JP2021155811A - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼結体寸法のばらつきを抑制して焼結体の加工の取り代を低減することが可能なR−T−B系焼結磁石の製造方法を提供する。【解決手段】本開示のR−T−B系焼結磁石の製造方法は、R−T−B系焼結磁石用合金の粉末を準備する粉砕工程と、前記粉末を用いて粉末成形体を作製する成形工程と、前記粉末成形体を切断し、複数の成形体片に分割する切断工程と、前記複数の成形体片のそれぞれを焼結して複数の焼結体を作製する焼結工程とを含み、前記切断工程では、前記粉末成形体の切断間隔を、前記粉末成形体の作製に用いた前記粉末の粉体物性データおよび前記粉末成形体の粉末成形体物性データを基にして設定する。【選択図】図1

Description

本願は、R−T−B系焼結磁石の製造方法に関する。
R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択される少なくとも1つを必ず含み、Tは遷移金属の少なくとも1つでありFeを必ず含み、Bはホウ素である)は、RFe14B型結晶構造を有する化合物の主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相および微量添加元素や不純物の影響により生成する化合物相とから構成されている。R−T−B系焼結磁石は、高い残留磁束密度B(以下、単に「B」と記載する場合がある)と、高い保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」と記載する場合がある)を示し、優れた磁気特性を有することから、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られている。このため、R−T−B系焼結磁石は、ハードディスクドライブのボイスコイルモータ(VCM)、電気自動車(EV、HV、PHV)用モータ、産業機器用モータなどの各種モータや家電製品など多種多様な用途に用いられている。
このようなR−T−B系焼結磁石は、例えば、合金粉末を準備する工程、合金粉末をプレス成形して粉末成形体を作製する工程、粉末成形体を焼結する工程を経て製造される。合金粉末は、例えば、以下の方法で作製される。
まず、インゴット法またはストリップキャスト法などの方法によって各種原料金属の溶湯から合金を製造する。得られた合金を粉砕工程に供し、所定の粒径分布を有する合金粉末を得る。この粉砕工程には、通常、粗粉砕工程と微粉砕工程とが含まれており、前者は、例えば水素脆化現象を利用して、後者は例えば気流式粉砕機(ジェットミル)を用いて行われる。
粉末成形体を焼結する工程によって得られた焼結体は、その後、研削、切断などの機械的な加工を施され、所望の形状およびサイズを持つように個片化される。より詳細には、まず、R−T−B系希土類磁石粉末をプレス装置で圧縮成形することにより、最終的な磁石製品よりも大きいサイズの粉末成形体が作製される。そして、粉末成形体を焼結工程によって焼結体にした後、例えば超硬合金製ブレードソー、または回転砥石などによって焼結体を研削加工し、所望の形状を付与することが行われている。例えば、まずブロック形状を有する焼結体を作製した後、その焼結体をブレードソーなどでスライスすることによって複数のプレート状焼結体部分を切り出すことが行われている。
しかしながら、R−Fe−B系磁石などの希土類合金磁石の焼結体は極めて硬くて脆い上に、加工負荷が大きいため、高精度の研削加工は困難な作業であり、加工時間が長くかかる。このため、加工工程が製造コスト増加の大きな原因となっていた。
このような問題を解決するために、特許文献1は、磁石粉末成形体を焼結前にワイヤソーを用いて加工する技術を記載している。ワイヤソーとは、一方向または双方向に走行するワイヤを、加工すべき粉末成形体に押し付け、ワイヤと粉末成形体との間にある砥粒によって粉末成形体を研削または切断する加工技術である。この技術によれば、焼結体よりも格段に柔らかくて加工しやすい状態にある粉末成形体を切断するため、切断加工に要する時間が大幅に短縮される。
特開2003−303728号公報
R−Fe−B系焼結磁石は、高価で希少な希土類元素を含有しているため、材料の利用効率(歩留まり)を更に高めることが求められている。切断加工後の粉末成形体を焼結すると、収縮が生じるため、焼結体の寸法は粉末成形体の寸法に対して、例えば約60〜70%程度に小さくなる。このときの収縮率は、ばらつくため、同じ寸法を有する粉末成形体であっても、焼結後における焼結体の寸法には、ばらつきが発生し得る。
本開示の実施形態は、このような課題を解決し得るR−T−B系焼結磁石の製造方法を提供する。
本開示のR−T−B系焼結磁石の製造方法は、例示的な実施形態において、R−T−B系焼結磁石用合金(Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択される少なくとも1つを必ず含み、Tは遷移金属の少なくとも1つでありFeを必ず含み、Bはホウ素である)の粉末を準備する粉砕工程と、前記粉末を用いて粉末成形体を作製する成形工程と、前記粉末成形体を切断し、複数の成形体片に分割する切断工程と、前記複数の成形体片のそれぞれを焼結して複数の焼結体を作製する焼結工程と、を含み、前記切断工程では、前記粉末成形体の切断間隔を、前記粉末成形体の作製に用いた前記粉末の粉体物性データおよび前記粉末成形体の粉末成形体物性データを基にして設定する。
ある実施形態において、前記粉体物性データは、粉末の組成および粒度のデータである。
ある実施形態において、前記粉末成形体物性データは、成形体密度のデータである。
本開示の実施形態によれば、焼結後における焼結体の寸法ばらつきを抑制して焼結体の寸法を目標値に近づけることが可能になる。これにより、材料の利用効率を更に高めたR−T−B系焼結磁石の製造方法を提供するこができる。
図1は、本開示の実施形態における製造方法の主な工程を示すフローチャートである。 図2は、切断前における粉末形成体の例を模式的に示す斜視図である。 図3は、焼結前における成形体片14と、焼結後にける焼結体18との関係を模式的に示す斜視図である。 図4は、本開示の実施形態で使用可能なワイヤソー装置の構成例を示す斜視図である。 図5は、ワイヤの断面を模式的に示している断面図である。
粉末成形体を切断して複数の成形体片を準備した後、成形体片のそれぞれを焼結して焼結体を作製するとき、前述したように収縮が生じる。成形体の寸法に対する、成形体と焼結体の寸法差を「収縮率」と定義する。収縮率は、例えば30%程度であるが、その具体的な値は、粉末の組成、粒度、および粉末成形体の成形密度などのパラメータに依存して変動し得る。得られた焼結体の寸法は、収縮率の変動に応じて、例えば2〜5%程度、ばらつくことがある。
粉末成形体をワイヤソーなどによって切断して複数の成形体片に分割してから焼結を行う場合、従来、焼結による収縮率を基礎データとして収集し、収集した収縮率の最大値に合わせて粉末成形体の切断の幅(切断間隔)を設定してきた。言い換えると、最も大きく収縮することを想定して、切断間隔に余裕寸法(マージン)を追加している。そうすることにより、収縮率がばらついた場合において、最も大きく収縮した焼結体(最も小さな寸法を有する焼結体)であっても、目標の寸法以上の寸法を有することになる。目標の寸法を超える相対的に大きな焼結体に対しては、機械的加工で焼結体を多く削り取ることにより、寸法の調節を行うことが可能である。しかし、このような機械的加工によって焼結体の寸法を調節することは、材料利用効率または材料歩留まりの低下を招き、量産性を悪化させる。R−T−B系焼結磁石は、貴重な希土類元素を含むため、焼結体を削り取る量、すなわち加工の取り代が増加することは望ましくない。
本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法では、粉末成形体を切断、分割するとき、「粉体物性データ」および「粉末成形体物性データ」に基づいて粉末成形体における収縮率を推定または予測し、収縮率に応じて切断の幅を設定する。これにより、焼結体寸法のばらつきを抑制して、焼結体の加工の取り代を低減することが可能になる。すなわち、本開示のR−T−B系焼結磁石の製造方法により、粉末成形体毎に最適の幅を設定することが出来るため、収縮率の最大値に合わせて粉末成形体の切断間隔を設定する必要がなくなり、切断間隔に追加する余分寸法(マージン)を抑制することができる。また、粉末成形体毎に切断間幅を設定することで、粉末成形体の切断後に切断余り(複数の成形体片へ切断終了後に残った粉末成形体)が発生する場合がある。このような場合でも、切断余り及び切断時に発生する切断粉は、いずれも粉末成形体に含まれている他の粒子に比べて組成およびサイズも同様であるため、十分に再利用可能である。そのため、粉末成形体を得るためのR−Fe−B系希土類磁石粉末として切断余り及び切断粉を再利用することにより材料利用効率または材料歩留まりの低下を防止することができる。
粉体物性データは、粉末成形体の作製に用いた粉末の一部をサンプリングして物性データを測定することによって収集され得る。また、粉末成形体物性データは、成形毎、又は、ロット毎(数百個毎)に測定することで収集され得る。好ましい実施形態において、粉体物性データは、粉末の組成および粒度のデータを含む。また、粉末成形体物性データは、成形体密度のデータを含む。粉末の組成および粒度、ならび成形体密度は、焼結による粉末成形体の収縮率を規定するパラメータの好ましい例である。このようなパラメータと収縮率との関係を示すデータを実測に基づいて用意しておくことにより、設定されたパラメータまたは測定されたパラメータの値に基づいて、粉末成形体の収縮率を推定または予測することが可能になる。例えば、粉体物性データ(例えば、粉末の組成および粒度)及び粉末成形体物性データ(例えば粉末成形体密度)と収縮率との関係を示す過去の実績データと、切断を行う粉末成形体におけるこれらの物性データとを比較することにより、最適な粉末成形体の幅を設定することができる。
上記のデータに含まれるパラメータの値が変化する場合または変化した場合、変化後のパラメータと収縮率との関係から、粉末成形体の収縮率を推定または予測することができる。例えば、量産途中において、粉末プレス装置から取り出した粉末成形体の成形体密度を測定し、その測定値が当初の設定値から変化していることを検知したときは、新しい測定値に対応する収縮率に基づいて、成形体片の寸法、すなわち粉末成形体の切断間隔を修正することが可能になる。
また、粉末の組成、粒度について設計変更を行う場合、上記のデータに基づいて、設計変更後の収縮率を予測し、その収縮率に応じた切断間隔に変更することもできる。
このようなデータの内容は、量産の過程において、上記パラメータの実測値を取得することによって更新され得る。
以下、本開示によるR−T−B系焼結磁石の製造方法の実施形態を説明する。本実施形態におけるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、図1のフローチャートに示すように、
・R−T−B系焼結磁石用合金の粉末を準備する粉砕工程(S10)と、
・粉末を用いて粉末成形体を作製する成形工程(S20)と、
・粉末成形体を切断し、複数の成形体片に分割する切断工程(S30)と、
・複数の成形体片のそれぞれを焼結して複数の焼結体を作製する焼結工程(S40)と、
を含む。
また、切断工程(S30)は、粉末成形体の切断間隔を、粉末成形体の作製に用いた粉末の粉体物性データおよび粉末成形体の粉末成形体物性データを基にして設定する工程(S35)を含む。
次に図1を参照しながら、上記の各工程S10〜S40の例を説明する。
まず、工程S10において、R−T−B系焼結磁石用合金の粉末を準備する。R−T−B系焼結磁石用合金の組成、粉末の作成方法などの詳細は後述する。
工程S20では、工程S10で準備した粉末を用いて粉末成形体を作製する。粉末成形体は、例えば湿式または乾式の粉体プレス装置によって作製され得る。
図2は、粉末形成体の例を模式的に示す斜視図である。図2には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を含むXYZ座標系が示されている。この図に示される粉末成形体10は、直方体のブロック形状を有している。図2には、配向磁場の向きMが矢印で示されている。この向きMを「磁場配向方向」と称する、配向磁場は、R−T−B系焼結磁石用希合金の粉末をプレスして粉末成形体10を作製するときに粉末に印加され、個々の粉末粒子の向きを磁場配向方向Mに配向させる。最終的には、この磁場配向方向Mに平行な方向に着磁される。
再び図1を参照する。
次に、工程S30において、粉末成形体10を切断し、粉末成形体10を複数の成形体片14に分割する。粉末成形体10は焼結体ではなく、焼結される前の粉末の成形体(グリーンコンパクト)である。好ましい実施形態において、粉末成形体10の切断はワイヤソーによって行うことができる。ワイヤソーの詳細は後述する。
図2の例において、粉末成形体10は、まず、粉末成形体10の磁場配向方向Mを含む平面(YZ面)に沿って拡がる複数の板状部分に切断され得る。その後、各板状部分は、粉末成形体の磁場配向方向Mを横切るように切断され、やがて複数の成形体片14に分割され得る。図2では、参考のため、切断面が点線で示されている。このような切断の順序または態様は、一例にすぎず、他の順序で切断が行われてもよい。図2には、成形体片14の寸法として、X軸方向における寸法W、Y軸方向における寸法T、Z軸方向における寸法Lが記載されている。寸法W、T、Lは、それぞれ、成形体片14の「幅」、「厚さ」、「長さ」に相当する。なお、粉末成形体10の形状は、直方体に限定されず、円柱であってもよいし、他の形状であってもよい。また、図2の例において、粉末成形体10の切断面は互いに直交しているが、そのような例に限定されない。最終的な成形体片14の形状が、板状であってもよいし、1方向に延びる棒状であってもよい。
本開示の実施形態では、粉末成形体10を切断して複数の成形体片14に分割するとき、粉末成形体10の切断間隔を、粉末成形体10の作製に用いた粉末の粉体物性データおよび粉末成形体10の粉末成形体物性データを基にして設定する(図1の工程S35)。工程S35の詳細は後述する。
次に、工程S40では、複数の成形体片14のそれぞれを焼結して複数の焼結体16を作製する。焼結条件は、焼結温度および焼結時間などによって規定され得る。焼結条件は、粉末成形体の収縮率に影響を及ぼすため、前述したデータに加えて、収縮率の推定または予測のために利用してもよい。
図3は、焼結前における成形体片14と、焼結後にける焼結体18との関係を模式的に示す斜視図である。図3の右側部分には、焼結体18の寸法として、X軸方向における寸法Ws、Y軸方向における寸法Ts、Z軸方向における寸法Lsが記載されている。寸法Ws、Ts、Lsは、それぞれ、焼結体18の「幅」、「厚さ」、「長さ」に相当する。図3に示されるように、成形体片14は、焼結によって収縮し、寸法の減少した焼結体18になる。
本開示の実施形態では、量産途中においても、粉末の組成および粒度、ならびに成形体密度をサンプリングして測定することにより、収縮率の変動を管理し、随時、切断間隔を修正することにより、焼結体寸法を目標値に近づけることが可能になる。
以下、本実施形態におけるR−T−B系焼結磁石の製造方法を詳細に説明する。本実施形態では、R−T−B系焼結磁石の製造方法の実施形態を説明する。
S10:R−T−B系焼結磁石用合金の粉末を準備する工程
<R−T−B系焼結磁石用合金の組成>
Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択される少なくとも1つを必ず含む。好ましくは、Nd−Dy、Nd−Tb、Nd−Dy−Tb、Nd−Pr−Dy、Nd−Pr−Tb、Nd−Pr−Dy−Tbで示される希土類元素の組合せを用いる。
Rのうち、DyおよびTbは、特にHcJの向上に効果を発揮する。上記元素以外にはLaなど他の希土類元素を含有してもよく、ミッシュメタルやジジムを用いることもできる。また、Rは純元素でなくてもよく、工業上入手可能な範囲で、製造上不可避な不純物を含有するものでもよい。含有量は、例えば、27質量%以上35質量%以下である。好ましくは、R−T−B系焼結磁石のR含有量は31質量%以下(27質量%以上31質量%以下、好ましくは、29質量%以上31質量%以下)である。R−T−B系焼結磁石のR含有量を31質量%以下でかつ、酸素の含有量が500ppm以上3500ppm以下である。
Tは、Tは遷移金属の少なくとも1つでありFeを必ず含み、質量比でFeの50%以下をコバルト(Co)で置換してもよい(Tが実質的に鉄とコバルトとから成る場合を含む)。Coは温度特性の向上、耐食性の向上に有効であり、合金粉末は10質量%以下のCoを含んでよい。Tの含有量は、RとBあるいはRとBと後述するMとの残部を占めてよい。
Bの含有量についても公知の含有量で差し支えなく、例えば、0.85質量%〜1.2質量%が好ましい範囲である。0.85質量%未満では高いHcJが得られない場合があり、1.2質量%を超えるとBが低下する場合がある。なお、Bの一部はC(炭素)で置換することができる。
上記元素に加え、HcJ向上のためにM元素を添加することができる。M元素は、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Hf、TaおよびWからなる群から選択される一種以上である。M元素の添加量は5.0質量%以下が好ましい。5.0質量%を超えるとBrが低下する場合があるためである。また、不可避的不純物も許容することができる。
<R−T−B系焼結磁石用合金の製造工程>
R−T−B系焼結磁石用合金の製造工程を例示する。上述した組成となるように事前に調整した金属または合金を溶解し、鋳型に入れるインゴット鋳造法により合金インゴットを得ることができる。また、溶湯を単ロール、双ロール、回転ディスクまたは回転円筒鋳型等に接触させて急冷し、インゴット法で作られた合金よりも薄い凝固合金を作製するストリップキャスト法または遠心鋳造法に代表される急冷法により合金フレークを製造することができる。
本開示の実施形態においては、インゴット法と急冷法のどちらの方法により製造された材料も使用可能であるが、ストリップキャスト法などの急冷法により製造されることが好ましい。急冷法によって作製した急冷合金の厚さは、通常0.03mm〜1mmの範囲にあり、フレーク形状である。合金溶湯は冷却ロールの接触した面(ロール接触面)から凝固し始め、ロール接触面から厚さ方向に結晶が柱状に成長してゆく。急冷合金は、従来のインゴット鋳造法(金型鋳造法)によって作製された合金(インゴット合金)と比較して、短時間で冷却されているため、組織が微細化され、結晶粒径が小さい。また粒界の面積が広い。Rリッチ相は粒界内に大きく広がるため、急冷法はRリッチ相の分散性に優れる。このため水素粉砕法により粒界で破断し易い。急冷合金を水素粉砕することで、水素粉砕粉(粗粉砕粉)のサイズを例えば1.0mm以下とすることができる。このようにして得た粗粉砕粉をジェットミルで粉砕する。
<R−T−B系焼結磁石用合金の粉末を準備する工程>
R−T−B系焼結磁石用の合金の粉末は活性であり、酸化しやすい。このため、ジェットミルで使用される気体としては、発熱・発火の危険性の回避、不純物としての酸素含有量を低減させて磁石の高性能化を図るため、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが用いられる。
ジェットミルに投入された被粉砕物(粗粉砕粉)は、例えば、平均粒度(中位径:d50)が2.0μm以上4.5μm以下の粒度分布を持つ微粉末をサイクロン捕集装置にて捕集する。サイクロン捕集装置は、粉末を運ぶ気流から粉末を分離するために使用される。具体的には、R−T−B系焼結磁石用合金の粗粉砕粉が前段のジェットミルで粉砕され、粉砕によって生成された微粉末が、粉砕に利用された気体とともにサイクロン捕集装置に供給される。不活性ガス(粉砕ガス)と粉砕された微粉末との混合物が高速の気流をなして、サイクロン捕集装置に送られてくる。サイクロン捕集装置は、これらの粉砕ガスと微粉末とを分離するために利用される。粉砕ガスから分離された微粉末は、粉末捕集器で回収される。
S20:粉末成形体を作製する工程
次に、磁場中プレスによって上記の微粉末から粉末成形体を作製する。磁場中プレスでは、酸化抑制の観点から、不活性ガス雰囲気中によるプレスまたは湿式プレスによって粉末成形体を形成することが好ましい。特に湿式プレスは粉末成形体を構成する粒子の表面が油剤などの分散剤によって被覆され、大気中の酸素や水蒸気との接触が抑制される。このため、プレス工程の前後あるいはプレス工程中に粒子が大気によって酸化されることを防止または抑制することができる。
磁場中湿式プレスを行う場合、微粉末に分散媒を混ぜたスラリーを用意し、湿式プレス装置の金型におけるキャビティに供給して磁場中でプレス成形する。こうして形成される粉末成形体は、例えば、4Mg/m以上5Mg/m以下の成形体密度を有している。
・分散媒
分散媒は、その内部に合金粉末を分散させることによりスラリーを得ることができる液体である。
本開示に用いる好ましい分散媒として鉱物油または合成油を挙げることができる。鉱物油または合成油はその種類が特定されるものではないが、常温での動粘度が10cStを超えると粘性の増大によって合金粉末相互の結合力が強まり磁場中湿式成形時の合金粉末の配向性に悪影響を与える場合がある。このため、鉱物油または合成油の常温での動粘度は10cSt以下が好ましい。また鉱物油または合成油の分留点が400℃を超えると粉末成形体を得た後の脱油が困難となり、焼結体内の残留炭素量が多くなって磁気特性が低下する場合がある。したがって、鉱物油または合成油の分留点は400℃以下が好ましい。また、分散媒として植物油を用いてもよい。植物油は植物より抽出される油を指し、植物の種類も特定の植物に限定されるものではない。
・スラリーの作製
得られた合金粉末と分散媒とを混合することでスラリーを得ることができる。
合金粉末と分散媒との混合率は特に限定されないが、スラリー中の合金粉末の濃度は、質量比で、好ましくは70%以上(すなわち、70質量%以上)である。20〜600cm/秒の流量において、キャビティ内部に効率的に合金粉末を供給できると共に、優れた磁気特性が得られるからである。スラリー中の合金粉末の濃度は、質量比で、好ましくは90%以下である。合金粉末と分散媒との混合方法は特に限定されない。合金粉末と分散媒とを別々に用意し、両者を所定量秤量して混ぜ合わせることによって製造してよい。また、粗粉砕粉をジェットミル等で乾式粉砕して合金粉末を得る際にジェットミル等の粉砕装置の合金粉末排出口に分散媒を入れた容器を配置し、粉砕して得られた合金粉末を容器内の分散媒中に直接回収しスラリーを得てもよい。この場合、容器内も窒素ガスおよび/またはアルゴンガスからなる雰囲気とし、得られた合金粉末を大気に触れさせることなく直接分散媒中に回収して、スラリーとすることが好ましい。さらには、粗粉砕粉を分散媒中に保持した状態で振動ミル、ボールミルまたはアトライター等を用いて湿式粉砕し、合金粉末と分散媒とから成るスラリーを得ることも可能である。
こうして得たスラリーを公知の湿式プレス装置で成形することにより、所定の大きさおよび形状を有する粉末成形体を得ることができる。従来、この粉末成形体を焼結して焼結体を得ることが通常であるが、本実施形態では、以下に説明するように、焼結前に粉末成形体を切断して複数の成形体片に分割する。
S30:粉末成形体を切断し、複数の成形体片に分割する切断工程
本開示の実施形態では、焼結工程の前に粉末成形体を切断し、複数の成形体片に分割する工程(S30)を実行する。この切断は、ワイヤソーによって好適に行うことが可能である。ワイヤソーには、粉末成形体を複数の切断面に沿って同時に3個以上の成形体片に分割するマルチワイヤソーと、個々の切断面に沿って順次分割していくシングルワイソーとが含まれる。本開示の実施形態では、いずれのワイヤソーを用いてもよい。
ここでは、図4を参照しながら、この切断工程に使用可能なワイヤソー装置(マルチワイヤソー装置)の構成例を説明する。図4は、本開示の実施形態におけるワイヤソー装置100の構成例を示す斜視図である。この例におけるワイヤソー装置100は、マルチワイヤソー装置である。図には、参考のため、互いに直交するx軸、y軸、およびx軸を含むxyz座標系が示されている。この例において、xy平面は水平であり、z軸は鉛直方向を向いている。
図4のワイヤソー装置100は、回転の中心軸が互いに平行になるように配列されたローラ30a、30b、30cと、一本の連続したワイヤ40とを有している。工程(S10)で準備された粉末成形体10は、固定用ベース20に支持される。
固定用ベース20は、粉末成形体10が固定された状態でz軸方向に上下動する。この上下動は、不図示の駆動装置によって実行され得る。駆動装置は、油圧シリンダによって駆動力を得てもよいし、モータによって動作してもよい。
ローラ30a、30b、30cは、x軸に平行な方向からみたとき、回転中心の軸が三角形の頂点に位置するように、所定の間隔を隔てて配置される。ローラ31a、31b、31cのそれぞれの側面に複数の溝が設けられている。ワイヤ40は、ローラ30a、30b、30cの複数の溝に順番に巻き架けられている。複数の溝の中心間隔(ピッチ)は、ワイヤソーによる切断によって分割される要素の幅(切断間隔)を規定する。
前述したように、切断工程(S30)は、粉末成形体の切断間隔を、粉末成形体の作製に用いた粉末の粉体物性データおよび粉末成形体の粉末成形体物性データを基にして設定する工程(S35)を含む。したがって、本実施形態におけるワイヤソー装置100を使用する場合は、粉末成形体の作製に用いた粉末の粉体物性データおよび粉末成形体の粉末成形体物性データを基にして設定された切断間隔を実現するように、複数の溝の中心間隔が決定される。切断間隔の変更を行うとき、その切断間隔に対応した中心間隔で溝が設けられたローラに交換される。なお、シングルワイソー装置を用いる場合、粉末成形体10に対してワイヤ40のX軸方向における位置を切断間隔の単位で移動させては、順次、切断を実行すればよい。
ワイヤ40の両端は、例えば、不図示の回収ボビンに巻回される。切断時には、ローラ30a、30b、30cおよび回収ボビンが回転する。ローラ30a、30b、30cの回転方向は、これらの配置やワイヤ40の掛け方に依存する。図4に示すワイヤソー装置100では、ローラ30a、30b、30cは同一方向に回転する。
所定長さのワイヤ40が、一方の回収ボビンに巻き取られたら、回収ボビンおよびローラ30a、30b、30cを逆方向に回転させる。これにより、ワイヤ40が逆方向に移動し、これを繰り返すことによって、ワイヤ40が往復運動(移動)させることができる。
ワイヤ40には、例えば、固定砥粒ワイヤを用いる。具体的には、高硬度材料の切断に適した高硬度の砥粒が電着によって素線に固着されているものを用いることができる。高硬度の砥粒は超砥粒とも呼ばれ、典型例はダイヤモンド砥粒である。
図5は、ワイヤ40の断面を模式的に示している。ワイヤ40は素線(芯線)42と、素線42の外周面に位置する砥粒44と、固着層46とを含む。固着層46は、例えば、Niなどのメッキ金属から形成されている。砥粒44は素線42の表面に位置しており、砥粒44の周囲の素線42の表面および砥粒44を全体として固着層46が覆うことによって、砥粒44を素線42に固着させることができる。砥粒44の固着は他の方法によって実現されていてもよい。砥粒44の平均粒径は、例えば、1μm以上24μm以下である。
ワイヤソーによって粉末成形体10を切断する工程は、粉末成形体10を液体中に沈めた状態で行うことが好ましい。粉末成形体10が湿式プレスによって形成された粉末成形体である場合、この液体の好ましい例は、湿式プレスで使用した油剤(鉱物油または合成油)などの分散媒である。
このようなワイヤソー装置100によって粉末成形体10を加工するとき、ワイヤ40の砥粒44によって切削された部分から粉末成形体10を構成している粉末粒子が切削粉となって落ちる。焼結前の粉末成形体10から得られる切削粉は回収して、そのまま粉末成形体を作製するための微粉末に混合して、容易に再利用することが可能である。
好ましい実施形態において、ワイヤ40の素線42(図5参照)の直径は、例えば140μm以上240μm以下である。素線42の直径が140μm未満になると、強度不足により、切断中に素線42が延びてしまう問題がある。素線42の直径が大きいほど、切削粉の排出性が向上するが、切削粉の量が増加してしまうため、240μmm以下であることが望ましい。
ワイヤ40の走行速度(ワイヤ線速)は、例えば、100m/分以上500m/分以下、の範囲に設定され得る。一方、ワーク送り速度(図4のz軸方向における固定用ベース20の移動速度)は、例えば、100mm/分以上600mm/分以下の範囲に設定され得る。ワイヤ40に印加され張力は、例えば2.0kg以上3.0kg以下である。
ワイヤソー加工は、切り粉の排出を速やかに行う観点から、粉末成形体を湿式プレスで作製するときに使用した分散媒(鉱物油または合成油)中に粉末成形体10を浸漬させた状態で行うこと(油中切断)が望ましい。ワイヤソー加工を大気中で行う場合は、分散媒と同様の油を粉末成形体10とワイヤ40とが接触する部分(切削部分)に吹き付けることが望ましい。
本実施形態では、事前に用意した前述のデータを基にして切断間隔を設定する。このため、次に行う焼結工程で生じる収縮に対応した寸法を有する成形体片が適切に作製され得る。また、粉末成形体の作製に用いた前記粉末の組成および粒度などが変化した場合、あるいは、成形体密度が変化した場合、前述のデータを基にして、切断間隔の設定値が変化され得る。その結果、実際の収縮率に応じた寸法を有する成形体片が作製される。
上記の切断工程時には、粉末成形体を構成している粉末粒子が切削粉となって落ちる。粉末成形体を焼結して得られる硬い焼結体を切削する場合、その切削粉は焼結によって粒成長したり、化学反応によって組成が変化したりした粒子、または粒子の結合物であるため、それらをR−T−B系焼結磁石用合金の粉末に混ぜて再利用することはできない。これに対して、焼結前の粉末成形体から得られる切削粉であれば、粉末成形体に含まれている他の粒子に比べて組成およびサイズも同様であり、十分に再利用可能である。このため、切削粉を回収して再利用することが好ましい。
S40:成形体片のそれぞれを焼結して焼結体を作製する工程
次に、上記の切断工程によって得られた成形体片を焼結してR−T−B系焼結磁石(焼結体)を得る。成形体片の焼結工程は、例えば、0.13Pa(10−3Torr)以下、好ましくは0.07Pa(5.0×10−4Torr)以下の圧力下で、例えば温度1000℃〜1150℃の範囲で行うことができる。焼結による酸化を防止するために、雰囲気の残留ガスは、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスにより置換され得る。
成形体片が焼結するときに収縮が生じるため、得られる焼結体の寸法は成形体片の寸法から減少する。しかし、本実施形態では、焼結工程で生じる収縮に対応した寸法を有する成形体片が適切に作製されているため、収縮後の焼結体の寸法が目標値に近い値を有している。例えば、焼結体の寸法と目標値との間にある誤差は、1%以下に抑制され得る。
なお、工程S40の後における焼結体に対して、重希土類元素などの元素を焼結体表面から内部に拡散させてもよい。また、時効処理などの付加的な熱処理を行ってもよい。このような拡散および熱処理により、磁気特性を向上させることができる。熱処理温度、熱処理時間などの熱処理条件は、公知の条件を採用することができる。こうして得た焼結体に対しては、必要に応じて研削・研磨などの仕上げ加工および表面処理工程が行われ、着磁工程を経て最終的なR−T−B系焼結磁石が完成する。
<実施例>
Nd;24.5質量%、Pr:4.5質量%、B:0.90質量%、Cu:0.1質量%、Ga:0.4質量%、Co:1・0質量%、残部Feの組成を有するR−T−B系焼結磁石用合金の粉末を準備した。粉末の粒径D50は、4μmであった。なお、粒径D50は、気流分散式レーザー回折法(JIS Z 8825:2013年改訂版に準拠する)により測定した。これらの粉末を用いて湿式プレス装置で粉末成形体を作製した。得られた粉末成形体の寸法は、100mm×60mm×90mm(90mmが磁場配向方向)であった。得られた粉末成形体の成形体密度は、4.5Mg/m程度であった。得られた粉末成形体を以下に説明する条件A及び条件Bにより設定した切断間隔で切断を行い複数個の成形体片を得た。成形体片の寸法は、100mm×60mm×7.5mm(7.5mmが磁場配向方向)であった。得られた成形体片を焼結(焼結による緻密化が十分起こる温度を選定)して焼結体を作製した
(条件A)
条件Aは従来の設定方法である。先行実験として、粉末成形体を複数個作製し、それらを焼結して収縮率をそれぞれ求めて基礎データとして収集し、収集した収縮率の最大値に合わせて粉末成形体の切断の幅を設定した。
(条件B)
条件Bは本開示の設定方法である。まず、粉末成形体の作製に用いた粉末の粉体物性データを収集した。具体的には、粉末の組成及び粒度を測定した。次に、粉末成形体物性データを収集した。具体的には、粉末成形体の成形体密度を測定した。これらの測定データから、紛圧物性データ及び粉末成形体物性データと収縮率との関係を示す過去の実績データをもとに粉末成形体の幅を設定した。
条件A及び条件Bで作製した焼結体における磁場配向方向(7.5mm)の寸法を各20個測定し、最大寸法と最小寸法の差を求めることで焼結体の寸法ばらつきを求めた。なお、磁場配向方向の寸法が他の寸法箇所の中で収縮による寸法ばらつきが一番大きい。更に、焼結体の寸法目標値(磁場配向方向7.5mmの寸法目標値)との差も求めた。条件Aでは焼結体の寸法ばらつきは0.22mmであり、目標値との差は3%だった。これに対して条件Bでは焼結体の寸法ばらつきは0.07mmであり、目標値との差は1%たった。このように条件Bの方が焼結体の寸法ばらつきが抑制されており、目標値との差が小さい。
10・・・ワーク、20・・・固定用ベース、30a、30b、30c・・・ローラ、40・・・ワイヤ、100・・・ワイヤソー装置

Claims (3)

  1. R−T−B系焼結磁石用合金(Rは希土類元素であり、Nd、PrおよびCeからなる群から選択される少なくとも1つを必ず含み、Tは遷移金属の少なくとも1つでありFeを必ず含み、Bはホウ素である)の粉末を準備する粉砕工程と、
    前記粉末を用いて粉末成形体を作製する成形工程と、
    前記粉末成形体を切断し、複数の成形体片に分割する切断工程と、
    前記複数の成形体片のそれぞれを焼結して複数の焼結体を作製する焼結工程と、
    を含み、
    前記切断工程では、前記粉末成形体の切断間隔を、前記粉末成形体の作製に用いた前記粉末の粉体物性データおよび前記粉末成形体の粉末成形体物性データを基にして設定する、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. 前記粉体物性データは、粉末の組成および粒度のデータである、請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
  3. 前記粉末成形体物性データは、成形体密度のデータである、請求項1または2に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法。
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