JP2021152369A - フリータイプ双方向クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】入力部材からの回転が大きいトルクであっても確実に出力部材へ伝達することが可能な新規のフリータイプ双方向クラッチを提供する。【解決手段】コイルばね30を出力部材8の内側に配置して、コイルばね30の主部34の外周面と出力部材8の内周面とを対向させ、入力部材6が回転すると、入力係止片16はコイルばね30に設けられた一対のフック部36a及び36bの一方を押してコイルばね30を拡径させ、コイルばね30の外周面が出力部材8の内周面に密接するようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、入力部材と出力部材との間の動力伝達状態を変更するクラッチ装置、特に、入力部材からの正・逆回転の動力を出力部材に伝達し、出力部材からの動力の伝達は、出力部材を空転させて遮断するフリータイプ双方向クラッチに関するものである。
モーターなどの駆動源から機械装置あるいは作業機器等を駆動する動力伝達系では、駆動する機器の特性に対応するよう各種の伝達装置が使用される。このような伝達装置の中で双方向クラッチと呼ばれるものは、入力軸(駆動側)から出力軸(従動側)への動力伝達では、入力軸の正方向回転及び逆方向回転をともに出力軸に伝達し、反対向きの、出力軸から入力軸への動力伝達は遮断する機能を備えている。双方向クラッチには、出力軸からの動力伝達を遮断するときに出力軸を空転させるクラッチがあり、フリータイプ双方向クラッチと呼ばれている。
フリータイプ双方向クラッチは、一例として、巻き上げ式の電動カーテン等を手動でも操作できるようにした開閉駆動装置に適用することができる。この場合、フリータイプ双方向クラッチは、駆動モーターとカーテンの巻き上げ機構との間に介在され、入力軸に駆動モーターが、出力軸に巻き上げ機構が連結される。駆動モーターを正・逆回転させるとカーテンの昇降が可能であるとともに、駆動モーターの停止位置においては、手動による巻き上げ機構の操作が可能であって、このときには、出力軸が空転するので駆動モーターに悪影響を及ぼすことがない。こうした機能は、駆動モーターと巻き上げ機構との間に電磁クラッチを設置し、これを断・接しても達成できるが、電磁クラッチを作動させるには電力を必要とし、電力制御のための複雑な制御装置等も必要となる。
下記特許文献1には、フリータイプ双方向クラッチの一例が示されている。このフリータイプ双方向クラッチは、断面が円弧形状である筒状の入力係止片を有する入力部材と、入力係止片の内側に挿通される断面円形の中実棒状の出力部材と、入力係止片と出力部材との間に配置されるコイルばねと、入力係止片の外側に配置されるリテーナとを具備している。コイルばねは、線材が巻回された主部と、この主部の軸方向両端において線材が径方向外側に向かって傾斜して延びる一対のフック部とを備えている。コイルばねが自由状態にあるときのコイルばねの主部の内径は出力部材の外径よりも大きく且つ入力係止片の内径よりも小さく、コイルばねが自由状態にあるときは、出力部材はコイルばねに対して回転可能である。コイルばねの一対のフック部は共に、入力係止片に形成された周方向隙間を通過して入力係止片の外側に突出し、リテーナの内周面に形成された凹溝においてリテーナと係合している。なお、リテーナには抵抗トルク付与手段によって所定の抵抗トルクが付与されている。
そして、入力部材が回転すると、入力係止片の開口部を通過する上記一対のフック部の一方が入力係止片によって周方向に押されてコイルばねはその全体が入力部材と一体となって回転しようとする。しかしながら、リテーナには所定の抵抗トルクが付与されていることから、上記一対のフック部の他方は、上記凹溝においてリテーナと係合して一時的に角度位置が保持され、この間にコイルばねは出力部材の外周面を締め付ける。入力部材が更に回転すると、入力係止片、コイルばね、及び出力部材と共にリテーナは一体となって抵抗トルク付与手段による抵抗トルクに抗して回転する。一方、出力部材から入力部材への回転の伝達は、上記したとおりコイルばねが自由状態にあるときは、出力部材はコイルばねに対して回転可能であることから、出力部材が空転して遮断される。
特開第2008−256111号公報
しかしながら、本発明者の見解によれば、上述したフリータイプ双方向クラッチにあっては、入力部材から出力部材へ大きな回転トルクを伝達しようとすると、コイルばねの内周面と出力部材の外周面との間で滑りが生じ、回転が伝達されなくなる虞がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、入力部材からの回転が大きいトルクであっても確実に出力部材へ伝達することが可能な新規のフリータイプ双方向クラッチを提供することである。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、コイルばねを出力部材の内側に配置して、コイルばねの主部の外周面と出力部材の内周面とを対向させ、入力部材が回転すると、入力係止片はコイルばねに設けられた一対のフック部の一方を押してコイルばねを拡径させ、コイルばねの外周面が出力部材の内周面に密接するようにする、ことで上記主たる技術的課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明によれば、軸部材の周りを回転可能な入力部材及び出力部材を備え、前記入力部材からの正・逆方向の回転は前記出力部材に伝達されるとともに、前記出力部材から前記入力部材への回転の伝達は、前記出力部材が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
前記入力部材は、前記軸部材に挿通される入力端板と、前記入力端板から軸方向に延びる入力係止片とを備え、
前記出力部材は筒状であって内側には断面円形の空間部が設けられており、前記空間部には、前記入力係止片と、コイルばねと、リテーナとが配設され、
前記コイルばねは、線材が巻回された主部と、前記主部の軸方向両端において前記線材が径方向内側に屈曲せしめられた一対のフック部とを備え、前記主部の外周面は前記出力部材の内周面と対向し、前記主部の内側には前記入力係止片が位置し、前記コイルばねが自由状態にあるときは、前記コイルばねは前記入力部材及び前記出力部材に対し回転可能であり、
前記リテーナは前記軸部材に挿通されて前記軸部材に対し回転可能であって、前記入力係止片の径方向内側に位置し、前記リテーナには前記コイルばねの前記一対のフック部の各々が係合可能な一対の係合面が形成されており、
前記リテーナには抵抗トルク付与手段によって所定の抵抗トルクが付与され、
前記入力部材が回転すると、前記入力係止片が前記コイルばねの前記一対のフック部の一方を押して前記コイルばねを拡径させ、前記コイルばねの外周面が前記出力部材の内周面に密接する、ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチが提供される。
好ましくは、前記入力係止片の断面は円弧形状であって、外周面は前記コイルばねの前記主部の内周面に対し摺動可能である。この場合には、前記リテーナは筒状であって軸方向に見て円形であり、外周面は前記入力係止片の内周面に対対し、内周面は前記軸部材の外周面に対向し、前記内周面は前記軸部材の外周面に対し摺動可能であるのがよい。好適には、前記一対のフック部の各々において前記線材は、前記主部の軸方向端から周方向に向かって径方向内側に円弧状に湾曲せしめられている。前記リテーナには前記軸部材に挿通された板状のリテーナ補助が接続されており、前記出力部材の軸方向への移動は前記リテーナ補助によって規制されているのがよい。前記抵抗トルク付与手段は前記軸部材に挿通されて軸方向に付勢する波ばねであるのが好都合である。好適には、前記入力端板の外周面には入力歯車が、前記出力部材の外周面には出力歯車が夫々形成されている。
本発明のフリータイプ双方向クラッチにあっては、コイルばねは出力部材の内側に配置され、コイルばねの主部の外周面と出力部材の内周面とは対向し、入力部材が回転すると、入力係止片はコイルばねに設けられた一対のフック部の一方を押してコイルばねを拡径させ、コイルばねの外周面は出力部材の内周面に密接する。それ故に、入力部材の回転が出力部材に伝達される際に、コイルばねの外周面と出力部材の内周面とが密接する面積は大きく、コイルばねの主部の外周面と出力部材の内周面とが密接した状態で滑りが生じることは防止され、入力部材からの回転が大きいトルクであっても確実に出力部材へ伝達することが可能となる。更に、フック部の基端は径方向内側ではなく径方向外側に位置することから、コイルばねが出力部材の外側に配置されている場合と比較すると、同じ力でフック部を押したときに生じるフックの基端周りに生じる回転モーメントは大きくなり(所謂腕の長さが長くなるので)、小さな力であっても充分にコイルばねの外周面と出力部材の内周面とを密接させることができる。
本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチの好適実施形態の全体構成を示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの分解斜視図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの内部構造を示す斜視図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの入力部材を単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの出力部材を単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチのコイルばねを単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチのリテーナを単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチのリテーナ補助を単体で示す図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチを入力部材から回転させたときの作動を説明する図。 図1に示すフリータイプ双方向クラッチの変形例を示す図。
以下、本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチの好適実施形態について添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1及び図2を参照して説明すると、本発明に従って構成された、全体を番号2で示すフリータイプ双方向クラッチは、軸部材4の周りを回転可能な入力部材6及び出力部材8を備えている。
軸部材4は金属製であって、中心軸oに沿って直線状に延びており、断面は円形である。図示の実施形態にあっては、軸部材4は図示しない固定部材に固定されているが、軸部材4は中心軸oを軸として回転していてもよい。軸部材4の外周面における複数(図示の実施形態においては3つ)の軸方向所定位置には夫々、円環形状の装着溝10が形成されており、装着溝10には夫々金属製のCリング12が嵌合されている。Cリング12は軸部材4に対して少なくとも軸方向に固定されており、軸部材4に装着される各部材の軸方向への移動を規制している。所望ならば、Cリング12は軸部材4に完全に固定されていてもよい。
図1及び図2と共に図4を参照して説明すると、入力部材6は金属製であって、軸部材4に挿通される入力端板14と、入力端板14から軸方向に延びる入力係止片16とを備えている。入力端板14は円形であって、中央には軸部材4が貫通する円形の貫通穴18が形成されている。入力端板14の外周面には、モーターの如き図示しない駆動源に接続される入力歯車20が形成されている。入力端板14の軸方向片側面(図1のA−A断面及び図4のA−A断面において左側面)の中央には、貫通穴18に連通する円形凹部22が形成されている。図1のA−A断面に示されるとおり、円形凹部22には軸部材4に嵌合されたCリング12が収容され、入力端板14の軸方向他側面(同右側面)にも軸部材4に嵌合されたCリング12が配置され、かくして軸部材4に対する入力端板14(従って入力部材6全体)の軸方向位置は固定される。入力端板14の軸方向片側面には、円形凹部22を囲繞して軸方向に突出する円筒形状の支持壁24も形成されている。支持壁24の中心軸は中心軸oと合致し、後述するとおり支持壁24は出力部材8を径方向に支持する。入力係止片16は、入力端板14の軸方向片側面の径方向中間部に設けられている。図示の実施形態においては、入力係止片16の断面は、周方向に180度よりも幾分小さい角度間隔に亘って延在する円弧形状であって、その基端部の外周縁は支持壁24の内周縁に沿って延在している。図4の左図において入力係止片16の時計方向の上流端には押圧面25aが、時計方向の下流端には押圧面25bが夫々規定されており、押圧面25a及び25bは同図において二点鎖線で示すとおり、同一の直線状に位置する。
図1及び図2と共に図5を参照して説明すると、出力部材8は金属製の筒状であって、軸部材4を囲繞してこれの径方向外側に位置し、内側には断面円形の空間部26が設けられている。換言すれば、出力部材8の内面は円周面である。図1のA−A断面に示すとおり、空間部26には、入力係止片16と、コイルばね30と、リテーナ32とが配設されている。空間部26には更に、入力部材6の支持壁24も嵌入されており、これによって出力部材8は入力部材6に対し回転可能な状態で径方向に支持されている。出力部材8はまた、入力部材6の入力端板14及び後述するリテーナ補助によって軸方向への移動が規制されている。そして、出力部材8の外周面には、巻き上げ機構の如き図示しない従動部材に接続される出力歯車28が形成されている。
図1及び図2と共に図6を参照して説明すると、コイルばね30は、その全体が金属製の線材によって構成されており、線材が巻回された主部34と、この主部34の軸方向両端において線材が軸方向内側に屈曲せしめられた一対のフック部36a及び36bとを備えている。図1のB−B断面においては、明確に理解できるように、コイルばね30には薄墨を付して示している。主部34の外周面は出力部材8の内周面と対向し、主部34の内側には入力係止片16が位置する。ここで、コイルばね30が自由状態にあるときの主部34の外径は、出力部材8の内径よりも小さく、コイルばね30が自由状態にあるときは、コイルばね30は入力部材6及び出力部材8に対し回転可能である。図示の実施形態においては、コイルばね30が自由状態にあるときの内径は、断面が円弧形状である入力係止片16の外径よりも大きい。このことから、後述するとおり入力部材6が回転する場合を除いて、コイルばね30は自由状態で出力部材8の内側に配置されており、コイルばね30が自由状態にあるときは、主部34は入力係止片16の外周面にも出力部材8の内周面にも密接しておらず、出力部材8はコイルばね30に対し回転可能となる。図示の実施形態においては、一対のフック部36a及び36bの各々において線材は、主部34の軸方向端から周方向に向かって径方向内側に円弧状に湾曲せしめられている。そして、一対のフック部36a及び36bの各々の先端部分において線材は直線状であって、かかる部分の線材は図6の左図において一点鎖線で示す同一の直線上に位置する。
図1及び図2と共に図7を参照して説明すると、リテーナ32は金属製であって、軸部材4に挿通されてこれに対し回転可能であり、径方向に見て入力係止片16の内側に位置している。図示の実施形態においては、リテーナ32は全体的に円筒形状であって、外周面は入力係止片16の内周面に対向し、内周面は軸部材の外周面に対向し、リテーナ32の内周面は軸部材4の外周面に対し摺動可能である。これにより、入力係止片16及びリテーナ32が回転する際、夫々の芯ぶれ及び倒れが防止される。リテーナ32にはコイルばね30の一対のフック部36a及び36bの各々が係合可能な一対の係合面38a及び38bが形成されている。図示の実施形態においては、リテーナ32には、一対のフック部36a及び36bの各々が夫々挿入される一対の係合溝40a及び40bが形成されている。一対の係合溝40a及び40bは共に軸方向の片端(図7のA−A断面において左側端)から他端部(同右側端部)まで直線状に延びており、周方向に間隔をおいて設けられている。図7の左図を参照して説明すると、一対の係合溝40a及び40bの断面形状は共に略扇形状であって、周方向延在長さは等しく、径方向外側から内側に向かって貫通している。所望ならば、一対の係合溝40a及び40bの各々は径方向に貫通することなく、各々の径方向内側端面は閉塞していてもよい。そして、図7の左図において、係合面38aは係合溝40aの時計方向下流側端面に対応する面に、係合面38bは係合溝40bの時計方向上流側端面に対応する面に夫々規定されている。係合面38a及び38bは図7の左図において一点鎖線で示すとおり、同一の直線状に位置する。一対のフック部36a及び36bの各々が一対の係合溝40a及び40bの各々に夫々挿入された状態にあっては、図3を参照することによって理解されるとおり、フック部36aは係合溝40a内の軸方向片側(同図において手前側)に、フック部36bは係合溝40b内の軸方向他側(同奥側)に夫々位置する。
上述したリテーナ32には、抵抗トルク付与手段によって所定の抵抗トルクが付与されている。図示の実施形態においては、抵抗トルク付与手段は軸部材4に挿通されて軸方向に付勢する波ばね42である。図1に示すとおり、波ばね42は、軸方向に見て、軸部材4に装着されたCリング12とリテーナ32の軸方向端面との間に配置され、これによって軸部材4に対する軸方向移動は規制されている。図示の実施形態においては、波ばね42とリテーナ32との間には、軸部材4に挿通されてリテーナ32と一体回転可能な金属製の板状リテーナ補助44が設けられており、波ばね42はリテーナ補助44を軸方向に付勢してこれを介してリテーナ32に抵抗トルクを付与している。更に、波ばね42とCリング12との間には、軸部材4に挿通されてこれに対し回転可能な金属製のワッシャ46も設けられている。
リテーナ補助44について図1及び図2と共に図8を参照してさらに説明すると、リテーナ補助44は中央に軸部材4が挿通される円形の穴48を備えた円形である。図8に示されているとおり、リテーナ補助44の片側面には軸方向に突出する一対の突部50a及び50bが形成されている。一対の突部50a及び50bの各々の断面形状はリテーナ32に形成された一対の係合溝40a及び40bの各々の断面形状と対応し、一対の突部50a及び50bの各々が一対の係合溝40a及び40bの各々に夫々挿入されることで、リテーナ補助44はリテーナ32と一体となって回転可能となる。リテーナ補助44の外径は少なくとも出力部材8の内径よりも大きく、リテーナ補助44は出力部材8の軸方向端面と対向して出力部材8の軸方向外側に配置される。これにより、リテーナ補助44は入力部材6の入力端板14と共働して出力部材8の軸方向への移動を規制する。
続いて、図9を参照してフリータイプ双方向クラッチ2の作動について説明する。図9において各矢印で示すとおり、入力部材6が駆動源のモーターにより時計方向(A−A断面の右方から見て)に回転すると、B−B断面において入力部材6の入力係止片16は中心軸oの周りを反時計方向に回転し、入力係止片16の押圧面25aがコイルばね30のフック部36aと当接してこれを反時計方向に押す。このとき、上述したとおりコイルばね30が自由状態にあるときは、コイルばね30は入力部材6及び出力部材8に対し回転可能であることから、フック部36aが反時計方向に押されたことでコイルばね30全体が反時計方向に回転する。そして、コイルばね30全体が同図において反時計方向に回転すると、フック部36bがリテーナ32の係合溝40b内において係合面38bと当接する。このとき、リテーナ32には波ばね42(抵抗トルク付与手段)による所定の抵抗トルクが付与されていることによって、リテーナ32の角度位置は一時的に保持される。リテーナ32の角度位置が保持されている間にも入力係止片16は更に反時計方向に回転し、これによってフック部36aには入力係止片16の押圧面25aから、フック部36bにはリテーナ32の係合面38bから夫々力(反力)を受け、コイルばね30は拡径せしめられる。コイルばね30が拡径せしめられることで、コイルばね30の主部34の外周面は出力部材8の内周面に密接し、出力部材8は入力部材6と一体となって回転することとなる。この際には、コイルばね30及びリテーナ32も入力部材6及び出力部材8と一体となって上記所定の抵抗トルクに抗して回転する。かくして、入力部材6の回転は出力部材8に伝達される。入力部材6が反時計方向(A−A断面の右方から見て)に回転したときは、入力係止片16の押圧面25bがコイルばね30のフック部36bを押すが、全体的な作動は同じであるため、詳細な説明は省略する。一方、出力部材8からの回転の伝達は、上述したとおりコイルばね30が自由状態にあるときは、コイルばね30は出力部材8に対し回転可能であることから、出力部材8が空転して遮断される。
図10には、フリータイプ双方向クラッチ2の変形例の、図1においてB−B断面で示される図に相当する図が示されている。本変形例においては、入力係止片は、断面が共に円弧形状であって周方向に間隔をおいて設けられた片側入力係止片16a´及び他側入力係止片16b´から構成されており、片側入力係止片16a´の時計方向上流に押圧面25a´が、他側入力係止片16b´の時計方向下流側に押圧面25b´が夫々規定されている。同様に、リテーナは、断面が共に円弧形状であって周方向に間隔をおいて設けられた片側リテーナ片32a´及び他側リテーナ片32b´を備え、片側リテーナ片32a´の時計方向上流側に係合面38a´が他側リテーナ片32b´の時計方向下流側に係合面38b´が規定されている。従って、本変形例のリテーナには係合溝は形成されていない。
本発明のフリータイプ双方向クラッチにあっては、コイルばねは出力部材の内側に配置され、コイルばねの主部の外周面と出力部材の内周面とは対向し、入力部材が回転すると、入力係止片はコイルばねに設けられた一対のフック部の一方を押してコイルばねを拡径させ、コイルばねの外周面は出力部材の内周面に密接する。それ故に、入力部材の回転が出力部材に伝達される際に、コイルばねの外周面と出力部材の内周面とが密接する面積は大きく、コイルばねの主部の外周面と出力部材の内周面とが密接した状態で滑りが生じることは防止され、入力部材からの回転が大きいトルクであっても確実に出力部材へ伝達することが可能となる。更に、フック部の基端は径方向内側ではなく径方向外側に位置することから、コイルばねが出力部材の外側に配置されている場合と比較すると、同じ力でフック部を押したときに生じるフックの基端周りに生じる回転モーメントは大きくなり(所謂腕の長さが長くなるので)、小さな力であっても充分にコイルばねの外周面と出力部材の内周面とを密接させることができる。
以上、添付した図面を参照して、本発明に従って構成されたフリータイプ双方向クラッチの好適実施形態について詳述したが、本発明のフリータイプ双方向クラッチは、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。例えば、上記実施形態においては、抵抗トルク付与手段は軸部材に挿通されて軸方向に付勢する波ばねであったが、所望ならば径方向に付勢する板ばねであってもよい。抵抗トルク付与手段を上記板ばねとする場合には、円板形状であるリテーナ補助44の外周面を囲繞する円筒壁を軸部材に固定し、上記板ばねを、上記円筒壁の内周面とリテーナ補助44の外周面との間に配置する。また、上記実施形態においては、入力部材及び出力部材は夫々歯車によって駆動源又は従動部材に接続されていたが、これに替えて、入力部材及び出力部材の夫々に駆動源又は従動部材に接続される入力軸及び出力軸を設けるようにしてもよい。
2:フリータイプ双方向クラッチ
4:軸部材
6:入力部材
8:出力部材
14:入力端板
16:入力係止片
25:押圧面
26:空間部
30:コイルばね
32:リテーナ
36a及び36b:一対のフック部
38a及び38b:一対の係合面
42:波ばね(抵抗トルク付与手段)

Claims (7)

  1. 軸部材の周りを回転可能な入力部材及び出力部材を備え、前記入力部材からの正・逆方向の回転は前記出力部材に伝達されるとともに、前記出力部材から前記入力部材への回転の伝達は、前記出力部材が空転して遮断されるフリータイプ双方向クラッチであって、
    前記入力部材は、前記軸部材に挿通される入力端板と、前記入力端板から軸方向に延びる入力係止片とを備え、
    前記出力部材は筒状であって内側には断面円形の空間部が設けられており、前記空間部には、前記入力係止片と、コイルばねと、リテーナとが配設され、
    前記コイルばねは、線材が巻回された主部と、前記主部の軸方向両端において前記線材が径方向内側に屈曲せしめられた一対のフック部とを備え、前記主部の外周面は前記出力部材の内周面と対向し、前記主部の内側には前記入力係止片が位置し、前記コイルばねが自由状態にあるときは、前記コイルばねは前記入力部材及び前記出力部材に対し回転可能であり、
    前記リテーナは前記軸部材に挿通されて前記軸部材に対し回転可能であって、前記入力係止片の径方向内側に位置し、前記リテーナには前記コイルばねの前記一対のフック部の各々が係合可能な一対の係合面が形成されており、
    前記リテーナには抵抗トルク付与手段によって所定の抵抗トルクが付与され、
    前記入力部材が回転すると、前記入力係止片が前記コイルばねの前記一対のフック部の一方を押して前記コイルばねを拡径させ、前記コイルばねの外周面が前記出力部材の内周面に密接する、ことを特徴とするフリータイプ双方向クラッチ。
  2. 前記入力係止片の断面は円弧形状であって、外周面は前記コイルばねの前記主部の内周面に対し摺動可能である、請求項1に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  3. 前記リテーナは筒状であって軸方向に見て円形であり、外周面は前記入力係止片の内周面に対向し、内周面は前記軸部材の外周面に対向し、前記内周面は前記軸部材の外周面に対し摺動可能である、請求項2に記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  4. 前記一対のフック部の各々において前記線材は、前記主部の軸方向端から周方向に向かって径方向内側に円弧状に湾曲せしめられている、請求項1乃至3のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  5. 前記リテーナには前記軸部材に挿通された板状のリテーナ補助が接続されており、前記出力部材の軸方向への移動は前記リテーナ補助によって規制されている、請求項1乃至4のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  6. 前記抵抗トルク付与手段は前記軸部材に挿通されて軸方向に付勢する波ばねである、請求項1乃至5のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
  7. 前記入力端板の外周面には入力歯車が、前記出力部材の外周面には出力歯車が夫々形成されている、請求項1乃至6のいずれかに記載のフリータイプ双方向クラッチ。
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