JP2021152637A - トナーバインダー - Google Patents
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Abstract
Description
最近では、表面凹凸の大きい再生紙や、表面が平滑なコート紙など多くの種類の紙が転写材として用いられる。これらの転写材の表面性状に対応するために、ソフトローラーやベルトローラーなどのニップ幅の広い定着器が好ましく用いられている。しかし、ニップ幅を広くすると、トナーと定着ローラーとの接触面積が増え、定着ローラーに溶融トナーが付着する、いわゆる高温オフセット現象が発生しやすくなるため、耐ホットオフセット性が要求されるのが前提である。
以上、述べたように、低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット性、定着幅、帯電維持率、画像強度、耐久性及び巻き付き性のすべてを満足する優れたトナーバインダーは、これまでなかった。
以下に、本発明のトナーバインダーを順次、説明する。
本発明において、「非晶性」とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて試料の転移温度測定を行った場合に、吸熱ピークのピークトップ温度が存在しないことを意味する。
また、ラジカル反応開始剤は公知のラジカル反応開始剤(c)を用いてもよい。ラジカル反応開始剤(c)としては、特に制限されず、無機過酸化物(c1)、有機過酸化物(c2)及びアゾ化合物(c3)等が挙げられる。また、これらのラジカル反応開始剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
Tgが80℃以下であると低温定着性が良好になり、25℃以上であると耐熱保存性が良好になる。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばTA Instruments(株)製、DSCQ20を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
装置(一例) : HLC−8120 [東ソー(株)製]
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 [東ソー(株)製]
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
移動相 : テトラヒドロフラン(重合禁止剤を含まない)
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるように試料をTHFに溶解し、不溶解分を口径1μmのPTFEフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
非晶性ビニル樹脂(A)の酸価は、単量体の酸価及び酸価を有する単量体の含有量で調整できる。(A)の酸価は、例えばJISK0070などの方法で測定される。
示差走査熱量計{例えば「DSCQ20」[TA Instruments(株)製]}を用いて測定する。結晶性ビニル樹脂(B)を20℃から10℃/分の条件で150℃まで第1回目の昇温を行い、続いて150℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で150℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を結晶性ビニル樹脂(B)の吸熱ピークのピークトップ温度とする。
単量体(a)としては直鎖のアルキル基(炭素数18〜36)を有する(メタ)アクリレート[オクタデシル(メタ)アクリレート(ステアリル(メタ)アクリレート)、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ヘンエイコサニル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセリル(メタ)アクリレート、セリル(メタ)アクリレート、モンタニル(メタ)アクリレート、トリアコンチル(メタ)アクリレート(ミリシル(メタ)アクリレート)及びドドリアコンチル(メタ)アクリレート等]及び分岐のアルキル基(炭素数18〜36)を有する(メタ)アクリレート[2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレート等]が挙げられる。
これらの内、低温定着性および耐熱保存性の観点から、直鎖のアルキル基(炭素数18〜36)を有する(メタ)アクリレートが好ましく、より好ましくは直鎖のアルキル基(炭素数18〜30)を有する(メタ)アクリレートであり、さらに好ましいのはオクタデシル(メタ)アクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセリル(メタ)アクリレート、セリル(メタ)アクリレート、及びトリアコンチル(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはオクタデシルアクリレート、アラキジルアクリレート、ベヘニルアクリレート及びリグノセリルアクリレートである。
単量体(b)としては炭素数6以下の(メタ)アクリル系モノマー[(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びエチル−2−(ヒドロキシメチル)アクリラート等]、炭素数6以下のビニルエステルモノマー[酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び酢酸イソプロペニル等]、炭素数6以下の脂肪族炭化水素系ビニルモノマー[エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン及び1,5−ヘキサジエン等]、及びニトリル基を有する炭素数6以下の単量体[(メタ)アクリロニトリル等]等が挙げられる。
これらの内、耐ホットオフセット性、画像強度および耐久性の観点から、炭素数6以下の(メタ)アクリル系モノマー、炭素数6以下のビニルエステルモノマー及びニトリル基を有する炭素数6以下の単量体が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル及び2−ヒドロキシプロピルアクリレートであり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリロニトリルである。
単量体(d)としては、スチレン系モノマー(d1)、炭素数が6を超える(メタ)アクリル系モノマーのうち(a)を除く(メタ)アクリル系モノマー(d2)及び炭素数が6を超えるビニルエステルモノマー(d3)等が挙げられる。
これらのうち好ましくはスチレンである。
結晶性ビニル樹脂(B)の吸熱ピークのピークトップ温度(TmB)は、より好ましくは45〜95℃であり、さらに好ましくは50〜90℃であり、特に好ましくは53〜75℃である。
結晶性ビニル樹脂(B)の吸熱ピークのピークトップ温度(TmB)は、結晶性ビニル樹脂(B)を構成する単量体の種類や構成比率(例えば、結晶性ビニル樹脂(B)を構成する単量体(a)の炭素数を調整すること及び結晶性ビニル樹脂(B)を構成する単量体(a)の重量比率を調整すること等)、重量平均分子量などで調整することができる。例えば単量体(a)の炭素数を増やす、単量体(a)の重量比率を増やす、結晶性ビニル樹脂(B)の重量平均分子量を増やす等の方法により結晶性ビニル樹脂(B)の吸熱ピークのピークトップ温度を上げることができる。
なお、結晶性ビニル樹脂(B)の吸熱ピークのピークトップ温度(TmB)は、トナーバインダーの吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)と同様の方法で測定することができる。
結晶性ビニル樹脂(B)の前記ピークトップ温度(TmB)を示す吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークのピークトップ温度の測定によって得られるDSC曲線に基づいて、吸熱ピークのベースラインからピーク最大高さにおける2分の1高さにおけるピークの温度幅をいう。
結晶性ビニル樹脂(B)の酸価は、単量体の酸価及び酸価を有する単量体の含有量で調整できる。(B)の酸価は、例えばJISK0070などの方法で測定される。
結晶性ビニル樹脂(B)の重量平均分子量は非晶性ビニル樹脂(A)と同様の条件で測定することができる。
トナーバインダー中の非晶性ビニル樹脂(A)の個数平均粒子径は、好ましくは0.05〜0.5μmであり、より好ましくは、0.1〜0.5μmである。
トナーバインダー中の非晶性ビニル樹脂(A)の個数平均粒子径は透過型電子顕微鏡(TEM)によりトナーバインダー又はトナー中のトナーバインダーの断面を観察することで測定することができる。また、トナーバインダー中の非晶性ビニル樹脂(A)の個数平均粒子径は、非晶性ビニル樹脂(A)と結晶性ビニル樹脂(B)の重量比、非晶性ビニル樹脂(A)と結晶性ビニル樹脂(B)の組成比、結非晶性ビニル樹脂(A)と結晶性ビニル樹脂(B)の粘度比、非晶性ビニル樹脂(A)と結晶性ビニル樹脂(B)の混錬条件または結晶性ビニル樹脂(B)存在下で非晶性ビニル樹脂(A)を重合する場合は結晶性ビニル樹脂(B)存在下での非晶性ビニル樹脂(A)の重合条件等により調整することができる。
Tgが80℃以下であると低温定着性が良好になり、25℃以上であると耐熱保存性が良好になる。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えばTA Instruments(株)製、DSCQ20を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
本発明においては、上記吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)は、結晶性ビニル樹脂(B)に由来する吸熱ピークのピークトップ温度であることが好ましい。一態様において、本発明のトナーバインダーは、結晶性ビニル樹脂(B)に由来する吸熱ピークのピークトップ温度が、好ましくは43〜95℃であり、より好ましくは45〜90℃であり、さらに好ましくは50〜90℃であり、特に好ましくは51〜88℃である。結晶性ビニル樹脂(B)に由来する吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)が上記範囲にあると、トナーバインダーの低温定着性及び耐熱保存性のバランスがより良好になる。これはトナーバインダーを用いたトナーを熱定着する際に(Tm)を示す温度で結晶性ビニル樹脂(B)がシャープメルト化してトナーバインダーが低粘度化するためであり、またトナーを保管する際に結晶性ビニル樹脂(B)の溶融によるトナー粒子同士の融着を防ぎ、保管安定性を満足するためである。
但し、結晶性ビニル樹脂(B)に由来する吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)は示差走査熱量計を用いて測定され、トナーバインダーを20℃から10℃/分の条件で150℃まで第1回目の昇温を行い、続いて150℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で150℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の結晶性ビニル樹脂(B)由来の吸熱ピークのピークトップを示す温度である。
トナーバインダーの吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)は、結晶性ビニル樹脂(B)を構成する単量体(a)の炭素数を調整すること及び(B)を構成する単量体(a)の重量比率を調整することにより、上記の好ましい範囲に調整することができる。例えば(a)の炭素数を増やす、(a)の重量比率を増やす、(B)の重量平均分子量を増やす等の方法により吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)を上げることができる。
トナーバインダーの吸熱ピークの半値幅は、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)の測定によって得られるDSC曲線に基づいて、吸熱ピークのベースラインからピーク最大高さにおける2分の1高さにおけるピークの温度幅とする。
トナーバインダーの酸価は、非晶性ビニル樹脂(A)及び結晶性ビニル樹脂(B)を構成する単量体の酸価や酸価を有する単量体の含有量で調整できる。トナーバインダーの酸価は、例えばJISK0070などの方法で測定される。
トナーバインダーの重量平均分子量は非晶性ビニル樹脂(A)と同様の条件で測定することができる。
トナーバインダーは非晶性ビニル樹脂(A)及び結晶性ビニル樹脂(B)を含有していれば特に限定されない。一態様において、例えば、非晶性ビニル樹脂(A)と結晶性ビニル樹脂(B)を公知の混合方法で混合してトナーバインダーを製造することができる。公知の混合方法としては、例えば、粉体混合、溶融混合及び溶剤混合等が挙げられる。また、非晶性ビニル樹脂(A)、結晶性ビニル樹脂(B)の混合は、トナーを製造するときに他の必要なトナー原料と共に同時に混合してもよい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続式混合装置としては、スタティックミキサー、エクストルーダー、コンティニアスニーダー及び3本ロール等が挙げられる。
溶剤混合の方法としては、非晶性ビニル樹脂(A)及び結晶性ビニル樹脂(B)を溶剤(酢酸エチル、THF及びアセトン等)に溶解し、均一化させた後、脱溶剤及び粉砕する方法や、非晶性ビニル樹脂(A)及び結晶性ビニル樹脂(B)を溶剤(酢酸エチル、THF及びアセトン等)に溶解し、水中に分散させた後、造粒及び脱溶剤する方法等が挙げられる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは3〜10重量部である。着色剤として磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150重量部、より好ましくは40〜120重量部である。
定試験力押出形細管式レオメータフローテスタ{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をフロー軟化点〔T1/2〕とする。
着色剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0.05〜60重量%、より好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.5〜50重量%である。
離型剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。
荷電制御剤の含有量はトナーの重量に基づき、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜7.5重量%である。
流動化剤の含有量はトナー重量に基づき、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜4重量%である。
また、添加剤(着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等)の含有量の合計量はトナー重量に基づき、好ましくは3〜70重量%、より好ましくは4〜58重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分をヘンシェルミキサー、ナウターミキサー及びバンバリーミキサー等で乾式ブレンドした後、二軸混練機、エクストルーダー、コンティニアスニーダー及び3本ロール等の連続式の混合装置で溶融混練し、その後ミル機等粗粉砕し、最終的に気流式微粉砕機等を用いて微粒化して、さらにエルボージェット等の分級機で粒度分布を調整することにより、トナー粒子[好ましくは体積平均粒径(D50)が5〜20μmの粒子]とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
具体的には、電解水溶液であるISOTON−II(ベックマン・コールター社製)100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加える。さらに測定試料を2〜20mg加え、試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパチャーとして50μmアパチャーを用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナー粒子の体積平均粒径(D50)(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)を求める。
なお、本発明のトナーバインダーを含有するトナーは、キャリア粒子を含まなくてもよい。
樹脂の酸価は、JIS K0070に規定の方法で測定した。ただし、測定溶媒はアセトン、メタノール及びトルエンの混合溶媒(アセトン:メタノール:トルエン=12.5:12.5:75)とした。
重量平均分子量は、下記の条件でGPCを用いて測定した。
装置:HLC−8120 [東ソー(株)製]
カラム:TSK GEL GMH6 2本 [東ソー(株)製]
測定温度:40℃
試料溶液:0.25重量%のTHF溶液
移動相: テトラヒドロフラン(重合禁止剤を含まない)
試料溶液注入量:100μL
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)[東ソー(株)製]
重量平均分子量の測定では、0.25重量%になるように試料をTHFに溶解し、不溶解分をアパチャー1μmのPTFEフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
ガラス転移温度(Tg)は、TA Instruments(株)製DSC Q20を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定した。ガラス転移温度の測定条件を記載する。
<測定条件>
(1)30℃から20℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃で10分間保持
(3)20℃/分で−35℃まで冷却
(4)−35℃で10分間保持
(5)20℃/分で150℃まで昇温
(6)(5)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析した。
吸熱ピークのピークトップ温度及びピークトップ温度を示す吸熱ピークの半値幅は示差走査熱量計{「DSCQ20」[TA Instruments(株)製]}を用いて以下の測定条件で測定した。
(測定条件)
(1)20℃から10℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃から10℃/分で0℃まで冷却
(3)0℃から10℃/分で150℃まで昇温
(4)(3)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析した。
なお、結晶性ビニル樹脂(B)の前記ピークトップ温度を示す吸熱ピークの半値幅は、吸熱ピーク温度の測定によって得られるDSC曲線に基づいて、吸熱ピークのベースラインからピーク最大高さにおける2分の1高さにおけるピークの温度幅とする。
オートクレーブにキシレン175部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、密閉にした。スチレン[出光興産(株)製、以下同様]536部、ブチルアクリレート[三菱ケミカル(株)製、以下同様]203部、アクリル酸[三菱ケミカル(株)製、以下同様]11部、ジ−t−ブチルパーオキシド[パーブチルD、日油(株)製、以下同様]1.1部、及びキシレン65部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン10部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、非晶性ビニル樹脂(A−1)を得た。(A−1)のガラス転移温度は55℃、酸価は11mgKOH/gであった。
オートクレーブにキシレン105部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、密閉にした。スチレン553部、ブチルアクリレート287部、アクリル酸10部、ジ−t−ブチルパーオキシド1.7部、及びキシレン39部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン6部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、非晶性ビニル樹脂(A−2)を得た。(A−2)のガラス転移温度は46℃、酸価は9mgKOH/gであった。
オートクレーブにキシレン105部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、密閉にし、更に170℃まで昇温した。スチレン425部、ブチルアクリレート221部、メチルメタクリレート[三菱ガス化学(株)製、以下同様]187部、アクリル酸17部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.9部、及びキシレン39部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン6部で洗浄した。更に170℃で0.5時間保持させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、非晶性ビニル樹脂(A−3)を得た。(A−3)のガラス転移温度は59℃、酸価は15mgKOH/gであった。
装置 :(株)島津製作所製GC−14A
カラム :PEG20M20% クロモソルブW担持 2mガラスカラム(phenomenex社製)
内部標準 :アミルアルコール
検出器 :FID検出器
カラム温度:100℃
試料濃度 :5%DMF溶液
スチレンとアミルアルコールの検量線を予め作成しておき、この検量線をもとに試料中のスチレンモノマーの含有量を求め、仕込量に対するスチレンモノマーの残存量から重合率を算出した。また、5重量%になるように試料をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、10分間静置した上澄み液を試料溶液とした。
オートクレーブにベヘニルアクリレート[日触テクノファインケミカル(株)製、以下同様]260部、キシレン140部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温し、170℃で2時間温調した。スチレン234部、メチルアクリレート130部、アクリル酸26部、ジ−t−ブチルパーオキシド1.3部、及びキシレン203部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、1.5時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン7部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−1)を得た。
オートクレーブにベヘニルアクリレート325部、キシレン175部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温し、170℃で2時間温調した。スチレン130部、メチルメタクリレート130部、アクリロニトリル[ナカライテスク(株)製、以下同様]65部、ジ−t−ブチルパーオキシド2.6部、及びキシレン168部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、2時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン7部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−2)を得た。
オートクレーブにキシレン138部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で165℃まで昇温した。ベヘニルアクリレート450部、スチレン75部、アクリロニトリル225部、ジ−t−ブチルパーオキシド3.7部、及びキシレン100部の混合溶液を60℃に温調し、オートクレーブ内温度を165℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン12部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認した。単量体(a)の反応率が95%未満であったため、さらにジ−t−ブチルパーオキシドを2.0部投入し、反応率が95%以上まで反応させた。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−3)を得た。
オートクレーブにベヘニルアクリレート450部、キシレン150部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温し、170℃で2時間温調した。スチレン240部、メチルアクリレート38部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート[共栄社化学(株)製、以下同様]3.8部、メタクリル酸19部、ジ−t−ブチルパーオキシド1.5部、及びキシレン93部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、2時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン7部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−4)を得た。
オートクレーブにステアリルアクリレート[共栄社化学(株)製、以下同様]600部、キシレン150部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温し、170℃で2時間温調した。スチレン65部、メチルメタクリレート75部、アクリル酸10部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.8部、及びキシレン93部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、2時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン7部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−5)を得た。
オートクレーブにベヘニルアクリレート335部、酢酸エチル[三協化学(株)製、以下同様]363部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で78℃まで昇温した。アクリロニトリル50部、スチレン79部、メチルアクリレート15部、メタクリル酸21部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)[富士フイルム和光純薬(株)製、以下同様]10部、酢酸エチル112部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を78℃にコントロールしながら、2時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインを酢酸エチル25部で洗浄した。同温度で5時間保った後、1時間かけてオートクレーブ内温度を92℃まで昇温した。更に同温度で2時間保持した後、60℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認した。単量体(a)の反応率が95%未満であったため、80℃まで昇温し、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[富士フイルム和光純薬(株)製、以下同様]2.0部と酢酸エチル38部の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下後80℃で2時間保持し、反応率が95%以上まで反応させた。110℃で6時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−6)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、空気導入管、減圧装置、減水装置を備えた反応容器に、1−トリアコンタノール50部、トルエン50部、アクリル酸12部、ハイドロキノン0.05部を投入し、撹拌して均一化した。その後、パラトルエンスルホン酸2部を加え、30分撹拌した後、空気を30mL/分の流量で吹き込みながら100℃で生成する水を除去しながら5時間反応させた。その後、反応容器内の圧力を300mmHgに調整し、生成する水を除去しながらさらに3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液30部を加えて1時間撹拌したのち静置して有機相と水相を分離させた。有機相を分液及び遠心分離操作で採取し、ハイドロキノン0.01部を投入し、空気を吹き込みながら減圧で溶媒を除去し、トリアコンチルアクリレートを得た。
オートクレーブに製造例10で得られたトリアコンチルアクリレートを375部、キシレン125部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温し、170℃で2時間温調した。スチレン163部、ブチルアクリレート97部、メチルメタクリレート100部、アクリル酸15部、ジ−t−ブチルパーオキシド3.0部、及びキシレン118部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、2時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン7部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−7)を得た。
オートクレーブにベヘニルアクリレート675部、キシレン138部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温した。スチレン23部、メチルメタクリレート53部、ジ−t−ブチルパーオキシド1.5部、及びキシレン95部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、1.5時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン18部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B−8)を得た。
オートクレーブにベヘニルアクリレートを720部、キシレン175部を仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温し、170℃で2時間温調した。アクリル酸30部、ジ−t−ブチルパーオキシド1.1部、及びキシレン65部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、2時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン10部で洗浄した。更に同温度で0.5時間保持した後、70℃まで冷却後に単量体(a)の反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行い、結晶性ビニル樹脂(B’−1)を得た。
<測定条件>
装置:ブルカーバイオスピン社製「AVANCE III HD400」
積算回数:4回
緩和時間:1秒
<サンプル調製>
NMRチューブにサンプルを100mg、重水素化溶媒(例えば重クロロホルム)を0.8mL加え樹脂を溶解させた。
<解析及び計算>
反応前の単量体(a)のプロトンの面積、残存する単量体(a)のプロトンの面積並びに単量体(a)及び結晶性ビニル樹脂(A)の鎖状炭化水素基の末端メチル基のプロトンの面積に基づき、下記の式により反応率を算出した。
反応率:100×[{反応前の単量体(a)の二重結合炭素に結合しているプロトンの面積/単量体(a)及び結晶性ビニル樹脂(A)の鎖状炭化水素基の末端メチル基のプロトンの面積}−{残存する単量体(a)の二重結合炭素に結合しているプロトンの面積/単量体(a)及び結晶性ビニル樹脂(A)の鎖状炭化水素基の末端メチル基のプロトンの面積}]/{反応前の単量体(a)の二重結合炭素に結合しているプロトンの面積/単量体(a)及び結晶性ビニル樹脂(A)の鎖状炭化水素基の末端メチル基のプロトンの面積}
例えば単量体(a)がベヘニルアクリレートであれば、二重結合炭素に結合しているプロトン(約6.4ppm)と、鎖状炭化水素基の末端メチル基のプロトン(約0.9ppm)を使用した。
非晶性ビニル樹脂(A−1)40部及び結晶性ビニル樹脂(B−1)60部を混合し、二軸混練機[(株)池貝製、PCM−30]に供給し、140℃で2分間混錬した。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例1に係るトナーバインダー(C−1)を得た。
非晶性ビニル樹脂(A−2)30部及び結晶性ビニル樹脂(B−2)70部を混合し、二軸混練機に供給し、130℃で2分間混錬した。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例2に係るトナーバインダー(C−2)を得た。
非晶性ビニル樹脂(A−3)20部及び結晶性ビニル樹脂(B−3)80部を混合し、二軸混練機に供給し、120℃で2分間混錬した。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例3に係るトナーバインダー(C−3)を得た。
オートクレーブに製造例4で得られた結晶性ビニル樹脂(B−1)を60.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−1)と同様の構成成分であるスチレン28.6部、ブチルアクリレート10.8部、アクリル酸0.6部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.06部、及びキシレン9.4部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.6部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例4に係るトナーバインダー(C−4)を得た。
オートクレーブに製造例5で得られた結晶性ビニル樹脂(B−2)を50.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−1)と同様の構成成分であるスチレン35.8部、ブチルアクリレート13.5部、アクリル酸0.75部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.08部、及びキシレン10.4部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.7部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例5に係るトナーバインダー(C−5)を得た。
オートクレーブに製造例6で得られた結晶性ビニル樹脂(B−3)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−1)と同様の構成成分であるスチレン42.9部、ブチルアクリレート16.2部、アクリル酸0.9部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.09部、及びキシレン9.9部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.6部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例6に係るトナーバインダー(C−6)を得た。
オートクレーブに製造例7で得られた結晶性ビニル樹脂(B−4)を35.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−1)と同様の構成成分であるスチレン46.5部、ブチルアクリレート17.6部、アクリル酸0.98部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.1部、及びキシレン6.5部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.4部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例7に係るトナーバインダー(C−7)を得た。
オートクレーブに製造例8で得られた結晶性ビニル樹脂(B−5)を45.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−1)と同様の構成成分であるスチレン39.3部、ブチルアクリレート14.9部、アクリル酸0.83部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.11部、及びキシレン5.5部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.3部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例8に係るトナーバインダー(C−8)を得た。
オートクレーブに製造例9で得られた結晶性ビニル樹脂(B−6)を70.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−1)と同様の構成成分であるスチレン21.5部、ブチルアクリレート8.1部、アクリル酸0.45部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.06部、及びキシレン10.4部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.7部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例9に係るトナーバインダー(C−9)を得た。
オートクレーブに製造例11で得られた結晶性ビニル樹脂(B−7)を80.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−1)と同様の構成成分であるスチレン14.3部、ブチルアクリレート5.4部、アクリル酸0.3部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.04部、及びキシレン4.7部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.3部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例10に係るトナーバインダー(C−10)を得た。
オートクレーブに製造例5で得られた結晶性ビニル樹脂(B−2)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン39.0部、ブチルアクリレート20.3部、アクリル酸0.72部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例11に係るトナーバインダー(C−11)を得た。
オートクレーブに製造例6で得られた結晶性ビニル樹脂(B−3)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン39.0部、ブチルアクリレート20.3部、アクリル酸0.72部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例12に係るトナーバインダー(C−12)を得た。
オートクレーブに製造例7で得られた結晶性ビニル樹脂(B−4)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン39.0部、ブチルアクリレート20.3部、アクリル酸0.72部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例13に係るトナーバインダー(C−13)を得た。
オートクレーブに製造例8で得られた結晶性ビニル樹脂(B−5)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン39.0部、ブチルアクリレート20.3部、アクリル酸0.72部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例14に係るトナーバインダー(C−14)を得た。
オートクレーブに製造例9で得られた結晶性ビニル樹脂(B−6)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン39.0部、ブチルアクリレート20.3部、アクリル酸0.72部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例15に係るトナーバインダー(C−15)を得た。
オートクレーブに製造例11で得られた結晶性ビニル樹脂(B−7)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン39.0部、ブチルアクリレート20.3部、アクリル酸0.72部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例16に係るトナーバインダー(C−16)を得た。
オートクレーブに製造例5で得られた結晶性ビニル樹脂(B−2)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−3)と同様の構成成分であるスチレン30.0部、ブチルアクリレート15.6部、メチルメタクリレート13.2部、アクリル酸1.2部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例17に係るトナーバインダー(C−17)を得た。
オートクレーブに製造例6で得られた結晶性ビニル樹脂(B−3)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−3)と同様の構成成分であるスチレン30.0部、ブチルアクリレート15.6部、メチルメタクリレート13.2部、アクリル酸1.2部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例18に係るトナーバインダー(C−18)を得た。
オートクレーブに製造例7で得られた結晶性ビニル樹脂(B−4)を40.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−3)と同様の構成成分であるスチレン30.0部、ブチルアクリレート15.6部、メチルメタクリレート13.2部、アクリル酸1.2部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.1部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例19に係るトナーバインダー(C−19)を得た。
オートクレーブに製造例6で得られた結晶性ビニル樹脂(B−3)を39.6部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン38.6部、ブチルアクリレート20.1部、アクリル酸0.71部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン14.0部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。更に、脱溶剤を行ったものに製造例12で得られた結晶性ビニル樹脂(B−8)を1.0部混合し、170℃で30分間均一化した後、室温まで冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例20に係るトナーバインダー(C−20)を得た。
オートクレーブに製造例6で得られた結晶性ビニル樹脂(B−3)を39.0部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン38.0部、ブチルアクリレート19.8部、アクリル酸0.70部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.12部、及びキシレン13.8部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.9部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。更に、脱溶剤を行ったものに製造例12で得られた結晶性ビニル樹脂(B−8)を2.4部混合し、170℃で30分間均一化した後、室温まで冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例21に係るトナーバインダー(C−21)を得た。
オートクレーブに製造例6で得られた結晶性ビニル樹脂(B−3)を36.4部仕込み、窒素で置換した。撹拌下解放状態で140℃まで昇温後、撹拌下密閉状態にした。非晶性ビニル樹脂(A−2)と同様の構成成分であるスチレン35.5部、ブチルアクリレート18.4部、アクリル酸0.65部、ジ−t−ブチルパーオキシド0.11部、及びキシレン12.8部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合を行った。滴下後、滴下ラインをキシレン0.8部で洗浄した。更に140で1時間保持した後、170℃まで1時間かけて昇温し、開始剤を分解させた。120℃まで冷却後にスチレンの反応率を確認したところ95%以上であった。170℃で5時間0.5〜2.5kPaの減圧下で脱溶剤を行った。更に、脱溶剤を行ったものに製造例12で得られた結晶性ビニル樹脂(B−8)を9.1部混合し、170℃で30分間均一化した後、室温まで冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した実施例22に係るトナーバインダー(C−22)を得た。
非晶性ビニル樹脂(A−1)40部及び結晶性ビニル樹脂(B’−1)60部を混合し、二軸混練機に供給し、140℃で2分間混錬した。得られたものを冷却することにより、結晶性ビニル樹脂(B)中に非晶性ビニル樹脂(A)が分散した比較例1に係るトナーバインダー(C’−1)を得た。
非晶性ビニル樹脂(A−1)60部及び結晶性ビニル樹脂(B’−1)40部を混合し、二軸混練機に供給し、140℃で2分間混錬した。得られたものを冷却することにより、非晶性ビニル樹脂(A)中に結晶性ビニル樹脂(B)が分散した比較例2に係るトナーバインダー(C’−2)を得た。
非晶性ビニル樹脂(A−1)をそのまま用い、トナーバインダー(C’−3)とした。
結晶性ビニル樹脂(B−1)をそのまま用い、トナーバインダー(C’−4)とした。
実施例及び比較例で得られたトナーバインダーを約100μmに超薄切片化し、結晶性ビニル樹脂(B)中に分散した非晶性ビニル樹脂(A)を四酸化ルテニウムにより真空電子染色装置(フィルジェン株式会社製 VSC1R1H)を使用し、濃度1で3分間染色した後、四酸化ルテニウム染色により灰色もしくは黒色に表示された非晶性ビニル樹脂(A)の分散状態を透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍でトナーバインダーの断面を観察し、トナーバインダー中の非晶性ビニル樹脂(A)の粒子径を画像処理装置(キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−700F)を用いて画像解析することにより、計算した。計測は2点間距離で行い、非晶性ビニル樹脂(A)が真円状の場合は直径を、楕円状の場合は長径で計測し、ランダムに30点計測した結果を個数平均で計算することにより、トナーバインダー中の非晶性ビニル樹脂(A)の個数平均分散粒子径を算出した。
実施例1に係るトナーバインダー(C−1)86部に対して、顔料のカーボンブラック[三菱ケミカル(株)製、MA−100]7部、離型剤のフィッシャー・トロプッシュワックス[日本精蝋(株)製、FT−0070]5部、荷電制御剤[保土谷化学工業(株)製、T−77]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製、FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製、PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[(株)栗本鐵工所製、KJ−25]を用いて微粉砕した後、エルボージェット分級機[(株)マツボー製、EJ−L−3(LABO)型]で分級し、体積平均粒径D50が7μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤として疎水性シリカ[日本アエロジル(株)製、アエロジルR972]1部をサンプルミルにて混合して、実施例20に係るトナー(T−1)を得た。
表4及び表5に記載した原料の配合部数で、実施例23と同様にトナーを製造し、実施例24〜44に係るトナー(T−2)〜(T−22)を得た。
表5に記載した原料の配合部数で、実施例23と同様にトナーを製造し、比較例5〜8に係るトナー(T’−1)〜(T’−4)を得た。
以下に、得られたトナー(T−1)〜(T−22)及び(T’−1)〜(T’−4)の低温定着性、耐ホットオフセット性、定着幅、耐熱保存性、帯電維持率、画像強度、耐久性及び巻き付き性の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。
トナーを紙面上に1.00mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた。この紙をソフトローラーに定着速度(加熱ローラーの周速)213mm/秒、加熱ローラーの温度90〜230℃の範囲を5℃刻みで通した。次に定着画像へのコールドオフセットの有無を目視し、コールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味し、この評価条件では、MFTは一般には125℃以下であることが好ましい。
上記低温定着性に記載した方法と同じ方法で、トナーを紙面上に載せ、この紙をソフトローラーに定着速度(加熱ローラーの周速)213mm/秒、加熱ローラーの温度90〜230℃の範囲を5℃刻みで通した。次に定着画像へのホットオフセットの有無を目視し、ホットオフセットの発生温度を測定した。
ホットオフセットの発生温度が高いほど、耐ホットオフセット性に優れることを意味する。この評価条件では、180℃以上であることが好ましい。
上記低温定着温度と耐ホットオフセット温度の差を定着幅とした。
定着幅が広いほど優れることを意味する。この評価条件では、70℃以上であることが好ましい。
トナー1gとアエロジルR8200(エボニックジャパン(株)製)0.01gをシェイカーで1時間混合する。混合物を密閉容器に入れ、温度40℃、湿度80%の雰囲気で48時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
◎:ブロッキングが全く発生しておらず、耐熱保存性に優れる。
○:一部にブロッキングが発生しているが、触れると容易に崩れる。
△:一部にブロッキングが発生しており、触れても容易には崩れない。
×:全体にブロッキングが発生しており、耐熱保存性が大きく劣る。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック(株)製、F−150)20gとを50mLのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpmで10分間及び60分間摩擦撹拌し、それぞれの時間での帯電量をブローオフ帯電量測定装置[京セラケミカル(株)製]を用いて測定した。
得られた値を用いて「摩擦時間60分後の帯電量/摩擦時間10分後の帯電量」を計算し、これを帯電安定性指数とした。
本帯電安定性指数が大きいほど帯電維持率に優れることを意味する。この評価条件では0.8以上であると好ましい。
上記の低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600−5−4(1999)に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重が加わる様にして手かき法によりかけ引っ掻き硬度試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。
鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。一般にはHB以上であることが好ましい。
トナーを二成分現像剤として、市販モノクロ複写機[シャープ(株)製、AR5030]を用いて連続コピーを行い、以下の基準で耐久性を評価した。
◎:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
○:1万枚コピー後でカブリが発生している。
△:6千枚コピー後でカブリが発生している。
×:2千枚コピー後でカブリが発生している。
上記低温定着性に記載した方法と同じ方法で、トナーを紙面上に載せた。この紙をベルト定着機に定着速度(加熱ローラーの周速)320mm/秒、加熱ローラーの温度150〜180℃の範囲を10℃刻みで通した(計4回確認)。次にベルト定着機への定着紙の巻き付きの有無を目視により確認し、定着紙への巻き付きが認められない場合は定着紙にシワが発生しているか否かを目視により確認し、以下の基準により評価した。下記基準は、A、B、C、Dの順に優れており、評価結果がAまたはBであれば、巻き付き性に優れている。
A:巻き付きが認められず、定着紙にシワが認められない。
B:巻き付きは認められないが、定着紙にシワが認められる。
C:巻き付きが1回見られた。
D:巻き付きが2回以上見られた。
さらに、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。
Claims (6)
- 非晶性ビニル樹脂(A)及び結晶性ビニル樹脂(B)を含有するトナーバインダーであって、結晶性ビニル樹脂(B)が単量体(a)及び単量体(b)を含む単量体組成物(B0)の重合体であり、単量体(a)が鎖状炭化水素基を有する炭素数21〜40の(メタ)アクリレートであり、単量体(b)がビニル基を有する炭素数6以下の単量体であり、前記単量体組成物(B0)中の単量体(b)の重量割合が前記単量体組成物(B0)の重量を基準として7重量%以上であり、非晶性ビニル樹脂(A)がトナーバインダー中に粒子として分散しており、トナーバインダー中の非晶性ビニル樹脂(A)の個数平均粒子径が0.02〜0.5μmであるトナーバインダー。
- 前記単量体組成物(B0)中の単量体(a)の重量割合が、単量体組成物(B0)の重量を基準として15〜93重量%である請求項1に記載のトナーバインダー。
- 非晶性ビニル樹脂(A)が、スチレンを含む単量体組成物(A0)の重合体であり、前記単量体組成物(A0)中のスチレンの重量割合が、前記単量体組成物(A0)の重量を基準として50重量%以上である請求項1又は2に記載のトナーバインダー。
- 非晶性ビニル樹脂(A)と結晶性ビニル樹脂(B)の重量比[(A):(B)]が、[20:80]〜[65:35]である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
- トナーバインダーが、吸熱ピークのピークトップ温度(Tm)を40〜100℃の範囲に少なくとも1個有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
但し、(Tm)は、示差走査熱量計を用いて測定され、トナーバインダーを30℃で10分間保持し、30℃から10℃/分の条件で150℃まで第1回目の昇温を行い、続いて150℃で10分間保持し、続いて10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃で10分間保持し、続いて0℃から10℃/分の条件で150℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程での吸熱ピークのピークトップ温度である。 - 前記ピークトップ温度(Tm)を示す吸熱ピークの半値幅が6℃以下である請求項5に記載のトナーバインダー。
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