成構造が記載されている。この場合、小梁の上フランジは大梁に直接的には接合されないが、床スラブの中の鉄筋を介して引張力が伝達されるため、容易に接合部の剛性を高めることができる。接合部の剛性を高めることによって、梁のたわみや梁中央の曲げモーメントが低減され、設計の余裕度を高めたり、梁断面をより小さくしたりできる。
EUROPEAN COMMITTEE FOR STANDARDIZATION、「Eurocode 4: Design of composite steel and concrete structures Part 1-1: General rules and rules for buildings」、2009年4月
しかしながら、上記の非特許文献1に記載されたような接合部の場合、施工中に床スラブのコンクリートが硬化する前の状態では小梁の上フランジを介した引張力の伝達がされないため、下フランジを大梁に接合しない場合には実質的にピン接合と同等の剛性しか発揮されない。一方、非特許文献1には接触部材を用いて小梁の下フランジから大梁に圧縮力を伝達することも記載されているが、引張力に対しては小梁のウェブのボルト接合のみで対抗することになるため、ボルトとウェブまたは支持部材との間にすべりが生じ、曲げ耐力が低下することによって小梁のたわみが大きくなる可能性がある。
さらに、引張力を負担する小梁のウェブのボルト接合が、小梁ウェブの高さ方向に均等、かつウェブの高さ方向の中心に対して上下対称に配置されている場合、引張力の作用線はウェブの高さ方向の中心となる。この場合、小梁の下フランジから大梁に伝達される圧縮力の作用線との距離は小梁のウェブ高さの半分しか得られないため、これらの引張力と圧縮力との距離によって生じる回転抵抗の大きさは限られる。
また、接合部の回転中心から最も遠いボルトは、最も大きい力を負担するため他のボルトに比べてすべりやすい。ボルトが1本でもすべり出すと接合部の回転剛性が低下してしまうが、小梁のウェブのボルト接合が、小梁ウェブの高さ方向に均等、かつウェブの高さ方向の中心に対して上下対称に配置されている場合には、回転中心から各ボルトまでの距離の差がボルト同士の間で大きいために、回転中心から最も遠いボルトがすべり出すときの他のボルトの回転抵抗への寄与が十分に得られない。
そこで、本発明は、H形断面梁の上フランジを支持部材に直接的に接合しない梁接合構造において、施工中の剛性を向上させることが可能な梁接合構造を提供することを目的とする。
[1]第1の上フランジ、第1の下フランジおよび第1のウェブを有する第1のH形断面梁と、第1のH形断面梁の長手方向端面に対向する支持部材とを備え、支持部材は、第1のウェブに接合される第1の部分、および第1の下フランジに作用する圧縮力が第1の圧縮力伝達手段によって伝達される第2の部分を含み、第1の上フランジに直接的に接合される部分を含まず、第1のH形断面梁の長手方向端面における第1のウェブの高さ中心を回転中心とする第1のウェブの面内回転に対して、第1の部分と第1のウェブとの接合による回転抵抗は、第1のウェブの高さ中心線の上側で第1のウェブの高さ中心線の下側よりも大きい、梁接合構造。
[2]第1のウェブは第1の部分にボルト接合され、高さ中心線の上側に配置されるボルトの耐力と高さ中心線からの距離との積の総和は、高さ中心線の下側に配置されるボルトの耐力と高さ中心線からの距離との積の総和よりも大きい、[1]に記載の梁接合構造。
[3]高さ中心線の上側に配置されるボルトの数は、高さ中心線の下側に配置されるボルトの数よりも多い、[1]または[2]に記載の梁接合構造。
[4]第1のウェブを第1の部分に接合するボルトは、高さ中心線の上側にのみ配置される、[1]または[2]に記載の梁接合構造。
[5]第1の圧縮力伝達手段の圧縮耐力は、第1の下フランジの断面圧縮耐力よりも小さい、[1]から[4]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
[6]第1の圧縮力伝達手段は、第1の下フランジの端面と第2の部分との間に介挿される接触部材である、[1]から[5]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
[7]接触部材は、一様な断面形状を有する、[6]に記載の梁接合構造。
[8]第2の部分は、第1の下フランジに平行な板状部分であり、第1の圧縮力伝達手段は、第1の下フランジの端面と板状部分の端面との間に形成される突合せ溶接部である、[1]から[5]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
[9]第2の部分は、第1の下フランジに平行な板状部分であり、第1の圧縮力伝達手段は、第1の下フランジまたは板状部分のいずれか一方の端面と他方の上面との間に形成される隅肉溶接部である、[1]から[5]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
[10]コンクリート、およびコンクリートに埋設され少なくとも第1のH形断面梁の材軸方向に延びる引張力伝達部材を含み、第1のH形断面梁および支持部材の上方に配置されるRCスラブまたはデッキ合成スラブと、第1の上フランジおよび支持部材にそれぞれ接合されるとともに、RCスラブまたはデッキ合成スラブを構成するコンクリートに定着させられる係止部材とをさらに備える、[1]から[9]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
[11]第1の圧縮力伝達手段の圧縮耐力は、梁接合構造におけるRCスラブまたはデッキ合成スラブの有効幅領域内に配置された引張力伝達部材の引張耐力、および第1のH形断面梁の負曲げ領域内に配置された係止部材のせん断耐力のうち小さい方の耐力以上である、[10]に記載の梁接合構造。
[12]支持部材に対して第1のH形断面梁の反対側に配置され、第2の上フランジ、第2の下フランジおよび第2のウェブを有する第2のH形断面梁をさらに備え、支持部材は、第2のH形断面梁の長手方向端面に対向し、第2のウェブにボルト接合される第3の部分、および第2の下フランジから第2の圧縮力伝達手段によって圧縮力が伝達される第4の部分をさらに含み、第2の上フランジに直接的に接合される部分を含まず、第2のH形断面梁の長手方向端面における第2のウェブの高さ中心を回転中心とする第2のウェブの面内回転に対して、第3の部分と第2のウェブとの接合による回転抵抗は、第2のウェブの高さ中心線の上側で第2のウェブの高さ中心線の下側よりも大きい、[1]から[11]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
[13]第2の圧縮力伝達手段の圧縮耐力は、第2の下フランジの断面圧縮耐力よりも小さい、[12]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
[14]支持部材は、第3の上フランジ、第3の下フランジおよび第3のウェブを有する第3のH形断面梁であり、第2の部分は、第3の下フランジの側端面であり、第1のH形断面梁と第3のH形断面梁との断面高さが等しい、[1]から[13]のいずれか1項に記載の梁接合構造。
上記の構成によれば、H形断面梁の上フランジを支持部材に直接的に接合しない梁接合構造において、第1の部分とウェブとの接合によって伝達される引張力の作用線が、下フランジから圧縮力伝達手段を介して伝達される圧縮力の作用線から遠ざけられるため、同じボルト耐力であれば従来技術より曲げ耐力に寄与するモーメントが大きくなり、施工中の剛性を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造を示す図である。 参考例に係る梁接合構造を示す図である。 図1に示された例における接触部材の配置例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造の構造解析の条件について説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造の構造解析の条件について説明するための図である。 図4および図5に示した解析において接合部で発生するモーメントの大きさを示すグラフである。 図4および図5に示した解析において接合部で発生するモーメントの大きさを示すグラフである。 特徴値の算出方法を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造の別の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造のさらに別の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造のさらに別の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る梁接合構造を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る梁接合構造の別の例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造を示す図である。図1に示される梁接合構造は、小梁1と、大梁2と、フィンプレート31と、リブ32と、接触部材4と、RCスラブ5と、シアコネクタ6とを含む。小梁1は、上フランジ11と、下フランジ12と、ウェブ13とを含むH形断面梁である。大梁2は、上フランジ21と、下フランジ22と、ウェブ23とを含む別のH形断面梁であり、フィンプレート31およびリブ32とともに小梁1の長手方向端面に対向する支持部材を構成する。
上記のような梁接合構造において、フィンプレート31は大梁2の上フランジ21、下フランジ22、およびウェブ23にそれぞれ溶接され、小梁1のウェブ13にボルト33を用いて接合される支持部材の第1の部分である。リブ32は、フィンプレート31およびウェブ23に溶接され、接触部材4を介して小梁1の下フランジ12に接触する支持部材の第2の部分である。接触部材4は、小梁1の下フランジ12とリブ32との間の隙間に介挿され、隙間の大きさに合わせて寸法が可変であることによって、隙間の大きさにかかわらず下フランジ12とリブ32との間の接触を維持し、下フランジ12からリブ32に圧縮力を伝達する圧縮力伝達手段である。
その一方で、大梁2、フィンプレート31およびリブ32を含む支持部材は、小梁1の上フランジ11に直接的に接合される部分を含まない。小梁1の上フランジ11および大梁2の上フランジ21にそれぞれ接合される係止部材であるシアコネクタ6がRCスラブ5に定着することによって、上フランジ11と支持部材との間で引張力が伝達される。RCスラブ5は、コンクリート51と、コンクリート51に埋設され少なくとも小梁1の材軸方向に延びる鉄筋52と、デッキプレート53とを含み、鉄筋52が引張力伝達部材として機能する。RCスラブに代えて、デッキ合成スラブを用いてもよい。この場合は、デッキプレートが引張力伝達部材として機能する。
上記のような本実施形態に係る梁接合構造では、小梁1の長手方向端面におけるウェブ13の高さ中心CHを回転中心とするウェブ13の面内回転に対して、フィンプレート31とウェブ13との接合による回転抵抗(以下、単に回転抵抗ともいう)が、ウェブ13の高さ中心線CLの上側で高さ中心線CLの下側よりも大きい。具体的には、図1に示された例では、フィンプレート31が高さ中心線CLよりも上側でウェブ13に重なり、ウェブ13をフィンプレート31に接合するボルト33が高さ中心線CLの上側にのみ配置されるため、高さ中心CHを回転中心とするウェブ13の面内回転に対して、回転抵抗は高さ中心線CLの上側でのみ作用し、高さ中心線CLの下側では回転抵抗が実質的に0である。後述するように、高さ中心線CLの下側にもボルトが配置されてもよい。その場合、高さ中心線CLの下側での回転抵抗は0よりも大きく、高さ中心線CLの上側での回転抵抗よりも小さい値になる。
図2は、参考例に係る梁接合構造を示す図である。図2の例では、ウェブ13の高さ中心線CLの上下両側で同じようにフィンプレート31Pがウェブ13に重なり、高さ中心線CLの上下両側に同じ数のボルト33が直列に配置される。ここで、梁接合構造の施工中にRCスラブ5のコンクリート51が硬化する前の状態では、小梁1の上フランジ11を介した引張力の伝達がされないため、小梁1に作用する鉛直荷重に対しては、ボルト33のすべり抵抗によって伝達される引張力と、接触部材4を介して伝達される圧縮力とが釣り合いの系を形成することによって曲げ耐力が発揮される。参考例の場合、6本のボルト33のうち高さ中心線CLの下側に位置する3本のボルト33(ボルト33Pとして図示する)では、引張力の作用線が接触部材4を通る圧縮力の作用線に近いため、曲げ耐力に寄与するモーメントが小さくなる。
これに対して、本実施形態の場合、ボルト33の数は参考例と同じ6本であるが、参考例とは異なり並列に配置される3本のボルト33(ボルト33Qとして図示する)を含むすべてのボルト33が高さ中心線CLの上側に位置する。これらのボルト33Qについては、引張力の作用線が接触部材4を通る圧縮力の作用線から遠ざかる結果、曲げ耐力に寄与するモーメントが参考例における3本のボルト33Pよりも大きくなる。従って、6本のボルト33の総和として発揮される曲げ耐力は、参考例よりも本実施形態の例で大きくなる。つまり、本実施形態の例では、参考例に比べて、同じ数のボルトの配置を変更することによって、施工中にRCスラブ5のコンクリート51が硬化する前の状態における梁接合構造の剛性及び耐力を向上させることができる。
なお、図1に示された例では小梁1のウェブ13をフィンプレート31に接合するボルト33が高さ中心線CLの上側にのみ配置されるが、他の例では、ボルト33が高さ中心線CLの下側にも配置されてもよい。この場合も、以下に式(1)として示すように、高さ中心線CLの上側に配置されるN本のボルト33の耐力Pと高さ中心線CLからの距離dとの積の総和が、高さ中心線CLの下側に配置されるM本のボルト33の耐力Pと高さ中心線CLからの距離dとの積の総和よりも大きければ、上記の例と同様にコンクリート51が硬化する前の状態における梁接合構造の剛性を向上させる効果が得られる。ここで、ボルト33の耐力P,Pは、ボルト33のすべり耐力またはせん断耐力のうち小さい方として定義される。例えば、高さ中心線CLの上側に配置されるボルト33の数が高さ中心線CLの下側に配置されるボルトの数よりも多いことによって式(1)が満たされてもよい。あるいは、高さ中心線CLの上下両側に配置されるボルト33の数は同じであるものの、高さ中心線CLの上側に配置されるボルト33の方が高さ中心線CLからの距離が大きいことによって式(1)が満たされてもよい。図1に示された例では、式(1)においてM=0になる(この場合、Nの値にかかわらず式(1)が成り立つ)。
Figure 2021156116
図3は、図1に示された例における接触部材の配置例を示す図である。図示された例において、支持部材を構成するリブ32と小梁1の下フランジ12とは接触部材4A,4Bを介して互いに接触し、これによって下フランジ12と支持部材との間で圧縮力が伝達される。本実施形態において、下フランジ12とリブ32との間には、ウェブ13の両側に1つずつ、合わせて2つの接触部材4A,4Bが介挿される。つまり、図示された例において、接触部材4A,4Bはウェブ13と下フランジ12との交差部分を除く部分にのみ配置される。また、接触部材4A,4Bは、下フランジ12の幅方向端部には配置されていない。
本実施形態では、上記のような接触部材4A,4Bの配置によって、下フランジ12の幅方向における接触部材4A,4Bの合計寸法wcp1+wcp2が、下フランジ12の幅Bよりも短くなる(wcp1+wcp2<B)。従って、下フランジ12とリブ32との間の接触部材4A,4Bを介した接触面積Scpは下フランジ12の断面積Sよりも小さい(Scp<S)。これによって、接触部材4A,4Bと下フランジ12との間で材料強度が同程度である場合、接触部材4A,4Bの圧縮耐力Ycpが下フランジ12の断面圧縮耐力Yよりも小さくなる。後述するように、接触部材4A,4Bの圧縮耐力Ycpが下フランジ12の断面圧縮耐力Yよりも小さいことには利点があるため、上記のような寸法差をもたせるとともに、あるいは寸法差がない場合(wcp1+wcp2=B)であっても、接触部材4A,4Bの材料強度を下フランジ12の材料強度よりも小さくしてもよい。
特に小梁1のスパンが長い(例えば8m以上)ような場合、たわみ量の制限を満たすように小梁1の断面を設計すると曲げ耐力やせん断耐力には余裕があり、実際の存在応力は小梁1の断面耐力、具体的には降伏応力よりも小さくなる。従って、上記の接触部材の圧縮耐力Ycpを下フランジ12の断面圧縮耐力Yよりも小さくしても、実際の存在応力に対してなおも余裕があると考えられる。また、RCスラブ5のコンクリート51が硬化した後は、鉄筋52を介して伝達される引張力と接触部材4A,4Bを介して伝達される圧縮力とが釣り合いの系を形成することによって接合部の曲げ耐力が発揮されるため、接触部材の圧縮耐力Ycpを下フランジ12の断面圧縮耐力Yほど大きくしなくても、接合部の曲げ耐力は変わらない。
具体的には、上記のように接合部の曲げ耐力を考慮した場合、接触部材の圧縮耐力Ycpは、大梁2に小梁1を接合する梁接合構造におけるRCスラブ5の有効幅領域内に配置された鉄筋52の引張耐力の総和、および小梁1の負曲げ領域内に配置されたシアコネクタ6のせん断耐力のうち小さい方の耐力以上であれば十分である。なお、RCスラブ5の有効幅領域については、日本建築学会発行の「各種合成構造設計指針・同解説」、またはEUROPEAN COMMITTEE FOR STANDARDIZATION、「Eurocode 4: Design of Composite Steel and Concrete Structures Part 1-1:General rules and rules for buildings」に規定された合成梁のスラブ有効幅の算出方法によって決定することができる。また、小梁1の負曲げ領域は、大梁2との接合部から小梁1の材軸方向中央に向かって曲げモーメントの反曲点位置までの領域、すなわち小梁1に作用する曲げモーメントが上フランジ11側で引張、下フランジ12側が圧縮になる領域である。
上述のように、梁接合構造の施工中にRCスラブ5のコンクリート51が硬化する前の状態では、小梁1に作用する鉛直荷重に対してボルト33のすべり抵抗によって伝達される引張力と接触部材4A,4Bを介して伝達される圧縮力とが釣り合いの系を形成することによって曲げ耐力が発揮される。この場合において、上記の接触部材の圧縮力に対する剛性Ycpが必要以上に大きいと、小梁1の回転中心(ウェブ13の高さ中心CHと下フランジ12との間に位置する)が下フランジ12に近づく。そうすると、高さ中心線CLの上側に配置され、回転中心からの距離が大きいために回転に対抗するモーメントが大きいボルト33において、ウェブ13およびフィンプレート31との間で早期にすべりが発生し、結果として曲げ耐力が小さくなることによって小梁1のたわみが大きくなる可能性がある。上記のように、機能性を損なわない範囲で圧縮力に対する剛性Ycpを小さくすることによって、小梁1の回転中心を高さ中心CHに近づけ、高さ中心線CLの上側に配置されたボルト33のすべりを抑制することによって曲げ耐力をより確実に発揮させることができる。小梁1の回転中心を高さ中心CHに近づけると、ボルト33のすべり抵抗によって生じる小梁1の回転中心に対する回転抵抗が小さくなるが、一方で接触部材4A,4Bを介して伝達される圧縮力の作用線から小梁1の回転中心までの距離が大きくなるため、小梁1の回転中心に対する回転抵抗が大きくなる。従って、圧縮力に対する剛性Ycpを小さくしても、小梁1の回転中心に対する回転抵抗は一定に保つことができる。
なお、接触部材の構成は図示された例には限られず、例えば特許第6635175号公報や特許第6631679号公報などに記載されたような各種の接触部材を用いることができる。本実施形態に係る接触部材、および上記の文献に記載された他の接触部材は、いずれも一様な断面形状を有するため、例えば押出成形によって容易に製造することができる。また、上記の例では小梁1のウェブ13の両側に1つずつ、合わせて2つの接触部材が介挿されたが、例えばウェブ13にスカラップを形成するなどして、ウェブ13を貫通する単一の接触部材を介挿してもよい。あるいは、3つ以上の接触部材を小梁1とリブ32との間に介挿してもよい。
上記で図1に示された例では、2つの小梁1が、大梁2を幅方向の両側から挟んで対向するように配置され、大梁2とともに支持部材を構成するフィンプレート31およびリブ32、ならびに接触部材4も、大梁2の両側にそれぞれ配置される。つまり、上記の例では、梁接合構造が第1のH形断面梁、および支持部材に対して第1のH形断面梁の反対側に配置される第2のH形断面梁を含み、支持部材が第1および第2のH形断面梁のそれぞれのウェブ13にボルト接合される1対のフィンプレート31と、それぞれの下フランジ12から接触部材4によって圧縮力が伝達される1対のリブ32とを含む。一方、支持部材は、第1および第2のH形断面梁のそれぞれの上フランジ11に直接的に接合される部分を含まない。また、RCスラブ5は、2つの小梁1およびそれらの間の大梁2の上方に配置され、それぞれの小梁1の上フランジ11、および大梁2の上フランジ21は、シアコネクタ6を用いてRCスラブ5に接合される。上記の例に限らず、大梁2の幅方向の片側だけに小梁1が配置され、大梁2とともに支持部材を構成するフィンプレート31およびリブ32、ならびに接触部材4も、大梁2の片側のみに配置されてもよい。小梁1が大梁2の両側に配置されても片側に配置されてもよい点は、後述する他の梁接合構造の例でも同様である。
図4および図5は、本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造の構造解析の条件について説明するための図である。図4および図5に示すような寸法の梁接合構造で、施工中、すなわちRCスラブのコンクリートが未硬化の状態における接触部材の挙動を評価するために、大梁の幅方向中心(対称面)から1500mmの位置で小梁の50mmの鉛直変位δを与えた場合について有限要素解析(FEA)を実施した。図4に示すのは図1を参照して説明した本実施形態に対応するモデルであり、図5に示すのは図2を参照して説明した参考例に対応するモデルである。
それぞれのモデルにおいて、小梁1のウェブとフィンプレートとの間は、6本のボルト(F10T 6−M20)で接合する。ボルトは、図4の例では3×2、すなわち小梁ウェブの高さ中心線よりも上側に3本ずつ2列で配置され、図5の例では6×1、すなわち小梁ウェブの高さ中心線を挟んで3本ずつ、計6本が1列に配置される。解析は、図4および図5の例のそれぞれについて、図3に示した接触部材の幅wcp(=wcp1=wcp2)を40mmとし、以下で表1に示すように小梁ウェブとフィンプレートとの間の摩擦係数μを0.45と0.80との間で変化させた(接触部材と小梁の下フランジおよびリブとの間の摩擦係数μは0.45で固定)4通りのケースと、比較例として小梁下フランジが全幅でリブに接合されるものとした2通りのケースの計6ケースで実施した。
Figure 2021156116
図6は、図4および図5に示した解析において接合部で発生するモーメントの大きさを、接触部材の寸法が小梁下フランジの幅よりも小さい場合(NO.3およびNO.3d)と小梁下フランジが全幅でリブに接合される場合(NO.8およびNO.8d)とで比較して示すグラフである。グラフに示された接合部のモーメントMは、大梁の幅方向中心(対称面)からの距離Lの位置で小梁に鉛直変位δが発生しているときに、この位置に加えられている荷重の大きさPと接合部までの距離Lとの積として算出される(M=P・L)。一方、接合部の回転角度φは、上フランジ側での小梁の水平変位δftと下フランジ側での小梁の水平変位δfbを小梁の断面高さzで割ることによって算出される(φ=(δft−δfb)/z)。
グラフに示されるように、ボルトを小梁ウェブの高さ中心線よりも上側にのみ配置した本実施形態の例(NO.3d)の方が、ボルトを小梁ウェブの高さ方向について均等に配置した参考例(NO.3)よりも同じ接合部の回転角度φに対してモーメントM、すなわち曲げ耐力が大きい。これは、上記で説明したように、上フランジを介して引張力が伝達されない場合、下フランジから離れた位置、具体的には小梁ウェブの高さ中心線よりも上側に配置されるボルトが多いほど、ボルトのすべり抵抗による曲げ抵抗に寄与するモーメントの総和が大きくなることによって曲げ耐力が向上することを示している。
さらに、グラフに示されるように、接触部材の寸法が小梁下フランジの幅よりも小さい場合は、全体的に本実施形態の例(NO.3d)のモーメントMが参考例(NO.3)を上回る。また、小梁下フランジが全幅でリブに接合される場合も、小梁の変位開始から弾性限界を過ぎるまでは本実施形態の例(NO.8d)のモーメントMが参考例(NO.8)を上回る。この結果も、本実施形態において小梁ウェブの高さ中心線よりも上側にボルトを配置する構成によって梁接合構造の曲げ耐力が向上することを示している。また、接触部材の寸法が小梁下フランジの幅よりも小さく、かつ小梁ウェブの高さ中心線よりも上側にボルトを配置する本実施形態の例(NO.3d)において最もモーメントMが大きくなることから、接触部材のような圧縮力伝達手段の圧縮耐力を小梁下フランジの断面圧縮耐力よりも小さくする構成と、本実施形態のようなボルト配置とを組み合わせることには相乗効果があることがわかる。
図7は、図4および図5に示した解析において接合部で発生するモーメントの大きさを、図6とは小梁ウェブとフィンプレートとの間の摩擦係数μの設定が異なる場合(NO.4およびNO.4d)について示すグラフである。グラフに示された例では、小梁の変位開始から弾性限界を過ぎるまでの区間で本実施形態の例のモーメントMが参考例を上回る。
表2には、上記の各ケースにおける初期回転剛性S、降伏モーメント抵抗Mj,y、および塑性モーメント抵抗Mj,plが、それぞれ示されている。これらの特徴値の算出方法は、図8に示されている。一般に、設計上接合部に作用すると想定される曲げモーメントM(図6および図7の縦軸の値)が、降伏モーメント抵抗Mj,y以下であることを確認して、初期回転剛性Sを用いて梁たわみを計算する。接合部に作用すると想定される曲げモーメントMが降伏モーメント抵抗Mj,yを超える場合には、永久変形(荷重を除いても変形が残る状態)が生じてしまい、初期回転剛性Sをたわみ計算に用いることができない。本実施形態で想定する施工時の荷重に対しては、通常、接合部は弾性変形(永久変形が生じない状態)に留めるため、降伏モーメント抵抗Mj,yが大きいほど施工時に大きい荷重に耐えられることを意味する。
Figure 2021156116
図9は、本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造の別の例を示す図である。図示された例では、小梁1の下フランジ12およびウェブ13が大梁2のウェブ23付近まで延び、小梁1の上フランジ11およびウェブ13の一部が大梁2の上フランジ21と干渉する部分において切り欠かれている。これによって、小梁1の下フランジ12の端面は大梁2のウェブ23に対向し、接触部材4は小梁1の下フランジ12と大梁2のウェブ23との間に介挿される。従って、図示された例では大梁2とフィンプレート31とが支持部材を構成し、大梁2のウェブ23に小梁1の下フランジ12から接触部材4を介して圧縮力が伝達される。この例でも、上記の例と同様に、ボルト33をウェブ13の高さ中心線CLよりも上側に配置することによって、施工中における梁接合構造の剛性を向上させることができる。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造のさらに別の例を示す図である。図示された例では、小梁1の断面高さ(梁せい)と、大梁2の断面高さ(梁せい)とが等しい。これによって、小梁1の下フランジ12の材軸方向の端面は大梁2の下フランジ22の幅方向の側端面に対向し、接触部材4は小梁1の下フランジと大梁2の下フランジ22との間に介挿される。従って、図示された例では大梁2とフィンプレート31とが支持部材を構成し、大梁2の下フランジ22に小梁1の下フランジ12から接触部材4を介して圧縮力が伝達される。この例でも、上記の例と同様に、ボルト33をウェブ13の高さ中心線CLよりも上側に配置することによって、施工中における梁接合構造の剛性を向上させることができる。
図11は、本発明の第1の実施形態に係る梁接合構造のさらに別の例を示す図である。図示された例では、RC梁7、ベースプレート81およびフィンプレート82が支持部材を構成する。RC梁7は、コンクリート71と、コンクリート71に埋設される鉄筋72とを含む。鉄筋72は、小梁1に直交する方向に延びる主筋72Aと、スターラップ72Bとを含む。ベースプレート81は、ベースプレート81に接合されるアンカー84がコンクリート71に定着させられることによってRC梁7に接合される。フィンプレート82は、ベースプレート81に溶接され、小梁1のウェブ13にボルト83を用いて接合される。他の例では、小梁1のウェブ13がベースプレート81に溶接され、フィンプレート82が設けられなくてもよい。接触部材4は、小梁1の下フランジ12の端面とベースプレート81との間に介挿される。小梁1およびRC梁7の上方に配置されるRCスラブ5は、シアコネクタ6によって小梁1に接合される。一方、RC梁7は、鉄筋72を上面から露出した状態でコンクリート71を打設し、その後に上方にRCスラブ5のコンクリート51を打設して鉄筋72をコンクリート51に定着させることによってRCスラブ5に接合される。この例でも、上記の例と同様に、ボルト83をウェブ13の高さ中心線CLよりも上側に配置することによって、施工中における梁接合構造の剛性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
図12は、本発明の第2の実施形態に係る梁接合構造を示す図である。図12に示される梁接合構造は、小梁1と、大梁2と、フィンプレート31と、リブ32と、RCスラブ5と、シアコネクタ6とを含む。上記の各部材の構成は第1の実施形態と同様である。フィンプレート31が高さ中心線CLよりも上側でウェブ13に重なり、ウェブ13をフィンプレート31に接合するボルト33が高さ中心線CLの上側にのみ配置されるため、高さ中心CHを回転中心とするウェブ13の面内回転に対して、回転抵抗は高さ中心線CLの上側でのみ作用し、高さ中心線CLの下側では回転抵抗が実質的に0である点も上記の第1の実施形態と同様である。本実施形態では、接触部材が配置されず、代わりに小梁1の下フランジ12とリブ32との間に形成される突合せ溶接部9Aが圧縮力伝達手段として機能する。具体的には、突合せ溶接部9Aは、小梁1の下フランジ12の端面と、支持部材を構成し下フランジ12に平行な板状部分であるリブ32の端面との間に、裏当金91を用いて形成される。本実施形態において、下フランジ12またはリブ32の端面に開先が形成されていてもよい。
本実施形態では、突合せ溶接部9Aを介して圧縮力が小梁1の下フランジ12からリブ32に伝達される。従って、突合せ溶接部9Aを通る圧縮力の作用線からより遠い位置、すなわち高さ中心線CLの上側にボルト33を配置することによって、施工中にRCスラブ5のコンクリート51が硬化する前の状態における梁接合構造の剛性を向上させられる点は上記の第1の実施形態と同様である。ボルト33が高さ中心線CLの下側にも配置されてもよく、その場合は上記の式(1)が満たされればよい点も第1の実施形態と同様である。また、下フランジ12の幅方向における突合せ溶接部9Aの寸法について、図3を参照して説明した接触部材4A,4Bの例と同様に、突合せ溶接部9Aの合計寸法が下フランジ12の幅よりも短い場合に、突合せ溶接部9Aを形成する溶接金属と下フランジ12との間で材料強度が同程度であれば突合せ溶接部9Aの圧縮耐力が下フランジ12の断面圧縮耐力よりも小さくなる。このような寸法差をもたせるとともに、あるいは寸法差がない場合(突合せ溶接部が下フランジの全幅に形成される場合)であっても、突合せ溶接部9Aを形成する溶接金属の材料強度を下フランジ12の材料強度よりも小さくしてもよい。このような構成によって、小梁1の回転中心を高さ中心CHに近づけ、高さ中心線CLの上側に配置されたボルト33のすべりを抑制することによって曲げ耐力をより確実に発揮させることができる。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る梁接合構造の別の例を示す図である。図示された例では、小梁1の下フランジ12が、リブ32の上面に載せかけられるように配置されており、載せかけられた下フランジ12の端面とリブ32の上面との間に隅肉溶接部9Bが形成される。この場合も、支持部材を構成するリブ32と小梁1との間で隅肉溶接部9Bを介して圧縮力が伝達される。従って、ボルト33をウェブ13の高さ中心線CLよりも上側に配置することによって、施工中における梁接合構造の剛性を向上させることができる。なお、例えば上記で図9から図11に示されたような小梁1と大梁2との接合部においても、接触部材を図12または図13に示されたような溶接部に置き換えることが可能である。また、図13に示された例とは逆にリブが下フランジの上面に載せかけられ、リブの端面と下フランジの上面との間に隅肉溶接部が形成されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…小梁、11…上フランジ、12…下フランジ、13…ウェブ、2…大梁、21…上フランジ、22…下フランジ、23…ウェブ、31,31P…フィンプレート、32…リブ、33,33P,33Q…ボルト、4,4A,4B…接触部材、5…RCスラブ、51…コンクリート、52…鉄筋、53…デッキプレート、6…シアコネクタ、7…RC梁、71…コンクリート、72…鉄筋、72A…主筋、72B…スターラップ、81…ベースプレート、82…フィンプレート、83…ボルト、84…アンカー、9A…突合せ溶接部、9B…隅肉溶接部、91…裏当金、CH…高さ中心、CL…高さ中心線。

Claims (14)

  1. 第1の上フランジ、第1の下フランジおよび第1のウェブを有する第1のH形断面梁と、前記第1のH形断面梁の長手方向端面に対向する支持部材とを備え、
    前記支持部材は、前記第1のウェブに接合される第1の部分、および前記第1の下フランジに作用する圧縮力が第1の圧縮力伝達手段によって伝達される第2の部分を含み、前記第1の上フランジに直接的に接合される部分を含まず、
    前記第1のH形断面梁の長手方向端面における前記第1のウェブの高さ中心を回転中心とする前記第1のウェブの面内回転に対して、前記第1の部分と前記第1のウェブとの接合による回転抵抗は、前記第1のウェブの高さ中心線の上側で前記第1のウェブの高さ中心線の下側よりも大きい、梁接合構造。
  2. 前記第1のウェブは前記第1の部分にボルト接合され、
    前記高さ中心線の上側に配置されるボルトの耐力と前記高さ中心線からの距離との積の総和は、前記高さ中心線の下側に配置されるボルトの耐力と前記高さ中心線からの距離との積の総和よりも大きい、請求項1に記載の梁接合構造。
  3. 前記高さ中心線の上側に配置されるボルトの数は、前記高さ中心線の下側に配置されるボルトの数よりも多い、請求項1または請求項2に記載の梁接合構造。
  4. 前記第1のウェブを前記第1の部分に接合するボルトは、前記高さ中心線の上側にのみ配置される、請求項1または請求項2に記載の梁接合構造。
  5. 前記第1の圧縮力伝達手段の圧縮耐力は、前記第1の下フランジの断面圧縮耐力よりも小さい、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の梁接合構造。
  6. 前記第1の圧縮力伝達手段は、前記第1の下フランジの端面と前記第2の部分との間に介挿される接触部材である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の梁接合構造。
  7. 前記接触部材は、一様な断面形状を有する、請求項6に記載の梁接合構造。
  8. 前記第2の部分は、前記第1の下フランジに平行な板状部分であり、
    前記第1の圧縮力伝達手段は、前記第1の下フランジの端面と前記板状部分の端面との間に形成される突合せ溶接部である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の梁接合構造。
  9. 前記第2の部分は、前記第1の下フランジに平行な板状部分であり、
    前記第1の圧縮力伝達手段は、前記第1の下フランジまたは前記板状部分のいずれか一方の端面と他方の上面との間に形成される隅肉溶接部である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の梁接合構造。
  10. コンクリート、および前記コンクリートに埋設され少なくとも前記第1のH形断面梁の材軸方向に延びる引張力伝達部材を含み、前記第1のH形断面梁および前記支持部材の上方に配置されるRCスラブまたはデッキ合成スラブと、
    前記第1の上フランジおよび前記支持部材にそれぞれ接合されるとともに、前記RCスラブまたは前記デッキ合成スラブを構成するコンクリートに定着させられる係止部材と
    をさらに備える、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の梁接合構造。
  11. 前記第1の圧縮力伝達手段の圧縮耐力は、前記梁接合構造における前記RCスラブまたは前記デッキ合成スラブの有効幅領域内に配置された前記引張力伝達部材の引張耐力、および前記第1のH形断面梁の負曲げ領域内に配置された前記係止部材のせん断耐力のうち小さい方の耐力以上である、請求項10に記載の梁接合構造。
  12. 前記支持部材に対して前記第1のH形断面梁の反対側に配置され、第2の上フランジ、第2の下フランジおよび第2のウェブを有する第2のH形断面梁をさらに備え、
    前記支持部材は、前記第2のH形断面梁の長手方向端面に対向し、前記第2のウェブにボルト接合される第3の部分、および前記第2の下フランジから第2の圧縮力伝達手段によって圧縮力が伝達される第4の部分をさらに含み、前記第2の上フランジに直接的に接合される部分を含まず、
    前記第2のH形断面梁の長手方向端面における前記第2のウェブの高さ中心を回転中心とする前記第2のウェブの面内回転に対して、前記第3の部分と前記第2のウェブとの接合による回転抵抗は、前記第2のウェブの高さ中心線の上側で前記第2のウェブの高さ中心線の下側よりも大きい、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の梁接合構造。
  13. 前記第2の圧縮力伝達手段の圧縮耐力は、前記第2の下フランジの断面圧縮耐力よりも小さい、請求項12に記載の梁接合構造。
  14. 前記支持部材は、第3の上フランジ、第3の下フランジおよび第3のウェブを有する第3のH形断面梁であり、
    前記第2の部分は、前記第3の下フランジの側端面であり、
    前記第1のH形断面梁と前記第3のH形断面梁との断面高さが等しい、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の梁接合構造。
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