JP2021156020A - ラスモルタル構造体、支持金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】モルタルが脱落することを抑制することにある。また、モルタルの脱落に起因して生じる延焼を抑制することにある。【解決手段】ラスモルタル構造体100は、モルタル層40と、建築躯体に取り付けられると共に、モルタル層40に埋設されるラス30と、ラス30を支持すると共に、モルタル層40に埋設される支持金具70と、を有し、支持金具70は、揺動孔73が形成されており、揺動孔73に挿通されるビス80により建築躯体に揺動可能に取り付けられる板部71と、板部71から突出しており、ラス30を支持する支持部72と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、ラスモルタル構造体、及び支持金具に関する。
従来、木造住宅等の建築物の外壁を施工する技術として、ラス(金属製の網)をステープル等で留め、それを下地としてモルタルを左官用コテで塗り付けるラスモルタルが知られている。ラスモルタルの役割の一つは防火性能を確保することである。しかしながら、建築躯体に歪みが生じた場合、ラスを留めるステープルが損傷し、モルタルから成る塗り壁層にクラックが生じてしまう場合がある。クラックが生じて塗り壁層が脱落してしまうと、防火性能が低下してしまう。そこで、例えば、特許文献1には、弾性体からなるスペーサを介して建築躯体を支持することで、歪みや変形をスペーサにより吸収することで、その影響が塗り壁層に及ぶことを抑制することにより、塗り壁層にクラックが生じることを抑制する技術が開示されている。
特開平8−7441号公報
しかしながら、特許文献1に開示される構成においては、歪みや変形の吸収量は、弾性体の弾性変形量に依存するものであり、大きな歪みには耐えられないと考えられる。したがって、地震等の大きな揺れにより建築躯体が傾いた場合においては、塗り壁層が損傷し、その結果脱落してしまうおそれがある。
本発明の目的は、モルタルが脱落することを抑制することにある。また、モルタルの脱落に起因して生じる延焼を抑制することにある。
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下の通りである。
(1)モルタル層と、建築躯体に取り付けられると共に、前記モルタル層に埋設されるラスと、前記ラスを支持すると共に、前記モルタル層に埋設される支持金具と、を有し、前記支持金具は、揺動孔が形成されており、該揺動孔に挿通される固定具により前記建築躯体に揺動可能に取り付けられる板部と、前記板部から突出しており、前記ラスを支持する支持部と、を含む、ラスモルタル構造体。
(2)(1)において、前記板部は平面状であり、前記揺動孔と前記支持部は、前記板部において所定の距離を空けて設けられている、ラスモルタル構造体。
(3)(2)において、前記所定の距離は、20mm〜100mmである、ラスモルタル構造体。
(4)(2)において、前記所定の距離は、20mm〜65mmである、ラスモルタル構造体。
(5)(2)において、前記所定の距離は、60mm〜65mmである、ラスモルタル構造体。
(6)(2)〜(5)のいずれかにおいて、複数の前記支持金具を有し、前記複数の支持金具のうち、前記建築躯体の上下方向の端部側に設けられる第1の支持金具よりも、該第1の支持金具よりも上下方向の中心側に設けられる第2の支持金具の方が、前記所定の距離が短い、ラスモルタル構造体。
(7)(6)において、前記第2の支持金具における前記所定の距離は、20mm〜65mmである、ラスモルタル構造体。
(8)(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記支持部は、前記板部が前記建築躯体に取り付けられた状態における、少なくとも上部に周面を有している、ラスモルタル構造体。
(9)揺動孔が形成されており、該揺動孔に挿通される固定具により建築躯体に揺動可能に取り付けられる板部と、前記板部から突出しており、前記建築躯体に取り付けられるラスを支持する支持部と、を有する、支持金具。
(10)(9)において、前記板部は平面状であり、前記揺動孔と前記支持部は、前記板部において所定の距離を空けて設けられている、支持金具。
(11)(10)において、前記所定の距離は、20mm〜100mmである、支持金具。
(12)(10)において、前記所定の距離は、20mm〜65mmである、支持金具。
(13)(10)において、前記所定の距離は、60mm〜65mmである、支持金具。
上記本発明の(1)〜(13)の側面によれば、モルタルが脱落することを抑制することができる。また、モルタルの脱落に起因して生じる延焼を抑制することができる。
本実施形態に係るラスモルタル構造体を示す分解斜視図である。 地震等の揺れにより、ラスモルタル構造体が取り付けられた柱が傾斜した様子を示している。 本実施形態の支持金具を示す図である。 本実施形態の支持金具が柱に対して取り付けられると共に、ラスを支持する状態を示している。 柱の傾斜に伴い支持金具が揺動している様子を示している。 柱が傾斜した際の、横方向における柱の変位量について説明する図である。 本実施形態の支持金具の最適なサイズについて説明する図である。 本実施形態の変形例における支持金具の配置について示す図である。
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という)について図面に基づき詳細に説明する。なお、本実施形態においては、鉛直方向を上下方向と呼び、水平方向を横方向と呼ぶこととする。また、各図において、上方向をZで示す。また、各図において、横方向のうち、モルタル層40が設けられる側からラスモルタル構造体100を見た際の左方向をL、右方向をRで示す。
まず、図1を参照して、本実施形態に係るラスモルタル構造体の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るラスモルタル構造体100を示す分解斜視図である。
本実施形態において、ラスモルタル構造体100とは、木造住宅等の建築物の外壁を構成するものである。
ラスモルタル構造体100は、図1に示すように、下地板10と、防水紙20と、ラス30と、モルタル層40とを有する。図1の分解斜視図においては、それらが互いに分離された様子を示すが、実際にはそれらが一体に積層されて外壁を構成する。なお、図1で示す積層構造は一例であり、その他のシート材や板部材等をさらに有していても構わない。例えば、通気性を確保するための胴縁等を有していてもよい。また、下地板10を有していなくてもよい。また、モルタル層40は、外壁の外装面を構成するものであるが、その表面には塗装等がされていても構わない。また、ラスモルタル構造体100には、窓用の開口や、扉用の開口等が適宜設けられていても構わない。
下地板10は、建築物の柱111、112に対して固定されている。なお、木造の建築物は、その骨格をなす建築躯体である柱、土台、梁、小屋組等を備えるものであるが、図1においては、建築躯体として柱111、112のみを示している。なお、1つのラスモルタル構造体100が取り付けられる柱の数は任意である。
防水紙20は、下地板10に張り付けられている。防水紙20は、モルタルに含まれる水分等が建築物の内部に染み込むことを抑制するものである。
ラス(ラスメタルなどとも呼ばれる)30は、メッシュ状の金網であり、防水紙20を介して、下地板10に取り付けられている。ラス30は、接合具(図1においては不図示)を用いて複数個所で下地板10及び柱111、112に対して固定されているとよい。接合具としては、例えば、コの字状のステープルを用いるとよい。
モルタル層40は、セメント及び砂に水を加えて練って成るモルタルからなる。左官用コテによりペースト状のモルタルが下地板10上に塗られ、その状態で硬化することによりモルタル層40が形成される。なお、図1においては、モルタル層40の厚みを表していないが、モルタル層40は、厚みが15mm〜20mm程度となるように塗装されているとよい。なお、モルタルは、現場調合モルタル、既調合モルタル、軽量モルタル等、その種類は問わない。
また、ラス30は、下地板10に取り付けられると共に、モルタル層40に埋設されている。ラス30が下地板10に取り付けられていることより、下地板10に対するモルタル層40の密着性が向上する。
ラス30は、側面から見た場合に、山状部と谷状部とが交互に配置される、いわゆる波形ラスであるとよい。そのような構造のものを用いることにより、ラス30の起伏の大きさに応じて、厚みのあるモルタル層40を形成することができる。また、ラス30は、部分的に盛り上がりを有する、いわゆるこぶラスや、部分的に補強された、いわゆる力骨付ラス、リブを有する、いわゆるリブラス等であってもよい。
ラスモルタル構造体100は、建築物の美観を向上すると共に、内部で火災が発生した場合に火が周囲に延焼することを抑制する、及び周囲で発生した火災による被害を抑制するという役割を担う。これは、モルタル層40が、いわゆる不燃材料であるモルタルから成るためである。木造の建築物には火が燃え移りやすいところ、ラスモルタル構造体100を用いることにより、柱111、112等の木材がモルタル層40により保護されることとなる。
ここで、図2を参照して、地震等の揺れが生じた際の柱の変位について説明する。図2は、地震等の揺れにより、ラスモルタル構造体100が取り付けられた柱111、112が傾斜した様子を示している。
地震等により、建築物が揺れると、当該建築物の柱111、112が傾斜してしまう場合がある。一方で、剛体であるモルタル層40及びラス30は、その形状を維持するため、モルタル層40及びラス30に対する柱11、12の相対位置がズレることとなる。これにより、ラス30を固定するステープルが下地板10及び柱111、112から外れ、モルタル層40が、ラス30と共に建築躯体から脱落してしまうおそれがある。
モルタル層40が脱落してしまうと、建築躯体を構成する木材が外部に露出してしまう。露出した木材には、地震等により発生した火災による火が燃え移りやすくなってしまう。
そこで、本実施形態においては、支持金具70を用いて、地震等により柱111、112が傾斜した場合において、モルタル層40及びラス30に対する柱111、112の変位を吸収し、モルタル層40及びラス30が脱落してしまうことを抑制可能とした。以下、図3を参照して、支持金具70の構成について説明する。
図3は、本実施形態の支持金具70を示す図である。
支持金具70は、1枚の金属板から成り、板部71と、板部71から突出する支持部72とを有する。板部71には、揺動孔73が形成されている。
本実施形態においては、板部71は、平面形状が長辺と短辺を有する長方形である。また、揺動孔73と、支持部72とは、板部71の長手方向において所定の距離を空けて設けられている。揺動孔73と支持部72との距離の詳細については後述する。なお、揺動孔73と支持部72が所定の距離を空けて設けることができれば、板部71の平面形状は長方形だけでなく、正方形、円形、楕円形、略円形、又は多角形でも良い。
支持部72は、板部71の一部を切り欠いて、板部71の面に対して垂直になるように折り曲げられたものである。そのため、板部71には、支持部72の形状と同様の形状の孔74が形成されている。
揺動孔73は、貫通孔であり、ビス80が挿通される。揺動孔73の径は、挿通されるビス80の頭の径よりも小さいとよい。ビス80は、建築用の強固なものであることが好ましいが、特に種類が限られるものではない。
支持金具70は、ビス80を用いて建築躯体に取り付けられる。具体的には、板部71の長手方向が上下方向に延びると共に、揺動孔73が支持部72の上方に配置される状態で、建築躯体に取り付けられる。
支持金具70は、建築躯体に取り付けられた状態において、支持部72に対して横方向の力が作用した場合に、ビス80を揺動軸として揺動可能である。
なお、図3に示す支持金具70は、1枚の金属板を加工してなるものであるが、これに限られるものではなく、少なくとも、ビス80等の固定具が挿通される揺動孔73と、板状の本体(本実施形態においては板部71)から突出する支持部72を有するものであれば、1枚の金属板から成るものに限られない。
図4は、本実施形態の支持金具70が柱111に対して取り付けられると共に、ラス30を支持する状態を示している。
支持金具70は、建築躯体である柱111、112に対して、ビス80を用いて取り付けられる。図4においては、1つの支持金具70のみを示すが、支持金具70は、所定の間隔を空けて、建築躯体に対して複数取り付けられているとよい。
そして、建築躯体に取り付けられた支持金具70の支持部72に、網目の交差部が引っかかるようにラス30を取り付ける。これにより、ラス30は、支持金具70の支持部72により支持される。なお、図4においては、図面が煩雑になるのを避けるため、ラス30の網目を大きく図示しているが、ラス30の網目は図示のものよりきめ細かく形成されているとよい。それにより、支持金具70をいずれの位置に取り付けた場合であっても、支持部72がラス30の網目に引っ掛かりやすくなり、ラス30を支持することができる。なお、建築躯体に複数取り付けられる支持金具70の全てがラス30の網目に引っ掛かっている必要はない。
なお、ラス30を支持金具70の支持部72に引っ掛けただけでは、ラス30が建築躯体から脱落する可能性があるため、適宜ステープル90等の接合具を用いて、建築躯体に固定するとよい。図4においては、ラス30の網目の交差部を跨ぐようにステープル90が取り付けられている様子を示している。
図4に示すように、支持金具70がラス30を支持した状態において、モルタルが所定の厚さになるように塗られる。それにより、ラス30及び支持金具70は、外部から視認されないように、モルタル層40に埋設されることとなる。
次に、図5〜図7を参照して、柱の変位に基づく支持金具の動作について説明する。図5は、本実施形態において、柱の傾斜に伴い支持金具が揺動している様子を示している。図6は、柱が傾斜した際の、横方向における柱の変位量について説明する図である。図7は、本実施形態の支持金具の最適なサイズについて説明する図である。図7(a)においては、揺動前の支持金具70を実線で示しており、揺動後の支持金具70を破線で示している。また、図7(b)は、揺動後の支持金具70の横方向及び上下方向における変位量を説明する図である。
ここでは、柱112の高さTが3000mmである場合を例に挙げて説明する。
図5においては、地震等により、柱112が左方向Lに傾斜した様子を示している。この際、ラスモルタル構造体100のうち上方の部分は、柱112に対して相対的に右方向Rに移動することとなる。これにより、ビス80は柱112に対して固定された状態を維持すると共に、支持金具70の支持部72には、ラス30及びモルタル層40から右方向の力が作用することとなる。そのため、支持金具70は、ビス80(揺動孔73)を揺動軸として、右方向Rに揺動することとなる。
一方で、ラスモルタル構造体100のうち下方の部分は、柱112に対して相対的に左方向Lに移動することとなる。これにより、ビス80は柱112に対して固定された状態を維持すると共に、支持金具70の支持部72には、ラス30及びモルタル層40から左方向の力が作用することとなる。そのため、支持金具70は、ビス80(揺動孔73)を揺動軸として、左方向Lに揺動することとなる。
ここで、例えば、震度4程度の地震が発生した場合、一般的な木造住宅は、最大で1/120[rad](≒0.48度)程度傾くと考えられる。この場合において、横方向における、ラスモルタル構造体100に対する柱112の最大変位量D1は、12.5mm(=(3000/2)×1/120)となる。なお、最大変位量D1の変位が生じるのは、図6に示すように、柱112の上端と下端である。
また、図6に示すように、例えば、柱112のうち高さ2500mm(T2)の位置においては、変位量D2は約8.3mmとなる。また、柱112のうち高さ2000mm(T3)の位置においては、変位量D3は約4.2mmとなる。また、柱112のうち高さ1500mm(T4)の位置、すなわち、高さ方向における柱112の中心の位置においては、変位量は微小となる。
ラスモルタル構造体100に対する柱112の変位を吸収するためには、支持金具70が揺動した際に、最大変位量D1=12.5mm分、支持部72が横方向に移動可能であればよい。
ここで、支持金具70が揺動した際における支持部72の上下方向の移動が大きいと、支持部72とモルタル層40が上下方向における力を作用し合い、支持部72が折れ曲がってしまう、又はモルタル層40が損傷してしまうおそれがある。
以上の観点に基づいて、本実施形態においては、図7に示すように、ビス80(揺動孔73)の中心と支持部72との距離Lを、62.5mmとした。
この場合、図7(b)に示すように、支持金具70の揺動角は、1/5[rad](≒11.5度)となり、支持部72の上方向Zにおける変位量は1.3mmとなる。1.3mm程度であれば、ビス80と揺動孔73との隙間、支持部72とモルタル層40との間におけるガタ等により吸収され得る。
なお、例えば、支持部72に、支持部72の幅とほぼ同じ径、または若干広い径を有する樹脂製の筒状部材を被せておいてもよい。それにより、支持部72と筒状部材との隙間により、上下方向におけるガタを吸収することができる。
以上より、距離Lは、横方向における最大変位量D1(12.5mm)の5倍(=62.5mm)程度であることが好ましいと考えられる。
距離Lが長いほど、横方向における変位を吸収しやすくなる距離Lが短ければ、横方向において吸収できる変位量が小さくなってしまう。また、横方向における変位が同じである場合、距離Lが短い方が上下方向における変位が大きくなり、支持部72にかかる負荷が大きくなってしまう。そのため、距離Lを適切な長さにする必要がある。本実施形態においては、上述のように距離Lを62.5mmとした。ただし、これに限られず、距離Lは、20mm〜100mmであるとよい。好ましくは、20mm〜65mmであるとよい。さらに好ましくは、60mm〜65mmであるとよい。
なお、揺動した支持金具70は、地震による揺れが収まった後、自重により揺動し、揺動前の状態に戻ることとなる。すなわち、板部71の長手方向が上下方向に延びるように位置することとなる。このため、支持金具70は、地震による揺れが収まった後においてもラス30を支持する状態を維持することができる。
なお、本実施形態においては、図3等に示すように、支持部72の形状を角柱形状としたが、これに限られず、周面を有する円柱形状としてもよい。または、角柱形状の支持部72に筒状の部材を被せることにより、支持部72に周面を形成することとしてもよい。なお、支持部72の周面は、少なくとも、建築躯体に支持金具70が取り付けられた状態における、支持部72の上部に形成されているとよい。すなわち、支持部72の周面は、少なくとも、ラス30の網目の交差部に引っ掛かる部分に形成されているとよい。そのような構成にすることにより、支持部72がラス30の網目に引っ掛かりやすくなり、ラス30の取り付けが容易となる。また、支持金具70が揺動した際に、支持部72の周面がラス30の網目の交差部に摺動することとなるため、ラス30にかかる負荷を低減できる。
また、支持部72は、モルタル層40の塗り厚の目安として用いることができる。例えば、モルタル層40の塗り厚を20mmとしたい場合、下地板10の表面から支持部72の突出先端までの長さを、20mm又は20mm弱とするとよい。これにより、左官は、支持部72がモルタルに埋設されたことを確認することにより、モルタル層40の塗り厚が20mmとなったことを認識することができる。支持部72がこのような機能を兼ねることより、塗り厚の目安として用いられる部材を別途設ける必要がなくなる。
また、本実施形態においては、支持金具70がラス30を支持していることより、ラス30を建築躯体に取り付けるための接合具としてのステープル90を省略することができる、又は使用する数を減らすことができる。
なお、支持金具70を建築躯体に取り付ける構成においては、防水紙20のうち支持部72と重なる位置に支持部72が貫通する孔を予め形成しておいてもよいし、支持部72により防水紙20を突き破らせてもよい。
以上説明した本実施形態に係るラスモルタル構造体100を用いることにより、地震等の揺れにより建築躯体が傾いた場合であっても、モルタル層40及びラス30が建築躯体から脱落してしまうことを抑制できる。その結果、地震により発生する火災による被害を抑制することができる。
次に、図8を参照して、本実施形態の変形例について説明する。図8は、本実施形態の変形例における支持金具の配置について示す図である。なお、図8は支持金具70の配置を示すものであるため、ラスモルタル構造体100については外形のみ示し、詳細な構成については省略している。
上記図5〜図7を参照して説明したように、ラスモルタル構造体100に対する柱112の変位量は、高さ方向の位置に応じて変わる。すなわち、高い位置及び低い位置においては、変位量が大きい。そのため、支持金具70において、揺動孔73と支持部72との距離Lをある程度確保する必要がある。
一方で、変位量が小さい位置においては、揺動孔73と支持部72との距離Lは短くても構わない。揺動孔73と支持部72の距離Lを短くすると、支持金具70を小型化できる。支持金具70を小型化することにより、支持金具70における材料費等のコストを低減することができる。また、支持金具70が小型化することにより、施工時の取り扱いが容易になる。ここで、変位量の小さい位置における距離Lは、その位置の変位量の5倍程度であることが好ましいと考えられる。例えば、図6のT2の位置からT3の位置におけるLは、T2における変位量D2(8.3mm)の5倍であるL=40mm程度が好ましく、図6のT3の位置からT4の位置におけるLは、T3における変位量D3(4.2mm)の5倍であるL=20mm程度が好ましいと考えられる。これにより、各位置における支持部72の上方向Zの変位は、T1の位置の最大変位量D1=12.5mmにおける支持部72の上方向Zの変位量である1.3mmを超えることはなく、支持部72が折れ曲がったり、又はモルタル層40が損傷してしまうおそれがない。
そこで、本実施形態の変形例においては、図8に示すように、支持金具70が取り付けられる高さに応じて、異なる大きさの支持金具70を用いることとした。具体的には、高い位置及び低い位置ほど、揺動孔73と支持部72の距離Lを長くした。なお、最も変位量の大きい最上部と最下部においては、図7で示したサイズの支持金具70を使用した。一方で、最も変位量の小さい位置においては、距離Lが20mmの支持金具70を使用した。ただし、これは一例であり、最も変位の小さい位置においては、距離Lが20mm〜65mmの支持金具70を使用するとよい。このような構成により、高い位置及び低い位置において、柱の変位を十分に吸収できると共に、小型の支持金具70を用いることで、コストを低減することが可能となる。
以上、本発明に係る実施形態及び変形例について説明したが、これら各実施形態及び変形例に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
10 下地板、20 防水紙、30 ラス、40 モルタル層、70 支持金具、71 板部、72 支持部、73 揺動孔、74 孔、80 ビス、90 ステープル、100 ラスモルタル構造体、111,112 柱。

Claims (13)

  1. モルタル層と、
    建築躯体に取り付けられると共に、前記モルタル層に埋設されるラスと、
    前記ラスを支持すると共に、前記モルタル層に埋設される支持金具と、
    を有し、
    前記支持金具は、
    揺動孔が形成されており、該揺動孔に挿通される固定具により前記建築躯体に揺動可能に取り付けられる板部と、
    前記板部から突出しており、前記ラスを支持する支持部と、
    を含む、
    ラスモルタル構造体。
  2. 前記板部は平面状であり、
    前記揺動孔と前記支持部は、前記板部において所定の距離を空けて設けられている、
    請求項1に記載のラスモルタル構造体。
  3. 前記所定の距離は、20mm〜100mmである、
    請求項2に記載のラスモルタル構造体。
  4. 前記所定の距離は、20mm〜65mmである、
    請求項2に記載のラスモルタル構造体。
  5. 前記所定の距離は、60mm〜65mmである、
    請求項2に記載のラスモルタル構造体。
  6. 複数の前記支持金具を有し、
    前記複数の支持金具のうち、前記建築躯体の上下方向の端部側に設けられる第1の支持金具よりも、該第1の支持金具よりも上下方向の中心側に設けられる第2の支持金具の方が、前記所定の距離が短い、
    請求項2〜5のいずれか1項に記載のラスモルタル構造体。
  7. 前記第2の支持金具における前記所定の距離は、20mm〜65mmである、
    請求項6に記載のラスモルタル構造体。
  8. 前記支持部は、前記板部が前記建築躯体に取り付けられた状態における、少なくとも上部に周面を有している、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のラスモルタル構造体。
  9. 揺動孔が形成されており、該揺動孔に挿通される固定具により建築躯体に揺動可能に取り付けられる板部と、
    前記板部から突出しており、前記建築躯体に取り付けられるラスを支持する支持部と、
    を有する、
    支持金具。
  10. 前記板部は平面状であり、
    前記揺動孔と前記支持部は、前記板部において所定の距離を空けて設けられている、
    請求項9に記載の支持金具。
  11. 前記所定の距離は、20mm〜100mmである、
    請求項10に記載の支持金具。
  12. 前記所定の距離は、20mm〜65mmである、
    請求項10に記載の支持金具。
  13. 前記所定の距離は、60mm〜65mmである、
    請求項10に記載の支持金具。
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